超音波探触子、超音波診断装置
【課題】超音波探触子と装置本体との間における接続ケーブルのフレキシビリティを向上させ、操作性及び作業効率を向上させることを可能とする超音波撮像装置を提供する。
【解決手段】超音波撮像装置100は、装置本体1と超音波探触子3とが接続ケーブル5により接続されて構成される。接続ケーブル5は、光ファイバ−メタル複合ケーブルであり、メタル線25及び光ファイバ14及び光ファイバ21を含む。装置本体1にはE/O素子13及びO/E素子22が設けられる。超音波探触子3にはO/E素子15及びE/O素子20が設けられる。超音波探触子3には光通信モジュールやcMUT26を含むデバイス混載チップ7が設けられる。装置本体1と超音波探触子3との間の信号送受は、光ファイバ14及び光ファイバ21を介して光信号により行われる。
【解決手段】超音波撮像装置100は、装置本体1と超音波探触子3とが接続ケーブル5により接続されて構成される。接続ケーブル5は、光ファイバ−メタル複合ケーブルであり、メタル線25及び光ファイバ14及び光ファイバ21を含む。装置本体1にはE/O素子13及びO/E素子22が設けられる。超音波探触子3にはO/E素子15及びE/O素子20が設けられる。超音波探触子3には光通信モジュールやcMUT26を含むデバイス混載チップ7が設けられる。装置本体1と超音波探触子3との間の信号送受は、光ファイバ14及び光ファイバ21を介して光信号により行われる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体の診断画像として超音波像を撮像する超音波診断装置に関する。詳細には、容量型マイクロマシン超音波振動子を有する探触子を備える超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波診断装置における超音波の送信及び受信を担う超音波振動子として、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミクスや、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の圧電素子が用いられる。一般的にこれらの振動子は、超音波探触子内で数百素子以上に微細分離されたアレイ形態で利用され、各分離素子には、各々電気配線が接続されて数百近くの信号チャンネル構造が実現される。
また、超音波撮像装置のアナログ信号処理部とデジタル信号処理部の間で電気信号→光信号→電気信号の信号変換を行い、MRI(Magnetic Resonance Imaging)による撮像中に漏洩電磁波がMRI測定系内に入ることを防止する超音波撮像装置が提案されている(例えば、[特許文献1]参照。)。
【0003】
また、圧電振動子以外を用いた超音波探触子として、半導体成膜技術を用いて製作される容量型マイクロマシン超音波振動子(cMUT:Capacitive Micro−machined Ultrasound Transducer)がある(例えば、[非特許文献1]参照。)。
cMUTはフォトリソグラフィー微細加工といった半導体成膜プロセスを用いているために、厚さ数十〜数百μmの薄い小型のチップ上に数μm〜数十μmのサイズで製作される。さらに、同一チップ上にトランジスタ等の様々な電気回路を含むデバイスを混載することが可能である。また、cMUTは圧電振動子では実現困難な広帯域な音響特性を有しており、小型であるだけでなく、広帯域超音波探触子用トランスデューサとして用いることができる(例えば、[非特許文献2]参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−242886号公報
【非特許文献1】Butas T. Khuri-Yakub et al, “SurfaceMicro-machined Capacitive Ultrasound Transducers” IEEE Transactions onUltrasonics, Ferroelectrics, and Frequency control, Vol. 45, No. 3, May 1998.
【非特許文献2】Omer Oralkan et al, “CapacitiveMicromachined Ultrasonic Transducers: Next-Generation Arrays for AcousticImaging?” IEEE Transactions on Ultrasonics, Ferroelectrics, and Frequencycontrol, Vol. 49, No. 11, Nov. 2002.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の圧電振動子を用いた超音波撮像装置では、圧電振動子各チャンネルと装置本体との間はアナログ電気通信によって信号送受が行われる。従って、圧電振動子アレイを用いた超音波探触子を取り回す際、数百本以上の同軸メタル線を含むケーブルを同時に引き回す必要がある。多芯の同軸メタルケーブルは、重量及び体積が大きく引き回す際のフレキシビリティが低く、操作性や作業効率が低下したり労力的負担が増大するという問題点がある。
【0006】
従来の超音波撮像装置において、圧電振動子各チャンネルと装置本体との間はアナログ電気通信によって信号送受が行われる。そのため、超音波探触子と装置本体との間を接続する電気配線ケーブルは200チャンネル近くの電気配線を要する。また、受信したエコー信号は一般に非常に低レベルなので、メタル線は単純な撚り線ではなく、各々がそれ自身の信号線及び導電シールド(conductive shield)を備える同軸線となる。そのため、超音波探触子と装置との間は200芯以上の同軸メタル線から構成され構造的かつ重量的にも大きな多芯同軸メタルケーブルにより接続される。
【0007】
また、従来の電線による印加パルス伝送もしくはバイアス電圧及び半導体回路電源の供給における漏洩電流に関しては、絶縁性能を追求すればケーブルが太く硬くなり操作性が低下する。また、電磁的両立性や不要輻射の低減に関しては、パルスを電線で送り、また同一経路で微弱な受信信号を受け取るので、性能を追求すると規模が大きくなる。また、外来ノイズが画面に混入する事は避けられない場合が多く、規格遵守のため感度を犠牲にすることも必要である。さらに、不要輻射を基準内に収めるために電圧を下げる等の対策が必要であり性能低下を招くこともある。
【0008】
以上のように、圧電振動子アレイを用いた超音波探触子では、超音波探触子と装置本体との間の接続ケーブルの高フレキシビリティ化と超音波探触子自体の小型軽量化はトレードオフの関係にある。
【0009】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、超音波探触子と装置本体との間における接続ケーブルのフレキシビリティを向上させ、操作性及び作業効率を向上させることを可能とする超音波撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するために第1の発明は、複数の超音波振動子を用いて被検体との間で超音波の送受を行う超音波撮像装置用の超音波探触子であって、光信号を電気信号に変換する光電気信号変換素子と、電気信号を光信号に変換する電気光信号変換素子とを具備し、光通信により前記超音波に関する信号の送受を行うことを特徴とする超音波探触子である。
【0011】
超音波振動子としては容量型マイクロマシン超音波振動子(cMUT)を用いることが望ましい。光電気信号変換素子はフォトダイオード等である。電気光信号変換素子は面発光レーザ等である。超音波探触子には光通信モジュールや超音波振動子を含むデバイス混載チップが設けられる。
超音波撮像装置の本体と超音波探触子とを接続する接続ケーブルに関しては、メタル線に代えて光ファイバが用いられる。光ファイバを有するケーブルを介して、超音波撮像装置の本体と超音波探触子との間で信号やエネルギーの送受が行われる。
これにより、超音波探触子自体の重量や体積を増加させることなく、超音波探触子と装置本体との間における接続ケーブルのフレキシビリティを向上させ、操作性及び作業効率を向上させることができる。
【0012】
また、超音波探触子は、前記超音波探触子の本体部に対して着脱可能な着脱部を具備し、前記着脱部には、前記光電気信号変換素子または前記電気光信号変換素子または非接触式給電部の少なくともいずれかと前記超音波振動子とが設けられることが望ましい。
これにより、被検体と接触する部分をディスポーザブルあるいは取替式にすることができる。超音波診断時に多くの被検体に対して同一の超音波放射面を使い回す必要がないので衛生面の向上を図ることができる。
【0013】
また、超音波探触子は、前記超音波探触子の本体部に対して着脱可能な着脱部を具備し、前記着脱部には、前記光電気信号変換素子または前記電気光信号変換素子の少なくともいずれかと充電池と前記超音波振動子とが設けられ、前記充電池を用いて給電を行うことが望ましい。
これにより、超音波撮像装置の本体側にバイアス制御回路を設ける必要がなく、給電用のメタル線も不要である。
【0014】
また、超音波探触子は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電気エネルギー変換素子を具備し、入力された光エネルギーを前記光電気エネルギー変換素子により電気エネルギーに変換して給電を行うことが望ましい。
これにより、超音波撮像装置の本体と超音波探触子との間は光ファイバのみの接続ケーブルで接続される。同軸メタル線を有する接続ケーブルと比較して、軽量かつ高フレキシビリティを有する接続ケーブルを用いることができ、超音波診断作業性の大幅な向上を図ることができる。メタル線を用いないので、電磁放射ノイズの問題も解消することができる。
【0015】
また、超音波探触子は、光の位相を変化させる光変調器を具備し、前記光変調器による変調光を用いて前記光通信を行うことが望ましい。
これにより、光外部変調方式により高速光変調が可能であり、通信速度及び伝送量を向上させることができる。
【0016】
第2の発明は、複数の超音波振動子を用いて被検体との間で超音波の送受を行う超音波探触子と、当該超音波探触子に駆動信号を供給する送信手段と、前記超音波探触子から出力される受信信号を処理する受信手段と、当該受信手段から出力される信号に基づき超音波像を再構成する画像処理手段と、前記超音波像が表示される表示手段を備える超音波撮像装置であって、前記超音波探触子は、光信号を電気信号に変換する光電気信号変換素子と、電気信号を光信号に変換する電気光信号変換素子とを具備し、光通信により前記送信手段及び受信手段と前記超音波探触子との間で前記超音波に関する信号の送受を行うことを特徴とする超音波撮像装置である。
