説明

超音波データを形成する超音波システムおよび方法

【課題】合成開口に依存せず、受信スキャンラインに対応する超音波データを形成する超音波システムおよび方法が開示される。
【解決手段】本発明における超音波システムは、超音波信号の送信ごとに、複数の受信チャンネルから提供されるデータを用いて複数の受信スキャンラインそれぞれに対応するスキャンラインデータを形成し、同じ位置の受信スキャンラインに対応するスキャンラインデータ同士を累算(accumulation)して累算データを形成し、送信合成の数に基づいて前記累算データを格納するための格納開始位置を設定し、前記格納開始位置を1つずつ移動させながら前記累算データを格納して前記複数の受信スキャンラインそれぞれに対応する超音波データを形成する超音波データ形成部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波システムに関し、特に、合成開口(synthetic aperture)に依存せずに超音波データを形成する超音波システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波システムは、無侵襲および非破壊特性を有しており、対象体内部の情報を得るために医療分野で広く用いられている。超音波システムは、対象体を直接切開して観察する外科手術の必要がなく、対象体の内部組織を高解像度の映像で医師に提供することができるので、医療分野で非常に重要なものとして用いられている。
【0003】
超音波システムは、複数の変換素子(transducer element)を有する超音波プローブを用いて超音波信号を対象体に送信し、対象体から反射される超音波信号(即ち、超音波エコー信号)を受信して対象体内部の状態を示す超音波映像を形成する。
【0004】
超音波映像の解像度を改善するために、アレイ(array)形態の複数の変換素子が利用される。超音波信号の送受信のために複数の変換素子が利用される場合、1つの変換素子が利用される時より超音波信号が広がることを効果的に防止することができ、超音波信号が電子的に集束されて感度を向上させることができる。
【0005】
超音波信号の集束は、送信集束と受信集束に分かれる。送信集束時には、各変換素子と集束点との間の距離差を反映して、変換素子から送信される超音波信号の送信順序を定める。これにより、1回の超音波信号の送受信(1つのスキャンライン形成)に寄与する変換素子から送信された超音波信号が、同時に一つの集束点で同じ位相に加えられることによって、送信超音波信号(即ち、超音波ビーム)の振幅が最大になる。
【0006】
一方、受信集束時には、集束点から反射される超音波信号が、各変換素子に到達された超音波信号に時間遅延を加えて同一位相を有するようにする。超音波映像の解像度を高めるためには、集束点が多くなければならないが、1枚の超音波映像を得るために同じ信号処理過程を集束点の数だけ反復しなければならないので、集束点が多くなれば、フレームレート(frame rate)が減少する。
【0007】
前述した問題を解決するために、送信集束点の数を固定させ、受信集束点の数を増加させて細かく集束する動的受信集束(receive dynamic focusing)が利用される。しかし、送信集束点の数が固定されることによって、超音波映像の解像度を向上させるのには限界がある。これを解決するために、隣接した他の送信スキャンライン(scan−lines)の送信集束信号を全て用いて、該当スキャンラインの超音波データを取得する方法が提示された。
【0008】
超音波映像の側方向解像度(lateral resolution)と信号対雑音比(signal to noise ratio、SNR)とを向上させるために、超音波信号を1回受信するのに寄与した全ての(full aperture)変換素子(チャンネル)から得られた受信信号(より正確には受信信号から得られたRF(radio frequency)データ)をビームフォーマー(beam former)に伝達し、最大フレームレート(full frame rate)でSAI(synthetic aperture imaging)(合成開口画像)を具現するのが理想的である。
【0009】
しかし、全ての変換素子から受信された受信信号を用いて最大フレームレートでSAIを行うためには、全てのスキャンラインに対応するLRI(low resolution image)(低解像度画像)が同時に形成されなければならず、各LRIを用いて予め形成されたHRI(high resolution image)(高解像度画像)を更新(update)しなければならない。従って、1回の受信に寄与した全ての変換素子の受信信号を全体スキャンラインと対応させなければならないので、ハードウェア(H/W)の構成が非常に複雑になる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−220059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、合成開口(synthetic aperture)に依存せず、受信スキャンライン(receive scanline)に該当する超音波データを形成する超音波システムおよび方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の課題を解決するために、本発明における超音波システムは、超音波信号を対象体に送信し、前記対象体から反射される超音波エコー信号を受信する超音波システムであって、該超音波システムは、複数の受信チャンネルを有し、前記超音波エコー信号に基づいて複数の受信スキャンラインを形成する超音波データ形成部を備え、該超音波データ形成部は、前記超音波信号の送信ごとに、前記複数の受信チャンネルから提供されるデータを用いて前記複数の受信スキャンラインそれぞれに対応するスキャンラインデータを形成し、同じ位置の受信スキャンラインに対応するスキャンラインデータ同士を累算(accumulation)して累算データを形成し、送信合成の数に基づいて前記累算データを格納するための