説明

超音波画像の生成方法及びその超音波システム

【課題】 超音波画像の生成方法及びその超音波システムを提供する。
【解決手段】 対象体に照射された超音波のエコー信号を獲得するステップと、基準エコー信号に対するエコー信号の変化量を算出するステップと、温度変化によって変わる減衰係数の変化量を適用して、エコー信号の変化量から対象体に対する温度を決定するステップと、温度に関する情報が含まれた超音波画像を生成するステップと、を含む超音波画像の生成方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波画像を生成する方法及びその超音波システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医学の発達と共に、腫瘍に対する局所治療は、開腹手術のような侵襲的手術方法から最小侵襲的手術(minimal−invasive surgery)まで発展してきた。そして現在では、非侵襲的手術(non−invasive surgery)も開発されて、ガンマナイフ(gamma knife)、サイバーナイフ(cyber knife)、HIFUナイフ(High Intensive Focused Ultrasound knife)が出現した。特に、このうち最近商用化したHIFUナイフは、超音波を利用することによって人体に無害であり、かつ環境にやさしい治療法として広く使われている。
【0003】
HIFUナイフを利用したHIFU治療は、高強度の集束超音波を、治療しようとする腫瘍部位に焦点を合わせて照射して、腫瘍組織の局所的な破壊または懐死を起こさせて腫瘍を除去及び治療する手術法である。
【0004】
そして、超音波によって腫瘍が懐死したか否かをモニタリングする方法が研究されている。超音波治療を通じて腫瘍が懐死する時、腫瘍のある対象体の温度が一般的に上昇する。それにより、超音波システムは、温度変化によって腫瘍が懐死したか否かを診断しうる。しかし、超音波が温度変化の発生領域を進めば、後方散乱係数及び減衰係数も、温度によって変更される。それで、温度変化の発生領域よりさらに深い領域で実際温度変化が無かったにも拘わらず、温度変化があるように見られる虚像が超音波画像に現れる問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、腫瘍の懐死如何の確認可能な温度情報が含まれている超音波画像の生成方法及びその超音波システムを提供することである。また、前記方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読取可能な記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を達成するために、本発明の一類型による超音波画像の生成方法は、対象体に照射された超音波のエコー(echo)信号を獲得するステップと、基準エコー信号に対する前記エコー信号の変化量を算出するステップと、温度変化によって変わる減衰係数の変化量を適用して、前記エコー信号の変化量から前記対象体の温度を決定するステップと、前記温度に関する情報が含まれている超音波画像を生成するステップと、を含む。
【0007】
そして、前記基準エコー信号は、前記対象体が基準温度にある時、前記対象体に照射された超音波のエコー信号でありうる。また、前記減衰係数の変化量は、前記超音波を照射させる超音波プローブで、前記対象体の以前地点でのエコー信号の変化量である以前エコー信号の変化量から決定されてもよい。
【0008】
そして、前記減衰係数の変化量は、以前エコー信号の変化量に対する標準偏差と比例しうる。また、前記減衰係数の変化量及び以前エコー信号の変化量に対する標準偏差間の比例程度は、対象体別に異なりうる。
【0009】
そして、前記温度を決定するステップは、前記減衰係数の変化量及び前記エコー信号の変化量から、前記対象体での後方散乱係数の変化量を算出するステップと、前記後方散乱係数から前記対象体での温度を決定するステップと、を含みうる。
【0010】
また、前記温度は、複数の後方散乱係数の変化量及び温度がマッピングされて保存された温度データベースから、前記後方散乱係数の変化量及びマッピングされた温度を読み出ることによって決定されてもよい。
