説明

路線バス位置検出装置、システム、路線バス位置情報処理システム及び方法

【課題】路線バスの停留所等への接近を簡易な技術で正確に検出することにより、路線バスの位置情報をより正確に表示する、低コストで高精度な路線バス位置検出の技術を提供する。
【解決手段】各路線バス3では読取り機4が定期的に読取り信号の電波を送信し、停留所1に接近するとトランスポンダ2はトランスポンダ固有の識別符号を含んだ応答信号の電波を送信する。通信制御装置5は、広域無線移動機6を経由してトランスポンダ固有の識別符号をサーバ7に送信する。サーバ7では、情報収集部74が、路線バス3から逐次到着するトランスポンダ固有の識別符号をもとに、停留所管理ファイル8を参照することで、該当する停留所すなわち路線バス3が接近した停留所1を特定し、利用配信部78は、それら情報を端末T1〜T3へ提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路線バスの停留所等への接近を簡易な技術で正確に検出することにより、路線バスの位置情報をより正確に表示する、低コストで高精度な路線バス位置検出の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理技術の発達に伴い、路線バスの運行状況として各車の現在位置を停留所との関係で検出し利用者などに提供する、路線バス位置検出の技術が普及し、バスロケーションシステムなどとも呼ばれている。この種の技術では、停留所での到着(停車)、出発や通過の情報を路線バスから所定のサーバへ無線送信し、これらの情報を元に路線バスの現在位置を更新し運行状況としてユーザ向け表示に反映させている。
【特許文献1】特開2001−283384
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記のような従来技術では、停留所での停車時には、例えば停車の案内放送を契機(トリガ)とすることにより、正確なタイミングで停車の情報をサーバへ送信できるので、路線バスの現在位置の精度に問題は無いが、停留所「通過」の情報は、次停留所の案内放送開始をトリガとして路線バスからサーバに送信するため、送信のタイミングは実際の停留所通過より時間的に遅れることととなり、表示などにおける現在位置が実際とずれ、精度が低下する問題があった。その結果、例えば、実際にはある停留所を既に通過しているのにもかかわらず、運行状況の表示上はまだその停留所に到着もしていない、といった事態が生じることになる。
【0004】
この問題への対処策として、停留所とバスにそれぞれ設けたPHSの基地局や端末などの無線通信機の間での無線通信により、バスが停留所に接近したことを検知し停留所到着情報をサーバに送信する提案もあるが(例えば、特許文献1参照)、これでは、各停留所等での無線通信機の設置や、設備ごとの回線使用料や通信料といった通信事業者への支払いなども含め、費用負担が大きい問題があった。
【0005】
また、バスに搭載したGPS受信機から出力される緯度経度情報によりバスの位置をサーバに送信する提案もあるが、これでは、バス路線の経路や停留所ごとの位置を表す緯度経度データを作成する手間や費用の負担が大きい問題があった。
【0006】
本発明は、上記のような従来技術の課題を解決するもので、その目的は、路線バスの停留所等への接近を簡易な技術で正確に検出することにより、路線バスの位置情報をより正確に表示する、低コストで高精度な路線バス位置検出の技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様では(請求項1、7)、路線バスの車両に設置する路線バス位置検出装置(方法)であって、バス停留所に設置された所定の情報発信装置から、読取り信号への応答として又は定期的に無線送信される固有の識別符号を受信する情報読取手段(処理)と、受信した前記識別符号を外部へ無線送信する広域無線伝送手段(処理)と、を含むことを特徴とする。
【0008】
このように、各停留所等に設置した安価で低消費電力なトランスポンダなどの無線情報発信装置から識別符号を送信し、それを路線バスに設置した読取り機で受信することで停留所への接近を検知しサーバへ無線伝送することにより、路線バスの位置情報を従来より正確に把握・表示し高精度な運行情報を安価に提供することが可能となる。
