超音波画像診断装置の検査用超音波プローブ
【課題】 超音波探触子を機械的に走査を行う駆動機構を簡単な構成にして小型化・部品削減・組立簡略化を図るとともに、使用環境の温度変化の影響を軽減し、加えて異なる走査方式の検査用プローブを駆動する装置本体の制御手段の共通化が可能な眼科用超音波診断装置用プローブを提供する。
【解決手段】 超音波探触子を磁気により駆動を行う為の駆動用永久磁石と、前記超音波探触子と駆動用永久磁石を取付けた保持部材と、同一方向に向いた複数の開放端を設けた電磁石とを有し、前記駆動用永久磁石は駆動範囲内において前記電磁石の開放端に対向するように配置されるとともに前記電磁石は隣り合う開放端に異なる磁極が生じるようにコイルを配置され、前記電磁石の開放端から発生する磁界が前記駆動用の永久磁石に作用して前記保持部材が機械的な走査を行う。前記コイルに印加する電流を制御することにより前記超音波探触子の走査が制御される。
【解決手段】 超音波探触子を磁気により駆動を行う為の駆動用永久磁石と、前記超音波探触子と駆動用永久磁石を取付けた保持部材と、同一方向に向いた複数の開放端を設けた電磁石とを有し、前記駆動用永久磁石は駆動範囲内において前記電磁石の開放端に対向するように配置されるとともに前記電磁石は隣り合う開放端に異なる磁極が生じるようにコイルを配置され、前記電磁石の開放端から発生する磁界が前記駆動用の永久磁石に作用して前記保持部材が機械的な走査を行う。前記コイルに印加する電流を制御することにより前記超音波探触子の走査が制御される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼球の断層像やデータを得るため超音波ビームを発振する超音波探触子を機械的に走査する超音波画像診断装置の検査用超音波プローブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の超音波探触子を機械的に走査する超音波画像診断装置の検査用超音波プローブには、電動モータの回転運動をリンク機構を介して異なる回転軸に対する往復運動に変換して扇状の走査を行うものが特許文献1に開示されている。
【0003】
また、リンク機構の変わりにカム機構を利用したものが特許文献2に開示されている。
【0004】
ところが、これらに記載されている機械的駆動機構は、電動モータの回転運動を変換する伝達機構が複雑且つ大型であるため、眼科用に使用する際には操作性に問題になる。
【0005】
さらに、上記構成の検査用超音波プローブにおいては、空気中で伝播しない超音波を透過させる目的で超音波探触子と外ケースの間を液体状の超音波透過媒体により充填しているため、耐食性に優れた特殊な電動モータ或いは液体の漏れを防止する複雑な構造を採用する必要が有り、小型化がより困難になる。加えて、前述の超音波透過媒体は使用環境の温度変化により体積変化を生じ易く、モータ等の駆動用部品の放熱によっても影響を受ける。
【0006】
上記に記載した問題を解決するために、本出願人は電動モータによる回転運動を異なる回転軸に対する往復運動に変換する機構の一部を磁気的なカップリングで構成することにより、簡単な構成で超音波透過媒体の密閉を実現する技術を特許文献3にて開示している。
【0007】
また、超音波探触子を走査して画像処理を行う場合、超音波探触子が走査している位置情報を取得する必要が有り、その一手段として磁気を利用した位置検出手段が知られている。
【0008】
【特許文献1】特開昭60−92743号公報
【特許文献2】特開昭60−135034号公報
【特許文献3】特開平10−309275号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記記載の特許文献3においても、超音波探触子を走査するための駆動は電動モータの回転運動を扇状に走査する運動に変換するカム機構を用いて行っているため、長さ方向の寸法を短くする際に制限が生じてしまうとともに部品数の削減にも不利である。
【0010】
また近年において、瞼近傍領域を超音波により観察することも行われ始めている。
【0011】
図1は超音波探触子を扇状に走査(セクタスキャン)を行う原理図である。超音波探触子2は回転軸を中心として角度θの範囲で往復運動を行う。
【0012】
この走査方式においては、両端部に近づくほど眼球前面の境界層からの超音波の反射の戻りが少なくなるため解像度が低下する傾向がある。
【0013】
図2は超音波探触子を直線状に走査(リニアスキャン)を行う原理図である。超音波探触子2は図示しない案内軸に沿って間隔Lの範囲で直線的な往復運動を行う。
【0014】
図3は前述の2つの走査方式に関する比較説明図である。破線A−A’の領域において、(A)のセクタスキャン、(B)のリニアスキャンの眼球に対する超音波信号の入射状態と超音波探触子の移動領域を比較している。
【0015】
図3(A)のA点における眼球境界に対する超音波信号の入射角度は(B)のA’点と比較して小さいため、超音波の反射信号は小さくなり、解像度が低下する。
【0016】
逆に、同じ領域を走査するために超音波探触子を移動させる範囲は(A)のLLに対して(B)はLSとなる。さらに、破線A−A’以降の眼球全体を走査するために(A)はこのままでほぼ達成されているのに対し、(B)はさらに大きな移動領域を確保する必要が有る。これは、小型化に関して(A)のセクタスキャン方式が有利であることを意味している。
【0017】
眼科分野の超音波画像診断装置において、主流である網膜付近の広い範囲の断層像の観察にはセクタスキャン方式が、瞼近傍領域の観察にはリニアスキャン方式がそれぞれ適している。
【0018】
上記のように、眼球の診断部位により求められる超音波探触子の走査方式が異なるため、特に同一の装置によって瞼付近と網膜付近の診断を行う場合、異なる走査方式の検査用プローブを準備するだけでなく、異なる走査方式の検査用プローブを駆動するための装置本体の駆動制御に関連する構成も複雑になってしまう。
【0019】
図4は磁気を利用した超音波探触子の位置検出機構の従来例を示すものである。超音波探触子の保持部材3の両側に磁界方向が逆になるように取付けられた位置検出用永久磁石4によって磁界を形成し、所定位置に配置された磁気センサ20により磁界の変化を検知することにより超音波探触子の保持部材3の位置検出を行う構成である。この例において、超音波探触子の保持部材3はシャフト5に案内されて左右方向に直線的に走査する構成になっている。
【0020】
図5(A)〜(C)は図示しない超音波探触子を組み込まれている超音波探触子の保持部材3の位置毎の磁束と磁気センサの位置関係を示したものであり、(A)は左端、(B)は中央、(C)は右端付近にある場合である。
【0021】
(B)付近に位置する場合には超音波探触子の保持部材3に取付けられた永久磁石4によって形成される磁界の磁束密度が高い領域に磁気センサが存在するため、磁気センサ20からの出力は超音波探触子の保持部材3と磁気センサ20の距離にある程度比例したものが得られる。
【0022】
しかし、(A)或いは(C)付近に位置する場合、磁気センサ20を通る磁束の密度は低くなり、磁気センサ20の出力は距離に比例しなくなる。
【0023】
図6はこの超音波探触子の保持部材3と磁気センサ20の位置関係に基づく磁気センサ20の出力の関係を示すものであり、超音波探触子の保持部材3の位置が中央から左右どちらかに移動するに従い磁気センサ20の出力が非線形になることを示している。非線形領域においては中央付近と比較して移動量に対する磁気センサ20からの出力の変化が小さくなり、超音波探触子の保持部材3、すなわち図示しない超音波探触子の位置検出精度が低下することを意味する。これは、検査対象物に向けて送信した超音波信号の検査対象物からの反射信号を画像化するためには不利である。
【0024】
