説明

超音波検知装置及び記録材判別装置及び画像形成装置

【課題】 記録材が超音波発信手段と超音波受信手段の間に存在しない場合の受信強度(P0)と、記録材が超音波発信手段と超音波受信手段の間に存在する場合の受信強度(P1)の比(P1/P0)から坪量を検知する場合、精度良く検知をするためには超音波発信手段から発信された規定の第n波目の検知タイミングを算出する必要があった。
【解決手段】 異なる周波数を用いて超音波を出力した場合に発生する受信波の時間の”ずれ”を用いて、超音波発信手段から発信された波が第何波目のものかを判別する。その結果、透過率の算出に使用する規定の第n波目の受信タイミングを記録材がある場合も無い場合も検知することができ、精度良く記録材の坪量の検知を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置で画像が形成される記録材の坪量を超音波を用いて検知する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置においては、外部装置としてのコンピュータ等や画像形成装置本体に設けられた操作パネル等で、記録材の種類(以下、紙種ともいう)を設定していた。その設定に応じて画像の転写条件(バイアス、画像形成速度)や画像の定着条件(熱量、記録材の搬送速度)を最適化するように制御されている。
【0003】
しかしながら、ユーザが記録材の種類の設定を忘れたり、間違えたりした場合等には、画像形成条件を最適化することができず、画像不良等を引き起こす可能性があった。そこで、ユーザの負担を軽減するためや、記録材の種類や状態に応じて適切な画像形成条件の制御を行うために、画像形成装置内部に記録材を検知するセンサを備えて記録材の種類を自動的に判別する方法が提案されている。
【0004】
具体的には、特許文献1においては、記録材を透過する超音波の透過率を用いて記録材の坪量を判別する方法が開示されている。特許文献2においては、超音波受信手段の立ち上がり波形を用いて坪量検知を行う方法が開示されている。特許文献2の手法をもちいることで、記録材の位置変動、センサの周囲の部材からの反射や環境変動を低減しながら、超音波により精度良く記録材の坪量を検知可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−24837
【特許文献2】特開2010−18433
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献に開示されている超音波を用いた検知方法において、記録材の坪量を精度良く検知するためには、超音波検知装置が設置された環境よって超音波の伝搬速度等の変化を補正して検知する必要がある。例えば、記録材の坪量を求める際には、超音波発信手段と超音波受信手段の間に記録材がない場合の受信信号(P0)と、超音波発信手段と超音波受信手段の間に記録材がある場合の受信信号(P1)の比(P1/P0)から坪量を検知する。環境に応じて超音波の伝搬速度は変化するため、精度良くP0、P1を検知するタイミングを得るためには環境に応じた超音波の伝搬速度に応じた補正動作が必要になってしまうという課題があった。
【0007】
本出願に係る発明は、以上のような状況を鑑みてなされたものであり、環境に応じた補正動作を行うことなく、精度良く超音波を検知するタイミングを得ることを可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の周波数及び第2の周波数で超音波を発信する発信手段と、前記発信手段から発信された超音波を受信する受信手段と、を有し、前記発信手段から第1の周波数により超音波を発信させ、前記受信手段で前記第1の周波数の超音波を受信させ、受信した前記第1の周波数の超音波の第n波目のピーク値を検知したタイミングと、前記発信手段から第2の周波数により超音波を発信させ、前記受信手段で前記第2の周波数の超音波を受信させ、受信した前記第2の周波数の超音波の第n波目のピーク値を検知したタイミングとの差分に基づきピーク値が検知された第n波目のnを特定する制御手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の構成によれば、環境に応じた補正動作を行うことなく、精度良く超音波を検知するタイミングを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】画像形成装置の概略構成図
【図2】超音波検知手段の制御ブロック図
【図3】超音波発信手段40aと超音波受信手段40bの間に記録材Pが存在する場合と存在しない場合の出力波形を示す図
【図4】気温が変化した場合の出力波形を示す図
【図5】第1の実施形態における第4波目のピークを算出する制御シーケンスを示したフローチャート
【図6】第1の実施形態における周波数40kHzで超音波を発信した際に受信した波形と、周波数45kHzで超音波を発信した際に受信した出力波形の周波数変化を示す図
【図7】第1の実施形態におけるピークのシフト時間を検知する波を示した図
【図8】第1の実施形態における超音波を用いた検知制御を示したフローチャート
【図9】坪量と透過率の関係を示したグラフ
【図10】第2の実施形態における第4波目のピークを算出する制御シーケンスを示したフローチャート
【図11】第2の実施形態における周波数40kHzで超音波を発信した際に受信した波形と、周波数45kHzで超音波を発信した際に受信した出力波形の周波数変化を示す図
【図12】第2の実施形態におけるピークのシフト時間を検知する波を示した図
【図13】第3の実施形態における第4波目のピークを算出する制御シーケンスを示したフローチャート
【図14】第3の実施形態における周波数30kHzで超音波を発信した際に受信した波形と、周波数50kHzで超音波を発信した際に受信した出力波形の周波数変化を示す図
【図15】第4の実施形態における第4波目のピークを算出する制御シーケンスを示したフローチャート
【図16】第4の実施形態における周波数40kHzで超音波を発信した際に受信した波形と、周波数45kHzで超音波を発信した際に受信した出力波形の周波数変化を示す図
【図17】第4の実施形態における超音波を用いた検知制御を示したフローチャート
【図18】ゼロクロスのシフト時間を検知する波を示した図
【図19】第5の実施形態における超音波検知手段の制御ブロック図
【図20】第5の実施形態における第4波目のピークを算出する制御シーケンスを示したフローチャート
【図21】第5の実施形態における周波数40kHzで超音波を発信した際に受信した波形と、周波数45kHzで超音波を発信した際に受信した出力波形の周波数変化を示す図
【図22】ゼロクロスタイミングのシフト時間を求める波を示した図
【図23】第6の実施形態における第4波目のピークを算出する制御シーケンスを示したフローチャート
【図24】第6の実施形態における周波数40kHzで超音波を発信した際に受信した波形と、周波数45kHzで超音波を発信した際に受信した出力波形の周波数変化を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0012】
(第1の実施形態)
本実施形態の超音波検知装置は、例えば複写機やプリンタ等の画像形成装置で用いることが可能である。図1は、その一例としてインライン方式のカラー画像形成装置の全体を示す概略構成図である。まず、画像形成装置の構成について説明する。
【0013】