【0009】
本発明の他の態様では(請求項2、8)、上記各態様において、前記情報読取手段(処理)は、所定の情報発信装置へ定期的に読取り信号を送信する送信部(処理)と、所定の情報発信装置からの識別符号を含む応答信号を受信する受信部(処理)と、を含むことを特徴とする。
【0010】
このように、停留所に設置したトランスポンダに対して、周期的に読取り信号を送信し、十分接近していれば応答信号を受信するという簡易な手法により、PHS等の特別な無線装置や回線ごと基本料等の負担無く、停留所への接近を高精度に検出可能となる。
【0011】
本発明の他の態様では(請求項3、9)、上記各態様において、他の車両と無線通信を行う車両間中継手段(処理)を含み、この車両間中継手段(処理)は、少なくとも、前記情報発信装置から得られた情報を、後続車の前記情報読取手段へ又は車両間中継手段へ伝達することを特徴とする。
【0012】
このように、路線バスが変通渋滞などにより隊列走行するような数珠つなぎ状態でも、停留所から後続車への応答信号などの仲介転送を先行車が行うことにより、後続車の停留所への接近も検出可能となる。
【0013】
本発明の他の態様では(請求項4、10)、上記各態様において、上記各態様の路線バス位置検出装置(方法)と、バス停留所に設置した情報発信装置により、識別符号を読取り信号への応答として又は定期的に無線送信する処理と、を組み合わせることを特徴とする。
【0014】
このように、各路線バス車両に設けた路線バス位置検出装置と、トランスポンダなどの情報発信装置との一括した組み合わせにより、確実な動作に加え、システムの導入、保守、更新などを一貫して円滑かつ合理的に実現容易となる。
【0015】
本発明の他の態様では(請求項5、11)、外部との通信部と、情報の記憶部と、前記各部の制御を含む情報処理を行う制御部と、を備えたサーバシステム(の制御方法)において、各停留所の位置と、各停留所ごとに設置された所定の情報発信装置が接近した路線バスへ発信する識別符号と、を対応付けた対照データを前記記憶部に予め記憶し、前記制御部により、前記各路線バスに設置された所定の路線バス位置検出装置が受信及び転送し前記通信部に逐次到着する前記識別符号と、前記対照データと、に基づいて各路線バスの現在位置を逐次特定する情報収集手段(処理)と、特定された前記各路線バスの前記各現在位置を、所定の出力経路へ出力する利用配信手段(処理)と、を実現することを特徴とする。
【0016】
このように、近付いた停留所から各路線バスに届く識別符号を、全体の情報を管理するサーバへ集約し各路線バスの位置情報特定や配信等の利用を集中処理することにより、多数の路線バスの情報を少ない負担で効率よくかつ有機的に最大限活用することが容易になる。
【0017】
本発明の他の態様では(請求項6、12)、上記各態様の路線バス位置検出装置(方法)、又は、路線バス位置検出システム(方法)と、サーバシステム(その制御方法)と、を通信ネットワーク経由の通信により組み合わせる路線バス情報処理システム(方法)において、前記サーバシステムにおける前記利用配信手段(処理)は、情報提供先となる複数のクライアントシステムに対しその種類に応じ、特定した前記各路線バスの前記各現在位置の情報、又はこれら情報を加工した情報について、所定周期で又は所定のデータ要求信号に応じて、通信ネットワーク経由で配信することを特徴とする。
【0018】
このように、サーバシステムで集約した各路線バスの位置情報等を、インターネット、LAN、携帯電話網やPHS網などの通信ネットワーク経由で、停留所に設けた情報表示盤などの表示器、バス会社内管理部門のパソコン、利用者のパソコンや携帯端末などに配信することにより、リアルタイムで最新の情報を低コストかつ容易に、路線バスの利用者、関係者そのほか誰でもいつでもどこからでも最大限活用することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、路線バスの停留所等への接近を簡易な技術で正確に検出することにより、路線バスの位置情報をより正確に表示する、低コストで高精度な路線バス位置検出の技術を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明を実施するための最良の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、背景技術や課題での説明と共通の前提事項は繰り返さない。
