説明

貼り合わせ磁気記録媒体及、ドライブおよびその製造方法

【課題】 本発明において解決しようとする課題は、リソグラフィ時に必要とされていたアライメント工程を省略した簡便な磁気記録媒体の作製方法を提供することである。
【解決手段】 本発明の磁気記録媒体は、基板上に凹凸構造として記録トラックもしくは記録ビットを有し、該基板の凹凸構造と反対側の面に硬度の高い別の基板を配置することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気記録装置(HDD)において記録密度の向上が求められている。近年、人工的に記録トラックをパターニングした磁気記録媒体(ディスクリートトラックメディア(DTM))や、記録ビットをパターニングした磁気記録媒体(ビットパターンドメディア(BPM)、パターンドメディア(PM)、又はディスクリートビットメディア(DBM))が提案されている。DTMにおいては、記録トラックを人工的にパターニングし、磁性体と非磁性体の構造をクロストラック方向に形成することを特徴とする。このような加工を施すことにより、トラック端の磁気的な揺らぎを排除することが可能となる。また隣接トラックからの漏洩磁束の問題も減少する。この結果としてトラックピッチを従来の連続媒体に比べ向上させることが可能であると考えられている。またBPMにおいては記録ビットを人工的にパターニングすることを特徴とする。磁気記録媒体に対しこのような人工的な加工を施すことにより、各記録ビット内の磁性体の結晶粒を大きくすることが可能となり、熱揺らぎ耐性の高い磁気記録媒体を得ることが可能になると考えられている。記録密度の向上のためにはBPMやDTMはではビット又はトラックの大きさの微細化が必要となる。このような微小構造の作製には、例えばフォトリソグラフィ、電子線リソグラフィ(EBL)、X線リソグラフィ、インプリントなどが一般的に用いられている。
【0003】
さて、HDDにおいては記録再生ヘッドはディスク上サーボ領域で位置情報を検出し、その結果をロータリーアクチュエータにフィードバックすることにより記録再生ヘッドを目的としたトラックに移動させている。一方、サーボ領域とサーボ領域の間にあるデータ領域ではこのような位置検出、補正は行われていない。このため、微細な構造が形成された媒体をHDDに組み込む場合、円周状のトラックパターンの中心とスピンドルの回転中心を一致させる必要がある。検討の結果、我々はスピンドルの回転中心と円周状トラックパターンの中心は100um以内の精度で一致していることが望ましいことを見出した。
【0004】
従来、この精度を達成するためにはディスク基板上にトラックもしくはビットパターンを形成するプロセスと同時に中心部の穴との精密アライメントを行う必要があった。しかしながら上記リソグラフィ装置はプロセス中、真空チャンバ内で作業を行う必要があり、精密なアライメント工程を行うことは装置コスト、スループットなどに影響を与えることが問題であった。
【0005】
また、近年、低コスト化の一手法としてインプリント方式によるビット、トラックパターンの形成が注目されている。例えば非特許文献2によるとインプリント法によりDTMを作製することが開示されている。このようにインプリント法は安価に微細パターンを複製可能というメリットを有するが、一方でパターンを有するモールドと、パターンを転写される基板との間に異物を挟みこむことによって欠陥が発生するという問題が例えば非特許文献1に示されている。本文献によると特にモールドと基板が厚く、硬い材料で構成されている場合、発生する欠陥領域は異物の大きさを大きく上回ることが示されている。この問題を解決する手段として、例えば特許文献1では、基板に比べて柔軟なポリマーをモールドとして使用することが提案されている。しかしながら極めて微細な構造を大面積に渡り形成する場合、本手法によると多数回の転写時にモールドとして使用されたポリマーに変形が発生し、転写精度が低下する問題が発生することを我々は見出した。
【0006】
また、HDDにおいて必要な情報の記録、再生を行うためにはHDD動作時には記録再生ヘッドは正確に目的とするトラック上に位置する必要がある。例えば現在のHDDにおいて、トラックピッチ(Tp)は200nmを切る大きさとなっているため、記録再生ヘッドの位置決めは極めて高い精度で行う必要がある。一般にHDD内においてはビット長が同じであれば磁気記録媒体の回転が速くなるほど情報の転送レートが上がるという特徴を有する。このため現在の磁気記録媒体は高転送レートを得るために、例えば10000rpmといった高速で回転運動を行っている。一方、回転数が高くなると円板のブレが発生しやすくなることが知られている。このように円板のブレが発生すると上述したように正確な位置決めを行うことが困難となる。この問題を回避するためには基板を硬くすることが有効であり、HDDの記録媒体としては化学強化ガラスなどが採用されている。また、更に硬度の高い材料の開発なども行われている。
【0007】
光ディスクにおいては、例えば特許文献2では2枚の柔軟な基板を貼り合わせることが開示されている。しかしながら、光ディスクにおいては記録再生に使用する光スポットを利用して、記録再生動作中にも連続的にトラックフォローイングを行うことが可能である。このためトラックパターン中心とディスクの回転中心の位置決めに関しては上記のような制約はない。また、情報記録部と記録再生ヘッドの距離を比較的大きく取ることが可能であるためブレの問題は発生しない。このため本開示においては基板の硬度を高めるための方法は示されていない。また光ディスクでは、レーザ光は透明な基板を透過して記録層に至るため、凹凸構造は内側同士を向いている。このため媒体再表面は柔軟基板の凹凸と反対側の面で形成され、記録層を保護するための特別の構造は必要とされていない。