本発明はかかる事情を背景として為されたものであって、第1の課題とするところは、超音波探触子を機械的に走査を行う駆動機構を簡単な構成にして小型化・部品削減・組立簡略化を図るとともに、使用環境の温度変化の影響を軽減し、加えて異なる走査方式の検査用プローブを駆動する装置本体の制御手段の共通化を容易に図ることが可能な眼科用超音波画像診断装置の検査用プローブを提供することにある。
【0025】
さらに本発明において第2の課題とするところは、磁気を利用した超音波探触子の位置検出機構において、磁気センサから離れた距離においても、磁気センサに所定量の密度を有する磁束を通し、検出精度の低下を防止できる位置検出機構を有することにより、装置本体の信号処理手段の簡略化を図ることが可能な眼科用超音波画像診断装置の検査用プローブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体及び図に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することのできる発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0027】
第1の発明の態様1は、超音波を発振する超音波探触子と、前記超音波探触子を磁気により駆動を行う為の駆動用の永久磁石と、前記超音波探触子と前記駆動用の永久磁石を取付けた保持部材と、同一方向に向いた複数の開放端を設けた電磁石とを有し、前記駆動用の永久磁石は駆動範囲内において前記電磁石の開放端に対向するように配置されるとともに前記電磁石は電流を印加した際に隣り合う開放端に異なる磁極が生じるようにコイルを配置されることにより前記電磁石に電流を印加した際に前記電磁石の開放端から発生する磁界が前記駆動用の永久磁石に作用して前記保持部材が機械的な走査を行うように構成されていることを特徴とする、眼科用超音波画像診断装置の検査用超音波プローブである。
【0028】
さらに、第1の発明の態様2は、前記態様1に係る眼科用超音波画像診断装置の検査用超音波プローブにおいて、前記超音波探触子の保持部材に取付けられた駆動用の永久磁石と、前記永久磁石に対向する前記電磁石は、液体を密閉する部材を介して配置されていることを、特徴とする。
【0029】
さらに、第2の発明の態様1は、往復運動を実現する移動が可能な超音波探触子の保持部材と、前記超音波探触子の保持部材に取付けられた永久磁石と、磁気センサと、前記超音波探触子の保持部材の移動距離と同程度の長さで且つ前記磁気センサの前面近傍に位置する磁性材料部材を有し、前記永久磁石と前記磁性材料部材によって閉じたループ状の磁束が形成されることを特徴とする、眼科用超音波画像診断装置の検査用超音波である。
【0030】
さらに、第2の発明の態様2は、前記態様1に係る眼科用超音波画像診断装置の検査用超音波プローブにおいて、前記磁性材料部材より長い第2の磁性材料部材を有し、前記磁気センサを前記2個の磁性材料部材により挟むように配置されていることを、特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
第1の発明に従う構造とされた眼科用超音波画像診断装置の検査用超音波プローブは、電磁石から発生される磁界の変化を利用した駆動方式を採用することにより、超音波探触子の機械的な走査機構を簡単な構成にして小型化・部品削減・組立簡略化の実現とともに、使用環境の温度変化の影響を軽減し、加えて異なる走査方式の検査用プローブを駆動する装置本体の制御手段の共通化を容易に図ることが可能である。
【0032】
また、第2の発明に従う構造とされた眼科用超音波画像診断装置の検査用超音波プローブは、磁気を利用した位置検出機構において、位置検出用の磁石から発生される磁束を磁気センサの周囲に導くための磁性材料を配置することにより、磁気センサからの距離が離れた位置における磁気センサからの出力低下を防止して位置検出精度を向上させるとともに、超音波画像診断装置本体の位置検出に係る信号処理手段の簡略化を図ることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0034】
図7及び図8には本発明の一実施形態である眼科用超音波画像診断装置の検査用超音波プローブの断面図が示されている。超音波探触子2を保持する超音波探触子の保持部材3には、超音波探触子2を駆動するために使用される永久磁石6と、超音波探触子2の位置検出用として使用される永久磁石4とが取付けられている。超音波探触子の保持部材3には案内用シャフト5が通され、シャフト5はシャフト保持部材7によって保持されている。シャフト保持部材7には、ヨーク17、18、19とヨーク18、19に挟まれるように配置された磁気センサ20が取付けられている。駆動用ヨーク11にはコイル10を巻き付けたコイルボビン15が取付けられ、コイル10に通電することにより電磁石として機能する。コイル10は中継基板12及びケーブル13を介して図示しない超音波画像診断装置に接続されている。超音波探触子2の周囲には液体の超音波伝導媒体14が充填されており、超音波伝導媒体14は超音波透過領域が薄肉になっているキャップ1、シャフト保持部材7、密閉用部材8及び図示しないシール用部材によって密封されている。さらに、超音波探触子2及び磁気センサ20の信号線は密閉用部材8を通り中継基板12に接続される。
【0035】
次に、上述のように構成された本装置の動作について説明する。
【実施例1】
【0036】
図9は第1の発明である磁気駆動機構の第1の態様に係る第1実施例である。この第1実施例は超音波を直線的に走査する(リニアスキャン)機構であり、図10は第1実施例において使用される駆動用ヨークの形状例である。磁束拡散防止用のヨーク16を挟んで超音波探触子の保持部材3の底部に取付けられた永久磁石6と、駆動用ヨーク11の開放端は対向するように配置されている。
【0037】
ここで、駆動用の永久磁石6は右側がN極、左側がS極と記載されているが、この方向は逆でも本発明の実施に関して何ら問題は無い。
【0038】
図示しない超音波画像診断装置から出力された駆動制御信号は、ケーブル13を経由して中継基板12に伝達される。中継基板12は駆動制御信号に基づいてコイル10の終端a、bに電流を供給する。
【0039】
図11はコイル10に電流を供給した際に永久磁石6と駆動用ヨーク11との間に生じる磁束線の流れとそれを基に超音波探触子の保持部材3にかかる磁力を示すものである。コイル10の終端a、bに電流が供給されると磁束線L及びRが発生する。
【0040】
図11において、駆動用ヨーク11の中央の開放端はS極、左右両端はN極になっているが、この極性はコイル10の巻き方向及びコイル10に供給する電流の方向によって変化する。
【0041】
図11によって示される状態において、駆動用ヨーク11の左側と永久磁石6の間で閉じた磁束線Lが発生することにより互いに引き合い、駆動用ヨーク11の右側においては発生した磁束線Rと永久磁石6は互いに反発し合う為、超音波探触子の保持部材3は2本のシャフト5に案内されて直線的に左方向に移動する。この移動方向及び速度は、コイル10に供給する電流を変化させることにより制御可能である。
【0042】
図12はコイル10に供給する電流を制御した時の磁束線と超音波探触子の保持部材3の移動方向の変化を示すものである。図12の(A)〜(C)間は図11と同じ電流を供給した状態であり、超音波探触子の保持部材3は左方向に向かって移動する。この移動量は後述する磁気センサ20の出力によって検知を行う。
【0043】
超音波探触子の保持部材3は所定位置まで移動したことを検出すると、中継基板12から供給される電流の方向を逆転する。この時、駆動ヨーク11の開放端の極性は(D)のように変化し、合せて磁束線も変化する。このため、振動子保持部材3の移動方向が右方向に切換わる。
【0044】
その後、(E)〜(H)間は振動子保持部材3は右方向に向かって移動する。
【0045】
