説明

超伝導マグネットシステム

【課題】超伝導マグネット向けの安定したクエンチ保護回路を提供すること。
【解決手段】超伝導マグネットシステムは、コイル支持構造と、超伝導コイルと、電気伝導性かつ熱伝導性の巻き線と、を含む。この超伝導コイル及び伝導巻き線はコイル支持構造によって支持されている。各伝導巻き線は対応する超伝導コイルと電磁気的に結合されている。各伝導巻き線は電気的に短絡されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
多くの用途において比較的大きなエネルギーを有する超伝導マグネットシステムが目下使用されている。例えば、現在臨床環境における医用撮像のためにルーチンで多数使用されている磁気共鳴撮像(MRI)システムに関しては、10Mジュールまでのエネルギーを蓄積する超伝導マグネットシステムが構築されている。こうしたMRIシステムの一部分に、均一な磁場を発生させるための超伝導マグネットシステムがある。
【背景技術】
【0002】
超伝導マグネットは、マグネット自体の内部にある外乱のためあるいはマグネットの外の原因のためにマグネットの巻き線領域の温度がかなり急激に上昇する可能性があるという点で本質的に不安定となる傾向がある。こうした温度上昇によって当該巻き線領域にクエンチが生じる、すなわち超伝導巻き線が本来的にゼロ抵抗であるその超伝導状態から常伝導状態に進む。こうした領域が非常に急激に高温になるとき、マグネット内部の蓄積エネルギーはその限られた常伝導領域内に急速に放散される傾向があり、またマグネットを激しく損傷させることがあり、ある種のケースでは巻き線内の超伝導ワイヤの事実上の融解を生じさせることさえあり得る。
【0003】
したがって、こうした不安定状態のケースにおいて蓄積エネルギーの安全な放散を保証するために巻き線(並びに、マグネットと連結して用いられる永続モードスイッチの巻き線)に対する保護の提供が必要である。さらにこのシステムの磁場は、マグネット自体の誤動作以外の理由で解放しなければならないこともある。例えば強い磁場領域内に強磁性物質が偶然引き入れられた場合、磁場の解放が望ましいことがある。
【0004】
したがってマグネットの保護及び解放は、巻き線自体の上と対応する永続モードスイッチ(超伝導スイッチとも呼ぶ)の上の両方に配置させたヒータを用いることによって達成させることが多い。マグネットの具体的なある巻き線または巻き線領域に不安定状態が起こると、これらの上に用いているヒータのすべてを動作状態にするように制御し、マグネットのこれ以外の領域すべてをクエンチさせることが可能である(すなわち、蓄積エネルギーの放散は、最初にクエンチが発生した当該巻き線領域のみで起こるだけでなくマグネット全体にわたって放散され、またこれにより当該巻き線領域に対する損傷を防止することが可能である。しかしヒータを用いたクエンチ保護回路はあまり安定でないことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これら及びその他の理由から、本発明の実施形態が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
超伝導マグネットシステムを提供する。本超伝導マグネットシステムは、コイル支持構造と、超伝導コイルと、電気伝導性かつ熱伝導性の巻き線と、を含む。超伝導コイルと伝導巻き線はコイル支持構造によって支持されている。各伝導巻き線は、対応する超伝導コイルと電磁気的に結合されている。各伝導巻き線は、電気的に短絡されている。
【0007】
本発明の実施形態に関するこれらの特徴及び態様、並びにその他の特徴及び態様については、同じ参照符号が図面全体を通じて同じ部分を表している添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことによってより理解が深まるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一実施形態による超伝導マグネットシステムの垂直中心線に沿って切って見た断面概要図である。
