説明

超伝導三端子素子及びその製造方法

【課題】カーボンナノチューブを用いた超伝導三端子素子がより容易に製造できるようにする。
【解決手段】シリコンからなる基板101の上に所定の間隔をあけて設けられたコバルト珪化物から構成された超伝導ソース電極102a及び超伝導ドレイン電極102bと、これらの間に架橋するように形成されたカーボンナノチューブ103と、この上に配置されたゲート電極105とにより、超伝導三端子素子を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、量子コンピュータなどに用いられる超伝導三端子素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気的,磁気的に特異な特性を備えた超伝導素子は、高速かつ低消費電力で動作し、エレクトロニクス分野においては有用な素子である。特に、超伝導電流をゲート電圧で制御する超伝導三端子素子は、量子コンピュータへの応用が研究されている。
超伝導三端子素子としては、カーボンナノチューブを用いたジョセフソン接合電界効果トランジスタ(JOFET)が提案されている(非特許文献1参照)。例えば、径(幅)が23nm程度の束にした単層カーボンナノチューブに、2.5μAの最大超伝導臨界電流Icが流れることが確認されており(非特許文献2参照)、JOFETへの応用が期待されている。
【0003】
上述したJOFETは、図5に示すように、シリコン基板501の上に酸化シリコンからなる絶縁層502を介して配置されたカーボンナノチューブ504を備え、カーボンナノチューブ504の両端が、超伝導ソース電極505,超伝導ドレイン電極506に接続され、シリコン基板501の裏面にゲート電極となる電極層507を備えたものである。カーボンナノチューブ504は、触媒金属部503a,503bの間に、よく知られたCCVD(触媒化学蒸着)法により形成されたものである。
【0004】
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【非特許文献1】A.F.Morpurgo, J.Kong, M.Marcus, H.Dai, "Gate-Controlled Superconducting Proximity Effect in Carbon Nanotubes" Science, vol.286, pp.263-265,8 October 1999.
【非特許文献2】A.Yu. Kasumov,R.Deblock, M.Kociak, B.Reulet, H.Bouchiat, I.I.Khodos, Yu.B.Gorbatov, V.T.Volkov, C.Journet, and M.Burghard, "Supercurrents Through Single-Walled Carbon Nanotubes" Science, vol.284, pp.1508-1511, 28 May 1999.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した超伝導三端子素子では、カーボンナノチューブ504を2つの触媒金属部503a,503bの間に架橋させるために、2つの触媒金属部503a,503bの間隔は2μm以下にする必要がある。一方で、各々が接触しない状態で、超伝導ソース電極505及び超伝導ドレイン電極506を、カーボンナノチューブ504に接続させる必要がある。
従って、非常に狭い間隔内で、各々が接触しない状態に、超伝導ソース電極505及び超伝導ドレイン電極506を形成することになる。
【0006】
このため、従来では、製造における寸法の余裕が非常に少なく、超伝導ソース電極505及び超伝導ドレイン電極506の形成には、レーザ干渉計を用いた電子ビーム露光装置を用いるなど、高い位置精度や寸法精度が要求されていた。
このように、従来では、カーボンナノチューブを用いた超伝導三端子素子の製造が容易ではないという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、カーボンナノチューブを用いた超伝導三端子素子がより容易に製造できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る超伝導三端子素子は、基板の上に所定の間隔をあけて配置されたコバルト珪化物からなる超伝導ソース電極及び超伝導ドレイン電極と、超伝導ソース電極及び超伝導ドレイン電極の間に架橋して形成されたカーボンナノチューブと、カーボンナノチューブに所定の間隔をあけて設けられたゲート電極とを備えるようにしたものである。
