説明

資源リサイクル炉

【課題】 使い勝手がよく作業性を向上させることができる資源リサイクル炉の提供を目的とする。
【解決手段】 資源リサイクル炉1は、リサイクル用材料50を加熱して、有用物を回収する炉であって、リサイクル用材料50が収められる収容手段2と、収容手段2が取り付けられた基台3と、リサイクル用材料50から排出される液体を回収する液体回収手段4と、基台3に自在に載置され、リサイクル用材料50を密封した状態で覆う炉本体5と、リサイクル用材料50を加熱するための加熱部6と、炉本体5内の気体を排出する排気手段7とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資源リサイクル炉に関し、特に、金属等と有機化合物を有するリサイクル用材料に熱エネルギーを加えて、有機化合物を液化又は気化させることにより金属等から分離し、分離したものをそれぞれ別々に収集し有用物として回収する資源リサイクル炉に関する。
【背景技術】
【0002】
地球環境や資源の有限性を考慮すると、様々な廃棄物から有用物を回収し、リサイクルする必要がある。
従来、廃棄物(リサイクル用材料)に応じて有用物を回収する様々な技術が開発されてきた。たとえば、廃棄物が電子回路製品である場合、プリント基板に半田付けによって各種の電子部品が実装されていることから、プリント基板とともに電子回路製品を細かく粉砕して、有用金属のみを電磁選別等で回収している。また、機械加工(切削加工など)の際に発生する切粉(金属性の削りくず)は、冷却するために使用した切削油が付着しているので、重油等で切削油を燃焼させてから切粉を回収している。さらに、金属製品製造現場では、冷間圧延工程等で使用される冷却油に、圧延での金属粉が混入している。かかる場合、金属粉が混ざった冷却油を濾過して冷却油を回収し、冷却油が付着した金属粉を廃棄している。
また、廃棄物を加熱して有用物を回収する装置として、様々な装置(炭化炉,乾留炉,リサイクル炉など)が開発されてきた。
【0003】
たとえば、特許文献1には、燃焼装置の少なくとも一基以上のバーナーに隣接し且つこのバーナーの水平より下方域に酸素ランスを設置し、バーナーの火炎領域に酸素を吹き込むリサイクル炉の技術が開示されている。
この技術によれば、排ガス量を減少させ、燃焼火炎温度を上昇して輻射伝熱量を増加させ、原料溶解速度の上昇を図り、原料として高融点化合物を含んだ産業廃棄物の処理能力を飛躍的に向上させることができる。
【特許文献1】特開2001−201032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の廃棄物を加熱して有用物を回収する装置(資源リサイクル炉)は、炉本体が設置される構造となっており、炉内へのリサイクル用材料の搬入・搬出や炉内清掃などの作業性が悪いといった問題があった。
一方、リサイクル法の施行により、従来にも増して使い勝手の優れた資源リサイクル炉が要望されていた。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべく、使い勝手がよく作業性を向上させることができる資源リサイクル炉の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の資源リサイクル炉は、リサイクル用材料を加熱して、前記リサイクル用材料から有用物を回収する資源リサイクル炉において、前記リサイクル用材料が収められる収容手段と、この収容手段が取り付けられた基台と、前記リサイクル用材料から排出される液体を回収する液体回収手段と、この基台に自在に載置され、前記リサイクル用材料を密封した状態で覆う炉本体と、前記リサイクル用材料を加熱するための加熱部と、前記炉本体内の気体を排出する排気手段とを備えた構成としてある。
このようにすると、炉本体を基台に載置することにより、リサイクル用材料を密封した状態で覆うことができ、作業性を大幅に向上させることができる。また、フォークリフトなどを使用して、炉本体を容易に移動させることができるので、使い勝手に優れた比較的小規模の資源リサイクル炉を提供することができる。
【0007】
また、本発明の資源リサイクル炉は、前記リサイクル用材料を密封する密封手段が、前記基部に形成され、前記炉本体の下部が装入される環状の凹部と、この凹部に注入される液体とからなる構成としてある。
このようにすると、リサイクル用材料を簡単な構造で確実に密封することができ、炉内の気体が外部に漏れることを防ぐことができる。
【0008】
また、本発明の資源リサイクル炉は、前記液体回収手段が、前記基台に設けられた受皿である。
このようにすると、リサイクル用材料から排出される液体を効率よく回収することができる。
【0009】