【図2】図1の超伝導マグネットシステムに関する第1の実施形態に従った超伝導コイルと電気伝導性かつ熱伝導性の巻き線とに関する概要回路図である。
【図3】図1の超伝導マグネットシステムに関する第2の実施形態に従った超伝導コイルと電気伝導性かつ熱伝導性の巻き線とに関する概要回路図である。
【図4】図1の超伝導マグネットシステムに関する第3の実施形態に従った超伝導コイルと電気伝導性かつ熱伝導性の巻き線とに関する概要回路図である。
【図5】別の実施形態による超伝導マグネットシステムの垂直中心線に沿って切って見た断面概要図である。
【図6】別の実施形態による超伝導マグネットシステムの垂直中心線に沿って切って見た断面概要図である。
【図7】図6の超伝導マグネットシステムを線A−Aに沿って切って見た断面概要図である。
【図8】別の実施形態による超伝導マグネットシステムの垂直中心線に沿って切って見た断面概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態は、コイル支持構造と、超伝導コイルと、電気伝導性かつ熱伝導性の巻き線と、を含んだ超伝導マグネットシステムに関する。この超伝導コイル及び伝導巻き線はコイル支持構造によって支持されている。各伝導巻き線は対応する超伝導コイルと電磁気的に結合されている。各伝導巻き線は電気的に短絡されている。
【0010】
本明細書で使用している技術用語や科学用語は、特に別の規定を述べていない場合、本発明の属する技術分野の当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で使用する場合「第1の」、「第2の」その他の用語は、順序、数量または重要性を示すものではなく、むしろある要素を別の要素と区別するために使用したものである。さらに「a」や「an」の語も数量の限定を示すものではなく、むしろ対象の項目が少なくとも1つ存在することを示したものであると共に、「前部」、「後部」、「底部」及び/または「上部」などの用語は(特に、別の指摘がない場合)単に記述の便宜上使用したものであり、ある任意の位置や空間的向きを限定するものではない。さらに、「結合され」及び「接続され」という用語は、2つの構成要素間の直接的な結合/接続と間接的な結合/接続を区別するように意図していない。そうではなく、特に別の指定がない限りこうした構成要素は直接的にも間接的にも結合/接続させることができる。
【0011】
図1を見ると、一実施形態による超伝導マグネットシステム10は、中央磁場領域11を形成するドーナツ形状真空容器12と、真空容器12の内部において同軸性のドーナツ形状熱シールド14と、熱シールド14の内部において同軸性のドーナツ形状冷媒容器16と、を含む。図1に示した実施形態では、冷媒容器16の底壁162上に複数の超伝導コイル18を巻き付けている。すなわち、底壁162は超伝導コイル18を支持するためのコイル支持構造の役割をする。別の実施形態では、これより後の段落に記載するような金属巻き型や金属バーなどの別の種類のコイル支持構造上に超伝導コイル18を巻き付けることが可能である。
【0012】
図1に示した実施形態では真空容器12は、超伝導コイル18を冷却するように熱シールド14及び冷媒容器16と連絡している冷却機122を含むことがある。例えば冷媒容器16は、約4.2ケルビン(K)まで冷却される。冷媒容器16と熱シールド14の間の空間は約40〜50Kまで冷却される。真空容器12はまた、超伝導コイル18やその他の電気部品に対する外部電力の電気的結合に用いられる複数の電力導線124を有する連絡用ポートを提供しているサービスポート123を含む。別の実施形態では、超伝導コイル18の浴式冷却に用いられる冷媒容器16を除去することが可能であり、これに代えて超伝導コイル18を動作用極低温まで冷却するために熱サイフォン冷却パイプ(図示せず)や別の種類の指向伝導性の冷却手段を設けることがある。
【0013】