【0011】
そして、前記超音波のエコー信号は、前記対象体から前記超音波が後方に散乱されて、前記超音波を照射させる超音波プローブに受信された信号であってもよい。
【0012】
また、前記減衰係数の変化量は、前記対象体の種類によって異なりうる。そして、前記超音波画像は、前記温度に対応する輝度を含みうる。また、前記超音波を前記対象体に照射するステップと、前記対象体から前記エコー信号を受信するステップと、をさらに含みうる。
【0013】
一方、本発明の他の一類型による超音波システムは、超音波を対象体に照射し、前記対象体から前記超音波のエコー信号を受信する超音波データ獲得部と、基準エコー信号に対する受信された前記エコー信号の変化量を算出し、温度変化によって変わる減衰係数の変化量を適用して、前記エコー信号の変化量から前記対象体の温度を決定するプロセッサーと、を備える。
【0014】
そして、前記基準エコー信号は、前記対象体が基準温度にある時、前記対象体に照射された超音波のエコー信号でありうる。また、前記減衰係数の変化量は、前記超音波を照射させる超音波プローブで、前記対象体の以前地点でのエコー信号の変化量の以前エコー信号の変化量から決定されうる。
【0015】
そして、前記減衰係数の変化量は、以前エコー信号の変化量に対する標準偏差と比例できる。また、前記減衰係数の変化量及び以前エコー信号の変化量に対する標準偏差間の比例程度は、対象体別に異なりうる。
【0016】
そして、前記プロセッサーは、前記減衰係数及び前記エコー信号の変化量から前記対象体での後方散乱係数を算出し、前記後方散乱係数から前記対象体での温度を決定しうる。また、前記超音波のエコー信号は、前記対象体から前記超音波が後方に散乱されて、前記超音波を照射させる超音波プローブに受信された信号でありうる。
【0017】
そして、前記温度に関する情報が含まれた超音波画像を表示するディスプレイ部をさらに備えうる。また、前記超音波画像は、前記温度に対応する輝度を含みうる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、温度変化によって減衰係数の変化量を適用して対象体の温度を決定することによって、腫瘍の懐死如何及び正常組織の安全如何が明確に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態による超音波システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の超音波システムのうち、超音波データ獲得部の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の超音波システムのうち、プロセッサーの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態によるエコー信号の変化量から、対象体の温度を決定する方法を説明するフローチャートである。
【図5】従来の温度情報が含まれた超音波画像、及び本発明を適用して生成された温度情報が含まれた超音波画像を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による超音波システム1の構成を示すブロック図であり、図2は、図1の超音波システム1のうち、超音波データ獲得部10の構成を示すブロック図であり、図3は、図1の超音波システム1のうち、プロセッサー20の構成を示すブロック図である。超音波システム1は、患者の体内に腫瘍が生じた場合、治療用超音波をそれぞれの腫瘍部位、すなわち、対象体に照射して裂傷(lesion)を生成し、診断用超音波を通じて対象体の超音波画像を獲得して、治療が完了したか否かを診断するシステムである。図1に示したように、超音波システム1は、超音波データ獲得部10、プロセッサー20及びディスプレイ部30を備える。そして、超音波システム1は、ユーザ入力部50及び保存部40をさらに備えうる。
【0022】
超音波データ獲得部10は、超音波信号を対象体に送信し、対象体から反射される超音波信号(すなわち、エコー(echo)信号)を受信して、超音波データを獲得する。本発明と関連して、超音波データ獲得部10は、エコー信号の強度を獲得できる。
