説明

超音波映像リンキングシステム付き玩具

【課題】 テレビ放送やビデオソフト、さらにパソコン等でのキャラクター映像等に連動させて、キャラクター玩具からの所要の言語等の出力、光源の点灯、点滅、可動部の動作等を得ることができる超音波映像リンキングシステム付き玩具を得る。
【解決手段】 テレビ等での互いに同期した映像と音声を得る映像・音声発生源に、低音域の聞こえない超音波信号を混在させる超音波混合手段11と、超音波信号が混在した音声信号を出力する音声出力手段12を備える。さらに、人形等の気象玩具4に、音声に混在する超音波信号を集音する集音手段21と、その超音波信号を検出する超音波検出手段25と、超音波信号による通知信号に基づき選択される所要の言語を収納するメモリー手段23から選択する言語選択制御手段26と、選択した言語を可聴音として再生する再生手段27と、その再生した可聴音を出力する可聴音出力手段24等を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波映像リンキングシステム付き玩具に関し、特にテレビ放送、ビデオソフト等を映すテレビジョン受像機やパソコン等のモニタと玩具とが超音波によって第三者が気づかない間に通信を行って連動することができる超音波映像リンキングシステム付き玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人間や動物を模して形成された形象玩具におしゃべりをさせる会話玩具が発明されている。
【0003】
たとえば、特許文献1の「音響発生装置」では、所定の音響発生機能を備えた小型電気機器を内部に収納して、あたかもそれ自体が喋っているように構成したぬいぐるみ人形である。
【0004】
また、特許文献2の「おしゃべり人形」では、人形等に読出し専用メモリーを内蔵し、マイクロホンから入力される音声等の信号に応じてメモリーに記憶された言語情報を読出し、再生するおしゃべり人形である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】 特開昭62−249673号公報
【特許文献2】 特開昭64−15084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した特許文献1による「音響発生装置」では、テレビジョン信号の副音再生手段を形象玩具中に設けたものであり、副音を利用して主音の内容と対話関係を有する言葉を流すことにより、あたかも画面上の人形と手元の人形とが会話しているかの如く感じさせるように構成しただけのものであった。
【0007】
さらに、このような従来装置では、副音声から信号が出た場合にそれをノイズと勘違いする虞れがあり、また該ノイズ等に気がつくことから玩具から言葉が流れても不思議感が損なわれるという問題もあった。
【0008】
また、特許文献2による「おしゃべり人形」では、マイクロホンからの音声入力信号が到来するたびに、乱数発生回数からのランダムな選択データに応じて第1のメモリー群から1つの言語情報がランダムに選択されて読み出され、かつ電源スイッチの開閉に応じて第2のメモリー群から所定の言語情報を読み出して再生されるだけのものである。
【0009】
特に、この従来装置は、音声信号が入ったらメモリーの音声を出力するだけであり、誤動作の可能性があり、映像に対しておかしな反応ととられる可能性もあり、実用面で問題であった。
【0010】
しかも、形象玩具からの言語、言葉の出力は、テレビ画面等とは無関係に、適宜のタイミングで発せられるだけであり、幼児が面白がるような玩具としてはまだまだ改善の余地が残されている。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、同期した映像・音声発生源に超音波を混在させて聞こえない信号を出力し、この超音波を人形に内蔵したマイクで通知信号として集音し、収納メモリーより選択した言語を可聴音として再生することが可能となり、映像と音声に連動した言語等を発することが可能で、興趣に富む玩具遊びを行える超音波映像リンキングシステム付き玩具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような目的に応えるために本発明(請求項1記載の発明)に係る超音波映像リンキングシステム付き玩具は、互いに同期した映像と音声を得る映像・音声発生源に超音波音声信号を混在させて、超音波周波数成分の低音域の聞こえない信号を出力し、この超音波音声信号を人形等の形象玩具に内蔵したマイクで通知信号として集音し、人形等の形象玩具に収納されたメモリーより選択した言語を可聴音域スピーカーで可聴音として再生するように構成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明(請求項2記載の発明)に係る超音波映像リンキングシステム付き玩具は、請求項1において、超音波音声信号を通知信号としてマイクで集音し収納メモリーより選択した言語を可聴音として再生する人形等の形象玩具は、映像・音声発生源での映像中のキャラクターと関連性のある形象に形成したことを特徴とする。
【0014】
本発明(請求項3記載の発明)に係る超音波映像リンキングシステム付き玩具は、請求項1または請求項2において、人形等の形象玩具は、可聴音を再生して出力する代わりに、光源を点滅、点灯表示させたり、あるいはモータ等の動力源を駆動したりするように構成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明(請求項4記載の発明)に係る超音波映像リンキングシステム付き玩具は、請求項1または請求項2において、互いに同期した映像と音声を得る同期した映像・音声発生源に、超音波周波数成分の低音域の聞こえない超音波信号を混在させる超音波混合手段と、この超音波信号が混在した音声信号を出力する音声出力手段と、その音声に混在する超音波信号を集音するように人形等の形象玩具に内蔵された集音手段と、その超音波信号を検出する超音波検出手段と、前記超音波信号による通知信号に基づき選択される所要の言語を収納するように人形等の形象玩具に収納されたメモリー手段から選択する言語選択制御手段と、このメモリー手段から選択した言語を可聴音として再生する再生手段と、その再生した可聴音を出力する可聴音出力手段とを備えていることを特徴とする。