【0021】
〔1.構成〕
〔1−1.全体構成〕
本実施形態は、図1の構成図に示すように、路線バス(の各車両)3すなわち3A,3Bに設置する路線バス位置検出装置Pと、サーバシステム7と、情報提供先となる複数のクライアントシステム(端末と呼ぶ)TすなわちT1〜T3)と、を通信ネットワークN(例えば、PHS網、インターネット、携帯電話網など)で接続した路線バス情報処理システムである。
【0022】
もっとも、本発明の把握としては、路線バス位置検出装置P単体としても、また、各バス停留所に設置する情報発信装置であるトランスポンダ2と、路線バス位置検出装置Pとを組み合わせた路線バス位置検出システムとしても、把握可能である。また、上記構成のうち、各端末Tの全部又は一部を除外した範囲のみを路線バス情報処理システムとして把握することも可能であり、さらに、これら各態様の装置やシステムに対応する方法や制御方法、制御プログラムとしても把握可能である。
【0023】
〔1−2.路線バス位置検出装置とトランスポンダ〕
そして、本発明を把握する基本的な単位は、路線バスの車両に設置する路線バス位置検出装置Pである。路線バス位置検出装置Pは、複数系統の無線機能を備え、系統の第一は、バス停留所1に設置されたトランスポンダ2から、読取り信号への応答として無線送信される固有の識別符号を受信する読取り機4(情報読取手段)である。この読取り機4は、トランスポンダ2へ定期的に読取り信号を送信する送信部Sと、トランスポンダ2からの識別符号を含む応答信号を受信する受信部Rと、を備える。
【0024】
このような読取り機4に対応して、路線バスの各停留所1ごとにトランスポンダ2を設置する。トランスポンダは、読取り信号(質問電波などとも呼ぶ)への応答として、識別符号など所定の情報を含む応答信号(応答電波などとも呼ぶ)を返す装置であり、安価かつ低消費電力の装置として普及している。トランスポンダ2には、トランスポンダごとに固有の識別符号を応答用に予め設定しておく。なお、トランスポンダを、単に周期的に識別符号を発信するような他の無線機器へ置き換え、読取り機4の送信部Sを省略する構成も採用可能である。
【0025】
路線バス位置検出装置Pにおける無線機能の系統の第二は、読取り機4の受信した前記識別符号を外部へ無線送信する広域無線移動機6(広域無線伝送手段)であり、例えば、PHS端末、その他の業務用無線設備などを用いる。
【0026】
路線バス位置検出装置Pにおける無線機能の系統の第三は、他の車両と無線通信を行う中継無線機9(車両間中継手段)である。この中継無線機9は、少なくとも、トランスポンダ2から得られた情報を、後続車の読取り機4へ又は中継無線機9へ伝達する。
【0027】
また、路線バス位置検出装置Pでは、以上のように、複数系統の無線機能を搭載するので、各無線機能の動作タイミングなど通信制御を行う通信制御装置5(通信制御手段)を設ける。
【0028】
〔1−3.サーバ〕
また、サーバ7は、図示はしないが、外部との通信部(LAN接続ボード、ルータなど)と、情報の記憶部(HDD、メモリなど)と、前記各部の制御を含む情報処理を行うCPUなどの制御部と、を備える。そして、サーバ7は、各停留所の位置と、各停留所ごとに設置されたトランスポンダ2が接近した路線バス3へ発信する識別符号と、を対応付けた対照データを停留所管理ファイル72として、前記記憶部に予め記憶している。
また、サーバ7では、前記制御部により、後述のような機能作用に対応する情報収集部74及び利用配信部78を実現する。
【0029】
〔2.作用〕
上記のように構成された本実施形態は、以下のように作用する。
〔2−1.路線バス単位の処理〕
各路線バス3ではその運行中、読取り機4が定期的に読取り信号の電波を(例えば車両前方や左前方に向けて)送信しており、各路線バス3が停留所1に接近すると、停留所1のトランスポンダ2は、読取り機4から読取り信号を検知するたび、トランスポンダ固有の上記識別符号を含んだ応答信号の電波を送信する状態となる。
【0030】
