説明

超音波探触子及び超音波診断装置

【課題】 圧電層の短軸方向に音圧重み付けをもたせ、かつ、被検体に入射される短軸方向の音圧分布を所望の音圧重み付けに調整する。
【解決手段】 被検体との間で超音波を送受する振動子2を、超音波を送受する圧電層5と、この圧電層の超音波放射側に配設された音響整合層6と、圧電層の背面側に配設されたバッキング層7とを有して形成し、圧電層の短軸方向に音圧重み付けをもたせ、音響整合層6とバッキング層7の音響インピーダンスを、短軸方向に沿って分布を持たせて形成することにより、被検体に入射される短軸方向の音圧分布を所望の音圧重み付けに調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体との間で超音波を送受する振動子が複数配列された超音波探触子及び超音波診断装置に係り、特に、短軸方向に音圧重み付けした振動子を有する超音波探触子に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波探触子は、駆動信号を超音波に変換して被検体に入射するとともに、被検体から発生した反射エコーを受波して受信信号に変換する振動子を複数配列して形成されている。
【0003】
このような超音波探触子として、振動子の短軸方向に音圧を重み付けしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。これによれば、超音波を送受する振動子の圧電層を複数の圧電体に分割して形成し、それらの圧電体間に充填材を配設し、超音波放射面の圧電体の面積分布を、短軸方向の中心部から両端部に向かうにつれて小さくなるように形成している。これにより、圧電体の面積分布に応じて、被検体に入射される超音波の音圧に重み付けすることができ、サイドローブを抑制して、品質の高い画像を得ることができるとしている。
【0004】
【特許文献1】特表2005−502437号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術のように圧電層の短軸方向に音圧分布をもたせると、これに応じて、圧電層の音響インピーダンスが短軸方向に沿って異なってしまう。その結果、被検体に入射される超音波の音圧分布が所望の音圧重み付けに対応したものとはならず、サイドローブを十分に抑制できないという問題がある。
【0006】
本発明は、圧電層の短軸方向に音圧重み付けをもたせ、かつ、被検体に入射される短軸方向の音圧分布を所望の音圧重み付けに調整することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の超音波探触子は、被検体との間で超音波を送受する振動子を複数配列してなり、振動子は、超音波を送受する圧電層と、圧電層の超音波放射側に配設された音響整合層とを有し、音響整合層は、短軸方向に沿って音響インピーダンスが異ならせて形成することを特徴とする。
【0008】
すなわち、圧電層の音響インピーダンスは被検体の音響インピーダンスと比べて高いことから、圧電層で放射した超音波を効率良く被検体へ入射するために音響整合層が設けられる。そこで、圧電層の短軸方向の音圧分布に重み付けをもたせたことにより、圧電層の音響インピーダンスが短軸方向に沿って異なった場合、音響整合層の短軸方向の音響インピーダンスを調整することにより、被検体に入射される短軸方向の音圧分布を所望の音圧重み付けに調整することができる。
【0009】
この場合において、音響整合層は、圧電層側の第1の整合層と、第1の整合層の被検体側の第2の整合層で構成し、それぞれの整合層の音響インピーダンスを短軸方向に沿って異ならせることが望ましい。これによれば、一層効率良く被検体に超音波を入射し、所望の音圧重み付けに調整できる。
【0010】
また、被検体との間で超音波を送受する振動子を複数配列してなり、振動子は、超音波を送受する圧電層と、圧電層の背面側に配設されたバッキング層とを有し、バッキング層の音響インピーダンスを短軸方向に沿って異ならせることでも、上記課題を解決することができる。つまり、圧電層で発生した超音波は背面側にも放射され、背面側に放射された超音波の反射率は、バッキング層の音響インピーダンスに依存する。例えば、バッキング層の音響インピーダンスを小さくすれば超音波の反射率は大きくなり、圧電層の感度は高くなる。言い換えれば、圧電層から放射される超音波の音圧は大きくなる。したがって、バッキング層の短軸方向の音響インピーダンスを調整することにより、被検体に入射される短軸方向の音圧分布を所望の音圧重み付けに調整することが可能となる。
【0011】
