説明

走水防止ケーブル

【課題】充電電流を金属シースに十分に逃がすことができ、かつ、金属シース加工時のテープ切れなどの発生も防止し得る走水防止ケーブルを提供する。
【解決手段】ケーブルコア11外周に、良導電部材13を縦添えまたはらせん状に巻き付け、この上に導線織込みテープ14と吸水性半導電テープ15を、吸水性半導電テープ15がギャップ巻きされる如く合わせ巻きし、この上に金属シース17として波付金属シースまたは平滑金属シースを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走水防止ケーブルに関し、特に、ケーブルコアと金属シース間に導線織込みテープの巻回層及び吸水性半導電テープの巻回層を備える走水防止ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブルコアの外周に、吸水性または非吸水性の導線織込みテープと吸水性半導電テープとの突き合わせの合わせ巻きを行い、その外側に金属シースを設けて成る走水防止ケーブルが知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0003】
図9に、かかる走水防止ケーブルの一例を示す。同図において、この走水防止ケーブルは、導体1a上に、内部半導電層1b、架橋ポリエチレン絶縁体1c及び外部半導電層1dを設けて成るケーブルコア1の外周に、吸水性の導線織込みテープ2と、吸水性半導電テープ3との突き合わせの合わせ巻きを行い、この外側に波付金属シース4を設けた構造を有する。図9中、5は内部吸水性半導電テープ、6は保護被覆層を示している。
【0004】
かかる走水防止ケーブルにおいて、吸水性の導線織込みテープ2を合わせ巻きするのは、ケーブルコア1を構成する外部半導電層1dと波付金属シース4間の電気的接続を確保するためである。しかしながら、図9に示すように、導線織込みテープ2が外表面に露出する部分Aは波付金属シース4と接触するが、露出していない部分、すなわち吸水性半導電テープ3の内側に配置されている部分Bは、波付金属シース4と直接接触しないことになる。このため、充電電流(図中矢印で示す)は、部分Bでは波付金属シース4に逃げずに導線織込みテープ2の中を流れる。この場合、導線織込みテープ2の電気抵抗が大きいと、部分Bに高電圧(100V程度)が発生する恐れがある。そして、架橋ポリエチレン絶縁体1cの膨張・収縮により、部分Bの導線織込みテープ2と内部吸水性半導電テープ5の接触面が離れたり、再び接触した際に、当該部分で放電する恐れがある。
【0005】
なお、金属シースが波付金属シース4ではなく平滑金属シースの場合でも、導線織込みテープ2が外表面に露出する部分は平滑金属シースと接触するが、露出していない部分は直接接触することはないため、同様の問題が生ずる。
【0006】
そこで、このような問題に対し、ケーブルコア外周に導線織込みテープを巻き付け、その上に軟銅編組線などの良導電部材を長さ方向に沿って配置し、その上に吸水性半導電テープをギャップ巻きする方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0007】
しかしながら、この方法では、吸水性半導電テープをギャップ巻きしているため、その上に波付金属シースを加工する際に、吸水性半導電テープに捲れや切れが発生する懸念がある。テープ切れが発生すると、テープがほぐれて金属シース内に詰まる恐れがある。また、良導電部材が吸水性半導電テープのギャップ部で波付金属シースと直接接触するため、良導電部材にも切れが発生する懸念がある。
【0008】
また、平滑金属シースの場合、吸水性半導電テープのギャップ部で露出する良導電部材と平滑金属シースの間に隙間があり、しかも、この隙間は架橋ポリエチレン絶縁体の膨張・収縮によりさらに大きくなることが懸念される。このため、充電電流を平滑金属シースに十分に逃がすことができない恐れがある。
【特許文献1】特開平6−168630号公報
【特許文献2】特開平9−320355号公報
【特許文献3】2000−353433号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこのような従来技術の課題を解決するためになされたもので、ケーブルコアと金属シース間に導線織込みテープの巻回層及び吸水性半導電テープの巻回層を備える走水防止ケーブルにおいて、充電電流を金属シースに十分に逃がすことができ、かつ、金属シース加工時のテープ切れなどの発生も防止し得る走水防止ケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、ケーブルコア外周に、良導電部材を縦添えまたはらせん状に巻き付け、この上に導線織込みテープと吸水性半導電テープを前記吸水性半導電テープがギャップ巻きされる如く合わせ巻きし、この上に波付金属シースを設けて成ることを特徴とする走水防止ケーブルに関する。