超伝導マグネットシステム10はさらに、冷却用チューブ(図示せず)、液体貯蔵庫(図示せず)、幾つかの追加の回路(図示せず)、その他など従来のテクノロジーによる別の要素(したがって、図を簡略とするため本明細書では説明や図示をしない)を含むことがある。一実施形態ではその超伝導マグネットシステム10は、低温の超伝導体を備える巻き線や超伝導コイルの据え付けによって低温度の超伝導マグネットシステムとなる。別の実施形態ではその超伝導マグネットシステム10はまた、高温の超伝導体を有する超伝導コイルの巻き付けや据え付けによって高温度の超伝導マグネットシステムとすることが可能である。超伝導マグネットシステム10は磁気共鳴撮像(MRI)システムその他の中で用いられるような適当な多くの磁場において用いることが可能である。
【0014】
図1に示した実施形態では、超伝導マグネットシステム10はさらに、複数の電気伝導性かつ熱伝導性の巻き線19を含む。各伝導巻き線19は同軸性に巻き付けられると共に、対応する超伝導コイル18と物理的に接触している。一実施形態では、その電気伝導性かつ熱伝導性の巻き線19の材料は例えば銅である。別の実施形態ではその伝導巻き線19の材料は電気伝導性かつ熱伝導性の適当な任意の材料とすることが可能である。一実施形態では各伝導巻き線19は、製造を容易にするために対応する超伝導コイル18上で2層となるように巻き付けられまたは据え付けられている。別の実施形態では各伝導巻き線19はまた、別の要件に従って1層であるいは3層以上となるように巻き付けまたは据え付けることが可能である。
【0015】
図2を見ると、超伝導マグネットシステム10の超伝導コイル18及び伝導巻き線19に関する概要回路図を示している。超伝導コイル18は直列に接続されている。電流注入導線125(電力導線124から分配される)を設けており、これを超伝導コイル18の直列接続の2つの端子AとBにそれぞれ結合させている。超伝導コイル18の端子A及びBはそれぞれ、主超伝導スイッチ17の2つの端子に結合させている。複数のヒータ15(図1では図示せず)を設けており、これをそれぞれ超伝導コイル18と物理的に接触させると共に、これを用いて超伝導コイルのうちの1つまたは幾つかのクエンチの際にコイルを加熱している。
【0016】
図2に示した実施形態では各伝導巻き線19は、閉ループの形で(恐らくは、例えばそのインレット及びアウトレット導線の位置におけるクランプまたははんだ付けによって)電気的に短絡されている。超伝導コイル18のうちの1つまたは幾つかがクエンチしたとき、伝導巻き線19とリンクされた磁場フラックスは対応して変化する。一方で、クエンチした超伝導コイル18が損傷するのを防止するために超伝導コイル18のすべてを加熱するようにヒータ15がトリガを受ける。しかしこのヒータ保護回路は安定的でなくまた十分でないことがある。そのためもう一方で、各伝導巻き線19を対応する超伝導コイル18と電磁気的に結合させているために、伝導巻き線19とリンクされた磁場フラックスが変化し、電気伝導性の巻き線19によってその内部にうず電流が誘導され、これによりクエンチした超伝導コイル18からの電流をシャントしクエンチした超伝導コイル18のクエンチ始動のホットスポット位置でのジュール加熱の負担を共有することが可能である。一方、熱伝導性巻き線19が超伝導コイル18に物理的に接触しておりかつ伝導巻き線19内のうず電流サイクル間における自己加熱によってジュール熱が発生するため、このジュール熱を超伝導コイル18まで伝導させて戻し、これにより超伝導コイル18内のクエンチ伝播過程を加速させることが可能となる。したがって伝導巻き線19は、クエンチ過程の間における超伝導コイル18内部のピーク温度及び荷重応力を低減することが可能であり、さらにまた電磁カプリング及び熱伝導によって別の超伝導コイル18を迅速にクエンチさせることも可能となる。さらに超伝導マグネットシステム10のクエンチは回路構成ではなく物理的構成によって保護されており、したがってこのことが本クエンチ保護をより安定なものにしている。別の実施形態では、電気伝導性かつ熱伝導性の巻き線19によりクエンチ過程の間に適正な動作性能を実現することが可能であれば、ヒータ15は除去することが可能である。