【0017】
第2の発明は、第1の発明の超音波探触子を備える超音波撮像装置に関する発明である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、超音波探触子と装置本体との間における接続ケーブルのフレキシビリティを向上させ、操作性及び作業効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下添付図面を参照しながら、本発明に係る超音波撮像装置の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、以下の説明及び添付図面において、略同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することにする。
【0020】
(1.第1の実施の形態)
最初に、図1〜図5を参照しながら、本発明の第1の実施の形態に係る超音波撮像装置100について説明する。
【0021】
図1は、超音波撮像装置100の概略構成図である。
超音波撮像装置100は、装置本体1と超音波探触子3とが接続ケーブル5により接続されて構成される。
超音波撮像装置100は、超音波探触子3により被検体27に対して超音波を送受信し、装置本体1において画像処理を行い、表示部29に被検体の撮像画像を出力する。
【0022】
装置本体1は、制御部11、送波整相回路12、E/O素子13、受波整相回路23、O/E素子22を備える。装置本体1は、イメージプロセッサを備える画像処理部28を介してディスプレイ等の表示部29に接続される。
接続ケーブル5は、光ファイバ−メタル複合ケーブルであり、メタル線25及び光ファイバ14及び光ファイバ21を含む。
【0023】
超音波探触子3は、O/E素子15、D/Aコンバータ16、送受切替スイッチ17、増幅器18、A/Dコンバータ19、E/O素子20、cMUT26(容量型マイクロマシン超音波振動子)を備える。
O/E素子15及びO/E素子22は、光信号を電気信号に変換する素子であり、例えば、フォトダイオードである。
E/O素子13及びE/O素子20は、電気信号を光信号に変換する素子であり、例えば、面発光レーザである。
尚、同一の混載チップ7上に、D/Aコンバータ16、送受切替スイッチ17、増幅器18、A/Dコンバータ19、cMUT26が設けられる。
【0024】
送受電気パルス信号は、装置本体1あるいは超音波探触子3でデジタル信号化された後に光信号に変換され、接続ケーブル5の光ファイバ14及び光ファイバ21を媒体として装置本体1と超音波探触子3との間を伝送される。
cMUT26やO/E素子15やE/O素子20等のデバイスを駆動させるためのバイアス電圧等は、接続ケーブル5のメタル線25を通じて印加される。
【0025】
装置本体1の制御部11は、デジタル電気信号を送波整相回路12に送る。送波整相回路12は、デジタル電気信号に対してビーム形成処理を行って送波デジタル電気信号をE/O素子13に送る。E/O素子13は、送波デジタル電気信号を送波デジタル光信号に変換して光ファイバ14に伝送する。送波デジタル光信号は、光ファイバ14を介して超音波探触子3に伝送される。
【0026】
超音波探触子3のO/E素子16は、送波デジタル光信号を送波デジタル電気信号に変換する。D/Aコンバータ16は、送波デジタル電気信号をアナログ化する。送波アナログ電気信号は、送受切替スイッチ17によって指定されるタイミングでcMUT26に印加され超音波パルスとして被検体27に照射される。
被検体27より反射された超音波エコー信号は、cMUT26により検出されて受波アナログ電気信号に変換される。増幅器18は、受波アナログ電気信号を増幅処理する。A/Dコンバータ19は、受波アナログ電気信号をデジタル化し、E/O素子20に印加する。
超音波探触子3のE/O素子20は、受波デジタル電気信号を受波デジタル光信号に変換する。受波デジタル光信号は、光ファイバ21を介して装置本体1に伝送される。
尚、D/Aコンバータ16〜A/Dコンバータ19までの処理は、混載チップ7上で全て処理することができる。
【0027】
装置本体1のO/E素子22は、受波デジタル光信号を受波デジタル電気信号に変換する。受波整相回路23は、受波デジタル電気信号に対してビーム形成処理を行う。画像処理部28は、受波整相回路23から送られたデジタル電気信号に対して加算処理及び検波処理等を行って表示部29に超音波診断画像を表示させる。
【0028】
図2は、cMUT26の構造図である。
図3は、cMUT26の配置を示す図である。
【0029】
cMUT26は、シリコン(Si)等の基板45、基板45の表面に形成される可撓性の薄膜43、薄膜43の周囲を支持する窒化珪素(Si3N4)等の絶縁材料42、基板45〜薄膜43間に形成される真空ギャップ層44、下部電極46、上部電極41により構成される。
【0030】
cMUT26は、それを駆動する駆動信号に重畳して印加されるバイアス電圧の大きさに応じて超音波送受信感度が変化する振動子である。cMUT26により超音波を送受するとき、そのcMUT26に所定のバイアスを印加して振動子の電気機械結合係数を変化させることにより、cMUT26の送受信感度を所定の値に合わせている。
上部電極41と下部電極46との間に適切な電圧信号を印加すると、cMUT26は、容量型超音波トランスデューサセルとして機能する。超音波エコー信号を薄膜43の運動エネルギー変化として捕捉しこれに伴う電流値変化を検知することによって受信電気信号が得られる。
図3に示すように、cMUT26は、複数(例えば、数十個)配置された状態で用いられる。
【0031】
図4は、超音波探触子3の概略構成図である。
図5は、超音波探触子3の概略斜視図である。
【0032】
混載チップ7は、プリント基板33上にマウントされる。混載チップ7からプリント基板33側への超音波放射を防ぐために、超音波吸収層(バッキング層)を混載チップ7とプリント基板33との間あるいはプリント基板33背面へ接着することが望ましい。
ワイヤ34は、混載チップ7とプリント基板33との間に設けられる電気配線である。
超音波放射面の裏側に設けられるプリント基板33には、O/E素子15としてPIN(p−intrinsic−n)フォトダイオード31、E/O素子20として半導体レーザの一種である面発光レーザ32(VCSEL:Vertical Surface Emitting Laser)、電気配線用コネクタ35が取り付けられる。
【0033】
PINフォトダイオード31、面発光レーザ32、電気配線用コネクタ35は、それぞれ、接続ケーブル5の光ファイバ14、光ファイバ21、メタル線25に接続される。接続ケーブル5は、装置本体1に接続される。
装置本体1との接続端子は、光ファイバ及びメタル線の両接続コネクタとなる。光ファイバ接続に関しては、例えば、光ファイバ多芯一括接続コネクタであるMTコネクタ等を用いることができる。また、メタル線接続に関しては、例えば、コネクタ嵌合ピン等を利用することで容易に装置間と接続することができる。
【0034】
このように、第1の実施の形態の超音波撮像装置100では、装置本体1と超音波探触子3とを接続する接続ケーブルにはメタル線に代えて光ファイバが用いられ、超音波探触子3に光通信モジュールやcMUTを含むデバイス混載チップが設けられる。
従って、超音波探触子の小型化、ケーブルの低クロストーク化、ケーブルのフレキシビリティの向上、大容量通信、筐体内の光インターコネクション化を実現することができる。
すなわち、超音波探触子自体の重量や体積を増加させることなく、超音波探触子と装置本体との間における接続ケーブルのフレキシビリティを向上させ、操作性及び作業効率を向上させることができる。
【0035】
cMUT駆動時に64個のチャンネルにてビームを形成し、サンプリングレート40MHz、A/Dコンバータによる変換レート12bit/ch/clockとした場合、通信媒体の伝送レートとしては30Gbpsが最低必要となる。
現在、短距離用光通信で用いられている、ITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)G.650に代表されるグレーデッドインデックス(GI:Graded Index)型石英系マルチモード光ファイバは波長850nmにおいて、伝送レート10Gbps/kmを満たすものが既に実用化されている。
また、超短距離用光通信用として、敷設距離数十mを想定した、大コア径かつ高フレキシビリティを有するプラスチック光ファイバ(POF:Plastic optical fiber)等も10Gbpsの伝送速度を実現している。
【0036】
従って、超音波探触子を超音波撮像装置と光ファイバにてデジタル通信を行う場合、理論上最低4芯の光ファイバがあれば超音波信号を伝送可能となる。4芯ファイバテープをMTコネクタにて接続する方法は従来の光通信においては既に実用化されており、非常に低損失の接続が可能である。
また、シングルモード光ファイバ等を用いてシングルモード光通信を行うことで、波長多重化通信を行うことができる。この場合、信号に全て異なる波長の光を用い、超音波探触子内及び超音波撮像装置内に、ファイバブラッググレーティング、カプラ等を具備させる必要があるが、究極的には1本の光ファイバにて信号伝送を行うことができる。
【0037】
E/O素子及びO/E素子は半導体部品であり共に超小型のデバイスである。
E/O素子としては、半導体レーザが一般的に用いられる。特に、近年光インターコネクション等で利用されつつある面発光レーザは、従来のLD(Laser Diode)等の半導体レーザと比較し、半導体膜積層方向に光を取り出すことができることから、アレイ化が容易であり、また低消費電力、高変換効率、低閾値動作、高速直接変調も可能であるといった特長を有し、電気光混載実装を行う際の電気光変換素子として最も実用性が高い。面発光レーザに用いられる発光材料としては、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、Al(アルミニウム)、P(リン)、As(ヒ素)、N(窒素)といった元素を用いた化合物が用いられ、これらの化合物をGaAs(ガリウムヒ素)基板上に多層膜化しすることで面発光レーザは製作される。この多層膜構造は使用波長に応じて選択、最適化される。
