距離ベースの位置追跡方法及びシステム
距離ベースの位置追跡方法30の術前段階は、体の解剖学的領域40を示すスキャン画像20内の手術経路52に対する手術ツール51の仮想的ナビゲーション中のスキャン画像20から得られる仮想的情報21の生成を伴う。仮想的情報21は、スキャン画像20内の対象からの手術ツール51の仮想的距離の測定結果と関連付けられた前記スキャン画像20内の手術経路52に対する手術ツール51の仮想的姿勢の予測を含む。方法30の術中段階は、解剖学的領域40内の手術経路52に対する手術ツール51の物理的ナビゲーション中の解剖学的領域40内の対象からの手術ツール51の物理的距離の測定結果から得られる追跡情報23の生成を伴う。追跡情報23は、スキャン画像20内の手術経路52に対する手術ツール51の仮想的姿勢の予測に対応する解剖学的領域40内の手術経路52に対する手術ツール51の姿勢の推定を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体の解剖学的領域の術前スキャン画像に関連した体の解剖学的領域内の手術ツールの姿勢(すなわち、場所及び向き)に関する術中情報を提供する体の解剖学的領域内の手術ツール(例えば、カテーテル、入れ子式カニューレ)の距離ベースの位置追跡に関する。
【背景技術】
【0002】
手術ツールの空間的位置特定に対する1つの既知の方法は、電磁("EM")追跡を使用することである。しかしながら、この解決法は、例えば、外部磁場生成器及び前記手術ツール内のコイルのような追加の装置を伴う。加えて、手術野の近くの気管支鏡又は他の対象の金属により導入される電磁界歪により精度が劣りうる。更に、EM追跡における位置合わせ手順は、外部座標系(例えば、EM場生成器の座標系又は動的参照光線の座標系)とコンピュータ断層撮影("CT")画像空間との間の関係をセットすることを伴う。典型的には、前記位置合わせは、ポイントツーポイントマッチングにより実行され、これは、追加の待ち時間を引き起こす。位置合わせでさえ、呼吸のような患者の動きは、実際の場所と計算された場所との間の誤差を意味することができる。
【0003】
手術ツールの画像ガイダンスに対する既知の方法は、光学的位置追跡システムを用いるツールの追跡を伴う。CT座標系又は磁気共鳴撮像("MRI")座標系においてツール先端を位置特定するために、前記ツールは、赤外("IR")反射球を持つ追跡される剛体を備えなくてはならない。位置合わせ及びキャリブレーションは、ツール位置を追跡し、これをCT又はMRI上の位置に関連付けることができるようにツール挿入の前に実行されなくてはならない。
【0004】
内視鏡が手術ツールとして使用される場合、前記内視鏡の空間的位置特定に対する他の既知の方法は、気管支鏡からの二次元("2D")内視鏡画像に対して術前三次元("3D")データセットを位置合わせすることである。特に、ビデオストリームからの画像は、カメラフライスルーの気管支樹の3Dモデル及び関連した断面とマッチングされ、患者画像の座標系におけるビデオフレームの相対的な位置を見つける。この2D/3D位置合わせの主な問題は、複雑さである。この問題を解決するために、2D/3D位置合わせは、EM追跡によりサポートされ、まず粗い位置合わせを得て、この後に2D/3D位置合わせによる変換パラメータの微細調整が続く。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、外部撮像システム(例えば、CT、MRI、超音波、X線及び他の撮像システム)により撮られた体の解剖学的領域の術前スキャン画像内の対象からの手術ツール(例えば、カテーテル、内視鏡又は入れ子式カニューレ)の距離の仮想的測定を生成する術前プランの使用を前提とする。例えば、ここに更に説明されるように、本発明による仮想的ナビゲーションは、対象の前記解剖学的領域(例えば、気管支樹)のスキャン画像内の運動学的に正しいツール経路を生成し、前記スキャン画像内の前記ツールにより前記術前プランの実行を仮想的にシミュレートするのに手術ツールの運動学的特性を使用する術前内視鏡手順であり、これにより仮想的シミュレーションは、前記手術ツールに仮想的に結合された1以上の距離センサを含み、前記解剖学的領域の前記スキャン画像内の前記対象(例えば、気管支壁)からの前記ツールの距離の仮想的測定を提供する。
【0006】
カテーテル、内視鏡又は針である前記手術ツールに関連して、"3D Tool Path Planning, Simulation and Control System"と題され、2007年4月17日に公開されたTrovato他に対する国際出願WO2007/042986A2により教示される経路計画技術は、前記対象の解剖学的領域の3Dデータセットにより示される体内の前記解剖学的領域内の前記カテーテル、内視鏡又は針に対する運動学的に正しい経路を生成するのに
使用されることができる。
【0007】
撮像入れ子式カニューレである前記手術ツールに関連して、"Active Cannula Configuration For Minimally Invasive Surgery"と題され、2008年3月20日に公開されたTrovato他に対する国際出願WO2008/032230A1により教示される経路計画/入れ子式カニューレ構成技術は、前記対象の解剖学的領域の3Dデータセットにより示される体内の前記解剖学的領域内の前記入れ子式カニューレに対する運動学的に正しい経路を生成するのに使用されることができる。
【0008】
本発明は、更に、前記手術ツールに物理的に結合された1以上の距離センサによる前記解剖学的領域内の対象からの前記手術ツールの距離の術中の物理的測定に対して前記解剖学的領域の前記3Dスキャン画像内の前記対象からの前記手術ツールの距離の術前仮想的測定を比較する信号マッチング技術の使用を前提とする。当技術分野において既知である信号マッチング技術の例は、(1)Yu.-Te. Wu, Li-Fen Chen, Po-Lei Lee, Tzu-Chen Yeh, Jen-Chuen Hsieh, "Discrete signal matching using coarse-to-fine wavelet basis functions", Pattern Recognition Volume 36, Issue 1, January 2003, Pages 171-192;(2)Dragotti, P.L. Vetterli, M. "Wavelet footprints: theory, algorithms, and applications", Signal Processing, IEEE Transactions on, Volume: 51, Issue: 5, pp. 1306-1323;及び(3)Jong-Eun Byun, Ta-I Nagata, "Determining the 3-D pose of a flexible object by stereo matching of curvature representations", Pattern Recognition Volume 29, Issue 8, August 1996, Pages 1297-1307を含むが、これらに限定されない。
【0009】
本発明の一形式は、体の解剖学的領域を示すスキャン画像の生成、及び前記スキャン画像内の手術経路に対する前記手術ツールの仮想的シミュレーション中の仮想的情報の生成を伴う術前段階を持つ位置追跡方法である。前記仮想的情報は、前記スキャン画像内の対象からの前記手術ツールの仮想的姿勢の予測を含む。
【0010】
前記術前段階の例示的な実施例において、前記スキャン画像及び前記手術ツールの運動学的特性は、前記スキャン画像内の手術経路を生成するのに使用される。この後に、前記手術ツールに仮想的に結合された1以上の仮想的な距離センサの感知特性は、前記スキャン画像内の対象壁からの前記手術ツールの距離の測定結果を示す仮想的な感知信号をシミュレートするのに使用され、前記スキャン画像内の前記手術経路のフライスルーが実行され、前記距離センサにより提供される仮想的な感知信号がデータベースに記憶される。
【0011】
前記位置追跡方法は、更に、前記解剖学的領域内の前記手術経路に対する前記手術ツールの物理的ナビゲーション中の前記解剖学的領域内の前記対象壁からの前記手術ツールの物理的距離の測定結果の生成、及び前記仮想的な距離測定結果に対する前記物理的距離測定結果のマッチングから得られる追跡情報の生成を伴う術中段階を持つ。前記追跡情報は、前記スキャン画像内の前記手術経路に対する前記手術ツールの仮想的な姿勢の予測に対応する前記解剖学的領域内の内視鏡経路に対する前記手術ツールの姿勢の推定を含む。
【0012】
前記術中段階の例示的な実施例において、前記手術ツールに物理的に結合された前記距離センサは、前記解剖学的領域内の対象からの前記手術ツールの距離の物理的測定結果を示す物理的感知信号を提供し、前記物理的感知信号は、前記解剖学的領域内の前記手術経路に対する前記手術ツールの物理的ナビゲーション中の前記解剖学的領域内の前記手術ツールの姿勢(すなわち、場所及び向き)を決定するように前記記憶された仮想的感知信号とマッチングされる。
【0013】
本発明の目的に対し、ここで使用される用語"生成する"は、コンピュータ処理及びメモリ記憶/取り出し目的で利用可能な情報(例えば、データ、テキスト、画像、音声及びビデオ)、特に画像データセット及びビデオフレームを作成する、供給する、備え付ける、得る、生成する、形成する、開発する、展開する、修正する、変換する、変更する又は他の形で作る当技術分野において現在又は後で既知になる如何なる技術をも含むように広く規定される。加えて、ここで使用されるフレーズ"から得られる"は、情報のソースセットから情報の目標セットを生成する当技術分野において現在又は後で既知になる如何なる技術をも含むように広く規定される。
【0014】
