説明

赤外線遮蔽フィルムおよび赤外線遮蔽体

【課題】本願発明の目的は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、安価で大面積化が可能で、温湿度変化後にも、柔軟性が維持され、かつ可視光透過性に優れ、赤外線遮蔽性に優れる赤外線遮蔽フィルムおよび赤外線遮蔽体を提供することにある。
【解決手段】基材上に、第一の金属酸化物の粒子および第一のバインダーを含有する低屈折率層と、該低屈折率層に隣接し第二の金属酸化物の粒子および第二のバインダーを含有し、該低屈折率層より屈折率が0.2以上高い高屈折率層とを有するユニットを有する赤外線遮蔽フィルムであって、該低屈折率層および該高屈折率層の少なくとも1層が、樹脂粒子を含有することを特徴とする赤外線遮蔽フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線を遮蔽する遮蔽フィルムに関し、特に可視光線を透過し、近赤外線を選択的に反射する赤外線の遮蔽フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギー対策への関心の高まりから、冷房設備にかかる負荷を減らす観点から、建物や車両の窓ガラスに装着させて、太陽光の熱線の透過を遮断する近赤外遮蔽フィルムの要望が高まってきている。
【0003】
近赤外遮蔽フィルムの形成方法としては、主には、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層させた構成からなる積層膜を、蒸着法、スパッタ法などのドライ製膜法を用いて形成する方法が提案されている。しかし、ドライ製膜法は、形成に用いる真空装置等が大型になり、製造コストが高く、大面積化が困難であり、しかも、基材として耐熱性素材に限定される等の課題を抱えている。
【0004】
上記のような課題を有しているドライ製膜法に代えて、湿式塗布法を用いて近赤外遮蔽フィルムを形成する方法が知られている。
【0005】
例えば、金属酸化物や金属化合物微粒子を含む熱硬化型シリコーン樹脂や紫外線硬化型アクリル樹脂を有機溶媒中に分散させた屈折率層塗布液を、バーコーターを用いた湿式塗布方式により基材上に塗布して透明積層体を形成する方法(例えば、特許文献1参照。)や、酸化チタン粒子のメタノール分散スラリーと、メタノールシリカゾルを用いて交互積層する方法(特許文献2)が知られている。
【0006】
また、遮蔽膜を比較的低温で製造できる塗布等の湿式法で作製する方法であって、近赤外線の最低透過率が90%以下で、無機粒子を含有し、屈折率が1.75以上の高屈折率層を用い、高い遮蔽機能を有し耐剥離性を向上させる方法(特許文献3参照)が開示されている。
【0007】
しかしながら、熱硬化型シリコーン樹脂や紫外線硬化型アクリル樹脂を用いた成膜方法やゾルを用いて膜を形成する方法では、形成した膜が硬すぎるために、柔軟性に乏しく、特に製造後に建物や車両の窓ガラスに貼るまでの経時による温湿度変化の繰り返しにより塗膜に乱れが生じて、赤外反射率の低下や可視光透過率の低下の問題や柔軟性の低下による窓への貼りつけや搬送時などのハンドリングで塗膜表面にひび割れが生じ、所望の性能を十分に得ることができないなどの問題があることがわかった。
【0008】
また、上記の湿式法で作製した膜であっても、まだ温度、湿度の繰り返しの変化による遮蔽性の劣化防止が充分なものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平8−110401号公報
【特許文献2】特開2003−266577号公報
【特許文献3】特開2009−86659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本願発明の目的は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、安価で大面積化が可能で、温湿度変化後にも、柔軟性が維持され、かつ可視光透過性に優れ、赤外線遮蔽性に優れる赤外線遮蔽フィルムおよび赤外線遮蔽体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の上記課題は以下の手段により達成される。
【0012】
1.基材上に、第一の金属酸化物の粒子および第一のバインダーを含有する低屈折率層と、該低屈折率層に隣接し第二の金属酸化物の粒子および第二のバインダーを含有し、該低屈折率層より屈折率が0.2以上高い高屈折率層とを有するユニットを有する赤外線遮蔽フィルムであって、該低屈折率層および該高屈折率層の少なくとも1層が、樹脂粒子を含有することを特徴とする赤外線遮蔽フィルム。
【0013】
2.前記樹脂粒子が、エマルション樹脂から形成された樹脂粒子であることを特徴とする前記1に記載の赤外線遮蔽フィルム。
【0014】
3.前記樹脂粒子の、平均粒径が150nm以下であることを特徴とする前記1または2に記載の赤外線遮蔽フィルム。
【0015】
4.前記エマルション樹脂がカチオン型エマルション樹脂であることを特徴とする前記2または3に記載の赤外線遮蔽フィルム。
【0016】
5.前記低屈折率層または、該高屈折率層が、前記樹脂粒子を前記第一のバインダーまたは前記第二のバインダーに対して5〜45質量%含有していることを特徴とする前記1から4のいずれか1項に記載の赤外線遮蔽フィルム。
【0017】
6.前記樹脂粒子を含有する層が、尿素化合物または多価アルコールを含有することを特徴とする前記1から5のいずれか1項に記載の赤外線遮蔽フィルム。
【0018】
7.前記1から6のいずれか1項に記載の赤外線遮蔽フィルムを具備することを特徴とする赤外線遮蔽体。
【発明の効果】
【0019】
本発明の上記手段により、安価で大面積化が可能で、温湿度変化後にも、柔軟性が維持され、かつ可視光透過率の低下が少なくまた、赤外線透過率の上昇が少ないことで、耐久性に優れる赤外線遮蔽フィルムにおよび赤外線遮蔽体が提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下本発明を詳細に説明する。
【0021】
本発明は、基材上に、第一の金属酸化物の粒子および第一のバインダー(以下バインダー樹脂とも称する)を含有する低屈折率層と、該低屈折率層に隣接し第二の金属酸化物の粒子および第二のバインダーを含有し、該低屈折率層より屈折率が0.2以上高い高屈折率層とを有するユニットを有する赤外線遮蔽フィルムであって、該低屈折率層および該高屈折率層の少なくとも1層が、樹脂粒子を含有することを特徴とする。
【0022】
本発明では、特に低屈折率層または高屈折率層に樹脂粒子を含有させることで、安価で大面積化が可能で、温湿度変化後にも柔軟性が維持され、かつ可視光透過率と赤外反射率の高い赤外線遮蔽フィルムが得られる。
【0023】
以下、本発明の各構成要件について詳細に説明する。