インライン方式のカラー画像形成装置はイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナーを重ねあわせることでフルカラー画像を出力できるように構成されている。そして各色の画像形成のために、レーザスキャナ(11Y、11M、11C、11K)とカートリッジ(12Y、12M、12C、12K)が備えられている。カートリッジ(12Y、12M、12C、12K)は、以下の部材から構成される。図中矢印の方向に回転する感光ドラム(13Y、13M、13C、13K)。感光ドラム(13Y、13M、13C、13K)に接するように設けられた感光ドラムクリーナ(14Y、14M、14C、14K)。帯電ローラ(15Y、15M、15C、15K)。現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)。感光ドラム13、帯電ローラ15、現像ローラ16はドラムモータ(60Y、60M、60C、60K)によって駆動される。また、各色の感光ドラム(13Y、13M、13C、13K)は、中間転写ベルト駆動モータ61によって駆動される中間転写ベルト17に接するように配置される。この中間転写ベルト17を挟み、各色の感光ドラム(13Y、13M、13C、13K)と対向する位置に一次転写ローラ(18Y、18M、18C、18K)が設置される。また中間転写ベルト17にはベルトクリーナ19が設けられており、クリーニングしたトナーは廃トナー容器20に収納される。
【0014】
記録材Pはカセット21、又は手差しトレイ22に収納される。カセット21に収納された記録材Pは、給紙ローラ23、分離ローラ25a、25bによって搬送される。なお、給紙ローラ23は給紙モータ62によって駆動される。手差しトレイ22に収納された記録材Pは、給紙ローラ24、分離ローラ26a、26bによって搬送される。カセット21と手差しトレイ22の搬送路は、分離ローラ以降で合流し共通の搬送路となる。共通の搬送路には、レジローラ27が設けられ、レジローラ27の記録材搬送方向の下流側近傍にレジセンサ28が設けられている。レジローラ27の後に中間転写ベルト17と接するように二次転写ローラ29、二次転写ローラ29の後に定着モータ63によって駆動される定着器30が設置されている。64は環境センサであり、画像形成装置の周囲温度を計測する。65は電源スイッチであり、画像形成装置の電源のON/OFFを行う。
【0015】
1は画像形成装置の制御手段であるエンジンコントローラであり、制御部10及び各種入出力制御回路(不図示)等で構成されている。制御部10は画像形成装置全体を制御しており、定着モータ63、中間転写ベルト駆動モータ61、ドラムモータ60、給紙モータ62、レーザスキャナ11、超音波検知装置40、環境センサ64等を制御する。
【0016】
次に電子写真プロセスについて説明する。まず、カートリッジ(12Y、12M、12C、12K)内にて、感光ドラム(13Y、13M、13C、13K)表面を帯電ローラ(15Y、15M、15C、15K)で均一に帯電させる。次に、レーザスキャナ(11Y、11M、11C、11K)により画像データに応じて変調したレーザ光を感光ドラム(13Y、13M、13C、13K)表面に照射する。レーザ光が照射された部分の帯電電荷が除去されることで、感光ドラム(13Y、13M、13C、13K)表面に静電潜像を形成する。現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)では帯電したトナーを静電潜像に付着させることで、各色のトナー像を感光ドラム(13Y、13M、13C、13K)表面に形成する。夫々の感光ドラム(13Y、13M、13C、13K)表面上に形成されたトナー像を一次転写ローラ(18Y、18M、18C、18K)により中間転写ベルト17に順次重ね合わせるように転写する。
【0017】
カセット21の記録材Pは給紙ローラ23により搬送され、記録材Pが複数枚搬送されている場合は、分離ローラ25a、25bにより、記録材Pが一枚ずつレジローラ27へ搬送される。中間転写ベルト17上のトナー像をレジローラ27で搬送された記録材Pに二次転写ローラ29にバイアスを印加することで転写する。記録材P上のトナー像は定着器30の熱と圧力により定着され、画像形成装置外に排出される。手差しトレイ22から記録材Pを給紙する際も、カセット21から給紙される場合と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0018】
次に超音波検知装置について説明する。超音波検知装置40はカセット21と手差しトレイ22の合流した後の搬送路上に配置されている。超音波検知装置40は、超音波を発信する超音波発信手段40aと、超音波を受信する超音波受信手段40bから構成されており、超音波の透過率から記録材Pの坪量や重送状態を検知している。なお、このように記録材Pの種類の判別に用いられる超音波検知装置は、記録材判別装置とすることが可能である。超音波検知装置40で検知された超音波から求めた坪量に基づき、最適な二次転写ローラ29へのバイアスや、定着器30の熱量でトナー像の転写や定着が行われる。
【0019】
図2を用いて超音波検知装置40の検知方法について詳しく説明する。図2は、超音波検知装置40の制御ブロック図である。40aは、記録材Pに対して超音波を発信する超音波発信手段である。40bは、記録材Pから透過した超音波を受信する超音波受信手段である。超音波発信手段40aと超音波受信手段40bは、搬送路を挟んで夫々所定の位置に配置されており、搬送路を搬送される記録材Pを検知する。50は超音波発信手段を駆動する発信制御部である。51は、超音波受信手段40bで受信した超音波を電圧信号として検知し、信号を処理する受信制御部である。受信制御部51で処理された信号は制御部10に送信され、制御部10により記録材Pの坪量や重送状態の検知を行う。
【0020】
次に、記録材Pの検知の一連の動作について説明する。制御部10より発信制御部50に駆動信号が送信されると同時に、制御部10は受信制御部のタイマ516をリセットし、カウンタをスタートさせる。坪量を検知する場合、制御部10から発信制御部50へ周波数40kHz/Duty50%の矩形波が125μSecの間、送信される。送信された駆動波形は、発信制御部50の増幅器501により信号のレベル(電圧値)が増幅され、超音波発信手段40aへ出力され、超音波発信手段40aから40kHzの超音波が出力される。
【0021】
超音波受信手段40bは、超音波発信手段40aから発信された超音波、又は記録材Pを透過した超音波を受信して、受信制御部51の検知回路511に出力する。検知回路511では、信号の増幅機能と信号の半波整流を行う。図3に超音波発信手段40aと超音波受信手段40bの間に記録材Pが存在する場合と存在しない場合の検知回路511からの出力波形を示す。図3に示すように検知回路511から出力された波形は、時間と共に振幅が増大する正弦波を半波整流したものである。坪量を正確に検知するためには、図3の立ち上がり波形から、規定の第n波のピーク値を抽出する必要がある。本実施例においては第4波目のピーク(図3の○部分の値)を使用して透過率を求める。また、超音波発信手段40aと超音波受信手段40bの間に記録材Pが存在する場合と存在しない場合で各々ピーク値(図3のP0、P1)を取得し、その比率(P1/P0)から坪量を判別する。検知回路511で生成された信号はA−D変換512でアナログ信号からデジタル信号へ変換され、受信波形メモリ513に格納される。受信波形メモリ513には、タイマ516のカウンタ値に従って、超音波発信手段40aの駆動開始から所定時間の受信波形が格納される。
【0022】
次にピーク値の抽出タイミング算出動作について説明する。本実施形態においては、超音波発信部40aから出力された第4波目のピーク値を使用して透過率を判別するので、第4波目のピークのタイミングを算出する動作について以下に詳細に説明する。本実施形態においては40kHzから45kHzに周波数を変化させた場合に生じるピークの時間差に基づき、ピーク値が第何波目に出力されたものであるかを検知する方法について説明する。
【0023】
図4(a)は気温が高い場合の検知回路からの出力波形、図4(b)は気温が低い場合の検知回路511からの出力波形を示す。図4の実線は超音波発信手段を40kHzで駆動した場合、破線は超音波発信手段を45kHzで駆動した場合の波形を示す。図4に示すように、超音波発信手段40aの駆動開始から第1波目が超音波受信手段40bに届くまでの時間(T1、T2)は気温によって異なる。しかしながら、図4(a)と図4(b)で第3波目のピークのシフト時間であるT3とT4は等しくなり、周波数を変化させた場合のピークのシフト時間は同じ第n波目であれば、常に等しくなることがわかる。
【0024】