加えて、ここで使用される用語"術前"は、内視鏡使用前の期間又は準備に生成する又は関連するアクティビティ(例えば、内視鏡に対する経路計画)を記述するように広く規定され、ここで使用される用語"術中"は、内視鏡使用の途中に生成する、実行される又は遭遇するアクティビティ(例えば、計画された経路に従って前記内視鏡を操作する)を記述するように広く規定される。内視鏡使用の例は、気管支鏡検査、大腸内視鏡検査、腹腔鏡検査、及び脳内視鏡検査を含むが、これらに限定されない。
【0015】
ほとんどの場合、術前アクティビティ及び術中アクティビティは、はっきりと異なる時間期間中に生成する。それにもかかわらず、本発明は、術前及び術中時間期間の如何なる程度の重複を伴う場合も含む。
【0016】
更に、用語"内視鏡"は、体を内側から撮像する能力を持つ装置として広く規定され、用語"距離センサ"は、対象との物理的接触なしで前記対象からの距離を感知する能力を持つ装置として広く規定される。本発明の目的に対する内視鏡の例は、可とう性又は剛体である如何なるタイプの観察器械(例えば、関節鏡、気管支鏡、胆管鏡、大腸内視鏡、膀胱鏡、十二指腸鏡、胃カメラ、子宮鏡、腹腔鏡、喉頭鏡、神経内視鏡、オトスコープ、プッシュ小腸内視鏡、鼻喉頭内視鏡、S状結腸鏡、上顎洞内視鏡、胸腔鏡等)、及び画像システムを備えた観察器械と同様の装置(例えば、撮像を備えた入れ子式カニューレ)を含むが、これらに限定されない。前記撮像は局所的であり、表面画像は、オプションとして、光ファイバ、レンズ、又は小型化(例えばCCDベースの)撮像システムを用いて得られてもよい。本発明の目的に対する距離センサの例は、すべて当技術分野において既知である、反射光三角測量技術、飛行時間音響測定技術、飛行時間電磁波技術、光干渉法、及び/又は振動光源技術を組み込む装置を含むが、これらに限定されない。特に、微小電気機械システム技術から設計された距離センサは、ミリメートル空間における正確な感知を提供することができる。
【0017】
本発明の先行する形式及び他の形式並びに本発明の様々なフィーチャ及び利点は、添付の図面と併せて読まれる本発明の様々な実施例の以下の詳細な説明から更に明らかになる。詳細な説明及び図面は、本発明を限定するのではなく、単に説明し、本発明の範囲は、添付の請求項及びその同等物により規定される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の距離ベースの位置追跡方法の一実施例を表すフローチャートを示す。
【図2】本発明による内視鏡に対する例示的な距離センサ構成を示す。
【図3】図1に示されるフローチャートの例示的な手術応用を示す。
【図4】本発明の姿勢予測方法の一実施例を表すフローチャートを示す。
【図5】図4に示されるフローチャートによる気管支鏡に対する例示的な手術経路生成を示す。
【図6】図4に示されるフローチャートによる入れ子式カニューレに対する例示的な手術経路生成を示す。
【図7】図4に示されるフローチャートによる例示的な仮想的測定を示す。
【図8】図4に示されるフローチャートによる第1の例示的な仮想的信号生成を示す。
【図9】図4に示されるフローチャートによる第2の例示的な仮想的信号生成を示す。
【図10】本発明の姿勢推定方法の一実施例を表すフローチャートを示す。
【図11】図10に示されるフローチャートによる例示的な物理的測定を示す。
【図12】図10に示されるフローチャートによる例示的な信号マッチングを示す。
【図13】本発明の距離ベースの位置追跡システムの一実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の距離ベースの位置追跡方法を表すフローチャート30が、図1に示される。図1を参照すると、フローチャート30は、術前段階S31及び術中段階S32に分割される。
【0020】
術前段階S31は、問題の解剖学的領域のスキャン画像を得るように体、人間又は動物の解剖学的領域をスキャンする外部撮像システム(例えば、CT、MRI、超音波、X線等)を含む。術中段階S32中の診断又は治療に対する起こりうる要望に基づいて、前記問題の解剖学的領域の手術ツールによる仮想的ナビゲーションが、術前手術手順によって実行される。前記スキャン画像内の対象からの前記手術ツールの仮想的な距離の関連した測定を含む前記仮想的ナビゲーションから予測される前記手術ツールの姿勢を詳述する仮想的情報は、ここに後で説明されるように術中段階S32中の前記解剖学的領域内の前記手術ツールの姿勢を推定する目的で生成される。
【0021】
例えば、図3の例示的な術前段階S31に示されるように、CTスキャナ50は、患者の気管支樹40をスキャンするのに使用されることができ、結果として気管支樹40の3D画像20を生じる。気管支樹40の仮想的な手術手順は、この後に、術中段階S32中の気管支樹40の最小侵襲手術を実行する針に基づいて実行されうる。特に、スキャン画像20及び手術ツール51(例えば、内視鏡)の運動学的特性を使用する計画経路技術は、気管支樹40を通る手術ツール51に対する手術経路を生成するように実行されることができ、スキャン画像20を使用する画像処理技術は、気管支樹40内の手術経路52を通る手術ツール51をシミュレートするように実行されることができる。前記仮想的ナビゲーションから得られたスキャン画像20内の手術ツール51のNの予測された仮想的場所(x,y,z)及び向き(α,θ,φ)を列挙する仮想的情報21は、この後に、ただちに処理され、及び/又は前記手術の目的に対してデータベース54に記憶されることができる。
【0022】
本発明は、前記仮想的ナビゲーション中の手術ツール51、好ましくは手術ツールの先端51及び図2に示されるように先端51aに隣接した手術ツール51の周囲に物理的に結合されたM個の物理的距離センサ53の仮想的ナビゲーションを提供する。1つの例示的実施例において、距離センサ53の仮想的ナビゲーションは、距離センサ53により物理的測定をシミュレートするように構成された図3に示されるソフトウェア要素54を知覚する環境により達成される。実際に、本発明は、仮想的な距離センサ54の数量及び仮想的な距離センサ54の構成が、物理的な距離センサ53の数量及び手術ツール51上の物理的な距離センサ53の実際の構成と同一であるべきことを除き、前記M個の仮想的な距離センサ54(すなわち、M≧1)及び手術ツール51に対する距離センサ54の特定の構成に制約又は制限を加えない。当業者は、手術ツールに結合される各追加の距離センサ53が、更にここに説明されるように術中段階S32中の手術ツール51を位置追跡する精度を増すことを理解する。更に、当業者は、特に対向する対における、距離センサ53の一様な分布も、術中段階S32中の手術ツール51を位置追跡する精度を増す。
【0023】
図3を再び参照すると、手術ツール51の仮想的ナビゲーション中に、気管支樹40の気管支壁からの手術ツール51の仮想的な距離は、手術ツール51の各予測された姿勢に対して距離センサ54により測定される。データベース55に記憶される仮想的情報21は、気管支樹40の気管支壁からの手術ツール51の仮想的な距離測定の詳細を含む。仮想的情報21は、前記手術ツールの姿勢のN個のサンプル(x,y,z,α,θ,φ)N及びM個すべての仮想的センサからのN個の測定値(vd1,...,vdM)Nを記憶する。
【0024】
図1を再び参照すると、術中段階S32は、前記解剖学的領域内の手術経路に対する前記手術ツールの物理的ナビゲーション中の前記解剖学的領域内の対象からの前記手術ツールの物理的距離の測定を詳述する物理的感知情報22の処理を含む。M個の物理的センサからの物理的感知値は、(pd10...pdMN)である。前記問題の解剖学的領域内の前記手術ツールの姿勢を推定するために、仮想的情報21が、物理的感知情報22により提供される物理的距離測定値(pd10...pdMN)に対するスキャン画像20内の前記手術ツールの予測される仮想的姿勢に関連付けられた仮想的距離測定値(vd10...vdMN)とマッチングするのに参照される。この距離測定マッチングは、前記仮想的ナビゲーション中の前記手術ツールの予測される仮想的姿勢が前記手術ツールの前記物理的ナビゲーション中の前記手術ツールの推定される姿勢として使用されることを可能にする。この姿勢対応の結果を詳述する追跡情報23は、前記手術手順の順守を容易化するように前記手術ツールを制御する目的及び/又は前記解剖学的領域内の前記手術ツールの推定される姿勢を表示する目的に対して生成される。
【0025】
例えば、図3の例示的な術中段階S32に示されるように、距離センサ53は、気管支樹40の気管支壁からの手術ツール53の物理的距離の測定結果22を生成し、手術ツール51は、手術経路52を通るように操作される。作動中の手術ツール51の場所(x,y,z)及び向き(α,θ,φ)を推定するために、仮想的距離測定結果21及び物理的距離測定結果22は、気管支樹40内の手術ツール51の推定された姿勢としての気管支樹40のスキャン画像内の手術ツール51の予測される仮想的姿勢のデータベース55からの読み出しを容易化するようにマッチングされる。手術ツール51の推定される姿勢を詳述する追跡姿勢データ23bの形式の追跡情報23は、手術経路52の順守を容易化するように手術ツール51の手術ツール制御メカニズム(図示されない)に制御データを提供する目的で生成される。加えて、手術ツール51の推定される姿勢を示す追跡姿勢画像23aの形式の追跡情報23は、ディスプレイ56上に気管支樹40内の手術ツール51の推定される姿勢を表示する目的で生成される。
【0026】
図1ないし3の先行する説明は、本発明の位置追跡方法の全般的な発明原理を教示する。実際に、本発明は、フローチャート30が実施される様式又はモードに如何なる制約又は制限を加えない。それにもかかわらず、図4ないし12の以下の説明は、本発明の距離ベースの位置追跡方法の更なる理解を容易化するようにフローチャート30の例示的な実施例を教示する。
【0027】
本発明の姿勢予測方法を表すフローチャート60は、図4に示される。フローチャート60は、図1の術前段階S31の例示的な実施例である。
【0028】