【0038】
O/E素子としては、フォトダイオードを用いることができる。フォトダイオードは半導体製膜技術を用いて作製されるデバイスであり、使用波長に対して高感度仕様のものを用いる必要がある。また、フォトダイオードを駆動させるためのバイアス電流はメタル線によって供給される。例えば、面発光レーザを光源として、通信波長850nmの光を用いた場合は、Si(シリコン)を用いたフォトダイオードが用いるのが最適である。一方、さらに波長1μm以上の長波長の光を通信に用いる場合には、Si(シリコン)よりも禁制帯幅の小さな材料が用いられ、Ge(ゲルマニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、As(ヒ素)といった材料からなる化合物によって作製される。本発明における光通信波長は、光源と光検出器の検出感度波長依存性及び光ファイバの伝送レートとの関係で最適なものを選ぶのが好ましい。
【0039】
超音波撮像装置内のシステムとして、受信信号は装置内コンピュータにて高速演算処理されて画像化される。この演算処理量が増えるにしたがい、装置内コンピュータの負荷は高くなり、処理能力が低下してしまう。従って、超音波撮像装置内コンピュータとして、出来るだけ高速演算処理可能な高い処理能力を持つコンピュータを用いるのが望ましい。
現在の銅配線による電気実装をベースとしたコンピュータではクロックの高速化に対して、信号劣化、消費電力増大、電磁干渉等が生じるという問題点がある。例えば、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)ベーストランジスタが高速化、集積密度の増大によりマイクロプロセッサのクロック周波数が向上し、20Gbpsのデータ伝送レートが実現可能になったとしても、実際は15Gbps程度の通信速度が限界となってしまう。この問題を解決するため、現在コンピュータ内信号送受を光信号で行う光インターコネクションテクノロジが発達しつつある。光インターコネクションテクノロジは、メタル線によるインターコネクションと比較して、高周波数においても低い伝送損失、低クロストーク、広帯域といった多くの利点を有している。
【0040】
この光インターコネクションテクノロジは、高速演算処理を必要とされる超音波診断装置内コンピュータにも将来的に適用されることが想定される。本発明はこのような装置内コンピュータ光インターコネクション化に対して、超音波探触子との間で伝送される光信号をダイレクトに装置内コンピュータに伝送できるという点で、超音波撮像装置システム構築を容易化できる利点を有する。
【0041】
尚、図4はリニアタイプ探触子の形状を示しているが、コンベックスタイプあるいはセクタタイプの構造に関しても同一構造の探触子を構成することができる。
この場合、基板の上に異なるプロセスのベアチップを搭載していくマルチチップの構成や同一の半導体に形成する方式が可能である。また、複数のプロセスを同一の半導体素材に施す方式も可能である。これは、後述する実施の形態においても同様である。
【0042】
(2.第2の実施の形態)
次に、図6及び図7を参照しながら、本発明の第2の実施の形態に係る超音波撮像装置200について説明する。
【0043】
図6は、超音波撮像装置200の概略構成図である。
図7は、超音波探触子203の概略構成図である。
【0044】
超音波撮像装置200は、装置本体201と超音波探触子203とが接続ケーブル205により接続されて構成される。
装置本体201及び接続ケーブル205は、第1の実施の形態の装置本体1及び接続ケーブル5と同様のものである。
【0045】
装置本体201及び超音波探触子203は、それぞれ、E/O素子13及びO/E素子22、O/E素子15及びE/O素子20を有する。接続ケーブル205は、メタル線25、光ファイバ14、光ファイバ21の複合ケーブルである。
【0046】
超音波探触子203は、超音波探触子本体部8及び当該超音波探触子本体部8に着脱可能な着脱部9により構成される。着脱部9は混載チップ7を含む。装置本体201と着脱部9との間の電力供給及び信号送受は、接続点53及び接続点54及び接続点55において非接触方式で行われる。
【0047】
超音波探触子本体部8は電力供給用の非接触送電コイル51を備え、着脱部9は電力受給用の非接触受電コイル52を備える。非接触給電方式により、混載チップ7に給電を行って混載チップ7の各デバイスを駆動させることができる。
【0048】
信号送受のためのデジタル光信号は、空間接続により光ファイバ14とO/E素子15との間、光ファイバ21とE/O素子20との間を伝送される。
尚、空間接続部位に光学レンズを配置することで接続損失を低減することができる。光信号を空間接続にて接続する場合には光軸ズレによる伝送損失が生じやすいので、超音波探触子本体部8と着脱部9とを精密なアライメントによって嵌め合わせることが望ましい。
【0049】
このように、第2の実施の形態では、接続ケーブルにはメタル線に代えて光ファイバが用いられ、超音波探触子に光通信モジュールやcMUTを含むデバイス混載チップが設けられるので、第1の実施の形態と同様の効果がある。
また、第2の実施の形態の超音波撮像装置200では、超音波探触子203は、超音波探触子本体部8とこれに着脱可能な着脱部9とから構成される。
従って、被検体と接触する部分をディスポーザブルあるいは取替式にすることができる。超音波診断時に多くの被検体に対して同一の超音波放射面を使い回す必要がないので衛生面の向上を図ることができる。
【0050】
(3.第3の実施の形態)
次に、図8を参照しながら、本発明の第3の実施の形態に係る超音波撮像装置300について説明する。
【0051】
図8は、超音波撮像装置300の概略構成図である。
超音波撮像装置300は、装置本体301と超音波探触子303とが接続ケーブル305により接続されて構成される。
第3の実施の形態の超音波撮像装置300は、第2の実施の形態の超音波撮像装置200における非接触方式給電に代えて充電池よる給電を行うものである。
従って、装置本体301にはバイアス制御回路24が設けられない。また、接続ケーブル305には光ファイバ14及び光ファイバ21が設けられるが、メタル線25は設けられない。また、超音波探触子303には非接触送電コイル51、非接触受電コイル52が設けられない。
【0052】
一方、着脱部9には、充電池56及びバイアス制御回路57が設けられる。超音波探触子本体部8から着脱部9が取り外され、外部電源から接続点58を介して充電池56の充電が行われる。充電後、超音波探触子本体部8に着脱部9が取り付けられ、充電池56からバイアス制御回路57を介して、混載チップ7やO/E素子15等に給電が行われる。
【0053】
このように、第3の実施の形態では、接続ケーブルにはメタル線に代えて光ファイバが用いられ、超音波探触子に光通信モジュールやcMUTを含むデバイス混載チップが設けられるので、第1の実施の形態と同様の効果がある。
また、第3の実施の形態の超音波撮像装置300は、着脱部9に充電池56が設けられ、当該充電池56により超音波探触子303の各デバイスに給電を行う。従って、第2の実施の形態と同様に、被検体と接触する部分をディスポーザブルあるいは取替式にすることができ衛生面の向上を図ることができる。さらに、第3の実施の形態では、装置本体301側にバイアス制御回路を設ける必要がなく、給電用のメタル線も不要である。
【0054】
(4.第4の実施の形態)
次に、図9を参照しながら、本発明の第4の実施の形態に係る超音波撮像装置300について説明する。
【0055】
図9は、超音波撮像装置400の概略構成図である。
超音波撮像装置400は、装置本体401と超音波探触子403とが接続ケーブル405により接続されて構成される。
【0056】
装置本体401には光源61が設けられる。光源61は、紫外光レーザ、可視光レーザ、白色光源、重水素ランプ等の光源である。
接続ケーブル405は、第1の実施の形態の接続ケーブル5のメタル線25に代えて光ファイバ62を設けたものである。
超音波探触子403には、光エネルギーを電気エネルギーに変換するO/E素子63が設けられる。O/E素子63は、フォトダイオードではなく、アモルファスシリコン、シリコン単結晶、多結晶、化合物半導体、色素増感太陽電池等を用いた光電気変換素子である。
【0057】
装置本体401と超音波探触子403との間では、超音波送受信号だけでなくバイアス電流も光に変換されて光ファイバ62を介して伝送される。
超音波探触子403のO/E素子63は、光エネルギーを電気エネルギーに変換し、超音波探触子403の各デバイスにバイアス電圧を供給する。
尚、光源61及びO/E素子63のデバイスに関しては、最も変換効率の高い組み合わせとなるように選択するのが望ましい。
【0058】
このように、第4の実施の形態では、接続ケーブルにはメタル線に代えて光ファイバが用いられ、超音波探触子に光通信モジュールやcMUTを含むデバイス混載チップが設けられるので、第1の実施の形態と同様の効果がある。
また、第4の実施の形態では、装置本体401と超音波探触子403との間は光ファイバのみの接続ケーブル405で接続される。例えば、接続ケーブル405の芯数を超音波信号送受信用に8芯としバイアス供給用に2芯とした場合、総数10芯程度となる。
従って、同軸メタル線を有する接続ケーブルと比較して、軽量かつ高フレキシビリティを有する接続ケーブルを用いることができ、超音波診断作業性の大幅な向上を図ることができる。また、装置本体401と超音波探触子403との間の接続ケーブルとしてメタル線を用いないので、電磁放射ノイズの問題も解消することができる。
【0059】
また、第2の実施の形態と同様に、着脱部409を設け、当該着脱部409にO/E素子63及びO/E素子15及びE/O素子20及び混載チップ7を設けることにより、被検体と接触する部分をディスポーザブルあるいは取替式にすることができる。超音波診断時に多くの被検体に対して同一の超音波放射面を使い回す必要がないので衛生面の向上を図ることができる。