【0017】
図3に示した実施形態では、伝導巻き線19は副次的超伝導スイッチ13によって互いに直列に電気接続されている。伝導巻き線19は、銅対超伝導体の比(Cu/Sc)が高い(例えば、3より大きい)超伝導体材料で巻かれている。超伝導マグネットシステム10は例えばMRIシステムで用いられることがある。一方で、通常動作時に副次的超伝導スイッチ13は閉じられると共に、主超伝導スイッチ17に対する制御と同様にヒータ(図示せず)によって制御を受けることがある。したがって副次的超伝導スイッチ13を備えた伝導巻き線19によって、MRIの超伝導マグネットシステム10向けの移動金属補償回路またはドリフト補償回路が形成され、これによりMRIにより均一な磁場を供給することが可能となる。超伝導コイル18のうちの1つまたは幾つかがクエンチしたとき、伝導巻き線19によってクエンチ保護を提供することが可能である(これについては以下の段落で説明することにする)。
【0018】
図4に示した実施形態では、伝導巻き線19のうちの4つが副次的超伝導スイッチ13によって互いに直列に電気接続されていると共に、高Cu/Sc比の超伝導体材料によって巻かれている。これ以外の2つの伝導巻き線19の各々は閉ループの形で電気的に短絡されると共に、例えば銅から製作されている。したがってこの高Cu/Sc比の4つの超伝導材料巻き線19は図3に示した伝導巻き線19と同じ機能を有しており、また残りの2つの銅材料伝導巻き線19は図2に示した伝導巻き線19と同じ機能を有している。図2〜4には伝導巻き線19間の接続構成に関する限定された実施形態を示しているのみであり、別の実施形態では伝導巻き線19間の接続構成を様々な要件に従って変更することが可能である。
【0019】
図5に示した実施形態では、図1に示した実施形態に対して金属巻き型(心棒(mandrel)とも呼ぶ)20を設けている。金属巻き型22は円筒形状であると共に、冷媒容器16内に同軸性に配列させている。各超伝導コイル18は対応する伝導巻き線19の内表面上に据え付けられている。対応する超伝導コイル18を伴う各伝導巻き線19は、冷媒容器16の底壁162以外のコイル支持構造としての金属巻き型22の内表面210上に据え付けられている。各伝導巻き線19の外表面と内表面はそれぞれ、金属巻き型22の内表面210と対応する超伝導コイル18とに物理的に接触している。一方で金属巻き型22は、構造を確実に堅固にするように伝導巻き線19と超伝導コイル18をコイル支持構造として支持している。他方、金属巻き型22は熱伝導性巻き線19と物理的に接触しているため、金属巻き型22はクエンチ過程の間において熱伝導性巻き線19が熱を超伝導コイル18まで迅速に伝導して戻すのを支援することが可能であり、これにより超伝導コイル18の間でのクエンチ伝播過程をさらに加速させることが可能となる。さらに、図5に示した伝導巻き線19は、図1に関して言及した伝導巻き線19と同じ機能を有する。一実施形態では、金属巻き型22の材料はアルミニウムである。
【0020】
図6及び7に示した実施形態では、図1に示した実施形態に対して複数の金属バー21を設けている。金属バー21は冷媒容器16内でかつ冷媒容器16の底壁162とアキシャル方向で平行に配列させている。一実施形態では、金属バー21の数は8本から12本であり、また冷媒容器16内で1つの円に沿って一様に配列させている。各金属バー21は伝導巻き線19及び超伝導コイル18に対応する複数のスロット212を画定している。各超伝導コイル18は、対応する伝導巻き線19の内表面上に据え付けられている。対応する伝導巻き線19を伴う各超伝導コイル18は、冷媒容器16の底壁162以外のコイル支持構造としての金属バー21の対応するスロット212内に据え付けられている。伝導巻き線19はそれぞれ、スロット212の表面と超伝導コイル18とに物理的に接触している。一方で、金属バー21は、構造を確実に堅固にするようにコイル支持構造として伝導巻き線19及び超伝導コイル18を支持している。