さらに、音響整合層において短軸方向に音響インピーダンスを異ならせるとともに、バッキング層において短軸方向に音響インピーダンスを異ならせることを組み合わせることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、圧電層の短軸方向に音圧重み付けをもたせ、かつ、被検体に入射される短軸方向の音圧分布を所望の音圧重み付けに調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を適用した超音波探触子の実施例について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の実施例1の超音波探触子の構成を示す斜視図である。ここで、以下の実施例では、振動子の配列方向を長軸方向と称し、長軸方向に直交する方向を短軸方向と称する。また、振動子から被検体に向けて超音波が放射される方向を超音波放射方向と称し、振動子の背面側の方向を背面方向と称する。
【0015】
超音波探触子1は、被検体との間で超音波を送受する振動子2を複数配列してなり、各振動子2は超音波のクロストークを抑制する分離材3によって実質的に分離されている。振動子2と分離材3の被検体側には共通の音響レンズ4が配設されている。振動子2は、超音波を送受する圧電層5と、圧電層5の超音波放射側に配設される音響整合層6と、圧電層5の背面側に配設されるバッキング層7とで構成される。また、バッキング層7は、各振動子2に対応させて分離材3によって分離された部分と、全振動子2に共通に設けられたベース部とを有している。
【0016】
図2に圧電層5の短軸方向の縦断面図を示し、図3に圧電層5を超音波放射面側から見た図を示す。それらの図に示すように、圧電層5は、超音波を送受する複数の圧電体11(11−1〜11−m)に分割して形成されている。分割された柱状の各圧電体11の間に充填材12が配設されている。また、各圧電体11は、超音波放射面の面積が、短軸方向の中心部から両端部に向かうにつれて小さくなるように分布を持たせて形成されている。例えば、短軸方向の両端部における充填材12の幅は60μmであり、圧電体11の幅は40μmである。また、短軸方向の中心部における充填材12の幅は40μmであり、圧電体11の幅は60μmである。つまり、隣接する1対の充填材12と圧電体11の幅の合計値が100μmとなるように、短軸方向に沿って、充填材12の幅と圧電体11の幅を40μm〜60μmで設定する。圧電体11には、圧電セラミックスPZT、PZLTや、圧電単結晶PZN−PT、PMN−PT、又は有機圧電材料PVDF等の材料を用いることができる。また、充填材12には、エポキシやシリコン等を用いることができる。
【0017】
音響レンズ4は、被検体側に膨らんで形成された凸面を有し、圧電層5と被検体との間で送受される超音波をフォーカスする。この音響レンズ4は、音響インピーダンスが被検体に近く、音速が被検体よりも遅い材料(例えば、シリコンゴム)を用いて形成されている。
【0018】
次に、本実施例の特徴である音響整合層6について、図5を用いて説明する。図5は、音響整合層6と圧電層5及びバッキング層7の短軸方向の縦断面図である。前述したとおり、超音波放射面の圧電体11の面積分布は、短軸方向の中心部から両端部に向かうにつれて小さくなるように形成されている。この面積分布に合わせて、音響整合層6は、圧電体11の超音波放射側に、各圧電体11の面積に合わせた面積を有する柱状の複数のセラミックス13を配設し、各セラミックス13の間に樹脂14を配設して形成されている。また、音響整合層6の厚さは、超音波の中心周波数の波長の1/4として、圧電層5内の反射波を減衰させて、広帯域を実現している。セラミック13には、アルミナ、シリコン、ジルコニア等、又はこれらを混合した材料を用いることができる。また、樹脂14には、ポリウレタン、エポキシ、シリコン等、又はこれらを混合した材料を用いることができる。
【0019】
このように構成される実施例1の動作について、次に説明する。本実施例の圧電層5によれば、柱状の各圧電体11の超音波放射面の面積が、短軸方向の中心部から両端部に向かうにつれて小さくなる分布を有することから、電気機械結合係数の分布が短軸方向の中心から両端部にむかうにつれて小さくなる。その結果、圧電層5に加える電気エネルギを短軸方向に一定とすると、圧電層5から放射される超音波の音圧分布は、図4に示すように、短軸方向に沿って凸状の重み付けになる。この音圧分布の超音波が被検体に入射されると、サイドローブを低減して、画質を向上させることができる。
【0020】