図4を参照すると、フローチャート60の段階S61は、スキャン画像20内の前記手術ツールに対する運動学的にカスタマイズされた経路を生成するようなスキャン画像20及び前記手術ツールの運動学的特性を使用する計画経路技術(例えば、高速マッチング又はA*検索技術)の実行を含む。例えば、カテーテル、内視鏡又は針である手術ツールに関連して、参照により実体がここに組み込まれる"3D Tool Path Planning, Simulation and Control System"と題され、2007年4月17日に公開されたTrovato他に対する国際出願WO2007/042986A2により教示される既知の経路計画技術は、スキャン画像20(例えば、CTスキャンデータセット)内の運動学的にカスタマイズされた経路を生成するのに使用されることができる。図5は、気管支樹のスキャン画像70内の気管支鏡に対する例示的な手術経路71を示す。手術経路71は、入口場所72と目標場所73との間に延在する。
【0029】
また、例として、撮像入れ子式カニューレである前記手術ツールに関連して、参照によりここに実体が組み込まれる"Active Cannula Configuration For Minimally Invasive Surgery"と題され、2008年3月20日に発行されたTrovato他に対する国際出願WO2008/032230A1により教示される経路計画/入れ子式カニューレ構成技術は、問題の前記解剖学的領域(例えば、CTスキャンデータセット)内の撮像カニューレに対する運動学的にカスタマイズされた経路を生成するのに使用されることができる。図6は、気管支樹の画像74内の撮像入れ子式カニューレに対する例示的な経路75を示す。手術経路75は、入口場所76と目標場所77との間に延在する。
【0030】
図4を続けると、前記手術経路に対する前記手術ツールの予測される姿勢(すなわち、場所及び向き)に関する運動学的にカスタマイズされた経路を表す手術経路データ23は、ここでこの後に説明されるフローチャート60の段階S62の目的に対して及び術中段階32(図1)中の前記手術ツールによる術中手順を行う目的に対して生成される。段階S61の術前経路生成方法は、当技術分野において既知である離散化構成空間を伴い、手術経路データ23は、利用可能な近隣により横切られる前記構成空間の座標の関数として生成される。好ましくは、段階S61は、本発明による離散化された構成空間の連続的使用を伴い、この結果、手術経路データ23は、前記離散化された構成空間にわたる近隣の正確な位置値の関数として生成される。
【0031】
段階S61の術前経路生成は、不正確な離散化された構成空間において正確な運動学的にカスタマイズされた経路を提供するので、経路生成器として使用される。更に、前記方法は、前記経路の6次元仕様が3D空間内で計算及び記憶されることを可能にする。例えば、前記構成空間は、典型的にはCTにより生成される異方性(非立方体ボクセル)画像のような3D障害空間に基づくことができる。たとえ前記ボクセルが離散的かつ非立方体でも、プランナは、一連の接続されたアークのような連続的な滑らかな経路を生成することができる。これは、大幅に少ないメモリが必要とされ、前記経路が迅速に計算されることができることを意味する。離散化の選択は、しかしながら、障害領域に影響を与え、したがって、結果として生じる実行可能な経路に影響を与える。この結果は、前記手術ツールに対する連続的な座標系における滑らかな運動学的に実行可能な経路である。これは、参照によりここに組み込まれる、"Method and System for Fast Precise Planning"と題され、2008年6月29日及び2008年9月23日にそれぞれ出願されたTrovato他に対する米国特許出願整理番号61/075886及び61/099233により詳細に記載されている。
【0032】
図4に戻って参照すると、フローチャート60の段階S62は、スキャン画像20からの前記手術ツールの仮想的距離の測定結果を含む前記手術経路に対する前記手術ツールの仮想的ナビゲーションを含む。特に、仮想的手術ツールは、前記手術経路に沿って逐一前進され、対象からの前記手術ツールの仮想的距離は、前記手術経路の各経路点において測定される。この距離サンプリングは、術中段階S32(図1)における物理的距離測定結果の解像度に等しいか又は大きい。1つの例示的な実施例において、数Nのサンプリング点が、以下の式[1]により計算される。
N>(F/V)*L [1]
ここでVは前記術中手順中の手術ツールナビゲーションのミリメートル毎秒での最大予測速度であり、Fは距離センサ53のヘルツでのサンプリングレートであり、Lは前記手術経路のミリメートルでの長さである。
【0033】
例えば、前記経路に沿った所定の点Xのスキャン画像20の2Dフレーム80を示す図7を参照すると、手術ツール51にそれぞれ仮想的に結合された2つの仮想的距離センサ54a及び54bは、所定の点Xに対する気管支の気管支壁41からの仮想的距離vd1及びvd2を測定する。特に、距離センサ54は、前記距離測定値が気管支壁41に対するセンサ表面から垂直なベクトルである条件で、手術ツール51上のそれぞれの位置によりフレーム80内に記載される。実際に、各サンプリング点が前記手術経路に沿った3D対象内で取られるという条件で、前記スキャン画像の前記仮想的距離測定が3Dで実行される。
【0034】
1つの例示的な実施例において、図8に示されるように、それぞれの距離センサ54a及び54bによる仮想的な距離測定値vd1及びvd2は、Y軸に測定された距離を持ち、手術ツール51が気管支のスキャン画像20aを通ってナビゲートされるのに基づいてX軸に完了した経路の割合を持つグラフにされることができる。代替的には、図9に示されるように、2つの仮想的距離測定値vd1及びvd2の差分vddが、グラフにされることができ、差分vddがY軸上にあり、前記仮想的ナビゲーションの時間がX軸上にある。
【0035】
図4に戻って参照すると、段階S62の結果は、各サンプリング点に対して、前記仮想的距離測定結果に関連付けられた術前スキャン画像20の座標空間における一意的な場所(x,y,z)及び向き(α,θ,φ)を表す仮想的データセット21aである。フローチャート60の段階S63は、適切なパラメータフィールドを持つデータベース内での仮想的データセット21aの記憶を含む。以下の表1は、前記データベース内の仮想的データセット21aの記憶の一例である。
【表1】
【0036】
図3を再び参照すると、フローチャート60の完了は、結果として仮想的データセット21aのパラメータ化された記憶を生じ、これにより前記データベースは、各サンプリング点に対する前記仮想的距離測定結果に対して前記術中手順中の物理的距離測定結果のマッチングを見つけ、各サンプリング点の一意的な場所(x,y,z)及び向き(α,θ,φ)を前記解剖学的領域内の前記手術ツールの推定される場所(x,y,z)及び向き(α,θ,φ)に対応付けるのに使用される。
【0037】
更にこの点について、図10は、術中段階S32(図1)の一例として本発明の姿勢推定方法を表すフローチャート110を示す。フローチャート110の段階S111は、前記解剖学的領域を通る前記手術経路に対する前記手術ツールの物理的ナビゲーション及び前記解剖学的領域内の対象と前記手術ツールとの間の物理的距離の測定を含む。
【0038】
例えば、前記手術経路に沿った所定の点Xにおける気管支樹の断面図を示す図11を参照すると、手術ツール51に物理的に結合された2つの物理的距離センサ53a及び53bは、所定の点Xに対する気管支の気管支壁41からの物理的距離pd1及びpd2をそれぞれ測定する。特に、距離センサ53は、前記距離測定結果が気管支壁41に対するセンサ表面から垂直なベクトルであるように手術ツール51上のそれぞれの位置を記載されている。
【0039】
1つの例示的な実施例において、それぞれの距離センサ53a及び53bによる物理的測定値pd1及びpd2は、Y軸上の測定された距離、及び手術ツール51が前記手術経路に対する前記気管支を通ってナビゲートされることに基づくX軸の完了された経路の割合でグラフにされることができる。代替的には、図12に示されるように、2つの物理的距離測定値pd1及びpd2の差分pddが、グラフにされることができ、差分pddがY軸上にあり、前記手術ツールナビゲーションの時間がX軸上にある。
【0040】
フローチャート110の段階S112は、前記手術ツールが段階S111においてナビゲートされると、前記仮想的距離測定結果に対する前記物理的距離測定結果の測定結果マッチングを含む。段階S111中に、前記物理的距離測定結果は、前記仮想的距離測定結果と同様であるが、前記測定結果の異なる精度、前記解剖学的領域における局所的な変化(例えば、患者による呼吸)及び当技術分野において既知である他の要素の観点からわずかに異なる信号形状を生成する。しかしながら、前記物理的距離測定結果のタイミングと関連付けられた前記仮想的距離測定結果の一様なサンプリングは、前記測定結果の絶対値差にかかわらず、位置追跡目的での信号マッチングを容易化する。
【0041】
1つの例示的な実施例において、仮想的世界及び物理的世界における各センサの単一の信号形状は、例えば、ウェーブレット又は最小二乗フィッティングのような周知の信号マッチング技術を使用してマッチングされることができる。
【0042】
他の例示的な実施例において、前記仮想的距離測定結果の間の差分(例えば、図9に示される差分pdd)及び前記物理的距離測定結果の間の差分(図12に示される差分pdd)は、例えば、ウェーブレット又は最小二乗フィッティングのような周知の信号マッチング技術を使用してマッチングされることができる。特に、前記手術ツールの互いに反対側に配置されたセンサに対して、前記距離の差は、前記患者の呼吸サイクルの如何なる移送においても同じであると仮定されることができる。
【0043】
フローチャート110の段階S112は、前記信号マッチングに基づく前記スキャン画像内の前記手術ツールの場所(x,y,z)及び向き(α,θ,φ)の対応に対する前記解剖学的領域内の前記手術ツールの場所(x,y,z)及び向き(α,θ,φ)の対応付けを更に含み、これにより問題の前記解剖学的領域内の前記手術ツールの姿勢を推定する。より具体的には、図10に示されるように、段階S112において達成された信号マッチングは、マッチングされた物理的距離測定結果に対する問題の解剖学的領域のスキャン画像20(図1)の各仮想的サンプリング点の場所(x,y,z)及び向き(α,θ,φ)の対応付けを可能にし、これは、前記問題の解剖学的領域内の前記手術ツールの姿勢の推定として機能する。