格納開始位置を設定し、前記格納開始位置を1つずつ移動させながら前記累算データを格納して、前記複数の受信スキャンラインそれぞれに対応する超音波データを形成することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、超音波信号を対象体に送信し、前記対象体から反射される超音波エコー信号を受信し、複数の格納領域を有する格納部と、複数の受信チャンネルとを備え、前記超音波エコー信号に基づいて複数の受信スキャンラインを形成する超音波システムの超音波データ形成方法であって、該超音波データ形成方法は、a)前記複数の受信チャンネルから提供されるデータを用いて前記複数の受信スキャンラインそれぞれに対してスキャンラインデータを形成する段階と、b)送信合成の数に基づいて前記複数の格納領域から格納開始位置を設定する段階と、c)前記格納開始位置を基準に、前記スキャンラインデータを累算データとして前記格納開始位置の該当格納領域に格納する段階と、d)前記複数の受信チャンネルから新しく提供されるデータを用いて前記複数の受信スキャンラインそれぞれに対して新しいスキャンラインデータを形成する段階と、e)前記格納領域に対する前記格納開始位置を移動させて新しい格納開始位置を設定する段階と、f)前記新しい格納開始位置を基準に、前記格納領域に格納された前記累算データと、新しいスキャンラインデータとを累算した新しい累算データを前記新しい格納開始位置の該当格納領域に格納する段階と、g)前記段階c)〜f)を繰返して行い、前記新しい累算データに基づいて前記複数の受信スキャンラインそれぞれに該当する超音波データを形成する段階とを備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、合成開口(synthetic aperture)に依存せずに受信スキャンラインに対応する超音波データを形成でき、超音波システムをより低価格で、そしてより簡単に具現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例における超音波システムの構成を示すブロックである。
【図2】本発明の実施例における超音波データ取得部の構成を示すブロックである。
【図3】本発明の実施例における超音波データ形成部の構成を示すブロックである。
【図4】本発明の実施例における送信スキャンラインおよび受信スキャンラインを示す例示である。
【図5】本発明の実施例において超音波データを形成する例を示す例示である。
【図6】本発明の一実施例における超音波データ形成部を示す例示である。
【図7】本発明の他の実施例における超音波データ形成部を示す例示である。
【図8】本発明の他の実施例における超音波データ形成部を示す例示である。
【図9】本発明の他の実施例における超音波データ形成部を示す例示である。
【図10】本発明の他の実施例における超音波データ形成部を示す例示である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施例における超音波システムの構成を示すブロック図である。図1を参照すれば、超音波システム100は、ユーザ入力部110、超音波データ取得部120、プロセッサ130およびディスプレイ部140を備える。
【0018】
ユーザ入力部110は、ユーザからの入力情報を受信する。本実施例で、入力情報は、送信合成(transmit(Tx) synthesizing)情報を含む。送信合成情報は、超音波信号を1回送信して、同時に形成することができるスキャンライン(受信スキャンライン)の数に関する情報を含む。ユーザ入力部110は、コントロールパネル(control panel)、マウス(mouse)、キーボード(keyboard)などを含む。
【0019】
超音波データ取得部120は、超音波信号を対象体に送信し、対象体から反射される超音波信号(即ち、超音波エコー信号)を受信して超音波データを取得する。超音波データ取得部120については図2を参照して具体的に説明する。
【0020】
図2は、本発明の実施例における超音波データ取得部の構成を示すブロック図である。図2を参照すれば、超音波データ取得部120は、超音波プローブ121、送信信号形成部122および超音波データ形成部123を備える。
【0021】
超音波プローブ121は、電気的信号と超音波信号を相互に変換するように動作する複数の変換素子(transducer element)121aを含む。超音波プローブ121は、送信信号形成部122から提供される電気的信号(以下、送信信号という)を超音波信号に変換して対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して電気的信号(以下、受信信号という)を形成する。電気的信号はアナログ信号である。
【0022】
送信信号形成部122は、変換素子121aの位置および集束点を考慮して送信信号を形成する。本実施例で、送信信号形成部122は、変換素子121aを通じて対象体に送信される超音波信号の遅延パターンを格納する送信集束遅延メモリー(図示せず)を含むことができる。従って、複数の変換素子121aそれぞれから送信された超音波信号がスキャンライン(以下、送信スキャンライン(transmit(Tx)scanline))に沿って集束されて、超音波ビームが形成される。
【0023】
超音波データ形成部123は、超音波プローブ121から受信信号が提供されると、受信信号をアナログデジタル変換してデジタルデータを形成する。また、超音波データ形成部123は、デジタルデータを用いて送信スキャンラインに対応する複数のスキャンライン(以下、受信スキャンライン(receive(Rx)scanlineという)それぞれの超音波データを形成する。超音波データ形成部123は、複数の受信チャンネル(図示せず)を入力とする(即ち、複数の入力を有する)少なくとも1つの特定用途向け集積回路(以下、「ASIC」(application specific integrated circuit)と略す。)で具現することができる。しかし、超音波データ形成部123は、これに限定されない。
