説明

足で操作するコード専用楽器のレイアウト及び演奏方法

【課題】演奏方法を簡単で分かりやすくした、足で操作するコード専用楽器のレイアウトとその操作方法。
【解決手段】順番、位置、角度について、時計の文字盤や行列の配置を参考にし、利用する。ぎこちない足の指や踵が操作するので、これらの接点はその位置が大まかに対応出来るよう設定してある。これらの接点は奏者の好みにより任意に左右を取り替え可能である。アルペジオで演奏する時は、右手親指の腹側にオン・オフスイッチを取り付け、靴の中敷に根音、3rd,5th,7th,の接点があるので、それを足の親指、または小指で操作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足で操作するコード楽器のレイアウト及びその演奏方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コードは頻繁に使われるもので144通りあり、その中から目的のものを瞬時にしかも確実に選ばなければ、音は濁り不快に聞こえる。
【0003】
その為、瞬間に対応できてしかも明快な操作方法が求められる。その上、足を使って演奏するので、単純でわかり易い操作方法でなければならない。それには並べ方は重要で、特に順番、位置、角度に関しては思いをめぐらした。
【0004】
一つには、数字が切れ目なくずらりと並んだ電話番号だと分かりずらく、読み取るのにも苦労する。ところが、それをハイフン等で繋ぎ4桁程度の数字の組にするとかなり分かり易くなる。同様によく似たものが等間隔で並んでいると、どれも同じように見えて区別しずらい。そこで、それらを3つ、4つのまとまりとすればすっきりとし理解もし易くなる。このことはキーの配列にも応用できるのではないか。演奏中は目で確認することもままならず、全てを足だけで操作する楽器であれば尚更筋肉が容易に位置を覚えられることは必須条件といえる。
【0005】
また一つは、時計の文字盤が12時からスタートして、1時2時とぐるっと回ってまた12時に戻ってくるように、12通りある根音についても同じように,例えばCを12時の位置に持ってくると、時計回りに,D,E,F,G,A,B,と回って、また12時のCに戻ってくる。
【0006】
この場合、どの根音を12時に持ってきても構わないが、一般的にはA 又は C を12時に持ってくると使い勝手が良い。C画12時だとGは7時、A は9時になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
鍵盤楽器の仲間は右手でメロディーを弾きつつ左手でアンサンブルも出来る優れものが多い。電子オルガンだと、それに加えて足で簡単なベースも弾くことが出来る。
【0008】
しかし、それが金管楽器だと、例えばトランペットの仲間は片手でバルブを押さえて演奏するが、その間は普通もう片方の手で楽器を支えている。ホルンだと左手で操作しつつ右手もそれなりに活躍している。
【0009】
これが木管楽器になると両手でキーを操作するので、まさに文字通り手塞がりの状態となり、とても一人で伴奏までは手が回らない。
【0010】
それゆえ、今まで一人で管楽器でメロディーを吹きながら一緒に複雑なコードを演奏することは出来なかった。言い換えると、同じ奏者が管楽器でメロディーを吹きつつ別の楽器で同時にアンサンブルも演奏するという方法は無かった。稀に、管楽器を吹きつつ空いた手でキーボードを操作する器用な人もいるが、どちらかを優先させて演奏せざるを得ず、全ての面で満足出来る演奏とは言い難い。
【0011】
ところが、そんな管楽器を演奏するのに,たとえ口や手は塞がっていても足は空いている。それなら、その空いている2本の足を活用してコード演奏が出来ないかと考えたのがこの楽器である。
【0012】
微妙なタッチで動き回り,目的の音を繊細に出せる手のようにはいかないが、大まかなオン・オフ程度の操作なら十分役目を果たすことが出来る。そこで次のように考えた。
【0013】
右足で、12通りある根音をから目的のものを選ぶ。同時に左足で、12通りあるコードの種類を選択する。その数は12×12で144通りとなり、演奏に使用されるコードとして十分カバー出来る。その為のレイアウトは単純で分かり易いことを旨とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
ぎこちない足の指や踵が操作するので、これらの接点はその位置が大まかに対応出来るよう設定してある。これらの接点は奏者の好みにより任意に左右を取り替え可能である。
【0015】