【0011】
また、本発明の他の態様は、ケーブルコア外周に、良導電部材を縦添えまたはらせん状に巻き付け、この上に導線織込みテープと吸水性半導電テープを前記吸水性半導電テープがギャップ巻きされる如く合わせ巻きし、この上に平滑金属シースを設けて成ることを特徴とする走水防止ケーブルに関する。
【0012】
さらに、本発明の他の態様は、ケーブルコア外周に、第1の良導電部材を縦添えまたはらせん状に巻き付け、この上に導線織込みテープと吸水性半導電テープを前記吸水性半導電テープがギャップ巻きされる如く合わせ巻きし、この上に第2の良導電部材を縦添えまたはらせん状に巻き付け、この上に平滑金属シースを設けて成ることを特徴とする走水防止ケーブルに関する。
【0013】
本発明の一態様においては、前記吸水性半導電テープのギャップ幅を、前記導線織込みテープのテープ幅の5〜70%とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の走水防止ケーブルによれば、充電電流を金属シースに十分に逃がすことができ、かつ、シース加工時のテープ切れなどの発生も防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、説明は図面に基づいて行うが、それらの図面は単に図解のために提供されるものであって、本発明はそれらの図面により何ら限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率などは実際のものとは異なることに留意すべきである。さらに、以下の説明において、同一もしくは略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1及び図2は、それぞれ本発明の第1の実施形態の走水防止ケーブルを示す一部縦断面図及び横断面図、図4は本実施形態において使用される導線織込みテープを示す平面図である。また、図5及び図6は、それぞれ図1及び図2に示す走水防止ケーブルの要部を示す一部切欠縦断面図及び縦断面図である。
【0017】
図1において、本実施形態の走水防止ケーブルは、外径が110mm程度の220kV級の走水防止ケーブルのケーブルコア11と、このケーブルコア11の上に順次設けられた内部吸水性半導電テープ巻回層12、良導電部材13、導線織込みテープ14と吸水性半導電テープ15との合わせ巻き層16、金属シース17としての波付アルミシース、及びゴム・プラスチック樹脂から成る保護被覆層18とから構成されている。なお、金属シース17としては、環状の山部と谷部が交互に繰り返されるいわゆる環状シースを用いてもよく、また、平滑鉛シースなどの平滑金属シースを用いてもよい。
【0018】
ケーブルコア11は、公称断面積2000mmの5分割圧縮導体からなる導体11a外周に、厚さ約1.5mmの内部半導電層11b、厚さ約23.5mmの架橋ポリエチレンからなる絶縁体11c、厚さ約1.0mmの外部半導電層11dを順次押出被覆して構成されている。ケーブルコア11は、220kV級のものに限定されず、また導体11aも5分割圧縮導体に限定されるものではない。
【0019】
内部吸水性半導電テープ巻回層12は、必要により設けられ、例えば吸水性半導電テープ1枚または複数枚をラップ巻きあるいはギャップ巻きして構成される。また、外部半導電層11dとの間に水の通路が生じる恐れがない場合は、吸水性半導電テープに代えて非吸水性の半導電テープを用いてもよい。さらに、吸水性半導電テープと非吸水性の半導電テープの両方を巻回することも可能である。導体11aの間隙には水密材(不図示)が充填されている。
【0020】
良導電部材13は、断面積が2mm相当の錫メッキ軟銅編組線(0.1mm×256本)から成り、内部吸水性半導電テープ巻回層12上に縦添えするか、または、所定のピッチでらせん状に巻き付けられている。良導電部材13は、導線織込みテープ14の導線14a間(図5参照)を導通させるために配置されるものであり、従って、断面積は、例えば1本の場合、0.125mm程度以上、好ましくは0.5mm以上あればよい。また、図2の例では、良導電部材13は、内部吸水性半導電テープ巻回層12上に1本配置されているが、良導電部材13と導線織込みテープ14の導線14aとの接触をより確実にするために、複数本配置するようにしてもよい。この場合、複数本の良導電部材13は周方向にほぼ等間隔で配置することが好ましい。