説明

超仕上げユニット

【課題】加工装置全体の構成をコンパクトにすることができ、かつ、加工能率が向上した超仕上げユニットを提供する。
【解決手段】超仕上げユニット1は、本体ケーシング2と、本体ケーシング2に回転自在に取り付けられ、複合加工機の回転主軸に同軸上に着脱自在に連結される連結軸3と、ワークを研削する砥石を有する砥石ヘッド4と、本体ケーシング2と砥石ヘッド4との間を連結し、回転主軸の往復回転駆動による駆動力を連結軸3を介して受けることにより、砥石ヘッド4を往復揺動運動させるリンク機構5とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合加工機の工具ツールとして使用可能な超仕上げユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、研削加工その他種々の加工を1台の工作機械で行うことができる複合加工機が特許文献1などで知られている。
【0003】
複合加工機では、ワークの用途や形状に合わせて、自動工具交換機構が工具マガジンから所定の研削ツールを選択し、研削ツールを回転主軸に連結して回転駆動させることにより、ワークの研削加工を自動的に行っている。
【0004】
このような複合加工機を利用すれば、ワークの荒加工から仕上げ加工まで一台の複合加工機で完了することができるという利点がある。しかし、複合加工機では、回転主軸の回転駆動力を利用して研削ツールを回転させてワークを研削あるいは研磨しているので、平面的な研削や研磨しか対応できないという短所がある。
【0005】
そのため、従来では、ベアリングのレース面などのように曲率が重要な加工面を研磨する超仕上げ作業を行う場合には、複合加工機とは別に、特許文献2に記載されるような超仕上げ専用の研削装置を用いている。この特許文献2記載の研削装置では、砥石を装着したホルダを平行リンク機構によって揺動させることによって、加工面の超仕上げを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭63−229264号公報
【特許文献2】特開2009−269111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、複合加工機とは別に特許文献2に記載されるような超仕上げ専用の研削装置を用いた場合、ワークの一連の加工を行うための装置または設備の全体が大型化するという問題がある。また、複合加工機から超仕上げ専用の研削装置へワークを移動させてセッティングする作業が別途必要となり、加工能率が悪くなるという問題もある。
【0008】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、加工装置全体の構成をコンパクトにすることができ、かつ、加工能率が向上した超仕上げユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためのものとして、本発明の超仕上げユニットは、本体ケーシングと、前記本体ケーシングに回転自在に取り付けられ、複合加工機の回転主軸に同軸上に着脱自在に連結される連結軸と、ワークを研削する砥石を有する砥石ヘッドと、前記本体ケーシングと前記砥石ヘッドとの間を連結し、前記回転主軸の往復回転駆動による駆動力を前記連結軸を介して受けることにより、前記砥石ヘッドを往復揺動運動させるリンク機構とを備えている。
【0010】
この構成によれば、超仕上げユニットの連結軸が複合加工機の回転主軸に同軸上に着脱自在に連結され、リンク機構によって複合加工機の回転主軸の往復回転駆動による駆動力を砥石ヘッドへ伝達し、砥石ヘッドを往復揺動運動させる。これにより、複合加工機の回転主軸の駆動力を用いて超仕上げ用の砥石ヘッドを揺動させることが可能になり、超仕上げユニットを他の工具ツールと同様に、複合加工機に着脱して使用することができる。その結果、複合加工機とは別に超仕上げ専用の研削装置を設ける必要がなくなるので、ワークを荒加工から超仕上げまで行う場合に必要な加工装置全体の構成がコンパクトになる。
【0011】
また、この超仕上げユニットを複合加工機の工具マガジンに収納しておくことにより、1台の複合加工機でワークの荒加工から超仕上げまで一連の作業で行うことができるので、ワークの移動やセッティングも不要となり、加工能率が大幅に向上する。
【0012】
また、前記砥石ヘッドに取り付けられた、前記砥石の磨耗量を検知する磨耗量検知センサと、前記連結軸が前記回転主軸に連結されたときに、前記磨耗量検知センサと前記複合加工機の電気配線との間を電気的に接続する電気接続部とをさらに備えているのが好ましい。
【0013】
この構成によれば、砥石ヘッドに設けられた砥石の磨耗量を検知する磨耗量検知センサを備えているので、砥石の磨耗量を検知することが可能である。
【0014】