読取り機4は、このトランスポンダ2からの応答信号を受信すると、そのトランスポンダ2固有の識別符号を通信制御装置5に渡し、通信制御装置5は、広域無線移動機6を経由してトランスポンダ固有の識別符号をサーバ7に送信する。
【0031】
〔2−2.サーバを中心とした処理〕
サーバ7では、情報収集部74が、情報配信手段として、路線バス3から逐次到着するトランスポンダ固有の識別符号をもとに、停留所管理ファイル72を参照することで、該当する停留所すなわち路線バス3が接近した停留所1を特定する(情報収集処理)。これは、路線バスの現在位置として停留所を特定していることを意味し、各路線バスの現在位置は車両位置データ76として前記記憶部に記憶する。
【0032】
そして、利用配信部78は、利用配信手段として、上記のように特定された前記各路線バスの前記各現在位置を、所定の出力経路へ出力する(利用配信処理)。より具体的には、利用配信部78は、クライアントシステムである各端末T1〜T3に対しその種類(例えば、一般的なブラウザを搭載したパーソナルコンピュータであるか、携帯電話端末であるか等)に応じた形式や内容において、特定した前記各路線バスの前記各現在位置の情報、又はこれら情報を加工した情報について、所定周期で又は所定のデータ要求信号に応じて配信する。
【0033】
なお、情報の配信に用いる通信ネットワークは、インターネット、LAN、携帯電話網やPHS網などから自由に選択可能であるが、路線バスから識別符号をサーバ7へ集約するときの通信ネットワークとは、同種又は同一でもよいし、別種又は別個でもよい。また、情報の配信対象とする端末は、停留所に設けた情報表示盤などの表示器D、バス会社内管理部門のパソコン、利用者のパソコンや携帯端末など自由に定めることができる。
【0034】
〔2−3.バス間の情報中継〕
ところで、交通渋滞などの運行状況により複数台の路線バスが数珠繋ぎの場合、例えば停留所1(のトランスポンダ2)と路線バス3B(の読取り機4)との通信が、間に挟まった路線バス3Aに遮られ、停留所1への路線バス3Bの接近検知が妨げられる問題が発生する場合がある。
【0035】
この問題を解決するため、各路線バス3(3A,3B)の路線バス位置検出装置Pに通信制御装置5とともに設けた中継無線機9により、路線バス3Aでは、他の路線バス3Bと停留所1の間で授受される読取り信号や応答信号は、それぞれの本来の送信先に対し中継転送するか、場合によって代理応答する。これにより、後続の路線バス3Bの停留所1への接近も検知可能となる。
【0036】
具体的には、まず、路線バス3Aにおいて、読取り機4が、停留所1のトランスポンダ2から路線バス3Bへの応答信号を受信したとき、通信制御装置5は中継無線機9を制御することにより、その停留所1のトランスポンダ2固有の識別符号を、中継信号であることを表す符号とともに、本来の宛先である路線バス3Bへ送信させる。
【0037】
また、路線バス3Aでは、路線バス3Bからの読取り信号を受信したときは、停留所1のトランスポンダ2の識別符号を含む応答信号について、中継無線機9から代理応答するか、又は、路線バス3Bから届いた読取り信号をそのまま本来の宛先である停留所1へ転送する。
【0038】
路線バス3Bからの読取り信号に対する代理応答や転送は、読取り信号の電界強度が所定基準値以上の場合、又は、読取り信号の電界強度とトランスポンダ2からの応答信号の電界強度が、それぞれ同じ又は異なる所定基準値以上か、又は合算して所定基準値以上の場合に行うようにすれば、読取り信号や応答信号の中継による後続車の位置精度の劣化が防止できる。
【0039】
また、中継が繰り返されて停留所とまだ遠い車両との通信が成立しないよう、上に述べた中継信号であることを表す符合のある信号は中継しないなどの歯止めを設ける。
【0040】
〔3.効果〕
以上のように、本実施形態では、各停留所等に設置した安価で低消費電力なトランスポンダなどの無線情報発信装置から識別符号を送信し、それを路線バスに設置した読取り機で受信することで停留所への接近を検知しサーバへ無線伝送することにより、路線バスの位置情報を従来より正確に把握・表示し高精度な運行情報を安価に提供することが可能となる。
【0041】
また、上記のように、停留所に設置したトランスポンダに対して、周期的に読取り信号を送信し、十分接近していれば応答信号を受信するという簡易な手法は、必須ではないが、これにより、PHS等の特別な無線装置や回線ごと基本料等の負担無く、停留所への接近を高精度に検出可能となる。
