説明

貯湯式給湯装置

【課題】逆止弁に対する故障判定機能を具備した貯湯式給湯装置を提供する。
【解決手段】給湯混合弁5と、給湯混合弁5の出湯管19側に接続され給湯混合弁5の方向のみに湯水が流通可能な第1逆止弁1と、給湯混合弁5の給水管11側に接続され給湯混合弁5の方向のみに湯水が流通可能な第2逆止弁2と、給湯混合弁5の弁開度を設定温度Tsに制御しつつ給湯停止時に所定の状態に保持して再給湯を待機させる制御が可能な制御部30と、を備えた貯湯式給湯装置100において、制御部30は給湯混合弁5の出湯側に配設された給湯温度センサ13の検出する給湯温度Tが所望の設定温度Tsから所定差δを超えたことに対応して制御部30が給湯混合弁5の弁開度を低温水で全開に制御した時、給湯混合弁5の出口側に配設された給湯流量センサ22により給湯混合弁5からの流量Rを計測して規定量Zよりも少ない場合に第2逆止弁2が故障したと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯湯タンク、逆止弁および、逆止弁の故障判定機能を備えた貯湯式給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貯湯式の給湯装置として、給湯混合弁から出湯開始時や少量の湯水の給湯時に高温の湯が出湯されることがなく、安全に使用できる給湯装置を提供するようにしたものとして、高温水経路に第1逆止弁を、低温水経路に第2逆止弁を備え、安全に使用できるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1)。なお、特許文献1と本発明では、第1逆止弁と、第2逆止弁が逆に称呼されている。
【0003】
特許文献1に記載の装置では、給湯需要がなく給湯栓を閉じて給湯しない給湯待機中は、低温水経路内の重い低温水と貯湯タンク内の軽い高温水との比重差による湯水の対流を第2逆止弁により阻止するため、低温水経路内へ高温水は浸入しない。したがって、出湯開始時に設定温度以上の高温の湯が予告なしに出湯される危険がなく安全に使用できるものである。
【0004】
また、給湯栓を少し開けて少量の湯水を給湯しようとする時、水圧が低く第2逆止弁が開弁圧に達しない場合は、低温水経路から低温水は供給されないが、同時に第1逆止弁も開弁圧に達しないので高温水も供給されない。したがって、少量の湯水を給湯開始時に利用者が希望しない高温の湯が予告なしに出湯される危険がなく安全に使用できるものである。
【0005】
そして、給湯混合弁と並列に接続された風呂混合弁を含む風呂給湯回路における有害な対流を防止するため、低温水経路と風呂混合弁の間に第3逆止弁を介挿したものもある。その場合、第1逆止弁は出湯待機中の風呂給湯時の逆流防止、第2逆止弁は給湯回路の対流防止、第3逆止弁は風呂給湯回路の対流防止という作用効果がある。
【特許文献1】特開2001−289507号公報(段落0004〜0011、図1および図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、第2逆止弁におけるシール部の劣化、カルキの付着などの原因により、この第2逆止弁が固着して順方向の開きが悪くなった場合(以後、「閉塞故障」という)、給湯利用中に異常な高温水が流出し、利用者に危険をもたらす可能性が高まる。そのため、給湯温度センサで高温水流出を検出した時点で第2逆止弁の閉塞故障と判断して給湯を禁止するかまたは危険を警告するという対策もある。しかしながら、この方法では、給湯混合弁の故障でも類似の症状が検出されるため、給湯混合弁の故障かあるいは第2逆止弁の閉塞故障かの何れであるかを判断できないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、逆止弁の故障判定機能を備えた貯湯式給湯装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、加熱された温水を貯湯する貯湯タンク(4)と、前記貯湯タンク(4)の下部に低温水を供給する給水管(11)と、前記貯湯タンク(4)の上部から貯湯タンク(4)内の高温水を取り出す出湯管(19)と、前記出湯管(19)に配設されて高温水温度(T)を検知する高温水温度センサ(25)と、前記給水管(11)に配設されて低温水温度(T)を検知する給水温度センサ(24)と、前記給水管(11)から供給される前記低温水と前記出湯管(19)から供給される前記高温