さらに、第4の実施の形態では、電気的に絶縁されているので交換する部分を限定することなく設計可能である。この場合は電力供給及び信号印加に対応した光通信の接続部に精度を要するが一般に用いられる光通信接続コネクタの応用で実施可能である。また、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)振動子など機械的微細加工が必要な従来製品とは異なり、半導体プロセスのみで製作できる部分が主であるので製造コスト低減が可能である。
【0060】
(5.第5の実施の形態)
次に、図10〜図12を参照しながら、本発明の第5の実施の形態に係る超音波撮像装置500について説明する。
【0061】
図10は、超音波撮像装置500の概略構成図である。
超音波撮像装置500は、装置本体501と超音波探触子503とが接続ケーブル505により接続されて構成される。
【0062】
装置本体501には、E/O素子72及びO/E素子74及び検出回路75が設けられる。
超音波探触子503には、光変調器71が設けられる。光変調器71は、混載チップ7とは別のデバイスとして超音波探触子503に実装される。
接続ケーブル505は、光ファイバ−メタル複合ケーブルであり、光ファイバ73が設けられる。光ファイバ73は、超音波探触子503側の光変調器71と装置本体501側のE/O素子72及びO/E素子74との間の光信号の伝送を媒介する。
【0063】
被検体27より反射された超音波エコー信号は、cMUT26により検出されて受波アナログ電気信号に変換される。増幅器18は、受波アナログ電気信号を増幅処理する。A/Dコンバータ19は、受波アナログ電気信号をデジタル化して光変調器71に印加する。
【0064】
装置本体501側の面発光レーザ等の半導体レーザからの単色光は、光ファイバ73を通じて、超音波探触子503側の光変調器71に入射する。入射単色光は、光変調器71により変調されて再び光ファイバ73を通じて、装置本体501側に入射する。検出回路75は、変調された光を検出して超音波信号を取得する。
【0065】
このように、第5の実施の形態では、接続ケーブルにはメタル線に代えて光ファイバが用いられ、超音波探触子に光通信モジュールやcMUTを含むデバイス混載チップが設けられるので、第1の実施の形態と同様の効果がある。
また、第5の実施の形態の超音波撮像装置500は、超音波探触子503側に光変調器71が設けられ、装置本体501側に検出回路75が設けられる。
従って、光外部変調方式により高速光変調が可能であり、通信速度及び伝送量を向上させることができる。
【0066】
尚、光変調器71は、MEMSミラー(Micro Electro Mechanical System)、多層膜ミラー、屈折率異方性変化型変調器、屈折率変化型変調器を用いたデバイスである。
【0067】
MEMSミラーは、微細加工によって製作される超小型デバイスである。MEMSミラーは、外部からの電気信号によってミラーの角度を変えることができる。MEMSミラーによって光ファイバから出射される単色光は偏光されるため、MEMSミラーをを光強度変調素子として動作させることができる。
【0068】
多層膜ミラーは、例えば、SiO2(酸化シリコン)/TiO2(酸化チタン)といった屈折率の異なる材料から構成される多層膜にPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)素子を接合させて製作される。多層膜ミラーは、音響光学効果を利用したデバイスとして用いることができる。混載チップから伝達されるデジタル電気信号はPZT素子に印加され、多層膜の膜厚を変化させる。ブラッググレーティング波長は多層膜の膜厚と屈折率によって決まり、印加デジタル電気信号は反射光波長を変化させる。この効果を利用してある波長での光強度を検出することにより、多層膜ミラーを光強度変調素子として動作させることができる。
【0069】
また、屈折率異方性変化型変調器に関しては、LiTaO3(タンタル酸リチウム)等の電気光学効果を示す結晶を用いることができる。これらの結晶中を通る光波は、偏波面の方向によって常光及び異常光に分かれ、それぞれ、異なった速度で進む。この時に結晶に電圧を印加すると、これらの光線の速度が変化して位相差が発生し、光強度を変調させることができる。
【0070】
また、媒質そのものの屈折率を電気によって変化させる屈折率変化型変調器としてはLiNbO3(ニオブ酸リチウム)等を用いたMZ(Mach−Zehnder)型干渉計などによって構成された光導波路素子を利用することができる。
【0071】
図11は、光変調器71としての屈折率変化型変調器80を概略構成図である。
図12は、光変調器71としての屈折率変化型変調器83を概略構成図である。
【0072】
光導波路素子81上に分岐型及び集合型の導波路が設けられ、光ファイバ73が入射部及び出射部にカップリングされる。分岐された一方の導波路に電界が印加されるように電極82が設けられる。電極82には、混載チップ7からの電気配線が接続される。
電気信号が導波路に印加されると、電気光学効果による屈折率変化を誘起されて出射光の干渉パターンが変化する。この干渉光を検出することにより光強度変調を検出することができる。
【0073】
尚、図11では導波回路平行方向に光ファイバ73をカップリングして光信号を取り出すが、図12に示すように導波路内にミラー84を設けることで、導波回路垂直方向に光を取り出すこともできる。
また、光変調器71は、混載チップ7とは別のデバイスとして超音波探触子403に実装されるものとして説明したが、MEMSミラーを用いた光変調器71を混載チップ7上に設けるようにしてもよい。
【0074】
(6.その他)
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る超音波撮像装置の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0075】
第1の実施の形態〜第5の実施の形態について説明したが、これらを適宜組み合わせて超音波撮像装置を構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】超音波撮像装置100の概略構成図
【図2】cMUT26の構造図
【図3】cMUT26の配置を示す図
【図4】超音波探触子3の概略構成図
【図5】超音波探触子3の概略斜視図
【図6】超音波撮像装置200の概略構成図
【図7】超音波探触子203の概略構成図
【図8】超音波撮像装置300の概略構成図
【図9】超音波撮像装置400の概略構成図
【図10】超音波撮像装置500の概略構成図
【図11】光変調器71としての屈折率変化型変調器80を概略構成図
【図12】光変調器71としての屈折率変化型変調器83を概略構成図
【符号の説明】
【0077】
100、200、300、400、500………超音波撮像装置
1、201、301、401、501………装置本体
3、203、303、403、503………超音波探触子
5、205、305、405、505………接続ケーブル
7………混載チップ
8………超音波探触子本体部
9………着脱部
11………制御部
12………送波整相回路
13、20、32、72………E/O素子(面発光レーザ等)
14、21、62、73………光ファイバ
15、22、31、74………O/E素子(フォトダイオード等)
16………D/Aコンバータ
17………送受切替スイッチ
18………増幅器
19………A/Dコンバータ
23………受波整相回路
24、57………バイアス制御回路
25………メタル線
26………cMUT
27………被検体
28………画像処理部(イメージプロセッサ)
29………表示部(ディスプレイ)
51………非接触送電コイル
52………非接触受電コイル
53、54、55、58………接続点
56………充電池
61………光源
63………O/E素子(アモルファスシリコン等)
71………光変調器
75………検出回路
80、83………屈折率変化型変調器
81………光導波路素子
82………電極
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体の診断画像として超音波像を撮像する超音波診断装置に関する。詳細には、容量型マイクロマシン超音波振動子を有する探触子を備える超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波診断装置における超音波の送信及び受信を担う超音波振動子として、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミクスや、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の圧電素子が用いられる。一般的にこれらの振動子は、超音波探触子内で数百素子以上に微細分離されたアレイ形態で利用され、各分離素子には、各々電気配線が接続されて数百近くの信号チャンネル構造が実現される。
また、超音波撮像装置のアナログ信号処理部とデジタル信号処理部の間で電気信号→光信号→電気信号の信号変換を行い、MRI(Magnetic Resonance Imaging)による撮像中に漏洩電磁波がMRI測定系内に入ることを防止する超音波撮像装置が提案されている(例えば、[特許文献1]参照。)。
【0003】
また、圧電振動子以外を用いた超音波探触子として、半導体成膜技術を用いて製作される容量型マイクロマシン超音波振動子(cMUT:Capacitive Micro−machined Ultrasound Transducer)がある(例えば、[非特許文献1]参照。)。
cMUTはフォトリソグラフィー微細加工といった半導体成膜プロセスを用いているために、厚さ数十〜数百μmの薄い小型のチップ上に数μm〜数十μmのサイズで製作される。さらに、同一チップ上にトランジスタ等の様々な電気回路を含むデバイスを混載することが可能である。また、cMUTは圧電振動子では実現困難な広帯域な音響特性を有しており、小型であるだけでなく、広帯域超音波探触子用トランスデューサとして用いることができる(例えば、[非特許文献2]参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−242886号公報
【非特許文献1】Butas T. Khuri-Yakub et al, “SurfaceMicro-machined Capacitive Ultrasound Transducers” IEEE Transactions onUltrasonics, Ferroelectrics, and Frequency control, Vol. 45, No. 3, May 1998.