【0042】
また、上記のように、各路線バス位置検出装置Pに中継無線機9を備えて、路線バスが変通渋滞などにより隊列走行するような数珠つなぎ状態でも、停留所から後続車への応答信号などの仲介転送を先行車が行うことは、必須ではないが、これにより、後続車の停留所への接近も検出可能となる。
【0043】
また、上記のように、各路線バス車両に設けた路線バス位置検出装置と、トランスポンダなどの情報発信装置との一括した組み合わせの路線バス位置検出システムとして把握し取り扱うことは、必須ではないが、これにより、確実な動作に加え、システムの導入、保守、更新などを一貫して円滑かつ合理的に実現容易となる。
【0044】
また、上記のように、近付いた停留所から各路線バスに届く識別符号を、全体の情報を管理するサーバへ集約し各路線バスの位置情報特定や配信等の利用を集中処理することは、必須ではないが、これにより、多数の路線バスの情報を少ない負担で効率よくかつ有機的に最大限活用することが容易になる。
【0045】
また、上記のように、サーバシステムで集約した各路線バスの位置情報等を、端末などに配信することは、必須ではないが、これにより、リアルタイムで最新の情報を低コストかつ容易に、路線バスの利用者、関係者そのほか誰でもいつでもどこからでも最大限活用することが可能となる。
【0046】
〔4.他の実施形態〕
なお、本発明は、上記のような従来技術に限定されるものではなく、次に例示するものやそれ以外の他の実施形態も含むものである。例えば、言うまでもなく、図1は単純化した概念モデルであり、トランスポンダ2は複数の停留所ごとに設け、また、路線バス位置検出装置Pは3台以上の多数の路線バス3の車両ごとに設ける。また、図1に示す「読取り機」「通信制御装置」「広域無線移動機」「中継無線機」といった表現はそれぞれの機能を意味し、物理的に別体を意味するものではないので、これらのうち複数をユニット、回路基盤、制御プログラム、その他のレベルで一体化することはもちろん差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す機能ブロック図。
【符号の説明】
【0048】
1…停留所
2…トランスポンダ
3(3A,3B)…路線バス
4…読取り機
5…通信制御装置
6…広域無線移動機
7…サーバ
72…停留所管理ファイル
74…情報収集部
76…車両位置データ
78…利用配信部
9…中継無線機
P…路線バス位置検出装置
N…通信ネットワーク
T(T1〜T3)…クライアントシステム(端末)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路線バスの車両に設置する路線バス位置検出装置において、
バス停留所に設置された所定の情報発信装置から、読取り信号への応答として又は定期的に無線送信される固有の識別符号を受信する情報読取手段と、
受信した前記識別符号を外部へ無線送信する広域無線伝送手段と、
を備えたことを特徴とする路線バス位置検出装置。
【請求項2】
前記情報読取手段は、
所定の情報発信装置へ定期的に読取り信号を送信する送信部と、
所定の情報発信装置からの識別符号を含む応答信号を受信する受信部と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の路線バス位置検出装置。
【請求項3】
他の車両と無線通信を行う車両間中継手段を備え、
この車両間中継手段は、少なくとも、前記情報発信装置から得られた情報を、後続車の前記情報読取手段へ又は車両間中継手段へ伝達する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の路線バス位置検出装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の路線バス位置検出装置と、
バス停留所に設置され、識別符号を読取り信号への応答として又は定期的に無線送信する情報発信装置と、
を組み合わせたことを特徴とする路線バス位置検出システム。
【請求項5】
外部との通信部と、情報の記憶部と、前記各部の制御を含む情報処理を行う制御部と、を備えたサーバシステムにおいて、