水を任意比率に混合して給湯可能な給湯混合弁(5)と、前記給湯混合弁(5)の出湯管(19)側に接続され前記給湯混合弁(5)の方向のみに湯水が流通可能な第1逆止弁(1)と、前記給湯混合弁(5)の給水管(11)側に接続され前記給湯混合弁(5)の方向のみに湯水が流通可能な第2逆止弁(2)と、前記低温水と前記高温水を混合した湯水が設定温度(Ts)になるように前記給湯混合弁(5)の弁開度を制御すると共に、前記給湯混合弁(5)を給湯停止時に弁開度を所定の状態に保持して再給湯を待機させる制御が可能な制御部(30)と、を備えた貯湯式給湯装置(100)において、前記制御部(30)は前記給湯混合弁(5)の出湯側に配設された給湯温度センサ(13)の検出する給湯温度(T)が所望の設定温度(Ts)から所定差(δ)を超えたことに対応して前記制御部(30)が前記給湯混合弁(5)の弁開度を低温水で全開に制御した時、前記給湯混合弁(5)の出口側に配設された給湯流量センサ(22)により前記給湯混合弁(5)からの流量(R)を計測して規定量(Z)よりも少ない場合に第2逆止弁(2)が故障したと判定することを特徴とする貯湯式給湯装置(100)である。
【0009】
請求項1に係る発明によれば、以下の作用により第2逆止弁(2)に故障がある時、そのことを容易かつ確実に判定できる。通常は、給湯混合弁(5)の弁開度に基づく設定温度(Ts)の給湯が利用者から期待されている。ところが、給湯需要からの期待に反して設定温度(Ts)を超える異常高温水が流出した時、給湯混合弁(5)の出湯側に配設された給湯温度センサ(13)の検出値が設定温度(Ts)から所定差(δ)を超えて異常高温水を検知すれば異常と認識する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第2逆止弁に故障がある時、そのことを容易かつ確実に判定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明の一実施形態を図面に沿って説明する。
図1は本発明を適用する効果的な貯湯式給湯装置(以下、単に「給湯装置」ともいう)100の概略構成図であり、給湯装置100は、制御部30により制御される貯湯式給湯機10が、湯水を沸き上げて貯湯タンク4に貯湯し、この貯湯タンク4の上部に接続された出湯管19から出湯する高温(例えば85℃)水に適宜比率の低温水を混合して給湯需要に応ずる構成である。なお、図1の破線により制御部30と制御対象および各部の温度センサおよび流量センサを結ぶ信号線を簡略に示している。
【0012】
前記貯湯式給湯機10は、貯湯タンク4内の湯水を、例えば、ヒートポンプユニット等で構成された加熱手段12により、電力単価が安価な深夜時間帯に沸き上げて貯湯し、この貯湯した高温水を給湯に用いるいわゆるエコキュート(自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機)である。給水管11から給水される低温水を加熱手段12により沸き上げた貯湯を出湯管19から高温水として出湯する。
【0013】
高温水と低温水が利用者の希望する温度に冷熱混合され、給湯混合弁5→給湯管6を経由し、図示しないシャワー、カラン、洗面所や台所の給湯栓等へと給湯される給湯管6により給湯需要に応じられるように配管構成されている。この給湯管6と同様に、冷熱混合され、風呂混合弁7→風呂給湯電磁弁21→風呂給湯管9→浴槽20へと注湯される風呂給湯管9によりその需要に応じられるように配管構成されている。このように、風呂給湯管9は風呂給湯電磁弁21を介して浴槽20に給湯するための配管である。
【0014】
なお、前記出湯管19には貯湯タンク4から出湯される高温水の温度を検出するための高温水温度センサ25が配設される一方、給湯管6には給湯温度Tを検出するための給湯温度センサ13を備えている。
【0015】
前記給水管11には給湯装置100に供給される水の流量を検出するための給水流量センサ14および給水温度Tを検出する給水温度センサ24を備えている。この給水管11から三方に分岐して低温で給水する一連の配管を低温水経路16と呼ぶ。この低温水経路16のうち第1分岐は貯湯タンク4の下部へ、第2分岐は第2逆止弁2→給湯混合弁5へ、第3分岐は第3逆止弁3→風呂混合弁7へと通じている。
【0016】
