説明

赤外線加熱調理器

【課題】本発明は、食物の表面を焦がしたり煙を発生しないで食物の上部と内部及び下部を同時に均等に焼くことができ、さらには調理目的により互いに異なる構造の回転パンを選択することによって、食物を焼く用途以外に煮込み用途にも便利に使用できる赤外線加熱調理器を提供する。
【解決手段】本発明による赤外線加熱調理器は、赤外線ランプが調理用回転パン(Rotating pan)上に赤外線を直接照射して、食物の上部及び内部に火を通し、同時に前記赤外線ランプによって加熱された回転パンが食物の下部を焼くことで、結果的に食物の表面を焦がしたり煙が発生せず食物の上部と内部及び下部を同時に均等に焼くことができ、さらには調理目的に合わせて互いに異なる構造の回転パンを選択して、食物を焼く用途はもちろん煮込み用途にも便利に使用できる赤外線加熱料理器である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線加熱調理器に関し、より詳細に説明すると、赤外線ランプが料理用回転パン(Rotating pan)上に赤外線を直接照射して食物の上部及び内部まで火を通し、それと同時に前記赤外線ランプによって加熱された回転パンが食物の下部まで焼くことによって、結果的に食物の表面を焦がしたり煙を発生しないで食物の上部と内部及び下部を同時に均等に焼くことができ、さらに料理目的により互いに異なる構造の回転パンを選択することによって、食物を焼く用途以外に煮込み用途にも便利に使用できる赤外線加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、赤外線(Infrared rays)は可視光線より波長が長く、極超短波よりは短い電磁波であり、概して750μm〜1mm程度の波長を有し、相対的に波長が短い近赤外線とこれより波長が長い遠赤外線に区分される。このような赤外線は肉眼では見られず、空気中で散乱し難く可視光線より透過力が強い特性があるため、産業的に、特に通信や医療分野において有効に使用されている。一方、赤外線は可視光線や紫外線に比べて強い熱作用を有し、これを利用した暖房用品や調理用品が多様に開発されている。従来に紹介された赤外線の熱作用を利用した調理用品としては、例えば、韓国登録特許第0779225号(公告日:2007年11月28日)には、外部が石英管で構成された赤外線ランプと、前記赤外線ランプの上段に設置された焼き板と、前記赤外線ランプの下段に設置された反射板とで形成される赤外線肉焼き器が紹介されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、前記肉焼き器は赤外線ランプが焼き板を加熱して、この焼き板が肉の下部だけを焼く一方向調理器であるため、肉をひっくり返さなければならない不便さがあって、さらに食物を煮込み用途では使えない短所があった。
【0004】
また、韓国登録実用新案第314608号(公告日:2003年5月27日)には、焼き網の上部に適当な距離をおいて近赤外線ランプを設置して、このランプの上部には反射板を設置した肉類の焼き器が紹介されている。このような肉類焼き器は、焼き網の上に置かれた肉に直接近赤外線を照射して肉を焼くため、肉が焦げず、内部まで均等に火が通る長所がある。しかし、ランプから照射される近赤外線が肉の上部だけ焼くため、これも一方向加熱に過ぎず、しかも近赤外線ランプの高さ調節が不可で、食物を煮込み用途では使用できないなど、構造的に改善の余地がある。
【0005】
このように従来に紹介された赤外線加熱調理器は、赤外線ランプから照射される赤外線で焼き板を加熱した後、この焼き板が食物の一面のみを直接焼く方式、または赤外線を食物の一面に直接照射する一方向加熱方式がほとんどであった。また、構造的に赤外線ランプの高さ調節が不可で、煮込み用途には使用できないなど、使用上不便な点が多くて、これを家庭用や業者用に使用するには適合しない問題があった。
【0006】
本発明の目的は、食物の表面を焦がしたり煙を発生しないで食物の上部と内部及び下部を同時に均等に焼くことができ、さらには調理目的により互いに異なる構造の回転パンを選択することによって、食物を焼く用途以外に煮込み用途にも便利に使用できる赤外線加熱調理器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記のような従来技術の問題を解決するために、本発明による赤外線加熱調理器は、上面中央に軸孔が形成され、一側に電源を制御するスイッチが具備された受け台と、上面に食物が入れられる円板型容器、下面の中央には前記軸孔に分離可能に挿入される軸突起が形成され、赤外線を受けると加熱される回転パンと、前記受け台の一側に縦方向に設置される支持台と、前記支持台の上段に設置されて電源を印加されて前記回転パンに向かって赤外線を照射する赤外線照射部とを有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明による赤外線加熱調理器は、追加的に前記受け台の内部に油受け取り部材が側面に引出可能に設置されて、前記回転パンの軸突起には軸方向に油排出孔が形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明による赤外線加熱調理器は、赤外線ランプが回転パンに置かれた食物に赤外線を直接照射して食物の上部及び内部を焼き、同時に前記赤外線ランプによって加熱された回転パンが食物の下部を直接焼く両方向加熱方式であるため、熱効率が高く、食物を焦げずに全体的に均等に焼ける効果がある。