アルペジオで演奏する時は、右手親指の腹側にオン・オフスイッチを取り付け、靴の中敷に根音、3rd,5th,7th,の接点があるので、それを足の親指、または小指で操作する。足の指は左右で計4接点のオン・オフが可能である。さらに転回をする時は足の踵部分接点があるので、左足の指を使用する時は右足の踵で、右足の指を使う時は左足の踵で転回スイッチを操作する。その為,合わせて6箇所の接点が左右の靴の中敷に設置される。
【0016】
通常はAを110ヘルツに設定しているが、補助キーを操作することで1オクターブの上げ下げは可能である。
【発明の効果】
【0017】
左手だけで複雑なコード演奏も出来るキーボードは優れた楽器ではあるが、小さな手の子供や女性にとってオクターブ近く手を広げることは至難の業である。
【0018】
一方、多くの管楽器は演奏するのに常に手が塞がっている。そこで足の出番となる。
【0019】
足は手のように器用には動かないが簡単な作業なら十分こなすことが出来る。そこで操作方法に工夫を凝らすことで初心者にも短時間の訓練で容易にコード演奏が出来るようになった。
【0020】
但し、足を使って演奏する為、立って演奏出来ない。またマーチング・バンドのように歩くことも出来ず椅子に座って演奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
2種ある楽器は左右の足どちらでも良く、奏者の好みによるが、一般的には左足に行列からなるコードの種類のボードを、右足に根音の円盤を持ってくると良い。
【0022】
行列からなるキーボードは誤操作を避ける為、それぞれの列は同間隔としない。メジャー系、マイナー系、その他で配列が微妙に異なる。
【0023】
根音の円盤は時計の文字盤と同様に等間隔で並べる。但し,C及びAのみ位置関係が良く分かるように目立たせる。普通はCを12時に持ってくる。刷るとAは9時になる。
【0024】
足の指で操作するキーは、左足小指に3rd,親指に5th、右足親指にルート、小指に7th を配置する。
【0025】
左右の足の踵はターンキーで、左足の指を使っている時は右踵、右足の指を使っている時は左踵を使用する。
【0026】
右手親指の腹側にアルペジオ用のスイッチを付ける。これはお琴の爪のように脱着が可能で、管楽器を支持する時に邪魔にならない大きさとする。
【0027】
ボードの横に補助キーを取り付け、1オクターブの上げ下げが出来るようにする。通常はAを110ヘルツに設定している。よって、1オクターブ上げると220ヘルツに、下げると55ヘルツになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】 行列からなるキーボード
【図2】 根音の円盤
【図3】 足の指スイッチと踵スイッチ
【符号の説明】
【0029】
1 キーボードの台
2 □(□の中にキーの根音名がはいる)
3 □M7
4 □7
5 □6
6 □dug
7 □sus4
8 □m7(b5)
9 □dim
10 □m
11 □mM7
12 □m7
13 □m6
14 1オクターブ上げるキー
15 1オクターブ下げるキー
16 台
17 Cの根音キー
18 Aの根音キー
19 それぞれの根音キー
20 3rd
21 5th
22 ルート
23 7th
24 転回キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
12種の根音を片足で、12通りあるコードの種類をもう片方の足で、同時に両足で操作すると144通りのコード演奏が出来るコード専用楽器のレイアウトとその奏法。
【請求項2】
12通りあるコードを種類別に3行4列に分類し、足で操作し易くしたコード専用楽器のレイアウト及びその演奏方法。
【請求項3】
時計の文字盤のように円周上に並べられた12通りの根音キーを、足で操作するコード専用楽器のキー配置及びその演奏方法。
【請求項4】
足の指や踵で操作する3rd,5th,7th,及び転回キーとその操作方法。
【請求項5】
アルペジオの演奏時に使用する右手親指用スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−8506(P2012−8506A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157256(P2010−157256)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(504133660)
【Fターム(参考)】