説明

超高圧用電気端末

【課題】超高圧用ポリマー套管の電気的性能を改良する。
【解決手段】中心導体1の周りにフレキシブルな材料からなるデフレクタコーン2を備え、デフレクタコーンは、第1の内側絶縁部品3を含むポリマー絶縁体によって覆われ、導電性デフレクタ5を含み、中心導体1は、外部端子6へ接続されている超高圧用端末において、導電性デフレクタと前記外部端子の隣接端部との間に含まれるデフレクタコーンの長さLに直交する角度における、内側絶縁部品の最大径Dは、導電性デフレクタの最大径dの2倍以上とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超高圧用電気端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、内側絶縁シリンダとこれを覆う外側シリンダとを備えた、ポリマー絶縁体が開発されている。良好な絶縁性及び良好な強度を有する、グラスファイバー強化プラスチックまたは等価物は、該内側シリンダに使用することができ、たとえば、シリコーンゴムなどのポリマーは、外側フィンを備える外側シリンダに使用することができる。
【0003】
このような絶縁体は、軽く取り扱いが容易であるという利点を有する。さらに、このような絶縁体は、爆発し破片をまき散らす恐れのある磁器絶縁体や解放され、燃焼する恐れのある油入絶縁体と比べて、内部故障の場合の安全性を向上させる。
【0004】
特許文献1は、2個の本質的な部品、ポリマー絶縁体及びこの絶縁体に含まれる、フレキシブルな材料から形成されるデフレクタコーンを備えた端末を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−203970
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、特に超高圧において、上記のような端末の電気的性能を改良することである。
【0007】
具体的に、220kVより大きな電圧において、特許文献1に記載された端末は、漏れ電流の問題を有する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この問題を解決するために、本発明は、中心導体の周りにフレキシブルな材料からなるデフレクタコーンを備え、デフレクタコーンは、第1の内側絶縁部品を含むポリマー絶縁体によって覆われ、導電性デフレクタを含み、前記中心導体は、外部端子へ接続され、前記導電性デフレクタと前記外部端子の隣接端部との間に含まれる前記デフレクタコーンの長さに直交する角度における、前記内側絶縁部品の最大径は、前記導電性デフレクタの前記最大径の2倍以上である超高圧用端末を提案する。
【0009】
好ましい実施形態によれば、前記デフレクタコーンの最大径が、前記内側絶縁部品の最大径の2/3よりも小さい。
【0010】
好ましくは、第1の内側絶縁部品の前記最大径Dは、以下の式によって前記デフレクタコーンの前記長さLの関数として定義され、
【0011】
【数1】

ここで、Vは、該端末の設計の基準となったインパルス電圧であり、f(V)は、0.25と0.4の間であり、kは、0.5と0.7の間である。
【0012】
好ましくは、前記ポリマー絶縁体は、前記第1の内側絶縁部品を覆い、外側フィンを有する第2の外側絶縁部品を含む。
【0013】
前記デフレクタコーンは、シリコーンゴムから構成されてもよい。
【0014】
前記第1の内側絶縁部品は、鉱物質添加剤で強化されたエポキシ樹脂から構成されてもよい。
【0015】
前記第2の外側絶縁部品は、シリコーンゴムから構成されてもよい。
【0016】
本発明の好ましい実施形態を表す図面を使用して本発明を以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の好ましい実施形態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
端末は、中心導体1の周りに、フレキシブルな材料、好ましくはシリコーンゴムからなるデフレクタコーン2を備える。デフレクタコーン2は、好ましくは、鉱物質添加剤で強化されたエポキシ樹脂からなる内側絶縁シリンダ3から構成される第1の部品及び、好ましくはシリコーンゴムからなり、第1のシリンダを覆い外側フィンを有する、外側絶縁シリンダ4から構成される第2の部品を備えるポリマー絶縁体によって覆われる。
【0019】
デフレクタコーン2は、半導電性ゴムデフレクタ5を含む。中心導体1は、その端部において、該端末の外側端子6へ接続される。
【0020】
導電性デフレクタ5及び出力端子6の隣接する端部の間のデフレクタコーン2の長さL対して直角の、第1のシリンダ3の最大径Dは、導電性デフレクタ5の最大径dの2倍以上である。
【0021】
デフレクタコーン2の径、したがって、その最大径dは、第1のシリンダの最大径Dの2/3より小さい。
【0022】
第1のシリンダの最大径Dは、以下の式によってデフレクタコーン2の上記長さLの関数として定義するのが好ましい。
【0023】
【数2】

ここで、Vは、該端末の設計の基準となったインパルス電圧であり、f(V)は、0.25と0.4の間であり、kは、0.5と0.7の間である。
【0024】
例として、f(V)は、170kVの電圧に対しては0.28程度であり、245kv程度の電圧に対しては0.39程度であり、420kVの電圧に対しては0.34程度であるのが有利である。
【0025】
本発明は、通常225kVと550kVの間である超高圧に特に適用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超高圧用端末であって、中心導体(1)の周りにフレキシブルな材料からなるデフレクタコーン(2)を備え、デフレクタコーン(2)は、第1の内側絶縁部品(3)を含むポリマー絶縁体によって覆われ、導電性デフレクタ(5)を含み、前記中心導体(1)は、外部端子(6)へ接続され、前記導電性デフレクタ(5)と前記外部端子(6)の隣接端部との間に含まれる前記デフレクタコーン(2)の長さ(L)に直交する角度における、前記内側絶縁部品(3)の最大径(D)は、 前記導電性デフレクタ(5)の最大径(d)の2倍以上である超高圧用端末。
【請求項2】
前記デフレクタコーン(2)の最大径(d)が、前記内側絶縁部品(3)の前記最大径(D)の2/3よりも小さい請求項1に記載の超高圧用端末。
【請求項3】
第1の内側絶縁部品(3)の前記最大径Dは、以下の式によって前記デフレクタコーン(2)の前記長さLの関数として定義され、
【数1】

ここで、Vは、該端末の設計の基準となったインパルス電圧であり、f(V)は、0.25と0.4の間であり、kは、0.5と0.7の間である請求項1または2に記載の超高圧用端末。
【請求項4】
前記ポリマー絶縁体は、前記第1の内側絶縁部品(3)を覆い、外側フィンを有する第2の外側絶縁部品(4)を含む請求項1から3のいずれかに記載の超高圧用端末。
【請求項5】
前記デフレクタコーン(2)は、シリコーンゴムからなる請求項1から4のいずれかに記載の超高圧用端末。
【請求項6】
前記第1の内側絶縁部品(3)は、鉱物質添加剤で強化されたエポキシ樹脂からなる請求項1から5のいずれかに記載の超高圧用端末。
【請求項7】
前記第2の外側絶縁部品(4)は、シリコーンゴムからなる請求項4に記載の超高圧用端末。

【図1】
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【公開番号】特開2012−120425(P2012−120425A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−244706(P2011−244706)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(501044725)ネクサン (81)
【Fターム(参考)】