しかも、連結軸が回転主軸に連結されたときに磨耗量検知センサと複合加工機の電気配線との間が電気接続部を介して接続されるので、複合加工機から磨耗量検知センサへ電力を供給できるとともに、磨耗量検知センサからの検出信号を複合加工機へ伝達することが可能になる。さらに、連結軸を回転主軸に連結することによって電気的接続が行われるので、磨耗量検知センサと複合加工機との間の配線作業が不要になる。
【0015】
前記砥石ヘッドは、ガスの圧力を用いて前記砥石を前記ワークへ向けて押圧するガスシリンダを有しており、前記連結軸が前記回転主軸に連結されたときに、前記砥石ヘッドのガスシリンダと前記複合加工機のガス供給路との間を連通させるガス継手をさらに備えているのが好ましい。
【0016】
この構成によれば、砥石ヘッドがガスシリンダを有しているので、ガスの圧力を用いて前記砥石を前記ワークへ向けて所定の圧力に制御して押圧することが可能である。
【0017】
しかも、連結軸が回転主軸に連結されたときにガスシリンダと複合加工機のガス供給路との間がガス継手を介して接続されるので、複合加工機からガスシリンダへ圧縮ガスを供給できる。さらに、連結軸を回転主軸に連結することによってガス通路の接続が行われるので、ガスシリンダと複合加工機との間のガス管の接続作業が不要になる。
【0018】
前記ガス継手は、前記本体ケーシングにおける前記連結軸から当該連結軸の半径方向へ離れた位置に設けられているのが好ましい。
【0019】
この構成によれば、複合加工機と本体ケーシングとが、連結軸からその半径方向へ離れたガス継手によっても固定されるので、連結軸が回転しても、本体ケーシングが連結軸の周方向にずれるなどの不具合がない。
【0020】
前記連結軸は、垂直方向に延びる前記回転主軸の下端に同軸上に連結されており、前記連結軸に伝達された垂直軸回りの回転駆動を水平軸回りの回転駆動に変換して水平方向に延びる従動軸から出力する動力伝達機構をさらに備えており、前記リンク機構は、前記動力伝達機構の従動軸を介して水平軸回りの回転駆動力を受けることにより、前記砥石ヘッドを上下方向に往復揺動運動させるのが好ましい。
【0021】
この構成によれば、回転主軸が垂直方向に延びている縦型の複合加工機の場合でも、動力伝達機構によって連結軸に伝達された垂直軸回りの回転駆動を水平軸回りの回転駆動に変換して水平方向に延びる従動軸から出力することが可能になる。その結果、リンク機構は、動力伝達機構の従動軸を介して水平軸回りの回転駆動力を受けることにより、砥石ヘッドを上下方向に往復揺動運動させることが可能になる。これにより、水平に置かれたワークに対しても、砥石ヘッドを上下方向に往復揺動運動させることにより、超仕上げ加工を行うことが可能になる。
【0022】
前記リンク機構は、前記本体ケーシングに対して回転自在に設けられる第1連結アームと、前記第1連結アームと平行に延び、前記本体ケーシングに対して回転自在に設けられる第2連結アームと、前記第1連結アームおよび前記第2連結アームに回転自在に連結されて、そこから下方に延びる部位を有し、下端部が前記砥石ヘッドに回転自在に連結される第1リンクアームと、前記第1リンクアームよりも前記本体ケーシングから離れた位置に配置され、前記第1連結アームおよび前記第2連結アームの少なくとも一方に回転自在に連結されて、そこから下方に延びる部位を有し、下端部が前記砥石ヘッドに回転自在に連結される第2リンクアームと、一方の支点が前記動力伝達機構の従動軸に固定され、他方の支点が前記第1連結アーム、第2連結アーム、第1リンクアームまたは第2リンクアームのいずれか1つに回転自在に連結された駆動アームとを有しているのが好ましい。
【0023】
この構成によれば、第1連結アーム、第2連結アーム、第1リンクアームおよび第2リンクアームによって平行四辺形をなす平行リンク機構が構成されているが、本体ケーシングに連結された第1および第2連結アームとは別に動力伝達機構の従動軸に連結された駆動アームを有している。したがって、駆動アームの回転移動量を、第1および第2連結アームの回転移動量と異なる回転移動量で調整することが可能になる。
【0024】
また、前記第1連結アームおよび前記第2連結アームにおける前記本体ケーシングと回転自在に結合する支点は、前記従動軸と同じ高さまたはそれ以上の高さに位置しているのが好ましい。
【0025】
この構成によれば、リンク機構を構成する第1連結アームおよび第2連結アームのそれぞれの本体ケーシング側に結合する支点が従動軸と同じ高さまたはそれ以上の高さに位置しているので、従動軸と砥石ヘッドの距離を近づけることが可能になる。その場合には、ユニット全体の小型化を図ることができる。
【0026】
さらに、前記第1リンクアームおよび第2リンクアームは、前記本体ケーシングから前記連結軸の半径方向へ離れた位置に設けられているのが好ましい。
【0027】
この構成によれば、第1および第2リンクアームが本体ケーシングから連結軸の半径方向へ離れた位置に設けられているので、砥石ヘッドが往復揺動運動をしても、それぞれのリンクアームが本体ケーシングに干渉するおそれがなくなる。また、第1および第2リンクアームの形状も直線状の簡単な構成にすることが可能になる。
【0028】
