説明

走路盤

【課題】車線を増やして車両玩具を振り分けるとともに車両玩具を円滑に走行させる。
【解決手段】車線Sから分岐した分岐車線Sa~Sdを有する走路盤1は、車線分岐点Bに進入した車両玩具Cを分岐車線Sa~Sdに振り分ける振分機構部7と、分岐車線Sa,Sbのゲート部Gを通過する車両玩具Cを走行,停止させるストッパ40とを備える。振分機構部7は、分岐車線Sa,Sbの渋滞を検知する渋滞検知スイッチ70と、渋滞が検知された場合に、検知されていない分岐車線Sa~Sdに車両玩具Cを振り分ける振分制御部71とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両玩具を走行させる走路盤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両玩具を走行させて遊戯を行なうための走路盤としては、駐車場や峠道など、多様な形態のものが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−293259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、例えば高速道路の料金所など、分岐した複数の分岐車線に車両を振り分けつつ、所定のレーンの車両を一旦停止させて、他のレーンの車両を優先的に走行させる形態の走路盤については、未だ開発が行なわれておらず、ユーザから強く要望されている。一方、車線を増やして車両を振り分ける形態の走路盤を単純に作成すると、渋滞を生じたレーンに対しても車両玩具が振り分けられてしまうこととなり、車両玩具を円滑に走行させることができない。
【0004】
本発明の課題は、車線を増やして車両玩具を振り分けるとともに、車両玩具を円滑に走行させることのできる走路盤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、少なくとも1つの車線から分岐した複数の分岐車線を有する走路盤において、
車線分岐点に進入した複数の車両玩具を、車両案内部材の動作によって各分岐車線に振り分ける振分機構部と、
前記複数の分岐車線の何れかの中途部に設けられ、当該分岐車線の中途部を開放及び閉鎖することにより、当該分岐車線を通過する前記車両玩具を走行または停止させるストッパと、
を備え、
前記振分機構部は、
前記ストッパの設けられた前記分岐車線内の当該ストッパと前記車線分岐点との間に配設され、前記車両玩具の渋滞を検知する渋滞検知手段と、
前記渋滞検知手段によって渋滞が検知された場合に、前記複数の分岐車線のうち、前記渋滞検知手段によって渋滞の検知されていない分岐車線に対し、前記車両玩具を振り分ける振分制御手段と、
を有することを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の走路盤において、
各分岐車線上に設けられて前記車両玩具を通過させるゲート部を備え、
前記ストッパは、複数の前記ゲート部の何れかに設けられて当該ゲート部を開閉することを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の走路盤において、
前記複数の分岐車線は、
前記ストッパが設けられていることにより、前記ゲート部を通過する前記車両玩具を走行または停止させる通常レーンと、
前記ゲート部を通過する前記車両玩具をそのまま走行させる優先レーンと、
を有することを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、
請求項3記載の走路盤において、
前記優先レーンにおける前記車両玩具の走行を検知する走行検知手段と、
前記走行検知手段によって走行が検知された場合に、前記ストッパによる前記ゲート部の開放を禁止するストッパ制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、車線分岐点に進入した複数の車両玩具を各分岐車線に振り分ける振分機構部には、ストッパの設けられた分岐車線内の当該ストッパと車線分岐点との間に配設されて車両玩具の渋滞を検知する渋滞検知手段と、渋滞検知手段によって渋滞が検知された場合に、渋滞検知手段によって渋滞の検知されていない分岐車線に対し車両玩具を振り分ける振分制御手段とが備えられているので、ストッパによって何れかの分岐車線が渋滞した場合には、渋滞していない他の分岐車線に車両玩具が振り分けられる。従って、車線を増やして車両玩具を振り分けるとともに、車両玩具を円滑に走行させることができる。