同様に所定位置まで移動したことを検出すると、中継基板12から供給される電流の方向を再度逆転する。この時の駆動用ヨーク11の開放端の極性と磁束線の状態を示したのが(I)であり、(J)、(K)の状態を経て再び(A)の状態に復帰する。
【0046】
ここで示すようにコイル10に供給する電流を制御することにより、超音波探触子の保持部材3、つまりは超音波探触子2の直線的な往復運動が可能になる。
【実施例2】
【0047】
図13は第1の発明である磁気駆動機構の第1の態様に係る第2実施例である。この第2実施例は超音波を扇状に走査する(セクタスキャン)機構であり、図14は第2実施例において使用される駆動用ヨークである。
【0048】
図15はコイル10に電流を供給した際に永久磁石6’と駆動用ヨーク11’との間に生じる磁束線の流れとそれを基に超音波探触子の保持部材3にかかる磁力を示すものである。第1実施例と異なる点は、回転軸となるシャフト5’、お互いに対向する面がシャフト5’を中心とした同心円弧の近似形状である駆動用永久磁石6’及び駆動用ヨーク11’の3点である。
【0049】
図16はコイル10に供給する電流を制御した時の磁束線と超音波探触子の保持部材3の移動方向の変化を示すものである。(A)〜(H)の状態は図12の(A)〜(H)に対応している。これにより、振動子の動き自体は異なっていてもコイル10に供給する電流により駆動制御を行う原理は全く同じであることが明確である。
【0050】
前述の第1〜2実施例において、コイル10は3つの開放端を有する駆動用ヨーク11或いは11’の中央に配置されているが、開放端が2つの駆動用ヨークの一方に取付けて供給する電流方向を切換えることにより同様の駆動が行うことが可能である。
【実施例3】
【0051】
図17は第1の発明である磁気駆動機構の第1の態様に係る第3実施例である。これは複数のコイルにより構成される電磁石を制御して発生される磁界を利用してリニアスキャンを行う機構の実施例である。図18は第3実施例において使用される駆動用ヨークである。
【0052】
図19はコイル10の任意の1つ(ここでは左からi番目のコイルi)に電流を供給した際に永久磁石6と駆動用ヨーク11”との間に生じる磁束線の流れとそれを基に超音波探触子の保持部材3にかかる磁力を示すものである。コイルiに電流が供給されると磁束線L及びRが発生する。
【0053】
図19において、駆動用ヨーク11”のコイルiが取付けられた開放端の磁極はS極、その両隣の開放端の磁極はN極になっているが、この極性は第1実施例の図11と同様にコイルiの巻き方向及びコイルiの終端cとdの間に供給する電流の方向によって変化する。
【0054】
図19によって示される状態において、駆動用ヨーク11”のコイルiが取付けられた開放端の左側に位置する開放端と永久磁石6の間で閉じた磁束線Lが発生することにより互いに引き合い、駆動用ヨーク11”のコイルiが取付けられた開放端の右側に位置する開放端においては発生した磁束線Rと永久磁石6は互いに反発し合う為、超音波探触子の保持部材3は2本のシャフト5に案内されて直線的に左方向に移動する。この移動方向及び速度は、コイルiに供給する電流を変化させることにより制御可能である。
【0055】
図20は図19に示したコイルi付近において印加する電流を制御した時の磁束線と超音波探触子の保持部材3の移動方向の変化を示すものである。(A)〜(B)は図19と同じ電流を供給した状態であり、超音波探触子の保持部材3は左方向に向かって移動する。
【0056】
(B)の位置においてコイルiにより形成される磁界と永久磁石6による磁界のバランスが取れるため、超音波探触子の保持部材3の移動が停止する。ここでコイルiへの電流供給を停止して左隣のコイル(i−1)の終端aとbの間にコイル(i−1)が取付けられた開放端の磁極がN極、その両隣の開放端の磁極がS極になるように電流を供給する。
【0057】
この状態を示したのが(C)である。(C)の状態において、駆動用ヨーク11”のコイル(i−1)が取付けられた開放端と永久磁石6の間で閉じた磁束線Rが発生することにより互いに引き合い、超音波探触子の保持部材3はさらに左方向に移動して(D)の状態になり再び移動が停止する。ここで、コイル(i−1)の終端aとbに供給する電流の方向を逆転すると(E)の状態になり前述の(A)〜(B)間と同様な磁界が生じ、超音波探触子の保持部材3はさらに左に移動を行い(F)の状態になる。
【0058】
電流の供給を前述の手順で繰り返し行うことで、超音波探触子の保持部材3は左方向への移動を継続する。この電流の供給を行うコイルと電流の方向を制御することにより、超音波探触子の保持部材3は右方向への移動を行うことも可能である。つまり、第1実施例と同様にリニアスキャンが実現できる。
【0059】
さらに、駆動用永久磁石6下面と駆動用ヨーク11”の開放端を第2実施例のような円弧状にすることでセクタスキャンへの適用に関しても応用できることは明らかである。
【0060】
前述の第1及び第2実施例においては単一のコイルに対して供給する電流の方向を切換えるだけの制御であるが、第3実施例においては複数のコイルに対して供給する電流の制御を行うことにより、往復移動の距離或いは角度の変更などの細かい制御が可能になる。
【0061】
さらに付け加えるならば、第1〜3実施例においてコイル10は駆動用ヨークの開放端の隣り合う位置に配置されていないが、駆動用ヨークの複数の隣り合う開放端に連続して取付けたそれぞれのコイル10に供給する電流の方向を同時に且つ独立して制御することによっても同様の効果が得られることは容易に想像されるものである。
【0062】
なお、前記駆動用ヨーク11、11’、11”は1部品での構成になっているが、薄い層状に重ね合わせた構成にすることにより、形成される磁束状態を安定させるためには有利である。
【0063】
次に第1の発明である磁気駆動機構の第2の態様に係る実施例4について説明を行う。
【実施例4】
【0064】
図6及び図7にて示されるように、超音波探触子2を駆動する磁界を発生させる永久磁石6と電磁石を構成する駆動用ヨーク11、コイル10及びコイルボビン15が密閉用部材8によって分離されている。
【0065】
これにより、超音波透過媒体14はコイル10に通電した際に生じる熱による影響を受けない。ここで、密閉用部材8を磁性化し難い材料により製作することで、前記駆動用の磁石により形成される磁界に及ぼす影響を小さくできるのである。
【0066】
さらに密閉用部材8により形成される超音波透過媒体14の充填体積が小さくできるため、超音波透過媒体14の体積変化が少なくなる。これにより、キャップ1の薄肉部にかかる圧力増加を軽減できる。
【0067】
ここで図6或いは図7に示された密閉用部材8の分離壁はリニアスキャンを行う駆動用ヨーク11の開放端に合せた平面であるが、駆動用ヨーク11’の開放端に合せた円弧面にすることでセクタスキャンを行う機構においても実施可能である。
【0068】
以上に述べたように、第1の発明によれば、電磁石から発生される磁界の変化を利用した駆動方式を採用することにより、構成する部品形状を一部変更するだけで異なる走査方式の機構の実現、使用環境の温度変化による影響の軽減、及び異なる走査方式の検査用プローブを駆動する装置本体の制御手段の共通化を容易に図ることが可能である。
【0069】
次に第2の発明である磁気を利用した超音波探触子の位置検出機構について説明を行う。
【0070】
【実施例5】
図21は第2の発明である磁気を利用した超音波探触子の位置検出機構の第1及び第2の態様に係る第5実施例である。超音波探触子の保持部材3を案内するシャフト5に対して平行に配置された1対のヨーク17及びヨーク18がシャフト保持部材7に取付けられ、さらにその一方のヨーク18の外側に磁気センサ20が置かれ、さらに磁気センサ20の外にヨーク18よりも長いヨーク19がシャフト保持部材7に取付けられている。超音波探触子の保持部材3のシャフト5に直交する両側面には磁極が反対になるような位置関係で2つの永久磁石4が取付けられている。