さらに、前記動力伝達機構は、前記連結軸に同軸上に固定された駆動側伝達部材と、前記従動軸に同軸上に固定され、かつ、前記駆動側伝達部材を介して前記回転主軸からの駆動力を受ける従動側伝達部材とを有しており、前記第1連結アームおよび前記第2連結アームにおける前記本体ケーシング側と回転自在に結合する支点は、水平方向において前記動力伝達機構の従動軸の両端部よりも内側に配置されているのが好ましい。
【0029】
この構成によれば、動力伝達機構の従動軸に従動側伝達部材が設けられている構造において、第1連結アームおよび第2連結アームにおける本体ケーシング側の支点が、水平方向において動力伝達機構の従動軸の両端部よりも内側に配置されているので、従動軸の長さよりも狭い範囲に第1連結アームおよび第2連結アームを本体ケーシングに回転自在に設けることができる。そのため、砥石ヘッドが往復揺動運動をしても、第1および第2リンクアームが本体ケーシングに干渉するおそれがなくなる。また、第1および第2リンクアームの形状も直線状の簡単な構成にすることが可能になる。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように、本発明の超仕上げユニットによれば、ワークを荒加工から超仕上げまで行う場合に必要な加工装置の全体の構成がコンパクトになる。また、1台の複合加工機でワークの荒加工から超仕上げまで一連の作業で行うことができるので、加工能率が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の超仕上げユニットの一実施形態に係る軸受のアウターレースを超仕上げ加工している状態を示す正面図である。
【図2】図1の超仕上げユニットを矢印Aの方向から見た一部切欠き断面図である。
【図3】図1の砥石ヘッドの拡大図である。
【図4】図1の電気接続部分およびエアカプラの拡大図である。
【図5】図1の超仕上げユニットが軸受のインナーレースを超仕上げ加工している状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の超仕上げユニットの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0033】
図1〜5に示される超仕上げユニット1は、ワークW1の内周面P1(図1参照)およびワークW2の外周面P2(図5参照)の両方を研削加工することが可能なユニットであり、本体ケーシング2と、連結軸3と、砥石ヘッド4と、リンク機構5と、動力伝達機構11とを備えている。
【0034】
図1に示されるワークW1は、内周面P1が研削されるリング状の部材であり、例えば、アンギュラ玉軸受や深溝玉軸受などのアウターレースに相当する部材である。一方、図5に示されるワークW2は、外周面P2が研削される部材であり、例えば、アンギュラ玉軸受や深溝玉軸受などのインナーレースに相当する部材である。
【0035】
図1〜2に示されるように、本体ケーシング2には、水平断面円形の主孔2dが上下方向に延びるように形成されている。主孔2dは、本体ケーシング2の上面に上端開口2aとして開口している。主孔2dには、ボールベアリング20が嵌めこまれている。連結軸3は、ボールベアリング20に嵌めこまれ、本体ケーシング2より上側に突出している。
【0036】
また、本体ケーシング2の主孔2dの下部において、水平方向に延びる副孔2eが連通し、本体ケーシング2の側面に開口している。本体ケーシング2の副孔2eには、ローラベアリング24が嵌め込まれ、リンク駆動軸13を回転自在に支持している。リンク駆動軸13の両端部は、本体ケーシング2の側方に突出している。
【0037】
また、本体ケーシング2の内部には、動力伝達機構11が内蔵されている。さらに、本体ケーシング2の外側面には、リンク機構5が取り付けられている。
【0038】
連結軸3は、その上部にHSKシャンクなどのチャック部分3aを有しており、縦型の複合加工機Mの回転主軸Rの下端に同軸上に着脱自在に連結される。
【0039】
砥石ヘッド4は、図1および図3に示されるように、ワークW1、W2を研削する砥石Sを有する。また、本実施形態の砥石ヘッド4は、空気の圧力を用いて砥石SをワークW1へ向けて押圧するエアシリンダ8を内蔵している。エアシリンダ8は、エアカプラ9を介して複合加工機Mのエア供給路Gに連通している。エアシリンダ8とエアカプラ9との間は、ホース21で連通している。
【0040】
図1〜2および図4に示されるように、エアカプラ9は、本体ケーシング2の水平に突出した台座部2bの上に設けられている。エアカプラ9は、超仕上げユニット1を複合加工機Mに装着する際に、連結軸3が回転主軸Rに連結されたときに、複合加工機Mのエア供給路Gの下流端に設けられた接続部Jに下方から挿入されることにより、気密性を保って接続部Jに接続される。これにより、複合加工機Mに設けられたエアポンプPで生成された圧縮空気がエア供給路G、接続部J、エアカプラ9、およびホース21の経路を順に通って、砥石ヘッド4のエアシリンダ8に供給される。
【0041】