次に本実施例における第4波目のピークを算出する制御シーケンスについて図5のフローチャートを用いて説明する。S101において、制御部10は発信制御部50に周波数40kHz/Duty50%の矩形波を125μSecの間送信する。S102において、制御部10は超音波受信手段40bによって受信した受信波形を受信波形メモリ513に記憶させる。S103において、制御部10は発信制御部50に周波数45kHz/Duty50%の矩形波を111μSecの間送信する。S104において、制御部10は超音波受信手段40bによって受信した受信波形を受信波形メモリ513に記憶させる。
【0025】
図6に周波数40kHzで超音波を発信した際に受信した波形と、周波数45kHzで超音波を発信した際に受信した波形を示す。S105以下のステップは図6と共に説明する。S105において、制御部10は超音波発信手段40aを40kHzで駆動した場合に、超音波発信手段40aの駆動開始から予め定められた時間であるT5の間に到達した最後の波のピーク(図6(a)のP2)を算出する。S106において、制御部10はP2が超音波発信手段40aの駆動開始から超音波受信手段40bに到達した時間(T6)を算出する。S107において、制御部10は超音波発信手段40aを45kHzで駆動した場合に、T6の間に超音波受信手段40bに到達した最後の波のピーク(図6(a)のP3)を算出する。なお、超音波発信手段40aの駆動開始からT6までの時間を”45kHzピーク検知ウィンドウ”と定義する。S108において、制御部10はP3が超音波発信手段40aの駆動開始から超音波受信手段40bに到達した時間(T7)を算出する。S109において、制御部10はT6−T7を算出し、ピーク値のシフト時間(図6(b)の6.25μsec)を求める。なお、ここでは一例として超音波発信手段40aの駆動開始から予め定められた時間であるT5の間に到達した最後の波のピークを算出する方法について説明したが、これに限られるものではない。例えば、T5に到達した後の最初の波のピークを算出し、以下上記と同様の方法でピーク値のシフト時間を算出することも可能である。
【0026】
S110において、制御部10はピーク演算部515に格納されている表1のテーブルとS109で求めたピーク値のシフト時間とを比較し、検知した波が第何波目であるかを判断する。ここでは、シフト時間が6.25μsecとなるため、ピーク値は第3波目であることがわかる。S111において、制御部10は表1のテーブルから算出した第3波目のピーク値から、第m波目のピーク値としての第4波目のピーク値までの時間差(25μSec)を算出する。S112において、制御部10は周波数40kHzの時に受信波形メモリ513に格納した波形から第4波目のピーク値を読み取る。S113において、制御部10は読み取った第4波目のピーク値を記憶部101に格納する。このように、異なる2つの周波数におけるピーク値の時間差により第何波目のピーク値であるかを環境等の影響を受けることなく算出することができる。そして、算出したピーク値に基づき、取得したい所定の波数のピーク値を求めることが可能となる。
【0027】
【表1】

【0028】
なお、本実施形態においては気温や湿度等の環境の影響があったとしても、第1波目から第7波目までのピークを検知できるように、図6(a)のT5を設定する。このように、T5を設定する理由について、図7の40kHzで超音波発信手段40aを駆動した場合と、45kHzで超音波発信手段40aを駆動した場合との出力波形に基づき説明する。なお、図7における実線が40kHzの超音波の出力波形、点線が45kHzの超音波の出力波形である。
【0029】
図7(a)は45kHzで超音波発信手段40aを駆動した場合に、第n波目のピークが”45kHzピーク検知ウィンドウ”に入っている状態を示す。この状態であれば、時間差算出部514は40kHzで駆動時の出力波形と45kHzで駆動時の出力波形とで同じ第n波目のピーク値の時間差(T8)を算出することが可能となる。一方、図7(b)は45kHzで超音波発信手段40aを駆動した場合に、第n+1波目のピークが”45kHzピーク検知ウィンドウ”に入っている状態を示す。この状態では、時間差算出部514は40kHzで駆動時の出力波形の第n波目と45kHzで駆動時の出力波形の第n+1波目のピーク値の時間差(T9)を算出することになり、同じ波数で比較することができず誤検知となってしまう。
【0030】
そこで本実施形態においては、図7(c)に示すようにピークシフト時間を19.44μSec以下とすることで、45kHz駆動時の第n+1波目が”45kHzピーク検知ウィンドウ”に入らないように設定した。各波数のピークシフト時間を鑑みると、第8波目のピークシフト時間は20.14μSecであり前述した19.44μSec以下という条件に合致しないため、第8波目では検知できない。よって、第1波目から第7波目までの波を用いてピークのシフト時間を検知することで、第n波目と第n+1波目を検知してしまうという誤検知を回避することができる。
【0031】
図8は本実施形態における超音波を用いた検知制御を示したフローチャートである。ここでは一例として上述した第4波目のピークを検知する制御を所定時間の間隔で行う制御を説明する。S201において、制御部10は電源ONから数えて第1回目の検知かどうかを判断する。第1回目の検知でない場合、S202において、制御部10は現在時刻(T11)を取得する。次にS203で第4波目のピークを検知した時の時刻(T10)と現在時刻(T11)の差分が5分以上であるか否かを判断する。なお、ここでは一例として5分という条件を示したが、これに限られるものではなく、例えばユーザ設定等により適宜設定することも可能である。差分が5分以上である場合は、S204以降の第4波目のピーク位置を検知する制御を行う。
【0032】
S204において、制御部10は記録材Pがない状態で40kHzから45kHzに超音波発信手段40aの駆動周波数を変化させ、ピークのシフト時間を算出する。S205において、制御部10はS204で求めたピークのシフト時間に基づき周波数40kHzの際の、駆動開始から第4波目のピークまでの時間(T12)を検知する。S206において、制御部10は検知したT12を記憶部101に格納する。S207において、制御部10はT12を用いて周波数40kHzで取得した受信波形から第4波目のピーク値(P0)を抽出する。S208において、制御部10は検知したP0を記憶部101に格納する。
【0033】
S209において、制御部10は給紙ローラによって記録材Pを超音波発信手段40aと超音波受信手段40bの間に搬送する。S210において、制御部10は記録材Pが存在する状態で40kHzから45kHzに超音波発信手段40aの駆動周波数を変化させ、ピークのシフト時間を算出する。S211において、制御部10はS210で求めたピークのシフト時間に基づき周波数40kHzの際の、駆動開始から第4波目のピークまでの時間(T13)を検知する。S212において、制御部10はT13を記憶部101に格納する。S213において、制御部10はT13を用いて周波数40kHzで取得した受信波形から第4波目のピーク値(P1)を抽出する。S214において、制御部10は検知したP1を記憶部101に格納する。S215において、制御部10は補正時刻(T10)を算出する。S216において、制御部10は補正時刻(T10)を記憶部101に格納する。
【0034】
S217において、制御部10はP1/P0を算出し、算出結果を記憶部101に格納する。S218において、制御部10は図9の坪量と透過率の関係を示したグラフと算出したP1/P0の結果に基づき、記録材Pの坪量を判別する。なお、図9では一例として超音波の出力値と記録材Pの坪量の関係を示したグラフを説明したが、例えば、1枚の記録材Pでは想定されない低い透過率が検知された際には、記録材Pが重送状態であると判別することも可能である。
【0035】