ところで、一般に、圧電層5の音響インピーダンスは、被検体の音響インピーダンスと比べて非常に高いので、音響インピーダンスの違いによって圧電層5から放射される超音波が被検体表面で反射し、効率よく被検体に入射されないことになる。そこで、音響整合層6を圧電層5と被検体の間に設けて、インピーダンス整合をとり、超音波を効率良く被検体に入射するようにしている。そこで、従来の音響整合層の音響インピーダンスは、圧電層及び被検体の音響インピーダンスとの例えば間の値に選定し、かつ、図6に示すように、短軸方向に一定の音響インピーダンスを有するように調整していた。
【0021】
しかしながら、圧電層5の短軸方向に音響インピーダンス分布があると、音響インピーダンス整合がくずれ、被検体に入射される音圧分布が圧電層5で重み付けた音圧分布と異なってしまうことになる。
【0022】
そこで、本実施例では、音響整合層6を柱状の複数のセラミックス13と、各セラミックス13の間に配した樹脂14とにより構成した。特に、各セラミックス13の柱状の断面を圧電層5の各圧電体11の面積に合わせた面積を有するものとしたのである。これにより、図7に示すように、音響整合層6の短軸方向の音響インピーダンスを、圧電層5の短軸方向の音響インピーダンス分布に合わせることができる。つまり、短軸方向の中心部から両端部に向かうにつれて、音響整合層6の音響インピーダンスが小さくなるように形成している。その結果、被検体に入射される音圧分布を圧電層5で重み付けた音圧分布に合わせることができ、被検体に入射される短軸方向の音圧分布を所望の音圧重み付けに調整することができる。
【実施例2】
【0023】
本発明の実施例2について図8を用いて説明する。図8は、音響整合層6と圧電層5及びバッキング層7の短軸方向の縦断面図である。音響整合層以外は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0024】
本実施例は、実施例1の音響整合層6を、圧電層5側に配設される第1の整合層6−1と、第1の整合層の被検体側に配設される第2の整合層6−2との2層構造にするものである。第1の整合層6−1は、圧電体11の超音波放射側に、各圧電体11の面積に合わせた面積を有する柱状の複数のセラミックス13を配設し、各セラミックス13の間に樹脂14を配設して形成されている。第2の整合層6−2は、セラミックス13の被検体側に、各セラミックス13の面積に合わせた面積を有する柱状の複数のセラミックス17を配設し、各セラミックス17の間に樹脂18を配設して形成されている。
【0025】
本実施例においても、実施例1と同様に短軸方向の音圧分布を所望の音圧重み付けに調整することが可能となる。さらに、本実施例のように音響整合層を2層構造としたことで、超音波を一層効率よく被検体に入射することが可能となる。
【実施例3】
【0026】
本発明の実施例3について図9を用いて説明する。図9は、音響整合層6と圧電層5及びバッキング層7の短軸方向の縦断面図である。本実施例では、バッキング層に特徴があり、バッキング層以外は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0027】
前述したとおり、超音波放射面の圧電体11の面積分布は、短軸方向の中心部から両端部に向かうにつれて小さくなるように形成されている。これに合わせて、バッキング層7は、圧電体11の背面側に、各圧電体11の面積に合わせた面積を有する柱状の複数のゴム材19を配設し、各ゴム材の間に樹脂20を配設して形成されている。
【0028】
このように構成される実施例3の動作について、次に説明する。本実施例の圧電層5は、実施例1と同様に、短軸方向に沿って凸状に音圧重み付けされ、図6に示すように、音響インピーダンスが短軸方向に沿って均一にならず、凸状の音圧重み付けに応じて短軸方向に音響インピーダンス分布が生じてしまう。
ところで、一般に、圧電層5の音響インピーダンスは、被検体の音響インピーダンスと比べて非常に高いので、音響インピーダンスの違いによって圧電層5から放射される超音波が被検体表面で反射し、効率良く被検体に入射されないことになる。反射した超音波は圧電層5の内部で振動を続けるので超音波のパルス幅は長くなり、被検体内での距離分解能は低下する。例え圧電層5と被検体との間に音響整合層6を設けて、インピーダンス整合をとり、超音波を効率よく被検体に入射したとしても距離分解能は十分とはならない。そこで、短軸方向に一定の音響インピーダンスを有するバッキング層7を圧電層5の背面側に設け、その音響インピーダンスの値を調整することによって背面方向へ放射される超音波を調整していた。
【0029】
しかしながら、圧電層5の短軸方向に音響インピーダンス分布があると、音響インピーダンス整合がくずれ、被検体に入射される音圧分布が圧電層5で重み付けた音圧分布と異なってしまうことになる。
【0030】