【非特許文献2】Omer Oralkan et al, “CapacitiveMicromachined Ultrasonic Transducers: Next-Generation Arrays for AcousticImaging?” IEEE Transactions on Ultrasonics, Ferroelectrics, and Frequencycontrol, Vol. 49, No. 11, Nov. 2002.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の圧電振動子を用いた超音波撮像装置では、圧電振動子各チャンネルと装置本体との間はアナログ電気通信によって信号送受が行われる。従って、圧電振動子アレイを用いた超音波探触子を取り回す際、数百本以上の同軸メタル線を含むケーブルを同時に引き回す必要がある。多芯の同軸メタルケーブルは、重量及び体積が大きく引き回す際のフレキシビリティが低く、操作性や作業効率が低下したり労力的負担が増大するという問題点がある。
【0006】
従来の超音波撮像装置において、圧電振動子各チャンネルと装置本体との間はアナログ電気通信によって信号送受が行われる。そのため、超音波探触子と装置本体との間を接続する電気配線ケーブルは200チャンネル近くの電気配線を要する。また、受信したエコー信号は一般に非常に低レベルなので、メタル線は単純な撚り線ではなく、各々がそれ自身の信号線及び導電シールド(conductive shield)を備える同軸線となる。そのため、超音波探触子と装置との間は200芯以上の同軸メタル線から構成され構造的かつ重量的にも大きな多芯同軸メタルケーブルにより接続される。
【0007】
また、従来の電線による印加パルス伝送もしくはバイアス電圧及び半導体回路電源の供給における漏洩電流に関しては、絶縁性能を追求すればケーブルが太く硬くなり操作性が低下する。また、電磁的両立性や不要輻射の低減に関しては、パルスを電線で送り、また同一経路で微弱な受信信号を受け取るので、性能を追求すると規模が大きくなる。また、外来ノイズが画面に混入する事は避けられない場合が多く、規格遵守のため感度を犠牲にすることも必要である。さらに、不要輻射を基準内に収めるために電圧を下げる等の対策が必要であり性能低下を招くこともある。
【0008】
以上のように、圧電振動子アレイを用いた超音波探触子では、超音波探触子と装置本体との間の接続ケーブルの高フレキシビリティ化と超音波探触子自体の小型軽量化はトレードオフの関係にある。
【0009】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、超音波探触子と装置本体との間における接続ケーブルのフレキシビリティを向上させ、操作性及び作業効率を向上させることを可能とする超音波撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するために第1の発明は、複数の超音波振動子を用いて被検体との間で超音波の送受を行う超音波撮像装置用の超音波探触子であって、光信号を電気信号に変換する光電気信号変換素子と、電気信号を光信号に変換する電気光信号変換素子とを具備し、光通信により前記超音波に関する信号の送受を行うことを特徴とする超音波探触子である。
【0011】
超音波振動子としては容量型マイクロマシン超音波振動子(cMUT)を用いることが望ましい。光電気信号変換素子はフォトダイオード等である。電気光信号変換素子は面発光レーザ等である。超音波探触子には光通信モジュールや超音波振動子を含むデバイス混載チップが設けられる。
超音波撮像装置の本体と超音波探触子とを接続する接続ケーブルに関しては、メタル線に代えて光ファイバが用いられる。光ファイバを有するケーブルを介して、超音波撮像装置の本体と超音波探触子との間で信号やエネルギーの送受が行われる。
これにより、超音波探触子自体の重量や体積を増加させることなく、超音波探触子と装置本体との間における接続ケーブルのフレキシビリティを向上させ、操作性及び作業効率を向上させることができる。
【0012】
また、超音波探触子は、前記超音波探触子の本体部に対して着脱可能な着脱部を具備し、前記着脱部には、前記光電気信号変換素子または前記電気光信号変換素子または非接触式給電部の少なくともいずれかと前記超音波振動子とが設けられることが望ましい。
これにより、被検体と接触する部分をディスポーザブルあるいは取替式にすることができる。超音波診断時に多くの被検体に対して同一の超音波放射面を使い回す必要がないので衛生面の向上を図ることができる。
【0013】
また、超音波探触子は、前記超音波探触子の本体部に対して着脱可能な着脱部を具備し、前記着脱部には、前記光電気信号変換素子または前記電気光信号変換素子の少なくともいずれかと充電池と前記超音波振動子とが設けられ、前記充電池を用いて給電を行うことが望ましい。
これにより、超音波撮像装置の本体側にバイアス制御回路を設ける必要がなく、給電用のメタル線も不要である。
【0014】
また、超音波探触子は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電気エネルギー変換素子を具備し、入力された光エネルギーを前記光電気エネルギー変換素子により電気エネルギーに変換して給電を行うことが望ましい。
これにより、超音波撮像装置の本体と超音波探触子との間は光ファイバのみの接続ケーブルで接続される。同軸メタル線を有する接続ケーブルと比較して、軽量かつ高フレキシビリティを有する接続ケーブルを用いることができ、超音波診断作業性の大幅な向上を図ることができる。メタル線を用いないので、電磁放射ノイズの問題も解消することができる。
【0015】
また、超音波探触子は、光の位相を変化させる光変調器を具備し、前記光変調器による変調光を用いて前記光通信を行うことが望ましい。
これにより、光外部変調方式により高速光変調が可能であり、通信速度及び伝送量を向上させることができる。
【0016】
第2の発明は、複数の超音波振動子を用いて被検体との間で超音波の送受を行う超音波探触子と、当該超音波探触子に駆動信号を供給する送信手段と、前記超音波探触子から出力される受信信号を処理する受信手段と、当該受信手段から出力される信号に基づき超音波像を再構成する画像処理手段と、前記超音波像が表示される表示手段を備える超音波撮像装置であって、前記超音波探触子は、光信号を電気信号に変換する光電気信号変換素子と、電気信号を光信号に変換する電気光信号変換素子とを具備し、光通信により前記送信手段及び受信手段と前記超音波探触子との間で前記超音波に関する信号の送受を行うことを特徴とする超音波撮像装置である。
【0017】
第2の発明は、第1の発明の超音波探触子を備える超音波撮像装置に関する発明である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、超音波探触子と装置本体との間における接続ケーブルのフレキシビリティを向上させ、操作性及び作業効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下添付図面を参照しながら、本発明に係る超音波撮像装置の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、以下の説明及び添付図面において、略同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することにする。
【0020】
(1.第1の実施の形態)
最初に、図1〜図5を参照しながら、本発明の第1の実施の形態に係る超音波撮像装置100について説明する。
【0021】
図1は、超音波撮像装置100の概略構成図である。
超音波撮像装置100は、装置本体1と超音波探触子3とが接続ケーブル5により接続されて構成される。
超音波撮像装置100は、超音波探触子3により被検体27に対して超音波を送受信し、装置本体1において画像処理を行い、表示部29に被検体の撮像画像を出力する。
【0022】
装置本体1は、制御部11、送波整相回路12、E/O素子13、受波整相回路23、O/E素子22を備える。装置本体1は、イメージプロセッサを備える画像処理部28を介してディスプレイ等の表示部29に接続される。
接続ケーブル5は、光ファイバ−メタル複合ケーブルであり、メタル線25及び光ファイバ14及び光ファイバ21を含む。
【0023】
超音波探触子3は、O/E素子15、D/Aコンバータ16、送受切替スイッチ17、増幅器18、A/Dコンバータ19、E/O素子20、cMUT26(容量型マイクロマシン超音波振動子)を備える。
O/E素子15及びO/E素子22は、光信号を電気信号に変換する素子であり、例えば、フォトダイオードである。
E/O素子13及びE/O素子20は、電気信号を光信号に変換する素子であり、例えば、面発光レーザである。
尚、同一の混載チップ7上に、D/Aコンバータ16、送受切替スイッチ17、増幅器18、A/Dコンバータ19、cMUT26が設けられる。
【0024】
送受電気パルス信号は、装置本体1あるいは超音波探触子3でデジタル信号化された後に光信号に変換され、接続ケーブル5の光ファイバ14及び光ファイバ21を媒体として装置本体1と超音波探触子3との間を伝送される。
cMUT26やO/E素子15やE/O素子20等のデバイスを駆動させるためのバイアス電圧等は、接続ケーブル5のメタル線25を通じて印加される。
【0025】
装置本体1の制御部11は、デジタル電気信号を送波整相回路12に送る。送波整相回路12は、デジタル電気信号に対してビーム形成処理を行って送波デジタル電気信号をE/O素子13に送る。E/O素子13は、送波デジタル電気信号を送波デジタル光信号に変換して光ファイバ14に伝送する。送波デジタル光信号は、光ファイバ14を介して超音波探触子3に伝送される。
【0026】
超音波探触子3のO/E素子16は、送波デジタル光信号を送波デジタル電気信号に変換する。D/Aコンバータ16は、送波デジタル電気信号をアナログ化する。送波アナログ電気信号は、送受切替スイッチ17によって指定されるタイミングでcMUT26に印加され超音波パルスとして被検体27に照射される。
被検体27より反射された超音波エコー信号は、cMUT26により検出されて受波アナログ電気信号に変換される。増幅器18は、受波アナログ電気信号を増幅処理する。A/Dコンバータ19は、受波アナログ電気信号をデジタル化し、E/O素子20に印加する。
超音波探触子3のE/O素子20は、受波デジタル電気信号を受波デジタル光信号に変換する。受波デジタル光信号は、光ファイバ21を介して装置本体1に伝送される。
尚、D/Aコンバータ16〜A/Dコンバータ19までの処理は、混載チップ7上で全て処理することができる。
【0027】
装置本体1のO/E素子22は、受波デジタル光信号を受波デジタル電気信号に変換する。受波整相回路23は、受波デジタル電気信号に対してビーム形成処理を行う。画像処理部28は、受波整相回路23から送られたデジタル電気信号に対して加算処理及び検波処理等を行って表示部29に超音波診断画像を表示させる。