前記制御部30は、単に貯湯式給湯機10の沸き上げを制御するのみならず、給湯装置100全体の統括制御も行う。すなわち、給水温度センサ24、高温水温度センサ25、給湯温度センサ13、風呂温水温度センサ8、給水流量センサ14、給湯流量センサ22等の検出信号およびリモコン31からの指示に基づき、加熱手段12、給湯混合弁5、風呂混合弁7および風呂給湯電磁弁21等を統括制御することが可能に構成されている。
【0017】
また、前記制御部30とリモコン31とは通信線32で結ばれており、運転指示情報や運転情報を相互通信している。このリモコン31は、給湯装置100を運転状態にするための運転スイッチ、給湯管6から供給される湯の設定温度Tsを設定する給湯温度設定スイッチ、給湯または風呂給湯の設定温度Tsや給湯装置100の運転情報などを文字表示する表示部、音声により給湯装置100の運転情報を報知するスピーカを備えている。ただし、リモコン31の詳細部に関しては、本発明を説明するために必ずしも不可欠な構成要件ではないので、図解説明を省略する。
【0018】
前記給湯混合弁5および前記風呂混合弁7は、制御部30が制御するステッピングモータによりそれぞれ独立に駆動され、給水管11→低温水経路16からの水と出湯管19→高温水経路17からの高温水を混合し、適温の湯が給湯管6または風呂給湯管9へ供給される。なお、給湯混合弁5には湯側ポート15から高温水が、水側ポート18から低温水がそれぞれ供給される。同様に、風呂混合弁7には湯側ポート23から高温水が水側ポート26から低温水がそれぞれ供給される。
【0019】
前記貯湯タンク4の内部には比重の差により軽い熱湯と重い冷水が湯水混成層を挟んで混じることなく上下に区別されている。すなわち、下方から給水を受けた冷水が澱み、その上層に覆い被さる湯水混成層を介した上方に熱湯が成層状態で貯湯され、需要に応じて上方から熱湯を給湯可能とする。
【0020】
ここで、第1逆止弁1の主な作用効果を説明する。給湯混合弁5と並列接続された風呂混合弁7を含む風呂給湯回路において、出湯待機中、かつ、浴槽20へは給湯の最中、第1逆止弁1の逆止の介在がなければ、給湯混合弁5を図1の矢印C方向に逆流した冷水が不必要に風呂混合弁7に混入する(以下、「冷水浸入C」という。図1参照)。
【0021】
この冷水浸入Cにより、給湯温度Tが設定温度Tに到達せず、さらに、第1逆止弁1付近に逆流して溜まった冷水が、再給湯時または間欠給湯時に高比率で含まれるため所望の給湯温度に至らないという給湯性能劣化の問題があった。かかる有害な冷水浸入Cを阻止するため、高温水経路17と給湯混合弁5の間に第1逆止弁1が介挿されている。
【0022】
また、第2逆止弁2の作用効果を説明する。この第2逆止弁2がない場合は、利用者がお湯を必要としない時、給湯混合弁5→給湯管6の下流にある給湯栓が閉じられ、給湯されていない待機中に、低温水経路16の低温水と貯湯タンク4内の高温水との比重差(高温水の比重の方が小さい)により、貯湯タンク4→出湯管19→給湯混合弁5→低温水経路16を経由して貯湯タンク4へ戻る方向(図1の矢印Aの方向)に湯水を対流(以下、「給湯弁対流A」という)させようとする作用が働く。
【0023】
この給湯弁対流Aを阻止する第2逆止弁2の介在がなければ、低温水経路16には貯湯タンク4からの高温水が浸入し、給湯管6につながる給湯栓を開けた直後に低温水経路16に停滞中の高温水が供給されるため、利用者の設定温度Tよりも不自然に高温の熱湯が出て来るという給湯性能劣化の問題があった。かかる有害な給湯弁対流Aは第2逆止弁2の介挿により解決されている。
【0024】
さらに、給湯栓を少し開けて少量の湯水を給湯しようとする時、水圧が低く第2逆止弁2が開弁圧に達しない場合は、低温水経路16から水が供給されないが、同時に第1逆止弁1も開弁圧に達せずに順方向の通過が阻止されることにより、高温水のみが給湯管6へ供給されることがなく、安全に使用できる。したがって、第2逆止弁2が正常に機能する限りは出湯開始時または少量給湯時に利用者が希望していない高温の熱湯が出て来ることもなく安全に利用できる。
【0025】
そして、第3逆止弁3の作用効果を説明する。この第3逆止弁3がない場合は、浴槽20への足し湯も含めて、風呂給湯を利用者が必要としない時、風呂混合弁7の下流にある風呂給湯電磁弁21が閉じられている。このように風呂に給湯していない待機中に、低温水経路16の低温水と貯湯タンク4内の高温水との比重差により、貯湯タンク4→出湯管19→風呂混合弁7→低温水経路16を経由して貯湯タンク4へ戻る方向(図1の矢印Bの方向)に湯水を対流(以下、「風呂弁対流B」という)させようとする作用が働く。