【0044】
この姿勢対応付けは、前記問題の解剖学的領域内の前記手術経路に対する前記手術ツールの推定姿勢を示す追跡姿勢画像23aの生成を容易化する。特に、追跡姿勢画像23aは、前記手術ツールの推定姿勢から得られた手術ツール及び手術経路オーバレイを持つスキャン画像20(図1)のバージョンである。
【0045】
前記姿勢対応付けは、前記問題の解剖学的領域内の前記手術ツールの推定姿勢を表す追跡姿勢データ23bの生成を更に容易化する。特に、追跡姿勢データ23bは、計画された手術経路の順守を保証するのに前記手術ツールの制御メカニズムにおいて使用されるのに如何なる形式(例えば、コマンド形式又は信号形式)も持ちうる。
【0046】
更に、前記解剖学的領域内の利用可能な空間の追加の情報に対して、前記経路に沿った各測定点における前記手術ツールの直径を加えた対向する物理的距離測定結果を表すオリフィスデータ23cが、前記問題の解剖学的領域内の前記手術ツールのナビゲーションを拡大するのに使用されうる。
【0047】
図13は、本発明の様々な方法を実施する例示的なシステム170を示す。図13を参照すると、術前段階中に、患者140の外部にある撮像システムが、患者140の解剖学的領域をスキャンするのに使用され(例えば、気管支141のCTスキャン)、前記解剖学的領域を示すスキャン画像20を提供する。システム170の術前仮想的サブシステム171は、術前段階S31(図1)又はより具体的にはフローチャート60(図3)を実施し、ディスプレイ160により関連する術前手術手順の視覚的シミュレーション21bを表示し、仮想的データセット21aをパラメータ化データベース173に記憶する。前記仮想的情報は、ここで前述されたように手術ツール151に結合された仮想的距離センサ154による仮想的距離測定結果のサンプリングを列挙する。
【0048】
術中段階中に、システム180の手術ツール制御メカニズム(図示されない)は、ここで計画された手術経路によって前記解剖学的領域内の前記手術ツールの挿入を制御するように動作される。システム180は、手術ツール151に結合された物理的距離センサ153により提供された物理的感知情報22aをシステム170の術中追跡サブシステム172に提供し、術中追跡サブシステム172は、術中段階S32(図1)又はより具体的にはフローチャート110(図9)を実施し、追跡画像23aをディスプレイ160に表示し、及び/又は制御フィードバック目的で追跡姿勢データ23bをシステム180に提供する。追跡画像23a及び追跡姿勢データ23bは、集合的に前記解剖学的領域を通る前記物理的手術ツールの手術経路を示す(例えば、気管支樹141を通る手術ツール151のリアルタイム追跡)。システム172が、前記距離測定結果の間の信号マッチングを達成するのに失敗する場合、追跡姿勢データ23bは、失敗を知らせるエラーメッセージを含む。
【0049】
本発明の様々な実施例が図示及び記載されているが、ここに記載された方法及びシステムが説明用であり、本発明の真の範囲から逸脱することなしに、様々な変更及び修正が行われることができ、その要素に対して同等物が代用されてよいことは、当業者により理解される。加えて、多くの修正が、中心的範囲から逸脱することなしに本発明の教示をエンティティ経路計画に適応するように行われることができる。したがって、本発明が、本発明を実行すると考えられるベストモードとして開示された特定の実施例に限定されないが、本発明が、添付の請求項の範囲内に入るすべての実施例を含むと意図される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、体の解剖学的領域の術前スキャン画像に関連した体の解剖学的領域内の手術ツールの姿勢(すなわち、場所及び向き)に関する術中情報を提供する体の解剖学的領域内の手術ツール(例えば、カテーテル、入れ子式カニューレ)の距離ベースの位置追跡に関する。
【背景技術】
【0002】
手術ツールの空間的位置特定に対する1つの既知の方法は、電磁("EM")追跡を使用することである。しかしながら、この解決法は、例えば、外部磁場生成器及び前記手術ツール内のコイルのような追加の装置を伴う。加えて、手術野の近くの気管支鏡又は他の対象の金属により導入される電磁界歪により精度が劣りうる。更に、EM追跡における位置合わせ手順は、外部座標系(例えば、EM場生成器の座標系又は動的参照光線の座標系)とコンピュータ断層撮影("CT")画像空間との間の関係をセットすることを伴う。典型的には、前記位置合わせは、ポイントツーポイントマッチングにより実行され、これは、追加の待ち時間を引き起こす。位置合わせでさえ、呼吸のような患者の動きは、実際の場所と計算された場所との間の誤差を意味することができる。
【0003】
手術ツールの画像ガイダンスに対する既知の方法は、光学的位置追跡システムを用いるツールの追跡を伴う。CT座標系又は磁気共鳴撮像("MRI")座標系においてツール先端を位置特定するために、前記ツールは、赤外("IR")反射球を持つ追跡される剛体を備えなくてはならない。位置合わせ及びキャリブレーションは、ツール位置を追跡し、これをCT又はMRI上の位置に関連付けることができるようにツール挿入の前に実行されなくてはならない。
【0004】
内視鏡が手術ツールとして使用される場合、前記内視鏡の空間的位置特定に対する他の既知の方法は、気管支鏡からの二次元("2D")内視鏡画像に対して術前三次元("3D")データセットを位置合わせすることである。特に、ビデオストリームからの画像は、カメラフライスルーの気管支樹の3Dモデル及び関連した断面とマッチングされ、患者画像の座標系におけるビデオフレームの相対的な位置を見つける。この2D/3D位置合わせの主な問題は、複雑さである。この問題を解決するために、2D/3D位置合わせは、EM追跡によりサポートされ、まず粗い位置合わせを得て、この後に2D/3D位置合わせによる変換パラメータの微細調整が続く。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、外部撮像システム(例えば、CT、MRI、超音波、X線及び他の撮像システム)により撮られた体の解剖学的領域の術前スキャン画像内の対象からの手術ツール(例えば、カテーテル、内視鏡又は入れ子式カニューレ)の距離の仮想的測定を生成する術前プランの使用を前提とする。例えば、ここに更に説明されるように、本発明による仮想的ナビゲーションは、対象の前記解剖学的領域(例えば、気管支樹)のスキャン画像内の運動学的に正しいツール経路を生成し、前記スキャン画像内の前記ツールにより前記術前プランの実行を仮想的にシミュレートするのに手術ツールの運動学的特性を使用する術前内視鏡手順であり、これにより仮想的シミュレーションは、前記手術ツールに仮想的に結合された1以上の距離センサを含み、前記解剖学的領域の前記スキャン画像内の前記対象(例えば、気管支壁)からの前記ツールの距離の仮想的測定を提供する。
【0006】
カテーテル、内視鏡又は針である前記手術ツールに関連して、"3D Tool Path Planning, Simulation and Control System"と題され、2007年4月17日に公開されたTrovato他に対する国際出願WO2007/042986A2により教示される経路計画技術は、前記対象の解剖学的領域の3Dデータセットにより示される体内の前記解剖学的領域内の前記カテーテル、内視鏡又は針に対する運動学的に正しい経路を生成するのに
使用されることができる。
【0007】
撮像入れ子式カニューレである前記手術ツールに関連して、"Active Cannula Configuration For Minimally Invasive Surgery"と題され、2008年3月20日に公開されたTrovato他に対する国際出願WO2008/032230A1により教示される経路計画/入れ子式カニューレ構成技術は、前記対象の解剖学的領域の3Dデータセットにより示される体内の前記解剖学的領域内の前記入れ子式カニューレに対する運動学的に正しい経路を生成するのに使用されることができる。
【0008】
本発明は、更に、前記手術ツールに物理的に結合された1以上の距離センサによる前記解剖学的領域内の対象からの前記手術ツールの距離の術中の物理的測定に対して前記解剖学的領域の前記3Dスキャン画像内の前記対象からの前記手術ツールの距離の術前仮想的測定を比較する信号マッチング技術の使用を前提とする。当技術分野において既知である信号マッチング技術の例は、(1)Yu.-Te. Wu, Li-Fen Chen, Po-Lei Lee, Tzu-Chen Yeh, Jen-Chuen Hsieh, "Discrete signal matching using coarse-to-fine wavelet basis functions", Pattern Recognition Volume 36, Issue 1, January 2003, Pages 171-192;(2)Dragotti, P.L. Vetterli, M. "Wavelet footprints: theory, algorithms, and applications", Signal Processing, IEEE Transactions on, Volume: 51, Issue: 5, pp. 1306-1323;及び(3)Jong-Eun Byun, Ta-I Nagata, "Determining the 3-D pose of a flexible object by stereo matching of curvature representations", Pattern Recognition Volume 29, Issue 8, August 1996, Pages 1297-1307を含むが、これらに限定されない。
【0009】