また、本発明の資源リサイクル炉は、前記炉本体の内側下部の周縁部に、前記受皿に掛かるひさし部が設けられた構成としてある。
このようにすると、炉本体の内面に付着した液体が、ひさし部を伝わって(流れて)受皿に流れ落ちるので、液体を効率よく回収することができる。
【0010】
また、本発明の資源リサイクル炉は、前記排気手段が、排出された気体を冷却する冷却部を有し、排気された気体中の有用物を回収する液化回収部を備えた構成としてある。
このようにすると、リサイクル用材料が加熱により気化する場合であっても、液化させることによって有用物を効率よく回収することができる。また、リサイクル用材料から気化した気体の外部への流出を防ぐことができる。
【0011】
また、本発明の資源リサイクル炉は、前記収容手段として、収容した前記リサイクル用材料から排出した液体を回収する傾斜面及び前記傾斜面を介して集まる前記気体を排出する排液口を有する複数のトレイが用いられる構成としてある。
このようにすると、リサイクル用材料をトレイに収容して処理することができ、作業性を向上させることができる。
【0012】
また、本発明の資源リサイクル炉は、前記リサイクル用材料が、金属と有機化合物を含む廃棄物であって、液体として回収される有機物が有機化合物である。
このようにすると、金属と有機化合物を含むリサイクル用材料を効率よくリサイクル処理することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、作業性を改善可能な構造とすることにより、使い勝手がよく作業性を向上させることができる資源リサイクル炉を提供することができる。また、リサイクル用材料を簡単な構造で確実に密封することができ、炉内の気体が外部に漏れることを防ぐことができる。さらに、リサイクル用材料から排出された気体を液化して回収するので、気化した有機化合物が外部に放出することを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る資源リサイクル炉の概略断面図を示している。
同図において、資源リサイクル炉1は、リサイクル用材料50を加熱して、リサイクル用材料50から有用物を回収する炉であり、収容手段2と、基台3と、液体回収手段4と、炉本体5と、加熱部6と、排気手段7とを備えている。
本実施形態では、リサイクル用材料50は、金属と有機化合物とからなる廃棄物としてあり、資源リサイクル炉1によって加熱されると、有機化合物が溶解液化又は気化され金属から分離する。また、互いに分離された金属と有機化合物は、有用物としてそれぞれ回収される。なお、本発明のリサイクル用材料50は、上記金属と有機化合物とからなる廃棄物に限定されるものではなく、加熱することにより有用物が回収される材料であればよい。
【0015】
(収容手段)
収容手段2は、リサイクル用材料50が収められる複数のトレイ21と、複数のトレイ21を、隙間をあけて積み上げた状態に保持する保持部材22とからなっている。
トレイ21は、上部が開口された矩形の薄い(底の浅い)箱状としてあり、底板が長手方向の中心線付近から上方に折り曲げられており、緩やかな傾斜の二つの斜面211を形成してある。また、上記底板の斜面211は、長手方向の中心線の一方の端部が他方の端部より下方に位置するようにも折り曲げられており、上記一方の端部と側板が交差する付近に、排液口212が形成してある。これにより、トレイ21に収容されたリサイクル用材料50が加熱されると、溶解して液化した有機化合物が、斜面211及び長手方向の中心線付近を低い方へと流れ落ち、排液口212からトレイ21の外に排出される。このように、リサイクル用材料50をトレイ21に収容して処理することによって、確実に回収する。
【0016】
また、図示してないが、収容手段2は、トレイ21の排液口212から排出される液体(液化した有機化合物)が下方のトレイ21の外側に落ちるように、排液口212の下部に案内板(案内流路)を設けてある。これにより、排液口212から排出される液体は、下方のトレイ21内に落ちることなく受皿41に落下し、円滑に液体が回収される。
なお、トレイ21の形状は、上記形状に限定されるものではなく、リサイクル用材料50から溶け出る液体を回収し、受皿41に落下させることが可能な形状であればよい。
【0017】
保持部材22は、対向して基台3に立設され、トレイ21の四隅を支持している。また、通常、トレイ21は、スライド方式などによって保持部材22に着脱自在に取り付けられる。対向する保持部材22は、トレイ21の長手方向の長さよりわずかに長い距離だけ離れており、トレイ21が保持部材22に取り付けられると、トレイ21の長手方向の位置を位置決めする。また、本実施形態では、保持部材22は、上下方向に6段かつ前後方向に2列となるように、合計12個のトレイ21を着脱自在に取り付けることが可能な構造としてある。