【0026】
この風呂弁対流Bを阻止する第3逆止弁3の介在がなければ、低温水経路16には貯湯タンク4からの高温水が浸入し、風呂給湯管9に介挿された風呂給湯電磁弁21を開けた直後に低温水経路16に停滞中の高温水が供給されるため、利用者の設定温度Tよりも不自然に高温の熱湯が出て来るという給湯性能劣化の問題があった。かかる有害な風呂弁対流Bは第3逆止弁3の介挿により解決されている。
【0027】
ここで、第1逆止弁1ないし第3逆止弁3に用いている逆止弁に共通の弁作用を簡単に説明する。逆止弁は、ケース、弁体、シール体、バネから構成(図示せず)されており、弁体ならびにシール体に対しては、湯水の流動時に流動方向にかかる水圧と、その反対方向にバネにより付勢されるバネ圧とが作用している。
【0028】
そして、このバネ圧が、水圧より高い場合には閉弁状態に、逆に水圧の方が、バネ圧より高くなると開弁状態になる。この閉弁状態から開弁状態に移行する時の圧力、すなわち、この逆止弁を開弁させるのに必要な水圧を開弁圧という。
【0029】
図2は貯湯式給湯装置における第2逆止弁2の閉塞故障に対する故障診断方法の手順を示すフローチャートである。出湯要求ステップ(S10)では、利用者が図示しないシャワー等の給湯栓を開く行為による出湯要求に応じて、給湯流量N(L/sec)が1(所定値)以上の値を検知される下式に示す条件により、制御部30に入力される都度、自動的に故障診断プログラムの実行が開始される。なお、ここで示した1以上との数値に厳密性はなく、単に出湯要求を検出すれば足りる。
[1≦給湯流量N]
【0030】
また、給湯流量N(L/sec)の検知手段としては、給湯混合弁5の出口側に配設された給湯流量センサ22により給湯混合弁5からの流量(以下、単に「流量」ともいう)Rを計測するのが確実であるが、給水流量センサ14の検出出力等を用いても類似の効果が得られるし、水圧変動、温度変化等を何れかのセンサで検出するようにしても構わない。なお、出湯要求ステップ(S10)に代えて、利用者が手動で半自動操作することにより、故障診断プログラムの実行を開始するようにしても構わない。
【0031】
異常高温水検知ステップ(S11)では、例えば、給湯温度T=設定温度T=40℃のところ、設定温度T=40℃に異常高温水検出基準温度差δ(「所定差δ」と略す)である15℃を上乗せすれば55℃であり、その55℃を超える程に熱くなれば異常と判定する。したがって、給湯混合弁5の出湯側に配設された給湯温度センサ13が、例えば、給湯温度T=56℃を検知すれば異常高温水と認識する。
【0032】
[給湯温度T−設定温度T≧異常高温水検出基準温度差δ]
との条件を、給湯混合弁5の出湯側に配設された給湯温度センサ13が給湯温度Tを検出し、この給湯温度Tが設定温度Tsを所定差δ分を超えていれば制御部30によって異常高温水を検知する。
【0033】
この時用いる所定差δは、疑似故障を再現する実験等の裏付けにより設定する。なお、この給湯温度センサ13は、一例として、サーミスタ等により構成しているが、温度を電気信号に変換して制御部30へ入力する機能があれば、他の感温素子でも構わない。
【0034】
通常ならば、給湯の要求に応じ、設定温度Tsに基づいて、制御部30が給湯混合弁5の弁開度を決定するので、給湯装置100全体が正常ならば設定温度Ts=給湯温度Tになるように自動制御されるところを、本発明では利用者の希望しない異常高温水で給湯される故障を問題にしている。
【0035】
ついで、水側ポート全開ステップ(S12)では、異常な高温と検知されている給湯温度Tを設定温度Tsに近づけるために、制御部30が弁開度を水100%の方向へとフィードバック(FB)制御またはフィードフォワード(FF)制御するので給湯混合弁5の水側ポート18が全開となる。
【0036】
そして、漏洩計量判定ステップ(S13)では、給湯混合弁5の出口側に配設された給湯流量センサ22により給湯混合弁5からの流量Rを計測して規定量Zよりも少ない場合に、制御部30が第2逆止弁2の閉塞故障と判定する。すなわち、水側ポート18を全開にした場合、その反対の湯側ポート15は全閉となる。そうすると、本来は給湯混合弁5から高温水が流出する流量R=0であるべきところ、給湯混合弁5には正常でも規定量Z(L/sec)の内部漏洩(リーク)が認められ、この給湯混合弁5からの流量Rが規定量(内部漏洩の規定量)Z以下ならば、第2逆止弁2は低温水を順方向に通過させていないことが判明し閉塞故障と診断される。