また、砥石ヘッド4には、砥石Sの磨耗量を検知する磨耗量検知センサ6が取り付けられている。磨耗量検知センサ6は、電気接続部7を介して、複合加工機Mの電気配線Eに接続されている。磨耗量検知センサ6と電気接続部7との間は、接続線22で連通している。
【0042】
図1〜2および図4に示されるように、電気接続部7は、本体ケーシング2の水平に突出した台座部2bの上にエアカプラ9に隣接して設けられている。電気接続部7は、超仕上げユニット1を複合加工機Mに装着する際に、連結軸3が回転主軸Rに連結されたときに、複合加工機Mの電気配線Eの端部に設けられた接続部Kに非接触で近接することにより、接続部Kに電気的に接続される。これにより、複合加工機Mの制御基板Qから磨耗量検知センサ6へ電力を供給できる。それとともに、磨耗量検知センサ6で検出された砥石Sの磨耗量に関する検出信号を複合加工機Mの制御基板Qへ伝達することが可能になる。
【0043】
また、電気接続部7と接続部Kとの間が非接触状態で電気的に接続されるので、接点の磨耗などによって生じる接点不良のおそれがない。なお、電気接続部7と接続部Kとの間を他の方法で電気的に接続してもよい。
【0044】
動力伝達機構11は、図2に示されるように、連結軸3に伝達された垂直軸CL1回りの回転駆動を水平軸CL2回りの回転駆動に変換して水平方向に延びる従動軸であるリンク駆動軸13から出力する機構である。具体的には、動力伝達機構11は、駆動側ベベルギア12と、リンク駆動軸13と、従動側ベベルギア14とを備えている。
【0045】
駆動側ベベルギア12は、連結軸3におけるボールベアリング20から下側に延びている部分に同軸上に固定された傘歯車である。
【0046】
リンク駆動軸13は、前述のように、本体ケーシング2の内部にローラベアリング24を介して水平方向に延びるように回転自在に取り付けられている。
【0047】
従動側ベベルギア14は、リンク駆動軸13に同軸上に固定された傘歯車である。従動側ベベルギア14は、駆動側ベベルギア12に対して互いの回転軸の方向が直交する状態で噛み合っているので、駆動側ベベルギア12を介して回転主軸Rからの駆動力を受けることが可能である。
【0048】
図1〜2に示されるように、リンク機構5は、動力伝達機構11の従動軸であるリンク駆動軸13を介して水平軸CL2回りの回転駆動力を受けることにより、砥石ヘッド4を上下方向に往復揺動運動させる機構である。具体的には、リンク機構5は、第1リンクアーム15と、第2リンクアーム16と、第1連結アーム17と、第2連結アーム18と、駆動アーム19とを有している。これらのリンクアーム15〜19は、図2に示されるように、それぞれ一対配置されており、これらがリンク駆動軸13の延びる方向に間隔をおいて配置されている。
【0049】
第1連結アーム17および第2連結アーム18は、本体ケーシング2に対して回転自在に設けられている。
【0050】
具体的には、第1連結アーム17の一方の支点である揺動支点17aは、本体ケーシング2の外側面に突出した突出部2cに対して回転自在に連結している。本体ケーシング2の突出部2cは、図1において本体ケーシング2の左側面から紙面左方向へ突出している部分である。第1連結アーム17の他方の支点である連結支点17bは、第1リンクアーム15に回転自在に連結している。
【0051】
また、第2連結アーム18の一方の支点である揺動支点18aは、本体ケーシング2の突出部2cに対して回転自在に連結している。第2連結アーム18の他方の支点である連結支点18bは、第2リンクアーム16に回転自在に連結している。さらに、第2連結アーム18は、揺動支点18aと連結支点18bとの間の中間支点18cで第1リンクアーム15に対して回転自在に連結している。
【0052】
第1連結アーム17の揺動支点17a、第2連結アーム18の揺動支点18aおよび砥石Sは、垂直方向に延びる直線Hの上に配置されている。しかも、第1連結アーム17の連結支点17bおよび第2連結アーム18の中間支点18cは、垂直方向に延びる第1リンクアーム15に連結されている。したがって、第1連結アーム17および第2連結アーム18は、互いに平行な位置関係を保っている。また、砥石ヘッド4も、第1連結アーム17および第2連結アーム18に対して平行な位置関係になる。
【0053】
ここで、図2に示されるように、第1および第2連結アーム17、18が連結される本体ケーシング2の突出部2cにおけるリンク駆動軸13の延びる方向の幅X1は、リンク駆動軸13の長さX2よりも短い。そのため、第1連結アーム17の揺動支点17aおよび第2連結アーム18の揺動支点18aは、水平方向においてリンク駆動軸13の両端部13a、13bよりも軸方向内側に配置されている。
【0054】
第1リンクアーム15は、第1連結アーム17の連結支点17bおよび第2連結アーム18の中間支点18cに回転自在に連結されて、そこから下方に延びる部位を有している。第1リンクアーム15の下端部15aは、砥石ヘッド4に回転自在に連結されている。
【0055】
