説明

超音波撮像装置および画像処理装置

【課題】塊状組織の表面をなす境界が、3次元関心領域に最大限行き渡る様な2次元関心領域を、容易に短時間で設定することができる超音波撮像装置および画像処理装置を実現する。
【解決手段】2次元関心領域61を設定する際に、塊状組織の直線状の表面にマーカ93および94を設定し、マーカ93および94を結ぶ直線95により概ね面積または長さが均等に分割される2次元関心領域61を生成することとしているので、ホームポジションにある2次元関心領域61を、機械走査方向に拡張して生成される3次元関心領域67に、表面画像が最大限含まれるようにし、ひいてはオペレータによる最適な立体画像を描出するための繰り返し操作をなくし、短時間で立体表示を行うことを実現させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被検体の3次元断層画像情報から、被検体内部に存在する塊状組織の表面画像を抽出し、立体表示を行う超音波撮像装置および画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、超音波撮像装置を用いた画像診断分野においても、3次元断層画像情報に基づいて、胎児等の塊状組織の表面画像を抽出し、立体表示するボリュームレンダリング(volume rendering)が行われる。この立体表示は、塊状組織の全体像を、オペレータ(operator)にとって容易に把握できるものとする(例えば、特許文献1)。
【0003】
この表面画像の抽出では、抽出する塊状組織部分の位置情報を、対応する2次元断層画像上に設定される2次元関心領域を用いて指定する。この塊状組織部分を含む2次元関心領域は、例えば2次元断層画像上にあるカーソル(cursor)を用いて、オペレータが2次元関心領域の境界をなす境界ライン(line)を形成する。そして、3次元関心領域は、この境界ラインを、さらにこの2次元断層画像と直交する方向に自動的に拡張して形成される。
【特許文献1】特開2003―204963号公報、(第1頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記背景技術によれば、立体表示される塊状組織の表面画像は、3次元関心領域の中にバランス(balance)良く配置されたものとはならない。すなわち、塊状組織の表面をなす境界は、2次元関心領域には含まれるものの、自動的に拡張された3次元関心領域の外にはみ出す場合が存在する。この場合、表面画像の立体表示は、3次元関心領域の全域に拡がったものではなく、部分的に限定された領域でのみの立体表示となる。
【0005】
表面画像の立体表示は、塊状組織の全体像を、容易に把握することを目的とするものであるので、限定された領域でのみ立体表示は、好ましいことではない。そこで、オペレータは、塊状組織の表面をなす境界が、3次元関心領域に満遍無く行き渡る様に、繰り返し2次元関心領域の設定を行う必要があり、最終的な立体表示が得られるまでに、多くの時間と手間を費やす要因となる。
【0006】
一方、臨床現場において、胎児の立体表示を被験者に示すことは、被験者に多大の安心感を与え好ましいものである。この場合、3次元断層画像情報の取得の後に、胎児の立体表示を作成することに時間と手間をかけることは、オペレータおよび被検者双方にとってもどかしく、好ましいことではない。
【0007】
これらのことから、塊状組織の表面をなす境界が、3次元関心領域に最大限行き渡る様な2次元関心領域を、容易に短時間で設定することができる超音波撮像装置および画像処理装置をいかに実現するかが重要となる。
【0008】
この発明は、上述した背景技術による課題を解決するためになされたものであり、塊状組織の表面をなす境界が、3次元関心領域に最大限行き渡る様な2次元関心領域を、容易に短時間で設定することができる超音波撮像装置および画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、第1の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、被検体内の3次元領域から3次元断層画像情報を取得する3次元断層画像情報取得手段と、前記3次元断層画像情報が保存される画像メモリに前記3次元領域に相当する3次元関心領域を設定する関心領域設定手段と、前記3次元断層画像情報を用いて、前記3次元領域に含まれる塊状組織の前記3次元関心領域における表面画像情報を抽出する表面画像抽出手段と、前記表面画像情報を立体表示する立体表示情報を生成する立体表示生成手段と、前記立体表示情報を表示する表示部とを備える超音波撮像装置であって、
前記関心領域設定手段は、前記塊状組織を含む2次元領域の2次元断層画像を前記表示部に表示し、前記2次元断層画像の塊状組織の辺縁部を示すマーカを手動で設定し、前記マーカの前記2次元断層画像内での位置情報に基づいて、前記マーカが中央近傍に位置する前記3次元関心領域を生成することを特徴とする。
【0010】
この第1の観点による発明では、関心領域設定手段により、塊状組織の辺縁部が中央近傍に位置する3次元関心領域を生成する。
【0011】