【0037】
このような高温水の漏洩現象を利用者の視点から説明すれば、給湯流量センサ22の計測した給湯流量N(L/sec)が、正常値に比べて著しく不足しているので異常と認められる場合、第2逆止弁2が閉塞していることが故障原因であるものと診断できる。
【0038】
給湯流量Nが減少する程度に関し、下式を故障判定の条件とする。
[給湯流量N=給湯混合弁5からの流量Rと見なして計測]
[0<給湯流量N≦Z]
Z:給湯混合弁5における内部漏洩(リーク)の規定量Z(L/sec)
【0039】
なお、給湯流量N(L/sec)を検知するために、所定時間W(sec)待って判定湯量V(L)を計量しても同等の効果が得られる。
給湯流量N(L/sec)=判定湯量V(L)/所定時間W(sec)
【0040】
上式による故障判定の条件に該当すれば、故障報知ステップ(S14)により、第3逆止弁3の閉塞故障を利用者へ報知できる。例えば、リモコン31の表示とメロディ等で利用者に注意を喚起することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明を適用して効果的な貯湯式給湯装置の概略構成図である。
【図2】貯湯式給湯装置における第2逆止弁の閉塞故障に対する故障診断方法の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0042】
1 第1逆止弁
2 第2逆止弁
3 第3逆止弁
4 貯湯タンク
5 給湯混合弁
6 給湯管
7 風呂混合弁
8 風呂温水温度センサ
9 風呂給湯管
10 貯湯式給湯機
11 給水管
12 加熱手段
13 給湯温度センサ
14 給水流量センサ
15,23 湯側ポート
16 低温水経路
17 高温水経路
18,26 水側ポート
19 出湯管
20 浴槽
21 風呂給湯電磁弁
22 給湯流量センサ
24 給水温度センサ
25 高温水温度センサ
30 制御部
31 リモコン
32 通信線
100 貯湯式給湯装置(給湯装置)
A 給湯弁対流
B 風呂弁対流
C 冷水浸入
N 給湯流量
R 給湯混合弁からの流量
設定温度
給湯温度
低温水温度(給水温度)
高温水温度
V 判定湯量
W 所定時間
Z 給湯混合弁における内部漏洩の規定量(規定量)
δ 異常高温水検出基準温度差(所定差)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱された温水を貯湯する貯湯タンク(4)と、
前記貯湯タンク(4)の下部に低温水を供給する給水管(11)と、
前記貯湯タンク(4)の上部から貯湯タンク(4)内の高温水を取り出す出湯管(19)と、
前記出湯管(19)に配設されて高温水温度(T)を検知する高温水温度センサ(25)と、
前記給水管(11)に配設されて低温水温度(T)を検知する給水温度センサ(24)と、
前記給水管(11)から供給される前記低温水と前記出湯管(19)から供給される前記高温水を任意比率に混合して給湯可能な給湯混合弁(5)と、
前記給湯混合弁(5)の出湯管(19)側に接続され前記給湯混合弁(5)の方向のみに湯水が流通可能な第1逆止弁(1)と、
前記給湯混合弁(5)の給水管(11)側に接続され前記給湯混合弁(5)の方向のみに湯水が流通可能な第2逆止弁(2)と、
前記低温水と前記高温水を混合した湯水が設定温度(Ts)になるように前記給湯混合弁(5)の弁開度を制御すると共に、前記給湯混合弁(5)を給湯停止時に弁開度を所定の状態に保持して再給湯を待機させる制御が可能な制御部(30)と、を備えた貯湯式給湯装置(100)において、
前記制御部(30)は前記給湯混合弁(5)の出湯側に配設された給湯温度センサ(13)の検出する給湯温度(T)が所望の設定温度(Ts)から所定差(δ)を超えたことに対応して前記制御部(30)が前記給湯混合弁(5)の弁開度を低温水で全開に制御した時、前記給湯混合弁(5)の出口側に配設された給湯流量センサ(22)により前記給湯混合弁(5)からの流量(R)を計測して規定量(Z)よりも少ない場合に第2逆止弁(2)が故障したと判定することを特徴とする貯湯式給湯装置(100)。

【図1】
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【図2】
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