従って、カーボンナノチューブが架橋する間隔と超伝導ソース電極及び超伝導ドレイン電極の間隔とが、ほぼ等しい状態となっている。
【0008】
上記超伝導三端子素子において、ゲート電極は、ゲート絶縁膜を挾むことでカーボンナノチューブに所定の間隔をあけて設けられていればよい。また、ゲート電極は、基板の平面方向にカーボンナノチューブに所定の間隔をあけて設けられていてもよい。
上記超伝導三端子素子において、超伝導ソース電極及び超伝導ドレイン電極は、基板の上に絶縁層を介して形成されていてもよい。
【0009】
また、本発明に係る超伝導三端子素子の製造方法方法は、まず、基板の上に、所定の間隔をあけて対向配置したコバルトからなる2つのコバルトパターンを、下層にシリコン層を備えてこのシリコン層に接した状態で形成された状態とし、次に、コバルトパターンを触媒とした化学的気相成長法により、2つのコバルトパターンの間に架橋するカーボンナノチューブが形成された状態とし、次に、所定温度以上に加熱することでシリコン層とコバルトパターンとを固相により反応させて2つのコバルトパターンをシリサイド化し、コバルト珪化物からなる超伝導ソース電極及び超伝導ドレイン電極が形成された状態とし、この後、カーボンナノチューブに所定の間隔をあけて配置されたゲート電極が形成された状態とするようにしたものである。
従って、超伝導ソース電極及び超伝導ドレイン電極の間隔が、カーボンナノチューブが架橋する間隔にほぼ等しい状態に形成される。
【0010】
上記超伝導三端子素子の製造方法において、シリコンからなる基板に接して2つのコバルトパターン基板を形成することで、所定の間隔をあけて対向配置したコバルトからなる2つのコバルトパターンを、下層にシリコン層を備えてこのシリコン層に接した状態で形成された状態とすることができる。また、基板の上に所定の間隔をあけて対向配置した2つのシリコンパターンを形成し、2つのシリコンパターンの上に各々接して2つのコバルトパターンを形成することで、所定の間隔をあけて対向配置したコバルトからなる2つのコバルトパターンを、下層にシリコン層を備えてこのシリコン層に接した状態で形成された状態としてもよい。この場合、シリコンパターンは、基板の上に絶縁層を介して形成してもよい。
【0011】
上記記載の超伝導三端子素子の製造方法において、カーボンナノチューブにゲート絶縁膜を形成する工程を備え、ゲート電極をゲート絶縁膜の上に形成することで、カーボンナノチューブに所定の間隔をあけて配置されたゲート電極が形成された状態とすればよい。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、コバルト珪化物から超伝導ソース電極及び超伝導ドレイン電極を構成したので、超伝導ソース電極及び超伝導ドレイン電極の間隔は、カーボンナノチューブが架橋する間隔にほぼ等しい状態に形成すればよく、カーボンナノチューブを用いた超伝導三端子素子がより容易に製造できるようになるという優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態における超伝導三端子素子の構成例を示す断面図(a)及び平面図(b)である。図1に示す超伝導三端子素子は、例えばシリコンからなる基板101と、基板101の上に所定の間隔をあけて設けられたコバルト珪化物から構成された超伝導ソース電極102a及び超伝導ドレイン電極102bと、超伝導ソース電極102a及び超伝導ドレイン電極102bの間に架橋するように形成されたカーボンナノチューブ103とを備える。
【0014】
また、図1に示す超伝導三端子素子は、カーボンナノチューブ103の上に、ゲート絶縁膜104を介してゲート電極105を備える。ゲート絶縁膜104は、例えば酸化シリコンや窒化シリコンから構成すればよい。ゲート電極105は、例えば、チタンからなる下層と金からなる上層を備えた金属の積層構造とすればよい。
図1に示す超伝導三端子素子では、ゲート電極105に電圧をかけることでカーボンナノチューブ103における超伝導電流のキャリアの濃度を変化させ、カーボンナノチューブ103を流れる超伝導電流を制御する。
【0015】