【0008】
【特許文献1】WO 2006/131153 A1
【特許文献2】特許2742524
【非特許文献1】Chen et al, JVST B 23 (2005) p.2933 "Defect control in nanoimprint lithogtaphy"
【非特許文献2】Hattori et al, IEEE Trans. Magn. 40 (2004) p.2510 “Fabrication of Discrete Track Perpendicular Media for High Recording Density”
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明において解決しようとする課題は、リソグラフィ時に必要とされていたアライメント工程を省略した簡便な磁気記録媒体の作製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の磁気記録媒体は、基板上に凹凸構造として記録トラックもしくは記録ビットを有し、該基板の凹凸構造と反対側の面に硬度の高い別の基板を配置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、DTM, BPM作製プロセスにおいてリソグラフィ工程とアライメント工程とを分離することが可能となり、高スループットでの磁気記録媒体の作製方法を提供することが可能になる。
また、本発明によると、媒体構造作製プロセス時にインプリント工程を使用した場合に発生する欠陥領域を小さく押さえ、かつ高速回転時に必要な位置決め精度を有する媒体を得ることが可能となる。
また、本発明によると媒体構造作製プロセス時にインプリント工程を使用した場合に、高硬度のモールドを使用することが可能となり、パターン精度の向上、モールド寿命の向上が可能となる。
また、本発明によると磁気記録媒体の各面毎に検査を行うことが可能となるため、欠陥の発生した媒体面のみを除去することが可能となり、媒体製造の低コスト化が可能となる。
【実施例1】
【0012】
本発明者らは基板上に形成された凹凸構造を中心位置アライメントを行いながら別の硬質基板上に貼り合わせることにより上記課効果を実現できることを見出した。以下、図面を参照しながら本発明に係る磁気記録媒体の例を説明する。図1は本発明にかかる磁気記録媒体製造工程の一部を示す断面模式図である。本実施例においては基板101として厚さ0.1mm、外径65mm、内径21mmの強化ガラスを採用した。但し、強化ガラスに代えてアルミニウム基板、ポリカーボネイト基板などを使用することも可能である。従来の磁気記録媒体においては基板強度の観点から、上記のように薄い、もしくは柔軟な材料よりなる円板をHDD媒体基板として使用することは困難と考えられてきたが、本発明においては硬度の高い基板との貼りあわせにより磁気記録媒体全体として強度の増加を行うためこの問題は回避可能となる。
【0013】
初めに該基板101を必要な洗浄を行った後に、に基板101上に真空チャンバ内でスパッタリングにより磁気記録層102を堆積する。但しここで磁気記録層102とは軟磁性裏打ち層(SUL)、配向層、垂直記録層など記録再生(RW)特性を得るために必要な層を含んでいる物とする。また更に必要に応じてエッチング用のハードマスクなど後の工程上必要となる層を含む場合もあるとする。該磁気記録層の上に光インプリント樹脂103を塗布する。本実施例において塗布は液滴量の制御のためにインクジェット法で行ったが他の方式を用いることも可能である。
【0014】
別に作製したモールド104は石英よりなり、磁気記録媒体として必要なデータ部のトラック構造、サーボパターンを凹凸構造として含んでいる。また特願2007-080162のように凹凸構造から形成されるトラック構造と平坦部から形成されるサーボ領域から形成することも可能である。本実施例においてはデータ部のトラックピッチ(Tp)は100nmとした。モールド104の作製工程の詳細は省略するが、概略は予め別のシリコン基板に電子線描画で作製したパターンをインプリント法により石英に転写する方式である。もちろん電子線描画による原版作製、インプリント法によるレプリカ作製に代えて他の方式を用いても構わない。
【0015】
このようにして作製したモールド104の凹凸面と光インプリント樹脂103を塗布した試料面を相対させる(図1(a))。このとき両者の相対的位置を粗調整し、粗アライメントを行う。ここでは高精度のアライメントの精度は要求しない。許容される位置決め誤差は後述するように、片面媒体201の内径(Dm1)と硬質基板205の内径(Dsub)の差の1/2未満となる。本実施例の場合は許容される位置決め誤差は500μm以下となればよいため、簡単な機械合わせもしくは目視での調整で必要な精度を達成することが可能である。本実施例においてはモールド104及び基板101のそれぞれの中心部に設置された穴を利用して、両者の穴位置を略一致させるように機械的駆動を行った。本アライメント工程において機械的手法を用いる利点は低コスト、高スループットで必要な精度が得られることである。他に例えば光学的手法を用いることも可能である。また、本工程での位置決め精度により必要に応じて上記片面媒体201の内径(Dm1)もしくは硬質基板205の内径(Dsub)を変化させておくことも可能である。
【0016】