【0028】
図2は、cMUT26の構造図である。
図3は、cMUT26の配置を示す図である。
【0029】
cMUT26は、シリコン(Si)等の基板45、基板45の表面に形成される可撓性の薄膜43、薄膜43の周囲を支持する窒化珪素(Si3N4)等の絶縁材料42、基板45〜薄膜43間に形成される真空ギャップ層44、下部電極46、上部電極41により構成される。
【0030】
cMUT26は、それを駆動する駆動信号に重畳して印加されるバイアス電圧の大きさに応じて超音波送受信感度が変化する振動子である。cMUT26により超音波を送受するとき、そのcMUT26に所定のバイアスを印加して振動子の電気機械結合係数を変化させることにより、cMUT26の送受信感度を所定の値に合わせている。
上部電極41と下部電極46との間に適切な電圧信号を印加すると、cMUT26は、容量型超音波トランスデューサセルとして機能する。超音波エコー信号を薄膜43の運動エネルギー変化として捕捉しこれに伴う電流値変化を検知することによって受信電気信号が得られる。
図3に示すように、cMUT26は、複数(例えば、数十個)配置された状態で用いられる。
【0031】
図4は、超音波探触子3の概略構成図である。
図5は、超音波探触子3の概略斜視図である。
【0032】
混載チップ7は、プリント基板33上にマウントされる。混載チップ7からプリント基板33側への超音波放射を防ぐために、超音波吸収層(バッキング層)を混載チップ7とプリント基板33との間あるいはプリント基板33背面へ接着することが望ましい。
ワイヤ34は、混載チップ7とプリント基板33との間に設けられる電気配線である。
超音波放射面の裏側に設けられるプリント基板33には、O/E素子15としてPIN(p−intrinsic−n)フォトダイオード31、E/O素子20として半導体レーザの一種である面発光レーザ32(VCSEL:Vertical Surface Emitting Laser)、電気配線用コネクタ35が取り付けられる。
【0033】
PINフォトダイオード31、面発光レーザ32、電気配線用コネクタ35は、それぞれ、接続ケーブル5の光ファイバ14、光ファイバ21、メタル線25に接続される。接続ケーブル5は、装置本体1に接続される。
装置本体1との接続端子は、光ファイバ及びメタル線の両接続コネクタとなる。光ファイバ接続に関しては、例えば、光ファイバ多芯一括接続コネクタであるMTコネクタ等を用いることができる。また、メタル線接続に関しては、例えば、コネクタ嵌合ピン等を利用することで容易に装置間と接続することができる。
【0034】
このように、第1の実施の形態の超音波撮像装置100では、装置本体1と超音波探触子3とを接続する接続ケーブルにはメタル線に代えて光ファイバが用いられ、超音波探触子3に光通信モジュールやcMUTを含むデバイス混載チップが設けられる。
従って、超音波探触子の小型化、ケーブルの低クロストーク化、ケーブルのフレキシビリティの向上、大容量通信、筐体内の光インターコネクション化を実現することができる。
すなわち、超音波探触子自体の重量や体積を増加させることなく、超音波探触子と装置本体との間における接続ケーブルのフレキシビリティを向上させ、操作性及び作業効率を向上させることができる。
【0035】
cMUT駆動時に64個のチャンネルにてビームを形成し、サンプリングレート40MHz、A/Dコンバータによる変換レート12bit/ch/clockとした場合、通信媒体の伝送レートとしては30Gbpsが最低必要となる。
現在、短距離用光通信で用いられている、ITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)G.650に代表されるグレーデッドインデックス(GI:Graded Index)型石英系マルチモード光ファイバは波長850nmにおいて、伝送レート10Gbps/kmを満たすものが既に実用化されている。
また、超短距離用光通信用として、敷設距離数十mを想定した、大コア径かつ高フレキシビリティを有するプラスチック光ファイバ(POF:Plastic optical fiber)等も10Gbpsの伝送速度を実現している。
【0036】
従って、超音波探触子を超音波撮像装置と光ファイバにてデジタル通信を行う場合、理論上最低4芯の光ファイバがあれば超音波信号を伝送可能となる。4芯ファイバテープをMTコネクタにて接続する方法は従来の光通信においては既に実用化されており、非常に低損失の接続が可能である。
また、シングルモード光ファイバ等を用いてシングルモード光通信を行うことで、波長多重化通信を行うことができる。この場合、信号に全て異なる波長の光を用い、超音波探触子内及び超音波撮像装置内に、ファイバブラッググレーティング、カプラ等を具備させる必要があるが、究極的には1本の光ファイバにて信号伝送を行うことができる。
【0037】
E/O素子及びO/E素子は半導体部品であり共に超小型のデバイスである。
E/O素子としては、半導体レーザが一般的に用いられる。特に、近年光インターコネクション等で利用されつつある面発光レーザは、従来のLD(Laser Diode)等の半導体レーザと比較し、半導体膜積層方向に光を取り出すことができることから、アレイ化が容易であり、また低消費電力、高変換効率、低閾値動作、高速直接変調も可能であるといった特長を有し、電気光混載実装を行う際の電気光変換素子として最も実用性が高い。面発光レーザに用いられる発光材料としては、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、Al(アルミニウム)、P(リン)、As(ヒ素)、N(窒素)といった元素を用いた化合物が用いられ、これらの化合物をGaAs(ガリウムヒ素)基板上に多層膜化しすることで面発光レーザは製作される。この多層膜構造は使用波長に応じて選択、最適化される。
【0038】
O/E素子としては、フォトダイオードを用いることができる。フォトダイオードは半導体製膜技術を用いて作製されるデバイスであり、使用波長に対して高感度仕様のものを用いる必要がある。また、フォトダイオードを駆動させるためのバイアス電流はメタル線によって供給される。例えば、面発光レーザを光源として、通信波長850nmの光を用いた場合は、Si(シリコン)を用いたフォトダイオードが用いるのが最適である。一方、さらに波長1μm以上の長波長の光を通信に用いる場合には、Si(シリコン)よりも禁制帯幅の小さな材料が用いられ、Ge(ゲルマニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、As(ヒ素)といった材料からなる化合物によって作製される。本発明における光通信波長は、光源と光検出器の検出感度波長依存性及び光ファイバの伝送レートとの関係で最適なものを選ぶのが好ましい。
【0039】
超音波撮像装置内のシステムとして、受信信号は装置内コンピュータにて高速演算処理されて画像化される。この演算処理量が増えるにしたがい、装置内コンピュータの負荷は高くなり、処理能力が低下してしまう。従って、超音波撮像装置内コンピュータとして、出来るだけ高速演算処理可能な高い処理能力を持つコンピュータを用いるのが望ましい。
現在の銅配線による電気実装をベースとしたコンピュータではクロックの高速化に対して、信号劣化、消費電力増大、電磁干渉等が生じるという問題点がある。例えば、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)ベーストランジスタが高速化、集積密度の増大によりマイクロプロセッサのクロック周波数が向上し、20Gbpsのデータ伝送レートが実現可能になったとしても、実際は15Gbps程度の通信速度が限界となってしまう。この問題を解決するため、現在コンピュータ内信号送受を光信号で行う光インターコネクションテクノロジが発達しつつある。光インターコネクションテクノロジは、メタル線によるインターコネクションと比較して、高周波数においても低い伝送損失、低クロストーク、広帯域といった多くの利点を有している。
【0040】
この光インターコネクションテクノロジは、高速演算処理を必要とされる超音波診断装置内コンピュータにも将来的に適用されることが想定される。本発明はこのような装置内コンピュータ光インターコネクション化に対して、超音波探触子との間で伝送される光信号をダイレクトに装置内コンピュータに伝送できるという点で、超音波撮像装置システム構築を容易化できる利点を有する。
【0041】
尚、図4はリニアタイプ探触子の形状を示しているが、コンベックスタイプあるいはセクタタイプの構造に関しても同一構造の探触子を構成することができる。
この場合、基板の上に異なるプロセスのベアチップを搭載していくマルチチップの構成や同一の半導体に形成する方式が可能である。また、複数のプロセスを同一の半導体素材に施す方式も可能である。これは、後述する実施の形態においても同様である。
【0042】
(2.第2の実施の形態)
次に、図6及び図7を参照しながら、本発明の第2の実施の形態に係る超音波撮像装置200について説明する。
【0043】
図6は、超音波撮像装置200の概略構成図である。
図7は、超音波探触子203の概略構成図である。
【0044】
超音波撮像装置200は、装置本体201と超音波探触子203とが接続ケーブル205により接続されて構成される。
装置本体201及び接続ケーブル205は、第1の実施の形態の装置本体1及び接続ケーブル5と同様のものである。
【0045】
装置本体201及び超音波探触子203は、それぞれ、E/O素子13及びO/E素子22、O/E素子15及びE/O素子20を有する。接続ケーブル205は、メタル線25、光ファイバ14、光ファイバ21の複合ケーブルである。
【0046】
超音波探触子203は、超音波探触子本体部8及び当該超音波探触子本体部8に着脱可能な着脱部9により構成される。着脱部9は混載チップ7を含む。装置本体201と着脱部9との間の電力供給及び信号送受は、接続点53及び接続点54及び接続点55において非接触方式で行われる。
【0047】
超音波探触子本体部8は電力供給用の非接触送電コイル51を備え、着脱部9は電力受給用の非接触受電コイル52を備える。非接触給電方式により、混載チップ7に給電を行って混載チップ7の各デバイスを駆動させることができる。
【0048】
信号送受のためのデジタル光信号は、空間接続により光ファイバ14とO/E素子15との間、光ファイバ21とE/O素子20との間を伝送される。
尚、空間接続部位に光学レンズを配置することで接続損失を低減することができる。光信号を空間接続にて接続する場合には光軸ズレによる伝送損失が生じやすいので、超音波探触子本体部8と着脱部9とを精密なアライメントによって嵌め合わせることが望ましい。
【0049】
このように、第2の実施の形態では、接続ケーブルにはメタル線に代えて光ファイバが用いられ、超音波探触子に光通信モジュールやcMUTを含むデバイス混載チップが設けられるので、第1の実施の形態と同様の効果がある。