第2リンクアーム16は、第1リンクアーム15よりも本体ケーシング2から離れた位置に配置されている。第2リンクアーム16は、第2連結アーム18の連結支点18bに回転自在に連結されて、そこから下方に延びる部位を有している。第2リンクアーム16の下端部16aは、砥石ヘッド4に回転自在に連結されている。
【0056】
なお、第2リンクアーム16は、第1連結アーム17および第2連結アーム18の少なくとも一方に連結されていればよい。
【0057】
また、第1リンクアーム15およびと第2リンクアーム16は、リンク駆動軸13の延びる方向に並んでそれぞれ一対配置されているので、図2に示されるように、それぞれの下端部15a、16aが砥石ヘッド4に対して両側から挟み込んだ状態で回転自在に連結されている。
【0058】
駆動アーム19は、一方の支点19aが動力伝達機構11のリンク駆動軸13に固定され、他方の支点19bが第2連結アーム18に回転自在に連結されている。
【0059】
また、駆動アーム19の支点19bに設けられた連結用のピン23は、第2連結アーム18に形成された長孔25に挿入され、長孔25の内部を移動できるようになっている。これにより、駆動アーム19が支点19aを中心として揺動するときのピン23の軌道L1が第2連結アーム18の端部18aを中心とした円弧L2からずれても、ピン23が長孔25の内部を移動することにより、そのずれた分を吸収することができる。
【0060】
なお、駆動アーム19の支点19bは、第1リンクアーム15、第2リンクアーム16、第1連結アーム17または第2連結アーム18のいずれか1つに回転自在に連結していれば、駆動アーム19から第1リンクアーム15および第2リンクアーム16へ駆動力を伝達することが可能である。
【0061】
(超仕上げユニット1の動作説明)
以上のように構成された超仕上げユニット1を用いて、図1〜2に示されるようなアンギュラ玉軸受や深溝玉軸受などのアウターレースに用いられるワークW1の下向きの内周面P1を超仕上げ加工する場合、まず、工具マガジンに超仕上げユニット1をあらかじめセットしておく。複合加工機Mの動作が開始すると、まず、他の工具ツールを用いてワークW1の研削加工や研磨加工などの荒加工や仕上げ加工を行なう。その後、自動工具交換機構によって超仕上げユニット1を回転主軸Rへ装着する動作を自動的に行う。このとき、超仕上げユニット1の連結軸3は、チャック部分3aによって複合加工機Mの回転主軸Rの下端部に連結される。
【0062】
連結軸3が回転主軸Rの下端部に連結されたとき、エアカプラ9は、複合加工機Mのエア供給路Gの下流端に設けられた接続部Jに下方から挿入されて連結されることにより気密性を保って連通される。さらに、電気接続部7は、複合加工機Mの電気配線Eの端部に設けられた接続部Kに非接触で近接することにより電気的に接続される。
【0063】
ついで、複合加工機Mの回転主軸Rを回転駆動させ、リンク機構5を介して砥石ヘッド4の上下方向の角度を調整して、砥石ヘッド4をワークW1の内周面P1に対して所定の角度で向き合う基準位置D1へ位置決めする。このとき、砥石ヘッド4は、砥石Sを斜め上方へ向けた位置になる。
【0064】
ついで、砥石ヘッド4のエアシリンダ8を作動させて砥石SをワークW1の内周面P1に所定の押圧力で当接させる。
【0065】
その後、複合加工機Mの回転主軸Rを所定の回転角度の範囲で往復回転駆動させることにより、その駆動力が連結軸3、動力伝達機構11およびリンク機構5を介して砥石ヘッド4に伝達される。これにより、砥石ヘッド4を基準位置D1を中心に角度範囲θ1の範囲で往復揺動運動させてワークW1の下向きの内周面P1を砥石Sによって研削して超仕上げ加工を行うことが可能になる。
【0066】
回転主軸Rから砥石ヘッド4への駆動力の伝達は、具体的には以下の通りである。まず、図1〜2に示されるように、複合加工機Mの回転主軸Rを往復回転駆動させると、回転主軸Rに同軸上に連結された連結軸3も回転主軸Rと同様に往復回転駆動する。
【0067】
このとき、動作伝達機構11では、連結軸3に固定された駆動側ベベルギア12から従動側ベベルギア14へ往復回転駆動力が伝達され、従動側ベベルギア14と同軸上に連結されたリンク駆動軸13は、水平に延びた状態で往復回転運動をする。
【0068】
そして、リンク駆動軸13に固定されたリンク機構5の駆動アーム19は、上下に往復回転運動をする。これにより、駆動アーム19に連結された第2連結アーム18が、揺動支点18a回りに上下に揺動する。第2連結アーム18が上下に揺動することにより、第2連結アーム18にリンク結合された第1リンクアーム15および第2リンクアーム16は互いに平行関係を保ちながら上下に往復移動する。また、このとき、第1連結アーム17および第2連結アーム18は、共通の第1リンクアーム15にリンク結合しているので、互いに平行関係を保ちながら上下に揺動する。
【0069】
そして、第1リンクアーム15および第2リンクアーム16のそれぞれの下端部15a、16aに連結された砥石ヘッド4は、砥石Sを回転中心として上下に揺動する。これにより、砥石Sは、ワークW1の内周面P1に沿って往復運動をすることにより、ワークW1の内周面P1の研磨を行うことができる。