相対させたモールド104及び基板101をインプリント装置内のステージ105および上部プレート111にて挟み、モールド104と光インプリント樹脂103を接触させて接触紫外(UV)光源106からのUV光を照射する(図1(b))。ここで上部プレート111はモールド104の平坦性を確保するために使用しており、モールド104自身で必要な平坦性を確保できる場合は上部プレート111は必ずしも必要ない。またモールド104とインプリント樹脂の接触においては機械的な加圧機構を用いても、空圧的な機構を用いても構わない。
【0017】
必要なUV光量を照射後、モールド104を剥離する(図1(c))。本工程により光インプリント樹脂に凹凸構造が形成される。凹凸構造形成後の試料断面の模式図を図1(d)に示す。磁気記録層102上のインプリント樹脂には連続した膜状の部分及び離散的な凸構造が現れている。以下、本実施例では連続した膜状の部分の高さをベース層厚112とする。また該連続した膜状の部分の上部表面を凹部表面109、その上に形成された凸構造の上部を凸部表面108、凸部表面108と凹部表面109の高さの差を凹凸差110と呼称する。
【0018】
引き続き、作製した試料を真空チャンバに導入し、酸素による反応性イオンエッチング(RIE)を行う。本工程では次工程に備え、ベース層110厚が0もしくは0に近くなるまでRIEを行う図1(e)。但し、前記インプリント工程において試料全面に渡り十分にベース層厚112及び凹凸差110の面内分布が小さくできていれば必ずしも本工程は必要ではない。なお、本工程による酸素RIEでベース層厚112は小さくすることが可能であるが、本工程に伴い光インプリントレジストで形成された凸部幅も減少するため、注意が必要である。但しこの問題に対応するために、本酸素RIE工程による凸部幅減少を見越してモールド104のパターン設計を行っておくことが可能である。
【0019】
RIEによりベース層が薄くなった試料に対し、最表面に露出しているハードマスクをRIEにより切る。本実施例においてハードマスク材料としてはクロム(Cr)を使用し、Crを切るためのガスとしては塩素系のガスを使用した。もちろんハードマスクとしてはCr以外の材料を使用することも可能である。その場合、各材料に応じたエッチングガスを選択する必要がある。また本実施例においてはプロセス中基板温度が120℃以上に上がらないよう試料裏面から冷却を行った。冷却に関しては磁気記録層102の磁気特性に影響を与えない範囲で制御してあれば問題ない。ハードマスクのパターニング完了後、該ハードマスクをマスクとして記録層のパターニングを行う。記録層のパターニングにはアルゴン(Ar)イオンミリングを使用した。必要に応じて磁性体をエッチング可能なガス及びプロセスを採用しても構わない。本工程時においても基板温度が120℃以上に上がらないよう試料裏面から冷却を行った。イオンミリングの深さは全磁気記録層102のうち、実際に情報の保持を行う硬磁性体を切ることで完了とした(図1(f))。本実施例においてはミリングレートから換算した時間によりイオンミリングの終了時点を決定したが、イオンミリングにより生成される2次イオンを例えば四重極質量分析器(Q-mass)などにより質量分析することにより終了点を検出してもよい。この場合には情報の保持を行う硬磁性体層に含まれる例えばコバルト(Co)の信号の減少を確認してもよいし、逆に硬磁性体層下の中間層に含まれる例えばRuなどを検出してもよい。
【0020】
続いて本試料凸部に残ったレジストを酸素RIEにより除去する。有機溶媒による洗浄を併用してもよい。但し前記工程中に光インプリントレジストが除去されてしまっている場合は本工程は省略可能である。引き続き凸部上に残ったハードマスクを除去する。本実施例においてはCrよりなるハードマスクは塩素系のガスによるRIEで除去した(図1(g))。完了後、必要に応じ試料の洗浄を行う。
【0021】
引き続き試料の平坦化のために凹部の埋め込みを行う。このためにまず非磁性体を試料表面から堆積させる(図1(h))。本工程においてはスパッタリングにより窒化アルミニウム(AlN)を堆積させた。他にSi, SiO2, SiN、Al2O3、AlN、DLCなどの絶縁体材料、Cu、Al、Au、Ag、Tiなどの非磁性金属材料やグラファイトカーボンなどを使用しても構わない。また、スパッタリング堆積のほかに液体状の非磁性体を熱、光もしくは化学的手法により軟化もしくは硬化させて使用しても構わない。例えばスピンオングラス(SOG)や高分子レジスト等が使用可能である。
【0022】
溝部に非磁性体を堆積後、最表面の平坦化を行う。本実施例においてはArイオンを基板斜め方向から照射することにより平坦化を行った。平坦化後、上部にカーボン(C)を主成分とする保護膜およびフッ素(F)含む有機物よりなる潤滑膜を塗布する。保護膜は厚さ2nm程度、潤滑膜厚は2nmとした。いずれも硬磁性体上に形成されており硬磁性体最表面から磁気記録媒体の際表面までは4nm程度の膜が形成されている。保護膜の厚さは大きいほど記録層保護の観点からは望ましいが、RW特性の観点からはドライブ内で記録再生ヘッドとの距離を小さくする必要があるため最大でも5nmを超えることはない。このようにして基板101上の磁気記録媒体構造が完成する(図1(i))。
【0023】