図1に示す超伝導三端子素子は、超伝導ソース電極102a及び超伝導ドレイン電極102bをコバルトから構成しておき、これらの間にカーボンナノチューブ103を形成し、この後、コバルトをシリサイド化してコバルト珪化物とすることで製造できる。従って、図1に示す超伝導三端子素子では、カーボンナノチューブ103を形成するためには、超伝導ソース電極102a及び超伝導ドレイン電極102bの間隔が2μm程度に形成されていればよいため、あまり高い寸法精度を必要とせずに、容易に製造可能である。
【0016】
なお、コバルト珪化物は、膜厚が10nm以上で超伝導臨界温度1K程度の超伝導体となる(P.A.Badoz, A.Briggs, E.Rosencher, F.Aenaud d'Avitaya, C.d'Anterroches, "Low-temperature transport properties of ultrathin CoSi2 epitaxial films" Appl.Phys.Lett. Vol.51 (3), pp.169-171, 20 July 1987.)。
【0017】
以下、図1に示す超伝導三端子素子の製造方法例についてより詳細に説明する。
まず、基板101の上に、超伝導ソース電極102a及び超伝導ドレイン電極102bを形成する領域に開口部を備えたマスクパターンを形成し、ついで、真空蒸着法もしくはスパッタ法により、コバルトを堆積してコバルト膜を形成する。この後、上記マスクパターンを除去し、マスクパターン上のコバルト膜を除去することで図2(a)に示すように、基板101の上に所定の間隔をあけて対向配置するコバルトパターン112a及びコバルトパターン112bが形成された状態とする。
【0018】
次に、基板101を所定の熱CVD装置の成膜室内に搬入して固定し、成膜室内部を所定の圧力にまで減圧して排気をした後、成膜室内にArなどの不活性ガスを導入してパージする。この後、基板101を800℃程度に加熱し、メタンガスを所定の流速で基板101の上を流通させた状態とし、コバルトパターン112a及びコバルトパターン112bの表面がメタンガスに晒された状態とする。このことにより、図2(b)に示すように、コバルトパターン112a及びコバルトパターン112bの間にカーボンナノチューブを成長させ、カーボンナノチューブ103が形成された状態とする。
【0019】
メタンを原料ガスとした化学的気相成長(CVD)法を用いると、800℃の温度条件で2μm程度の間隔で配置された2つのコバルトパターン間に、架橋するように炭層のカーボンナノチューブが形成されることが確認されている。また、コバルトとシリコンとの間の固相反応によるシリサイド化は、800℃の温度条件ではほとんど進行せず、850℃以上で始まることが判明している(Y.Homma, Y.Kobayashi, T.Ogino, and T.Yamashita, "Growth of suspended carbon nanotube networks on 100-nm-scale silicon pillars" Appl.Phys.Lett., Vol.81, No.12, pp.2261-2263, 16 September 2002. )。
なお、カーボンナノチューブ103は、プラズマCVD法や熱フィラメントCVD法を用いて形成してもよい。これらの方法によれば、カーボンナノチューブ103を、800℃以下のより低温で形成できるようになる。
【0020】
以上のようにして、カーボンナノチューブ103を形成した後、上記成膜室内への原料ガスの供給を停止し、成膜室の内部にArガスを供給してパージする。引き続いて、基板101の加熱温度を850℃以上に上昇させる。これらのことにより、コバルトパターン112a及びコバルトパターン112bと基板101との間の固相反応により、コバルトパターン112a及びコバルトパターン112bをシリサイド化する。
【0021】
このように、コバルトのパターンの下にシリコンの層を用意しておくことで、加熱により容易にコバルト珪化物からなる超伝導ソース電極102a及び超伝導ドレイン電極102bが形成できる。この結果、図2(c)に示すように、カーボンナノチューブ103が、超伝導ソース電極102a及び超伝導ドレイン電極102bの間に架橋するように形成された状態が得られる。この後、基板加熱を停止して自然冷却した後、基板101を成膜室より搬出する。なお、上記シリサイド化は、他の加熱装置で行うようにしてもよい。
【0022】