【0016】
本発明(請求項5記載の発明)に係る超音波映像リンキングシステム付き玩具は、言語選択制御手段、再生手段、可聴音出力手段に代えて、超音波信号による通知信号に基づき光源の点灯、点滅状態を選択する制御手段と、選択された制御に応じて光源の点灯、点滅状態を制御する駆動手段とを備えていることを特徴とする。
【0017】
本発明(請求項6記載の発明)に係る超音波映像リンキングシステム付き玩具は、超音波信号として、19KHz〜25KHzの低周波数帯のものを使用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明に係る超音波映像リンキングシステム付き玩具によれば、特に超音波を使うことによって聞こえない信号を映像に組み込み、テレビやパソコンと玩具とを、該超音波によって第三者が気づかない間に通信を行って連動させるように構成したので、簡単な構成であるにもかかわらず、形象玩具からの言葉、言語等の発する可聴音等を、テレビ等の映像、そのキャラクター等に連動させて出力させることができるものであり、幼児等にとって興趣に富む玩具を提供できるという優れて効果がある。
【0019】
特に、人形等の形象玩具として、テレビ等の映像中のキャラクターと関連性のある形象に形成したものを準備することで、その効果をより一層発揮させることができる。
ここで、可聴音等の代わりに、LED等の光源の点滅、点灯状態を適宜制御したり、モータ等の駆動手段を駆動制御し、所要の部材を駆動制御したりするようにしても、形象玩具の興趣に富む動きなどを得ることができるものである。
【0020】
また、本発明によれば、超音波信号として、19〜25KHzの低周波数帯のものを使用することにより、特別な超音波発生装置を用いることなく、既存の一般的なテレビジョン受像機から出力させることが可能で、システム全体のコストが安価である等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】 本発明に係る超音波映像リンキングシステム付き玩具の一実施形態を示す概略説明図である。
【図2】 図1のキャラクターグッズの拡大図である。
【図3】 図1の超音波映像リンキングシステム付き玩具の具体的な回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に基づいて、本発明を実施するための形態を具体的に説明する。
図面に於いて、図1は本発明に係る超音波映像リンキングシステム付き玩具の説明図、図2は図1のキャラクターグッズ拡大図、図3は回路ブロック図である。
【0023】
これらの図において、この超音波映像リンキングシステム付き玩具は、キャラクター画像2をディスプレイに映し出すテレビジョン受像機1と、DVD再生機2等の付属機器と、人間や動物を模して形成された形象玩具4等によって構成されている。
【0024】
そして、この超音波映像リンキングシステム付き玩具は、テレビジョン受像機1からテレビ放送やビデオソフトの再生による映像と共に出力される音声に組み込まれる超音波信号を利用し、形象玩具4から所要の言語による言葉などを発声出力させることができるように構成されている。
【0025】
これを図3等を用いて詳述すると、前記テレビジョン受像機1には、テレビ放送等による映像・音声信号に所要の超音波信号を組み込み混合させることができる超音波混合手段11と、この超音波信号が混合された音声を出力する音声出力手段12とが設けられている。ここで、映像・音声信号としては、DVD等の付属機器からのビデオソフト等による映像・音声信号であってもよい。また、音声出力手段12としては、超音波信号も出力できるものであれば、一般的なスピーカーでよい。
【0026】
また、形象玩具4には、前記音声出力手段12からの音声に混在する超音波信号を集音するように人形等の形象玩具4に内蔵された集音手段21と、その超音波信号を検出する超音波検出手段25と、超音波信号による通知信号に基づき選択される所要の言語を収納するように人形等の形象玩具4に収納されたメモリー手段23から選択する言語選択制御手段26と、このメモリー手段23から選択した言語を可聴音として再生する再生手段27と、その再生した可聴音を出力する可聴音出力手段24とを備えている。
【0027】
なお、図2、図3において符号22は言語制御部であり、図3における超音波検出手段24、言語選択制御手段26、再生手段27、その他の必要とする構成手段から構成されている。
【0028】
ここで、上述した超音波信号としては、19KHzから25KHz程度の周波数帯のものを使用することで、人の耳には聞こえず、しかも一般的なテレビジョン受像機のスピーカからも出力可能で、また一般的なマイクロフォンで集音可能な特性があり、該超音波映像リンキングシステム付き玩具を安価に構成できるという利点がある。勿論、テレビジョン受像機のスピーカや超音波発生装置、さらにマイクロフォン等に超音波専用のものを用いれば、他の帯域の超音波であってもよいことも言うまでもない。
【0029】
そして、上述した構成によれば、テレビ放送やビデオソフト、さらにパソコン等における互いに同期した映像と音声とを発生させる映像・音声発生源に超音波音声信号を混在させて、超音波周波数成分の低音域の聞こえない信号を出力し、この超音波音声信号を人形等の形象玩具4に内蔵した集音手段21で通知信号として集音し、人形等の形象玩具4に収納されたメモリー手段23より選択した言語を可聴音出力手段24で可聴音として再生することができるものであり、特に映像のキャラクター画像2に合わせたかけ声等の言語を形象玩具4から発声させ、幼児等の喜ぶ玩具を得ることができるのである。