【0070】
また、砥石ヘッド4の上下の往復揺動運動とともに、ワークW1が載置されたターンテーブル(図示せず)を徐々に水平回転させていくことにより、ワークW1の内周面P1の全周にわたって超仕上げ加工を行うことが可能である。
【0071】
上記のように超仕上げ加工をしている間、磨耗量検知センサ6によって検出された砥石Sの磨耗量に関する検出信号は、複合加工機Mの制御基板Qへ伝達される。これにより、砥石Sの磨耗量が制御基板Qでモニタリングされる。砥石Sの磨耗量が所定の量を超えた場合には、超仕上げユニット1をドレッシング装置(図示せず)へ移動させて砥石Sをドレッシングするように制御基板Qによって制御されている。
【0072】
また、超仕上げ加工をしている間、ワークW1の内周面P1に対する砥石Sの押圧力は、エアポンプPまたはエア供給路Gなどに設けられた圧力センサ(図示せず)などで空気圧を検知して、その検出信号を制御基板Qへ伝達することにより、モニタリングすることが可能である。この検出信号に基づいてエアポンプPを調整することにより、砥石Sの押圧力を所定の押圧力になるように圧力制御することが可能になる。
【0073】
また、図5に示されるようなアンギュラ玉軸受や深溝玉軸受などのインナーレースに用いられるワークW2の外周面P2を超仕上げ加工をする場合には、上記の内周面加工をする場合と同様に、複合加工機Mの回転主軸Rを回転駆動させ、リンク機構5を介して砥石ヘッド4の角度を調整して、砥石ヘッド4をワークW2の上向きの外周面P2に対して所定の角度で向き合う基準位置D2へ位置決めすればよい。このとき、砥石ヘッド4は、砥石Sを斜め下方へ向けた位置になる。
【0074】
図5に示されるように、砥石ヘッド4を斜め下向きに位置決めした状態で、前述と同様に、複合加工機Mの回転主軸Rを往復回転駆動させることにより、連結軸3、動力伝達機構11、リンク機構5を介して駆動力を砥石ヘッド4に伝達させ、その結果、砥石ヘッド4を基準位置D2を中心に角度範囲θ2の範囲で往復揺動運動させてワークW2の上向きの外周面P2を砥石Sによって研削して超仕上げ加工を行うことが可能になる。この場合も、ワークW2が載置されたターンテーブル(図示せず)を徐々に水平回転させていくことにより、ワークW2の外周面P2の全周にわたって超仕上げ加工を行うことが可能になる。
【0075】
(超仕上げユニット1の特徴)
以上のように構成された超仕上げユニット1では、連結軸3が複合加工機Mの回転主軸Rに同軸上に着脱自在に連結され、リンク機構5によって複合加工機Mの回転主軸の往復回転駆動による駆動力を砥石ヘッド4へ伝達し、砥石ヘッド4を往復揺動運動させている。これにより、複合加工機Mの回転主軸Rの駆動力を用いて超仕上げ用の砥石ヘッド4を揺動させることが可能になり、超仕上げユニット1を他の工具ツールと同様に、複合加工機Mに着脱して使用することができる。その結果、複合加工機Mとは別に超仕上げ専用の研削装置を設ける必要がなくなるので、ワークを荒加工から超仕上げまで行う場合に必要な加工装置全体の構成がコンパクトになる。
【0076】
また、この超仕上げユニット1を複合加工機Mの工具マガジンにセットしておくことにより、1台の複合加工機MでワークW1、W2の荒加工から超仕上げまで一連の作業で行うことができるので、ワークW1、W2の移動やセッティングも不要となり、加工能率が大幅に向上する。
【0077】
また、本実施形態では、砥石ヘッド4に取り付けられた、砥石Sの磨耗量を検知する磨耗量検知センサ6と、連結軸3が回転主軸Rに連結されたときに、磨耗量検知センサ6と複合加工機Mの電気配線Eとの間を電気的に接続する電気接続部7とをさらに備えているので、砥石Sの磨耗量を検知して複合加工機Mの制御基板Qでモニタリングすることが可能である。
【0078】
しかも、連結軸3が回転主軸Rに連結されたときに磨耗量検知センサ6と複合加工機Mの電気配線Eとの間が電気接続部7を介して接続されるので、複合加工機Mの制御基板Qから磨耗量検知センサ6へ電力を供給できるとともに、磨耗量検知センサ6からの検出信号を複合加工機Mの制御基板Qへ伝達することが可能になる。しかも、連結軸3を回転主軸Rに連結することによって電気的接続が行われるので、磨耗量検知センサ6と複合加工機Mとの間の配線作業が不要になる。
【0079】
さらに、本実施形態では、砥石ヘッド4が空気の圧力を用いて砥石SをワークW1へ向けて押圧するエアシリンダ8を有している。また、それとともに、連結軸3が回転主軸Rに連結されたときに、砥石ヘッド4のエアシリンダ8と複合加工機Mのエア供給路10との間を連通させるエアカプラ9が本体ケーシング2の台座部2bに設けられている。そのため、空気の圧力を用いて砥石SをワークW1へ向けて所定の圧力に制御して押圧することが可能である。
【0080】