また、第2の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、被検体内の3次元領域から3次元断層画像情報を取得する3次元断層画像情報取得手段と、前記3次元断層画像情報が保存される画像メモリに前記3次元領域に相当する3次元関心領域を設定する関心領域設定手段と、前記3次元断層画像情報を用いて、前記3次元領域に含まれる塊状組織の前記3次元関心領域における表面画像情報を抽出する表面画像抽出手段と、前記表面画像情報を立体表示する際の立体表示情報を生成する立体表示生成手段と、前記立体表示情報を表示する表示部とを備える超音波撮像装置であって、前記関心領域設定手段は、前記塊状組織を含む2次元領域の2次元断層画像を表示する塊状組織断面表示手段、前記2次元断層画像に表示される塊状組織の辺縁部に直線状の塊状組織境界を手動で設定する塊状組織境界設定手段、前記塊状組織境界を中央近傍に含む2次元関心領域を生成する2次元関心領域生成手段および前記2次元関心領域と同形の関心領域を、前記2次元領域と直交する方向に拡張した3次元関心領域を生成する3次元関心領域生成手段を備えることを特徴とする。
【0012】
この第2の観点による発明では、関心領域設定手段は、塊状組織断面表示手段により、塊状組織を含む2次元領域の2次元断層画像を表示し、塊状組織境界設定手段により、2次元断層画像に表示される塊状組織の辺縁部に直線状の塊状組織境界を手動で設定し、2次元関心領域生成手段により、塊状組織境界を中央近傍に含む2次元関心領域を生成し、3次元関心領域生成手段により、2次元関心領域と同形の関心領域を、2次元領域と直交する方向に拡張した3次元関心領域を生成する。
【0013】
また、第3の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第2の観点に記載の超音波撮像装置において、前記超音波撮像装置が、前記3次元領域で互いに直交する直交3断面の断層画像情報を形成する直交3断面形成手段を備えることを特徴とする。
【0014】
この第3の観点の発明では、直交3断面の断層画像情報により、3次元断層画像情報の主たる断層画像情報部分を抽出する。
【0015】
また、第4の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第3の観点に記載の超音波撮像装置において、前記表示部が、前記直交3断面の断層画像情報を表示することを特徴とする。
【0016】
この第4の観点の発明では、表示された直交3断面の断層画像情報により、オペレータは、容易に3次元断層画像情報の主な内容を把握する。
【0017】
また、第5の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第2ないし4の観点のいずれか一つに記載の超音波撮像装置において、前記3次元断層画像情報取得手段が、圧電素子が円弧状または直線状に1次元配列される探触子アレイ、並びに、前記1次元配列の方向と直交する機械走査方向に、前記探触子アレイを繰り返し機械的に走査する超音波プローブを備えることを特徴とする。
【0018】
この第5の観点の発明では、1次元配列される探触子アレイを機械的に走査することで、リアルタイムに3次元断層画像情報を取得する。
【0019】
また、第6の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第5の観点に記載の超音波撮像装置において、前記直交3断面形成手段が、前記直交3断面の一つを、前記一次元配列の方向をなす電子走査方向を含む断面とし、前記直交3断面の別の一つを、前記機械走査方向を含む面とすることを特徴とする。
【0020】
この第6の観点の発明では、直交3断面の断面と、電子走査方向および機械走査方向の断面の向きを一致させる。
【0021】
また、第7の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第6の観点に記載の超音波撮像装置において、前記塊状組織断面表示手段が、前記2次元領域を、前記直交3断面の電子走査方向を含む断面に一致させることを特徴とする。
【0022】
この第7の観点の発明では、電子走査方向を向く断面で、2次元関心領域の設定を行う。
【0023】
また、第8の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第2ないし4の観点のいずれか一つに記載の超音波撮像装置において、前記3次元断層画像情報取得手段が、圧電素子が面状に2次元配列される2次元探触子アレイを有する超音波プローブを備えることを特徴とする。
【0024】
この第8の観点の発明では、2次元探触子アレイにより、より高速に3次元断層画像情報を取得する。
【0025】
また、第9の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第2ないし8の観点のいずれか一つに記載の超音波撮像装置において、前記塊状組織境界設定手段が、前記2次元断層画像に2つのマーカを設定し、前記2つのマーカを結ぶ直線を前記塊状組織境界とするマーカ設定手段を備えることを特徴とする。
【0026】
この第9の観点の発明では、簡易に、2次元断層画像に含まれる塊状組織境界を、指定する。
【0027】
また、第10の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第2ないし9の観点のいずれか一つに記載の超音波撮像装置において、前記2次元関心領域生成手段が、前記塊状組織境界を挟んで、面積の等しい2つの領域からなる2次元関心領域を生成することを特徴とする。
【0028】
この第10の観点の発明では、塊状組織境界を、2次元関心領域の中央近傍に位置させる。
【0029】
また、第11の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第2ないし9の観点のいずれか一つに記載の超音波撮像装置において、前記2次元関心領域生成手段が、前記塊状組織境界を挟んで、前記2次元断層画像内の前記塊状組織境界と直交する方向の長さが概ね等しい2つの領域からなる2次元関心領域を生成することを特徴とする。
【0030】