【0024】
図3は、本発明の実施例における超音波データ形成部の構成を示すブロック図である。図3を参照すれば、超音波データ形成部123は、第1のデータ格納部310、FDCU(focusing delay calculation unit)(集束遅延計算部)320、第1のデータ形成部330、第2のデータ形成部340、第2のデータ格納部350および制御部360を備える。また、超音波データ形成部123は、超音波プローブ121から提供される受信信号を増幅させるように動作する増幅部(図示せず)および増幅された受信信号をアナログデジタル変換してデジタルデータを形成するように動作するアナログデジタル変換部(analog−digital converter, ADC)(図示せず)を更に備えることができる。
【0025】
第1のデータ格納部310は、複数の受信チャンネル(図示せず)から提供されるデジタルデータを格納する。本実施例で、第1のデータ格納部310は、複数の受信チャンネルに一対一で対応し、対応するデジタルデータを格納する複数の格納領域(図示せず)を含む。
【0026】
FDCU320は、変換素子121aの位置および集束点を考慮してデジタルデータを受信集束させるための受信遅延カーブルックアップテーブル(receive delay curve lookup table)を格納する。
【0027】
一般的に、第1のデータ格納部310に格納されたデジタルデータを受信集束(receive focusing)して1つの受信スキャンラインを形成するために、ASIC(超音波データ形成部123)は入力チャンネルの数、即ちASICが支援する受信チャンネルの数だけの受信遅延カーブルックアップテーブルを備えていなければならない。超音波信号を1回送信して複数の受信スキャンラインを同時に形成(SAI(synthetic aperture imaging))する場合、(ASICが支援する受信チャンネルの数)×(同時に形成しようとする受信スキャンラインの数)に対応する受信遅延カーブルックアップテーブルが必要である。しかし、ASIC内の容量を考慮し、最小の受信遅延カーブルックアップテーブルが備えなければならない。
【0028】
従って、本実施例では、受信遅延カーブルックアップテーブルの数を最小化するために、同時に形成される複数の受信スキャンラインに必要な受信遅延カーブルックアップテーブルを共有して使用する。この時、ASICで同時に形成される受信スキャンラインが互いに隣接し、超音波プローブ121の変換素子121a上で一定の間隔で位置する場合、隣接した受信スキャンラインの受信遅延カーブルックアップテーブルを互いに共有して利用することができる。
【0029】
例えば、32個の受信チャンネルのデジタルデータを用いて32個の受信スキャンラインを同時に形成する場合、1024(32×32)個の受信遅延カーブルックアップテーブルが必要である。しかし、隣接した受信スキャンラインの受信遅延カーブルックアップテーブルを互いに共有する場合、受信遅延カーブルックアップテーブルの数を減少させることができる。全ての受信スキャンラインが超音波プローブ121の変換素子121a上で一定の間隔で位置するものと仮定した場合、M番目の受信スキャンラインは、(M−1)番目の受信スキャンラインの受信遅延カーブを1つずつシフトした形態の受信遅延カーブを有する。即ち、(M−1)番目の受信スキャンラインと受信チャンネルとの間の距離が−15、−14、…、0、1、…、15、16であれば、M番目の受信スキャンラインと受信チャンネルとの間の距離は−16、−15、−14、…、0、1、…、14、15であり、(M−1)番目の受信スキャンライン「−15〜16」の位置がM番目の受信スキャンラインでは右に1つシフトし、「−16」の新しい位置が生じることが分かる。
【0030】
このように、M番目の受信スキャンラインのための受信遅延カーブルックアップテーブルは、(M−1)番目の受信スキャンラインで使用した受信遅延カーブのうち31個を共有して使用することができるので、M番目の受信スキャンラインをフォーカシングするためには、(M−1)番目のスキャンラインのために必要な32個の受信遅延カーブルックアップテーブルに一つだけ追加すればよい。従って、32個の受信スキャンラインを形成する場合、必要な受信遅延カーブルックアップテーブルの数は、(ASICが支援する受信チャンネルの数)+((同時に形成しようとする受信スキャンラインの数)−1)になる。
【0031】
第1のデータ形成部330は、FDCU320に格納された受信遅延カーブルックアップテーブルに基づいて、第1のデータ格納部310に格納されたデジタルデータに時間遅延を加えて複数の受信スキャンラインそれぞれに対応するデータ(以下、スキャンラインデータという)を同時に形成する。
【0032】
第2のデータ形成部340は、第1のデータ形成部330から提供されるスキャンラインデータに対して、同じ位置の受信スキャンラインに対応するスキャンラインデータ同士を累算(accumulation)して累算データを形成する。
【0033】
第2のデータ格納部350は、第2のデータ形成部340で形成された累算データをスライディング方式で格納する。スライディング方式については下記で説明する。本実施例で、第2のデータ格納部350は、累算データを格納するための複数の格納領域(図示せず)を含む。
【0034】
制御部360は、ユーザ入力部110から提供される入力情報(即ち、送信合成情報)に基づいて、データ(即ち、累算データ)の格納開始位置を設定する。制御部360は、スキャンラインデータの格納および超音波データの形成を制御する。また、制御部360は、デジタルデータの格納およびスキャンラインデータの形成を制御する。
【0035】
以下、図4および図5を参照して1つの送信スキャンラインに対して5つの受信スキャンラインを同時に形成する場合(即ち、送信合成の数が5の場合)、複数の受信チャンネルを入力とする超音波データ形成部を用いて受信スキャンラインに対応する超音波データを形成する例を説明する。
【0036】
図4は、本発明の実施例における送信スキャンラインおよび受信スキャンラインを示す例示図であり、図5は本発明の実施例において超音波データを形成する例を示す例示図である。