他方、金属バー21は熱伝導性巻き線19と物理的に接触しているため、金属バー21はクエンチ過程の間において熱伝導性巻き線19が熱を超伝導コイル18間でアキシャル方向に迅速に伝導するのを支援することが可能であり、これにより様々な超伝導コイル18の間でのクエンチ伝播過程をさらに加速させることが可能となる。さらに、図6及び7に示した伝導巻き線19は、図1の実施形態に関して言及した伝導巻き線19と同じ機能を有する。一実施形態では、金属バー21はアルミニウムから製作されている。別の実施形態では、金属バー21は適当な任意の金属材料から製作することが可能である。
【0021】
図8に示した実施形態では、図1に示した実施形態に対して金属巻き型22を設けている。金属巻き型22は円筒形状であると共に、冷媒容器16内に同軸性に配列されている。金属巻き型22はその外部表面内に複数の平行な円形スロット222を画定している。伝導巻き線19はそれぞれ、金属巻き型22のスロット222内に据え付けられており、また超伝導巻き線18は冷媒容器16の底壁162以外のコイル支持構造としての金属巻き型22の内部表面上に据え付けられている。各伝導巻き線19は対応するスロット222の内表面と物理的に接触している。一方で、金属巻き型22は、構造を確実に堅固にするようにコイル支持構造として伝導巻き線19及び超伝導コイル18を支持している。他方で、金属巻き型22は熱伝導性巻き線19と物理的に接触しているため、金属巻き型22はクエンチ過程の間において熱伝導性巻き線19が熱を超伝導コイル18まで迅速に伝導して戻すのを支援することが可能であり、これにより超伝導コイル18内でクエンチ伝播過程をさらに加速させることが可能となる。さらに、図8に示した伝導巻き線19は図1に関して言及した伝導巻き線19と同じ機能を有する。別の実施形態では、冷媒容器16を省略する場合に、超伝導コイル18を冷却するために金属巻き型22、金属バー21または金属巻き型22に対して幾つかの冷却用パイプ(図示せず)を設けてこれに接触させることがある。
【0022】
本発明に関して例示的な実施形態を参照しながら記載してきたが、本発明の趣旨を逸脱することなく様々な変更が可能であると共に、その要素の等価物による置換が可能であることは当業者であれば理解するであろう。さらに、多くの修正形態により、本発明の本質的趣旨を逸脱することなく具体的な状況や材料を本発明の教示に適応させることができる。したがって、本発明を実施するように企図した最適モードとして開示した特定の実施形態に本発明を限定しようという意図ではなく、本発明は添付の特許請求の範囲の域内に入るすべての実施形態を包含するように意図している。
【符号の説明】
【0023】
10 超伝導マグネットシステム
11 中央磁場領域
12 真空容器
13 副次的超伝導スイッチ
14 熱シールド
15 ヒータ
16 冷媒容器
18 超伝導コイル
19 巻き線
20 金属巻き型
21 金属バー
22 金属巻き型
122 冷却機
123 サービスポート
124 電力導線
162 底壁
210 金属巻き型の内表面
212 スロット
222 円形スロット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイル支持構造と、
コイル支持構造によって支持された超伝導コイルと、
コイル支持構造によって支持された電気伝導性かつ熱伝導性の巻き線と、を備える超伝導マグネットシステムであって、
各伝導巻き線は対応する超伝導コイルと電磁気的に結合されており、各伝導巻き線は電気的に短絡されている、超伝導マグネットシステム。
【請求項2】
各伝導巻き線は、コイル支持構造と対応する超伝導コイルのうちの一方と物理的に接触するか、あるいはコイル支持構造と対応する超伝導コイルの両方と物理的に接触している、請求項1に記載の超伝導マグネットシステム。
【請求項3】
さらに、コイル支持構造として冷媒容器を備えており、
超伝導コイルは該冷媒容器の底壁上に巻き付けられており、かつ各伝導巻き線は対応する超伝導コイル上に巻き付けられている、請求項1に記載の超伝導マグネットシステム。