工程(g)もしくは(h)もしくは(i)が完了した時点で必要に応じて欠陥検査を行う。従来の磁気記録媒体作製においては、1枚の基板上に媒体の両面を作製することが前提であったため、媒体の片面に重大な欠陥が発見された場合、欠陥の発生していない裏面も含めて廃棄せざるを得なかった。一方、本発明では片面媒体作製プロセスにおいて検査工程を導入することにより、重大な欠陥の発生した面のみを廃棄することが可能となる。このため、両面が完成した状態での歩留まり、スループットの向上が可能となる。但し製造プロセスが十分に洗練されており、欠陥発生が極めて低い確率である場合は片面での検査を行うメリットは小さいため、本工程での欠陥検査は省略することも可能である。本実施例においては欠陥検査は工程(g)が完了した時点で光学的に行った。初めに光を円板の鉛直面から傾けて入射させ、その散乱光を検出することにより面上の欠陥を大まかに探し、欠陥が見つかった場合、紫外光源を用いた顕微鏡で詳細な評価を行った。また、抜き取り試験によりX線回折、及びKerr効果を用いた検査も行った。但し量産プロセスにおいては特に上記のいくつかの検査、観察は省略可能である。
【0024】
検査の結果、本実施例による媒体作製では、従来の0.65mmのガラス基板上にインプリントにより媒体を作製するプロセスに比べて直径1um以上の欠陥領域が10分の1以下に減少することが確認された。これは本実施例によるプロセスでは使用する基板の厚さが0.1mmと、通常の磁気記録媒体に使用される0.65mmの基板よりは遥かに薄いため、インプリント時に異物を挟み込んだ場合、変形が局所的に発生すためと考えられている。即ち、厚い基板の場合は1つの異物に起因する欠陥領域が広い領域にまで広がってしまうのに対し、本方式では欠陥領域は局所的に限られるものと考えられる。本実施例では厚さ0.1mmのガラス製の基板101を採用したが、更に薄い基板、もしくは柔軟な材料を使用することによりより欠陥領域を減らすことも可能である。また、Kerr効果を用いた検査では磁気的な欠陥は従来の媒体と同様であったが、片面ごとの検査が可能となったため不良品を以下の工程に流す可能性が減少し、結果として媒体、ドライブの歩留まり向上に繋がった。
また、特許文献1に示されるように柔軟なモールドを使用した場合と比べ、硬質のモールドを使用しているため、パターン精度が高く、100nmのトラックピッチ構造を安定して形成することが可能となった。更に硬質のモールドを使用しているため、モールド自身の寿命も長く、本実施例では1000回の転写を確認した。もちろん、更に多数回の転写も可能である。
【0025】
引き続き、図2を用いて本発明による磁気記録媒体作製プロセスを説明する。ここで図2(a)(c)(e)(f)は製造プロセス中の断面模式図、図2(b)(d)はプロセス途中の上面模式図である。また、図2(f)には以下の説明で使用する各部分の寸法を示してある。図2(a)は前記実施例により製造した磁気記録媒体の一部の断面を示す模式図である。また該媒体を上面から見た模式図を図2(b)に示す。ディスク面上に記録トラック及びサーボパターンが形成されている。前述のようにTp=100nmであり、記録トラックおよびサーボパターンは極めて微細であるため図示することは困難であるが、サーボパターンが形成された領域を模式的にサーボパターン領域202として示してある。サーボパターン領域202はドライブ組み込み時にジンバル上に固定された記録再生ヘッドの軌跡に一致するよう円弧の一部として形成されている。本図ではサーボパターン領域は12本の曲線で図示されているが実際には更に多くすることが可能である。本実施例においては200箇所のサーボ領域を形成した。
【0026】
さて、本発明による記録媒体完成時に片面媒体201と反対側に配置される片面媒体203について考えてみる。片面媒体203の断面模式図及び上面模式図を図2(c)及び図2(d)に示す。本媒体はトラックピッチや記録層構成、凹凸深さなどは片面媒体201と同様であるが、サーボパターン領域203はサーボパターン領域202とは異なっている。これはドライブ組み込み時にジンバル上に固定された記録再生ヘッドの軌跡に一致するよう円弧の一部として形成されているためである。このような構造を得るためには前記工程実施時とは異なるパターンを有するモールド104'を用いることにより実現できる。但し、記憶容量の観点から両面媒体にする必要がない場合は、異なるパターンを有する磁気記録媒体の一部を作製する必要はない。
【0027】
引き続き硬質基板205との貼り合わせを行うために片面媒体201及び片面媒体202の凹凸構造の裏側の平坦面上にインクジェット方式により接着剤を塗布する。ここで硬質基板205材料としては化学強化ガラスを採用した。本実施例では硬質基板205が磁気記録層と直接接触することはなく、かつ、高度な表面平坦性も要求されない。このため、硬質基板205材料は比較的自由に選択することが可能である。例えば化学強化ガラス材料において磁気記録層への影響が問題とされていたアルカリ金属類などを使用してあっても構わない。また、化学強化ガラスに代えて硬質セラミックスなどを使用しても構わない。膜面内での接着剤の厚さばらつきが少なくなるよう、可能な限り微細な液滴を吐出させ全面に均一に塗布することが望ましい。本実施例においては2液型のウレタン樹脂系接着剤を使用し、主成分液を片面基板201及び片面基板203の裏面に、また硬化促進剤を硬質基板205の平坦表面に塗布した。硬質基板205上への硬化促進剤の塗布はインクジェット方式でもスピンコート方式でも構わない。また、ウレタン樹脂系接着剤に代えて、アクリル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、塩化ビニル樹脂溶剤系接着剤、その他の材料を選択しても構わない。もちろん片面媒体201と硬質基板205との間の接着力を維持できる材料を選択する必要がある。なお片面基板201、片面基板203への接着剤塗布工程においてインクジェット工程に代えてスピンコート法を用いても構わない。一般的にはスピンコート時の回転数が早い方が薄膜化可能であるが、基板の破損が起きない範囲で回転数を決定する必要がある。また必要な強度、温度特性が得られる材料を選べば、インクジェット法、スピンコート法による接着剤塗布に代えてフィルム状の接着層を使用しても構わない。ここで、硬質基板205としては、厚さ0.45mm、硬質基板外径(Dosub)66mmの強化ガラスを採用した。また硬質基板内径(Dsub)は直径20mmとした。即ち、外径に関しては硬質基板外径(Dosub) ≧ 片面媒体外径(Do1, Do2)となっており、逆に内径に関しては硬質基板内径(Dsub)≦ 片面媒体内径(Dm1, Dm2)となっている。内径値および外径値は上述のようにリソグラフィ時の粗調整精度及び記録媒体としての容量などを勘案して決定されている。