なお、保持部材22は、基台3に立設された構造としてあるが、この構造に限定されるものではなく、たとえば、トレイ21が取り付けられた保持部材22に、フォークリフトの爪などが係止される係止部を設けて、保持部材22をフォークリフトなどで搬送可能な構造としてもよい。このようにすると、リサイクル用材料50のトレイ21への収納,取出しを他の場所で行うことができるので、作業性がさらに向上する。
【0018】
(基台)
基台3は、ほぼ正方形状の平板と、この平板の四隅に設けられた脚部を備えており、平板が地面より高い位置に設けられている。これにより、平板の下方に加熱部6などを設けることができ、省スペース化を図ることができる。
また、基台3は、平板の周縁部に、炉本体5の下部が装入される環状(四角形)の凹部(溝)31が形成してある。この凹部31に、炉本体5の下部を装入し、さらに、凹部31に水32などの液体を注入すると、水32が炉本体5の内部と外部とを遮断し、リサイクル用材料50を炉本体5内に水封する。すなわち、基台3に凹部31を形成し、この凹部31に水32を注入することにより、密封作業を確実かつ容易に行うことができ、作業性が向上する。また、炉本体5内の気体が外部に漏れることを、簡単な構造でかつ確実に防ぐことができる。
【0019】
基台3の上部には、凹部31の内側に、リサイクル用材料50からの液体を回収する、液体回収手段4としての受皿が設けられている。この受皿は、凹部31の内側の任意の点に向かって、すり鉢状にテーパ面が形成してあり、リサイクル用材料50から溶け出る液体を効率よく回収する。また、本実施形態では、基台3は、上記任意の点の下方に液体回収孔33が形成されており、リサイクル用材料50から溶け出る液体は、液体回収孔33を通って資源回収タンク41に回収される
【0020】
(炉本体)
炉本体5は、ほぼ立方体の側壁及びこの立方体の上部を塞ぐ湾曲した天井とを有し、下部が開口された形状としてある。この炉本体5は、基台3に自在に載置され、リサイクル用材料50を水封し、密封した状態で覆う。炉本体5は、天井あるいは側壁上部の対向する位置に、フォークリフトの爪に係止する移動用係止部51が設けられている。このようにすると、フォークリフトを使用して、炉本体5を容易に移動させることができるので、使い勝手が向上する。
なお、本実施形態では、収容手段2の全体形状に応じて、ほぼ立方体の側面に対応する側壁を有する構造としてあるが、これに限定されるものではなく、たとえば、収容手段2の形状によっては、ほぼ円柱の側面に対応する側壁を有する構造としてもよい。
【0021】
また、炉本体5は、内側下部の周縁部に、受皿に掛かるひさし部52が設けてある。このひさし部52は、受皿の周縁部の上方に環状に成形された傾斜板であり、傾斜板の上部が炉本体5の側壁に接合され、下部が受皿の外周の内側まで延びている(掛かっている)。これにより、炉本体5の内面に付着した液体が、ひさし部52を伝わって(流れて)、受皿に流れ落ちるので、液体が効率よく回収される。
【0022】
(加熱部)
加熱部6は、重油を燃料とするボイラーとしてあり、重油は、燃料タンク61から供給される。このボイラーは、基台3の平板の下方に設置してあり、燃焼ガスが、基台3を経由して炉本体5内に供給され、リサイクル用材料50を所定の温度まで加熱する。ここで、所定の温度は、リサイクル用材料50に応じて設定される温度である。また、リサイクル用材料50を加熱する際、トレイ21の間に適度の隙間が設けられているので、燃焼ガスが循環し炉本体5内の温度をほぼ均一に維持される。
なお、加熱部6は、上記構成に限定されるものではない。たとえば、加熱部6で用いる燃料は重油以外の燃料であってもよく、軽油,灯油,ガス,石炭,木炭などを使用する加熱部であってもよい。特に、木炭を用いると、窒素酸化物などを排出することなく、十分大きな熱量を得ることができ、環境保護の観点から優れている。また、加熱部6からの燃焼ガスは、基台3を経由して炉本体5内に供給されるが、これに限定されるものではなく、たとえば、炉本体5の側壁などを経由して炉本体5内に供給してもよい。
【0023】
(排気手段)