【請求項4】
前記冷媒容器はドーナツ形状をしている、請求項3に記載の超伝導マグネットシステム。
【請求項5】
熱シールドと、
熱シールド内に同軸性に配列されたコイル支持構造とした巻き型と、をさらに備えると共に、
前記伝導巻き線は前記巻き型の内表面上に据え付けられており、かつ各超伝導コイルは対応する伝導巻き線の内表面上に据え付けられている、請求項1に記載の超伝導マグネットシステム。
【請求項6】
前記熱シールドはドーナツ形状であり、前記巻き型は円筒形状である、請求項5に記載の超伝導マグネットシステム。
【請求項7】
前記巻き型は金属材料から製作されている、請求項5に記載の超伝導マグネットシステム。
【請求項8】
前記金属材料はアルミニウムである、請求項7に記載の超伝導マグネットシステム。
【請求項9】
熱シールドと、
その各々が複数のスロットを画定しているような、熱シールド内に配列されると共に熱シールドの底壁とアキシャル方向で平行なコイル支持構造としての金属バーと、をさらに備えると共に
前記伝導巻き線は前記金属バーのスロット上にそれぞれ据え付けられており、かつ各超伝導コイルは対応する伝導巻き線の内表面上に据え付けられている、請求項1に記載の超伝導マグネットシステム。
【請求項10】
前記熱シールドはドーナツ形状である、請求項9に記載の超伝導マグネットシステム。
【請求項11】
前記金属バーはアルミニウムから製作されている、請求項9に記載の超伝導マグネットシステム。
【請求項12】
熱シールドと、
熱シールド内に同軸性に配列されると共にその外部表面内に複数の平行な円形スロットを画定しているコイル支持構造としての巻き型と、をさらに備えており、
前記伝導巻き線は前記巻き型のスロット内にそれぞれ据え付けられており、かつ前記超伝導コイルは伝導巻き線に対応する巻き型の内表面上に据え付けられている、請求項1に記載の超伝導マグネットシステム。
【請求項13】
前記熱シールドはドーナツ形状であり、前記巻き型は円筒形状である、請求項12に記載の超伝導マグネットシステム。
【請求項14】
前記巻き型は金属から製作されている、請求項12に記載の超伝導マグネットシステム。
【請求項15】
前記金属はアルミニウムである、請求項14に記載の超伝導マグネットシステム。
【請求項16】
前記電気伝導性かつ熱伝導性の巻き線は銅ワイヤで巻かれている、請求項1に記載の超伝導マグネットシステム。
【請求項17】
コイル支持構造と、
コイル支持構造によって支持された超伝導コイルと、
コイル支持構造によって支持された電気伝導性かつ熱伝導性の巻き線と、を備える超伝導マグネットシステムであって、
各伝導巻き線は対応する超伝導コイルと電磁気的に結合されており、伝導巻き線のうちの少なくとも2つは超伝導スイッチによって互いに直列に電気接続されており、それ以外の伝導巻き線の各々は電気的に短絡されている、超伝導マグネットシステム。
【請求項18】
各伝導巻き線は、コイル支持構造と対応する超伝導コイルのうちの一方と物理的に接触しているか、あるいはコイル支持構造と対応する超伝導コイルの両方と物理的に接触している、請求項17に記載の超伝導マグネットシステム。
【請求項19】
伝導巻き線のうちの前記少なくとも2つが超伝導体材料によって巻かれており、これ以外の伝導巻き線が銅ワイヤで巻かれている、請求項18に記載の超伝導マグネットシステム。
【請求項20】
前記超伝導体材料の銅対超伝導体の比は3より大きい、請求項19に記載の超伝導マグネットシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−31658(P2013−31658A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−166500(P2012−166500)
【出願日】平成24年7月27日(2012.7.27)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】