以上のようにして超伝導ソース電極102a及び超伝導ドレイン電極102bを形成した後、図2(d)に示すように、カーボンナノチューブ103の上に、ゲート絶縁膜104を介してゲート電極105が形成された状態とすれば、超伝導三端子素子が得られる。 以上に説明したように、図2を用いて説明した製造方法によれば、超伝導ソース電極102a及び超伝導ドレイン電極102bは、μmオーダーの寸法制御により形成できるので、製造が容易である。
【0023】
ところで、上述では、コバルトパターンの下に用意するシリコン層としてシリコン基板を利用し、基板を構成しているシリコンとの間の固相反応によりシリサイド化を行うようにしたが、これに限るものではなく、図3に示すように、基板とは別にシリコン層を用意してシリサイド化を行うようにしてもよい。まず、基板301の上に、公知の化学的気相成長(CVD)法などによりSiO2を堆積して膜厚0.1〜0.2μm程度の絶縁層302が形成された状態とする。なお、絶縁層302は、熱酸化により形成してもよく、また、窒化シリコンから構成してもよい。
【0024】
次に、超伝導ソース電極及び超伝導ドレイン電極を形成する領域に開口部を備えたマスクパターンを絶縁層302の上に形成し、まず、公知のCVD法などによりシリコン膜を形成し、ついで、真空蒸着法もしくはスパッタ法により、コバルトコバルト膜を形成する。この後、上記マスクパターンを除去し、マスクパターン上のシリコン膜及びコバルト膜を除去することで図3(a)に示すように、基板301の上に所定の間隔をあけて対向配置するシリコンパターン303a及びシリコンパターン303bと、同様の間隔をあけて対向配置するコバルトパターン314a及びコバルトパターン314bが形成された状態とする。シリコンパターンとコバルトパターンとは、積層している。
【0025】
次に、基板301を所定の熱CVD装置の成膜室内に搬入して固定し、成膜室内部を所定の圧力にまで減圧して排気をした後、成膜室内にArなどの不活性ガスを導入してパージする。この後、基板301を800℃程度に加熱し、メタンガスを所定の流速で基板301の上を流通させた状態とし、コバルトパターン314a及びコバルトパターン314bの表面がメタンガスに晒された状態とする。このことにより、図3(b)に示すように、コバルトパターン314a及びコバルトパターン314bの間にカーボンナノチューブを成長させ、カーボンナノチューブ305が形成された状態とする。
【0026】
次に、上記成膜室内への原料ガスの供給を停止し、成膜室の内部にArガスを供給してパージする。引き続いて、基板301の加熱温度を850℃以上に上昇させる。これらのことにより、コバルトパターン314a及びコバルトパターン314bと、これらの下層のシリコンパターン303a及びシリコンパターン303bとの間の固相反応により、コバルトパターン314a及びコバルトパターン314bをシリサイド化する。
【0027】
以上のことにより、図3(c)に示すように、カーボンナノチューブ305が、超伝導ソース電極304a及び超伝導ドレイン電極304bの間に架橋するように形成された状態が得られる。
図3を用いて説明した製造方法によれば、基板301の上に絶縁層302を介して超伝導ソース電極304a及び超伝導ドレイン電極304bが形成された状態が得れる。この構成とすることで、超伝導ソース電極304a及び超伝導ドレイン電極304bと基板301との間のリークが低減できる。
【0028】
ところで、図1に示した超伝導三端子素子のゲート電極105は、図4に示すように構成してもよい。図4は、本発明の実施の形態における超伝導三端子素子の他の構成例を示す平面図である。図4に示す超伝導三端子素子は、2つのゲート電極405a,405bを所定の間隔をあけて設け、2つのゲート電極405a,405bに挾まれるようにカーボンナノチューブ103が配置されている。図4に示す超伝導三端子素子では、ゲート電極405a,405bとカーボンナノチューブ103との間の間隙が、図1に示すゲート絶縁膜104に対応している。なお、ゲート電極405a,405bは、どちらか一方が設けられていればよい。
【0029】
なお、カーボンナノチューブ103は、1本のカーボンナノチューブから構成してもよく、複数本のカーボンナノチューブの束から構成してもよい。また、カーボンナノチューブ103は、単層カーボンナノチューブであってもよく、多層カーボンナノチューブであってもよい。例えば、コバルトパターン112a及びコバルトパターン112bの寸法を制御することで、成長するカーボンナノチューブの状態を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態における超伝導三端子素子の構成例を示す断面図(a)及び平面図(b)である。