【0024】
《赤外線遮蔽フィルム》
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、基材上に、第一の金属酸化物の粒子および第一のバインダーを含有する低屈折率層と、該低屈折率層に隣接し第二の金属酸化物の粒子および第二のバインダーを含有し、該低屈折率層より屈折率が0.2以上高い高屈折率層とを有するユニットを有する赤外線遮蔽フィルムであって、該低屈折率層および該高屈折率層の少なくとも1層が、樹脂粒子を含有する。
【0025】
(樹脂粒子)
本発明に係る樹脂粒子は、粒径が1μm以下の樹脂からなる粒子である。
【0026】
樹脂としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル系化合物、スチレン系化合物といったエチレン系単量体、ブタジエン、イソプレンといったジエン系化合物の単独重合体または共重合体が挙げられ、例えばアクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂等が挙げられる。
【0027】
これらの樹脂の樹脂粒子としては、エマルション樹脂の粒子が好ましく用いられる。
【0028】
エマルション樹脂の粒子とは、油溶性のモノマーを、分散剤を含む水溶液中でエマルション状態に保ち、重合開始剤を用いて乳化重合させた樹脂粒子である。
【0029】
エマルション樹脂の重合時に使用される分散剤としては、一般的には、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジエチルアミン、エチレンジアミン、4級アンモニウム塩のような低分子の分散剤の他に、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエキシエチレンラウリル酸エーテル、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドンのような高分子分散剤、また水酸基を含む高分子分散剤が挙げられる。
【0030】
本発明に係る樹脂粒子に用いられるエマルション樹脂の粒子の体積平均粒径は、可視光透過率および製造上の観点から、150nm以下が好ましく、さらに20nmから150nmが好ましく、20nmから100nmがより好ましい。
【0031】
ここでいう体積平均粒径は、エマルション樹脂粒子をレーザー回折散乱法、動的光散乱法を用いた測定装置(例えばMALVERN社製、MASTERSIZER2000)で測定して求めた体積平均粒径である。
【0032】
低屈折率層または高屈折率層に含有される樹脂粒子の平均粒径は、150nm以下であることが好ましいが、この平均粒径はミクロトームにより層の断面を切断し、現れた粒子を電子顕微鏡で観察、最大径と最小径を測定し、その平均値を粒径として、100個について測定した平均値をいう。
【0033】
水酸基を含む高分子分散剤とは、重量平均分子量が10000以上の高分子の分散剤で、側鎖または末端に水酸基が置換されたものであり、例えばポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミドのようなアクリル系の高分子で2−エチルヘキシルアクリレートが共重合されたもの、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールのようなポリエーテル、ポリビニルアルコールなどが挙げられ、特にポリビニルアルコールが好ましい。
【0034】
高分子分散剤として使用されるポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、カチオン変性したポリビニルアルコールやカルボキシル基のようなアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール、シリル基を有するシリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
【0035】
ポリビニルアルコールは、平均重合度は高い方がひび割れの発生を抑制する効果が大きいが、平均重合度が5000以内であると、エマルション樹脂の粘度が高くなく、製造時に取り扱いやすい。したがって、平均重合度は300〜5000のものが好ましく、1500〜5000のものがより好ましく、3000〜4500のものが特に好ましい。ポリビニルアルコールのケン化度は70〜100モル%のものが好ましく、80〜99.5モル%のものがより好ましい。
【0036】
エマルション樹脂が含まれるエマルションとしては、pHが3〜10であるものが樹脂バインダー、金属酸化物粒子、他の添加剤等との混合性から好ましく、樹脂のTgとしては100℃以下が好ましい。
【0037】
エマルション樹脂としてはカチオン型やベタイン型のものが好ましく、より好ましくはカチオン型エマルション樹脂である。
【0038】
本発明に係る樹脂粒子として用いられる上記のアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル系化合物、スチレン系化合物といったエチレン系単量体、ブタジエン、イソプレンといったジエン系化合物の単独重合体または共重合体などは、市販品として入手できる。
【0039】
カチオン型エマルション樹脂としては、例えば、DIC製のボンコートSFC−571、日信化学工業製のビニブラン2651、大成ファインケミカル製のUW−319SX、昭和電工製のポリゾールOLZ−1790、ベタイン型エマルション樹脂としては、例えば日本ゼオン製のNipol LX407Kなどがある。
【0040】
樹脂粒子の含有比率としては、低屈折率層または高屈折率層の、第一または第二のバインダー樹脂各々に対して、柔軟性、膜強度、赤外反射率などの面から、5から45質量%、好ましくは10から30質量%がよい。
【0041】
〔尿素化合物、多価アルコール〕
本発明に係る樹脂粒子を含有した層にはさらに尿素化合物または多価アルコールを添加することがより好ましい。
【0042】
尿素化合物又は多価アルコールの含有比率としては、バインダー樹脂に対して、経時柔軟性改良効果、赤外反射性能の観点で、0.5質量%から10.0質量%、好ましくは1.0質量%から5.0質量%がよい。
【0043】
(尿素化合物)
尿素化合物としては、下記一般式(N)で表される構造の化合物が挙げられる。
【0044】
【化1】

【0045】
一般式(N)中、R、R、R、Rは水素、アルキル基、アルカンを含む置換基、アルケンを含む置換基、シアノ基、ニトロ基、フェニル基などの芳香環を含む置換基、イミダゾールなどの複素環を含む置換基を表す。
【0046】