【0023】
図2を参照すれば、超音波データ獲得部10は、送信信号形成部110、複数の変換素子(図示せず)を含む超音波プローブ120、ビームフォーマ130及び超音波データ形成部140を備える。
【0024】
送信信号形成部110は、変換素子の位置及び集束点を考慮して、送信信号を形成する。本実施形態において、超音波画像は、Bモード(Brightness mode)画像、Dモード(Doppler mode)画像、Cモード(Colordoppler mode)画像、弾性画像、3次元超音波画像を含む。送信信号形成部110は、送信信号の形成を順次に及び反復的に行って、複数の送信信号を形成する。
【0025】
超音波プローブ120は、送信信号形成部110から送信信号が提供されれば、送信信号を超音波信号に変換して対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して、受信信号を形成する。受信信号は、アナログ信号である。超音波プローブ120は、送信信号形成部110から順次に提供される送信信号によって超音波信号の送受信を順次に及び反復的に行って、複数の受信信号を形成する。超音波プローブ120は、3Dメカニカルプローブ(3−Dimensional Mechanical Probe)、2Dアレイプローブ(2−Dimensional Array Probe)を含みうる。
【0026】
ビームフォーマ130は、超音波プローブ120から提供される受信信号をアナログ−デジタル変換する。それと共に、ビームフォーマ130は、超音波プローブ120の変換素子の位置及び集束点を考慮して、デジタル変換された受信信号を受信集束させて、受信集束信号を形成する。
【0027】
超音波データ形成部140は、ビームフォーマ130から提供される受信集束信号を利用して、超音波データを形成する。超音波データ形成部140は、超音波データの形成に必要な多様な信号処理(例えば、利得(gain)調節、フィルタリング処理など)を受信集束信号に行える。
【0028】
プロセッサー20は、超音波信号の送信時間及び前記超音波のエコー信号の受信時間から、エコー信号が発生した地点である距離情報を獲得する。そして、基準エコー信号に対するエコー信号の変化量から、超音波エコー信号の発生地点での温度を決定して、温度情報の含まれた超音波画像を生成する。ここで、プロセッサー20は、複数の論理ゲートのアレイで具現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサー20と、このマイクロプロセッサー20で実行されうるプログラムが保存されたメモリとの組合わせで具現されてもよい。また、当業者ならば、他の形態のハードウェアで具現されてもよいということが分かるであろう。
【0029】
温度情報の含まれた超音波画像を生成するために、プロセッサー20は、基準エコー信号に対する獲得されたエコー信号の変化量を算出する信号変化量算出部210、エコー信号の変化量から後方散乱係数の変化量及び減衰係数の変化量を算出する係数変化量算出部220、後方散乱係数の変化量から温度を決定する温度決定部230、及び温度情報が含まれた超音波画像を生成する画像生成部240を備えうる。
【0030】
ユーザ入力部50は、ユーザの入力情報を受信する。ユーザ入力部50は、コントロールパネル、キーボード、マウスを備えうる。そして、ディスプレイ部30は、プロセッサー20で生成された温度情報の含まれた超音波画像をディスプレイする。前記温度情報は、輝度と表示されうる。
【0031】
説明の便宜上、信号強度を利用して、プロセッサー20が温度を決定する過程を説明する。
【0032】
まず、送信信号形成部110は、強度がIである超音波信号を生成し、超音波プローブ120は、前記超音波信号を対象体に照射しうる。
【0033】
それにより、超音波信号は、超音波プローブ120からzほど離隔された領域にある対象体に進んだ後に後方散乱される。そして、後方散乱されて超音波プローブ120に受信された超音波エコー信号の強度
【0034】
【数1】