S201で電源ONから第1回目の検知ではないと判断され、且つS203で補正からの時間差が5分以内であると判断された場合はS219以降の制御を実行する。S219において、制御部10は記録材Pがない状態の時に40kHzで超音波発信手段40aを駆動する。S220において、制御部10はS206の時に格納した駆動開始から第4波目のピークまでの時間(T12)を用いて第4波目のピーク値(P0)を検知する。S221において、制御部10はピーク値(P0)を記憶部101に格納する。
【0036】
S222において、制御部10は給紙ローラによって記録材Pを超音波発信手段40aと超音波受信手段40bの間に搬送する。S223において、制御部10は記録材Pが存在する状態において40kHzで超音波発信手段40aを駆動する。S224において、制御部10はS212の時に格納した駆動開始から第4波目のピークまでの時間(T13)を用いて第4波目のピーク値(P1)を検知する。S225において、制御部10は第4波目のピーク値(P1)を記憶部101に格納する。S217において、制御部10はP1/P0を算出し、算出結果を記憶部101に格納する。S218において、制御部10は図9の坪量と透過率の関係を示したグラフと算出したP1/P0の結果に基づき、記録材Pの坪量を判別する。
【0037】
このように異なる周波数で超音波発信手段を駆動した場合に発生する受信波のピークのシフト時間から、検知した波が超音波発信手段から第何波目に発信されたものかを検知する。その結果、規定の第n波目の検知タイミングを精度良く算出できる。よって、環境に応じた補正動作を行うことなく、精度良く超音波検知装置によって受信信号を検知するタイミングを得ることができ、精度良く坪量検知を行うことができる。また、環境に応じた補正動作を行わないため、補正動作にかかる制御部10の負荷を減らすことができる。また、準備動作としての補正動作を行わないため、検知時間全体における補正動作にかかる時間を短縮することができる。
【0038】
(第2の実施形態)
第1の実施形態においては、超音波発信手段40aの駆動周波数を40kHzから45kHzに変化させて、ピークを検知する方法について説明した。本実施形態では、第1の実施形態とは逆に超音波発信手段の駆動周波数を45kHzから40kHzへ変化させて、ピークを検知する方法について説明する。なお、先の第1の実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
【0039】
図10に本実施形態における第4波目のピークを算出する制御シーケンスについてのフローチャートを示す。S301において、制御部10は発信制御部50へ周波数45kHz/Duty50%の矩形波を111μSec送信する。S302において、制御部10は超音波受信手段40bによって受信した受信波形を受信波形メモリ513に格納する。S303において、制御部10は発信制御部50へ周波数40kHz/Duty50%の矩形波を125μSec送信する。S304において、制御部10は超音波受信手段40bによって受信した受信波形を受信波形メモリ513に格納する。
【0040】
S305乃至S309は、時間差算出部514によってピークのシフト時間が算出される制御である。この制御の説明については、図11を併用して行う。図11(a)は45kHzで超音波発信手段40aを駆動した際に格納されたデータであり、図11(b)は40kHzで超音波発信手段40aを駆動した際に格納されたデータである。S305において、制御部10は超音波発信手段40aを45kHzで駆動した際に、駆動開始からT24の間に到達した最後の波のピーク(図11(a)のP8)を算出する。S306において、制御部10はP8が駆動開始から超音波受信手段40bに到達した時間(T25)を算出する。S307において、制御部10は図11(b)の”40kHzピーク検知ウィンドウの中に入ったピーク(図11(b)のP9)を検知する。S308において、制御部10はP9が駆動開始から超音波受信手段40bに到達した時間(T26)を算出する。S309において、制御部10はT26−T25を算出し、ピークのシフト時間(図11(b)の6.25μsec)を算出する。なお、ここでは一例として超音波発信手段40aの駆動開始から予め定められた時間であるT24の間に到達した最後の波のピークを算出する方法について説明したが、これに限られるものではない。例えば、T24に到達した後の最初の波のピークを算出し、以下上記と同様の方法でピーク値のシフト時間を算出することも可能である。
【0041】
S310において、制御部10はピーク演算部515に格納されている表1とS309で算出したピークのシフト時間に基づき、検知した波が第3波目であると判断する。S3
11において、制御部10は表3から第4波目のピーク位置までの時間差(22.2μSec)を算出する。S312において、制御部10は算出した時間差を用いて、駆動周波数40kHzの時に受信波形メモリ513に格納した波形から第4波目のピーク値を算出する。S313において、制御部10は算出した第4波目のピーク値を記憶部101に格納する。
【0042】
【表2】

【0043】
なお、本実施形態においては気温や湿度等の環境の影響があったとしても、第1波目から第6波目までのピークを検知できるように、図11(a)のT24を設定する。このように、T24を設定する理由について、図12の45kHzで超音波発信手段40aを駆動した場合と、40kHzで超音波発信手段40aを駆動した場合との出力波形に基づき説明する。なお、図12における実線が45kHzの超音波の出力波形、点線が45kHzの超音波の出力波形である。
【0044】
図12(a)は40kHzで超音波発信手段40aを駆動した場合に、第n波目のピークが”40kHzピーク検知ウィンドウ”に入っている状態を示す。この状態であれば、時間差算出部514は45kHzで駆動時の出力波形と40kHzで駆動時の出力波形とで同じ第n波目のピーク値の時間差(T27)を算出することが可能となる。一方、図12(b)は40kHzで超音波発信手段40aを駆動した場合に、第n−1波目のピークが”40kHzピーク検知ウィンドウ”に入っている状態を示す。この状態では、時間差算出部514は45kHzで駆動時の出力波形の第n波目と、40kHzで駆動時の出力波形の第n−1波目のピーク値の時間差(T28)を算出することになり、同じ波数で比較することができず誤検知となってしまう。
【0045】
そこで、本実施形態においては、図12(c)に示すようにピークシフト時間を15.97μSec以下とすることで、40kHz駆動時の第n−1波目が”40kHzピーク検知ウィンドウ”に入らないように設定した。各波数のピークシフト時間を鑑みると、第7波目のピークシフト時間は17.36μSecであり前述した15.97μSec以下という条件に合致しないため、第7波目では検知できない。よって、第1波目から第6波目までの波を用いてピークのシフト時間を検知することで、第n波目と第n+1波目を検知してしまうという誤検知を回避することができる。
【0046】
このように、第1の実施形態とは逆に基準の周波数に対してより低い周波数で超音波発信手段を駆動した場合も、発生する受信波のピークのシフト時間から検知した波が超音波発信手段から第何波目に発信されたものかを検知できる。その結果、規定の第n波目の検知タイミングを精度良く算出できる。よって、環境に応じた補正動作を行うことなく、精度良く超音波検知装置によって受信信号を検知するタイミングを得ることができ、精度良く坪量検知を行うことができる。また、環境に応じた補正動作を行わないため、補正動作にかかる制御部10の負荷を減らすことができる。また、準備動作としての補正動作を行わないため、検知時間全体における補正動作にかかる時間を短縮することができる。
【0047】
(第3の実施形態)
第1の実施形態においては、超音波発信手段40aの駆動周波数を40kHzから45kHzに変化させて、ピークを検知する方法について説明した。本実施形態では、第1の実施形態よりもさらに周波数の差分を大きくし、超音波発信手段40aの駆動周波数を30kHzから50kHzに変化させて、ピークを検知する方法について説明する。なお、先の第1または第2の実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
【0048】