尿素化合物としては、具体的には尿素、ビウレット、セミカルバジド塩酸塩、ビウレア、1−メチル尿素、1,1−ジメチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,1,3−トリメチル尿素、1,1,3,3−テトラメチル尿素、1−エチル尿素、1,1−ジエチル尿素、1,3−ジエチル尿素、1,1,3−トリエチル尿素、1−(n−プロピル)尿素、1−(n−ブチル)尿素、1−(tert−ブチル)尿素、1−アリル尿素、1,3−ジアリル尿素、1−フェニル尿素、1,1−ジフェニル尿素、1,3−ジフェニル尿素、1−(o−トリル)尿素、1−(m−トリル)尿素、フェニルアセチル尿素、1−(ベンジル)尿素、1−ヒドロキシ尿素、1,3−ビス(トリメチルシリル)尿素、ビス(ペンタメチレン)尿素、2−イミダゾロン、バルビツル酸、1,3−ジシクロヘキシル尿素、ニトロソ尿素、ジシアンジアミジン、ヒダントイン等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。これらの中でも尿素が特に好ましい。
【0047】
(多価アルコール)
多価アルコールとしては、グリセリン、キシリトール、ソルビット、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マルチトール、マンニトール等が好ましく用いることができる。
【0048】
(低屈折率層、高屈折率層)
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、低屈折率層とこの低屈折率層より屈折率が0.2以上高い高屈折率層とを有するユニットを有するが、低屈折率層および高屈折率層は、下述する材料を用い、下述する形成方法により得られる。
【0049】
本発明の赤外線遮蔽フィルムにおいては、基材上のユニットの数としては、100層以下、すなわち50ユニット以下であり、より好ましくは50層(25ユニット)以下であり、さらに好ましくは30層(15ユニット)以下である。
【0050】
また、本発明の赤外線遮蔽フィルムにおいては、高屈折率層の好ましい屈折率としては1.80〜2.50であり、より好ましくは1.90〜2.20である。また、低屈折率層の好ましい屈折率としては1.10〜1.60であり、より好ましくは1.30〜1.50である。
【0051】
本発明において、高屈折率層、低屈折率層の屈折率は、下記の方法に従って求めることができる。
【0052】
基材上に屈折率を測定する各屈折率層を単層で塗設したサンプルを作製し、このサンプルを10cm×10cmに断裁した後、下記の方法に従って屈折率を求める。分光光度計として、U−4000型(日立製作所社製)を用いて、各サンプルの測定面とは反対側の面(裏面)を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正反射の条件にて可視光領域(400nm〜700nm)の反射率を25点測定して平均値を求め、その測定結果より平均屈折率を求める。
【0053】
また、本発明の赤外線遮蔽フィルムにおいては、体積平均粒径100nm以下の金属酸化物粒子とバインダー樹脂を高屈折率層と低屈折率層の両層に添加する。本発明において、金属酸化物粒子とバインダー樹脂の比率は、金属酸化物粒子がバインダー樹脂に対して0.3質量%以上、10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上、5質量%以下であることがさらに好ましい。
【0054】
(高屈折率層、第二の金属酸化物の粒子、第二のバインダー)
〔第二の金属酸化物の粒子〕
本発明に係る高屈折率層に用いられる第二の金属酸化物の粒子としては、屈折率が2.0以上で、体積平均粒径が100nm以下の金属酸化物粒子を用いることが好ましく、例えば、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン等を挙げることができるが、特に、ルチル型酸化チタン粒子を用いることが好ましい。
【0055】
〈ルチル型酸化チタン〉
一般的に、酸化チタン粒子は、粒子表面の光触媒活性の抑制や、溶媒等への分散性を向上する目的で、表面処理が施された状態で使用されることが多く、例えば、酸化チタン粒子表面をシリカからなる被覆層で覆われ、粒子表面が負電荷を帯びたものや、アルミニウム酸化物からなる被覆層が形成されたpH8〜10で表面が正電荷を帯びたものが知られている。
【0056】
本発明においては、金属酸化物粒子が、体積平均粒径が100nm以下のルチル型(正方晶形)の酸化チタン粒子であることが好ましい。
【0057】
ここでいう体積平均粒径とは、媒体中に分散された一次粒子または二次粒子の体積平均粒径であり、レーザー回折/散乱法、動的光散乱法等により測定できる。
【0058】
本発明に係るルチル型酸化チタン粒子の体積平均粒径は、100nm以下であることが好ましいが、4nm以上、50nm以下であることがより好ましく、更に好ましくは4nm以上、30nm以下である。体積平均粒径が100nm以下であれば、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。体積平均粒径が100nmを超える酸化チタン粒子は、本発明に限らず高屈折率層に用いるには適正なものといえない。
【0059】
本発明に係るルチル型酸化チタン粒子の体積平均粒径とは、粒子そのものあるいは屈折率層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、それぞれd、d・・・d・・・dの粒径を持つ粒子がそれぞれn、n・・・n・・・n個存在する金属酸化物粒子の集団において、粒子1個当りの表面積をa、体積をvとした場合に、体積平均粒径m={Σ(v・d)}/{Σ(v)}で表される体積で重み付けされた平均粒径である。
【0060】
さらに、本発明に係る酸化チタン粒子は、単分散であることが好ましい。ここでいう単分散とは、下記式で求められる単分散度が40%以下をいう。更に好ましくは30%以下であり、特に好ましくは0.1〜20%となる粒子である。
【0061】
単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100
〈ルチル型酸化チタンゾルの製造方法〉
一般的に酸化チタン粒子は、粒子表面の光触媒活性の抑制や、溶媒等への分散性を向上する目的で表面処理を施された状態で使用されることが多く、例えば、酸化チタン粒子表面をシリカからなる被覆層で覆われ、粒子表面が負電荷を帯びたものや、アルミニウム酸化物からなる被覆層が形成されたpH8〜10で表面が正電荷を帯びたものが知られているが、本発明においては、このような表面処理が施されていないpHが1.0〜3.0で、かつゼータ電位が正である酸化チタンの水系ゾルが用いることが好ましい。
【0062】
本発明で用いることのできるルチル型酸化チタンゾルの調製方法としては、例えば、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報等に記載された事項を参照にすることができる。