本発明の一形式は、体の解剖学的領域を示すスキャン画像の生成、及び前記スキャン画像内の手術経路に対する前記手術ツールの仮想的シミュレーション中の仮想的情報の生成を伴う術前段階を持つ位置追跡方法である。前記仮想的情報は、前記スキャン画像内の対象からの前記手術ツールの仮想的姿勢の予測を含む。
【0010】
前記術前段階の例示的な実施例において、前記スキャン画像及び前記手術ツールの運動学的特性は、前記スキャン画像内の手術経路を生成するのに使用される。この後に、前記手術ツールに仮想的に結合された1以上の仮想的な距離センサの感知特性は、前記スキャン画像内の対象壁からの前記手術ツールの距離の測定結果を示す仮想的な感知信号をシミュレートするのに使用され、前記スキャン画像内の前記手術経路のフライスルーが実行され、前記距離センサにより提供される仮想的な感知信号がデータベースに記憶される。
【0011】
前記位置追跡方法は、更に、前記解剖学的領域内の前記手術経路に対する前記手術ツールの物理的ナビゲーション中の前記解剖学的領域内の前記対象壁からの前記手術ツールの物理的距離の測定結果の生成、及び前記仮想的な距離測定結果に対する前記物理的距離測定結果のマッチングから得られる追跡情報の生成を伴う術中段階を持つ。前記追跡情報は、前記スキャン画像内の前記手術経路に対する前記手術ツールの仮想的な姿勢の予測に対応する前記解剖学的領域内の内視鏡経路に対する前記手術ツールの姿勢の推定を含む。
【0012】
前記術中段階の例示的な実施例において、前記手術ツールに物理的に結合された前記距離センサは、前記解剖学的領域内の対象からの前記手術ツールの距離の物理的測定結果を示す物理的感知信号を提供し、前記物理的感知信号は、前記解剖学的領域内の前記手術経路に対する前記手術ツールの物理的ナビゲーション中の前記解剖学的領域内の前記手術ツールの姿勢(すなわち、場所及び向き)を決定するように前記記憶された仮想的感知信号とマッチングされる。
【0013】
本発明の目的に対し、ここで使用される用語"生成する"は、コンピュータ処理及びメモリ記憶/取り出し目的で利用可能な情報(例えば、データ、テキスト、画像、音声及びビデオ)、特に画像データセット及びビデオフレームを作成する、供給する、備え付ける、得る、生成する、形成する、開発する、展開する、修正する、変換する、変更する又は他の形で作る当技術分野において現在又は後で既知になる如何なる技術をも含むように広く規定される。加えて、ここで使用されるフレーズ"から得られる"は、情報のソースセットから情報の目標セットを生成する当技術分野において現在又は後で既知になる如何なる技術をも含むように広く規定される。
【0014】
加えて、ここで使用される用語"術前"は、内視鏡使用前の期間又は準備に生成する又は関連するアクティビティ(例えば、内視鏡に対する経路計画)を記述するように広く規定され、ここで使用される用語"術中"は、内視鏡使用の途中に生成する、実行される又は遭遇するアクティビティ(例えば、計画された経路に従って前記内視鏡を操作する)を記述するように広く規定される。内視鏡使用の例は、気管支鏡検査、大腸内視鏡検査、腹腔鏡検査、及び脳内視鏡検査を含むが、これらに限定されない。
【0015】
ほとんどの場合、術前アクティビティ及び術中アクティビティは、はっきりと異なる時間期間中に生成する。それにもかかわらず、本発明は、術前及び術中時間期間の如何なる程度の重複を伴う場合も含む。
【0016】
更に、用語"内視鏡"は、体を内側から撮像する能力を持つ装置として広く規定され、用語"距離センサ"は、対象との物理的接触なしで前記対象からの距離を感知する能力を持つ装置として広く規定される。本発明の目的に対する内視鏡の例は、可とう性又は剛体である如何なるタイプの観察器械(例えば、関節鏡、気管支鏡、胆管鏡、大腸内視鏡、膀胱鏡、十二指腸鏡、胃カメラ、子宮鏡、腹腔鏡、喉頭鏡、神経内視鏡、オトスコープ、プッシュ小腸内視鏡、鼻喉頭内視鏡、S状結腸鏡、上顎洞内視鏡、胸腔鏡等)、及び画像システムを備えた観察器械と同様の装置(例えば、撮像を備えた入れ子式カニューレ)を含むが、これらに限定されない。前記撮像は局所的であり、表面画像は、オプションとして、光ファイバ、レンズ、又は小型化(例えばCCDベースの)撮像システムを用いて得られてもよい。本発明の目的に対する距離センサの例は、すべて当技術分野において既知である、反射光三角測量技術、飛行時間音響測定技術、飛行時間電磁波技術、光干渉法、及び/又は振動光源技術を組み込む装置を含むが、これらに限定されない。特に、微小電気機械システム技術から設計された距離センサは、ミリメートル空間における正確な感知を提供することができる。
【0017】
本発明の先行する形式及び他の形式並びに本発明の様々なフィーチャ及び利点は、添付の図面と併せて読まれる本発明の様々な実施例の以下の詳細な説明から更に明らかになる。詳細な説明及び図面は、本発明を限定するのではなく、単に説明し、本発明の範囲は、添付の請求項及びその同等物により規定される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の距離ベースの位置追跡方法の一実施例を表すフローチャートを示す。
【図2】本発明による内視鏡に対する例示的な距離センサ構成を示す。
【図3】図1に示されるフローチャートの例示的な手術応用を示す。
【図4】本発明の姿勢予測方法の一実施例を表すフローチャートを示す。
【図5】図4に示されるフローチャートによる気管支鏡に対する例示的な手術経路生成を示す。
【図6】図4に示されるフローチャートによる入れ子式カニューレに対する例示的な手術経路生成を示す。
【図7】図4に示されるフローチャートによる例示的な仮想的測定を示す。
【図8】図4に示されるフローチャートによる第1の例示的な仮想的信号生成を示す。
【図9】図4に示されるフローチャートによる第2の例示的な仮想的信号生成を示す。
【図10】本発明の姿勢推定方法の一実施例を表すフローチャートを示す。
【図11】図10に示されるフローチャートによる例示的な物理的測定を示す。
【図12】図10に示されるフローチャートによる例示的な信号マッチングを示す。
【図13】本発明の距離ベースの位置追跡システムの一実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の距離ベースの位置追跡方法を表すフローチャート30が、図1に示される。図1を参照すると、フローチャート30は、術前段階S31及び術中段階S32に分割される。
【0020】
術前段階S31は、問題の解剖学的領域のスキャン画像を得るように体、人間又は動物の解剖学的領域をスキャンする外部撮像システム(例えば、CT、MRI、超音波、X線等)を含む。術中段階S32中の診断又は治療に対する起こりうる要望に基づいて、前記問題の解剖学的領域の手術ツールによる仮想的ナビゲーションが、術前手術手順によって実行される。前記スキャン画像内の対象からの前記手術ツールの仮想的な距離の関連した測定を含む前記仮想的ナビゲーションから予測される前記手術ツールの姿勢を詳述する仮想的情報は、ここに後で説明されるように術中段階S32中の前記解剖学的領域内の前記手術ツールの姿勢を推定する目的で生成される。
【0021】
例えば、図3の例示的な術前段階S31に示されるように、CTスキャナ50は、患者の気管支樹40をスキャンするのに使用されることができ、結果として気管支樹40の3D画像20を生じる。気管支樹40の仮想的な手術手順は、この後に、術中段階S32中の気管支樹40の最小侵襲手術を実行する針に基づいて実行されうる。特に、スキャン画像20及び手術ツール51(例えば、内視鏡)の運動学的特性を使用する計画経路技術は、気管支樹40を通る手術ツール51に対する手術経路を生成するように実行されることができ、スキャン画像20を使用する画像処理技術は、気管支樹40内の手術経路52を通る手術ツール51をシミュレートするように実行されることができる。前記仮想的ナビゲーションから得られたスキャン画像20内の手術ツール51のNの予測された仮想的場所(x,y,z)及び向き(α,θ,φ)を列挙する仮想的情報21は、この後に、ただちに処理され、及び/又は前記手術の目的に対してデータベース54に記憶されることができる。
【0022】
本発明は、前記仮想的ナビゲーション中の手術ツール51、好ましくは手術ツールの先端51及び図2に示されるように先端51aに隣接した手術ツール51の周囲に物理的に結合されたM個の物理的距離センサ53の仮想的ナビゲーションを提供する。1つの例示的実施例において、距離センサ53の仮想的ナビゲーションは、距離センサ53により物理的測定をシミュレートするように構成された図3に示されるソフトウェア要素54を知覚する環境により達成される。実際に、本発明は、仮想的な距離センサ54の数量及び仮想的な距離センサ54の構成が、物理的な距離センサ53の数量及び手術ツール51上の物理的な距離センサ53の実際の構成と同一であるべきことを除き、前記M個の仮想的な距離センサ54(すなわち、M≧1)及び手術ツール51に対する距離センサ54の特定の構成に制約又は制限を加えない。当業者は、手術ツールに結合される各追加の距離センサ53が、更にここに説明されるように術中段階S32中の手術ツール51を位置追跡する精度を増すことを理解する。更に、当業者は、特に対向する対における、距離センサ53の一様な分布も、術中段階S32中の手術ツール51を位置追跡する精度を増す。
【0023】
図3を再び参照すると、手術ツール51の仮想的ナビゲーション中に、気管支樹40の気管支壁からの手術ツール51の仮想的な距離は、手術ツール51の各予測された姿勢に対して距離センサ54により測定される。データベース55に記憶される仮想的情報21は、気管支樹40の気管支壁からの手術ツール51の仮想的な距離測定の詳細を含む。仮想的情報21は、前記手術ツールの姿勢のN個のサンプル(x,y,z,α,θ,φ)N及びM個すべての仮想的センサからのN個の測定値(vd1,...,vdM)Nを記憶する。
【0024】