【0071】
ここで、第1の態様に係る説明を行う。
【0072】
図22は超音波探触子の保持部材3の位置毎の磁束と磁気センサ20の位置関係を示したものである。(A)〜(E)は超音波探触子の保持部材3が左から右に向かって移動している状態を示している。
【0073】
(B)〜(D)の間は、永久磁石4によって形成される磁束のほとんどは磁気センサ20の前面のヨーク18に捉えられる。しかし、(A)及び(E)付近においては、永久磁石4の一方がヨーク18から遠ざかるため、ヨーク18に捉えられて磁気センサ20付近を通過する磁束が減少する。これにより、ヨーク18を介した磁束に基づく磁気センサ20からの出力特性は図23(A)のようになる。
【0074】
上述の実施例においては、形成される磁束ループの形状がシャフト5の関してほぼ対称になるようにヨーク17を設けた構成になっているが、前述の磁束ループがシャフト5に関して非対称であっても同様の効果を得ることができる。
【0075】
図24(A)は、磁束ループを単独で形成する永久磁石4’の形状例であり、(B)は永久磁石4’とヨーク18によって形成される磁束ループを示すものである。
【0076】
図25(A)は、前記永久磁石4’を単純な形状の永久磁石4”と2個の磁性材料17’によって構成した例であり、(B)は永久磁石4”と2個の磁性材料17’及びヨーク18によって形成される磁束ループを示すものである。
【0077】
どちらの実施例においても超音波探触子の保持部材3とヨーク18の間には図21に示したものとほぼ同様な磁束ループが形成され、磁気センサ20からの出力特性が図23(A)とほぼ等しくなる。
【0078】
以上に述べたように、第1の態様に従う構造においては、図6で示した従来の検出機構による磁気センサ20の出力特性と比べて、同じ位置における出力低下を全体的に減少させる効果があることを示している。
【0079】
次に、第2の態様に係る説明を行う。
【0080】
磁気センサ20の外に取付けられたヨーク19は、図22(A)、(B)、(D)、(E)に示すように超音波探触子の保持部材3の移動範囲の両端付近においてヨーク18で捉えられない磁束を捉えることができる。
【0081】
この時の磁気センサ20からの出力特性は図23(B)のように、両端部近傍においても移動距離に対する磁気センサ20からの出力変化の減少がほとんど認められなくなる。
【0082】
これにより、移動範囲内全域において超音波探触子の保持部材3の移動量検出精度の向上が可能となる。
【0083】
以上に述べたように、第2の発明によれば、位置検出用の磁石から発生される磁束を磁気センサの周囲に導くための磁性材料を配置することにより、位置検出用の磁石の距離が前記磁気センサから離れた位置においても前記磁気センサからの出力が大きくなり、さらに前記磁性材料を前記磁気センサの前後に設けることにより前記磁気センサの出力変化がほぼ直線的に移行するため、移動範囲内全域において超音波探触子の保持部材3の移動量検出精度の向上を図ることができるとともに、図示しない超音波画像診断装置本体の位置情報取得用信号処理手段の簡略化を図ることが可能になる。
【0084】
上記実施例において、第1及び第2の発明に係る態様を同一の実施態様にて説明しているが、第1及び第2の発明は必ずしも同時に構成する必要はなく、それぞれ独立して実施できるものであることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】眼球に対する超音波探触子の扇状走査(セクタスキャン)の原理説明図である。
【図2】眼球に対する超音波探触子の直線走査(リニアスキャン)の原理説明図である。
【図3】セクタスキャンとリニアスキャンの比較説明図である。
【図4】磁気を利用した従来の超音波探触子の位置検出機構の原理説明図である。
【図5】磁気を利用した従来の超音波探触子の位置検出機構の実施例である。
【図6】磁気を利用した従来の超音波探触子の位置検出機構のセンサ出力である。
【図7】本発明の一実施形態としての検査用プローブの断面図である。
【図8】図7を別方向から見た検査用プローブの断面図である。
【図9】第1の発明である検査用プローブの磁気駆動機構の第1実施例である。
【図10】第1の発明である磁気駆動機構の第1実施例で使用する駆動用ヨークである。
【図11】第1の発明である磁気駆動機構の第1実施例の駆動原理説明図である。
【図12】第1の発明である磁気駆動機構の第1実施例の動作説明図である。
【図13】第1の発明である検査用プローブの磁気駆動機構の第2実施例である。
【図14】第1の発明である磁気駆動機構の第2実施例で使用する駆動用ヨークである。
【図15】第1の発明である磁気駆動機構の第2実施例の駆動原理説明図である。
【図16】第1の発明である磁気駆動機構の第2実施例の動作説明図である。
【図17】第1の発明である検査用プローブの磁気駆動機構の第3実施例である。
【図18】第1の発明である磁気駆動機構の第3実施例で使用する駆動用ヨークである。
【図19】第1の発明である磁気駆動機構の第3実施例の駆動原理説明図である。
【図20】第1の発明である磁気駆動機構の第3実施例の動作説明図である。
【図21】第2の発明である検査用プローブの超音波探触子の位置検出機構の第1実施例である。
【図22】第2の発明である磁気を利用した超音波探触子の位置検出機構の原理説明図である。
【図23】第2の発明である磁気を利用した超音波探触子の位置検出機構のセンサ出力である。
【図24】第2の発明である磁気を利用した超音波探触子の位置検出機構で使用する永久磁石の第2の形状例及びそれにより形成される磁界ループを示したものである。
【図25】第2の発明である磁気を利用した超音波探触子の位置検出機構で使用する永久磁石と磁性材料による構成例及びそれにより形成される磁界ループを示したものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼球の断層像やデータを得るため超音波ビームを発振する超音波探触子を機械的に走査する超音波画像診断装置の検査用超音波プローブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の超音波探触子を機械的に走査する超音波画像診断装置の検査用超音波プローブには、電動モータの回転運動をリンク機構を介して異なる回転軸に対する往復運動に変換して扇状の走査を行うものが特許文献1に開示されている。
【0003】
また、リンク機構の変わりにカム機構を利用したものが特許文献2に開示されている。
【0004】
ところが、これらに記載されている機械的駆動機構は、電動モータの回転運動を変換する伝達機構が複雑且つ大型であるため、眼科用に使用する際には操作性に問題になる。
【0005】
さらに、上記構成の検査用超音波プローブにおいては、空気中で伝播しない超音波を透過させる目的で超音波探触子と外ケースの間を液体状の超音波透過媒体により充填しているため、耐食性に優れた特殊な電動モータ或いは液体の漏れを防止する複雑な構造を採用する必要が有り、小型化がより困難になる。加えて、前述の超音波透過媒体は使用環境の温度変化により体積変化を生じ易く、モータ等の駆動用部品の放熱によっても影響を受ける。
【0006】
上記に記載した問題を解決するために、本出願人は電動モータによる回転運動を異なる回転軸に対する往復運動に変換する機構の一部を磁気的なカップリングで構成することにより、簡単な構成で超音波透過媒体の密閉を実現する技術を特許文献3にて開示している。
【0007】
また、超音波探触子を走査して画像処理を行う場合、超音波探触子が走査している位置情報を取得する必要が有り、その一手段として磁気を利用した位置検出手段が知られている。
【0008】
【特許文献1】特開昭60−92743号公報