図13に本実施形態における第4波目のピークを算出する制御シーケンスについてのフローチャートを示す。S401において、制御部10は発信制御部50へ周波数30kHz/Duty50%の矩形波を166μSec送信する。S402において、制御部10は超音波受信手段40bによって受信した受信波形を受信波形メモリ513に格納する。S403において、制御部10は発信制御部50へ周波数50kHz/Duty50%の矩形波を100μSec送信する。S404において、制御部10は超音波受信手段40bによって受信した受信波形を受信波形メモリ513に格納する。
【0049】
S405乃至S409は、時間差算出部514によってピークのシフト時間が算出される制御である。この制御の説明については、図14を併用して行う。図14(a)は30kHzで超音波発信手段40aを駆動した際に格納されたデータであり、図14(b)は50kHzで超音波発信手段40aを駆動した際に格納されたデータである。S405において、制御部10は超音波発信手段40aを30kHzで駆動した際に、駆動開始からT29の間に到達した最後の波のピーク(図14(a)のP10)を算出する。S406において、制御部10はP10が駆動開始から超音波受信手段40bに到達した時間(T30)を算出する。なお、ここでは一例として超音波発信手段40aの駆動開始から予め定められた時間であるT29の間に到達した最後の波のピークを算出する方法について説明したが、これに限られるものではない。例えば、T29に到達した後の最初の波のピークを算出し、以下上記と同様の方法でピーク値のシフト時間を算出することも可能である。
【0050】
S407以降は、超音波発信手段40aを30kHzから1kHz刻みで50kHzまで徐々に上げていきながら、30kHz時に検知したP10と同じ第n波目のピークを50kHz時に検知するような制御を説明する。S407において、制御部10はT30の値をTtempに格納する。S408において、制御部10は超音波発信手段40aの駆動周波数を30kHzから1kHz上げる。S809において、制御部10は超音波発信手段40aの駆動開始からTtempの間で最後に検知されたピークをPtempとして検知する。S410において、制御部10は超音波発信手段40aの駆動開始からPtempまでの時刻を算出し、その結果をTtempの値として更新する。S411において、制御部10は超音波発信手段40aの駆動周波数が50kHzに到達したかどうかを判断する。超音波発信手段40aの駆動周波数が50kHzに到達している場合は、S412において、制御部10はTtempの値をT31として記憶部101に格納する。S411で超音波発信手段40aの駆動周波数が50kHzに到達していない場合は、S408に戻り駆動周波数が50kHzに到達するまで、周波数を1kHzずつ上げる。S413において、制御部10はT30−T31を演算し、ピークのシフト時間(図14(b)の30μsec)を算出する。
【0051】
S414において、制御部10はピーク演算部515に格納されている表4とS413で求めたピークのシフト時間に基づき、検知した波が第3波目であると判断する。S415において、制御部10は表4から30kHz時の第4波目のピーク位置までの時間差(33.3μSec)を算出する。S416において、制御部10は算出した時間差を用いて、駆動周波数30kHzの時に受信波形メモリ513に格納した波形から第4波目のピーク値を算出する。S417において、制御部10は算出した第4波目のピーク値を記憶部101に格納する。
【0052】
【表3】

【0053】
このように、第1の実施形態より周波数の差分を大きくした場合も、発生する受信波のピークのシフト時間から検知した波が超音波発信手段から第何波目に発信されたものかを検知できる。その結果、規定の第n波目の検知タイミングを精度良く算出できる。よって、環境に応じた補正動作を行うことなく、精度良く超音波検知装置によって受信信号を検知するタイミングを得ることができ、精度良く坪量検知を行うことができる。また、環境に応じた補正動作を行わないため、補正動作にかかる制御部10の負荷を減らすことができる。また、準備動作としての補正動作を行わないため、検知時間全体における補正動作にかかる時間を短縮することができる。
【0054】
なお、先の第2の実施形態と同様に周波数を高い方から低い方に変えることも可能である。つまり50kHzから30kHzに変えることによっても、環境に応じた補正動作を行うことなく、精度良く超音波検知装置によって受信信号を検知するタイミングを得ることができ、精度良く坪量検知を行うことができる。
【0055】
(第4の実施形態)
第1乃至第3の実施形態においては、ピークのシフト時間を求める波を”時間”を用いて選択した。本実施形態では、”時間”ではなく”所定の閾値を超えた回数”を用いて波を選択する。なお、先の第1乃至第3の実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
【0056】
図15に本実施形態における第4波目のピークを算出する制御シーケンスについてのフローチャートを示す。S501において、制御部10は発信制御部50へ周波数40kHz/Duty50%の矩形波を125μSec送信する。S502において、制御部10は超音波受信手段40bによって受信した受信波形を受信波形メモリ513に格納する。S503において、制御部10は発信制御部50へ周波数45kHz/Duty50%の矩形波を111μSec送信する。S504において、制御部10は超音波受信手段40bによって受信した受信波形が受信波形メモリ513に格納する。
【0057】
S505乃至S509は、時間差算出部514によってピークのシフト時間が算出される制御である。この制御の説明については、図16を併用して行う。図16(a)は40kHzで超音波発信手段40aを駆動した場合に格納されたデータであり、図16(b)は45kHzで超音波発信手段40aを駆動した場合に格納されたデータである。S505において、制御部10は超音波発信手段40aを40kHzで駆動した場合に、予め規定された所定回数としての閾値(図16(a)のV1)を超えた回数n=4となったときの波のピーク(図16(a)のP4)を算出する。S506において、制御部10はP4が駆動開始から超音波受信手段40bに到達した時間(T14)を算出する。S507において、制御部10はT14の間に超音波受信手段40bに到達した最後の波のピーク(図16(a)のP5)を45kHzで駆動した際に取得したデータから検知する。なお、駆動開始からT14までの時間を”45kHzピーク検知ウィンドウ”と定義する。S508において、制御部10はP5が駆動開始から超音波受信手段40bに到達した時間(T15)を算出する。S509において、制御部10はT14−T15を算出し、ピークのシフト時間(図16(b)の11.81μsec)を算出する。
【0058】
S510において、制御部10はピーク演算部515に格納されている表1とS509で算出したピークのシフト時間に基づき、検知した波が第5波目であると判断する。S511において、制御部10は表1から第4波目のピーク位置までの時間差(−25μSec)を算出する。S512において、制御部10は算出した時間差を用いて、駆動周波数40kHzの時に受信波形メモリ513に格納した波形から第4波目のピーク値を算出する。S513において、制御部10は算出した第4波目のピーク値を記憶部101に格納する。なお、本実施形態においては、図11(a)のV1は気温や湿度等の環境の影響があったとしても、第1波目から第7波目までのピークを検知できる値に設定する。その理由は先の第1の実施形態の図7を用いて説明した通りである。
【0059】
図17は本実施形態における超音波を用いた検知制御を示したフローチャートである。ここでは一例として上述した第4波目のピークを検知する制御を周囲環境に変化があった場合に行う制御について説明する。なお、ここでは一例としいて環境の変化を条件としたが、先の第1の実施形態のように検知時間を条件としてもよい。
【0060】