また、第2の実施の形態の超音波撮像装置200では、超音波探触子203は、超音波探触子本体部8とこれに着脱可能な着脱部9とから構成される。
従って、被検体と接触する部分をディスポーザブルあるいは取替式にすることができる。超音波診断時に多くの被検体に対して同一の超音波放射面を使い回す必要がないので衛生面の向上を図ることができる。
【0050】
(3.第3の実施の形態)
次に、図8を参照しながら、本発明の第3の実施の形態に係る超音波撮像装置300について説明する。
【0051】
図8は、超音波撮像装置300の概略構成図である。
超音波撮像装置300は、装置本体301と超音波探触子303とが接続ケーブル305により接続されて構成される。
第3の実施の形態の超音波撮像装置300は、第2の実施の形態の超音波撮像装置200における非接触方式給電に代えて充電池よる給電を行うものである。
従って、装置本体301にはバイアス制御回路24が設けられない。また、接続ケーブル305には光ファイバ14及び光ファイバ21が設けられるが、メタル線25は設けられない。また、超音波探触子303には非接触送電コイル51、非接触受電コイル52が設けられない。
【0052】
一方、着脱部9には、充電池56及びバイアス制御回路57が設けられる。超音波探触子本体部8から着脱部9が取り外され、外部電源から接続点58を介して充電池56の充電が行われる。充電後、超音波探触子本体部8に着脱部9が取り付けられ、充電池56からバイアス制御回路57を介して、混載チップ7やO/E素子15等に給電が行われる。
【0053】
このように、第3の実施の形態では、接続ケーブルにはメタル線に代えて光ファイバが用いられ、超音波探触子に光通信モジュールやcMUTを含むデバイス混載チップが設けられるので、第1の実施の形態と同様の効果がある。
また、第3の実施の形態の超音波撮像装置300は、着脱部9に充電池56が設けられ、当該充電池56により超音波探触子303の各デバイスに給電を行う。従って、第2の実施の形態と同様に、被検体と接触する部分をディスポーザブルあるいは取替式にすることができ衛生面の向上を図ることができる。さらに、第3の実施の形態では、装置本体301側にバイアス制御回路を設ける必要がなく、給電用のメタル線も不要である。
【0054】
(4.第4の実施の形態)
次に、図9を参照しながら、本発明の第4の実施の形態に係る超音波撮像装置300について説明する。
【0055】
図9は、超音波撮像装置400の概略構成図である。
超音波撮像装置400は、装置本体401と超音波探触子403とが接続ケーブル405により接続されて構成される。
【0056】
装置本体401には光源61が設けられる。光源61は、紫外光レーザ、可視光レーザ、白色光源、重水素ランプ等の光源である。
接続ケーブル405は、第1の実施の形態の接続ケーブル5のメタル線25に代えて光ファイバ62を設けたものである。
超音波探触子403には、光エネルギーを電気エネルギーに変換するO/E素子63が設けられる。O/E素子63は、フォトダイオードではなく、アモルファスシリコン、シリコン単結晶、多結晶、化合物半導体、色素増感太陽電池等を用いた光電気変換素子である。
【0057】
装置本体401と超音波探触子403との間では、超音波送受信号だけでなくバイアス電流も光に変換されて光ファイバ62を介して伝送される。
超音波探触子403のO/E素子63は、光エネルギーを電気エネルギーに変換し、超音波探触子403の各デバイスにバイアス電圧を供給する。
尚、光源61及びO/E素子63のデバイスに関しては、最も変換効率の高い組み合わせとなるように選択するのが望ましい。
【0058】
このように、第4の実施の形態では、接続ケーブルにはメタル線に代えて光ファイバが用いられ、超音波探触子に光通信モジュールやcMUTを含むデバイス混載チップが設けられるので、第1の実施の形態と同様の効果がある。
また、第4の実施の形態では、装置本体401と超音波探触子403との間は光ファイバのみの接続ケーブル405で接続される。例えば、接続ケーブル405の芯数を超音波信号送受信用に8芯としバイアス供給用に2芯とした場合、総数10芯程度となる。
従って、同軸メタル線を有する接続ケーブルと比較して、軽量かつ高フレキシビリティを有する接続ケーブルを用いることができ、超音波診断作業性の大幅な向上を図ることができる。また、装置本体401と超音波探触子403との間の接続ケーブルとしてメタル線を用いないので、電磁放射ノイズの問題も解消することができる。
【0059】
また、第2の実施の形態と同様に、着脱部409を設け、当該着脱部409にO/E素子63及びO/E素子15及びE/O素子20及び混載チップ7を設けることにより、被検体と接触する部分をディスポーザブルあるいは取替式にすることができる。超音波診断時に多くの被検体に対して同一の超音波放射面を使い回す必要がないので衛生面の向上を図ることができる。
さらに、第4の実施の形態では、電気的に絶縁されているので交換する部分を限定することなく設計可能である。この場合は電力供給及び信号印加に対応した光通信の接続部に精度を要するが一般に用いられる光通信接続コネクタの応用で実施可能である。また、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)振動子など機械的微細加工が必要な従来製品とは異なり、半導体プロセスのみで製作できる部分が主であるので製造コスト低減が可能である。
【0060】
(5.第5の実施の形態)
次に、図10〜図12を参照しながら、本発明の第5の実施の形態に係る超音波撮像装置500について説明する。
【0061】
図10は、超音波撮像装置500の概略構成図である。
超音波撮像装置500は、装置本体501と超音波探触子503とが接続ケーブル505により接続されて構成される。
【0062】
装置本体501には、E/O素子72及びO/E素子74及び検出回路75が設けられる。
超音波探触子503には、光変調器71が設けられる。光変調器71は、混載チップ7とは別のデバイスとして超音波探触子503に実装される。
接続ケーブル505は、光ファイバ−メタル複合ケーブルであり、光ファイバ73が設けられる。光ファイバ73は、超音波探触子503側の光変調器71と装置本体501側のE/O素子72及びO/E素子74との間の光信号の伝送を媒介する。
【0063】
被検体27より反射された超音波エコー信号は、cMUT26により検出されて受波アナログ電気信号に変換される。増幅器18は、受波アナログ電気信号を増幅処理する。A/Dコンバータ19は、受波アナログ電気信号をデジタル化して光変調器71に印加する。
【0064】
装置本体501側の面発光レーザ等の半導体レーザからの単色光は、光ファイバ73を通じて、超音波探触子503側の光変調器71に入射する。入射単色光は、光変調器71により変調されて再び光ファイバ73を通じて、装置本体501側に入射する。検出回路75は、変調された光を検出して超音波信号を取得する。
【0065】
このように、第5の実施の形態では、接続ケーブルにはメタル線に代えて光ファイバが用いられ、超音波探触子に光通信モジュールやcMUTを含むデバイス混載チップが設けられるので、第1の実施の形態と同様の効果がある。
また、第5の実施の形態の超音波撮像装置500は、超音波探触子503側に光変調器71が設けられ、装置本体501側に検出回路75が設けられる。
従って、光外部変調方式により高速光変調が可能であり、通信速度及び伝送量を向上させることができる。
【0066】
尚、光変調器71は、MEMSミラー(Micro Electro Mechanical System)、多層膜ミラー、屈折率異方性変化型変調器、屈折率変化型変調器を用いたデバイスである。
【0067】
MEMSミラーは、微細加工によって製作される超小型デバイスである。MEMSミラーは、外部からの電気信号によってミラーの角度を変えることができる。MEMSミラーによって光ファイバから出射される単色光は偏光されるため、MEMSミラーをを光強度変調素子として動作させることができる。
【0068】
多層膜ミラーは、例えば、SiO2(酸化シリコン)/TiO2(酸化チタン)といった屈折率の異なる材料から構成される多層膜にPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)素子を接合させて製作される。多層膜ミラーは、音響光学効果を利用したデバイスとして用いることができる。混載チップから伝達されるデジタル電気信号はPZT素子に印加され、多層膜の膜厚を変化させる。ブラッググレーティング波長は多層膜の膜厚と屈折率によって決まり、印加デジタル電気信号は反射光波長を変化させる。この効果を利用してある波長での光強度を検出することにより、多層膜ミラーを光強度変調素子として動作させることができる。
【0069】
また、屈折率異方性変化型変調器に関しては、LiTaO3(タンタル酸リチウム)等の電気光学効果を示す結晶を用いることができる。これらの結晶中を通る光波は、偏波面の方向によって常光及び異常光に分かれ、それぞれ、異なった速度で進む。この時に結晶に電圧を印加すると、これらの光線の速度が変化して位相差が発生し、光強度を変調させることができる。
【0070】
また、媒質そのものの屈折率を電気によって変化させる屈折率変化型変調器としてはLiNbO3(ニオブ酸リチウム)等を用いたMZ(Mach−Zehnder)型干渉計などによって構成された光導波路素子を利用することができる。
【0071】
図11は、光変調器71としての屈折率変化型変調器80を概略構成図である。
図12は、光変調器71としての屈折率変化型変調器83を概略構成図である。
【0072】
光導波路素子81上に分岐型及び集合型の導波路が設けられ、光ファイバ73が入射部及び出射部にカップリングされる。分岐された一方の導波路に電界が印加されるように電極82が設けられる。電極82には、混載チップ7からの電気配線が接続される。
電気信号が導波路に印加されると、電気光学効果による屈折率変化を誘起されて出射光の干渉パターンが変化する。この干渉光を検出することにより光強度変調を検出することができる。
【0073】
尚、図11では導波回路平行方向に光ファイバ73をカップリングして光信号を取り出すが、図12に示すように導波路内にミラー84を設けることで、導波回路垂直方向に光を取り出すこともできる。
また、光変調器71は、混載チップ7とは別のデバイスとして超音波探触子403に実装されるものとして説明したが、MEMSミラーを用いた光変調器71を混載チップ7上に設けるようにしてもよい。
【0074】
(6.その他)
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る超音波撮像装置の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0075】
第1の実施の形態〜第5の実施の形態について説明したが、これらを適宜組み合わせて超音波撮像装置を構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】超音波撮像装置100の概略構成図
【図2】cMUT26の構造図