【0063】
また、ルチル型酸化チタンのその他の製造方法については、例えば、「酸化チタン−物性と応用技術」清野学 p255〜258(2000年)技報堂出版株式会社、或いはWO2007/039953号明細書の段落番号0011〜0023の記載の工程(2)の方法を参考にすることができる。
【0064】
上記工程(2)による製造方法とは、二酸化チタン水和物をアルカリ金属の水酸物又はアルカリ土類金属の水酸化物からなる群から選択される、少なくとも1種の塩基性化合物で処理する工程(1)の後に、得られた二酸化チタン分散物を、カルボン酸基含有化合物及び無機酸で処理する工程(2)からなる。本発明では、工程(2)により得られた無機酸によりpHを1.0〜3.0に調整されたルチル型酸化チタンの水系ゾルを用いることができる。
【0065】
〔第二のバインダー〕
本発明で用いることのできるバインダーとしては、金属酸化物粒子と樹脂粒子を含有した高屈折率層が塗膜を形成出来ればどのようなものでも構わないが、環境の問題や塗膜の柔軟性を考慮すると、水溶性高分子、特にゼラチン、増粘多糖類、反応性官能基を有するポリマーが好ましい。これらの水溶性高分子は単独で用いても構わないし、2種類以上を混合して用いても構わない。
【0066】
本発明においては、第二のバインダーと第二の金属酸化物の粒子との比率は、透明性、赤外反射率の面から、第二のバインダー樹脂1に対して第二の金属酸化物の粒子が0.3から10、好ましくは0.5から5がよい。
【0067】
(ゼラチン)
本発明に適用可能なゼラチンとしては、従来、ハロゲン化銀写真感光材料分野で広く用いられてきた各種ゼラチンを適用することができ、例えば、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチンの他に、ゼラチンの製造過程で酵素処理をする酵素処理ゼラチン及びゼラチン誘導体、すなわち分子中に官能基としてのアミノ基、イミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基を持ち、それと反応して得る基を持った試薬で処理し改質したものでもよい。ゼラチンの一般的製造法に関しては良く知られており、例えばT.H.James:The Theory of Photographic Process 4th. ed. 1977(Macmillan)55項、科学写真便覧(上)72〜75項(丸善)、写真工学の基礎−銀塩写真編119〜124(コロナ社)等の記載を参考にすることができる。また、リサーチ・ディスクロージャー誌第176巻、No.17643(1978年12月)のIX項に記載されているゼラチンを挙げることができる。
【0068】
本発明で用いることのできるゼラチンの平均分子量は10万以上、20万以下が好ましいが、含有する金属酸化物粒子の分散性を維持する目的等で分子量が3万以下のゼラチンやコラーゲンペプチドを含有しても良い。
【0069】
ゼラチンの平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC法)によって測定することができる。
【0070】
平均分子量が10万以上のゼラチンの製法としては、例えば、下記の方法などが挙げられる。
【0071】
1)ゼラチン製造中の抽出操作で、抽出後期の抽出物を使用して抽出初期のもの(低分子量成分)は排除する。
【0072】
2)前記製法において、抽出以後乾燥までの工程において、処理温度を40℃未満とする。
【0073】
3)ゼラチンを冷水(15℃)透析する。
【0074】
上記の方法を単独又は併用して用いることにより、平均分子量が10万以上のゼラチンを得ることができる。
【0075】
本発明において、ゼラチン塗膜を硬化するため、必要に応じて硬化剤を添加することもできる。
【0076】
用いることのできる硬膜剤としては、通常の写真乳剤層の硬膜剤として使用されている公知の化合物を使用でき、例えば、ビニルスルホン化合物、尿素−ホルマリン縮合物、メラニン−ホルマリン縮合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物、活性オレフィン類、イソシアネート系化合物などの有機硬膜剤、クロム、アルミニウム、ジルコニウムなどの無機多価金属塩類などを挙げることができる。
【0077】
〈増粘多糖類〉
本発明で用いることのできる増粘多糖類としては、特に制限はなく、例えば、一般に知られている天然単純多糖類、天然複合多糖類、合成単純多糖類及び合成複合多糖類に挙げることができ、これら多糖類の詳細については、「生化学事典(第2版),東京化学同人出版」、「食品工業」第31巻(1988)21頁等を参照することができる。
【0078】
本発明でいう増粘多糖類とは、糖類の重合体であり分子内に水素結合基を多数有するもので、温度により分子間の水素結合力の違いにより、低温時の粘度と高温時の粘度差が大きな特性を備えた多糖類であり、さらに金属酸化物微粒子を添加すると、低温時にその金属酸化物微粒子との水素結合によると思われる粘度上昇を起こすものであり、その粘度上昇幅は、添加することにより15℃における粘度が1.0mPa・s以上の上昇を生じる多糖類であり、好ましくは5.0mPa・s以上であり、更に好ましくは10.0mPa・s以上の粘度上昇能を備えた多糖類である。
【0079】
本発明に適用可能な増粘多糖類としては、例えば、ガラクタン(例えば、アガロース、アガロペクチン等)、ガラクトマンノグリカン(例えば、ローカストビーンガム、グアラン等)、キシログルカン(例えば、タマリンドガム等)、グルコマンノグリカン(例えば、蒟蒻マンナン、木材由来グルコマンナン、キサンタンガム等)、ガラクトグルコマンノグリカン(例えば、針葉樹材由来グリカン)、アラビノガラクトグリカン(例えば、大豆由来グリカン、微生物由来グリカン等)、グルコラムノグリカン(例えば、ジェランガム等)、グリコサミノグリカン(例えば、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸等)、アルギン酸及びアルギン酸塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、ファーセレラン等の紅藻類に由来する天然高分子多糖類等が挙げられ、塗布液中に共存する金属酸化微粒子の分散安定性を低下させない観点から、好ましくは、その構成単位がカルボン酸基やスルホン酸基を有しないものが好ましい。
【0080】
そのような多糖類としては、例えば、L−アラビトース、D−リボース、2−デオキシリボース、D−キシロースなどのペントース、D−グルコース、D−フルクトース、D−マンノース、D−ガラクトースなどのヘキソースのみからなる多糖類であることが好ましい。具体的には、主鎖がグルコースであり、側鎖もグルコースであるキシログルカンとして知られるタマリンドシードガムや、主鎖がマンノースで側鎖がグルコースであるガラクトマンナンとして知られるグアーガム、カチオン化グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、ローカストビーンガム、タラガムや、主鎖がガラクトースで側鎖がアラビノースであるアラビノガラクタンを好ましく使用することができる。