【特許文献2】特開昭60−135034号公報
【特許文献3】特開平10−309275号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記記載の特許文献3においても、超音波探触子を走査するための駆動は電動モータの回転運動を扇状に走査する運動に変換するカム機構を用いて行っているため、長さ方向の寸法を短くする際に制限が生じてしまうとともに部品数の削減にも不利である。
【0010】
また近年において、瞼近傍領域を超音波により観察することも行われ始めている。
【0011】
図1は超音波探触子を扇状に走査(セクタスキャン)を行う原理図である。超音波探触子2は回転軸を中心として角度θの範囲で往復運動を行う。
【0012】
この走査方式においては、両端部に近づくほど眼球前面の境界層からの超音波の反射の戻りが少なくなるため解像度が低下する傾向がある。
【0013】
図2は超音波探触子を直線状に走査(リニアスキャン)を行う原理図である。超音波探触子2は図示しない案内軸に沿って間隔Lの範囲で直線的な往復運動を行う。
【0014】
図3は前述の2つの走査方式に関する比較説明図である。破線A−A’の領域において、(A)のセクタスキャン、(B)のリニアスキャンの眼球に対する超音波信号の入射状態と超音波探触子の移動領域を比較している。
【0015】
図3(A)のA点における眼球境界に対する超音波信号の入射角度は(B)のA’点と比較して小さいため、超音波の反射信号は小さくなり、解像度が低下する。
【0016】
逆に、同じ領域を走査するために超音波探触子を移動させる範囲は(A)のLLに対して(B)はLSとなる。さらに、破線A−A’以降の眼球全体を走査するために(A)はこのままでほぼ達成されているのに対し、(B)はさらに大きな移動領域を確保する必要が有る。これは、小型化に関して(A)のセクタスキャン方式が有利であることを意味している。
【0017】
眼科分野の超音波画像診断装置において、主流である網膜付近の広い範囲の断層像の観察にはセクタスキャン方式が、瞼近傍領域の観察にはリニアスキャン方式がそれぞれ適している。
【0018】
上記のように、眼球の診断部位により求められる超音波探触子の走査方式が異なるため、特に同一の装置によって瞼付近と網膜付近の診断を行う場合、異なる走査方式の検査用プローブを準備するだけでなく、異なる走査方式の検査用プローブを駆動するための装置本体の駆動制御に関連する構成も複雑になってしまう。
【0019】
図4は磁気を利用した超音波探触子の位置検出機構の従来例を示すものである。超音波探触子の保持部材3の両側に磁界方向が逆になるように取付けられた位置検出用永久磁石4によって磁界を形成し、所定位置に配置された磁気センサ20により磁界の変化を検知することにより超音波探触子の保持部材3の位置検出を行う構成である。この例において、超音波探触子の保持部材3はシャフト5に案内されて左右方向に直線的に走査する構成になっている。
【0020】
図5(A)〜(C)は図示しない超音波探触子を組み込まれている超音波探触子の保持部材3の位置毎の磁束と磁気センサの位置関係を示したものであり、(A)は左端、(B)は中央、(C)は右端付近にある場合である。
【0021】
(B)付近に位置する場合には超音波探触子の保持部材3に取付けられた永久磁石4によって形成される磁界の磁束密度が高い領域に磁気センサが存在するため、磁気センサ20からの出力は超音波探触子の保持部材3と磁気センサ20の距離にある程度比例したものが得られる。
【0022】
しかし、(A)或いは(C)付近に位置する場合、磁気センサ20を通る磁束の密度は低くなり、磁気センサ20の出力は距離に比例しなくなる。
【0023】
図6はこの超音波探触子の保持部材3と磁気センサ20の位置関係に基づく磁気センサ20の出力の関係を示すものであり、超音波探触子の保持部材3の位置が中央から左右どちらかに移動するに従い磁気センサ20の出力が非線形になることを示している。非線形領域においては中央付近と比較して移動量に対する磁気センサ20からの出力の変化が小さくなり、超音波探触子の保持部材3、すなわち図示しない超音波探触子の位置検出精度が低下することを意味する。これは、検査対象物に向けて送信した超音波信号の検査対象物からの反射信号を画像化するためには不利である。
【0024】
本発明はかかる事情を背景として為されたものであって、第1の課題とするところは、超音波探触子を機械的に走査を行う駆動機構を簡単な構成にして小型化・部品削減・組立簡略化を図るとともに、使用環境の温度変化の影響を軽減し、加えて異なる走査方式の検査用プローブを駆動する装置本体の制御手段の共通化を容易に図ることが可能な眼科用超音波画像診断装置の検査用プローブを提供することにある。
【0025】
さらに本発明において第2の課題とするところは、磁気を利用した超音波探触子の位置検出機構において、磁気センサから離れた距離においても、磁気センサに所定量の密度を有する磁束を通し、検出精度の低下を防止できる位置検出機構を有することにより、装置本体の信号処理手段の簡略化を図ることが可能な眼科用超音波画像診断装置の検査用プローブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体及び図に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することのできる発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0027】
第1の発明の態様1は、超音波を発振する超音波探触子と、前記超音波探触子を磁気により駆動を行う為の駆動用の永久磁石と、前記超音波探触子と前記駆動用の永久磁石を取付けた保持部材と、同一方向に向いた複数の開放端を設けた電磁石とを有し、前記駆動用の永久磁石は駆動範囲内において前記電磁石の開放端に対向するように配置されるとともに前記電磁石は電流を印加した際に隣り合う開放端に異なる磁極が生じるようにコイルを配置されることにより前記電磁石に電流を印加した際に前記電磁石の開放端から発生する磁界が前記駆動用の永久磁石に作用して前記保持部材が機械的な走査を行うように構成されていることを特徴とする、眼科用超音波画像診断装置の検査用超音波プローブである。
【0028】
さらに、第1の発明の態様2は、前記態様1に係る眼科用超音波画像診断装置の検査用超音波プローブにおいて、前記超音波探触子の保持部材に取付けられた駆動用の永久磁石と、前記永久磁石に対向する前記電磁石は、液体を密閉する部材を介して配置されていることを、特徴とする。
【0029】
さらに、第2の発明の態様1は、往復運動を実現する移動が可能な超音波探触子の保持部材と、前記超音波探触子の保持部材に取付けられた永久磁石と、磁気センサと、前記超音波探触子の保持部材の移動距離と同程度の長さで且つ前記磁気センサの前面近傍に位置する磁性材料部材を有し、前記永久磁石と前記磁性材料部材によって閉じたループ状の磁束が形成されることを特徴とする、眼科用超音波画像診断装置の検査用超音波である。
【0030】
さらに、第2の発明の態様2は、前記態様1に係る眼科用超音波画像診断装置の検査用超音波プローブにおいて、前記磁性材料部材より長い第2の磁性材料部材を有し、前記磁気センサを前記2個の磁性材料部材により挟むように配置されていることを、特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
第1の発明に従う構造とされた眼科用超音波画像診断装置の検査用超音波プローブは、電磁石から発生される磁界の変化を利用した駆動方式を採用することにより、超音波探触子の機械的な走査機構を簡単な構成にして小型化・部品削減・組立簡略化の実現とともに、使用環境の温度変化の影響を軽減し、加えて異なる走査方式の検査用プローブを駆動する装置本体の制御手段の共通化を容易に図ることが可能である。