そこで、本実施例では、バッキング層7を柱状の複数のゴム材19と、各ゴム材19の間に配した樹脂20とにより構成した。特に、各ゴム材19の柱状の断面を圧電層5の各圧電体11の面積に合わせた面積を有するものとしたのである。これにより、バッキング層7の音響インピーダンスは、短軸方向の中心部から両端部に向かうにつれて小さくなるので、圧電層5の短軸方向の音響インピーダンスに合わせることができる。その結果、被検体に入射される音圧分布を圧電層5で重み付けた音圧分布に合わせることができ、被検体に入射される短軸方向の音圧分布を所望の音圧重み付けに調整することができる。
【実施例4】
【0031】
本発明の実施例4について図10を用いて説明する。図10は、音響整合層6と圧電層5及びバッキング層7の短軸方向の縦断面図である。本実施例は、実施例1の音響整合層と、実施例3のバッキング層を組み合わせた構造である。音響整合層とバッキング層以外は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0032】
本実施例のように、音響整合層6とバッキング層7の短軸方向の音響インピーダンスを、圧電層5の短軸方向の音響インピーダンス分布に合わせることで、一層容易に、被検体に入射される短軸方向の音圧分布を所望の音圧重み付けに調整することが可能となる。
【0033】
もちろん、実施例1と実施例2は、発明の原理が同じなので、実施例2と実施例3の組み合わせでも本発明の課題を解決できる。
【0034】
以上、本発明の実施例1〜4において圧電層5は、柱状の圧電体11を長軸方向と短軸方向に配列し、各圧電体11の間に充填材12を配設した、いわゆる1−3型複合構造を用いて説明した。しかし、これに限らず、例えば、長軸方向全幅にわたる板状の圧電体を、短軸方向に複数配列し、各圧電体の間に充填材を配設し、各圧電体を実質的に分離した、いわゆる2−2型複合構造でもよい。また、ベース材料に粉状の圧電材料を配合して圧電層を一体的に形成した、いわゆる0−3型複合構造でも本発明を適用できる。この0−3型複合構造の場合の音圧重み付けは、短軸方向に沿って圧電材料の濃度を変えることで実現できる。つまり、構造に関係なく、短軸方向の中心部から両端部に向かうにつれて音響インピーダンスが小さくなるように圧電層が形成されていれば、本発明を適用できるということである。
【0035】
また、音響整合層6についても実施例の構造に限らない。例えば、樹脂(例えば、エポキシ)に金属紛(例えば、タングステン)を配合比率が短軸方向の両端部から中心部に向かうにつれて増えるように配合して形成してもよい。つまり、短軸方向に沿って音響インピーダンスが異なるように形成されていれば、本発明の効果を発揮できるということである。
【0036】
また、バッキング層7の構造についても同様に、短軸方向に沿って音響インピーダンスが異なるように形成されていればよい。例えば、樹脂(例えば、エポキシ)と、マイクロバルーンと、金属紛(例えば、タングステン)を配合し、短軸方向の両端部から中心部に向かうにつれて金属粉を増やすことにより、音響インピーダンスと減衰率を調整する。
【0037】
次に、本発明を適用した超音波探触子を用いて構成される超音波診断装置の概略について図11を用いて説明する。
【0038】
超音波診断装置24は、超音波探触子1を駆動させるパルス信号を信号線を介して供給する送信回路25と、超音波探触子1から出力される受信信号を受信し、その受信信号から超音波画像を形成する受信回路26と、受信回路26から出力される超音波画像を表示させる画像表示器27とを備えている。
【0039】
このように構成される超音波探触子1及び超音波診断装置24の動作について説明する。まず、被検体の体表に超音波探触子1の音響レンズ4側を接触させる。超音波探触子1を駆動するパルス信号が送信回路25から出力されると、パルス信号は、例えば圧電層5に供給される。供給されたパルス信号が、圧電層5の超音波放射側と背面側とを挟む一対の電極を介して圧電体11に入力すると、圧電体11が圧電層5の超音波放射方向と背面方向に伸縮する。これによって、超音波が発生し、被検体に向けて放射される。被検体から発生する反射エコーは、電極を介して圧電体11に受波されることによって受信信号に変換される。変換された受信信号は、信号線を介して受信回路26に出力され、受信回路26で増幅や整相加算などの超音波画像の形成処理が施される。受信回路26から出力した超音波画像は、モニタである画像表示器27に表示される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明を適用した超音波探触子の構成を示す図である。
【図2】図1の超音波探触子の圧電層の短軸方向の縦断面を示す図である。
【図3】図2の圧電層を超音波放射面側から見た図である。
【図4】図2の圧電層から放射される超音波の音圧分布を示す図である。