この第11の観点の発明では、塊状組織境界を、2次元関心領域の中央近傍に位置させる。
【0031】
また、第12の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第2ないし11の観点のいずれか一つに記載の超音波撮像装置において、前記3次元関心領域生成手段が、前記2次元関心領域を、前記3次元関心領域の前記2次元関心領域と直交する方向の中心に位置させることを特徴とする。
【0032】
この第12の観点の発明では、2次元関心領域を、3次元関心領域の中央に位置させ、より確実に塊状組織境界が、3次元関心領域の全領域に行き渡る様にする。
【0033】
また、第13の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第2ないし12の観点のいずれか一つに記載の超音波撮像装置において、前記3次元関心領域生成手段が、前記2次元関心領域を、前記2次元領域と直交する方向に拡張する大きさを入力する入力部を備えることを特徴とする。
【0034】
この第13の観点の発明では、2次元領域と直交する方向の3次元関心領域の大きさを調整する。
【0035】
また、第14の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第2ないし13の観点のいずれか一つに記載の超音波撮像装置において、前記表面画像抽出手段が、前記3次元関心領域の3次元断層画像情報から、画素値を用いて表面画像情報を抽出する際の閾値を入力する入力部を備えることを特徴とする。
【0036】
この第14の観点の発明では、表面画像、ひいては表面画像の立体表示を、ノイズの少ない明瞭なものにする。
【0037】
また、第15の観点の発明にかかる超音波撮像装置は、第2ないし14の観点のいずれか一つに記載の超音波撮像装置において、前記立体表示生成手段が、前記表面画像情報を、シェーディング表示することを特徴とする。
【0038】
この第15の観点の発明では、陰影により、立体表示を分かりやすいものにする。
【0039】
また、第16の観点の発明にかかる画像処理装置装置は、被検体内の3次元断層画像情報を保存する画像メモリと、前記3次元断層画像情報が取得された3次元領域に3次元関心領域を設定する関心領域設定手段と、前記3次元断層画像情報を用いて、前記3次元関心領域に含まれる塊状組織の表面画像情報を抽出する表面画像抽出手段と、前記表面画像情報を立体表示する際の立体表示情報を生成する立体表示生成手段と、前記立体表示情報を表示する表示部とを備える画像処理装置であって、前記関心領域設定手段は、前記塊状組織を含む2次元領域の2次元断層画像を表示する塊状組織断面表示手段、前記2次元断層画像に表示される塊状組織の辺縁部に直線状の塊状組織境界を手動で設定する塊状組織境界設定手段、前記塊状組織境界が中央近傍に位置する前記2次元領域に含まれる2次元関心領域を生成する2次元関心領域生成手段および前記2次元関心領域と同形の関心領域を、前記2次元領域と直交する方向に拡張した3次元関心領域を生成する3次元関心領域生成手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、塊状組織境界が3次元関心領域に最大限含まれるように2次元関心領域を設定するので、立体表示を行う際に、最初から最適な立体画像が取得され、2次元関心領域の設定を繰り返し行う手間を省き、容易にしかも速く最適な表面画像を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる超音波撮像装置を実施するための最良の形態について説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0042】
まず、本実施の形態にかかる超音波撮像装置100の全体構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかる超音波撮像装置100の全体構成を示すブロック(block)図である。超音波撮像装置100は、超音波プローブ(probe)10、画像取得部102、画像メモリ(memory)104、画像表示制御部105、表示部106、入力部107および制御部108を含む。ここで、超音波プローブ10、画像取得部102、画像メモリ(memory)104および後述する制御部108の画像取得制御部は、3次元断層画像情報取得手段をなす。
【0043】
超音波プローブ10は、超音波を送受信するための部分、つまり被検体2の撮像断面の特定方向に超音波を照射し、被検体2の内部から都度反射された超音波エコー(echo)を時系列的な音線として受信する。一方、超音波プローブ10は、超音波の照射方向を順次切り替えながら電子走査および機械走査を行う。後に詳述するように、この超音波プローブ10は、電子走査方向に圧電素子がアレイ(array)状に配列される探触子アレイおよびこの配列と直交する方向に探触子アレイを機械的に走査する機械走査手段を含み、被検体2の内部に位置する3次元領域から3次元断層画像情報を取得する。
【0044】
画像取得部102は、送受信部、Bモード(mode)処理部、ドップラ(doppler)処理部等を含む。送受信部は、同軸ケーブル(cable)を介して、超音波プローブ10と接続されており、超音波プローブ10の圧電素子を駆動するための電気信号を発生する。また、送受信部は、受信した反射超音波エコーの初段増幅も行う。
【0045】
Bモード処理部は、送受信部で増幅された反射超音波エコー信号からBモード画像をリアルタイム(real time)で生成するための処理を行い、ドップラ処理部は、送受信部で増幅された反射超音波エコー信号から位相変化情報を抽出し、リアルタイムで、周波数偏移の平均周波数値である平均速度、パワー(power)値、分散といった、血流情報を算出する。