【0032】
また、第2の発明に従う構造とされた眼科用超音波画像診断装置の検査用超音波プローブは、磁気を利用した位置検出機構において、位置検出用の磁石から発生される磁束を磁気センサの周囲に導くための磁性材料を配置することにより、磁気センサからの距離が離れた位置における磁気センサからの出力低下を防止して位置検出精度を向上させるとともに、超音波画像診断装置本体の位置検出に係る信号処理手段の簡略化を図ることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0034】
図7及び図8には本発明の一実施形態である眼科用超音波画像診断装置の検査用超音波プローブの断面図が示されている。超音波探触子2を保持する超音波探触子の保持部材3には、超音波探触子2を駆動するために使用される永久磁石6と、超音波探触子2の位置検出用として使用される永久磁石4とが取付けられている。超音波探触子の保持部材3には案内用シャフト5が通され、シャフト5はシャフト保持部材7によって保持されている。シャフト保持部材7には、ヨーク17、18、19とヨーク18、19に挟まれるように配置された磁気センサ20が取付けられている。駆動用ヨーク11にはコイル10を巻き付けたコイルボビン15が取付けられ、コイル10に通電することにより電磁石として機能する。コイル10は中継基板12及びケーブル13を介して図示しない超音波画像診断装置に接続されている。超音波探触子2の周囲には液体の超音波伝導媒体14が充填されており、超音波伝導媒体14は超音波透過領域が薄肉になっているキャップ1、シャフト保持部材7、密閉用部材8及び図示しないシール用部材によって密封されている。さらに、超音波探触子2及び磁気センサ20の信号線は密閉用部材8を通り中継基板12に接続される。
【0035】
次に、上述のように構成された本装置の動作について説明する。
【実施例1】
【0036】
図9は第1の発明である磁気駆動機構の第1の態様に係る第1実施例である。この第1実施例は超音波を直線的に走査する(リニアスキャン)機構であり、図10は第1実施例において使用される駆動用ヨークの形状例である。磁束拡散防止用のヨーク16を挟んで超音波探触子の保持部材3の底部に取付けられた永久磁石6と、駆動用ヨーク11の開放端は対向するように配置されている。
【0037】
ここで、駆動用の永久磁石6は右側がN極、左側がS極と記載されているが、この方向は逆でも本発明の実施に関して何ら問題は無い。
【0038】
図示しない超音波画像診断装置から出力された駆動制御信号は、ケーブル13を経由して中継基板12に伝達される。中継基板12は駆動制御信号に基づいてコイル10の終端a、bに電流を供給する。
【0039】
図11はコイル10に電流を供給した際に永久磁石6と駆動用ヨーク11との間に生じる磁束線の流れとそれを基に超音波探触子の保持部材3にかかる磁力を示すものである。コイル10の終端a、bに電流が供給されると磁束線L及びRが発生する。
【0040】
図11において、駆動用ヨーク11の中央の開放端はS極、左右両端はN極になっているが、この極性はコイル10の巻き方向及びコイル10に供給する電流の方向によって変化する。
【0041】
図11によって示される状態において、駆動用ヨーク11の左側と永久磁石6の間で閉じた磁束線Lが発生することにより互いに引き合い、駆動用ヨーク11の右側においては発生した磁束線Rと永久磁石6は互いに反発し合う為、超音波探触子の保持部材3は2本のシャフト5に案内されて直線的に左方向に移動する。この移動方向及び速度は、コイル10に供給する電流を変化させることにより制御可能である。
【0042】
図12はコイル10に供給する電流を制御した時の磁束線と超音波探触子の保持部材3の移動方向の変化を示すものである。図12の(A)〜(C)間は図11と同じ電流を供給した状態であり、超音波探触子の保持部材3は左方向に向かって移動する。この移動量は後述する磁気センサ20の出力によって検知を行う。
【0043】
超音波探触子の保持部材3は所定位置まで移動したことを検出すると、中継基板12から供給される電流の方向を逆転する。この時、駆動ヨーク11の開放端の極性は(D)のように変化し、合せて磁束線も変化する。このため、振動子保持部材3の移動方向が右方向に切換わる。
【0044】
その後、(E)〜(H)間は振動子保持部材3は右方向に向かって移動する。
【0045】
同様に所定位置まで移動したことを検出すると、中継基板12から供給される電流の方向を再度逆転する。この時の駆動用ヨーク11の開放端の極性と磁束線の状態を示したのが(I)であり、(J)、(K)の状態を経て再び(A)の状態に復帰する。
【0046】
ここで示すようにコイル10に供給する電流を制御することにより、超音波探触子の保持部材3、つまりは超音波探触子2の直線的な往復運動が可能になる。
【実施例2】
【0047】
図13は第1の発明である磁気駆動機構の第1の態様に係る第2実施例である。この第2実施例は超音波を扇状に走査する(セクタスキャン)機構であり、図14は第2実施例において使用される駆動用ヨークである。
【0048】
図15はコイル10に電流を供給した際に永久磁石6’と駆動用ヨーク11’との間に生じる磁束線の流れとそれを基に超音波探触子の保持部材3にかかる磁力を示すものである。第1実施例と異なる点は、回転軸となるシャフト5’、お互いに対向する面がシャフト5’を中心とした同心円弧の近似形状である駆動用永久磁石6’及び駆動用ヨーク11’の3点である。
【0049】
図16はコイル10に供給する電流を制御した時の磁束線と超音波探触子の保持部材3の移動方向の変化を示すものである。(A)〜(H)の状態は図12の(A)〜(H)に対応している。これにより、振動子の動き自体は異なっていてもコイル10に供給する電流により駆動制御を行う原理は全く同じであることが明確である。
【0050】
前述の第1〜2実施例において、コイル10は3つの開放端を有する駆動用ヨーク11或いは11’の中央に配置されているが、開放端が2つの駆動用ヨークの一方に取付けて供給する電流方向を切換えることにより同様の駆動が行うことが可能である。
【実施例3】
【0051】
図17は第1の発明である磁気駆動機構の第1の態様に係る第3実施例である。これは複数のコイルにより構成される電磁石を制御して発生される磁界を利用してリニアスキャンを行う機構の実施例である。図18は第3実施例において使用される駆動用ヨークである。
【0052】
図19はコイル10の任意の1つ(ここでは左からi番目のコイルi)に電流を供給した際に永久磁石6と駆動用ヨーク11”との間に生じる磁束線の流れとそれを基に超音波探触子の保持部材3にかかる磁力を示すものである。コイルiに電流が供給されると磁束線L及びRが発生する。
【0053】
図19において、駆動用ヨーク11”のコイルiが取付けられた開放端の磁極はS極、その両隣の開放端の磁極はN極になっているが、この極性は第1実施例の図11と同様にコイルiの巻き方向及びコイルiの終端cとdの間に供給する電流の方向によって変化する。
【0054】
図19によって示される状態において、駆動用ヨーク11”のコイルiが取付けられた開放端の左側に位置する開放端と永久磁石6の間で閉じた磁束線Lが発生することにより互いに引き合い、駆動用ヨーク11”のコイルiが取付けられた開放端の右側に位置する開放端においては発生した磁束線Rと永久磁石6は互いに反発し合う為、超音波探触子の保持部材3は2本のシャフト5に案内されて直線的に左方向に移動する。この移動方向及び速度は、コイルiに供給する電流を変化させることにより制御可能である。
【0055】
図20は図19に示したコイルi付近において印加する電流を制御した時の磁束線と超音波探触子の保持部材3の移動方向の変化を示すものである。(A)〜(B)は図19と同じ電流を供給した状態であり、超音波探触子の保持部材3は左方向に向かって移動する。