【0028】
片面媒体201および片面媒体202の凹凸構造の裏面を相対させ、その間に接着剤206を介して硬質基板205を挟む(図2(e))。片面基板201の上面からカメラ207により円周パターンを確認し、円周パターンの中心座標を決定する。片面基板201にはドーナツ状の穴が空けられているが、その内径(Dm1, Dm2)は硬質基板内径(Dsub)よりも大きいため、カメラ207を通して硬質基板205の内径を確認することが可能である。このため、片面基板201の上の円周パターンの中心座標とガラス基板内径の中心座標を一致させることが可能である。パターン中心座標とガラス基板内径中心の座標の合わせ精度は前述したようにドライブ化時の設計から決まるが、本実施例では両者の誤差が最大でも50um以内に収まるように位置制御を行った。
【0029】
なお、本実施例に代えて、片面基板201の上の円周パターンの中心座標を決定するために円周パターンを直接検出するのではなく、必要に応じて予めアライメントパターンを作製しておき、そのアライメントパターンを基準に円周パターンの中心座標を決定してもよい。この場合は、アライメントパターンは円周パターンを描画するリソグラフィ工程で作製しておくことが望ましい。また、ガラス基板内径の中心座標を得るために内径を直接観測するのではなく、硬質基板205に内径中心を決定するためのパターンを配しておいてもよい。また、硬質基板205の内径と外径の同心度が十分高ければ、外周部の円周パターンを基準とした中心座標と、外径の中心座標を一致させるようにプロセスを行っても構わない。一般に、硬質基板205の外径と内径の同心度の誤差が10um以下のガラス基板の入手は容易であるため、このように外径基準で合わせた場合でも一般的には許容範囲内の媒体を得ることが可能である。
【0030】
図示されていないが、片面基板203に関しても同様に、下部からのカメラ観察によりパターン中心座標と硬質基板内径(Dsub)中心とを一致させる。このようにそれぞれのパターン中心座標と硬質基板内径(Dsub)中心とを一致させ、片面基板201、硬質基板205、片面基板203を密着させることにより媒体の接合を行う。
【0031】
ここで硬質基板205の内径(Dsub)≦片面媒体203の内径(Dm1, Dm2)としてあるため、片面基板内の円周パターン中心と片面媒体202の内径中心が正確には一致していない場合でも、中心アライメント後の貼りあわせ媒体において、硬質基板205と片面媒体201の内径が干渉することはない。即ち、ドライブ組み込み時の中心位置は硬質基板205の内径の中心で決まることになる。また、硬質基板205の外径(Dosub)≧片面媒体203の外径(Do1, Do2)としてあるため外径は硬質基板205の外径(Dosub)で決定される。また、接着剤量が必要最小量を超え、貼りあわせ時に過分接着剤が押し出された場合でも、その一部は片面媒体202外周部の外部に滲出することはあるが、硬質基板205外に漏れ出して悪影響を及ぼすことはことはない。
【0032】
本実施例では片面媒体201、硬質基板205および片面媒体203を同時に接着させたが、これを2回の工程に分けてまず片面媒体201と硬質基板205を接着し、引き続き片面媒体201と接合された硬質基板205と片面媒体203を接着してもよい。この場合、カメラは1台ですむというメリットがある反面、スループットは低くなる。これらを勘案して両面同時に接合を行うか、片面ずつ接合を行うかを決めればよい。
【0033】
引き続き必要に応じて各材料が劣化しない範囲で加熱を行い、接着強度度増してもよい。本実施例においては必要十分な接着特性が得られたため加熱工程は省略した。以上により磁気記録媒体が完成する(図2(f))。完成した磁気記録媒体において片面媒体201、片面媒体203、硬質基板205の内径は必ずしも一致していない。ここで片面媒体201の内径中心と硬質基板205の内径中心の距離をオフセット距離(Doff1)とすると、オフセット距離は(Dsub-Dm1)/2 ≦ Doff1とならなければならない。これはもし(Dsub-Dm1)/2 ≧ Doff1となると、片面媒体内径の一部が硬質基板内径の内側にはみ出してしまうためである。また同様に片面媒体203の内径中心と硬質基板205の内径中心の距離をオフセット距離(Doff2)とすると、(Dsub-Dm2)/2 ≦ Doff2とならなければならない。ここでDoff1, Doff2は中心を合わせるという制約によって決まっており主として実施例1におけるパターンの転写時の中心合わせ精度で決まる。従って設計時はこの制約を考慮してDsub, Dm1, Dm2の大きさを決める必要がある。実施例1のプロセスでの中心合わせ精度が高くなれば、DsubとDm1, Dm2の差を小さくすることが可能となる。このようにして円周状のトラックの回転中心は硬質基板205の内径中心208と一致させることが可能となる。