また、錫メッキ軟銅編組線の他、軟銅線、錫メッキ軟銅線、アルミ線、軟銅より線、錫メッキ軟銅より線、アルミより線、軟銅編組線、銅テープ、アルミテープなどの金属テープ、および鉛、アルミ、銅などの金属テープとプラスチック層とのラミネートテープなどを用いることができる。良導電部材13として、金属テープまたはラミネートテープを用いた場合、導線織込みテープ14の導線14aと確実に導通させるために、図3(a)〜(c)に示すような突起13aを設け、突起13aが上側になるよう、内部吸水性半導電テープ巻回層12上に縦添えするか、または、所定のピッチでらせん状に巻き付けてもよい。図3(a)は長さ方向に沿って1本の突起13aが設けられた例、図3(b)は複数の幅方向の突起13aが長さ方向に間隔をおいて設けられた例、図3(c)は幅方向に対し所定の角度をもって傾斜した突起13aが複数、長さ方向に間隔をおいて設けられた例である。なお、突起13aの断面形状は、図3(d)〜(f)に示すような三角形、矩形、半円などでよく、特に限定されない。
【0021】
導線織込みテープ14と吸水性半導電テープ15との合わせ巻き層16は、吸水性半導電テープ15が、導線織込みテープ14のテープ幅の1/3(約33%)のギャップ幅Gをもって巻き付けられる如く合わせ巻きされている。
【0022】
導線織込みテープ14は、図4に示すように、20番手2本よりのレーヨン糸またはスフ糸aと、導線14aとして直径0.26mmの軟銅線bとを平織りしたもので構成されている。レーヨン糸またはスフ糸aの打ち込み本数は、縦方向に、60mm幅で170本とされ、それらの8本毎に軟銅線bが1本、計20本織り込まれている。また、横方向には、インチ幅で20番手2本よりのレーヨン糸またはスフ糸aが16本配列されている。なお、導線織込みテープ14としては、厚さが0.3〜0.6mm程度、幅が50〜75mm程度のものを使用することが好ましい。また、軟銅線bの代わりに錫メッキ軟銅線としてもよい。さらに、この導線織込みテープ14に半導電塗料を塗布・乾燥することによって、導線織込みテープ14に半導電性(体積抵抗率5×10Ω・cm程度以下)を付与してもよく、あるいは、吸水ポリマーを含有する半導電塗料を導線織込みテープ14に塗布・乾燥することによって、導線織込みテープ14に半導電性(体積抵抗率5×10Ω・cm程度以下)と吸水性(吸水高さ5mm以上)を付与してもよい。いずれにしても、導線織込みテープ14の構成は、ケーブルの使用電圧、充電電流、巻き易さなどによって決定されるもので、上記構成のものに限定されるものではない。
【0023】
また、吸水性半導電テープ15は、厚さ0.5mmの帆布の片面に半導電塗料を塗布し、他面に吸水ポリマーを含有する半導電塗料を塗布し、その塗布層上に必要により、薄手のポリエステル不織布からなるカバー層を貼り合わせたもので構成されている。なお、吸水性半導電テープ15としては、帆布の両面に吸水ポリマーを含有する半導電塗料を塗布した両面吸水性の半導電テープを使用してもよい。両面吸水性の半導電テープを使用した場合においては、内部吸水性半導電テープ巻回層12と吸水性半導電テープ15の巻回層間の走水防止特性をより向上させることかできる。また、吸水性半導電テープ15の基材としては、帆布の他に、不織布や織布などを使用することができる。さらに、吸水性半導電テープ15は、導線織込みテープ14とテープ幅の異なるものを使用してもよいが、巻き易さや走水防止性能の観点からは、幅が導線織込みテープ14とほぼ同じものを使用することが好ましい。
【0024】
吸水ポリマーとしては、アクリル酸塩系ソーダ架橋物や酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合体ケン化物など、従来よりこの種の用途に一般的に用いられているものの中から1種以上を適宜選択して使用することができる。
【0025】
なお、このような導線織込みテープ14及び吸水性半導電テープ15からなる合わせ巻き層16における、吸水性半導電テープ15のギャップ幅Gは、特に限定されるものではないが、充電電流の滞留防止や走水防止性能などの観点からは、導線織込みテープ14のテープ幅の5〜70%の範囲が好ましく、20〜50%の範囲がより好ましく、導線織込みテープ14のテープ幅の1/3(約33%)が特に好ましい。但し、この場合、図5及び図6において、PおよびQで示す部分、つまり、吸水性半導電テープ15のギャップ部分と、吸水性半導電テープ15の外側に重なっている部分の導線織込みテープ14には、それぞれ少なくとも1本の導線14aが含まれるものとする。これらのギャップ部分P及び重なり部分Qにそれぞれ少なくとも1本の導線14aが含まれない場合には、ギャップ幅Gの大きさにかかわらず、導線織込みテープ14の全ての導線14aを金属シース17と導通させることはできず、充電電流の滞留を防止することはできない。