【0030】
すなわち、以上のような超音波映像リンキングシステム付き玩具によれば、超音波信号という聞こえない信号を有効に活用し、テレビジョン受像機1やパソコン等のディスプレイと玩具とを、該超音波によって第三者が気づかない間に通信を行って連動させるものであるから、形象玩具4からの言葉、言語等の発する可聴音を、テレビジョン受像機1等の映像、そのキャラクター画像2等に連動させて出力させることができるものであり、幼児等にとって興趣に富む玩具4を得ることができる。
【0031】
特に、人形等の形象玩具4として、テレビジョン受像機1等の映像中のキャラクター画像2と関連性のある形象に形成したものを用いることで、その効果はより一層大きい。
【0032】
なお、本発明は上述した実施の形態で説明した構造には限定されず、超音波映像リンキングシステム付き玩具を構成する各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得ることはいうまでもない。
【0033】
たとえば上述した実施形態では、超音波混合手段11をテレビジョン受像機1に設け、ここで、テレビ局側からの映像・音声信号に超音波信号を混合させるようにした場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、形象玩具4側で受信でき、所要の言語を可聴音として出力し得る超音波信号としては、局側からの映像・音声信号に予め組み込まれているものであってもよい。
【0034】
また、種々の映像再生機器として、たとえばDVD再生機等を用いて再生する映像・音声信号に、予め組み込んである超音波信号を利用して、形象玩具4からの言語出力を行うように構成してもよい。この場合には、映像、キャラクタなどに応じた所要のタイミングでの超音波信号を出力できるから、玩具からの言語出力を所要の状態とすることが可能であり、より一層興趣に富む玩具を得ることができるのである。
【0035】
さらに、上述した実施形態では、超音波信号を受信することで、可聴音を再生して出力する代わりに、LED等の光源を点滅、点灯表示させたり、あるいはモータ等の動力源を駆動したりするように構成してもよい。この場合、前述した実施形態での言語選択制御手段26、再生手段27、可聴音出力手段24に代えて、超音波信号による通知信号に基づき光源の点灯、点滅状態を選択する制御手段と、選択された制御に応じて光源の点灯、点滅状態を制御する駆動手段とを用いるとよい。
【符号の説明】
【0036】
1 テレビジョン受像機(ディスプレイ)
2 キャラクター画像
3 DVD
4 形象玩具
11 超音波混合手段
12 音声出力手段(スピーカー)
21 集音手段(マイク)
22 制御手段
23 メモリー手段
24 可聴音出力手段(スピーカー)
25 超音波検出手段
26 言語選択制御手段スピーカー
27 再生手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに同期した映像と音声を得る映像・音声発生源に超音波音声信号を混在させて、超音波周波数成分の低音域の聞こえない信号を出力し、
この超音波音声信号を人形等の形象玩具に内蔵したマイクで通知信号として集音し、
人形等の形象玩具に収納されたメモリーより選択した言語を可聴音域スピーカーで可聴音として再生するように構成されていることを特徴とする超音波映像リンキングシステム付き玩具。
【請求項2】
超音波音声信号を通知信号としてマイクで集音し収納メモリーより選択した言語を可聴音として再生する人形等の形象玩具は、映像・音声発生源での映像中のキャラクターと関連性のある形象に形成したことを特徴とする請求項1記載の超音波映像リンキングシステム付き玩具。
【請求項3】
人形等の形象玩具は、可聴音を再生して出力する代わりに、光源を点滅、点灯表示させたり、あるいはモータ等の動力源を駆動したりするように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の超音波映像リンキングシステム付き玩具。
【請求項4】
互いに同期した映像と音声を得る同期した映像・音声発生源に、超音波周波数成分の低音域の聞こえない超音波信号を混在させる超音波混合手段と、
この超音波信号が混在した音声信号を出力する音声出力手段と、
その音声に混在する超音波信号を集音するように人形等の形象玩具に内蔵された集音手段と、
その超音波信号を検出する超音波検出手段と、
前記超音波信号による通知信号に基づき選択される所要の言語を収納するように人形等の形象玩具に収納されたメモリー手段から選択する言語選択制御手段と、
このメモリー手段から選択した言語を可聴音として再生する再生手段と、
その再生した可聴音を出力する可聴音出力手段とを備えていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の超音波映像リンキングシステム付き玩具。
【請求項5】
言語選択制御手段、再生手段、可聴音出力手段に代えて、超音波信号による通知信号に基づき光源の点灯、点滅状態を選択する制御手段と、選択された制御に応じて光源の点灯、点滅状態を制御する駆動手段とを備えていることを特徴とする請求項4記載の超音波映像リンキングシステム付き玩具。
【請求項6】
超音波信号として、19KHz〜25KHzの低周波数帯のものを使用することを特徴とする超音波映像リンキングシステム付き玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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