【0037】
超音波プローブ121を通じて超音波信号が最初の送信スキャンラインTxに沿って送信され、対象体から反射される超音波エコー信号が受信されて複数の受信チャンネルそれぞれからデジタルデータが提供されれば、第1のデータ格納部310は、複数のデジタルデータを該当格納領域(図示せず)に格納する。
【0038】
第1のデータ形成部330は、FDCU320に格納された受信遅延カーブルックアップテーブルを参照して第1のデータ格納部310に格納された複数のデジタルデータに受信遅延を加えて、最初の送信スキャンラインTxに対応する複数の受信スキャンラインRx〜RxそれぞれのスキャンラインデータRx0、0、Rx0、1およびRx0、2を形成する。
【0039】
制御部360は、ユーザ入力部110から提供される入力情報(即ち、送信合成情報)に基づいて、第2のデータ格納部350の第1の格納開始位置を設定する。一例として、制御部360は、式1を用いて第2のデータ格納部350に対する第1の格納開始位置(SSP)を設定することができる。
【0040】
SSP = round(K/2) −−−−−−−−(式1)
【0041】
式1において、round()は、少数点以下の数を四捨五入することを表し、Kは送信合成の数を示す。
【0042】
即ち、制御部360は、図5に示すように、第2のデータ格納部350の最初の格納領域Mを基準に、格納開始位置(SSP=3=round(5/2)に該当する格納領域Mを設定する。
【0043】
第2のデータ形成部340は、制御部360の制御によって第1のデータ形成部330から提供されるスキャンラインデータに対して、同じ位置の受信スキャンラインに対応するスキャンラインデータ同士を累算して累算データを形成する。即ち、第2のデータ形成部340は、同じ位置の受信スキャンラインに対して第1のデータ形成部330から提供されるスキャンラインデータと第2のデータ格納部350に既に格納された累算データを累算して新しい累算データを形成する。
【0044】
より詳細に、第2のデータ形成部340は、第1のデータ形成部330から提供されるスキャンラインデータRx0、0と、第1の格納開始位置Mを基準に第2のデータ格納部350の格納領域Mに既に格納された累算データとを累算して累算データAD1、0を形成する。この時、格納領域Mに既に格納された累算データは、予め定められた値(0)が格納されることができる。また、ADi、jにおけるiは累算回数を表し、jは受信スキャンラインの位置を示す。形成された累算データAD1、0は、制御部360の制御によって第2のデータ格納部350の格納領域、即ち、第1の格納開始位置に該当する格納領域Mに格納される。
【0045】
第2のデータ形成部340は、第1のデータ形成部330から提供されるスキャンラインデータRx0、1と第2のデータ格納部350の格納領域Mに既に格納された累算データとを累算して累算データAD1、1を形成する。形成された累算データAD1、1は、制御部360の制御によって第1の格納開始位置Mを基準に第2のデータ格納部350の格納領域Mに格納される。
【0046】
第2のデータ形成部340は、第1のデータ形成部330から提供されるスキャンラインデータRx0、2と第2のデータ格納部350の格納領域Mに既に格納された累算データとを累算して累算データAD1、2を形成する。形成された累算データAD1、2は、制御部360の制御によって第1の格納開始位置Mを基準に第2のデータ格納部350の格納領域Mに格納される。
【0047】
次いで、超音波プローブ121を通じて超音波信号が2番目の送信スキャンラインTxに沿って送信され、対象体から反射される超音波エコー信号が受信されて複数の受信チャンネルそれぞれからデジタルデータが提供されると、第1のデータ格納部310は、複数のデジタルデータを該当格納領域(図示せず)に格納する。
【0048】
第1のデータ形成部330は、FDCU320に格納された受信遅延カーブルックアップテーブルを参照して、第1のデータ格納部310に格納された複数のデジタルデータに受信遅延を加えて2番目の送信スキャンラインTxに対応する複数の受信スキャンラインRx、Rx、RxおよびRxそれぞれのスキャンラインデータRx1、0、Rx1、1、Rx1、2およびRx1、3を形成する。
【0049】
制御部360は、第2のデータ格納部350の第1の格納開始位置Mを基準に左側に1つ移動(シフト)した格納領域Mを新しい格納開始位置(以下、第2の格納開始位置という)として設定する。
【0050】
第2のデータ形成部340は、制御部360の制御によって同じ位置の受信スキャンラインに対応するスキャンラインデータ同士を累算して新しい累算データを形成する。より詳細に、第2のデータ形成部340は、第1のデータ形成部330から提供されるスキャンラインデータRx1、0、Rx1、1、Rx1、2およびRx1、3と第2のデータ格納部350の第2の格納開始位置Mを基準に格納領域M、M、MおよびMに既に格納された累算データAD1、0、AD1、1、AD1、2および0とを各々累算して新しい累算データAD2、0、AD2、1、AD2、2およびAD1、3を形成する。形成された累算データAD2、0、AD2、1、AD2、2およびAD1、3は、制御部360の制御によって第2の格納開始位置Mを基準に該当格納領域M〜Mに格納される。
【0051】
次いで、超音波プローブ121を通じて超音波信号が3番目の送信スキャンラインTxに沿って送信され、対象体から反射される超音波エコー信号が受信されて複数の受信チャンネルそれぞれからデジタルデータが提供されると、第1のデータ格納部310は、複数のデジタルデータを該当格納領域(図示せず)に格納する。
【0052】
第1のデータ形成部330は、FDCU320に格納された受信遅延カーブルックアップテーブルを参照して、第1のデータ格納部310に格納された複数のデジタルデータに受信遅延を加えて3番目の送信スキャンラインTxに対応する複数の受信スキャンラインRx、Rx、Rx、RxおよびRxそれぞれのスキャンラインデータRx2、0、Rx2、1、Rx2、2、Rx2、3およびRx2、4を形成する。