【0026】
導線織込みテープ14と吸水性半導電テープ15との合わせ巻き層16の上には、波付アルミシースなどの金属シース17(波付金属シースでは、その谷部17a)が、上記ギャップ部分P及び重なり部分Qの導線織込みテープ14の各導線14aに直接接するように設けられており、この上に保覆被覆層18が設けられている。
【0027】
本実施形態の走水防止ケーブルにおいては、導線織込みテープ14と吸水性半導電テープ15とが、吸水性半導電テープ15がギャップ巻きされる如く合わせ巻きされ、その直下に良導電部材13が配置され、かつ、金属シース17が吸水性半導電テープ15のギャップ部分P及び重なり部分Qの導線織込みテープ14の各導線14aに直接接触するように設けられているので、導線織込みテープ14と吸水性半導電テープ15の合わせ巻き層16のテープ巻き張力による押圧やケーブルコア重量による押圧などにより、良導電部材13とそれに面する導線織込みテープ14の導線14aは確実に導通し、その結果、全ての導線14aを金属シース17と導通させることができ、従来のような充填電流の滞留による放電の発生を防止することができる。
【0028】
また、本実施形態の走水防止ケーブルにおいては、金属シース17と接するテープ部は合わせ巻き層となっているため、金属シース17が接触してもテープの捲れや切れが生じにくい。また、万一、テープ切れが生じても合わせ巻き層はほぐれることがないため、金属シース加工時に金属シース内にテープが詰まることはない。また、良導電部材13は合わせ巻き層の内側に配置されるため、金属シース17の接触によって切れが生じることはない。
【0029】
(第2の実施形態)
図7及び図8は、それぞれ本発明の第2の実施形態の走水防止ケーブルを示す一部縦断面図及び横断面図である。
【0030】
図7及び図8に示すように、本実施形態においては、導線織込みテープ14と吸水性半導電テープ15との合わせ巻き層16上に、良導電部材13と同様の、例えば、断面積が2mm相当の錫メッキ軟銅編組線(0.1mm×256本)から成る良導電部材19を、縦添えするか、または、所定のピッチでらせん状に巻き付けられているとともに、その上に金属シース17として平滑鉛シースなどの平滑金属シースが設けられている。以下、導線織込みテープ14と吸水性半導電テープ15との合わせ巻き層16下の良導電部材13を第1の良導電部材、導線織込みテープ14と吸水性半導電テープ15との合わせ巻き層16上の良導電部材19を第2の良導電部材と称する。図8の例では、第1の良導電部材13が、内部吸水性半導電テープ巻回層12上に1本配置され、第2の良導電部材19が、合せ巻き層16上に1本配置されているが、導線織込みテープ14の導線14aとの接触をより確実にするため、第1の良導電部材13および/または第2の良導電部材19を複数本配置するようにしてもよい。この場合、複数本の第1の良導電部材13および/または第2の良導電部材19は周方向にほぼ等間隔で配置することが好ましい。
【0031】
本実施形態の走水防止ケーブルにおいては、導線織込みテープ14と吸水性半導電テープ15との合わせ巻き層16の下に第1の良導電部材13が配置され、導線織込みテープ14と吸水性半導電テープ15との合わせ巻き層16の上に第2の良導電部材19が配置されており、吸水性半導電テープ15のギャップ部分Pに位置する導線織込みテープ14内の導線14aを第2の良導電部材19を介して平滑金属シースからなる金属シース17に確実に電気的に接続させることができる。
【0032】
すなわち、金属シース17として平滑金属シースが使用された場合、吸水性半導電テープ15のギャップ部分Pの合わせ巻き層16の厚みは他の部分より薄くなるため、この部分の導線織込みテープ14の導線14aは金属シース17と接触しない恐れがある。この場合、導線織込みテープ14の全ての導線14aを金属シース17と導通させることはできず、導線織込みテープ14内に充電電流が滞留する。本実施形態では、導線織込みテープ14と吸水性半導電テープ15との合わせ巻き層16の上に第2の良導電部材19が設けられているため、ケーブルコア重量による押圧や、第2の良導電部材19の巻き張力による押圧などにより、第2の良導電部材19とそれに面する導線織込みテープ14の導線14aは、吸水性半導電テープ15のギャップ部分Pも含め、確実に接触し、第2の良導電部材19を介して吸水性半導電テープ15のギャップ部分Pの導線織込みテープ14の導線14aと平滑金属シースからなる金属シース17を電気的に接続させることができ、導線織込みテープ14内の充電電流の滞留を防止することができる。