【図3】cMUT26の配置を示す図
【図4】超音波探触子3の概略構成図
【図5】超音波探触子3の概略斜視図
【図6】超音波撮像装置200の概略構成図
【図7】超音波探触子203の概略構成図
【図8】超音波撮像装置300の概略構成図
【図9】超音波撮像装置400の概略構成図
【図10】超音波撮像装置500の概略構成図
【図11】光変調器71としての屈折率変化型変調器80を概略構成図
【図12】光変調器71としての屈折率変化型変調器83を概略構成図
【符号の説明】
【0077】
100、200、300、400、500………超音波撮像装置
1、201、301、401、501………装置本体
3、203、303、403、503………超音波探触子
5、205、305、405、505………接続ケーブル
7………混載チップ
8………超音波探触子本体部
9………着脱部
11………制御部
12………送波整相回路
13、20、32、72………E/O素子(面発光レーザ等)
14、21、62、73………光ファイバ
15、22、31、74………O/E素子(フォトダイオード等)
16………D/Aコンバータ
17………送受切替スイッチ
18………増幅器
19………A/Dコンバータ
23………受波整相回路
24、57………バイアス制御回路
25………メタル線
26………cMUT
27………被検体
28………画像処理部(イメージプロセッサ)
29………表示部(ディスプレイ)
51………非接触送電コイル
52………非接触受電コイル
53、54、55、58………接続点
56………充電池
61………光源
63………O/E素子(アモルファスシリコン等)
71………光変調器
75………検出回路
80、83………屈折率変化型変調器
81………光導波路素子
82………電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の超音波振動子を用いて被検体との間で超音波の送受を行う超音波撮像装置用の超音波探触子であって、
光信号を電気信号に変換する光電気信号変換素子と、
電気信号を光信号に変換する電気光信号変換素子とを具備し、
光通信により前記超音波に関する信号の送受を行うことを特徴とする超音波探触子。
【請求項2】
前記超音波探触子の本体部に対して着脱可能な着脱部を具備し、
前記着脱部には、前記光電気信号変換素子または前記電気光信号変換素子または非接触式給電部の少なくともいずれかと前記超音波振動子とが設けられることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
【請求項3】
前記超音波探触子の本体部に対して着脱可能な着脱部を具備し、
前記着脱部には、前記光電気信号変換素子または前記電気光信号変換素子の少なくともいずれかと充電池と前記超音波振動子とが設けられ、前記充電池を用いて給電を行うことを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
【請求項4】
光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電気エネルギー変換素子を具備し、
入力された光エネルギーを前記光電気エネルギー変換素子により電気エネルギーに変換して給電を行うことを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
【請求項5】
光の位相を変化させる光変調器を具備し、前記光変調器による変調光を用いて前記光通信を行うことを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
【請求項6】
光の入力及び出力を媒介する光ファイバを有するケーブルを具備することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の超音波探触子。
【請求項7】
複数の超音波振動子を用いて被検体との間で超音波の送受を行う超音波探触子と、当該超音波探触子に駆動信号を供給する送信手段と、前記超音波探触子から出力される受信信号を処理する受信手段と、当該受信手段から出力される信号に基づき超音波像を再構成する画像処理手段と、前記超音波像が表示される表示手段を備える超音波撮像装置であって、
前記超音波探触子は、光信号を電気信号に変換する光電気信号変換素子と、電気信号を光信号に変換する電気光信号変換素子とを具備し、
光通信により前記送信手段及び受信手段と前記超音波探触子との間で前記超音波に関する信号の送受を行うことを特徴とする超音波撮像装置。
【請求項8】
前記超音波探触子は、さらに、前記超音波探触子の本体部に対して着脱可能な着脱部を具備し、
前記着脱部には、前記光電気信号変換素子または前記電気光信号変換素子または非接触式給電部の少なくともいずれかと前記超音波振動子とが設けられることを特徴とする請求項7に記載の超音波撮像装置。
【請求項9】
前記超音波探触子は、さらに、前記超音波探触子の本体部に対して着脱可能な着脱部を具備し、
前記着脱部には、前記光電気信号変換素子または前記電気光信号変換素子の少なくともいずれかと充電池と前記超音波振動子とが設けられ、前記充電池を用いて前記超音波探触子に給電を行うことを特徴とする請求項7に記載の超音波撮像装置。
【請求項10】
前記超音波探触子は、さらに、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電気エネルギー変換素子を具備し、
入力された光エネルギーを前記光電気エネルギー変換素子により電気エネルギーに変換して前記超音波探触子に給電を行うことを特徴とする請求項7に記載の超音波撮像装置。
【請求項11】
前記超音波探触子は、さらに、光の位相を変化させる光変調器を具備し、前記光変調器による変調光を用いて前記光通信を行うことを特徴とする請求項7に記載の超音波撮像装置。
【請求項12】
前記超音波撮像装置の本体と前記超音波探触子との間における光の入力及び出力を媒介する光ファイバを有するケーブルを具備することを特徴とする請求項7から請求項11までのいずれかに記載の超音波撮像装置。
【請求項13】
前記超音波振動子は、cMUTであることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
【請求項1】
複数の超音波振動子を用いて被検体との間で超音波の送受を行う超音波撮像装置用の超音波探触子であって、
光信号を電気信号に変換する光電気信号変換素子と、
電気信号を光信号に変換する電気光信号変換素子とを具備し、
光通信により前記超音波に関する信号の送受を行うことを特徴とする超音波探触子。
【請求項2】
前記超音波探触子の本体部に対して着脱可能な着脱部を具備し、
前記着脱部には、前記光電気信号変換素子または前記電気光信号変換素子または非接触式給電部の少なくともいずれかと前記超音波振動子とが設けられることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
【請求項3】
前記超音波探触子の本体部に対して着脱可能な着脱部を具備し、
前記着脱部には、前記光電気信号変換素子または前記電気光信号変換素子の少なくともいずれかと充電池と前記超音波振動子とが設けられ、前記充電池を用いて給電を行うことを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
【請求項4】
光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電気エネルギー変換素子を具備し、
入力された光エネルギーを前記光電気エネルギー変換素子により電気エネルギーに変換して給電を行うことを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
【請求項5】
光の位相を変化させる光変調器を具備し、前記光変調器による変調光を用いて前記光通信を行うことを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
【請求項6】
光の入力及び出力を媒介する光ファイバを有するケーブルを具備することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の超音波探触子。
【請求項7】
複数の超音波振動子を用いて被検体との間で超音波の送受を行う超音波探触子と、当該超音波探触子に駆動信号を供給する送信手段と、前記超音波探触子から出力される受信信号を処理する受信手段と、当該受信手段から出力される信号に基づき超音波像を再構成する画像処理手段と、前記超音波像が表示される表示手段を備える超音波撮像装置であって、
前記超音波探触子は、光信号を電気信号に変換する光電気信号変換素子と、電気信号を光信号に変換する電気光信号変換素子とを具備し、
光通信により前記送信手段及び受信手段と前記超音波探触子との間で前記超音波に関する信号の送受を行うことを特徴とする超音波撮像装置。
【請求項8】
前記超音波探触子は、さらに、前記超音波探触子の本体部に対して着脱可能な着脱部を具備し、
前記着脱部には、前記光電気信号変換素子または前記電気光信号変換素子または非接触式給電部の少なくともいずれかと前記超音波振動子とが設けられることを特徴とする請求項7に記載の超音波撮像装置。
【請求項9】
前記超音波探触子は、さらに、前記超音波探触子の本体部に対して着脱可能な着脱部を具備し、
前記着脱部には、前記光電気信号変換素子または前記電気光信号変換素子の少なくともいずれかと充電池と前記超音波振動子とが設けられ、前記充電池を用いて前記超音波探触子に給電を行うことを特徴とする請求項7に記載の超音波撮像装置。
【請求項10】
前記超音波探触子は、さらに、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電気エネルギー変換素子を具備し、
入力された光エネルギーを前記光電気エネルギー変換素子により電気エネルギーに変換して前記超音波探触子に給電を行うことを特徴とする請求項7に記載の超音波撮像装置。
【請求項11】
前記超音波探触子は、さらに、光の位相を変化させる光変調器を具備し、前記光変調器による変調光を用いて前記光通信を行うことを特徴とする請求項7に記載の超音波撮像装置。
【請求項12】
前記超音波撮像装置の本体と前記超音波探触子との間における光の入力及び出力を媒介する光ファイバを有するケーブルを具備することを特徴とする請求項7から請求項11までのいずれかに記載の超音波撮像装置。
【請求項13】
前記超音波振動子は、cMUTであることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−125225(P2007−125225A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−320790(P2005−320790)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
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