【図5】本発明を適用した超音波探触子の実施例1を示す図である。
【図6】本発明を適用する前の圧電層と音響整合層の音響インピーダンス分布を示す図である。
【図7】本発明を適用した後の圧電層と音響整合層の音響インピーダンス分布を示す図である。
【図8】本発明を適用した超音波探触子の実施例2を示す図である。
【図9】本発明を適用した超音波探触子の実施例3を示す図である。
【図10】本発明を適用した超音波探触子の実施例4を示す図である。
【図11】本発明を適用した超音波探触子及び超音波診断装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
1 超音波探触子
2 振動子
3 分離材
4 音響レンズ
5 圧電層
6 音響整合層
7 バッキング層
11−1〜11−m 圧電体
12 充填材
13、17 セラミックス
14、18、20 樹脂
19 ゴム材
24 超音波診断装置
25 送信回路
26 受信回路
27 画像表示器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体との間で超音波を送受する振動子を複数配列してなり、前記振動子は、前記超音波を送受する圧電層と、該圧電層の超音波放射側に配設された音響整合層とを有し、該音響整合層は、短軸方向に沿って音響インピーダンスが異ならせて形成されてなる超音波探触子。
【請求項2】
前記音響整合層は、前記圧電層側の第1の整合層と、第1の整合層の被検体側の第2の整合層とを有し、第1の整合層と第2の整合層は、それぞれ短軸方向に沿って音響インピーダンスが異ならせて形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
【請求項3】
被検体との間で超音波を送受する振動子を複数配列してなり、前記振動子は、前記超音波を送受する圧電層と、該圧電層の背面側に配設されたバッキング層とを有し、該バッキング層は、短軸方向に沿って音響インピーダンスが異ならせて形成されてなる超音波探触子。
【請求項4】
被検体との間で超音波を送受する振動子を複数配列してなり、前記振動子は、前記超音波を送受する圧電層と、該圧電層の超音波放射側に配設され、短軸方向に沿って音響インピーダンスが異ならせて形成されてなる音響整合層と、前記圧電層の背面側に配設され、短軸方向に沿って音響インピーダンスが異ならせて形成されてなるバッキング層とを有してなる超音波探触子。
【請求項5】
前記圧電層は、短軸方向の中心部から両端部に向かうにつれて音響インピーダンスが小さくなり、前記音響整合層は、短軸方向の中心部から両端部に向かうにつれて音響インピーダンスが小さくなることを特徴とする請求項4に記載の超音波探触子。
【請求項6】
前記圧電層は、短軸方向の中心部から両端部に向かうにつれて音響インピーダンスが小さくなり、前記音響整合層は、前記圧電層側の第1の整合層と、第1の整合層の被検体側の第2の整合層とを有し、第1の整合層と第2の整合層は、それぞれ短軸方向の中心部から両端部に向かうにつれて音響インピーダンスが小さくなることを特徴とする請求項4に記載の超音波探触子。
【請求項7】
前記バッキング層は、短軸方向の中心部から両端部に向かうにつれて音響インピーダンスが小さくなることを特徴とする請求項6に記載の超音波探触子。
【請求項8】
前記圧電層は、複数の柱状の圧電体と該圧電体間に配された充填材とで形成され、超音波放射面の前記圧電体の面積分布は、短軸方向の中心部から両端部に向かうにつれて小さくなることを特徴とする請求項7に記載の超音波探触子。
【請求項9】
前記第1の整合層は、前記圧電体の超音波放射側に配設された第1のセラミックスと、前記充填材の超音波放射側に配設された第1の樹脂とで形成され、前記第2の整合層は、前記第1のセラミックスの被検体側に配設された第2のセラミックスと、前記第1の樹脂の被検体側に配設された第2の樹脂とで形成されてなることを特徴とする請求項8に記載の超音波探触子。
【請求項10】
前記バッキング層は、前記圧電体の背面側に配設されたゴム材と前記充填材の背面側に配設された樹脂とで形成されてなることを特徴とする請求項9に記載の超音波探触子。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1つに記載の超音波探触子を備えてなる超音波診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−124220(P2007−124220A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−312878(P2005−312878)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】