各停留所の位置と、各停留所ごとに設置された所定の情報発信装置が接近した路線バスへ発信する識別符号と、を対応付けた対照データを前記記憶部に予め記憶し、
前記制御部により、
前記各路線バスに設置された所定の路線バス位置検出装置が受信及び転送し前記通信部に逐次到着する前記識別符号と、前記対照データと、に基づいて各路線バスの現在位置を逐次特定する情報収集手段と、
特定された前記各路線バスの前記各現在位置を、所定の出力経路へ出力する利用配信手段と、
を実現することを特徴とするサーバシステム。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか一項に記載の路線バス位置検出装置、又は、請求項4記載の路線バス位置検出システムと、
請求項5記載のサーバシステムと、
情報提供先となる複数のクライアントシステムと、
を通信ネットワークで接続した路線バス情報処理システムにおいて、
前記サーバシステムの前記利用配信手段は、
前記各クライアントシステムに対しその種類に応じ、特定した前記各路線バスの前記各現在位置の情報、又はこれら情報を加工した情報について、所定周期で又は所定のデータ要求信号に応じて、通信ネットワーク経由で配信する
ことを特徴とする路線バス位置情報処理システム。
【請求項7】
路線バスの車両に設置する路線バス位置検出装置による路線バス位置検出方法において、
バス停留所に設置された所定の情報発信装置から、読取り信号への応答として又は定期的に無線送信される固有の識別符号を、所定の情報読取手段により受信する情報読取処理と、
受信した前記識別符号を外部へ無線送信する広域無線伝送処理と、
を実行することを特徴とする路線バス位置検出方法。
【請求項8】
前記情報読取処理は、
所定の情報発信装置へ定期的に読取り信号を送信する送信処理と、
所定の情報発信装置からの識別符号を含む応答信号を受信する受信処理と、
を含むことを特徴とする請求項7記載の路線バス位置検出方法。
【請求項9】
他の車両と所定の車両間中継手段により無線通信を行う車両間中継処理を含み、
この車両間中継処理は、少なくとも、前記情報発信装置から得られた情報を、後続車の前記情報読取手段へ又は車両間中継手段へ伝達する
ことを特徴とする請求項7又は8記載の路線バス位置検出方法。
【請求項10】
請求項7から9のいずれか一項に記載の路線バス位置検出方法と、
バス停留所に設置した所定の情報発信装置により、識別符号を読取り信号への応答として又は定期的に無線送信する処理と、
を組み合わせたことを特徴とする路線バス位置検出方法。
【請求項11】
外部との通信部と、情報の記憶部と、前記各部の制御を含む情報処理を行う制御部と、を備えたサーバシステムの制御方法において、
各停留所の位置と、各停留所ごとに設置された所定の情報発信装置が接近した路線バスへ発信する識別符号と、を対応付けた対照データを前記記憶部に予め記憶し、
前記制御部により、
前記各路線バスに設置された所定の路線バス位置検出装置が受信及び転送し前記通信部に逐次到着する前記識別符号と、前記対照データと、に基づいて各路線バスの現在位置を逐次特定する情報収集処理と、
特定された前記各路線バスの前記各現在位置を、所定の出力経路へ出力する利用配信処理と、
を実行することを特徴とするサーバシステムの制御方法。
【請求項12】
請求項7から10のいずれか一項に記載の路線バス位置検出方法と、
請求項11記載のサーバシステムの制御方法と、
を通信ネットワーク経由の通信により組み合わせる路線バス情報処理方法において、
前記サーバシステムにおける前記利用配信処理は、情報提供先となる複数のクライアントシステムに対しその種類に応じ、特定した前記各路線バスの前記各現在位置の情報、又はこれら情報を加工した情報について、所定周期で又は所定のデータ要求信号に応じて、通信ネットワーク経由で配信する
ことを特徴とする路線バス位置情報処理方法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−277126(P2006−277126A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−92866(P2005−92866)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】