【0046】
画像メモリ104は、画像取得部102で取得されたBモード画像情報、血流情報を含むドップラ画像情報等を保存する、大容量メモリである。画像メモリ104は、例えばハードディスク(hard disk)等から構成される。
【0047】
画像表示制御部105は、Bモード処理部で生成されたBモード画像情報およびドップラ処理部で生成された血流情報等の表示フレームレート(frame rate)変換、並びに、画像表示の形状や位置制御を行う。
【0048】
表示部106は、CRT(Cathode Ray Tube)あるいはLCD(Liquid Crystal Display)等からなり、Bモード画像あるいはドップラ画像等の表示を行う。
【0049】
入力部107は、キーボード(keyboard)、マウス(mouse)等からなり、オペレータにより、操作入力信号が入力される。入力部107は、例えば、Bモードによる表示あるいはドップラ処理の表示を選択するための操作入力、表示された画像情報に画像処理を行うためのカーソル等による指定、ドップラ処理を行うドップラ撮像領域の設定を入力する操作入力等が行われる。また、入力部107からは、超音波プローブ10の探触子アレイを機械的に走査する際の、走査モード、機械走査の速度、最大振れ角度およびスキャン(scan)開始等の情報が、制御部108に入力される。
【0050】
制御部108は、入力部107から入力された操作入力信号および予め記憶したプログラム(program)やデータ(data)に基づいて、上述した超音波プローブを含む超音波撮像装置各部の動作を制御する画像取得制御部および画像メモリ104に保存された3次元断層画像情報を用いて、画像処理を行う画像処理部を含む。画像取得制御部は、入力部107から入力される超音波プローブ10の走査モード、機械走査の速度、最大振れ角度およびスキャン開始等の情報に基づいて、超音波プローブ10内部での探触子アレイの位置を制御する。なお、制御部108の画像処理部については、後に詳述する。
【0051】
図2は、超音波プローブ10の内部構造を示す断面図である。超音波プローブ10は、カバー(cover)51、把持部52、探触子アレイ17、結合流体47、並びに、機械走査手段をなす駆動歯車21、駆動シャフト(shaft)24、ステッピングモータ(stepping motor)28、ベルト(belt)33および回転制御部25を含む。ここで、カバー51および把持部52は、探触子アレイ17、結合流体47、並びに、機械走査手段をなす駆動歯車21、ステッピングモータ28、ベルト33および回転制御部25を内包する容器を形成する。なお、図中に示されたxyz座標軸は、この座標軸が存在するすべての図面で共通する座標軸であり、図面相互の位置関係を示す。ここで、x軸は、電子走査方向を向き、y軸は、機械走査方向を向き、z軸は、把持部52の長手方向を向いている。
【0052】
カバー51は、半透明の膜からなり、円弧状に機械走査される探触子アレイ17の軌道に沿った円弧状の形状を有する。カバー51は、探触子アレイ17で発生される超音波および被検体2からの反射超音波エコーを、低損失で通過させる音響インピーダンス(impedance)の材質とされる。
【0053】
把持部52は、成形可能なプラスチック(plastic)等からなり、オペレータが超音波プローブ10を、容易にしかも確実に保持できる形状とされる。
【0054】
探触子アレイ17は、コンベックス(convex)状のリニア(linear)走査型探触子である。このリニア走査型探触子は、機械走査方向と直交する電子走査方向に複数の圧電素子がアレイ状に配列させられ、この配列に沿って電子的な走査を行う。
【0055】
探触子アレイ17は、機械走査手段により、機械走査方向への機械的な走査を行う。機械走査手段は、電子走査方向を向く首振り手段である駆動シャフト24を有する。そして、駆動シャフト24の回転により、探触子アレイ17のカバー51と接する探触子表面は、機械走査方向に円弧状の軌道を描く首振り動作を行う。なお、探触子アレイ17が存在するカバー51の内側は、結合流体47で満たされており、探触子アレイ17およびカバー51の間の音響的な結合を、損失の少ない状態とする。
【0056】
駆動シャフト24は、駆動歯車21、ベルト33を介してステッピングモータ28と機械的に接続される。ステッピングモータ28は、回転制御部25からの制御パルス(pulse)の入力により、高精度で目的とする所定角度の回転を行う。この回転により、機械的に接続された駆動シャフト24、ひいては探触子アレイ17も機械走査方向に回転を行う。
【0057】
回転制御部25は、ステッピングモータ28を駆動するパルスを発生するパルス発生部およびこのパルスを制御するパルス制御部を有する。回転制御部25は、画像取得部102からの制御情報に基づいて、ステッピングモータ28、ひいては探触子アレイ17の回転角度を制御し、探触子アレイ17に駆動シャフト24を回転中心とする首振り運動を行わせる。
【0058】
回転制御部25は、例えば、探触子アレイ17が被検体正面に向くz軸方向にある場合をホームポジション(home position)として、スキャンを行わない場合に常時停留される場所とする。回転制御部25は、オペレータにより入力部107から入力される、被検体が存在する正面から測った探触子アレイ17の最大振れ角度情報および探触子アレイ17の機械走査方向への走査速度情報に基づいて、ホームポジションから所定の機械走査方向にスキャンを開始する。その後、回転制御部25は、オペレータによる入力部107からのスキャン停止の指示により、ホームポジションに探触子アレイ17を戻しスキャンを停止する。