【0010】
また、本発明による赤外線加熱調理器は、食物を煮込み用途に適合した煮込み用回転パンと焼く用途に適した焼き用回転パンが各々別に備えられて、魚や肉類など油気が多い食物を焼く用途以外にも、寄せ鍋やブルゴギなど汁がある食物を煮込み用途にも便利に使える。
【0011】
最後に、本発明による赤外線加熱調理器は、赤外線ランプの高さ調節が容易で、回転パンが自動または受動で自由に回転でき、特に肉類焼き用に使う場合には受け台内部に油受け取り部材が配置されて、特に家庭用や業者用に非常に便利に使われる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る赤外線加熱調理器の斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態による調理器の断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態による断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態による断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面に基づいて本発明をより一層詳細に説明する。図1は本発明による赤外線加熱調理器の斜視図であり、図2は本発明の第1実施形態による調理器の断面図であり、図3は本発明の第2実施形態による断面図であり、図4は本発明の第3実施形態による断面図である。
【0014】
本発明は図1に示したように、受け台10が備えられ、この受け台10の上部に回転パン20、20’が設置され、この受け台10の一側に支持台30が具備されて、前記支持台30の上段には赤外線照射部40が設置される構造を有する。この時、前記回転パン20、20’は調理目的に合わせて、寄せ鍋やブルゴギなど汁がある食物を煮込み用途に適した煮込み用の回転パン20と、肉類や魚類などのように油が出る食物を焼く用途に適した焼き用回転パン20’が別途に備えられる。
【0015】
まず、受け台10は内部に収容空間を有し、上面中央には軸孔11が形成されて、一側には電源を制御するスイッチ15が備えられる。そして、焼き用回転パン20’を使う場合には、受け台10の内部、即ち、前記軸孔11の下部に油受け取り部材12が配置される。前記油受け取り部材12は、引き出し状に受け台10の一側面を通して引き出し可能に設置される。そして、前記受け台10に供給される電源としては、外部電源を使ってもよく、バッテリー(Battery)を使ってもよい。
【0016】
前記回転パン20、20’は上面に食物を入れる円板型容器であり、煮込み用の回転パン20と焼き用回転パン20’が別途に備えられる。まず、煮込み用の回転パン20は、図2に示したように、釜蓋を引っくり返したように設置すると中央に軸突起21が形成され、この軸突起21は前記軸孔11と分離可能に挿入される。また、焼き用回転パン20’は図3に示したように、前記軸突起21に軸方向に油排出孔22が貫通される。
【0017】
また、焼き用回転パン20’を使う場合には、既に説明したように、前記受け台10の内部、即ち、油排出孔22の下部に油受け取り部材12が配置される。
【0018】
前記焼き用回転パン20’の上面には油が流れ易いように油溝(図示せず)を形成したり、エンボシング部を形成してもよい。また、焼き用回転パン20’の上面には、例えば、肉類や魚などが焦げたり、焦げ付かないように、テフロンコーティング(Teflon coating)を行うのが望ましい。
【0019】
本発明において、回転パン20、20’は受け台10の上段に回転可能に設置される。このために前記軸孔11と軸突起21との間には、回転パン20、20’の回転を容易にするベアリング13が設置される。また、前記回転パン20、20’はユーザが受動で回転させながら料理できるように構成しても良いが、図4に示したように、電源を利用して回転パン20を自動で回転させる回動手段60を設置してもよい。
【0020】
前記回動手段60は図4のように受け台10の内部に設置されて、電源によって作動するモーター61と、このモーター61に連結される駆動ギア62と、前記軸突起21の外周面に設置される従動ギア63と、前記駆動ギア62と従動ギア63との間に連結されるチェーン64で形成される。しかし、前記回動手段60が図4に限定されるのではない。一方、支持台30は受け台10の一側に縦方向に設置され、高さ調節機能を有するのが望ましい。前記支持台30に関する実施形態を説明すると、図3のように受け台10の一側に設置される支持部材31と、この支持部材31の内周面に沿って乗降できるように挿入される高さ調節部材32と、前記支持部材31に形成された貫通孔33にねじ結合されて、前記高さ調節部材32の一側面を固定する高さ調節ねじ34からなる。
【0021】