【0010】
請求項2,3記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0011】
請求項4記載の発明によれば、優先レーンにおける車両玩具の走行を検知する走行検知手段と、走行検知手段によって走行が検知された場合にストッパによるゲート部の開放を禁止するストッパ制御手段とを備えるので、優先レーンにおける車両玩具の走行が検知された場合には、通常レーンにおける車両玩具がゲート部で停止する。従って、優先レーンのゲート部を通過する車両玩具に対して、通常レーンのゲート部を通過する車両玩具が衝突するのを防止することができるため、より円滑に車両玩具を走行させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る走路盤について説明する。
[1.走路盤の概略構成]
図1は、本発明に係る走路盤1の概略構成を示す概観図である。
【0013】
この図に示すように、走路盤1は、高速道路の料金所部分を模したものであり、車線S上で車両玩具Cを走行させて遊戯することが可能となっている。より詳細には、この走路盤1は、車両玩具Cの進行方向Aに向かって低くなるように傾斜した分岐前車線部10、車線分岐部11及び車線合流部13と、進行方向Aに向かって高くなるように傾斜した電動スロープ部14とによってループ状をなしている。
【0014】
このうち、分岐前車線部10は、1つの車線Sを形成しており、進行方向Aにおいて電動スロープ部14の先端側及び車線分岐部11の手前側に接続されている。
【0015】
車線分岐部11は、分岐前車線部10から連通する車線Sを4つに分岐させて第1分岐車線Sa〜第4分岐車線Sdを形成している。なお、本実施の形態においては、車線分岐部11における車線Sは、手前側から第1分岐車線Sa〜第4分岐車線Sdの順番で分岐され、走路盤1の内側から外側に向かって順に配設されている。
【0016】
これら第1分岐車線Sa〜第4分岐車線Sd上の中途部には、車両玩具Cを通過させるゲート部Gがそれぞれ配設されている。
また、図1〜図3に示すように、これら第1分岐車線Sa〜第4分岐車線Sdのうち、第1分岐車線Sa,第2分岐車線Sbは、本発明における通常レーンを構成しており、ストッパ40を具備している。このストッパ40は、ゲート部Gを所定のタイミングで開閉することにより、当該ゲート部Gを通過する車両玩具Cを走行または停止させて、1台ずつ発進させるようになっている。なお、本実施の形態におけるストッパ40は、図示しないカム部材の駆動によって車線Sから出没して、ゲート部Gを開閉するようになっている。
【0017】
一方、第3分岐車線Sc,第4分岐車線Sdは、本発明における優先レーンとしてのETC(electronic toll collection system)レーンを構成しており、ストッパ41を具備している。このストッパ41は、車両玩具Cがゲート部Gを通過するときに、当該ゲート部Gを開放して車両玩具Cをそのまま通過させるようになっている。
【0018】
また、図1に示すように、車線合流部13は、進行方向Aにおける第1分岐車線Sa〜第4分岐車線Sdの先端側に接続されており、これら第1分岐車線Sa〜第4分岐車線Sdを1つの車線Sに合流させるようになっている。
【0019】
また、電動スロープ部14は、進行方向Aにおける車線合流部13の先端側に接続されており、車線合流部13から進入してくる車両玩具Cをベルトコンベア14aによって上昇させ、分岐前車線部10に搬送するようになっている。なお、ベルトコンベア14aには、図示しない電源部が電気的に接続されている。
【0020】
[2.各種機構部の構成]
以上の走路盤1には、振分機構部7及び衝突防止機構部9が設けられている。以下、これらについて詳細に説明する。