【0059】
図3は、超音波プローブ10を用いて行われる電子走査方向および電子走査方向と直交する機械走査方向のスキャン、並びに、このスキャンの際に取得される被検体2の内部に位置する3次元領域8を、模式的に示した説明図である。超音波プローブ10は、圧電素子が配列される探触子アレイ17の電子走査方向に電子走査を行い、断層画像情報を取得する。その後、超音波プローブ10は、電子走査方向と直交する機械走査方向に探触子アレイ17を移動させ、そこで電子走査を再び行い断層画像情報の取得を繰り返し行う。これにより、被検体2内部の3次元領域8における、3次元断層画像情報を取得する。
【0060】
図4は、制御部108の機能的な構成を示すブロック図である。制御部108は、画像取得制御部59および画像処理部60を含み、画像処理部60は、さらに直交3断面形成手段71、関心領域設定手段72、表面画像抽出手段73および立体表示生成手段74を含む。
【0061】
画像取得制御部59は、図3に示した様な3次元領域8で、3次元断層画像情報の取得を行い、取得された3次元断層画像情報を、画像メモリ104の3次元メモリ領域に保存する。この3次元メモリ領域は、3次元領域8に対応するアドレス(address)空間であり、3次元領域8の各位置に対応するアドレスに、取得された断層画像情報が保存される。
【0062】
直交3断面形成手段71は、画像メモリ104の3次元メモリ領域に保存された3次元断層画像情報に基づいて,3次元領域8で互いに直交する直交3断面の2次元断層画像情報を形成する。
【0063】
図5は、3次元領域8に設定される直交3断面を模式的に示した説明図である。直交3断面は、A断面81、B断面82およびC断面83からなる。A断面81は、xz軸面と平行な断面であり、ホームポジションにおける電子走査方向の断面を示す。B断面82は、yz軸面と平行な断面であり、機械走査方向の断面を示す。C断面83は、xy軸面と平行な断面であり、超音波プローブ10が被検体2に接触する接触面と対向する対向断面である。なお、A断面81の機械走査方向位置、B断面82の電子走査方向位置およびC断面83の超音波プローブ10が被検体2と接触する接触面からの深さ位置は、入力部107からの指定により変更することができる。
【0064】
直交3断面形成手段71は、3次元領域8のA断面81、B断面82およびC断面83に対応する画像メモリ104の3次元メモリ領域から、断層画像情報を抽出し、表示部106に表示する。これらの断層画像は、画像を書き換えるフレームレート(frame rate)が単一の2次元Bモード画像と比較して低下するものの、概ねリアルタイムに画像情報の更新を行う。
【0065】
関心領域設定手段72は、3次元領域8に対応する画像メモリ104の3次元メモリ領域に、3次元関心領域を設定する。この3次元関心領域は、例えば子宮内に存在する胎児と言った塊状組織を含む様に設定される。なお、3次元関心領域の設定の仕方については、後に詳述する。
【0066】
表面画像抽出手段73は、設定された3次元関心領域の3次元断層画像情報から、塊状組織の表面画像情報を抽出する。この抽出では、例えば、図5に示したA断面81と平行な断面内の2次元関心領域を、y軸方向に拡張した3次元関心領域での3次元断層画像情報を抽出する。そして、この3次元断層画像情報用いて、各2次元関心領域の2次元断層画像情報ごとに表面画像の輪郭線を抽出し、これら輪郭線がy軸方向に配列された一枚の表面画像を形成する。例えば、被検体2が妊婦である際に、腹部に超音波プローブ10を密着させ、子宮全体の3次元断層画像情報を用いて、胎児の表面画像を形成する場合等である。
【0067】
図6は、各2次元断層画像情報から輪郭線を求め、この輪郭線を重ね合わせて表面画像を形成する過程を、模式的に示した説明図である。なお、図6(A)および(C)に示した2次元関心領域61および3次元関心領域67は、見易くするため矩形および直方体の形状を有しているが、2次元断層画像に実際に設定される2次元関心領域は、扇形の形状を有し、対応する3次元関心領域67も図5に示した3次元領域の様な形状を有する。
【0068】
図6(A)は、3次元関心領域に含まれるA断面81と平行な2次元関心領域61の一例である。2次元関心領域61の下部には、塊状組織である胎児62の断層画像が表示されており、上部には羊水63が描出されている。
【0069】
図6(B)は、図6(A)に示した2次元関心領域61から胎児62の表面に位置する輪郭線64を抽出した輪郭線画像65である。ここで、輪郭線の抽出の際には、輪郭線の位置を、周囲の組織と比較して反射超音波エコーの強度が高い位置と仮定し、実験で決定される初期設定された閾値または入力部107から設定された閾値を用いて、閾値を越える画素位置を選別し、輪郭線64を求める。
【0070】
図6(C)は、図6(B)で取得されたA断面81の輪郭線画像65と同様の輪郭線画像を、y軸方向に配列し、3次元関心領域67に表面画像66を形成した図である。輪郭線画像65の配列により、胎児62の顔面形状が概ね生成される。なお、3次元関心領域67は、関心領域設定手段72により3次元領域8の内部に設定される領域で、詳細は後に述べる。また、図6(C)に示されたxyz座標軸は、図6(C)のみの他の図との位置関係を示すものであり、図6(A)および(B)の位置関係を示すものではない。
【0071】
立体表示生成手段74は、表面画像抽出手段73により抽出された表面画像66に、影付け(シェーディング;shading)等のレンダリング(rendering)を行った、立体表示情報を生成し、表示部106の表示画面に表示する。表面画像66を立体表示する際には、入力部107から、オペレータの視線方向等の入力が行われ、乱反射面モデル等を用いて陰影付けが行われた立体表示情報が作成される。