S601において、制御部10は電源ONから数えて第1回目の検知かどうかを判断する。第1回目の検知でない場合、S602において、制御部10は環境センサ64を用いて画像形成装置の気温(Temp1)を検知する。S603において、制御部10は第4波目のピークを検知した時の環境温度(Temp0)との気温差が2℃以上あるか否かを判断する。なお、ここでは一例として2℃という条件を示したが、これに限られるものではなく、例えばユーザ設定等により適宜設定することも可能である。環境温度差が2℃以上あった場合は、S604以降の第4波目のピーク位置を検知する制御を行う。
【0061】
S604において、制御部10は記録材Pがない状態で40kHzから45kHzに超音波発信手段40aの駆動周波数を変化させ、ピークのシフト時間を算出する。S605において、制御部10はS604で求めたシフト時間に基づき周波数40kHzの際の、駆動開始から第4波目のピークまでの時間(T12)を検知する。S606において、制御部10は検知したT12を記憶部101に格納する。S607において、制御部10はT12を用いて周波数40kHzで取得した受信波形から第4波目のピーク値(P0)を抽出する。S608において、制御部10は検知したP0を記憶部101に格納する。
【0062】
S609において、制御部10は給紙ローラによって記録材Pを超音波発信手段40aと超音波受信手段40bの間に搬送する。S610において、制御部10は記録材Pが存在する状態で40kHzから45kHzに超音波発信手段40aの駆動周波数を変化させ、ピークのシフト時間を算出する。S611において、制御部S610で求めたシフト時間に基づき周波数40kHzの際の、駆動開始から第4波目のピークまでの時間(T13)を検知する。S612において、制御部10はT13を記憶部101に格納する。S613において、制御部10はT13を用いて周波数40kHzで取得した受信波形から第4波目のピーク値(P1)を抽出する。S614において、制御部10は検知したP0を記憶部101に格納する。S615において、制御部10は環境センサ64を用いて画像形成装置の環境温度(Temp0)を検知する。S616において、制御部10はTemp0を記憶部101に格納する。
【0063】
S617において、制御部10はP1/P0を算出し、算出結果を記憶部101に格納する。S618において、制御部10は図9の坪量と透過率の関係を示したグラフと算出したP1/P0の結果に基づき、記録材Pの坪量を判別する。
【0064】
S601で電源ONから第1回目の検知ではないと判断され、且つS603で環境変動が2℃以内であると判断された場合はS619以降の制御を実行する。S619において、制御部10は記録材Pがない状態の時に40kHzで超音波発信手段40aを駆動する。S620において、制御部10はS606の時に格納した駆動開始から第4波目のピークまでの時間(T12)を用いて第4波目のピーク値(P0)を検知する。S621において、制御部10はピーク値(P0)を記憶部101に格納する。
【0065】
S622において、制御部10は給紙ローラによって記録材Pを超音波発信手段40aと超音波受信手段40bの間に搬送する。S623において、制御部10は記録材Pが存在する状態において40kHzで超音波発信手段40aを駆動する。S624において、制御部10はS612の時に格納した駆動開始から第4波目のピークまでの時間(T13)を用いて第4波目のピーク値(P1)を検知する。S425において、制御部10は第4波目のピーク値(P1)を記憶部101に格納する。S617において、制御部10はP1/P0を算出し、算出結果を記憶部101に格納する。S618において、制御部10は図9の坪量と透過率の関係を示したグラフと算出したP1/P0の結果に基づき、記録材Pの坪量を判別する。
【0066】
このように所定の閾値を超えた回数を用いてピークのシフト時間を求める波を選択することができる。その結果、規定の第n波目の検知タイミングを精度良く算出できる。よって、環境に応じた補正動作を行うことなく、精度良く超音波検知装置によって受信信号を検知するタイミングを得ることができ、精度良く坪量検知を行うことができる。また、環境に応じた補正動作を行わないため、補正動作にかかる制御部10の負荷を減らすことができる。また、準備動作としての補正動作を行わないため、検知時間全体における補正動作にかかる時間を短縮することができる。
【0067】
(第5の実施形態)
第1乃至第3の実施形態においては、ピークのシフト時間を求める波を”時間”を用いて選択した。本実施形態では、”時間”ではなく”超音波受信信号のゼロクロスタイミング”を用いて波を選択する。なお、先の第1乃至第3の実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
【0068】
図18(a)に示すように超音波受信手段40bからの出力波形はDC12Vに振幅が時間と共に増大する正弦波状の波が重畳されたものである。ゼロクロスタイミングとは図18(b)の○部に示すように正弦波の位相角0°、180°のタイミングである。
【0069】
図19は本実施形態における制御ブロック図である。先の第1の実施形態の図2で説明した制御ブロック図からゼロクロス検知回路517が追加になっている。図18にも示したようにゼロクロス検知回路517は超音波受信手段40bからの出力波形をDC12Vと比較し、矩形波を発生させる回路である。ゼロクロス検知回路517からの出力は受信波形メモリ513に格納される。
【0070】
図20に本実施形態における第4波目のピークを算出する制御シーケンスについてのフローチャートを示す。S701において、制御部10は発信制御部50へ周波数40kHz/Duty50%の矩形波を125μSec送信する。S702において、制御部10は超音波受信手段40bによって受信した受信波形を受信波形メモリ513に格納する。S703において、制御部10は発信制御部50へ周波数45kHz/Duty50%の矩形波を111μSec送信する。S704において、制御部10は超音波受信手段40bによって受信された受信波形を受信波形メモリ513に格納する。
【0071】
S705乃至S709は、時間差算出部514によってゼロクロスのシフト時間が算出される制御である。この説明については、図21を併用して行う。図21(a)は40kHzで超音波発信手段40aを駆動した場合に格納されたデータであり、図21(b)は45kHzで超音波発信手段40aを駆動した場合に格納されたデータである。S705において、制御部10は超音波発信手段40aを40kHzで駆動した場合に、ゼロクロス検知回路517からの出力の立ち上がりエッジをカウントした回数nが4となったときの立ち上がりエッジE1を検知する。S706において、制御部10は駆動開始からE1までの時間T16を検知する。S707において、制御部10は駆動開始からT16まで間で、最も遅く検知された立ち上がりエッジをE2として検知する。S708において、制御部10は駆動開始からE2までの時間T17を検知する。なお、駆動開始からT16までの時間を”45kHzエッジ検知ウィンドウ”と定義する。S709において、制御部10はT16−T17を算出し、ゼロクロスタイミングのシフト時間(図21(b)の8.33μsec)を算出する。S710において、制御部10はピーク演算部515に格納されている表5とS709で求めたゼロクロスのシフト時間に基づき、検知したエッジが第4波目であると判断する。S711において、制御部10は第4波目のピーク位置までの時間差(6.25μSec)を算出する。S712において、制御部10は算出した時間差を用いて、駆動周波数40kHzの時に受信波形メモリ513に格納した波形から第4波目のピーク値を算出する。S713において、制御部10は算出した第4波目のピーク値を記憶部101に格納する。
【0072】
【表4】

【0073】
なお、本実施形態においてはゼロクロスタイミングのシフト時間を求める波は第1波目から第9波目までを用いる。図22の40kHzで超音波発信手段40aを駆動した場合と、45kHzで超音波発信手段40aを駆動した場合との出力波形に基づき説明する。なお、図22における実線が40kHzの超音波の出力波形、点線が45kHzの超音波の出力波形である。
【0074】