【0021】
[2−1.振分機構部の構成]
振分機構部7は、車線分岐点Bに進入してくる車両玩具Cを第1分岐車線Sa〜第4分岐車線Sdに振り分けるものであり、図1,図4に示すように、渋滞検知スイッチ70と、3つの車両案内部材7a〜7cと、振分制御部71とを有している。なお、図4では、図示の便宜上、振分制御部71のうち、主に車両案内部材7aの下面部分を図示するが、車両案内部材7b,7cの下面も同様の構成となっている。
【0022】
[2−1−1.渋滞検知スイッチの構成]
渋滞検知スイッチ70は、第1分岐車線Sa,第2分岐車線Sbの渋滞を検知するものであり、第1分岐車線Sa,第2分岐車線Sbにおける車線分岐点Bとゲート部Gとの間の所定の位置に配設された板状部材70aを有している。
【0023】
この板状部材70aの進行方向Aにおける手前側の端部は、進行方向Aに直交する軸(図示せず)によって車線Sと同レベルの高さで軸支されている。一方、板状部材70aの先端側の端部は、前記軸を中心として上下に揺動自在な状態となっており、かつ、図示しない圧縮バネによって車線Sの上面よりも僅かに上面に位置するよう、下方から付勢されている。これにより、板状部材70aは、第1分岐車線Sa,第2分岐車線Sbのストッパ40により車両玩具Cが停止されて当該ストッパ40よりも手前に所定台数の車両玩具Cが並んだ場合に、最後尾の車両玩具Cの重量によって車線Sの上面と同レベルまで押し下げられることにより、渋滞を検知するようになっている。なお、このような渋滞検知スイッチ70としては、例えば車両玩具Cとの電気的接触により渋滞を検知するものや、光路を車両玩具Cに遮らせることにより渋滞を検知するもの等、従来より公知のものを用いることができる。
【0024】
[2−1−2.車両案内部材の構成]
車両案内部材7a〜7cは、図1に示すように、車両玩具Cを車線分岐部11内で第1分岐車線Sa〜第4分岐車線Sdの何れかに案内する平面視円弧状の部材であり、軸7d〜7fを中心として揺動自在な状態で第2分岐車線Sb〜第4分岐車線Sdの入口部分30a、第3分岐車線Sc〜第4分岐車線Sdの入口部分30b、第4分岐車線Sdの入口部分30cの側方にそれぞれ配設されている。
【0025】
より詳細には、車線案内部材7aは、第1分岐車線Saに対応しており、第2分岐車線Sb〜第4分岐車線Sdの入口部分30aを閉鎖することにより車両玩具Cを側面に沿って曲がらせ、手前側の第1分岐車線Saに案内する一方、当該入口部分30aを開放することにより車両玩具Cを第1分岐車線Saより奥側の第2分岐車線Sb〜第4分岐車線Sdに案内するようになっている。また、車線案内部材7bは、第2分岐車線Sbに対応しており、第3分岐車線Sc〜第4分岐車線Sdの入口部分30bを閉鎖することにより車両玩具Cを側面に沿って曲がらせ、手前側の第2分岐車線Sbに案内する一方、当該入口部分30bを開放することにより車両玩具Cを第2分岐車線Sbより奥側の第3分岐車線Sc〜第4分岐車線Sdに案内するようになっている。また、車線案内部材7cは、第3分岐車線Scに対応しており、第4分岐車線Sdの入口部分30cを閉鎖することにより車両玩具Cを側面に沿って曲がらせ、手前側の第3分岐車線Scに案内する一方、当該入口部分30cを開放することにより車両玩具Cを第3分岐車線Scより奥側の第4分岐車線Sdに案内するようになっている。なお、以下の説明においては、奥側の車線Sを閉鎖して車両玩具Cを手前側の車線Sに案内する場合の車両案内部材7a〜7cの位置を閉鎖位置とし(図1の車両案内部材7b参照)、車両玩具Cを奥側の車線Sに案内する場合の車両案内部材7a〜7cの位置を開放位置とする(図1の車両案内部材7a,7c参照)。
【0026】
また、図4に示すように、各車両案内部材7a〜7cは、下方に突出した係合ピン70g,70hを有している。これら係合ピン70g,70hは、車両案内部材7a〜7cの揺動方向に沿って車線分岐部11の上面に円弧状に設けられた溝部31a,31bを貫通した状態となっている。
【0027】
このうち、係合ピン70gの下端部には、車両案内部材7a〜7cを閉鎖位置とするよう当該係合ピン70gを溝部31aの一端側(閉鎖位置側)に引っ張って付勢する引張バネ70iが係止されている。