【0034】
本実施例により作製した媒体を使用する磁気記録装置(HDD)について図3を用いて説明する。図3はHDDの動作時の様子を示す模式図である。但し説明に直接関係しない部分は省略してある。また説明を分かりやすくするためスケールも正しくない。
【0035】
磁気記録媒体301は前記実施例に従って作製された硬質基板の両面に、トラックパターン有する片面基板を貼り合わせた媒体である。このような媒体をスピンドル302に固定する。前述のように、円周パターンの中心と硬質基板205の内径中心は50um以下の精度で一致させてあるため、硬質基板205の内径をスピンドルの回転中心に合わせて固定すると円周パターンの中心とスピンドルの回転中心が一致することとなる。一方、記録再生を行うヘッド305はスライダ上に形成され、スライダはジンバル304に固定されている。但し、必要に応じていわゆるデュアルアクチュエータを使用した場合は、スライダはジンバル304上で制御された範囲で移動が可能である。ジンバル304はロータリーアクチュエータ305により回転運動が可能である。HDDにおいてはスピンドル302及びロータリーアクチュエータ305の回転により磁気記録再生ヘッド306は媒体面上の任意の位置に移動することが可能である。本実施例においてはスピンドル302は通常動作時は7200rpmで回転させるものとした。このとき、記録再生ヘッドと磁気記録媒体の間の浮上量307は4nmとなるように設計した。また図示されていないがスピンドルが回転動作を行っていない場合は磁気記録ヘッドが磁気記録媒体面上から退避する機構を具備した。
記録再生動作時において記録再生ヘッドからの信号は制御部308に送られ、また、制御部308からは必要な情報を記録再生ヘッドやロータリーアクチュエータ305に送ることによりデータの記録再生が可能となる。本実施例では3枚の部材よりなる円板を貼りあわせて厚さ0.65mmの磁気記録媒体を作製した。このように複数の円版を張り合わせた媒体は従来の1枚での円板よりも剛性を高くすることが可能である。従って、本実施例でのHDDではディスク高速回転時もトラックミスレジストレーションの問題なく安定した記録再生特性を得ることが可能となった。
また、トラックパターンをEB描画時もしくはインプリント時に基板内径にアライメントする従来方式により作製された媒体に比べ、安価に媒体を作製することが可能となったため、ドライブ価格も低く抑えることが可能となった。また、片面ごとの検査が可能となったため歩留まりが向上した。
【実施例2】
【0036】
以下に図4を用いて本発明の他の実施の形態を説明する。図4は本発明にかかる磁気記録媒体製造工程の一部を示す断面模式図である。本実施例においては基板401として厚さ0.1mm、外径65mm、内径22mmのガラス基板を採用した。初めに該基板401を必要な洗浄を行った後に、電子線レジスト402を塗布、プリベークを行い、電子線(EB)露光装置に導入した。もちろん必要に応じて導電膜などを塗布しておいてもよい。本実施例においてはデータ部のトラックピッチ(Tp)は100nmとした。EB描画のためのCADパターンは磁気記録媒体として必要なデータ部の同心円状トラック構造、サーボパターン構造を含んでいる。細く絞った電子線404を照射することによりパターン描画を行う(図4(a))。
【0037】
基板401を取り出し、必要な現像を行うと基板401上にレジストパターンが形成された試料が得られる。この試料を真空チャンバに導入し、アルゴンイオンミリングによりレジストパターンを基板に転写する。もちろん本工程はアルゴンイオンミリングに代えて、他の反応性イオンエッチング、ウエットエッチングなどを使用しても構わない。このように転写工程が完了すると、片面に凹凸構造が形成された片面媒体基板406が完成する。必要に応じて、完成した片面媒体基板406の洗浄を行う。
【0038】
前記実施例と同様に、HDD内で裏側の面となる片面媒体基板407を作製する。片面媒体基板406及び片面媒体基板407の凹凸構造の裏側の平坦面上にインクジェット方式もしくはスピンコート方式により接着剤を塗布する。インクジェット方式の場合、膜面内での接着剤の厚さばらつきが少なくなるよう可能な限り微細な液滴を吐出させ全面に均一に塗布することが望ましい。本実施例においては1液型のウレタン樹脂系接着剤を使用し、該接着剤を片面媒体基板401及び片面媒体基板407の裏面に塗布した。また、ウレタン樹脂系接着剤に代えて、アクリル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、塩化ビニル樹脂溶剤系接着剤、その他の材料を選択しても構わない。もちろん片面媒体基板401とガラス基板405との間の接着力を維持できる材料を選択する必要がある。また必要な強度、温度特性が得られる材料を選べば、インクジェット法、スピンコート法による接着剤塗布に代えてフィルム状の接着層を使用しても構わない。
【0039】
ここで、ガラス基板405としては、厚さ0.45mm、外径(Dosub)67mmの強化ガラスを採用した。また内径(Dsub)は直径20mmとした。即ち、外径に関してはDosub ≧ Do1, Do2となっており、逆に内径はDsub ≦ Dm1, Dm2となっている。
【0040】