【0053】
制御部360は、第2のデータ格納部350の第2の格納開始位置Mを基準に左側に1つ移動(シフト)した格納領域Mを新しい格納開始位置(以下、第3の格納開始位置という)として設定する。
【0054】
第2のデータ形成部340は、制御部360の制御によって同じ位置の受信スキャンラインに対して、第1のデータ形成部330から提供されるスキャンラインデータRx2、0、Rx2、1、Rx2、2、Rx2、3およびRx2、4と第2のデータ格納部350の第3の格納開始位置Mを基準に格納領域M、M、M、MおよびMに既に格納された累算データAD2、0、AD2、1、AD2、2、AD1、3および0とを各々累算して新しい累算データAD3、0、AD3、1、AD3、2、AD2、3およびAD1、4を形成する。形成された累算データAD3、0、AD3、1、AD3、2、AD2、3およびAD1、4は、制御部360の制御によって第3の格納開始位置Mを基準に該当格納領域M〜Mに格納される。
【0055】
次いで、超音波プローブ121を通じて超音波信号が4番目の送信スキャンラインTxに沿って送信され、対象体から反射される超音波エコー信号が受信されて複数の受信チャンネル各々からデジタルデータが提供されると、第1のデータ格納部310は、複数のデジタルデータを該当格納領域(図示せず)に格納する。
【0056】
第1のデータ形成部330は、FDCU320に格納された受信遅延カーブルックアップテーブルを参照して、第1のデータ格納部310に格納された複数のデジタルデータに受信遅延を加えて4番目の送信スキャンラインTxに対応する複数の受信スキャンラインRx、Rx、Rx、RxおよびRxそれぞれのスキャンラインデータRx3、1、Rx3、2、Rx3、3、Rx3、4およびRx3、5を形成する。
【0057】
制御部360は、第2のデータ格納部350の第3の格納開始位置が最初の格納領域Mであるので、これ以上新しい格納開始位置を設定しない。
【0058】
第2のデータ形成部340は、制御部360の制御によって同じ位置の受信スキャンラインに対して、第1のデータ形成部330から提供されるスキャンラインデータRx3、1、Rx3、2、Rx3、3、Rx3、4およびRx3、5と第2のデータ格納部350の第3の格納開始位置Mを基準に格納領域M〜Mに既に格納された累算データAD3、0、AD3、1、AD3、2、AD2、3、AD1、4および0を各々累算して新しい累算データAD4、1、AD4、2、AD3、3、AD2、4およびAD1、5を形成する。形成された累算データAD4、1、AD4、2、AD3、3、AD2、4およびAD1、5は、制御部360の制御によって第3の格納開始位置Mを基準に該当格納領域M〜Mに格納される。この時、累算データAD3、0は、第2のデータ格納部350にこれ以上格納されず、受信スキャンラインRxに対応する超音波データとして出力される。
【0059】
次いで、超音波プローブ121を通じて超音波信号が5番目の送信スキャンラインTxに沿って送信され、対象体から反射される超音波エコー信号が受信されて複数の受信チャンネル各々からデジタルデータが提供されると、第1のデータ格納部310は、複数のデジタルデータを該当格納領域(図示せず)に格納する。
【0060】
第1のデータ形成部330は、FDCU320に格納された受信遅延カーブルックアップテーブルを参照して第1のデータ格納部310に格納された複数のデジタルデータに受信遅延を加えて5番目の送信スキャンラインTxに対応する複数の受信スキャンラインRx、Rx、Rx、RxおよびRxそれぞれのスキャンラインデータRx4、2、Rx4、3、Rx4、4、Rx4、5およびRx4、6を形成する。
【0061】
制御部360は、第2のデータ格納部350の第3の格納開始位置が最初の格納領域Mであるので、これ以上新しい格納開始位置を設定しない。
【0062】
第2のデータ形成部340は、制御部360の制御によって同じ位置の受信スキャンラインに対して、第1のデータ形成部330から提供されるスキャンラインデータRx4、2、Rx4、3、Rx4、4、Rx4、5およびRx4、6と、第2のデータ格納部350の第3の格納開始位置Mを基準に格納領域M〜Mに既に格納された累算データAD4、1、AD4、2、AD3、3、AD2、4、AD1、5および0とを各々累算して、新しい累算データAD5、2、AD4、3、AD3、4、AD2、5およびAD1、6を形成する。形成された累算データAD5、2、AD4、3、AD3、4、AD2、5およびAD1、6は、制御部360の制御によって第3の格納開始位置Mを基準に該当格納領域M〜Mに格納される。この時、累算データAD4、1は、第2のデータ格納部350にこれ以上格納されず、受信スキャンラインRxに対応する超音波データとして出力される。
【0063】
超音波データ形成部123は、前述したような過程を繰返して行うことによって、複数の受信スキャンラインRx、Rx、…に対応する超音波データAD5、2、AD5、3、…を形成する。
【0064】
図6は、本発明の一実施例における超音波データ形成部を示す例示図である。図6を参照すれば、超音波データ形成部123は、32個の受信チャンネルch0〜ch31を入力とする、即ち32個の入力を有するASIC610を備える。
【0065】
本実施例におけるASIC610は、図3に示すように、第1のデータ格納部310、FDCU320、第1のデータ形成部330、第2のデータ形成部340、第2のデータ格納部350および制御部360を備える。
【0066】
ASIC610は、送信合成の数(K=32)に基づいて第2のデータ格納部350の格納開始位置(SSP=16)を設定し、複数の送信スキャンラインそれぞれに対して、超音波信号を送信するごとに第2のデータ格納部350の格納開始位置を1つずつ左側へ移動(シフト)させながら、同じ位置の受信スキャンラインに対応するスキャンラインデータ同士を累算して累算データを形成する。そして、前記格納開始位置を基準に形成された累算データを第2のデータ格納部350の該当格納領域に格納する。
【0067】