本発明における支持台30の構造は、前記図3の実施形態の他にも高さ調節が可能な多様な構造を適用することができる。例えば、高さ調節部材32の一面にラックギア(Rack gear)を設置し、高さ調節ねじ34にはピニオンギア(Pinion gear)を設置して、この二つのギアが噛み合うように構成しての良く、前記ピニオンギア(Pinion gear)にモーター(図示せず)を連結して、自動的に高さ調節ができるように構成しても良い。
【0022】
最後に、前記赤外線照射部40は、支持台30の上段に設置され、前記回転パン20に向かって赤外線を照射する赤外線ランプ43が設置される。前記赤外線照射部40の構造をより詳細に説明すると、赤外線ランプ43を囲むランプ傘42と、赤外線ランプ43の上段、即ち、ランプ傘42と赤外線ランプ43との間に設置される断熱板44と、前記ランプ傘42の下段に分離可能に設置される耐熱ガラス板45からなる。
【0023】
前記ランプ傘42は赤外線ランプ43から放射される赤外線が回転パン20、20’の上に集中されるように集める機能を有する。また、前記赤外線ランプ43は近赤外線ランプまたは遠赤外線ランプのうちいずれも使用できるが、望ましくは500Wの近赤外線ランプを2つ設置する。このような赤外線ランプ43は前記受け台10に設置されたスイッチ15により赤外線照射量が調節される。
【0024】
前記断熱板44は赤外線ランプ43の熱が分散されないよう、遮断及び反射させる機能を有する。そして、耐熱ガラス板45は食物の汁や油が跳ね上がって赤外線ランプ43を汚染させるのを防止する機能を有し、さらには赤外線ランプ43の照射される赤外線の明度を緩和する機能与えてユーザが前記赤外線のために視覚的に負担を感じないようにするのが望ましい。
【0025】
以上、本発明の望ましい実施形態を説明したが、本発明の範囲は前記実施形態に限定されるのではない。当業者が本発明の目的と同じ範囲内で本発明の各構成要素、特に受け台10と回転パン20、20’、支持台30及び赤外線照射部40の構造を一部変更することもできる。しかし、このような設計変更により本発明において全く予想できない新しい効果が現れない限り、本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0026】
10 受け台
11 軸孔
12 油受け取り部材
13 ベアリング
15 スイッチ
20、20’ 回転パン
21 軸突起
30 支持台
31 支持部材
32 高さ調節部材
33 貫通孔
34 高さ調節ねじ
40 赤外線照射部
42 ランプ傘
43 赤外線ランプ
44 断熱板
45 耐熱ガラス板
60 回動手段
61 モーター
62 駆動ギア
63 従動ギア
64 チェーン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面の中央に軸孔が形成され、一側に電源を制御するスイッチが備えられた受け台と、
上面に食物が入れられる円板型容器、及び下面の中央に前記軸孔と分離可能に挿入される軸突起が形成され、赤外線を受けて加熱される回転パンと、
前記受け台の一側に縦方向に設置される支持台と、
前記支持台の上段に設置され、電源が印加されて前記回転パンに向かって赤外線を照射する赤外線照射部とを備えることを特徴とする赤外線加熱調理器。
【請求項2】
前記受け台には内部から引出可能に油受け取り部材がさらに含み、
前記回転パンの軸突起には軸方向に油排出孔が形成されることを特徴とする請求項1に記載の赤外線加熱調理器。
【請求項3】
前記受け台と前記回転パンには電源を利用して前記回転パンを自動的に回転させる回動手段がさらに含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の赤外線加熱調理器。
【請求項4】
前記支持は受け台の一側に設置される支持部材と、前記支持部材の内周面に沿って乗降可能に配置される高さ調節部材と、前記の支持部材に結合されて高さ調節部材を固定する高さ調節ねじからなることを特徴とする請求項1または2に記載の赤外線加熱調理器。
【請求項5】
前記赤外線照射部は、支持台に上段に設置されるランプ傘と、前記ランプ傘の内部に設置される赤外線ランプと、前記ランプ傘の内周面に設置される断熱板と、前記赤外線ランプの下部に分離可能に設置される耐熱ガラス板とからなることを特徴とする請求項1または2に記載の赤外線加熱調理器。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2011−501095(P2011−501095A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529886(P2010−529886)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【国際出願番号】PCT/KR2009/000244
【国際公開番号】WO2009/091211
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.TEFLON
【出願人】(510106212)
【氏名又は名称原語表記】LEE JinHee
【住所又は居所原語表記】413.DaeWoo MejongRiberuri, 750−1. Janghang−dong, Ilsan Dong−gu,Goyang−si, Gyeonggi−do, 410−836,Korea
【Fターム(参考)】