【0072】
図7は、図6に示した様な3次元関心領域67を設定する関心領域設定手段72の詳細な機能構成を示すブロック図である。関心領域設定手段72は、塊状組織断面表示手段41、塊状組織境界設定手段42、2次元関心領域生成手段43および3次元関心領域生成手段44を含む。なお、塊状組織断面表示手段41、塊状組織境界設定手段42、2次元関心領域生成手段43および3次元関心領域生成手段44の機能については、以下に示す関心領域設定手段72の動作で詳細に説明する。
【0073】
つぎに、関心領域設定手段72の動作について、図8を用いて説明する。図8は、関心領域設定手段72の動作を示すフローチャートである。まず、オペレータは、塊状組織断面表示手段41により、表示部106に被検体2内部の塊状組織、例えば胎児の2次元断層画像情報を表示する(ステップS801)。塊状組織断面表示手段41は、直交3断面形成手段71により、超音波プローブ10で取得される3次元断層画像情報の中から抽出されたA断面81の2次元断層画像情報を表示する。ここで、A断面81は、機械走査方向の中央に位置するホームポジションにおける電子走査方向の断層画像情報である。
【0074】
図9(A)は、図5に示す様なホームポジションにあるA断面81の、胎児62の断層画像を含む2次元断層画像91の一例である。オペレータは、3次元領域8のA断面81に、羊水63および胎児62を含む被検体2の2次元断層画像91が位置するように、超音波プローブ10を被検体2に密着させる。
【0075】
その後、オペレータは、塊状組織境界設定手段42により、2次元断層画像91に示される塊状組織をなす胎児62の表面に沿って、2つのマーカ(marker)93および94を設定する(ステップS802)。塊状組織境界設定手段42は、入力部107からカーソルの位置指定を行うマウスあるいはトラックボール(trackball)等のマーカ設定手段により、2つのマーカ93および94を、2次元断層画像91において、概ね直線をなす胎児62の表面に沿って配置する。図9(B)は、胎児62の画像上に設定された2つのマーカ93および94を図示したものである。図9(B)では、マウスあるいはトラックボール等により、概ね直線をなす胎児62の顔面に沿って、2つのマーカ93および94が設定されている。
【0076】
図9(C)は、2次元断層画像91で設定されたマーカ93および94を結ぶ直線95を示す説明図である。ここで、マーカ93および94を結ぶ直線95は、概ね胎児62の顔面に沿ったものとなり、塊状組織境界を示している。
【0077】
その後、2次元関心領域生成手段43は、マーカ93、94および直線95に基づいて、2次元断層画像91内に2次元関心領域61を生成する(ステップS803)。図10は、2次元関心領域生成手段43により生成された、2次元関心領域61の一例を示す説明図である。2次元関心領域生成手段43は、2次元関心領域61を、直線95が中央近傍に位置する様な領域として生成する。
【0078】
ここで、2次元関心領域生成手段43は、例えば、マーカ93および94を通過する、超音波エコーの送受信が行われる音線方向の線分96および97を、直線95を挟んで存在する羊水63および胎児62部分の面積が概ね等しくなるような走査方向の線分98および99とに囲まれた2次元関心領域61を形成する。なお、この面積は、入力部107から、オペレータにより入力された値を用いる。
【0079】
なお、走査方向の線分98および99の位置は、マーカ93および94を挟んだ線分96および97の長さが等しくなるような位置とすることもできる。また、上述した面積または線分の長さは、オペレータが入力部107から設定するようにすることもできる。
【0080】
図11は、2次元関心領域生成手段43により生成される2次元関心領域61の変形例を示す説明図である。図10の2次元断層画像91に示されている直線95は、概ね電子走査方向を向く様に設定されたものであるが、立体表示を行う体表面の方向に応じて、2次元断層画像91の面内で様々な方向に向きうる。直線95が2次元断層画像91内で有する向きに応じて、生成される2次元関心領域61も異なるものとなる。
【0081】
図11(A)は、塊状組織境界の位置を示すマーカ31および32が音線方向に配列され、マーカ31および32を結ぶ直線33が音線方向を向く場合の2次元関心領域34を示す説明図である。2次元関心領域34は、直線33により、電子走査方向の面積が2等分される走査方向の線分およびこれら線分の端部を接続する音線方向の線分からなる。
【0082】
図11(B)は、塊状組織境界の位置を示すマーカ35および36が音線方向に対して傾いた配列とされ、マーカ35および36を結ぶ直線37が音線方向となす角度の90度を越えない鋭角部分が音線方向を向く場合の2次元関心領域38を示す説明図である。2次元関心領域38は、直線37により、電子走査方向の面積が2等分されるマーカ35および36を通過する走査方向の線分およびこれら線分の端部を接続する音線方向の線分からなる。
【0083】
図11(C)は、塊状組織境界の位置を示すマーカ41および42が音線方向と傾いた配列とされ、マーカ35および36を結ぶ直線43が音線方向となす角度の90度を越えない鋭角部分が音線方向と反対の方向を向く場合の2次元関心領域39を示す説明図である。2次元関心領域39は、直線43により、音線方向の面積が2等分されるマーカ41および42を通過する音線方向の線分およびこれら線分の端部を接続する走査方向の線分からなる。
【0084】