【0056】
(B)の位置においてコイルiにより形成される磁界と永久磁石6による磁界のバランスが取れるため、超音波探触子の保持部材3の移動が停止する。ここでコイルiへの電流供給を停止して左隣のコイル(i−1)の終端aとbの間にコイル(i−1)が取付けられた開放端の磁極がN極、その両隣の開放端の磁極がS極になるように電流を供給する。
【0057】
この状態を示したのが(C)である。(C)の状態において、駆動用ヨーク11”のコイル(i−1)が取付けられた開放端と永久磁石6の間で閉じた磁束線Rが発生することにより互いに引き合い、超音波探触子の保持部材3はさらに左方向に移動して(D)の状態になり再び移動が停止する。ここで、コイル(i−1)の終端aとbに供給する電流の方向を逆転すると(E)の状態になり前述の(A)〜(B)間と同様な磁界が生じ、超音波探触子の保持部材3はさらに左に移動を行い(F)の状態になる。
【0058】
電流の供給を前述の手順で繰り返し行うことで、超音波探触子の保持部材3は左方向への移動を継続する。この電流の供給を行うコイルと電流の方向を制御することにより、超音波探触子の保持部材3は右方向への移動を行うことも可能である。つまり、第1実施例と同様にリニアスキャンが実現できる。
【0059】
さらに、駆動用永久磁石6下面と駆動用ヨーク11”の開放端を第2実施例のような円弧状にすることでセクタスキャンへの適用に関しても応用できることは明らかである。
【0060】
前述の第1及び第2実施例においては単一のコイルに対して供給する電流の方向を切換えるだけの制御であるが、第3実施例においては複数のコイルに対して供給する電流の制御を行うことにより、往復移動の距離或いは角度の変更などの細かい制御が可能になる。
【0061】
さらに付け加えるならば、第1〜3実施例においてコイル10は駆動用ヨークの開放端の隣り合う位置に配置されていないが、駆動用ヨークの複数の隣り合う開放端に連続して取付けたそれぞれのコイル10に供給する電流の方向を同時に且つ独立して制御することによっても同様の効果が得られることは容易に想像されるものである。
【0062】
なお、前記駆動用ヨーク11、11’、11”は1部品での構成になっているが、薄い層状に重ね合わせた構成にすることにより、形成される磁束状態を安定させるためには有利である。
【0063】
次に第1の発明である磁気駆動機構の第2の態様に係る実施例4について説明を行う。
【実施例4】
【0064】
図6及び図7にて示されるように、超音波探触子2を駆動する磁界を発生させる永久磁石6と電磁石を構成する駆動用ヨーク11、コイル10及びコイルボビン15が密閉用部材8によって分離されている。
【0065】
これにより、超音波透過媒体14はコイル10に通電した際に生じる熱による影響を受けない。ここで、密閉用部材8を磁性化し難い材料により製作することで、前記駆動用の磁石により形成される磁界に及ぼす影響を小さくできるのである。
【0066】
さらに密閉用部材8により形成される超音波透過媒体14の充填体積が小さくできるため、超音波透過媒体14の体積変化が少なくなる。これにより、キャップ1の薄肉部にかかる圧力増加を軽減できる。
【0067】
ここで図6或いは図7に示された密閉用部材8の分離壁はリニアスキャンを行う駆動用ヨーク11の開放端に合せた平面であるが、駆動用ヨーク11’の開放端に合せた円弧面にすることでセクタスキャンを行う機構においても実施可能である。
【0068】
以上に述べたように、第1の発明によれば、電磁石から発生される磁界の変化を利用した駆動方式を採用することにより、構成する部品形状を一部変更するだけで異なる走査方式の機構の実現、使用環境の温度変化による影響の軽減、及び異なる走査方式の検査用プローブを駆動する装置本体の制御手段の共通化を容易に図ることが可能である。
【0069】
次に第2の発明である磁気を利用した超音波探触子の位置検出機構について説明を行う。
【0070】
【実施例5】
図21は第2の発明である磁気を利用した超音波探触子の位置検出機構の第1及び第2の態様に係る第5実施例である。超音波探触子の保持部材3を案内するシャフト5に対して平行に配置された1対のヨーク17及びヨーク18がシャフト保持部材7に取付けられ、さらにその一方のヨーク18の外側に磁気センサ20が置かれ、さらに磁気センサ20の外にヨーク18よりも長いヨーク19がシャフト保持部材7に取付けられている。超音波探触子の保持部材3のシャフト5に直交する両側面には磁極が反対になるような位置関係で2つの永久磁石4が取付けられている。
【0071】
ここで、第1の態様に係る説明を行う。
【0072】
図22は超音波探触子の保持部材3の位置毎の磁束と磁気センサ20の位置関係を示したものである。(A)〜(E)は超音波探触子の保持部材3が左から右に向かって移動している状態を示している。
【0073】
(B)〜(D)の間は、永久磁石4によって形成される磁束のほとんどは磁気センサ20の前面のヨーク18に捉えられる。しかし、(A)及び(E)付近においては、永久磁石4の一方がヨーク18から遠ざかるため、ヨーク18に捉えられて磁気センサ20付近を通過する磁束が減少する。これにより、ヨーク18を介した磁束に基づく磁気センサ20からの出力特性は図23(A)のようになる。
【0074】
上述の実施例においては、形成される磁束ループの形状がシャフト5の関してほぼ対称になるようにヨーク17を設けた構成になっているが、前述の磁束ループがシャフト5に関して非対称であっても同様の効果を得ることができる。
【0075】
図24(A)は、磁束ループを単独で形成する永久磁石4’の形状例であり、(B)は永久磁石4’とヨーク18によって形成される磁束ループを示すものである。
【0076】
図25(A)は、前記永久磁石4’を単純な形状の永久磁石4”と2個の磁性材料17’によって構成した例であり、(B)は永久磁石4”と2個の磁性材料17’及びヨーク18によって形成される磁束ループを示すものである。
【0077】
どちらの実施例においても超音波探触子の保持部材3とヨーク18の間には図21に示したものとほぼ同様な磁束ループが形成され、磁気センサ20からの出力特性が図23(A)とほぼ等しくなる。
【0078】
以上に述べたように、第1の態様に従う構造においては、図6で示した従来の検出機構による磁気センサ20の出力特性と比べて、同じ位置における出力低下を全体的に減少させる効果があることを示している。
【0079】
次に、第2の態様に係る説明を行う。
【0080】
磁気センサ20の外に取付けられたヨーク19は、図22(A)、(B)、(D)、(E)に示すように超音波探触子の保持部材3の移動範囲の両端付近においてヨーク18で捉えられない磁束を捉えることができる。
【0081】
この時の磁気センサ20からの出力特性は図23(B)のように、両端部近傍においても移動距離に対する磁気センサ20からの出力変化の減少がほとんど認められなくなる。
【0082】
これにより、移動範囲内全域において超音波探触子の保持部材3の移動量検出精度の向上が可能となる。
【0083】
以上に述べたように、第2の発明によれば、位置検出用の磁石から発生される磁束を磁気センサの周囲に導くための磁性材料を配置することにより、位置検出用の磁石の距離が前記磁気センサから離れた位置においても前記磁気センサからの出力が大きくなり、さらに前記磁性材料を前記磁気センサの前後に設けることにより前記磁気センサの出力変化がほぼ直線的に移行するため、移動範囲内全域において超音波探触子の保持部材3の移動量検出精度の向上を図ることができるとともに、図示しない超音波画像診断装置本体の位置情報取得用信号処理手段の簡略化を図ることが可能になる。
【0084】
上記実施例において、第1及び第2の発明に係る態様を同一の実施態様にて説明しているが、第1及び第2の発明は必ずしも同時に構成する必要はなく、それぞれ独立して実施できるものであることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】眼球に対する超音波探触子の扇状走査(セクタスキャン)の原理説明図である。