片面媒体基板406および片面媒体基板407の凹凸構造の裏側の面を相対させ、その間にガラス基板405を挟む(図4(d))。カメラ412によりガラス基板405を通して、片面媒体基板406、片面媒体基板407のパターンが一致するように両者のアライメントを行う。引き続きガラス基板405の内径中心座標と片面媒体基板407のパターン中心座標が一致するようにガラス基板405を移動させる。パターン中心座標とガラス基板405内径中心の座標の合わせ精度は前述したようにドライブ化時の設計から決まるが、本実施例では両者の誤差が最大でも30um以内に収まるように位置制御を行った。また本実施例に代えて、円周パターンの中心座標を決定するために円周パターンを直接検出するのではなく、必要に応じて予めアライメントパターンを作製しておき、そのアライメントパターンを基準に円周パターンの中心座標を決定してもよい。この場合は、アライメントパターンは円周パターンを描画するリソグラフィ工程で作製しておくことが望ましい。
【0041】
このように位置決めを行った後に片面媒体基板406、ガラス基板405、片面媒体基板407を密着させ、接着させる。接着にあたり本実施例においては片面媒体基板406の上面より紫外光を照射し、接着強度を上げた。もちろん紫外光照射は両面から行っても構わない。また紫外光照射に代えて加熱を行っても構わない。更にその両者を併せて行っても構わない。本実施例においてはこの段階では磁気記録層は成長させていないため、基板温度は200℃以上まで加熱することが可能である。
【0042】
ここでガラス基板405の内径(Dsub)≦片面媒体基板406の内径(Dm1, Dm2)としてあるため、片面媒体基板406内の円周パターン中心とガラス基板405の内径中心が正確には一致していない場合でも、中心アライメント後の貼りあわせ媒体において、ガラス基板405と片面媒体基板406の内径が干渉することはない。即ち、ドライブ組み込み時の中心位置は直径の小さいガラス基板405の内径の中心で決まることになる。また、ガラス基板405の外径(Dosub)≧片面媒体基板406の外径(Do1, Do2)としてあるため外径はガラス基板405の外径(Dosub)で決定される。また、接着剤量が必要最小量を超え、貼りあわせ時に過分接着剤が押し出された場合でもガラス基板外に漏れ出すことはない。以上のように作製した基板を必要に応じて洗浄を行う。本実施例においては十分、クリーンなプロセスが確立できたため洗浄は行わなかった。
【0043】
上記プロセスにおいて完成した両面に凹凸構造のある貼りあわせ基板を真空チャンバ内に導入し、スパッタリング法により磁気記録層の堆積を行う。この場合、磁気記録層は凸部及び凹部に堆積されることになる。またここで磁気記録層409は密着層、軟磁性裏打ち層、配向層、記録層などより構成される。引き続き凹凸構造の上部から平坦化材410を堆積させた後に、最表層をエッチバックにより削り最表面を平坦化し、潤滑膜411を塗布する。エッチバック工程に代えて化学的機械的研磨(CMP)法を用いても構わない。また、特願2007-233090に示されるように、磁気記録層409を堆積後、不要部分を除去し、平坦化を行っても構わない。このようにして本発明による磁気記録媒体が完成する。
【実施例3】
【0044】
以下に図5を用いて本発明の他の実施の形態を説明する。図5は本発明にかかる磁気記録媒体製造工程の一部を示す断面模式図である。本実施例においては基板501として厚さ0.1mm、外径65mm、内径22mmのポリカーボネイト(PC)基板を採用した。本実施例においては、インプリント工程において直接、基板に加工を行う、いわゆるダイレクトインプリント法を使用した。磁気記録媒体として必要となる、サーボパターン、データパターンを有するモールド504を作製し、基板501に相対させる(図5(a))。真空中で基板501とモールド504をステージ505と上部プレート507で挟み、加熱を行う。このとき熱源としてヒータ506を使用した。温度は基板501として使用する材料の特性によって変化する。一般的には基板501として使用する材料のガラス転移温度の20℃程度高い温度が望ましいと考えられている。本実施例においては基板501としてPCを用いたので、加工時のPC表面温度が160℃になるように制御を行った。勿論、他の材料を用いた場合は必要に応じて加工時の温度を設定する必要がある。またガラスなど特に融点が高い材料を使用する場合はヒータに代えて、レーザ照射による方法を使うことも可能である。
【0045】
凹凸構造を転写後、加工した試料を取り出し、必要に応じて洗浄などの工程を行う(図5(c))。引き続き、試料を真空チャンバに導入し、スパッタリングにより磁気記録層を成長させる(図5(d))。磁気記録層成長後、平坦化層を成長させる(図5(e))。平坦化層の材料は前記実施例に記載の例を参考とした。
【0046】
異なるモールドを用いて、同様に裏面となる片面媒体513を作製する。硬質基板514上に接着剤を必要最小量だけ滴下し、片面媒体512、硬質基板514、片面媒体513の平坦な面を相対させ配置する。ここで硬質基板514としては外径(Dosub)66mm、内径(Dsub)20mmの強化ガラス製円板を使用した。前記最良の形態を示す実施例にて用いた方法により、硬質基板514の内径中心座標と、片面基板512のパターン中心座標、片面基板513のパターン中心座標が一致するようにアライメントを行う(図5(f))。中心位置のアライメント後、3者を密着させ、接着させる。接着剤が硬化すると、硬質基板514の内径中心と片面基板512のパターン中心座標、片面基板513のパターン中心座標が一致したものが完成する。
【0047】