図8に戻り、3次元関心領域生成手段44は、生成された2次元関心領域61を用いて、3次元関心領域67を生成する(ステップS804)。3次元関心領域生成手段44は、入力部107から指定される、探触子アレイ17の機械走査方向の中心部からの振れ角度情報を用いて、2次元関心領域61を機械走査方向に拡張する。これにより、図5に示した3次元領域を縮小した形状の3次元関心領域67が、画像メモリ104に形成され、本処理を終了する。
【0085】
ここで、ホームポジションに位置するA断面81に、塊状組織境界をなす直線95、33、37、43が中央近傍に位置する2次元関心領域61、34、38、39、を設定するので、2次元関心領域を機械走査方向に拡張した3次元関心領域は、塊状組織境界を最大限含むものとなる。なお、塊状組織境界は、ホームポジションを中心として、機械走査方向にどのように拡がっているかは未定であるので、必ずしも3次元関心領域のC断面83に該当する断面全域に塊状組織境界が存在するとは限らない。
【0086】
なお、この処理の終了後、画像処理部60は、表面画像抽出手段73および立体表示生成手段74を用いて、表面画像66を表示部106に立体表示する。
【0087】
上述してきたように、本実施の形態では、2次元関心領域61を設定する際に、塊状組織の直線状の表面にマーカ93および94を設定し、マーカ93および94を結ぶ直線95により概ね面積または長さが均等に分割される2次元関心領域61を生成することとしているので、ホームポジションにある2次元関心領域61を、機械走査方向に拡張して生成される3次元関心領域67に、表面画像66が最大限含まれるようにし、ひいてはオペレータによる最適な立体画像を描出するための繰り返し操作をなくし、短時間で立体表示を行うことができる。
【0088】
また、本実施の形態では、1次元配列された圧電素子アレイを、機械的に走査する超音波プローブ10を用いたが、代わりに圧電素子が平面上に2次元配列された2次元探触子アレイを有する超音波プローブを用いることもできる。この場合には、電子走査のみで3次元領域8の3次元断層画像情報を取得することができる。
【0089】
また、本実施の形態では、画像処理部60は、制御部108に含まれることとしたが、演算部および画像メモリを有する画像処理装置を、超音波撮像装置とは別に設け、この画像処理装置を用いて画像処理部60と全く同様の動作を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】超音波撮像装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態にかかる超音波プローブの構成を示す断面図である。
【図3】実施の形態にかかる超音波プローブの3次元操作を示す説明図である。
【図4】実施の形態にかかる制御部の機能的な構成を示すブロック図である。
【図5】超音波プローブで取得される3次元領域および3次元領域の直交3断面を示す説明図である。
【図6】A断面に設定された2次元関心領域から表面画像を生成する過程を示す説明図である。
【図7】実施の形態にかかる関心領域設定手段の機能的な構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態にかかる関心領域設定手段の動作を示すフローチャートである。
【図9】A断面の2次元断層画像に設定されるマーカを示す説明図である。
【図10】2次元断層画像のマーカから生成される2次元関心領域の代表例を示す説明図である。
【図11】マーカから生成される2次元関心領域の別の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0091】
2 被検体
8 3次元領域
10 超音波プローブ
17 探触子アレイ
21 駆動歯車
24 駆動シャフト
25 回転制御部
28 ステッピングモータ
31、35、41、93、94 マーカ
33 ベルト
33、37、43、95 直線
34、38、39、61 2次元関心領域
41 塊状組織断面表示手段
42 塊状組織境界設定手段
43 2次元関心領域生成手段
44 3次元関心領域生成手段
47 結合流体
51 カバー
52 把持部
59 画像取得制御部
60 画像処理部
62 胎児
63 羊水
64 輪郭線
65 輪郭線画像
66 表面画像
67 3次元関心領域
71 直交3断面形成手段
72 関心領域設定手段
73 表面画像抽出手段
74 立体表示生成手段
81 A断面
82 B断面
83 C断面
91 2次元断層画像
96、97,98,99 線分
100 超音波撮像装置
102 画像取得部
104 画像メモリ
105 画像表示制御部
106 表示部
107 入力部
108 制御部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体内の3次元領域から3次元断層画像情報を取得する3次元断層画像情報取得手段と、
前記3次元断層画像情報が保存される画像メモリに前記3次元領域に相当する3次元関心領域を設定する関心領域設定手段と、
前記3次元断層画像情報を用いて、前記3次元領域に含まれる塊状組織の前記3次元関心領域における表面画像情報を抽出する表面画像抽出手段と、
前記表面画像情報を立体表示する立体表示情報を生成する立体表示生成手段と、
前記立体表示情報を表示する表示部と、
を備える超音波撮像装置であって、
前記関心領域設定手段は、前記塊状組織を含む2次元領域の2次元断層画像を前記表示部に表示し、前記2次元断層画像の塊状組織の辺縁部を示すマーカを手動で設定し、前記マーカの前記2次元断層画像内での位置情報に基づいて、前記マーカが中央近傍に位置する前記3次元関心領域を生成することを特徴とする超音波撮像装置。