図1を再び参照すると、術中段階S32は、前記解剖学的領域内の手術経路に対する前記手術ツールの物理的ナビゲーション中の前記解剖学的領域内の対象からの前記手術ツールの物理的距離の測定を詳述する物理的感知情報22の処理を含む。M個の物理的センサからの物理的感知値は、(pd10...pdMN)である。前記問題の解剖学的領域内の前記手術ツールの姿勢を推定するために、仮想的情報21が、物理的感知情報22により提供される物理的距離測定値(pd10...pdMN)に対するスキャン画像20内の前記手術ツールの予測される仮想的姿勢に関連付けられた仮想的距離測定値(vd10...vdMN)とマッチングするのに参照される。この距離測定マッチングは、前記仮想的ナビゲーション中の前記手術ツールの予測される仮想的姿勢が前記手術ツールの前記物理的ナビゲーション中の前記手術ツールの推定される姿勢として使用されることを可能にする。この姿勢対応の結果を詳述する追跡情報23は、前記手術手順の順守を容易化するように前記手術ツールを制御する目的及び/又は前記解剖学的領域内の前記手術ツールの推定される姿勢を表示する目的に対して生成される。
【0025】
例えば、図3の例示的な術中段階S32に示されるように、距離センサ53は、気管支樹40の気管支壁からの手術ツール53の物理的距離の測定結果22を生成し、手術ツール51は、手術経路52を通るように操作される。作動中の手術ツール51の場所(x,y,z)及び向き(α,θ,φ)を推定するために、仮想的距離測定結果21及び物理的距離測定結果22は、気管支樹40内の手術ツール51の推定された姿勢としての気管支樹40のスキャン画像内の手術ツール51の予測される仮想的姿勢のデータベース55からの読み出しを容易化するようにマッチングされる。手術ツール51の推定される姿勢を詳述する追跡姿勢データ23bの形式の追跡情報23は、手術経路52の順守を容易化するように手術ツール51の手術ツール制御メカニズム(図示されない)に制御データを提供する目的で生成される。加えて、手術ツール51の推定される姿勢を示す追跡姿勢画像23aの形式の追跡情報23は、ディスプレイ56上に気管支樹40内の手術ツール51の推定される姿勢を表示する目的で生成される。
【0026】
図1ないし3の先行する説明は、本発明の位置追跡方法の全般的な発明原理を教示する。実際に、本発明は、フローチャート30が実施される様式又はモードに如何なる制約又は制限を加えない。それにもかかわらず、図4ないし12の以下の説明は、本発明の距離ベースの位置追跡方法の更なる理解を容易化するようにフローチャート30の例示的な実施例を教示する。
【0027】
本発明の姿勢予測方法を表すフローチャート60は、図4に示される。フローチャート60は、図1の術前段階S31の例示的な実施例である。
【0028】
図4を参照すると、フローチャート60の段階S61は、スキャン画像20内の前記手術ツールに対する運動学的にカスタマイズされた経路を生成するようなスキャン画像20及び前記手術ツールの運動学的特性を使用する計画経路技術(例えば、高速マッチング又はA*検索技術)の実行を含む。例えば、カテーテル、内視鏡又は針である手術ツールに関連して、参照により実体がここに組み込まれる"3D Tool Path Planning, Simulation and Control System"と題され、2007年4月17日に公開されたTrovato他に対する国際出願WO2007/042986A2により教示される既知の経路計画技術は、スキャン画像20(例えば、CTスキャンデータセット)内の運動学的にカスタマイズされた経路を生成するのに使用されることができる。図5は、気管支樹のスキャン画像70内の気管支鏡に対する例示的な手術経路71を示す。手術経路71は、入口場所72と目標場所73との間に延在する。
【0029】
また、例として、撮像入れ子式カニューレである前記手術ツールに関連して、参照によりここに実体が組み込まれる"Active Cannula Configuration For Minimally Invasive Surgery"と題され、2008年3月20日に発行されたTrovato他に対する国際出願WO2008/032230A1により教示される経路計画/入れ子式カニューレ構成技術は、問題の前記解剖学的領域(例えば、CTスキャンデータセット)内の撮像カニューレに対する運動学的にカスタマイズされた経路を生成するのに使用されることができる。図6は、気管支樹の画像74内の撮像入れ子式カニューレに対する例示的な経路75を示す。手術経路75は、入口場所76と目標場所77との間に延在する。
【0030】
図4を続けると、前記手術経路に対する前記手術ツールの予測される姿勢(すなわち、場所及び向き)に関する運動学的にカスタマイズされた経路を表す手術経路データ23は、ここでこの後に説明されるフローチャート60の段階S62の目的に対して及び術中段階32(図1)中の前記手術ツールによる術中手順を行う目的に対して生成される。段階S61の術前経路生成方法は、当技術分野において既知である離散化構成空間を伴い、手術経路データ23は、利用可能な近隣により横切られる前記構成空間の座標の関数として生成される。好ましくは、段階S61は、本発明による離散化された構成空間の連続的使用を伴い、この結果、手術経路データ23は、前記離散化された構成空間にわたる近隣の正確な位置値の関数として生成される。
【0031】
段階S61の術前経路生成は、不正確な離散化された構成空間において正確な運動学的にカスタマイズされた経路を提供するので、経路生成器として使用される。更に、前記方法は、前記経路の6次元仕様が3D空間内で計算及び記憶されることを可能にする。例えば、前記構成空間は、典型的にはCTにより生成される異方性(非立方体ボクセル)画像のような3D障害空間に基づくことができる。たとえ前記ボクセルが離散的かつ非立方体でも、プランナは、一連の接続されたアークのような連続的な滑らかな経路を生成することができる。これは、大幅に少ないメモリが必要とされ、前記経路が迅速に計算されることができることを意味する。離散化の選択は、しかしながら、障害領域に影響を与え、したがって、結果として生じる実行可能な経路に影響を与える。この結果は、前記手術ツールに対する連続的な座標系における滑らかな運動学的に実行可能な経路である。これは、参照によりここに組み込まれる、"Method and System for Fast Precise Planning"と題され、2008年6月29日及び2008年9月23日にそれぞれ出願されたTrovato他に対する米国特許出願整理番号61/075886及び61/099233により詳細に記載されている。
【0032】
図4に戻って参照すると、フローチャート60の段階S62は、スキャン画像20からの前記手術ツールの仮想的距離の測定結果を含む前記手術経路に対する前記手術ツールの仮想的ナビゲーションを含む。特に、仮想的手術ツールは、前記手術経路に沿って逐一前進され、対象からの前記手術ツールの仮想的距離は、前記手術経路の各経路点において測定される。この距離サンプリングは、術中段階S32(図1)における物理的距離測定結果の解像度に等しいか又は大きい。1つの例示的な実施例において、数Nのサンプリング点が、以下の式[1]により計算される。
N>(F/V)*L [1]
ここでVは前記術中手順中の手術ツールナビゲーションのミリメートル毎秒での最大予測速度であり、Fは距離センサ53のヘルツでのサンプリングレートであり、Lは前記手術経路のミリメートルでの長さである。
【0033】
例えば、前記経路に沿った所定の点Xのスキャン画像20の2Dフレーム80を示す図7を参照すると、手術ツール51にそれぞれ仮想的に結合された2つの仮想的距離センサ54a及び54bは、所定の点Xに対する気管支の気管支壁41からの仮想的距離vd1及びvd2を測定する。特に、距離センサ54は、前記距離測定値が気管支壁41に対するセンサ表面から垂直なベクトルである条件で、手術ツール51上のそれぞれの位置によりフレーム80内に記載される。実際に、各サンプリング点が前記手術経路に沿った3D対象内で取られるという条件で、前記スキャン画像の前記仮想的距離測定が3Dで実行される。
【0034】
1つの例示的な実施例において、図8に示されるように、それぞれの距離センサ54a及び54bによる仮想的な距離測定値vd1及びvd2は、Y軸に測定された距離を持ち、手術ツール51が気管支のスキャン画像20aを通ってナビゲートされるのに基づいてX軸に完了した経路の割合を持つグラフにされることができる。代替的には、図9に示されるように、2つの仮想的距離測定値vd1及びvd2の差分vddが、グラフにされることができ、差分vddがY軸上にあり、前記仮想的ナビゲーションの時間がX軸上にある。
【0035】
図4に戻って参照すると、段階S62の結果は、各サンプリング点に対して、前記仮想的距離測定結果に関連付けられた術前スキャン画像20の座標空間における一意的な場所(x,y,z)及び向き(α,θ,φ)を表す仮想的データセット21aである。フローチャート60の段階S63は、適切なパラメータフィールドを持つデータベース内での仮想的データセット21aの記憶を含む。以下の表1は、前記データベース内の仮想的データセット21aの記憶の一例である。
【表1】
【0036】
図3を再び参照すると、フローチャート60の完了は、結果として仮想的データセット21aのパラメータ化された記憶を生じ、これにより前記データベースは、各サンプリング点に対する前記仮想的距離測定結果に対して前記術中手順中の物理的距離測定結果のマッチングを見つけ、各サンプリング点の一意的な場所(x,y,z)及び向き(α,θ,φ)を前記解剖学的領域内の前記手術ツールの推定される場所(x,y,z)及び向き(α,θ,φ)に対応付けるのに使用される。
【0037】
更にこの点について、図10は、術中段階S32(図1)の一例として本発明の姿勢推定方法を表すフローチャート110を示す。フローチャート110の段階S111は、前記解剖学的領域を通る前記手術経路に対する前記手術ツールの物理的ナビゲーション及び前記解剖学的領域内の対象と前記手術ツールとの間の物理的距離の測定を含む。
【0038】
例えば、前記手術経路に沿った所定の点Xにおける気管支樹の断面図を示す図11を参照すると、手術ツール51に物理的に結合された2つの物理的距離センサ53a及び53bは、所定の点Xに対する気管支の気管支壁41からの物理的距離pd1及びpd2をそれぞれ測定する。特に、距離センサ53は、前記距離測定結果が気管支壁41に対するセンサ表面から垂直なベクトルであるように手術ツール51上のそれぞれの位置を記載されている。