排気手段7は、炉本体5内に発生した気体(加熱部6からの燃焼ガス及びリサイクル用材料50から気化した気体)を、排ガスとして炉本体5の外部に排気する配管である。この配管は、炉本体5の上部に吸込み口が設けられ、基台3を貫通して下方に延びる下方向配管と、この下方向配管の下端で斜め上方に曲げられた登り傾斜配管と、登り傾斜配管の上端で上方向に延びる上方向配管と、上方向配管の上端でU字に曲げられたU字配管とからなっている。また、上方向配管及び登り傾斜配管には、これらの配管の外表面に沿って冷却水を流す冷却部71が設けられており、冷却水は、上方向配管の上端部付近から供給され、登り傾斜配管の下端部付近から排出され、この間、配管内の気体(気化した有機化合物)を冷却し液化させる。さらに、回収配管72が、登り傾斜配管の下端と資源回収タンク41との間に接続されており、上記冷却により液化された液体(冷却により液化された有機化合物)を、資源回収タンク41に回収する。すなわち、上方向配管,登り傾斜配管,冷却部71及び回収配管72が、排出された気体を冷却し、液化して回収する液化回収部として機能し、リサイクル用材料50が加熱により気化する場合であっても、液化させることによって有機化合物を効率よく回収することができる。
【0024】
また、本実施形態の排気手段7は、ファン等の強制排気手段を備えていないが、この構成に限定されるものではなく、たとえば、強制排気手段を設けてもよい。
また、U字配管から排出される排ガスが、可燃性ガスである場合、加熱部6に供給し燃料として利用してもよい。これにより、エネルギー効率が向上する。また、排気口付近にフィルタを設けたりすることも可能である。
【0025】
次に、上記構成の資源リサイクル炉1の動作について説明する。
まず、金属と有機化合物を含むリサイクル用材料50は、細かく破砕された後、トレイ21に収納される。次に、リサイクル用材料50の収容されたトレイ21は、保持部材22に取り付けられる。この際、炉本体5は、基台3上から降ろされているので、作業者は容易にトレイ21を保持部材22に取り付けることができ、生産効率が向上する。
なお、上述したように、保持部材22を基台3に対して着脱自在な構造とした場合には、トレイ21を取り付けた保持部材22をフォークリフトなどで基台3に搬出入することができるので、さらに生産効率が向上する。
【0026】
次に、炉本体5は、収容手段2を覆うように基台3に載置され、側壁の下部が凹部31に装入される。この際、炉本体5は、基台3に載置してあり、たとえば、炉本体5を基台3にボルトで固定するといった作業を行わなくてもすむので、作業性を向上させることができる。
ここで、炉本体5及び保持部材22の搬送は、フォークリフトに限定されるものではなく、たとえば、クレーン,チェーンブロックなどの搬送手段を使用してもよく、かかる場合には、搬送手段に応じた係止部材(たとえば、フックなど)が炉本体5及び保持部材22に設けられる。
【0027】
次に、上記凹部31に水が注入され、炉本体5の側壁の下部がその水に浸かることによって水封され、炉本体5の内部と外部が完全に遮断される。これにより、リサイクル用材料50は、外気が遮断された状態で加熱されるので、回収される金属は酸化せず再利用が容易となる。
なお、リサイクル用材料50を高温に加熱する場合には、図示してないが、炉本体5に断熱材を取り付ける。
【0028】
次に、加熱部6を燃焼させ、燃焼ガスを炉本体5内に供給し、リサイクル用材料50を加熱する。この際、リサイクル用材料50をトレイ21に収容し、トレイ21を適度な隙間を開けて保持部材22に積み重ねているので、リサイクル用材料50をほぼ均一な温度状態で加熱することができ、リサイクルの品質が向上する。
また、リサイクル用材料50は、外気と遮断された密閉状態で加熱されるので、リサイクル用材料50に含まれる有機化合物が、溶解して液化又は気化する。液化した有機化合物は、金属と分離してトレイ21の底板に落下し、斜面211によって排液口212に向かって流れ、排液口212からトレイ21の外部に排出され、受皿に落下する。そして、受皿に落下した有機化合物は、液体回収孔33に向かって流れ、液体回収孔33を経由して資源回収タンク41に回収される。
【0029】
また、気化した有機化合物は、炉本体5の側壁及び天井によって冷却され液化し、側壁を伝わって下方に流れる。そして、液化された有機化合物は、ひさし部52に沿って流れ受皿上に落下し、液体回収孔33に向かって流れ、液体回収孔33を経由して資源回収タンク41に回収される。
さらに、気化した有機化合物の大部分は、燃焼ガスとともに排気手段7に入り込み、下方向配管,登り傾斜配管及び上方向配管を流れる。この際、燃焼ガスとともに流れていた有機化合物は、冷却部71によって冷却されて液化され、上方向配管及び登り傾斜配管を下方に流れ、回収配管72を経由して資源回収タンク41に回収される。すなわち、気化した有機化合物が排気手段7から外気に放出されることを防止することができる。
【0030】
次に、リサイクル用材料50を所定時間加熱した後、加熱部6の燃焼を停止する。上記所定時間の加熱によって、リサイクル用材料50に含まれていた有機化合物は、ほぼ全て液化又は気化され金属から分離する。したがって、トレイ21には、有機化合物が除去された金属だけが残る。また、液化又は気化した有機化合物は、トレイ21と受皿による回収手段,ひさし部52と受皿による回収手段,及び,排気手段7と冷却部71による回収手段によって、高いレベルで回収される。