しかも、連結軸3が回転主軸Rに連結されたときにエアシリンダ8と複合加工機Mのエア供給路Gとの間がエアカプラ9を介して接続されるので、複合加工機Mからエアシリンダ8へ圧縮空気を供給できる。さらに、連結軸3を回転主軸Rに連結することによってエアの通路の接続が行われるので、エアシリンダ8と複合加工機Mとの間のガス管の接続作業が不要になる。
【0081】
なお、エアシリンダ8を作動させるためのガスは、空気以外にも窒素ガスその他種々のガスを採用することが可能である。
【0082】
また、本実施形態では、エアカプラ9は、本体ケーシング2における連結軸3から連結軸3の半径方向へ離れた位置に設けられている。そのため、複合加工機Mと本体ケーシング2とが連結軸3からその半径方向へ離れたエアカプラ9によっても固定されるので、連結軸3が回転しても、本体ケーシング2が連結軸3の周方向にずれるなどの不具合がない。
【0083】
なお、本体ケーシング2は、ボールベアリング20および連結軸3を介して複合加工機Mの回転主軸Rに連結されているので、垂直方向にずれるおそれもない。
【0084】
さらに、本実施形態では、回転主軸Rが垂直方向に延びている縦型の複合加工機Mの場合でも、動力伝達機構11によって連結軸3に伝達された垂直軸CL1回りの回転駆動を水平軸CL2回りの回転駆動に変換して水平方向に延びるリンク駆動軸13から出力することが可能になる。その結果、リンク機構5は、リンク駆動軸13を介して水平軸CL2回りの回転駆動力を受けることにより、砥石ヘッド4を上下方向に往復揺動運動させることが可能になる。これにより、水平に置かれたワークW1、W2に対しても、砥石ヘッド4を上下方向に往復揺動運動させることにより、超仕上げ加工を行うことが可能になる。
【0085】
また、本実施形態では、第1連結アーム17、第2連結アーム18、第1リンクアーム15および第2リンクアーム16によって平行四辺形をなす平行リンク機構が構成されているが、本体ケーシング2に連結された第1および第2連結アーム17、18とは別に動力伝達機構11のリンク駆動軸13に連結された駆動アーム19を有している。したがって、駆動アーム19の回転移動量を、第1および第2連結アーム17、18の回転移動量と異なる回転移動量で調整することが可能になる。
【0086】
その結果、第1および第2連結アーム17、18に平行の位置関係にある砥石ヘッド4の回転移動量と異なる回転移動量で、駆動アーム19の回転移動量を調整することが可能である。
【0087】
例えば、図1に示されるように、駆動アーム19の回転中心となる支点19aは、第1および第2連結アーム17、18の揺動支点17a、18aよりも第1および第2リンクアーム15、16から水平方向に離間した位置に配置されている。そのため、第2連結アーム18の回転角度と比較すれば、駆動アーム19の回転角度を小さくすることができる。
【0088】
また、本実施形態のリンク機構5では、第1連結アーム17の揺動支点17aおよび第2連結アーム18の揺動支点18aがリンク駆動軸13と同じ高さまたはそれ以上の高さに位置している。そのため、リンク駆動軸13と砥石ヘッド4の距離を近づけることが可能になる。その場合には、超仕上げユニット1の全体の小型化を図ることができる。
【0089】
さらに、本実施形態のリンク機構5では、第1リンクアーム15および第2リンクアーム16が本体ケーシング2から連結軸3の半径方向へ離れた位置に設けられている。そのため、砥石ヘッド4が往復揺動運動をしても、それぞれのリンクアーム15、16が本体ケーシング2に干渉するおそれがなくなる。また、第1リンクアーム15および第2リンクアーム16の形状も直線状の簡単な構成にすることが可能になる。
【0090】
また、本実施形態では、図2に示されるように、動力伝達機構11のリンク駆動軸13に従動側ベベルギア14が設けられている構造において、第1および第2連結アーム17、18の本体ケーシング2側の支点である揺動支点17a、18aが、水平方向においてリンク駆動軸13の両端部13a、13bよりも内側の本体ケーシング2の突出部2cに配置されている。そのため、リンク駆動軸13の長さX2よりも狭い範囲に第1連結アーム17および第2連結アーム18を本体ケーシング2の突出部2cに回転自在に設けることができる。したがって、砥石ヘッド4が往復揺動運動をしても、第1および第2リンクアーム15、16が本体ケーシング2に干渉するおそれがなくなる。また、第1および第2リンクアーム15、16の形状も直線状の簡単な構成にすることが可能になる。
【0091】
なお、本実施形態では、互いに直交するベベルギア12、14を有する動力伝達機構11を例に挙げて説明しているが、直交した2本の回転軸の間で回転駆動力を伝達できる機構であれば種々の態様を採用することが可能である。例えば、フェースギアなどを用いて互いに直交する連結軸3とリンク駆動軸13との間の動力伝達を行ってもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、複合加工機Mの垂直方向に延びる回転主軸Rに対して、超仕上げユニット1が装着された例が示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、複合加工機の回転主軸が水平方向に延びている場合でも、本発明の超仕上げユニットを装着することが可能である。この場合、ベベルギア等を有する動力伝達機構は不要になる。