【図2】眼球に対する超音波探触子の直線走査(リニアスキャン)の原理説明図である。
【図3】セクタスキャンとリニアスキャンの比較説明図である。
【図4】磁気を利用した従来の超音波探触子の位置検出機構の原理説明図である。
【図5】磁気を利用した従来の超音波探触子の位置検出機構の実施例である。
【図6】磁気を利用した従来の超音波探触子の位置検出機構のセンサ出力である。
【図7】本発明の一実施形態としての検査用プローブの断面図である。
【図8】図7を別方向から見た検査用プローブの断面図である。
【図9】第1の発明である検査用プローブの磁気駆動機構の第1実施例である。
【図10】第1の発明である磁気駆動機構の第1実施例で使用する駆動用ヨークである。
【図11】第1の発明である磁気駆動機構の第1実施例の駆動原理説明図である。
【図12】第1の発明である磁気駆動機構の第1実施例の動作説明図である。
【図13】第1の発明である検査用プローブの磁気駆動機構の第2実施例である。
【図14】第1の発明である磁気駆動機構の第2実施例で使用する駆動用ヨークである。
【図15】第1の発明である磁気駆動機構の第2実施例の駆動原理説明図である。
【図16】第1の発明である磁気駆動機構の第2実施例の動作説明図である。
【図17】第1の発明である検査用プローブの磁気駆動機構の第3実施例である。
【図18】第1の発明である磁気駆動機構の第3実施例で使用する駆動用ヨークである。
【図19】第1の発明である磁気駆動機構の第3実施例の駆動原理説明図である。
【図20】第1の発明である磁気駆動機構の第3実施例の動作説明図である。
【図21】第2の発明である検査用プローブの超音波探触子の位置検出機構の第1実施例である。
【図22】第2の発明である磁気を利用した超音波探触子の位置検出機構の原理説明図である。
【図23】第2の発明である磁気を利用した超音波探触子の位置検出機構のセンサ出力である。
【図24】第2の発明である磁気を利用した超音波探触子の位置検出機構で使用する永久磁石の第2の形状例及びそれにより形成される磁界ループを示したものである。
【図25】第2の発明である磁気を利用した超音波探触子の位置検出機構で使用する永久磁石と磁性材料による構成例及びそれにより形成される磁界ループを示したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を発振する超音波探触子と、前記超音波探触子を磁気により駆動を行う為の駆動用の永久磁石と、前記超音波探触子と前記駆動用の永久磁石を取付けた保持部材と、同一方向に向いた複数の開放端を設けた電磁石とを有し、前記駆動用の永久磁石は駆動範囲内において前記電磁石の開放端に対向するように配置されるとともに前記電磁石は電流を印加した際に隣り合う開放端に異なる磁極が生じるようにコイルを配置され、前記電磁石に電流を印加した際に前記電磁石の開放端から発生する磁界が前記駆動用の永久磁石に作用して前記保持部材が機械的な走査を行い、且つ、前記コイルに印加する電流を制御することにより前記超音波探触子の走査が制御されるように構成されていることを特徴とする、眼科用超音波画像診断装置の検査用超音波プローブ。
【請求項2】
前記超音波探触子の保持部材に取付けられた駆動用の永久磁石と、前記永久磁石に対向する前記電磁石は、液体を密閉する部材を介して配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の眼科用超音波画像診断装置の検査用超音波プローブ。
【請求項3】
往復運動を実現する移動が可能な超音波探触子の保持部材と、前記超音波探触子の保持部材に取付けられた永久磁石と、磁気センサと、前記超音波探触子の保持部材の移動距離と同程度の長さで且つ前記磁気センサの前面近傍に位置する磁性材料部材を有し、前記永久磁石と前記磁性材料部材によって閉じたループ状の磁束が形成されることを特徴とする、眼科用超音波画像診断装置の検査用超音波プローブ。
【請求項4】
前記磁性材料部材より長い第2の磁性材料部材を有し、前記磁気センサを前記2個の磁性材料部材により挟むように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の眼科用超音波画像診断装置の検査用超音波プローブ。
【請求項1】
超音波を発振する超音波探触子と、前記超音波探触子を磁気により駆動を行う為の駆動用の永久磁石と、前記超音波探触子と前記駆動用の永久磁石を取付けた保持部材と、同一方向に向いた複数の開放端を設けた電磁石とを有し、前記駆動用の永久磁石は駆動範囲内において前記電磁石の開放端に対向するように配置されるとともに前記電磁石は電流を印加した際に隣り合う開放端に異なる磁極が生じるようにコイルを配置され、前記電磁石に電流を印加した際に前記電磁石の開放端から発生する磁界が前記駆動用の永久磁石に作用して前記保持部材が機械的な走査を行い、且つ、前記コイルに印加する電流を制御することにより前記超音波探触子の走査が制御されるように構成されていることを特徴とする、眼科用超音波画像診断装置の検査用超音波プローブ。
【請求項2】
前記超音波探触子の保持部材に取付けられた駆動用の永久磁石と、前記永久磁石に対向する前記電磁石は、液体を密閉する部材を介して配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の眼科用超音波画像診断装置の検査用超音波プローブ。
【請求項3】
往復運動を実現する移動が可能な超音波探触子の保持部材と、前記超音波探触子の保持部材に取付けられた永久磁石と、磁気センサと、前記超音波探触子の保持部材の移動距離と同程度の長さで且つ前記磁気センサの前面近傍に位置する磁性材料部材を有し、前記永久磁石と前記磁性材料部材によって閉じたループ状の磁束が形成されることを特徴とする、眼科用超音波画像診断装置の検査用超音波プローブ。
【請求項4】
前記磁性材料部材より長い第2の磁性材料部材を有し、前記磁気センサを前記2個の磁性材料部材により挟むように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の眼科用超音波画像診断装置の検査用超音波プローブ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
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【図11】
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【図14】
【図15】
【図16】
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【図18】
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【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2006−136681(P2006−136681A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−356004(P2004−356004)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(501299406)株式会社トーメーコーポレーション (48)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(501299406)株式会社トーメーコーポレーション (48)
【Fターム(参考)】
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