【図2】図1に示す超伝導三端子素子の製造方法例を説明する工程図である。
【図3】本発明における超伝導三端子素子の他の製造方法例を説明する工程図である。
【図4】本発明の実施の形態における超伝導三端子素子の他の構成例を示す平面図である。
【図5】従来よりある超伝導三端子素子の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0031】
101…基板、102a…超伝導ソース電極、102b…超伝導ドレイン電極、103…カーボンナノチューブ、104…ゲート絶縁膜、105…ゲート電極、112a,112b…コバルトパターン。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上に所定の間隔をあけて配置されたコバルト珪化物からなる超伝導ソース電極及び超伝導ドレイン電極と、
前記超伝導ソース電極及び前記超伝導ドレイン電極の間に架橋して形成されたカーボンナノチューブと、
前記カーボンナノチューブに所定の間隔をあけて設けられたゲート電極と
を備えることを特徴とする超伝導三端子素子。
【請求項2】
請求項1記載の超伝導三端子素子において、
前記ゲート電極は、ゲート絶縁膜を挾むことで前記カーボンナノチューブに所定の間隔をあけて設けられている
ことを特徴とする超伝導三端子素子。
【請求項3】
請求項1記載の超伝導三端子素子において、
前記ゲート電極は、前記基板の平面方向に前記カーボンナノチューブに所定の間隔をあけて設けられている
ことを特徴とする超伝導三端子素子。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の超伝導三端子素子において、
前記超伝導ソース電極及び超伝導ドレイン電極は、前記基板の上に絶縁層を介して形成されている
ことを特徴とする超伝導三端子素子。
【請求項5】
基板の上に、所定の間隔をあけて対向配置したコバルトからなる2つのコバルトパターンを、下層にシリコン層を備えてこのシリコン層に接した状態で形成された状態とする工程と、
前記コバルトパターンを触媒とした化学的気相成長法により、2つの前記コバルトパターンの間に架橋するカーボンナノチューブが形成された状態とする工程と、
所定温度以上に加熱することで前記シリコン層と前記コバルトパターンとを固相により反応させて2つの前記コバルトパターンをシリサイド化し、コバルト珪化物からなる超伝導ソース電極及び超伝導ドレイン電極が形成された状態とする工程と、
前記カーボンナノチューブに所定の間隔をあけて配置されたゲート電極が形成された状態とする工程と
を少なくとも備えることを特徴とする超伝導三端子素子の製造方法。
【請求項6】
請求項5記載の超伝導三端子素子の製造方法において、
シリコンからなる前記基板に接して2つの前記コバルトパターン基板を形成し、
所定の間隔をあけて対向配置したコバルトからなる2つのコバルトパターンを、下層にシリコン層を備えてこのシリコン層に接した状態で形成された状態とする
ことを特徴とする超伝導三端子素子の製造方法。
【請求項7】
請求項5記載の超伝導三端子素子の製造方法において、
前記基板の上に所定の間隔をあけて対向配置した2つのシリコンパターンを形成し、
2つの前記シリコンパターンの上に各々接して2つの前記コバルトパターンを形成し、
所定の間隔をあけて対向配置したコバルトからなる2つのコバルトパターンを、下層にシリコン層を備えてこのシリコン層に接した状態で形成された状態とする
ことを特徴とする超伝導三端子素子の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の超伝導三端子素子の製造方法において、
前記シリコンパターンは、前記基板の上に絶縁層を介して形成する
ことを特徴とする超伝導三端子素子の製造方法。
【請求項9】
請求項5〜8のいずれか1項に記載の超伝導三端子素子の製造方法において、
前記カーボンナノチューブにゲート絶縁膜を形成する工程を備え、
前記ゲート電極を前記ゲート絶縁膜の上に形成することで、前記カーボンナノチューブに所定の間隔をあけて配置された前記ゲート電極が形成された状態とする
ことを特徴とする超伝導三端子素子の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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