【0028】
また、図4,図5に示すように、係合ピン70hの下端部は、側方に膨らんで側面視略凸字状に形成されており、振分制御部71における後述のロック制御機構部8と係合可能となっている。
【0029】
[2−1−3.振分制御部の構成]
振分制御部71は、第1分岐車線Sa〜第4分岐車線Sdのうち、渋滞していない車線に車両玩具Cを案内するよう車両案内部材7a〜7cの動作を制御するものであり、図4に示すように、ロック制御機構部8を有している。
【0030】
このロック制御機構部8は、車両案内部材7a〜7cを閉鎖位置でロックされた状態(以下、ロック状態とする)とするか、閉鎖位置から開放位置まで揺動自在な状態(以下、アンロック状態とする)とするかを切り替えるものであり、図6に示すように、揺動制御部材80と、ロック補助部材81と、ロック部材82とを有している。なお、本実施の形態においては、上述の引張バネ70iの付勢力により、車両案内部材7a〜7cはアンロック状態の場合でも閉鎖位置に位置するようになっているが、当該車両案内部材7a〜7cに対して車両玩具Cが走行中に衝突した場合には、引張バネ70iが伸長して車両案内部材7a〜7cが閉鎖位置から開放位置に移動するようになっている。
【0031】
揺動制御部材80は、軸80aから車両案内部材7a〜7cの閉鎖位置側に向かって延在する棒状部材80bと、当該棒状部材80bからロック部材82の側に突出した突出ピン80cと、軸80aに平行な軸80d,80eとを有している。
【0032】
ここで、軸80aは、図4,図6に示すように、溝部31bに略直交するよう当該溝部31bの開放位置側に設けられている。
【0033】
また、棒状部材80bは、ロック補助部材81及びロック部材82の側方に配設されており、これらロック補助部材81及びロック部材82よりも閉鎖位置側に延在している。この棒状部材80bの先端部は、図4,図7に示すように、摺動部材800上に載置されている。この摺動部材800は、図示しない駆動源により駆動されて所定のタイミング毎に往復運動し、棒状部材80bに対して摺動する板状の部材であり、棒状部材80bの先端部を支持するテーパー状の突出片801を上面に有している。これにより、棒状部材80bは、摺動部材800の摺動に応じて上下に揺動するようになっている。
【0034】
また、図6に示すように、突出ピン80cは、ロック部材82の上方に配設されており、棒状部材80bの下方への揺動に応じてロック部材82の先端部を下方に付勢して押し下げるようになっている。
【0035】
ロック補助部材81は、揺動制御部材80に設けられた下側の軸80eに軸支されるとともに、当該軸80eから車両案内部材7a〜7cの開放位置側及び閉鎖位置側に延在する棒状部材81aと、当該棒状部材81aにおける閉鎖位置側の先端上面に設けられた突出部81bと、棒状部材81aにおける開放位置側の先端に設けられた重り部材81dと、棒状部材81aにおける開放位置側の中途部下面に設けられた突出部81cとを有している。
【0036】
ここで、突出部81bは、ロック部材82の先端部の下面を支持している。
また、重り部材81dは、突出部81bがロック部材82を押し上げるよう、ロック補助部材81の開放位置側の先端部を下方に付勢している。なお、本実施の形態においては、重り部材81dによるロック部材82の上方への付勢力は、揺動制御部材80によるロック部材82の下方への付勢力よりも小さくなっている。
【0037】
また、突出部81cは、図4に示すように、シーソー部材71bにおける一端部の上面に載置されている。このシーソー部材71bは、軸71aを支点としてシーソー運動する板状の部材であり、他端部を渋滞検知スイッチ70の下面に当接させている。なお、本実施の形態においては、シーソー部材71bは前記一端部側よりも前記他端部側が軽くなっているため、渋滞検知スイッチ70が渋滞によって押し下げられていない場合には、当該他端部側が一端部側よりも上方に位置するようになっている。
【0038】