【0033】
なお、このような効果を得るためには、第2の良導電部材19と吸水性半導電テープ15のギャップ部分の導線織込みテープ14の導線14aとを接触させることが重要である。第2の良導電部材19は、第1の良導電部材13と同様、例えば1本の場合、断面積は0.125mm程度以上、好ましくは0.5mm以上であればよく、錫メッキ軟銅編組線の他、軟銅線、錫メッキ軟銅線、アルミ線、軟銅より線、錫メッキ軟銅より線、アルミより線、軟銅編組線、銅テープ、アルミテープなどの金属テープ、および鉛、アルミ、銅などの金属テープとプラスチック層とのラミネートテープなどを用いることができる。第2の良導電部材19として、金属テープまたはラミネートテープを用いた場合、導線織込みテープ14の導線14aと確実に導通させるために、図3(a)〜(c)に示すような突起13aを設け、突起13aが下側になるよう、導線織込みテープ14と吸水性半導電テープ15との合わせ巻き層16の上に縦添えするか、または、所定のピッチでらせん状に巻き付けてもよい。図3(a)は長さ方向に沿って1本の突起13aが設けられた例、図3(b)は複数の幅方向の突起13aが長さ方向に間隔をおいて設けられた例、図3(c)は幅方向に対し所定の角度をもって傾斜した突起13aが複数、長さ方向に間隔をおいて設けられた例である。なお、突起13aの断面形状は、図3(d)〜(f)に示すような三角形、矩形、半円などでよく、特に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1の実施形態の走水防止ケーブルを示す一部縦断面図である。
【図2】図1に示す走水防止ケーブルの横断面図である。
【図3】本実施形態に使用される良導電部材の例を説明する図で、(a)〜(c)は平面図、(d)〜(f)は断面図である。
【図4】本実施形態に使用される導線織込みテープの一例を示す平面図である。
【図5】図1に示す走水防止ケーブルの要部を示す一部切欠縦断面図である。
【図6】図1に示す走水防止ケーブルの要部を示す縦断面図である。
【図7】第2の実施形態の走水防止ケーブルを示す一部縦断面図である。
【図8】図7に示す走水防止ケーブルの横断面図である。
【図9】従来の走水防止ケーブルを示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0035】
11…ケーブルコア、13…(第1の)良導電部材、14…導線織込みテープ、15…吸水性半導電テープ、16…導線織込みテープと吸水性半導電テープとの合わせ巻き層、17…金属シース、19…(第2の)良導電部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルコア外周に、良導電部材を縦添えまたはらせん状に巻き付け、この上に導線織込みテープと吸水性半導電テープを前記吸水性半導電テープがギャップ巻きされる如く合わせ巻きし、この上に波付金属シースを設けて成ることを特徴とする走水防止ケーブル。
【請求項2】
ケーブルコア外周に、良導電部材を縦添えまたはらせん状に巻き付け、この上に導線織込みテープと吸水性半導電テープを前記吸水性半導電テープがギャップ巻きされる如く合わせ巻きし、この上に平滑金属シースを設けて成ることを特徴とする走水防止ケーブル。
【請求項3】
ケーブルコア外周に、第1の良導電部材を縦添えまたはらせん状に巻き付け、この上に導線織込みテープと吸水性半導電テープを前記吸水性半導電テープがギャップ巻きされる如く合わせ巻きし、この上に第2の良導電部材を縦添えまたはらせん状に巻き付け、この上に平滑金属シースを設けて成ることを特徴とする走水防止ケーブル。
【請求項4】
前記吸水性半導電テープのギャップ幅が、前記導線織込みテープのテープ幅の5〜70%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の走水防止ケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−252612(P2009−252612A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−101132(P2008−101132)
【出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【出願人】(502122521)株式会社エクシム (25)
【Fターム(参考)】