【請求項2】
被検体内の3次元領域から3次元断層画像情報を取得する3次元断層画像情報取得手段と、
前記3次元断層画像情報が保存される画像メモリに前記3次元領域に相当する3次元関心領域を設定する関心領域設定手段と、
前記3次元断層画像情報を用いて、前記3次元領域に含まれる塊状組織の前記3次元関心領域における表面画像情報を抽出する表面画像抽出手段と、
前記表面画像情報を立体表示する際の立体表示情報を生成する立体表示生成手段と、
前記立体表示情報を表示する表示部と、
を備える超音波撮像装置であって、
前記関心領域設定手段は、前記塊状組織を含む2次元領域の2次元断層画像を表示する塊状組織断面表示手段、前記2次元断層画像に表示される塊状組織の辺縁部に直線状の塊状組織境界を手動で設定する塊状組織境界設定手段、前記塊状組織境界を中央近傍に含む2次元関心領域を生成する2次元関心領域生成手段および前記2次元関心領域と同形の関心領域を、前記2次元領域と直交する方向に拡張した3次元関心領域を生成する3次元関心領域生成手段を備えることを特徴とする超音波撮像装置。
【請求項3】
前記超音波撮像装置は、前記3次元領域で互いに直交する直交3断面の断層画像情報を形成する直交3断面形成手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の超音波撮像装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記直交3断面の断層画像情報を表示することを特徴とする請求項3に記載の超音波撮像装置。
【請求項5】
前記3次元断層画像情報取得手段は、圧電素子が円弧状または直線状に1次元配列される探触子アレイ、並びに、前記1次元配列の方向と直交する機械走査方向に、前記探触子アレイを繰り返し機械的に走査する超音波プローブを備えることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一つに記載の超音波撮像装置。
【請求項6】
前記直交3断面形成手段は、前記直交3断面の一つを、前記一次元配列の方向をなす電子走査方向を含む断面とし、前記直交3断面の別の一つを、前記機械走査方向を含む面とすることを特徴とする請求項5に記載の超音波撮像装置。
【請求項7】
前記塊状組織断面表示手段は、前記2次元領域を、前記直交3断面の電子走査方向を含む断面に一致させることを特徴とする請求項6に記載の超音波撮像装置。
【請求項8】
前記3次元断層画像情報取得手段は、圧電素子が面状に2次元配列される2次元探触子アレイを有する超音波プローブを備えることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一つに記載の超音波撮像装置。
【請求項9】
前記塊状組織境界設定手段は、前記2次元断層画像に2つのマーカを設定し、前記2つのマーカを結ぶ直線を前記塊状組織境界とするマーカ設定手段を備えることを特徴とする請求項2ないし8のいずれか一つに記載の超音波撮像装置。
【請求項10】
前記2次元関心領域生成手段は、前記塊状組織境界を挟んで、面積の等しい2つの領域からなる2次元関心領域を生成することを特徴とする請求項2ないし9のいずれか一つに記載の超音波撮像装置。
【請求項11】
前記2次元関心領域生成手段は、前記塊状組織境界を挟んで、前記2次元断層画像内の前記塊状組織境界と直交する方向の長さが概ね等しい2つの領域からなる2次元関心領域を生成することを特徴とする請求項2ないし9のいずれか一つに記載の超音波撮像装置。
【請求項12】
前記3次元関心領域生成手段は、前記2次元関心領域を、前記3次元関心領域の前記2次元関心領域と直交する方向の中心に位置させることを特徴とする請求項2ないし11のいずれか一つに記載の超音波撮像装置。
【請求項13】
前記3次元関心領域生成手段は、前記2次元関心領域を、前記2次元領域と直交する方向に拡張する大きさを入力する入力部を備えることを特徴とする請求項2ないし12のいずれか一つに記載の超音波撮像装置。
【請求項14】
前記表面画像抽出手段は、前記3次元関心領域の3次元断層画像情報から、画素値を用いて表面画像情報を抽出する際の閾値を入力する入力部を備えることを特徴とする請求項2ないし13のいずれか一つに記載の超音波撮像装置。
【請求項15】
前記立体表示生成手段は、前記表面画像情報を、シェーディング表示することを特徴とする請求項2ないし14のいずれか一つに記載の超音波撮像装置。
【請求項16】
被検体内の3次元断層画像情報を保存する画像メモリと、
前記3次元断層画像情報が取得された3次元領域に3次元関心領域を設定する関心領域設定手段と、
前記3次元断層画像情報を用いて、前記3次元関心領域に含まれる塊状組織の表面画像情報を抽出する表面画像抽出手段と、
前記表面画像情報を立体表示する際の立体表示情報を生成する立体表示生成手段と、
前記立体表示情報を表示する表示部と、
を備える画像処理装置であって、
前記関心領域設定手段は、前記塊状組織を含む2次元領域の2次元断層画像を表示する塊状組織断面表示手段、前記2次元断層画像に表示される塊状組織の辺縁部に直線状の塊状組織境界を手動で設定する塊状組織境界設定手段、前記塊状組織境界が中央近傍に位置する前記2次元領域に含まれる2次元関心領域を生成する2次元関心領域生成手段および前記2次元関心領域と同形の関心領域を、前記2次元領域と直交する方向に拡張した3次元関心領域を生成する3次元関心領域生成手段を備えることを特徴とする画像処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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