【0039】
1つの例示的な実施例において、それぞれの距離センサ53a及び53bによる物理的測定値pd1及びpd2は、Y軸上の測定された距離、及び手術ツール51が前記手術経路に対する前記気管支を通ってナビゲートされることに基づくX軸の完了された経路の割合でグラフにされることができる。代替的には、図12に示されるように、2つの物理的距離測定値pd1及びpd2の差分pddが、グラフにされることができ、差分pddがY軸上にあり、前記手術ツールナビゲーションの時間がX軸上にある。
【0040】
フローチャート110の段階S112は、前記手術ツールが段階S111においてナビゲートされると、前記仮想的距離測定結果に対する前記物理的距離測定結果の測定結果マッチングを含む。段階S111中に、前記物理的距離測定結果は、前記仮想的距離測定結果と同様であるが、前記測定結果の異なる精度、前記解剖学的領域における局所的な変化(例えば、患者による呼吸)及び当技術分野において既知である他の要素の観点からわずかに異なる信号形状を生成する。しかしながら、前記物理的距離測定結果のタイミングと関連付けられた前記仮想的距離測定結果の一様なサンプリングは、前記測定結果の絶対値差にかかわらず、位置追跡目的での信号マッチングを容易化する。
【0041】
1つの例示的な実施例において、仮想的世界及び物理的世界における各センサの単一の信号形状は、例えば、ウェーブレット又は最小二乗フィッティングのような周知の信号マッチング技術を使用してマッチングされることができる。
【0042】
他の例示的な実施例において、前記仮想的距離測定結果の間の差分(例えば、図9に示される差分pdd)及び前記物理的距離測定結果の間の差分(図12に示される差分pdd)は、例えば、ウェーブレット又は最小二乗フィッティングのような周知の信号マッチング技術を使用してマッチングされることができる。特に、前記手術ツールの互いに反対側に配置されたセンサに対して、前記距離の差は、前記患者の呼吸サイクルの如何なる移送においても同じであると仮定されることができる。
【0043】
フローチャート110の段階S112は、前記信号マッチングに基づく前記スキャン画像内の前記手術ツールの場所(x,y,z)及び向き(α,θ,φ)の対応に対する前記解剖学的領域内の前記手術ツールの場所(x,y,z)及び向き(α,θ,φ)の対応付けを更に含み、これにより問題の前記解剖学的領域内の前記手術ツールの姿勢を推定する。より具体的には、図10に示されるように、段階S112において達成された信号マッチングは、マッチングされた物理的距離測定結果に対する問題の解剖学的領域のスキャン画像20(図1)の各仮想的サンプリング点の場所(x,y,z)及び向き(α,θ,φ)の対応付けを可能にし、これは、前記問題の解剖学的領域内の前記手術ツールの姿勢の推定として機能する。
【0044】
この姿勢対応付けは、前記問題の解剖学的領域内の前記手術経路に対する前記手術ツールの推定姿勢を示す追跡姿勢画像23aの生成を容易化する。特に、追跡姿勢画像23aは、前記手術ツールの推定姿勢から得られた手術ツール及び手術経路オーバレイを持つスキャン画像20(図1)のバージョンである。
【0045】
前記姿勢対応付けは、前記問題の解剖学的領域内の前記手術ツールの推定姿勢を表す追跡姿勢データ23bの生成を更に容易化する。特に、追跡姿勢データ23bは、計画された手術経路の順守を保証するのに前記手術ツールの制御メカニズムにおいて使用されるのに如何なる形式(例えば、コマンド形式又は信号形式)も持ちうる。
【0046】
更に、前記解剖学的領域内の利用可能な空間の追加の情報に対して、前記経路に沿った各測定点における前記手術ツールの直径を加えた対向する物理的距離測定結果を表すオリフィスデータ23cが、前記問題の解剖学的領域内の前記手術ツールのナビゲーションを拡大するのに使用されうる。
【0047】
図13は、本発明の様々な方法を実施する例示的なシステム170を示す。図13を参照すると、術前段階中に、患者140の外部にある撮像システムが、患者140の解剖学的領域をスキャンするのに使用され(例えば、気管支141のCTスキャン)、前記解剖学的領域を示すスキャン画像20を提供する。システム170の術前仮想的サブシステム171は、術前段階S31(図1)又はより具体的にはフローチャート60(図3)を実施し、ディスプレイ160により関連する術前手術手順の視覚的シミュレーション21bを表示し、仮想的データセット21aをパラメータ化データベース173に記憶する。前記仮想的情報は、ここで前述されたように手術ツール151に結合された仮想的距離センサ154による仮想的距離測定結果のサンプリングを列挙する。
【0048】
術中段階中に、システム180の手術ツール制御メカニズム(図示されない)は、ここで計画された手術経路によって前記解剖学的領域内の前記手術ツールの挿入を制御するように動作される。システム180は、手術ツール151に結合された物理的距離センサ153により提供された物理的感知情報22aをシステム170の術中追跡サブシステム172に提供し、術中追跡サブシステム172は、術中段階S32(図1)又はより具体的にはフローチャート110(図9)を実施し、追跡画像23aをディスプレイ160に表示し、及び/又は制御フィードバック目的で追跡姿勢データ23bをシステム180に提供する。追跡画像23a及び追跡姿勢データ23bは、集合的に前記解剖学的領域を通る前記物理的手術ツールの手術経路を示す(例えば、気管支樹141を通る手術ツール151のリアルタイム追跡)。システム172が、前記距離測定結果の間の信号マッチングを達成するのに失敗する場合、追跡姿勢データ23bは、失敗を知らせるエラーメッセージを含む。
【0049】
本発明の様々な実施例が図示及び記載されているが、ここに記載された方法及びシステムが説明用であり、本発明の真の範囲から逸脱することなしに、様々な変更及び修正が行われることができ、その要素に対して同等物が代用されてよいことは、当業者により理解される。加えて、多くの修正が、中心的範囲から逸脱することなしに本発明の教示をエンティティ経路計画に適応するように行われることができる。したがって、本発明が、本発明を実行すると考えられるベストモードとして開示された特定の実施例に限定されないが、本発明が、添付の請求項の範囲内に入るすべての実施例を含むと意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置追跡方法において、
体の解剖学的領域を示すスキャン画像を生成するステップと、
手術ツールの運動学的特性によって前記スキャン画像内の手術経路を生成するステップと、
前記スキャン画像内の前記手術経路に対する手術ツールの仮想的ナビゲーションを実行するステップと、
前記手術ツールの前記仮想的ナビゲーション中の前記スキャン画像内の対象からの前記手術ツールの仮想的距離の測定結果を生成するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記解剖学的領域内の前記手術経路に対する前記手術ツールの物理的ナビゲーションを実行するステップと、
前記手術ツールの前記物理的ナビゲーション中の前記解剖学的領域内の前記対象からの前記手術ツールの物理的距離の測定結果を生成するステップと、
を有する、請求項1に記載の位置追跡方法。
【請求項3】
少なくとも1つの距離センサが、前記スキャン画像内の前記手術ツールの前記仮想的ナビゲーション中に前記手術ツールに仮想的に結合され、前記解剖学的領域内の前記手術ツールの前記物理的ナビゲーション中に前記手術ツールに物理的に結合される、請求項2に記載の位置追跡方法。
【請求項4】
前記仮想的距離測定結果に対して前記物理的距離測定結果をマッチングするステップと、
前記仮想的距離測定結果に対する前記物理的距離測定結果のマッチングの関数として前記解剖学的領域内の前記手術ツールの姿勢を追跡するステップと、
を有する、請求項2に記載の位置追跡方法。
【請求項5】
前記仮想的距離測定結果に対する前記物理的距離測定結果のマッチングが、
前記仮想的距離測定結果に対する前記物理的距離測定結果の形状マッチング、
を含む、請求項4に記載の位置追跡方法。
【請求項6】
前記仮想的距離測定結果に対する前記物理的距離測定結果のマッチングが、
前記仮想的距離測定結果に対する前記物理的距離測定結果の差分マッチング、
を含む、請求項4に記載の位置追跡方法。
【請求項7】
前記仮想的距離測定結果に対して前記スキャン画像内の前記手術経路に対する前記手術ツールの予測される姿勢を関連付けるステップと、
前記仮想的距離測定結果に対する前記スキャン画像内の前記手術経路に対する前記手術ツールの前記予測される姿勢の関連付けを表す仮想的姿勢データセットを含むパラメータ化データベースを生成するステップと、
を有する、請求項1に記載の位置追跡方法。
【請求項8】
前記解剖学的領域内の前記手術経路に対する前記手術ツールの物理的ナビゲーションを実行するステップと、
前記手術ツールの前記物理的ナビゲーション中に前記解剖学的領域内の前記対象からの前記手術ツールの物理的距離の測定結果を生成するステップと、
前記仮想的距離測定結果に対する前記物理的距離測定結果のマッチングの関数として前記パラメータ化データベースから前記仮想的姿勢データセットを読み取るステップと、
を有する、請求項7に記載の位置追跡方法。
【請求項9】
前記仮想的姿勢データセットの読み取りに対応して前記解剖学的領域内の前記手術ツールの推定される姿勢を示す追跡姿勢画像を生成するステップと、
前記追跡姿勢画像をディスプレイに提供するステップと、
を有する、請求項8に記載の距離ベースの位置追跡方法。
【請求項10】
前記仮想的姿勢データセットの読み取りに対応して前記解剖学的領域内の前記手術ツールの推定される姿勢を表す追跡姿勢データセットを生成するステップと、
前記手術ツールの手術ツール制御メカニズムに前記追跡姿勢データを提供するステップと、
を有する、請求項8に記載の距離ベースの位置追跡方法。
【請求項11】
距離ベースの位置追跡方法において、前記方法が、