続いて、フォークリフトなどによって、炉本体5が基台3から降ろされ、トレイ21に残った金属及び資源回収タンク41に貯まった有機化合物が回収される。
【0031】
このように、本実施形態の資源リサイクル炉1によれば、勝手がよく作業性が改善されるので、作業性を向上させる。さらに、フォークリフトなどを使用して、炉本体5を容易に移動させることができるので、特に、使い勝手に優れた比較的小規模の資源リサイクル炉1を提供することができ、資源リサイクルを普及させる上で極め有効である。
【0032】
以上、本発明の資源リサイクル炉について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る資源リサイクル炉は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、冷却部71によって昇温された冷却水の熱をコジェネレーションとして有効活用する構成としてもよく、これにより、エネルギー効率をさらに向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上説明したように、本発明の資源リサイクル炉は、一般的なリサイクル炉として、様々な用途に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態に係る資源リサイクル炉の概略断面図を示している。
【図2】本発明の一実施形態に係る資源リサイクル炉で使用されるトレイの概略斜視図を示している。
【符号の説明】
【0035】
1 資源リサイクル炉
2 収容手段
3 基台
4 液体回収手段
5 炉本体
6 加熱部
7 排気手段
21 トレイ
22 保持部材
31 凹部
32 水
33 液体回収孔
41 資源回収タンク
50 リサイクル用材料
51 移動用係止部
52 ひさし部
61 燃料タンク
71 冷却部
72 回収配管
211 斜面
212 排液口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リサイクル用材料を加熱して、前記リサイクル用材料から有用物を回収する資源リサイクル炉において、
前記リサイクル用材料が収められる収容手段と、
この収容手段が取り付けられた基台と、
前記リサイクル用材料から排出される液体を回収する液体回収手段と、
この基台に自在に載置され、前記リサイクル用材料を密封した状態で覆う炉本体と、
前記リサイクル用材料を加熱するための加熱部と、
前記炉本体内の気体を排出する排気手段と
を備えたことを特徴とする資源リサイクル炉。
【請求項2】
前記リサイクル用材料を密封する密封手段が、前記基部に形成され、前記炉本体の下部が装入される環状の凹部と、この凹部に注入される液体とからなることを特徴とする請求項1記載の資源リサイクル炉。
【請求項3】
前記液体回収手段が、前記基台に設けられた受皿であることを特徴とする請求項1又は2記載の資源リサイクル炉。
【請求項4】
前記炉本体の内側下部の周縁部に、前記受皿に掛かるひさし部が設けられたことを特徴とする請求項3記載の資源リサイクル炉。
【請求項5】
前記排気手段が、排出された気体を冷却する冷却部を有し、排気された気体中の有用物を回収する液化回収部を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の資源リサイクル炉。
【請求項6】
前記収容手段として、収容した前記リサイクル用材料から排出した液体を回収する傾斜面及び前記傾斜面を介して集まる前記気体を排出する排液口を有する複数のトレイが用いられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の資源リサイクル炉。
【請求項7】
前記リサイクル用材料が、金属と有機化合物を含む廃棄物であって、液体として回収される有機物が有機化合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の資源リサイクル炉。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−117780(P2007−117780A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−265660(P2005−265660)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(599096396)
【Fターム(参考)】