は、下記の式(1)のように表現されうる。
【0035】
【数2】

ここで、
【0036】
【数3】

は、z地点での後方散乱係数であり、
【0037】
【数4】

は、z地点での減衰係数であり、
【0038】
【数5】

は、z地点を定義するウィンドウ領域のサイズである。
【0039】
エコー信号の強度で、後方散乱係数
【0040】
【数6】

及び減衰係数
【0041】
【数7】

は、超音波プローブ120から対象体までの距離及び対象体の温度によって変わる。
【0042】
一方、保存部40は、基準温度で対象体の距離による基準エコー信号の強度が保存された基準エコー信号データベースを含みうる。基準エコー信号データベースには、基準エコー信号が対象体別に保存されうる。
【0043】
下記の式(2)は、基準温度Tで、超音波信号が超音波プローブ120からzほど離隔された領域であるz地点に進んだ後に後方散乱された基準エコー信号の強度
【0044】
【数8】

を表す。ここで、基準温度Tは、治療用超音波を照射する前の対象体の温度でありうる。すなわち、基準エコー信号の強度は、治療用超音波を照射する前に診断用超音波によって測定されたエコー信号でありうる。
【0045】
【数9】

信号変化量算出部210は、z地点での基準エコー信号に対する受信されたエコー信号の変化量を算出する。エコー信号の変化量
【0046】
【数10】

は、下記の式(3)のように表現されうる。
【0047】
【数11】

式(3)に示したように、エコー信号の変化量は、後方散乱係数の変化量と減衰係数の変化量との積と表現されることが分かる。また、後方散乱係数と減衰係数とは、相互独立的な関係であるということが分かる。
【0048】
一方、温度変化によって減衰係数が一定であると仮定すれば、z地点でのエコー信号の変化量は、下記の式(4)のように、後方散乱係数の変化量と同じである。
【0049】
【数12】

温度に関係なしに減衰係数が一定であると仮定して実験した結果、後方散乱係数の変化量は、下記の式(5)と表現されうるということが確認された。
【0050】
【数13】

ここで、
【0051】
【数14】

は、密度であり、
【0052】
【数15】

は、超音波の速度であり、下添字m及びsのそれぞれは、対象体及び対象体内の散乱体を意味する。超音波の速度
【0053】
【数16】

は、温度関数と表示される。したがって、後方散乱係数の変化量から対象体の温度を決定しうる。前記式(5)は、後方散乱係数の変化量と温度との関係を理論的に表示したものであるので、実験を通じて後方散乱係数の変化量と温度との関係をさらに正確に獲得でき、実験を通じて獲得された後方散乱係数の変化量とマッチングされた温度とを保存して利用しうる。
【0054】
一方、対象体では、式(3)のように、温度変化によって減衰係数も変わる。実験結果によって、
【0055】
【数17】

での減衰係数の変化量
【0056】
【数18】

は、下記の式(6)のように表現されることが確認された。
【0057】
【数19】

ここで、
【0058】
【数20】

は、
【0059】
【数21】

地点でのエコー信号の変化量に対する標準偏差であり、kは、比例常数である。kの値も、実験を通じて決定されうるが、対象体の種類によって異なる。
【0060】
式(6)に表示されたように、減衰係数の変化量
【0061】
【数22】

は、
【0062】
【数23】

地点でのエコー信号の変化量に対する標準偏差と比例することが分かる。すなわち、対象体で温度変化がなければ、エコー信号の変化量に対する標準偏差は、0であるので、温度変化による減衰係数の変化量は、0である。しかし、対象体で温度変化が大きいほど、信号の変化量に対する標準偏差も大きくなるので、それによる減衰係数の変化量も増加する。
【0063】
したがって、係数変化量算出部220は、エコー信号の変化量に対する標準偏差から減衰係数の変化量を算出する。
【0064】
前記のように、減衰係数の変化量がエコー信号の変化量に対する標準偏差によって決定されるので、z地点で後方散乱されたエコー信号の変化量を、下記の式(7)のように表現しうる。
【0065】
【数24】

それにより、係数変化量算出部220は、z地点で後方散乱されたエコー信号の変化量と、z地点の以前地点でのエコー信号の変化量とに係わる標準偏差から、z地点での後方散乱係数の変化量を算出しうる。後方散乱係数の変化量は、下記の式(8)のように表現されうる。
【0066】
【数25】