また、ロック部材82は、図6に示すように、揺動制御部材80に設けられた上側の軸80dに軸支されるとともに、当該軸80dから車両案内部材7a〜7cの閉鎖位置側に向かって延在する棒状部材82aを有している。この棒状部材82aには、溝部31bの延在方向(閉鎖位置側と開放位置側とを結んだ方向)に対して横方向に傾斜して設けられた傾斜部82bと、当該傾斜部82bを上方から覆う耳部82cとが先端部に設けられている。
【0039】
そして、このロック部材82は、図8(a)に示すように、先端部が揺動制御部材80によって押し下げられておらず、かつ、ロック補助部材81によって押し上げられている場合には、車両玩具Cの衝突などにより車両案内部材7a〜7cが閉鎖位置から開放位置に移動しようとするときに、傾斜部82b及び耳部82cによって係合ピン70hの下端部における側周面及び上面に係合することにより、車両案内部材7a〜7cの揺動を拘束して閉鎖位置にロックする、つまり車両案内部材7a〜7cをロック状態とするようになっている。また、このロック部材82は、図8(b),(c)に示すように、先端部が揺動制御部材80によって押し下げられている場合や、ロック補助部材81によって押し上げられていない場合には、車両案内部材7a〜7cが閉鎖位置から開放位置に移動しようとするときに、係合ピン70hを上方で移動させることにより、車両案内部材7a〜7cを開放位置側に揺動させる、つまり車両案内部材7a〜7cをアンロック状態とするようになっている。
【0040】
[2−2.衝突防止機構部の構成]
衝突防止機構部9は、第1分岐車線Sa〜第4分岐車線Sdの各ゲート部Gを通過した車両玩具Cによる車線合流部13での衝突を防止するものであり、図1に示すように、走行検知スイッチ90と、ストッパ制御機構部91とを有している。
【0041】
走行検知スイッチ90は、第3分岐車線Sc,第4分岐車線Sd(優先レーン)における車両玩具Cの走行を検知するものであり、第3分岐車線Sc,第4分岐車線Sdにおける車線分岐点Bとゲート部Gとの間の所定の位置に配設された板状部材90aを有している。
【0042】
この板状部材90aの進行方向Aにおける手前側の端部は、進行方向Aに直交する軸(図示せず)によって車線Sと同レベルの高さで軸支されている。一方、板状部材90aの先端側の端部は、前記軸を中心として上下に揺動自在な状態となっており、かつ、図示しない圧縮バネによって車線Sの上面よりも僅かに上方に位置するよう、下方から付勢されている。これにより、板状部材90aは、第3分岐車線Sc,第4分岐車線Sdを車両玩具Cが走行した場合に、当該車両玩具Cの重量を検知するようになっている。なお、このような走行検知スイッチ90としては、例えば車両玩具Cとの電気的接触により渋滞を検知するものや、光路を車両玩具Cに遮らせることにより渋滞を検知するもの等、従来より公知のものを用いることができる。
【0043】
ストッパ制御機構部91は、走行検知スイッチ90の下面に配設されており、当該走行検知スイッチ90によって第3分岐車線Sc,第4分岐車線Sdでの車両玩具Cの走行が検知された場合に、ストッパ40によるゲート部Gの開放を所定の時間内だけ禁止するようになっている。なお、このようなストッパ制御機構部91としては、ストッパ40を駆動する前記カム部材に動力を伝達するギアを強制的に停止させる機構や、当該ギアに連結されたクラッチを切る機構などを用いることができる。
【0044】
[3.走路盤の動作]
続いて、以上の走路盤1の動作について説明する。
【0045】
まず、走路盤1の前記電源部をONにすると、電動スロープ部14のベルトコンベア14aが回転を始める。また、車両案内部材7a〜7cの下方に設けられた3つの摺動部材800が、前記駆動源によって揺動制御部材80の棒状部材80bに対してそれぞれ所定のタイミングで摺動することにより、棒状部材80bを上下に揺動させる。これにより、車両案内部材7a〜7cの下方に設けられた各ロック部材82がそれぞれ所定タイミング毎に上下に揺動し、車両案内部材7a〜7cがロック状態またはアンロック状態に切り替えられる(図8(a),(b)参照)。
【0046】