従って、(送信合成数/2)ないし送信合成数だけ同じ位置の受信スキャンラインに対応するスキャンラインデータ同士が累算(即ち、合成)された後に、これ以上移動する第2のデータ格納部350の格納領域がなくなった場合、ASIC610は、第2のデータ格納部350から出力される累算データAD16、0、AD17、1、AD18、2、…を受信スキャンラインRx、Rx、Rx、…それぞれの超音波データとして出力する。
【0068】
本実施例によれば、32個の受信チャンネルを入力とするASIC610を用いて受信スキャンラインの超音波データを形成する場合、全体の受信スキャンラインの数ではなく送信合成の数によってASIC610の数を増加させるため、従来より超音波データ形成部123を更に簡単に具現することができる。
【0069】
一方、前述した実施例では、超音波データ形成部123が32個の受信チャンネルを入力とする、即ち32個の入力を有するものと説明したが、他の実施例では、超音波データ形成部123が図7に示すように128個の受信チャンネルを入力とする、即ち128個の入力を有することができる。この時、超音波データ形成部123は、32個の受信チャンネルを各々入力とする第1〜第4のASIC710〜740を備える。そして、第1〜第4のASIC710〜740それぞれは、図3に示すように、第1のデータ格納部310、FDCU320、第1のデータ形成部330、第2のデータ形成部340、第2のデータ格納部350および制御部360を備える。
【0070】
図8は、本発明の他の実施例における超音波データ形成部を示す例示図である。図8を参照すれば、超音波データ形成部123は、64個の受信チャンネルch0〜ch63を入力とし、即ち64個の入力を有する。超音波データ形成部123は、第1のASIC810および第2のASIC820を備える。
【0071】
第1のASIC810は、32個の受信チャンネルch0〜ch31を入力とする。第1のASIC810は、図3に示すように、第1のデータ格納部310、FDCU320、第1のデータ形成部330、第2のデータ形成部340、第2のデータ格納部350および制御部360を備える。また、第1のASIC810は、加算部370を更に備える。
【0072】
第1のASIC810は、受信チャンネルch0〜ch31から提供されるデジタルデータを用いて、前述した実施例で説明した通り、受信スキャンラインRx、Rx、…に対応する超音波データAD16、0、AD17、1、…を形成する。
【0073】
第2のASIC820は、32個の受信チャンネルch32〜ch63を入力とする。第2のASIC820は、図3に示すように、第1のデータ格納部310、FDCU320、第1のデータ形成部330、第2のデータ形成部340、第2のデータ格納部350および制御部360を備える。また、第2のASIC820は加算部370を更に備える。
【0074】
第2のASIC820は、受信チャンネルch32〜ch63から提供されるデジタルデータを用いて、受信スキャンラインRx、Rx、…に対応する超音波データAD´16、0、AD´17、1、…を形成する。第2のASIC820は、第2のASIC820の加算部370を通じて、第1のASIC810から提供される超音波データAD16、0、AD17、1、…と、第2のASIC820から提供される超音波データAD´16、0、AD´17、1、…とを加算して、受信スキャンラインRx、Rx、…に対応する超音波データを出力する。この時、加算部370は、同じ位置の受信スキャンラインに対応する超音波データ同士を加算する。
【0075】
前述した実施例では、第2のASIC820の加算部370を通じて第1のASIC810から提供される超音波データと、第2のASIC820から提供される超音波データとを加算するものと説明したが、他の実施例では、第1のASIC810の加算部370を通じて第1のASIC810から提供される超音波データと、第2のASIC820から提供される超音波データとを加算することもできる。
【0076】
図9は、本発明の他の実施例における超音波データ形成部を示す例示図である。超音波データ形成部123は、送信合成の数に基づいて複数のASICを含むASICグループ910を設定する。
【0077】
一例として、第1のASIC911および第2のASIC912各々が32個の受信チャンネルch0〜ch31を入力とし、32個の受信スキャンラインを同時に形成する場合、超音波データ形成部123は、図9に示すように、送信合成の数(K=64)に基づいて第1のASIC911および第2のASIC912を含むASICグループ910を設定する。ここで、第1のASIC911および第2のASIC912各々は、図3に示すように、第1のデータ格納部310、FDCU320、第1のデータ形成部330、第2のデータ形成部340、第2のデータ格納部350および制御部360を備える。
【0078】
超音波データ形成部123は、第1のASIC911の第2のデータ格納部350の格納領域に対してインデックスM〜M31を割り当て、第2のASIC912の第2のデータ格納部350の格納領域に対してインデックスM32〜M63を割り当てる。従って、超音波データ形成部123は、図9に示すようなスライディング方式で受信スキャンラインの超音波データを形成することができる。
【0079】
図10は、本発明の他の実施例における超音波データ形成部を示す例示図である。超音波データ形成部123は、受信チャンネルの数および送信合成の数に基づいて複数のASICを含む複数のASICグループを設定する。
【0080】
一例として、受信チャンネルが64個であり、第1のASIC1011〜第4のASIC1022それぞれが32個の受信チャンネルを入力とし、32個の受信スキャンラインを同時に形成する場合、超音波データ形成部123は、図10に示すように、送信合成の数(K=64)に基づいて第1のASICグループ1010および第2のASICグループ1020を設定する。
【0081】