図22(a)は45kHzで超音波発信手段40aを駆動した場合に、第n波目の立ち上がりエッジが”45kHzエッジ検知ウィンドウ”に入っている状態を示す。この状態であれば、時間差算出部514は40kHzで駆動時の出力波形と45kHzで駆動時の出力波形とで同じ第n波目の立ち上がりエッジを用いて時間差(T18)を算出することが可能となる。一方、図22(b)は45kHzで超音波発信手段40aを駆動した場合に、第n+1波目の立ち上がりが”45kHzエッジ検知ウィンドウ”に入っている状態を示す。この状態では、時間差算出部514は40kHzで駆動時の出力波形の第n波目と、45kHzで駆動時の出力波形の第n+1波目の立ち上がりを用いて時間差(T19)を算出することになり、同じ波数で比較することができず誤検知となってしまう。
【0075】
そこで本実施形態においては、図22(c)に示すように立ち上がりエッジのシフト時間を25μSec未満とすることで、45kHz駆動時の第n+1波目が”45kHzエッジ検知ウィンドウ”に入らないように設定した。各波数のピークシフト時間を鑑みると、第10波目のピークシフト時間は25μSecであり前述した25μSec未満という条件に合致しないため、第10波目では検知できない。よって第1波目から第9波目までの波を用いてゼロクロスタイミングのシフト時間を検知することで、第n波目と第n+1波目を検知してしまうという誤検知を回避することができる。
【0076】
このように、ゼロクロスタイミングのシフト時間を用いて、ピークのシフト時間を求める波を選択することができる。その結果、規定の第n波目の検知タイミングを精度良く算出できる。よって、環境に応じた補正動作を行うことなく、精度良く超音波検知装置によって受信信号を検知するタイミングを得ることができ、精度良く坪量検知を行うことができる。また、環境に応じた補正動作を行わないため、補正動作にかかる制御部10の負荷を減らすことができる。また、準備動作としての補正動作を行わないため、検知時間全体における補正動作にかかる時間を短縮することができる。
【0077】
(第6の実施形態)
本実施形態においては、規定の第n波目を検知するタイミングについて説明する。ここでは、一例として電源ON時のイニシャルシーケンス及び省エネモードからの復帰時に検知シーケンスを行う方法について説明する。なお、先の第1乃至第5の実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
【0078】
図23は電源ON時のイニシャルシーケンス時又は省エネモードからの復帰時に第4波目のピーク位置を検知する制御を示したフローチャートである。S801において、制御部10は発信制御部50へ周波数40kHz/Duty50%の矩形波を125μSec送信する。S802において、制御部10は超音波受信手段40bによって受信した受信波形を受信波形メモリ513に格納する。S803において、制御部10は発信制御部50へ周波数45kHz/Duty50%の矩形波を111μSec送信する。S804において、制御部10は超音波受信手段40bによって受信した受信波形を受信波形メモリ513に格納する。
【0079】
S805乃至S809は、時間差算出部514によってピークのシフト時間が算出される制御である。この説明については、図24を併用して行う。図24(a)は40kHzで超音波発信手段40aを駆動した場合に格納されたデータであり、図24(b)は45kHzで超音波発信手段40aを駆動した場合に格納されたデータである。S805において、制御部10は超音波発信手段40aを40kHzで駆動した場合に、超音波発信手段40aの駆動開始からT20の間に到達した最後の波のピーク(図24(a)のP6)を算出する。S806において、制御部10はP6が超音波発信手段40aの駆動開始から超音波受信手段40bに到達した時間(T21)を算出する。S807において、制御部10は超音波発信手段40aを45kHzで駆動した場合に、T21の間に超音波受信手段40bに到達した最後の波のピーク(図24(a)のP7)を算出する。なお、超音波発信手段40aの駆動開始からT21までの時間を”45kHzピーク検知ウィンドウ”と定義する。S808において、制御部10はP7が超音波発信手段40aの駆動開始から超音波受信手段40bに到達した時間(T22)を算出する。S809において、制御部10はT21−T22を算出し、ピークのシフト時間(図24(b)の6.25μsec)を求める。なお、ここでは一例として超音波発信手段40aの駆動開始から予め定められた時間であるT20の間に到達した最後の波のピークを算出する方法について説明したが、これに限られるものではない。例えば、T20に到達した後の最初の波のピークを算出し、以下上記と同様の方法でピーク値のシフト時間を算出することも可能である。
【0080】
S810において、制御部10はピーク演算部515に格納されている表1とS809で求めたピークのシフト時間に基づき検知した波が第3波目であると判断する。S811において、制御部10は表1から第4波目のピーク位置までの時間差(25μSec)を算出する。S812において、制御部10は算出した時間差を用いて、超音波発信手段40aの駆動開始から第4波目のピークまでの時間T23を算出する。S813において、制御部10は算出したT23を記憶部101に格納する。画像形成時に記録材Pの坪量を検知する場合には、記録材Pがない状態での第4波目のピーク値を前述したT23を用いて検知する。なお、先の実施形態で説明したように、T23を求めた時から所定時間経過した場合や、環境の変動があった場合はT23の再検知を坪量検知時に実施してもよい。
【0081】
このように、規定の第n波目の検知タイミングを算出する制御を、電源ON時のイニシャルシーケンス又は省エネモードからの復帰時に予め行う。その結果、規定の第n波目の検知タイミングを精度良く算出できる。よって、環境に応じた補正動作を行うことなく、精度良く超音波検知装置によって受信信号を検知するタイミングを得ることができ、精度良く坪量検知を行うことができる。また、環境に応じた補正動作を行わないため、補正動作にかかる制御部10の負荷を減らすことができる。また、準備動作としての補正動作を行わないため、検知時間全体における補正動作にかかる時間を短縮することができる。
【符号の説明】
【0082】
10 制御部
40 超音波検知装置
40a 超音波発信手段
40b 超音波受信手段
50 発信制御部
51 受信制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の周波数及び第2の周波数で超音波を発信する発信手段と、
前記発信手段から発信された超音波を受信する受信手段と、を有し、
前記発信手段から第1の周波数により超音波を発信させ、前記受信手段で前記第1の周波数の超音波を受信させ、受信した前記第1の周波数の超音波の第n波目のピーク値を検知したタイミングと、前記発信手段から第2の周波数により超音波を発信させ、前記受信手段で前記第2の周波数の超音波を受信させ、受信した前記第2の周波数の超音波の第n波目のピーク値を検知したタイミングとの差分に基づきピーク値が検知された第n波目のnを特定する制御手段を備えることを特徴とする超音波検知装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1の周波数の超音波の第n波目のピーク値を検知した第1のタイミングを求め、前記第1のタイミングに基づき前記第2の周波数の超音波の第n波目のピーク値を検知した第2のタイミングを求めることを特徴とする請求項1に記載の超音波検知装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1のタイミングと前記第2のタイミングとの差分に基づき、特定の第m波目のピーク値を検知するタイミングを求めることを特徴とする請求項2に記載の超音波検知装置。
【請求項4】
前記超音波検知装置は、画像形成装置で搬送される記録材を検知する超音波検知装置であって、