次に、走路盤1に複数の車両玩具Cを走行させると、これらの車両玩具Cは一台ずつ分岐前車線部10から車線分岐部11に進入した後、ロック状態またはアンロック状態の車両案内部材7a〜7cによって第1分岐車線Sa〜第4分岐車線Sdに振り分けられて、各ゲート部Gに進入する。
【0047】
このとき、車両玩具Cが第3分岐車線Sc,第4分岐車線Sd(優先レーン)のゲート部Gに進入すると、上述の図2に示すように、ストッパ41が開放状態となって車両玩具Cを通過させ、車線合流部13に進入させる。また、走行検知スイッチ90により、第3分岐車線Sc,第4分岐車線Sdにおける車両玩具Cの走行が検知される。
【0048】
一方、車両玩具Cが第1分岐車線Sa,第2分岐車線Sb(通常レーン)のゲート部Gに進入すると、上述の図3に示すように、ストッパ41がゲート部Gを所定のタイミングで開閉することにより、車両玩具Cの走行が制限される。また、走行検知スイッチ90によって第3分岐車線Sc,第4分岐車線Sdにおける車両玩具Cの走行が検知された場合には、ストッパ制御機構部91によってストッパ40によるゲート部Gの開放が所定の時間内だけ禁止されて車両玩具Cが停止するため、車両玩具Cの走行が更に制限される。
【0049】
ここで、図9に示すように、第1分岐車線Sa(または第2分岐車線Sb)に所定台数の車両玩具Cが停止して渋滞が生じると、最後尾の車両玩具Cによって渋滞検知スイッチ70の板状部材70aが押し下げられる。これにより、当該板状部材70aの下面に当接するシーソー部材71bの前記他端部が押し下げられるとともに、前記一端部が押し上げられ、ロック補助部材81の突出部81cを押し上げる。
【0050】
また、ロック補助部材81の突出部81cが押し上げられると、当該ロック補助部材81が軸80eを中心としてシーソー運動する結果、突出部81bとともに上部のロック部材82が下降する。これにより、渋滞検知スイッチ70によって渋滞の検知された第1分岐車線Sa(または第2分岐車線Sb)に対応する車両案内部材7a(または7b)はアンロック状態となる(図8(c)参照)。
【0051】
そして、アンロック状態の車両案内部材7a(または7b)に対して車両玩具Cが衝突すると、当該車両案内部材7a(または7b)は開放位置に移動して、車両玩具Cを奥側の第2分岐車線Sb〜第4分岐車線Sd(または第3分岐車線Sc〜第4分岐車線Sd)に進入させた後、引張バネ70iの付勢力により再度、閉鎖位置に移動する。これにより、渋滞が検知された場合には、渋滞の検知されていない第2分岐車線Sb〜第4分岐車線Sdに対して、車両玩具Cが振り分けられる。
【0052】
また、第1分岐車線Sa(または第2分岐車線Sb)内の車両玩具Cがゲート部Gを通過して渋滞が解消すると、渋滞検知スイッチ70の下面に当接するシーソー部材71bの前記他端部が上方に移動するとともに前記一端部が下方に移動する結果、ロック補助部材81は重り部材81の付勢力によりロック部材82を押し上げる。これにより、渋滞の解消した第1分岐車線Sa(または第2分岐車線Sb)に対応する車両案内部材7a(または7b)はロック状態となり(図8(a)参照)、当該第1分岐車線Sa(または第2分岐車線Sb)に対して車両玩具Cを案内可能となる。
【0053】
次に、第1分岐車線Sa〜第4分岐車線Sdから車線合流部13に車両玩具Cが進入すると、各車線Sa〜Sd上の車両玩具Cが1つの車線S上に集められ、電動スロープ部14を介して分岐前車線部10に進入する。
以降、各車両玩具Cは走路盤1内を回転して走行を続ける。
【0054】
以上の走路盤1によれば、複数の車両玩具Cを第1分岐車線Sa〜第4分岐車線Sdに振り分ける振分機構部7が渋滞検知スイッチ70によって第1分岐車線Sa,第2分岐車線Sb(通常レーン)の渋滞を検知し、第1分岐車線Sa(または第2分岐車線Sb)の渋滞が検知された場合には、振分制御部71によって複数の第1分岐車線Sa〜第4分岐車線Sdのうち、渋滞の検知されていない第2分岐車線Sb〜第4分岐車線Sd(または第3分岐車線Sc〜第4分岐車線Sd)に対して車両玩具Cを振り分けるので、車線を増やして車両玩具Cを振り分けるとともに、車両玩具Cを円滑に走行させることができる。
【0055】