引き続き試料を真空チャンバに導入し、斜め方向からのイオン照射により平坦化を行う。本実施例においてはイオン入射角度を基板法線方向を0°として10〜30°の範囲で振りながら平坦化を行った。またイオン入射に代えてCMPなどの手法を用いても構わない。平坦化完了後、ウエットプロセスにて潤滑層を塗布する(図5(h))。これにより磁気記録媒体が完成する。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、磁気記録媒体の技術分野に適応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明による媒体作製プロセスを示す断面模式図である。
【図2】本発明による媒体作製プロセスを示す模式図である。
【図3】本発明によるHDDを示す模式図である。
【図4】本発明による媒体作製プロセスを示す断面模式図である。
【図5】本発明による媒体作製プロセスを示す断面模式図である。
【符号の説明】
【0050】
101 基板 、102 磁気記録層 、103 インプリント樹脂 、104 モールド 、105 ステージ 、106 UV光 、108 凸部表面 、109 凹部表面 、110 凹凸差 、111 上部プレート、112 ベース層厚
201 片面媒体 、202 サーボパターン領域 、203 片面媒体 、204 サーボパターン領域 、205 硬質基板 、206 接着剤 、207 カメラ
301 磁気記録媒体 、302 スピンドル 、304 ジンバル 、305 ロータリーアクチュエータ 、306 記録再生ヘッド 、307 浮上量 、308 制御部
401 基板 、402 EBレジスト 、404 電子線 、405 硬質基板 、406 片面媒体基板 、407 片面媒体基板 、408 接着剤 、409 磁気記録層 、410 平坦化材 、411 潤滑膜 、412 カメラ 、
501 基板 、504 モールド 、505 ステージ 、506 ヒータ 、507 上部プレート 、508 磁気記録層 、509 平坦化層 、510 接着剤 、511 潤滑層、512 片面媒体、 513 片面媒体、 514 硬質基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心部に穴を有する円板状の平坦基板1と、
平坦面と同心円状に形成されている凹凸面を有する基板2を少なくとも1枚は有し、
外凹凸構造は、記録トラックまたはビット列に相当し、
該基板2の凹凸面の少なくとも一部に強磁性体を有し、
前記平坦基板1の内径中心及び、前記基板2の凹凸パターンの同心円中心を略一致させて
前記平坦基板1と前記基板2の平坦面を張り合わせた構造を有する
ことを特徴とする磁気記録媒体
【請求項2】
請求項1に記載の磁気記録媒体において、
円板状の平坦基板の内径中心座標と、凹凸面を有する基板の内径中心座標の間に
オフセット量があることを特徴とする磁気記録媒体
【請求項3】
請求項1に記載の磁気記録媒体において、
前記平坦基板1の硬度は前記基板2の硬度よりも高いことを特徴とする磁気記録媒体
【請求項4】
請求項1に記載の磁気記録媒体において、
前記基板2は、平坦面の両面に凹凸面を有し、
それぞれの凹凸構造は同心円状に形成された円弧パターン及びサーボパターンよりなり、
両面の凹凸パターンが異なることを特徴とする
磁気記録媒体
【請求項5】
請求項1に記載の磁気記録媒体において、前記基板2の凹凸構造上の少なくとも一部に非磁性体が配置され、媒体の表面が平坦化されていることを特徴とする磁気記録媒体
【請求項6】
請求項1に記載の磁気記録媒体において、
前記基板2の凹凸構造上の少なくとも一部に非磁性体が配置され、媒体の表面が平坦化され、最上部は潤滑層で被服されていることを特徴とする
磁気記録媒体
【請求項7】
請求項1に記載の磁気記録媒体において、
前記平坦基板1の内径は前記基板2の内径よりも小さいことを特徴とする磁気記録媒体
【請求項8】
請求項1に記載の磁気記録媒体において、
前記平坦基板1のの外径は前記基板2の外径よりも大きいことを特徴とする磁気記録媒体
【請求項9】
中心部に穴を有する円板状の平坦基板1と、平坦面と凹凸が同心円状に形成されている凹凸面を有する基板2を少なくとも有し、前記基板2の凹凸面の少なくとも一部に強磁性体を有する磁気記録媒体の製造方法において、
インプリント工程で、凹凸構造を前記基板2に作成し、
前記平坦基板1の内径中心及び、前記基板2の凹凸パターンの同心円中心を略一致させて、前記平坦基板1と前記基板2の平坦面を張り合わせることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の磁気記録媒体の製造方法において、
凹凸基板上の同心円構造と、平坦基板の内径中心を一致させるために光学的手法を用いてそれぞれの中心座標を検出することを特徴とする磁気記録媒体製造方法。
【請求項11】
請求項9に記載の磁気記録媒体の製造方法において、
凹凸基板上と、平坦基板の貼り合わせを行う前に
凹凸基板のパターン欠陥検査を行うことを特徴とする
磁気記録媒体製造方法。
【請求項12】
請求項1に記載の磁気記録媒体を用いた磁気ディスクドライブにおいて、
平坦基板の内径中心と、
ディスクを回転させるスピンドルの回転中心を一致させることを特徴とする
磁気ディスクドライブ
【請求項13】
請求項1に記載の磁気記録媒体を用いた磁気ディスクドライブにおいて、該磁気記録媒体は、平坦基板の内径基準に
スピンドルに固定されていることを特徴とする
磁気ディスクドライブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−211783(P2009−211783A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−55699(P2008−55699)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】