前記制御手段は、前記発信手段と前記受信手段との間に記録材がない状態において検知した特定の第m波目のピーク値である第1のピーク値と、前記発信手段と前記受信手段との間に記録材がある状態において検知した特定の第m波目のピーク値である第2のピーク値とを求め、前記第1のピーク値と前記第2のピーク値の比率に基づき、記録材の坪量を判別することを特徴とする請求項3に記載の超音波検知装置。
【請求項5】
前記超音波検知装置は、画像形成装置で搬送される記録材を検知する超音波検知装置であって、
前記制御手段は、前記発信手段と前記受信手段との間に記録材がない状態において検知した特定の第m波目のピーク値である第1のピーク値と、前記発信手段と前記受信手段との間に記録材がある状態において検知した特定の第m波目のピーク値である第2のピーク値とを求め、前記第1のピーク値と前記第2のピーク値の比率に基づき、記録材が重送しているか否かを判別することを特徴とする請求項3に記載の超音波検知装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第1の周波数の超音波のうち、ピーク値が閾値を超えた回数が所定回数となった際の第n波目のピーク値を検知した第1のタイミングを求めることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の超音波検知装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第1の周波数の超音波のうち、超音波のゼロクロスの回数が所定回数となった際の第n波目のピーク値を検知した第1のタイミングを求めることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の超音波検知装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記発信手段から第1の周波数より高い第2の周波数の超音波を発信し、前記第1のタイミングとなるまでの間で最後に検知されたピークを前記第2のタイミングとすることを特徴とする請求項6又は7に記載の超音波検知装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記発信手段から第1の周波数より低い第2の周波数の超音波を発信し、前記第1のタイミングとなった以降で最初に検知されたピークを前記第2のタイミングとすることを特徴とする請求項6又は7に記載の超音波検知装置。
【請求項10】
第1の周波数及び第2の周波数で超音波を発信する発信手段と、
前記発信手段から発信された超音波及び記録材を透過した超音波を受信する受信手段と、を有し、
前記発信手段から第1の周波数により超音波を発信させ、前記受信手段で前記第1の周波数の超音波を受信させ、受信した前記第1の周波数の超音波の第n波目のピーク値を検知したタイミングと、前記発信手段から第2の周波数により超音波を発信させ、前記受信手段で前記第2の周波数の超音波を受信させ、受信した前記第2の周波数の超音波の第n波目のピーク値を検知したタイミングとの差分に基づき特定の第m波目のピーク値を検知するタイミングを求め、
前記発信手段と前記受信手段との間に記録材がない状態において検知した特定の第m波目のピーク値である第1のピーク値と、前記発信手段と前記受信手段との間に記録材がある状態において検知した特定の第m波目のピーク値である第2のピーク値とを求め、前記第1のピーク値と前記第2のピーク値の比率に基づき、記録材の種類を判別する制御手段を有することを特徴とする記録材判別装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記第1の周波数の超音波の第n波目のピーク値を検知した第1のタイミングを求め、前記第1のタイミングに基づき前記第2の周波数の超音波の第n波目のピーク値を検知した第2のタイミングを求めることを特徴とする請求項10に記載の記録材判別装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記第1の周波数の超音波のうち、ピーク値が閾値を超えた回数が所定回数となった際の第n波目のピーク値を検知した第1のタイミングを求めることを特徴とする請求項10又は11に記載の記録材判別装置。
【請求項13】
前記制御手段は、前記第1の周波数の超音波のうち、超音波のゼロクロスの回数が所定回数となった際の第n波目のピーク値を検知した第1のタイミングを求めることを特徴とする請求項10又は11に記載の記録材判別装置。
【請求項14】
前記制御手段は、前記発信手段から第1の周波数より高い第2の周波数の超音波を発信し、前記第1のタイミングとなるまでの間で最後に検知されたピークを前記第2のタイミングとすることを特徴とする請求項12又は13に記載の記録材判別装置。
【請求項15】
前記制御手段は、前記発信手段から第1の周波数より低い第2の周波数の超音波を発信し、前記第1のタイミングとなった以降で最初に検知されたピークを前記第2のタイミングとすることを特徴とする請求項12又は13に記載の記録材判別装置。
【請求項16】
記録材に画像を形成する画像形成手段と、
第1の周波数及び第2の周波数で超音波を発信する発信手段と、
前記発信手段から発信された超音波及び記録材を透過した超音波を受信する受信手段と、を有し、
前記発信手段から第1の周波数により超音波を発信させ、前記受信手段で前記第1の周波数の超音波を受信させ、受信した前記第1の周波数の超音波の第n波目のピーク値を検知したタイミングと、前記発信手段から第2の周波数により超音波を発信させ、前記受信手段で前記第2の周波数の超音波を受信させ、受信した前記第2の周波数の超音波の第n波目のピーク値を検知したタイミングと、の差分に基づき特定の第m波目のピーク値を検知するタイミングを求め、
前記発信手段と前記受信手段との間に記録材がない状態において検知した特定の第m波目のピーク値である第1のピーク値と、前記発信手段と前記受信手段との間に記録材がある状態において検知した特定の第m波目のピーク値である第2のピーク値とを求め、前記第1のピーク値と前記第2のピーク値の比率に基づき、前記画像形成手段による画像を形成する条件を制御する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
前記制御手段は、前記第1の周波数の超音波の第n波目のピーク値を検知した第1のタイミングを求め、前記第1のタイミングに基づき前記第2の周波数の超音波の第n波目のピーク値を検知した第2のタイミングを求めることを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記制御手段は、前記第1の周波数の超音波のうち、ピーク値が閾値を超えた回数が所定回数となった際の第n波目のピーク値を検知した第1のタイミングを求めることを特徴とする請求項16又は17に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記制御手段は、前記第1の周波数の超音波のうち、超音波のゼロクロスの回数が所定回数となった際の第n波目のピーク値を検知した第1のタイミングを求めることを特徴とする請求項16又は17に記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記制御手段は、前記発信手段から第1の周波数より高い第2の周波数の超音波を発信し、前記第1のタイミングとなるまでの間で最後に検知されたピークを前記第2のタイミングとすることを特徴とする請求項18又は19に記載の画像形成装置。
【請求項21】
前記制御手段は、前記発信手段から第1の周波数より低い第2の周波数の超音波を発信し、前記第1のタイミングとなった以降で最初に検知されたピークを前記第2のタイミングとすることを特徴とする請求項18又は19に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2013−44555(P2013−44555A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180546(P2011−180546)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】