また、走行検知スイッチ90によって第3分岐車線Sc,第4分岐車線Sd(優先レーン)における車両玩具Cの走行が検知された場合に、ストッパ制御機構部91によってストッパ40によるゲート部Gの開放が所定の時間内だけ禁止されて車両玩具Cが停止するので、第3分岐車線Sc,第4分岐車線Sdのゲート部Gを通過する車両玩具Cに対して、第1分岐車線Sa,第2分岐車線Sbのゲート部Gを通過する車両玩具Cが衝突するのを防止することができる。従って、より円滑に車両玩具Cを走行させることができる。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であることはいうまでもない。
【0057】
例えば、上記実施の形態においては、振分制御部71やストッパ制御機構部91を構造的な機構によって実現されたものとして説明したが、電気的な制御によって実現されたものとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明に係る走路盤1の概観図である。
【図2】ストッパ40,41やゲート部Gを示す図である。
【図3】ストッパ40,41やゲート部Gを示す図である。
【図4】振分機構部7の概略構成を示す下面図である。
【図5】係合ピン70hの下端部を示す図である。
【図6】ロック制御機構部8を示す斜視図であり、(a)は上面側の斜視図、(b)は下面側の斜視図である。
【図7】摺動部材800と棒状部材80bとの関係を示す図である。
【図8】ロック制御機構部8の動作を説明するための図である。
【図9】走路盤1の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0059】
1 走路盤
7 振分機構部
7a〜7c 車両案内部材
11 車線分岐部
70 渋滞検知スイッチ(渋滞検知手段)
71 振分制御部(振分制御手段)
90 走行検知スイッチ(走行検知手段)
91 ストッパ制御機構部(ストッパ制御手段)
B 車線分岐点
G ゲート部
S 車線
Sa,Sb 第1分岐車線,第2分岐車線(分岐車線、通常レーン)
Sc,Sd 第3分岐車線,第4分岐車線(分岐車線、優先レーン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの車線から分岐した複数の分岐車線を有する走路盤において、
車線分岐点に進入した複数の車両玩具を、車両案内部材の動作によって各分岐車線に振り分ける振分機構部と、
前記複数の分岐車線の何れかの中途部に設けられ、当該分岐車線の中途部を開放及び閉鎖することにより、当該分岐車線を通過する前記車両玩具を走行または停止させるストッパと、
を備え、
前記振分機構部は、
前記ストッパの設けられた前記分岐車線内の当該ストッパと前記車線分岐点との間に配設され、前記車両玩具の渋滞を検知する渋滞検知手段と、
前記渋滞検知手段によって渋滞が検知された場合に、前記複数の分岐車線のうち、前記渋滞検知手段によって渋滞の検知されていない分岐車線に対し、前記車両玩具を振り分ける振分制御手段と、
を有することを特徴とする走路盤。
【請求項2】
請求項1記載の走路盤において、
各分岐車線上に設けられて前記車両玩具を通過させるゲート部を備え、
前記ストッパは、複数の前記ゲート部の何れかに設けられて当該ゲート部を開閉することを特徴とする走路盤。
【請求項3】
請求項2記載の走路盤において、
前記複数の分岐車線は、
前記ストッパが設けられていることにより、前記ゲート部を通過する前記車両玩具を走行または停止させる通常レーンと、
前記ゲート部を通過する前記車両玩具をそのまま走行させる優先レーンと、
を有することを特徴とする走路盤。
【請求項4】
請求項3記載の走路盤において、
前記優先レーンにおける前記車両玩具の走行を検知する走行検知手段と、
前記走行検知手段によって走行が検知された場合に、前記ストッパによる前記ゲート部の開放を禁止するストッパ制御手段と、
を備えることを特徴とする走路盤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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