第1のASICグループ1010は、32個の受信チャンネルch0〜ch31を入力とする。第1のASICグループ1010は、第1のASIC1011および第2のASIC1012を含む。ここで、第1のASIC1011および第2のASIC1012それぞれは、32個の受信チャンネルch0〜ch31を入力とし、図3に示すように、第1のデータ格納部310、FDCU320、第1のデータ形成部330、第2のデータ形成部340、第2のデータ格納部350および制御部360を備える。また、第1のASIC1011および第2のASIC1012それぞれは、加算部370を更に備える。第1のASICグループ1010は、前述した実施例で説明した通り、受信スキャンラインRx、Rx、…に対応する超音波データAD16、0、AD17、1、…を形成する。
【0082】
第2のASICグループ1020は、32個の受信チャンネルch32〜ch63を入力とする。第2のASICグループ1020は、第3のASIC1021および第4のASIC1022を含む。ここで、第3のASIC1021および第4のASIC1022各々は、32個の受信チャンネルch32〜ch63を入力とし、図3に示すように、第1のデータ格納部310、FDCU320、第1のデータ形成部330、第2のデータ形成部340、第2のデータ格納部350および制御部360を備える。また、第3のASIC1021および第4のASIC1022各々は、加算部370を更に備える。第2のASICグループ1020は、前述した実施例で説明した通り、受信スキャンラインRx、Rx、…に対応する超音波データAD´16、0、AD´17、1、…を形成する。
【0083】
第2のASICグループ1020は、第3のASIC1021の加算部370を通じて、第1のASICグループ1010から提供される超音波データAD16、0、AD17、1、…と、第2のASICグループ1020から提供される超音波データAD´16、0、AD´17、1、…とを加算して、受信スキャンラインRx、Rx、…に対応する超音波データを出力する。この時、加算部370は、同じ位置の受信スキャンラインに対応する超音波データ同士を加算する。
【0084】
前述した実施例では、第3のASIC1021の加算部370を通じて第1のASICグループ1010から提供される超音波データと、第2のASICグループ1020から提供される超音波データとを加算するものと説明したが、他の実施例では、第1のASIC1011〜第4のASIC1022のうち少なくとも1つのASICの加算部370を通じて第1のASICグループ1010から提供される超音波データと、第2のASICグループ1020から提供される超音波データとを加算することもできる。
【0085】
再び図1を参照すれば、プロセッサ130は、ユーザ入力部110および超音波データ取得部120と連結される。プロセッサ130は、超音波データ取得部120から提供される超音波データにデータ処理を行って超音波映像を形成する。ディスプレイ部140は、プロセッサ130で形成された超音波映像を表示する。
【0086】
本発明を望ましい実施例を通して説明し例示したが、当業者であれば添付の特許請求の範囲の事項および範疇を逸脱せずに様々な変形および変更がなされることが分かるはずである。
【0087】
一例として、前述した実施例では、ユーザ入力部110から提供される送信合成情報に基づいてデータの格納開始位置の設定およびスライディング方式を行うものと説明したが、他の実施例では、送信合成の数を自動に設定し、設定された送信合成の数に基づいてデータの格納開始位置の設定およびスライディング方式を行うこともできる。
【符号の説明】
【0088】
100 超音波システム
110 ユーザ入力部
120 超音波データ取得部
121 超音波プローブ
121a 変換素子
122 送信信号形成部
123 超音波データ形成部
130 プロセッサ
140 ディスプレイ部
310 第1のデータ格納部
320 FDCU
330 第1のデータ形成部
340 第2のデータ形成部
350 第2のデータ格納部
360 制御部
370 加算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波信号を対象体に送信し、前記対象体から反射される超音波エコー信号を受信する超音波システムであって、
該超音波システムは、複数の受信チャンネルを有し、前記超音波エコー信号に基づいて複数の受信スキャンラインを形成する超音波データ形成部を備え、
該超音波データ形成部は、前記超音波信号の送信ごとに、前記複数の受信チャンネルから提供されるデータを用いて前記複数の受信スキャンラインそれぞれに対応するスキャンラインデータを形成し、同じ位置の受信スキャンラインに対応するスキャンラインデータ同士を累算(accumulation)して累算データを形成し、送信合成の数に基づいて前記累算データを格納するための格納開始位置を設定し、前記格納開始位置を1つずつ移動させながら前記累算データを格納して、前記複数の受信スキャンラインそれぞれに対応する超音波データを形成することを特徴とする超音波システム。
【請求項2】
前記送信合成の数は、1回の前記超音波信号の送信を通じて同時に形成することができる受信スキャンラインの数であることを特徴とする請求項1に記載の超音波システム。
【請求項3】
前記超音波データ形成部は、
前記複数の受信チャンネルから提供される前記データを格納する第1のデータ格納部と、
前記第1のデータ格納部に格納された前記データを受信集束させるための受信遅延カーブルックアップテーブル(receive delay curve lookup table)を格納するFDCU(focusing delay calculation unit)と、
前記受信遅延カーブルックアップテーブルに基づいて前記第1のデータ格納部に格納された前記データを受信集束させて、前記複数の受信スキャンラインそれぞれに対応する前記スキャンラインデータを形成する第1のデータ形成部と、
前記同じ位置の受信スキャンラインに対応する前記スキャンラインデータ同士を累算して前記累算データを形成する第2のデータ形成部と、
最初の格納領域である第1の格納領域と、前記格納開始位置に該当する第2の格納領域とを含む複数の格納領域を有して、前記第2の格納領域に前記累算データを格納する第2のデータ格納部と、