【0081】
本発明においては、特には、タマリンド、グアーガム、カチオン化グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガムが好ましい。
【0082】
本発明においては、更には、二種類以上の増粘多糖類を併用することが好ましい。
【0083】
〈反応性官能基を有するポリマー類〉
反応性官能基を有するポリマーとしては、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート−スチレンスルホン酸カリウム共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。これらの中で、特に好ましい例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン類及びそれを含有する共重合体が挙げられる。
【0084】
反応性官能基を有するポリマーの重量平均分子量は、1,000以上200,000以下が好ましい。更には、3,000以上40,000以下がより好ましい。
【0085】
ポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
【0086】
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が1,000以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1,500〜5,000のものが好ましく用いられる。また、ケン化度は、70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
【0087】
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号に記載されているような、第一〜三級アミノ基や第四級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
【0088】
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
【0089】
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号および同63−307979号に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−285265号に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0090】
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類違いなど二種類以上を併用することもできる。
【0091】
本発明においては、反応性官能基を有するポリマーを使用する場合には、硬化剤を使用してもよい。反応性官能基を有するポリマーがポリビニルアルコールの場合には、ホウ酸及びその塩やエポキシ系硬化剤が好ましい。
【0092】
(低屈折率層、第一の金属酸化物の粒子、第一のバインダー)
本発明に係る低屈折率層に用いられる第一の金属酸化物の粒子としては、二酸化ケイ素を用いることが好ましく、酸性のコロイダルシリカゾルを用いることが特に好ましい。
【0093】
本発明で好ましく用いられるコロイダルシリカは、珪酸ナトリウムの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通過させて得られるシリカゾルを加熱熟成して得られるものであり、このコロイダルシリカをインクジェット記録用紙に使用することは、例えば、特開昭57−14091号公報、同60−219083号公報、同60−219084号公報、同61−20792号公報、同61−188183号公報、同63−17807号公報、特開平4−93284号公報、同5−278324号公報、同6−92011号公報、同6−183134号公報、同6−297830号公報、同7−81214号公報、同7−101142号公報、同7−179029号公報、同7−137431号公報、及び国際特許公開WO94/26530号公報などに記載されている。
【0094】
コロイダルシリカの好ましい平均粒子径は通常は5〜100nmであるが特に7〜30nmの平均粒子径が好ましい。
【0095】
〔第一のバインダー〕
本発明で用いることのできるバインダーとしては、金属酸化物粒子と樹脂粒子を含有した低屈折率層が塗膜を形成出来ればどのようなものでも構わないが、環境の問題や塗膜の柔軟性を考慮すると、水溶性高分子、特にゼラチン、増粘多糖類、反応性官能基を有するポリマーが好ましい。これらの水溶性高分子は単独で用いても構わないし、2種類以上を混合して用いても構わない。
【0096】
本発明においては、第一のバインダーと第一の金属酸化物の粒子との比率は、透明性、赤外反射率の面から、第一のバインダー樹脂1に対して第一の金属酸化物の粒子が0.3から10、好ましくは0.5から5がよい。
【0097】
ゼラチン、増粘多糖類、反応性官能基を有するポリマーについては、上記と同様のものを用いることができる。
【0098】
〈各屈折率層のその他の添加剤〉
本発明に係る高屈折率層と低屈折率層に適用可能な各種の添加剤を以下に列挙する。例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報及び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報及び同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
【0099】
〔基材〕
本発明の赤外線遮蔽フィルムに適用する基材としては、フィルム支持体であることが好ましく、フィルム支持体は、透明であっても不透明であってもよく、種々の樹脂フィルムを用いることができ、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、3酢酸セルロース等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルムである。ポリエステルフィルム(以降ポリエステルと称す)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
【0100】
本発明に係るフィルム支持体の厚みは、10〜300μmであることが好ましく、より好ましくは20〜150μmである。また、本発明のフィルム支持体は、2枚を重ねたものであっても良く、この場合、その種類が同じでも異なってもよい。