そして、温度決定部230は、式(8)を利用して算出された後方散乱係数の変化量に式(5)を適用して、z地点での後方散乱係数の変化量からz地点の温度を決定しうる。
【0067】
一方、後方散乱係数の変化量からの温度決定において、温度を決定する度に式(5)を利用すれば、ロードが発生する恐れがある。それにより、保存部40に後方散乱係数の変化量及び温度がマッピングされた温度データベースが保存される。それにより、係数変化量算出部220が、エコー信号の変化量から後方散乱係数の変化量を算出し、温度決定部230は、後方散乱係数の変化量に対応する温度を温度データベースから読出することによって温度を決定する。
【0068】
画像生成部240は、各地点の温度が含まれた超音波画像を生成する。超音波信号を利用した超音波画像の生成方法は、当業者に自明であるので、ここでの具体的な説明は省略する。前記超音波画像に各地点の温度情報を追加することによって、画像生成部240は、温度情報が含まれた超音波画像を生成しうる。温度情報は、輝度と表現されうる。
【0069】
図4は、本発明の一実施形態によるエコー信号の変化量から対象体の温度を決定する方法を説明するフローチャートである。
【0070】
まず、超音波データ獲得部10は、超音波信号を対象体に照射する。そして、対象体から前記超音波信号に対応するエコー信号を受信する(S410)。エコー信号は、対象体内の散乱体によって後方散乱されて、超音波プローブ120に受信された信号である。
【0071】
プロセッサー20の信号変化量算出部210は、基準エコー信号に対する受信されたエコー信号の変化量を算出する(S420)。基準エコー信号は、対象体が基準温度にある時に受信されたエコー信号でありうる。エコー信号の変化量は、エコー信号の強度と表現されうる。そして、プロセッサー20の係数変化量算出部220は、対象体の以前地点のエコー信号の変化量から減衰係数の変化量を算出し(S430)、減衰係数の変化量及び対象体でのエコー信号の変化量から、後方散乱係数の変化量を算出する(S440)。その後、温度決定部230は、後方散乱係数の変化量から温度を決定する(S450)。最後に、画像生成部は、温度に関する情報が含まれた超音波画像を生成する。
【0072】
図5は、従来の温度情報が含まれた超音波画像と、本発明を適用して生成された温度情報が含まれた超音波画像とを示した図面である。図面符号510領域で温度変化が発生した。しかし、図5の(a)に示したように、従来には、温度変化による係数の補償がなかったため、温度変化が発生した領域510より深い領域520も、温度変化が発生したような虚像が表示される。
【0073】
しかし、温度変化によって係数を補償すれば、図5の(b)に示したように、温度変化が発生した領域510より深い領域520での虚像が除去されたことが確認できる。それにより、温度情報が含まれた超音波画像から腫瘍の懐死如何及び正常組織の安全如何が確認できる。
【0074】
一方、前述した本発明の実施形態は、コンピュータで実行されうるプログラムで作成可能であり、コンピュータで読取可能な記録媒体を利用して、前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータで具現されうる。また、前述した本発明の実施形態で使われたデータの構造は、コンピュータで読取可能な記録媒体に多様な手段を通じて記録されうる。前記コンピュータで読取可能な記録媒体は、マグネチック記録媒体(例えば、ROM(Read Only Memory)、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光学的判読媒体(例えば、CD−ROM、DVDなど)のような記録媒体を含む。
【0075】
これまで、本発明について、その望ましい実施形態を中心に説明した。当業者は、本発明が本発明の本質的な特性から離脱しない範囲で変形された形態に具現されることが分かる。したがって、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮せねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に表れており、それと同等な範囲内にあるすべての差異点は、本発明に含まれていると解釈されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、医療治療関連の技術分野に好適に適用可能である。
【符号の説明】
【0077】
1 超音波システム
10 超音波データ獲得部
20 プロセッサー
30 ディスプレイ部
40 保存部
50 ユーザ入力部
110 送信信号形成部
120 超音波プローブ
130 ビームフォーマ
140 超音波データ形成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象体に照射された超音波のエコー信号を獲得するステップと、
基準エコー信号に対する前記エコー信号の変化量を算出するステップと、
温度変化によって変わる減衰係数の変化量を適用して、前記エコー信号の変化量から、前記対象体の所定領域に係わる温度を決定するステップと、