前記超音波信号の送信ごとに前記第2の格納領域を基準に前記累算データを格納する前記格納領域を1つずつ前記第1の格納領域側へ移動させながら前記格納開始位置を設定する制御部と
を備えることを特徴とする請求項2に記載の超音波システム。
【請求項4】
前記超音波データ形成部は、前記超音波信号の送信ごとに前記第2のデータ格納部の前記最初の格納領域から出力される累算データを前記複数の受信スキャンラインそれぞれに対応する前記超音波データとして出力することを特徴とする請求項3に記載の超音波システム。
【請求項5】
前記FDCUは、前記複数の受信スキャンラインそれぞれに対応する前記スキャンラインデータを形成するのに必要な受信遅延カーブルックアップテーブルを前記複数の受信スキャンラインで互いに共有することを特徴とする請求項3に記載の超音波システム。
【請求項6】
前記超音波データ形成部は、少なくとも1つのASIC(application specific integrated circuit)として具現されることを特徴とする請求項3に記載の超音波システム。
【請求項7】
前記複数の受信チャンネルは、N個の受信チャンネルと、M個の受信チャンネルを含み、
前記超音波データ形成部は、
前記N(Nは整数)個の受信チャンネルを入力とし、前記N個の受信チャンネルから提供されるデータを用いて前記複数の受信スキャンラインそれぞれに対応する第1の超音波データを形成する第1のASICと、
前記M(Mは前記Nと同じ整数)個の受信チャンネルを入力とし、前記M個の受信チャンネルから提供されるデータを用いて前記複数の受信スキャンラインそれぞれに対応する第2の超音波データを形成し、前記同じ位置の受信スキャンライン同士の前記第1の超音波データと前記第2の超音波データとを加算して前記超音波データを形成する第2のASICと
を備えることを特徴とする請求項6に記載の超音波システム。
【請求項8】
前記第1および第2のASICは、前記第1の超音波データと前記第2の超音波データとを加算する加算部をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の超音波システム。
【請求項9】
前記超音波データ形成部は、前記送信合成の数に基づいて少なくとも1つのASICグループを設定し、前記ASICグループは、少なくとも2個の前記ASICを含むことを特徴とする請求項6に記載の超音波システム。
【請求項10】
超音波信号を対象体に送信し、前記対象体から反射される超音波エコー信号を受信し、複数の格納領域を有する格納部と、複数の受信チャンネルとを備え、前記超音波エコー信号に基づいて複数の受信スキャンラインを形成する超音波システムの超音波データ形成方法であって、
該超音波データ形成方法は、
a)前記複数の受信チャンネルから提供されるデータを用いて前記複数の受信スキャンラインそれぞれに対してスキャンラインデータを形成する段階と、
b)送信合成の数に基づいて前記複数の格納領域から格納開始位置を設定する段階と、
c)前記格納開始位置を基準に、前記スキャンラインデータを累算データとして前記格納開始位置の該当格納領域に格納する段階と、
d)前記複数の受信チャンネルから新しく提供されるデータを用いて前記複数の受信スキャンラインそれぞれに対して新しいスキャンラインデータを形成する段階と、
e)前記格納領域に対する前記格納開始位置を移動させて新しい格納開始位置を設定する段階と、
f)前記新しい格納開始位置を基準に、前記格納領域に格納された前記累算データと、新しいスキャンラインデータとを累算した新しい累算データを前記新しい格納開始位置の該当格納領域に格納する段階と、
g)前記段階c)〜f)を繰返して行い、前記新しい累算データに基づいて前記複数の受信スキャンラインそれぞれに該当する超音波データを形成する段階と
を備えることを特徴とする超音波データ形成方法。
【請求項11】
前記送信合成の数は、1回の前記超音波信号の送信を通じて同時に形成することができる受信スキャンラインの数であることを特徴とする請求項10に記載の超音波データ形成方法。
【請求項12】
前記段階b)は、
前記複数の格納領域の最初の格納領域を基準に、下記式1
格納開始位置=round(送信合成の数/2) −−−−−(式1)
(ただし、前記round()は少数点以下の数を四捨五入することを示す。)
を用いて前記格納領域に対する前記格納開始位置を設定する段階
を備えることを特徴とする請求項11に記載の超音波データ形成方法。
【請求項13】
前記段階c)は、
前記格納開始位置を基準に、前記複数の格納領域に格納され、予め定められたデータと、前記スキャンラインデータとを累算して前記累算データを形成する段階
を備えることを特徴とする請求項12に記載の超音波データ形成方法。
【請求項14】
前記段階e)は、
前記格納領域に対する前記格納開始位置を前記最初の格納領域側に1つ移動させて前記新しい格納開始位置を設定する段階
を備えることを特徴とする請求項12に記載の超音波データ形成方法。
【請求項15】
前記段階g)は
前記複数の格納領域の前記最初の格納領域から前記新しい累算データが出力されると、前記出力された累算データを前記超音波データとして出力する段階
を備えることを特徴とする請求項12に記載の超音波データ形成方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−259800(P2010−259800A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105678(P2010−105678)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(597096909)株式会社 メディソン (269)
【氏名又は名称原語表記】MEDISON CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】114 Yangdukwon−ri,Nam−myun,Hongchun−gun,Kangwon−do 250−870,Republic of Korea
【Fターム(参考)】