【0101】
〔赤外線遮蔽フィルムの製造方法〕
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、基材上に高屈折率層と低屈折率層から構成されユニットを積層して形成されるが、具体的には高屈折率層と低屈折率層とを交互に塗布、乾燥して積層体を形成することが好ましい。
【0102】
塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
【0103】
これらの中でも特に、上記方法を用いて同時重層塗布を行うことが好ましい態様である。
【0104】
同時重層塗布を行う際の高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液の粘度としては、スライドビード塗布方式を用いる場合には、5〜100mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜50mPa・sの範囲である。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、5〜1200mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは25〜500mPa・sの範囲である。
【0105】
また、塗布液の15℃における粘度としては、100mPa・s以上が好ましく、100〜30,000mPa・sがより好ましく、さらに好ましくは3,000〜30,000mPa・sであり、最も好ましいのは10,000〜30,000mPa・sである。
【0106】
高屈折率層塗布液の作製方法としては、所望の塗布液が作製出来れば特に制限はないが、35〜60℃程度に温められた高屈折率層用金属酸化物ゾルを攪拌しているところに、45℃程度に調整したバインダー樹脂を金属酸化物ゾルが凝集しないように徐々に添加混合し、十分に均一な状態を作製してから、次いで界面活性剤を添加した後、所望の濃度になるように、45℃程度に温めた純水を添加することが好ましい。また、金属酸化物ゾルとバインダー樹脂を混合する前に、金属酸化物ゾルにピコリン酸やアミノカルボン酸、コラーゲンペプチド、平均分子量が3万以下の低分子量ゼラチン等を混合し、金属酸化物粒子に被覆させて用いても良い。
【0107】
本発明においては、上記高屈折率層塗布液を調製する際、体積平均粒径が100nm以下のルチル型の酸化チタンを添加、分散して調製した水系の高屈折率層塗布液を用いて、高屈折率層を形成することが好ましい。
【0108】
この時、ルチル型の酸化チタンとしては、pHが1.0以上、3.0以下で、かつチタン粒子のゼータ電位が正である水系の酸化チタンゾルとして、高屈折率層塗布液に添加して調製することが好ましい。
【0109】
塗布および乾燥方法としては、高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液を30℃以上に加温して、塗布を行った後、形成した塗膜の温度を1〜15℃に一旦冷却し、10℃以上で乾燥することが好ましく、より好ましくは、乾燥条件として、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件で行うことである。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜均一性の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
【0110】
低屈折率層塗布液の作製方法としては、所望の塗布液が作製出来れば特に制限はないが、35〜60℃程度に温められた低屈折率層用金属酸化物ゾルを攪拌しているところに、45℃程度に調整したバインダー樹脂を金属酸化物ゾルが凝集しないように徐々に添加混合し、十分に均一な状態を作製してから、次いで界面活性剤を添加した後、所望の濃度になるように、45℃程度に温めた純水を添加することが好ましい。
【0111】
〔赤外線遮蔽フィルムの応用〕
本発明の赤外線遮蔽フィルムは、幅広い分野に応用することができる。例えば、建物の屋外の窓や自動車窓等長期間太陽光に晒らされる設備に貼り合せ、熱線反射効果を付与する熱線反射フィルム等の窓貼用フィルム、農業用ビニールハウス用フィルム等として、主として耐候性を高める目的で用いられる。
【0112】
特に、本発明に係る赤外線遮蔽フィルムが直接もしくは接着剤を介してガラスもしくはガラス代替樹脂基材に貼合されている部材には好適である。
【0113】
接着剤は、窓ガラスなどに貼り合わせたとき、赤外線遮蔽フィルムが日光(熱線)入射面側にあるように設置する。また赤外線遮蔽フィルムを窓ガラスと基材との間に挟持すると、水分等周囲ガスから封止でき耐久性に好ましい。本発明の赤外線遮蔽フィルムを屋外や車の外側(外貼り用)に設置しても環境耐久性があって好ましい。
【0114】
適用可能な接着剤としては、光硬化性もしくは熱硬化性の樹脂を主成分とする接着剤を用いることができる。
【0115】
接着剤は紫外線に対して耐久性を有するものが好ましく、アクリル系粘着剤またはシリコーン系粘着剤が好ましい。更に粘着特性やコストの観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。特に剥離強さの制御が容易なことから、アクリル系粘着剤において、溶剤系及びエマルション系の中で溶剤系が好ましい。アクリル溶剤系粘着剤として溶液重合ポリマーを使用する場合、そのモノマーとしては公知のものを使用できる。
【0116】
また、合わせガラスの中間層として用いられるポリビニルブチラール系樹脂、あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂を用いてもよい。具体的には可塑性ポリビニルブチラール(積水化学工業社製、三菱モンサント社製等)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(デュポン社製、武田薬品工業社製、デュラミン)、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー社製、メルセンG)等である。なお、接着層には紫外線吸収剤、抗酸化剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着調整剤等を適宜添加配合してもよい。
【実施例】
【0117】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
【0118】
実施例1
〔試料1の作製〕
[高屈折率層塗布液1]