前記温度に関する情報が含まれた超音波画像を生成するステップと、を含む超音波画像の生成方法。
【請求項2】
前記基準エコー信号は、前記対象体が基準温度にある時、前記対象体に照射された超音波のエコー信号であることを特徴とする請求項1に記載の超音波画像の生成方法。
【請求項3】
前記減衰係数の変化量は、
前記超音波を照射させる超音波プローブで、前記対象体の所定領域の以前地点でのエコー信号の変化量である以前エコー信号の変化量から決定されることを特徴とする請求項1に記載の超音波画像の生成方法。
【請求項4】
前記減衰係数の変化量は、以前エコー信号の変化量に係わる標準偏差と比例することを特徴とする請求項3に記載の超音波画像の生成方法。
【請求項5】
前記減衰係数の変化量及び以前エコー信号の変化量に係わる標準偏差間の比例程度は、対象体別に異なることを特徴とする請求項4に記載の超音波画像の生成方法。
【請求項6】
前記温度を決定するステップは、
前記減衰係数の変化量及び前記エコー信号の変化量から、前記対象体での後方散乱係数の変化量を算出するステップと、
前記後方散乱係数から前記対象体での温度を決定するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の超音波画像の生成方法。
【請求項7】
前記温度は、
複数の後方散乱係数の変化量及び温度がマッピングされて保存された温度データベースから、前記後方散乱係数の変化量及びマッピングされた温度を読み出すことによって決定されることを特徴とする請求項1に記載の超音波画像の生成方法。
【請求項8】
前記超音波のエコー信号は、前記対象体で前記超音波が後方に散乱されて、前記超音波を照射させる超音波プローブに受信された信号であることを特徴とする請求項1に記載の超音波画像の生成方法。
【請求項9】
前記減衰係数の変化量は、前記対象体の種類によって異なることを特徴とする請求項1に記載の超音波画像の生成方法。
【請求項10】
前記超音波画像は、前記温度に対応する輝度を含むことを特徴とする請求項1に記載の超音波画像の生成方法。
【請求項11】
前記超音波を前記対象体に照射するステップと、
前記対象体から前記エコー信号を受信するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の超音波画像の生成方法。
【請求項12】
請求項1ないし10のうちいずれか一項の方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読出可能な記録媒体。
【請求項13】
超音波を対象体に照射し、前記対象体の所定領域から前記超音波のエコー信号を受信する超音波データ獲得部と、
基準エコー信号に対する受信された前記エコー信号の変化量を算出し、温度変化によって変わる減衰係数の変化量を適用して、前記エコー信号の変化量から、前記対象体の所定領域の温度を決定するプロセッサーと、を備える超音波システム。
【請求項14】
前記基準エコー信号は、前記対象体が基準温度にある時、前記対象体の所定領域に照射された超音波のエコー信号であることを特徴とする請求項13に記載の超音波システム。
【請求項15】
前記減衰係数の変化量は、
前記超音波を照射させる超音波プローブで、前記対象体の以前地点でのエコー信号の変化量である以前エコー信号の変化量から決定されることを特徴とする請求項13に記載の超音波システム。
【請求項16】
前記減衰係数の変化量は、以前エコー信号の変化量に対する標準偏差と比例することを特徴とする請求項15に記載の超音波システム。
【請求項17】
前記減衰係数の変化量及び以前エコー信号の変化量に対する標準偏差間の比例程度は、対象体別に異なることを特徴とする請求項16に記載の超音波システム。
【請求項18】
前記プロセッサーは、
前記減衰係数及び前記エコー信号の変化量から前記対象体での後方散乱係数を算出し、前記後方散乱係数から前記対象体での温度を決定することを特徴とする請求項13に記載の超音波システム。
【請求項19】
前記超音波のエコー信号は、前記対象体で前記超音波が後方に散乱されて、前記超音波を照射させる超音波プローブに受信された信号であることを特徴とする請求項13に記載の超音波システム。
【請求項20】
前記温度に関する情報が含まれた超音波画像を表示するディスプレイ部をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の超音波システム。
【請求項21】
基準温度で、超音波プローブと前記対象体との間の距離による前記基準エコー信号の強度を含む基準エコー信号データベースを保存する保存部をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の超音波システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−39359(P2013−39359A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−160490(P2012−160490)
【出願日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】