【符号の説明】
【0093】
1 超仕上げユニット
2 本体ケーシング
2a 上端開口
2b 台座部
3 連結軸
4 砥石ヘッド
5 リンク機構
6 磨耗量検知センサ
7 電気接続部
8 エアシリンダ(ガスシリンダ)
9 エアカプラ(ガス継手)
11 動力伝達機構
12 駆動側ベベルギア(駆動側伝達部材)
13 リンク駆動軸(従動軸)
14 従動側ベベルギア(従動側伝達部材)
15 第1リンクアーム
16 第2リンクアーム
17 第1連結アーム
18 第2連結アーム
19 駆動アーム
20 ボールベアリング
21 ホース
22 接続線
24 ローラベアリング
25 長孔
E 電気配線
G エア供給路
M 複合加工機
R 回転主軸
S 砥石
W1、W2 ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケーシングと、
前記本体ケーシングに回転自在に取り付けられ、複合加工機の回転主軸に同軸上に着脱自在に連結される連結軸と、
ワークを研削する砥石を有する砥石ヘッドと、
前記本体ケーシングと前記砥石ヘッドとの間を連結し、前記回転主軸の往復回転駆動による駆動力を前記連結軸を介して受けることにより、前記砥石ヘッドを往復揺動運動させるリンク機構と、
を備えていることを特徴とする超仕上げユニット。
【請求項2】
前記砥石ヘッドに取り付けられた、前記砥石の磨耗量を検知する磨耗量検知センサと、
前記連結軸が前記回転主軸に連結されたときに、前記磨耗量検知センサと前記複合加工機の電気配線との間を電気的に接続する電気接続部と
をさらに備えている、
請求項1に記載の超仕上げユニット。
【請求項3】
前記砥石ヘッドは、ガスの圧力を用いて前記砥石を前記ワークへ向けて押圧するガスシリンダを有しており、
前記連結軸が前記回転主軸に連結されたときに、前記砥石ヘッドのガスシリンダと前記複合加工機のガス供給路との間を連通させるガス継手をさらに備えている、
請求項1または2に記載の超仕上げユニット。
【請求項4】
前記ガス継手は、前記本体ケーシングにおける前記連結軸から当該連結軸の半径方向へ離れた位置に設けられている、
請求項3に記載の超仕上げユニット。
【請求項5】
前記連結軸は、垂直方向に延びる前記回転主軸の下端に同軸上に連結されており、
前記連結軸に伝達された垂直軸回りの回転駆動を水平軸回りの回転駆動に変換して水平方向に延びる従動軸から出力する動力伝達機構をさらに備えており、
前記リンク機構は、前記動力伝達機構の従動軸を介して水平軸回りの回転駆動力を受けることにより、前記砥石ヘッドを上下方向に往復揺動運動させる、
請求項1から4のいずれかに記載の超仕上げユニット。
【請求項6】
前記リンク機構は、前記本体ケーシングに対して回転自在に設けられる第1連結アームと、
前記第1連結アームと平行に延び、前記本体ケーシングに対して回転自在に設けられる第2連結アームと、
前記第1連結アームおよび前記第2連結アームに回転自在に連結されて、そこから下方に延びる部位を有し、下端部が前記砥石ヘッドに回転自在に連結される第1リンクアームと、
前記第1リンクアームよりも前記本体ケーシングから離れた位置に配置され、前記第1連結アームおよび前記第2連結アームの少なくとも一方に回転自在に連結されて、そこから下方に延びる部位を有し、下端部が前記砥石ヘッドに回転自在に連結される第2リンクアームと、
一方の支点が前記動力伝達機構の従動軸に固定され、他方の支点が前記第1連結アーム、第2連結アーム、第1リンクアームまたは第2リンクアームのいずれか1つに回転自在に連結された駆動アームと
を有している、
請求項5に記載の超仕上げユニット。
【請求項7】
前記第1連結アームおよび前記第2連結アームにおける前記本体ケーシングと回転自在に結合する支点は、前記従動軸と同じ高さまたはそれ以上の高さに位置している、
請求項6に記載の超仕上げユニット。
【請求項8】
前記第1リンクアームおよび第2リンクアームは、前記本体ケーシングから前記連結軸の半径方向へ離れた位置に設けられている、
請求項6に記載の超仕上げユニット。
【請求項9】
前記動力伝達機構は、前記連結軸に同軸上に固定された駆動側伝達部材と、前記従動軸に同軸上に固定され、かつ、前記駆動側伝達部材を介して前記回転主軸からの駆動力を受ける従動側伝達部材とを有しており、
前記第1連結アームおよび前記第2連結アームにおける前記本体ケーシング側と回転自在に結合する支点は、水平方向において前記動力伝達機構の従動軸の両端部よりも内側に配置されている、
請求項6に記載の超仕上げユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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