45℃に保温した20.0質量%酸化チタンゾル(体積平均粒径35nm、ルチル型酸化チタン粒子)15.2gに、45℃の5.0質量%の酸処理ゼラチン水溶液225gを撹拌しながら徐々に添加、混合した。次いで界面活性剤として、5.0質量%の2−DB−500E(日油株式会社製)を0.43g添加し、45℃の純水で450mlに仕上げることで高屈折率層用塗布液1を調製した。
【0119】
[低屈折率層塗布液1]
45℃に保温した21.4質量%コロイダルシリカ14.2gに、45℃の5.0質量%の酸処理ゼラチン水溶液330gと1.0質量%のヒドロキシエチルセルロース(HEC)127gを撹拌しながら徐々に添加、混合した。次いで界面活性剤として、5.0質量%の2−DB−500E(日油株式会社製)を0.64g添加し、45℃の純水で650mlに仕上げることで低屈折率層用塗布液1を調製した。
【0120】
[樹脂粒子添加層塗布液]
前記低屈折率層塗布液1に平均粒径95nmのポリビニルアルコール存在下で重合したノニオン性エマルション樹脂粒子をゼラチンに対して30質量%加えた樹脂粒子添加層塗布液を作製した。
【0121】
[赤外線遮蔽フィルム試料1の作製方法]
16層重層塗布可能なスライドホッパー塗布装置を用い、前記の低屈折率層用塗布液1、高屈折率層用塗布液1及びエマルション添加層塗布液を45℃に保温しながら、45℃に加温した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡製A4300:両面易接着層)上に、最下層に樹脂粒子添加層を乾燥時膜厚400nmで形成し、その上に各々高屈折率層を乾燥時膜厚が130nm、低屈折率層を乾燥時膜厚が175nmになるように交互に7回積層し、さらに最上層に高屈折率層を乾燥時膜厚130nmになるように構成し計16層の同時重層塗布を行った。
【0122】
塗布直後、5℃の冷風を1分間吹き付けてセットさせた後、80℃の温風を吹き付けて乾燥させて、16層からなる赤外線遮蔽フィルム試料1を作製した。
【0123】
〔赤外線遮蔽フィルム試料2〜12の作製〕
赤外線遮蔽フィルム試料1の樹脂粒子添加塗布液を、表1に記載の樹脂粒子種類と添加量に変更した以外は同様にして、赤外線遮蔽フィルム試料2〜12を作製した。
【0124】
〔赤外線遮蔽フィルム試料13の作製〕
赤外線遮蔽フィルム試料7の作製において、高屈折率層塗布液1の金属酸化物粒子をZrOに換えた高屈折率層塗布液2を用いた以外は同様にして赤外線遮蔽フィルム試料13を作製した。
【0125】
〔赤外線遮蔽フィルム試料14〜17の作製〕
赤外線遮蔽フィルム試料7の各層塗布液を表1、表2に記載の塗布液に変更した以外は同様にして赤外線遮蔽フィルム試料14〜17を作製した。なお、高屈折率層塗布液5は下記のように作製し、低屈折率層塗布液4は屈折率1.47の熱硬化性アクリル樹脂溶液とした。
【0126】
[高屈折率層塗布液5]
酸化チタン粒子(体積平均粒径:15nm)の40部と、ジオクチルスルホサクネート(界面活性剤)の2部と、トルエンの58部とを混合した後、ボールミルを用いて、48時間分散して、酸化チタンゾルを調製した。次いで、上記調製した酸化チタンゾルに、熱硬化性アクリル樹脂を酸化チタンの1.5倍量添加して、高屈折率層用塗布液5を調製した。
【0127】
〔赤外線遮蔽フィルム試料18の作製〕
高屈折層塗布液1と低屈折率層塗布液1にそれぞれ平均粒径50nmのカチオン性エマルション樹脂粒子をゼラチンに対して10質量%と、尿素をゼラチンに対して1質量%添加した高屈折率層塗布液6、低屈折率層塗布液5を作製し、支持体側から低屈折率層、高屈折率層の順に各々8層ずつ交互に積層し、乾燥時の膜厚が低屈折率層は各層175nm、高屈折率層は各層130nmになるように、計16層の同時重層塗布を行い赤外線遮蔽フィルム赤外線遮蔽フィルム試料18を作製した。
【0128】
〔赤外線遮蔽フィルム試料19〜29の作製〕
赤外線遮蔽フィルム試料7の各層塗布液を表2に記載の塗布液に変更した以外は同様にして赤外線遮蔽フィルム試料19〜29を作製した。
【0129】
〔赤外線遮蔽フィルム試料30の作製〕
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、屈折率1.47の熱硬化性アクリル樹脂(低屈折率層塗布液4)を135nmの膜厚で塗布、乾燥、硬化して低屈折率層を形成した後、該低屈折率層上に前記高屈折率層用塗布液5を乾燥膜厚175nmになるように塗布し、90℃で20分間熱硬化させた。高屈折率層上に、同様にして低屈折率層/高屈折率層から構成されるユニットを更に3ユニット積層し、それぞれ4層の高屈折率層及び低屈折率層(合計8層)から構成された赤外線遮蔽フィルム試料30を作製した。
【0130】
〔赤外線遮蔽フィルム試料31の作製〕
[高屈折率層塗布液7]
粒子径が20nmの球状ルチル型酸化チタン(石原産業製、TTO−51C)と、溶媒としてメタノールを体積比で1:10になるように分散混合し高屈折率層用塗布液7を調製した。
【0131】
[低屈折率層塗布液6]
粒子径が10〜15nm(平均粒子径12nm)の球状コロイダルシリカゾル(日産化学工業製、スノーテックスPS)と、溶媒としてメタノールを体積比で1:10になるように分散混合し、低屈折率層用塗布液6を調製した。
【0132】
[赤外線遮蔽フィルム試料31の作製方法]
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポン製、テイジンテトロンフィルム 高透明グレード)上に高屈折率層用塗布液7、低屈折率層用塗布液6を用いて、下記の7層構成からなる積層体を作製した。
【0133】
基材/高屈折率層7/低屈折率層6/高屈折率層7/低屈折率層6/高屈折率層7/低屈折率層6/高屈折率層7
さらに、粒子径が10〜20nm(平均粒子径15nm)のシリカゾル(日産化学工業製、メタノールシリカゾル)と、溶媒としてメタノールを体積比で1:20になるように分散混合して最上層用塗布液を調製し、前記7層構成の交互積層膜上に乾燥後の厚さが125nmとなる条件で塗布、乾燥し、最上層を形成し、赤外線遮蔽フィルム試料31を作製した。
【0134】
〔赤外線遮蔽フィルム試料32の作製〕
[高屈折率層塗布液8]
(分散液Aの調製)
ルチル型酸化チタン(石原産業株式会社製、TTO−55A、粒径30〜50nm、水酸化アルミニウム表面処理品、屈折率2.6)を109質量部、分散剤としてポリエチレンイミン系ブロックポリマーを11質量部、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと略記、和光純薬株式会社製)を180質量部、平均直径が0.5mmのジルコニアビーズの141質量部を用いて、ビーズミル分散機で24分間分散させた後、平均直径が0.1mmのジルコニアビーズに切り替えて、更にビーズミル分散機で147分間分散させることにより、分散液Aを得た。
【0135】
(溶液Aの調製)