体の解剖学的領域を示すスキャン画像を生成するステップと、
前記スキャン画像内の手術経路に対する手術ツールの仮想的ナビゲーション中に仮想的情報を生成するステップと、
を有し、
前記仮想的情報が、前記スキャン画像内の対象からの手術ツールの仮想的距離の測定結果と関連付けられた前記スキャン画像内の前記手術経路に対する前記手術ツールの仮想的姿勢の予測を含む、
方法。
【請求項12】
前記方法が、
前記解剖学的領域内の前記手術経路に対する前記手術ツールの物理的ナビゲーション中に前記解剖学的領域内の前記対象からの前記手術ツールの物理的距離の測定結果を生成するステップと、
前記仮想的距離測定結果に対する前記物理的距離測定結果のマッチングから得られる追跡情報を生成するステップと、
を有し、
前記追跡情報が、前記スキャン画像内の前記手術経路に対する前記手術ツールの前記仮想的姿勢の予測に対応する前記解剖学的領域内の前記手術経路に対する前記手術ツールの姿勢の推定を含む、
請求項11に記載の距離ベースの位置追跡方法。
【請求項13】
距離ベースの位置追跡システムにおいて、前記システムが、
体の解剖学的領域を示すスキャン画像内の手術経路に対する手術ツールの仮想的ナビゲーション中に前記スキャン画像から得られる仮想的情報を生成する術前仮想的サブシステムと、
前記解剖学的領域内の前記手術経路に対する前記手術ツールの物理的ナビゲーション中に前記解剖学的領域内の前記対象からの前記手術ツールの物理的距離の測定結果から得られる追跡情報を生成する術中追跡サブシステムと、
を有し、
前記仮想的情報が、前記スキャン画像内の対象からの前記手術ツールの仮想的距離の測定結果と関連付けられた前記スキャン画像内の前記手術経路に対する前記手術ツールの仮想的姿勢の予測を含み、
前記追跡情報が、前記スキャン画像内の前記手術経路に対する前記手術ツールの前記仮想的姿勢の予測に対応する前記解剖学的領域内の前記手術経路に対する前記手術ツールの姿勢の推定を含む、
システム。
【請求項14】
前記システムが、ディスプレイを有し、
前記術中追跡サブシステムが、前記解剖学的領域内の前記手術経路に対する前記手術ツールの前記推定される姿勢を示す追跡姿勢画像を前記ディスプレイに提供する、
請求項13に記載の距離ベースの位置追跡システム。
【請求項15】
前記システムが、手術制御メカニズムを有し、
前記術中追跡サブシステムが、前記解剖学的領域内の前記手術経路に対する前記手術ツールの前記推定される姿勢を表す追跡姿勢データセットを前記手術制御メカニズムに提供する、
請求項13に記載の距離ベースの位置追跡システム。
【請求項16】
前記手術ツールが、カテーテル、内視鏡、針及び入れ子式カニューレを含む手術ツールグループの1つである、請求項13に記載の距離ベースの位置追跡システム。
【請求項1】
位置追跡方法において、
体の解剖学的領域を示すスキャン画像を生成するステップと、
手術ツールの運動学的特性によって前記スキャン画像内の手術経路を生成するステップと、
前記スキャン画像内の前記手術経路に対する手術ツールの仮想的ナビゲーションを実行するステップと、
前記手術ツールの前記仮想的ナビゲーション中の前記スキャン画像内の対象からの前記手術ツールの仮想的距離の測定結果を生成するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記解剖学的領域内の前記手術経路に対する前記手術ツールの物理的ナビゲーションを実行するステップと、
前記手術ツールの前記物理的ナビゲーション中の前記解剖学的領域内の前記対象からの前記手術ツールの物理的距離の測定結果を生成するステップと、
を有する、請求項1に記載の位置追跡方法。
【請求項3】
少なくとも1つの距離センサが、前記スキャン画像内の前記手術ツールの前記仮想的ナビゲーション中に前記手術ツールに仮想的に結合され、前記解剖学的領域内の前記手術ツールの前記物理的ナビゲーション中に前記手術ツールに物理的に結合される、請求項2に記載の位置追跡方法。
【請求項4】
前記仮想的距離測定結果に対して前記物理的距離測定結果をマッチングするステップと、
前記仮想的距離測定結果に対する前記物理的距離測定結果のマッチングの関数として前記解剖学的領域内の前記手術ツールの姿勢を追跡するステップと、
を有する、請求項2に記載の位置追跡方法。
【請求項5】
前記仮想的距離測定結果に対する前記物理的距離測定結果のマッチングが、
前記仮想的距離測定結果に対する前記物理的距離測定結果の形状マッチング、
を含む、請求項4に記載の位置追跡方法。
【請求項6】
前記仮想的距離測定結果に対する前記物理的距離測定結果のマッチングが、
前記仮想的距離測定結果に対する前記物理的距離測定結果の差分マッチング、
を含む、請求項4に記載の位置追跡方法。
【請求項7】
前記仮想的距離測定結果に対して前記スキャン画像内の前記手術経路に対する前記手術ツールの予測される姿勢を関連付けるステップと、
前記仮想的距離測定結果に対する前記スキャン画像内の前記手術経路に対する前記手術ツールの前記予測される姿勢の関連付けを表す仮想的姿勢データセットを含むパラメータ化データベースを生成するステップと、
を有する、請求項1に記載の位置追跡方法。
【請求項8】
前記解剖学的領域内の前記手術経路に対する前記手術ツールの物理的ナビゲーションを実行するステップと、
前記手術ツールの前記物理的ナビゲーション中に前記解剖学的領域内の前記対象からの前記手術ツールの物理的距離の測定結果を生成するステップと、
前記仮想的距離測定結果に対する前記物理的距離測定結果のマッチングの関数として前記パラメータ化データベースから前記仮想的姿勢データセットを読み取るステップと、
を有する、請求項7に記載の位置追跡方法。
【請求項9】
前記仮想的姿勢データセットの読み取りに対応して前記解剖学的領域内の前記手術ツールの推定される姿勢を示す追跡姿勢画像を生成するステップと、
前記追跡姿勢画像をディスプレイに提供するステップと、
を有する、請求項8に記載の距離ベースの位置追跡方法。
【請求項10】
前記仮想的姿勢データセットの読み取りに対応して前記解剖学的領域内の前記手術ツールの推定される姿勢を表す追跡姿勢データセットを生成するステップと、
前記手術ツールの手術ツール制御メカニズムに前記追跡姿勢データを提供するステップと、
を有する、請求項8に記載の距離ベースの位置追跡方法。
【請求項11】
距離ベースの位置追跡方法において、前記方法が、
体の解剖学的領域を示すスキャン画像を生成するステップと、
前記スキャン画像内の手術経路に対する手術ツールの仮想的ナビゲーション中に仮想的情報を生成するステップと、
を有し、
前記仮想的情報が、前記スキャン画像内の対象からの手術ツールの仮想的距離の測定結果と関連付けられた前記スキャン画像内の前記手術経路に対する前記手術ツールの仮想的姿勢の予測を含む、
方法。
【請求項12】
前記方法が、
前記解剖学的領域内の前記手術経路に対する前記手術ツールの物理的ナビゲーション中に前記解剖学的領域内の前記対象からの前記手術ツールの物理的距離の測定結果を生成するステップと、
前記仮想的距離測定結果に対する前記物理的距離測定結果のマッチングから得られる追跡情報を生成するステップと、
を有し、
前記追跡情報が、前記スキャン画像内の前記手術経路に対する前記手術ツールの前記仮想的姿勢の予測に対応する前記解剖学的領域内の前記手術経路に対する前記手術ツールの姿勢の推定を含む、
請求項11に記載の距離ベースの位置追跡方法。
【請求項13】
距離ベースの位置追跡システムにおいて、前記システムが、
体の解剖学的領域を示すスキャン画像内の手術経路に対する手術ツールの仮想的ナビゲーション中に前記スキャン画像から得られる仮想的情報を生成する術前仮想的サブシステムと、
前記解剖学的領域内の前記手術経路に対する前記手術ツールの物理的ナビゲーション中に前記解剖学的領域内の前記対象からの前記手術ツールの物理的距離の測定結果から得られる追跡情報を生成する術中追跡サブシステムと、
を有し、
前記仮想的情報が、前記スキャン画像内の対象からの前記手術ツールの仮想的距離の測定結果と関連付けられた前記スキャン画像内の前記手術経路に対する前記手術ツールの仮想的姿勢の予測を含み、
前記追跡情報が、前記スキャン画像内の前記手術経路に対する前記手術ツールの前記仮想的姿勢の予測に対応する前記解剖学的領域内の前記手術経路に対する前記手術ツールの姿勢の推定を含む、
システム。
【請求項14】
前記システムが、ディスプレイを有し、
前記術中追跡サブシステムが、前記解剖学的領域内の前記手術経路に対する前記手術ツールの前記推定される姿勢を示す追跡姿勢画像を前記ディスプレイに提供する、
請求項13に記載の距離ベースの位置追跡システム。
【請求項15】
前記システムが、手術制御メカニズムを有し、
前記術中追跡サブシステムが、前記解剖学的領域内の前記手術経路に対する前記手術ツールの前記推定される姿勢を表す追跡姿勢データセットを前記手術制御メカニズムに提供する、
請求項13に記載の距離ベースの位置追跡システム。
【請求項16】
前記手術ツールが、カテーテル、内視鏡、針及び入れ子式カニューレを含む手術ツールグループの1つである、請求項13に記載の距離ベースの位置追跡システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2012−528604(P2012−528604A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512485(P2012−512485)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【国際出願番号】PCT/IB2010/052150
【国際公開番号】WO2010/140074
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【国際出願番号】PCT/IB2010/052150
【国際公開番号】WO2010/140074
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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