バインダー樹脂として4,4′−ビス(β−メタクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルスルホン(硬化後の屈折率1.65)を50質量%と、重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドを0.25質量%含有するPGMEA溶液を調製し、これを溶液Aとした。
【0136】
(溶液Bの調製)
上記分散液Aと溶液Aの混合比1:7(質量比)の混合液を調製し、これを溶液Bとした。
【0137】
(高屈折率層塗布液8の調製)
上記溶液BとPGMEAの混合比1:2(質量比)の混合液を調製し、これを高屈折率層塗布液8とした。
【0138】
[赤外線遮蔽フィルム試料32の作製方法]
上記調製した高屈折率層塗布液8を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡製A4300:両面易接着層)上に2ml滴下し、1000rpm、30秒の条件でスピンコーター(ミカサ株式会社製1H−D7)により塗布した後、120℃で10分間加熱した。その後、出力184W/cmの無電極水銀ランプ(フュージョンUVシステムズ社製)を用いて積算光量2.8J/cmの紫外線を照射することにより高屈折率層8を得た。
【0139】
上記形成した高屈折率層8にコロナ放電処理(信光電気計装株式会社製コロナ放電表面改質装置)を施して表面改質した後、1質量%のヒドロキシエチルセルロース(以下、HECと略記、東京化成工業株式会社製)の水溶液を2ml滴下し、1分間室温で放置した後、500rpm、30秒のスピンコート条件で塗布した。塗布直後、80℃のホットプレート(アズワン株式会社製HPD−3000)上に試料を置いて10分間加熱することにより高屈折率層8の上に低屈折率層7を積層させた。
【0140】
更に、低屈折率層7上に、高屈折率層8を形成し、高屈折率層8/低屈折率層7/高屈折率層8の3層からなる赤外線遮蔽フィルム試料32を作製した。
【0141】
【表1】

【0142】
【表2】

【0143】
《赤外線遮蔽フィルムの評価》
上記作製した各赤外線遮蔽フィルム試料について、下記の特性値の測定及び性能評価を行った。
【0144】
[評価方法]
(各層の屈折率の測定)
基材上に屈折率を測定する対象層(高屈折率層、低屈折率層)をそれぞれ単層で塗設したサンプルを作製し、下記の方法に従って、各高屈折率層及び低屈折率層の屈折率を求めた。
【0145】
分光光度計として、U−4000型(日立製作所社製)を用いて、各サンプルの測定側の裏面を粗面化処理したのち、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面での光の反射を防止して、5度正反射の条件にて可視光領域(400nm〜700nm)の反射率の測定結果より屈折率を求めた。
【0146】
(可視光透過率及び近赤外透過率の測定)
上記分光光度計(積分球使用、日立製作所社製、U−4000型)を用い、赤外線遮蔽フィルム試料1〜31の300nm〜2000nmの領域における透過率を測定した。可視光透過率は550nmにおける透過率の値を、赤外透過率は1200nmにおける透過率の値を用いた。
【0147】
(温湿度変化耐久性評価)
赤外線遮蔽フィルム試料1〜31を40℃80%の高温高湿環境下に4時間おいて、その後2時間かけて20℃50%の環境に変化させ、その状態で4時間放置し、さらに2時間かけて40℃80%の状態に戻すことを1サイクルとして、これを合計6サイクルの温湿度変化耐久性試験を行った後に、再び前記と同様に可視光透過率と赤外透過率を求めた。
【0148】
さらに、前記温湿度変化耐久性試験を行った各赤外線遮蔽フィルム試料をJIS K5600−5−1に準拠した屈曲試験法に基づき、屈曲試験機タイプ1(井元製作所社製、型式IMC−AOF2、マンドレル径φ20mm)を用いて、30回の屈曲試験を行った後、赤外線遮蔽フィルム表面を、目視観察し、下記の基準に従って塗膜強度を評価した。
【0149】
5:赤外線遮蔽フィルム表面に、折り曲げ跡やひび割れは観察されない
4:赤外線遮蔽フィルム表面に、僅かに折り曲げ跡が観察される
3:赤外線遮蔽フィルム表面に、僅かに凹凸部分が観察される
2:赤外線遮蔽フィルム表面に、微小なひび割れが僅かに観察される
1:赤外線遮蔽フィルム表面に、明らかなひび割れが多数発生している
以上について結果を表3に示す。
【0150】
【表3】

【0151】
表3の結果からわかるように、本願発明の赤外線遮蔽フィルム試料は温湿度変化を繰り返した後でも、可視光透過率が高く可視光透過性に優れ、赤外線透過率が低く赤外線遮蔽性に優れ、さらに塗膜強度も高く、耐久性に優れることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に、第一の金属酸化物の粒子および第一のバインダーを含有する低屈折率層と、該低屈折率層に隣接し第二の金属酸化物の粒子および第二のバインダーを含有し、該低屈折率層より屈折率が0.2以上高い高屈折率層とを有するユニットを有する赤外線遮蔽フィルムであって、該低屈折率層および該高屈折率層の少なくとも1層が、樹脂粒子を含有することを特徴とする赤外線遮蔽フィルム。
【請求項2】
前記樹脂粒子が、エマルション樹脂から形成された樹脂粒子であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線遮蔽フィルム。
【請求項3】
前記樹脂粒子の、平均粒径が150nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の赤外線遮蔽フィルム。
【請求項4】
前記エマルション樹脂がカチオン型エマルション樹脂であることを特徴とする請求項2または3に記載の赤外線遮蔽フィルム。
【請求項5】
前記低屈折率層または、該高屈折率層が、前記樹脂粒子を前記第一のバインダーまたは前記第二のバインダーに対して5〜45質量%含有していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の赤外線遮蔽フィルム。
【請求項6】
前記樹脂粒子を含有する層が、尿素化合物または多価アルコールを含有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の赤外線遮蔽フィルム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の赤外線遮蔽フィルムを具備することを特徴とする赤外線遮蔽体。

【公開番号】特開2012−215733(P2012−215733A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81532(P2011−81532)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】