説明

路面用ペイント塗布装置

【課題】ペイントスプレーガンが設けられる側とは反対側の運転席から各ガイドがそれぞれ指す予測位置が目標線にそれぞれ一致しているかが確認され得る路面用ペイント塗布装置を提供する。
【解決手段】車両12の直進時に路面6上に塗布される路面用ペイントのライン幅方向の予測位置B、Cをペイントスプレーガン100による塗布位置Aより前方の路面6およびその塗布位置直前においてそれぞれ指示するための前方ガイド48および後方ガイド60と、各ガイド48、60と予め路面6上に描かれた目標線54とをそれぞれ撮影するために車両12にそれぞれ固設される前方カメラ56および後方カメラ66と、各カメラ56、66によりそれぞれ撮影された一対の画像Img1、Img2をそれぞれ同時に表示し、その一対の画像Img1、Img2が運転席から見える位置に設置されるパソコン120とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面を走行する車両に設けられ、その車両の走行に伴って路面上に路面用ペイントを塗布して路面ラインを描く路面用ペイント塗布装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路標識や区画線、文字などの路面ラインを路面上に描く際には、顔料を展色剤(顔料を分散展開させる媒体)と混和して得られる例えば油性ペイントや水性ペイント等の路面用ペイントを路面上に塗布する路面用ペイント塗布装置が使用されている。このような路面用ペイント塗布装置としては、路面を走行する車両の側部に設けられてその路面に向けて路面用ペイントを放出するペイント放出装置を備え、その車両の走行に伴って路面上に路面用ペイントをライン状に塗布するものが知られている。例えば、特許文献1および特許文献2に記載されたものがそれである。
【0003】
上記路面用ペイント塗布装置により路面上に路面用ペイントがライン状に塗布される際には、前記ペイント放出装置による塗布位置が予め路面上に描かれた目標線に沿うように車両が運転される。具体的には、車両の直進時にペイント放出装置により路面上に塗布される路面用ペイントのライン幅方向の予測位置をそのペイント放出装置による塗布位置より前方の路面およびその塗布位置直前においてそれぞれ指示するために車両に設けられた前方ガイドおよび後方ガイドが用いられ、例えば、直線状の路面ラインが描かれる際には、上記前方ガイドおよび後方ガイドがそれぞれ指す予測位置が前記目標線にそれぞれ沿うように車両が運転され、また、曲線状の路面ラインが描かれる際には、上記後方ガイドの指す予測位置が前記目標線に沿うように車両が運転される。このとき、上記前方ガイドおよび後方ガイドと目標線との位置関係は、車両の幅方向においてそれら前方ガイドおよび後方ガイドが設けられている側の運転席から直視またはミラー等によりそれぞれ確認される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−352009号公報
【特許文献2】特開2000−352010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両の幅方向においてその車両の運転席側とは反対側の側部に設けられたペイント放出装置により路面用ペイントが塗布される場合には、その運転席からは前記前方ガイドおよび後方ガイドがそれぞれ指す予測位置が前記目標線にそれぞれ一致しているか否かの目視による確認が困難となるという問題があった。
【0006】
これに対して、従来、ペイント放出装置が車両の運転席側とは反対側の側部に設けられる場合には、その運転席側とは反対側すなわちペイント放出装置が設けられる側に第2運転席が追加され、その第2運転席から前方ガイドおよび後方ガイドがそれぞれ指す予測位置が目標線にそれぞれ一致しているかが確認されつつ車両が運転されていた。しかしながら、上記第2運転席を追加するための車両の改造に多大なコストがかかるという問題があった。
【0007】
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、車両の幅方向においてペイント放出装置が設けられる側とは反対側の運転席から前方ガイドおよび後方ガイドがそれぞれ指す予測位置が目標線にそれぞれ一致しているか否かが確認され得る路面用ペイント塗布装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(1)路面を走行する車両の側部に設けられてその路面に向けて路面用ペイントを放出するペイント放出装置を備え、前記車両の走行に伴って前記路面上に路面用ペイントをライン状に塗布する路面用ペイント塗布装置であって、(2)前記ペイント放出装置は、前記車両の幅方向においてその車両の運転席側とは反対側の側部に設けられており、(3)前記ペイント放出装置の車両前方側に位置するように前記車両に固設され、その車両の直進時にそのペイント放出装置により前記路面上に塗布される路面用ペイントのライン幅方向の予測位置をそのペイント放出装置による塗布位置より前方の路面において指示するための前方ガイドと、(4)その前方ガイドと予め前記路面上に描かれた目標線とを撮影するために前記車両に固設される前方カメラと、(5)前記前方ガイドの車両後方側に位置するように前記ペイント放出装置に固設され、前記ペイント放出装置により前記路面上に塗布される路面用ペイントのライン幅方向の予測位置をそのペイント放出装置による塗布位置直前において指示するための後方ガイドと、(6)その後方ガイドと前記目標線とを撮影するために前記車両に固設される後方カメラと、(7)前記前方カメラおよび後方カメラによりそれぞれ撮影された一対の画像をそれぞれ同時に表示し、その一対の画像が前記運転席から見える位置に設置される画像表示装置とを備えることにある。
【0009】
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、請求項1にかかる発明において、(1)前記画像表示装置は、前記前方カメラにより撮影された前方画像を表示すると共に、その表示された前方画像内の前記前方ガイドが指す予測位置に一致するように設定される前方予測線をその前方画像上に表示する前方画像表示領域と、前記後方カメラにより撮影された後方画像を表示すると共に、その表示された後方画像内の前記後方ガイドが指す予測位置に一致するように設定される後方予測線をその後方画像上に表示する後方画像表示領域とを有しており、(2)各画像表示領域に表示される前記前方ガイドおよび後方ガイドがそれぞれ指す予測位置と前記前方予測線および後方予測線とがそれぞれ一致するように、各画像表示領域内の各画像または各予測線の位置をそれぞれ設定する予測線設定手段を備えることにある
【0010】
また、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、請求項1または2にかかる発明において、(1)前記ペイント放出装置によって実線状または破線状に塗布される路面用ペイントのライン長さを、前記ペイント放出装置による塗布時間内における走行距離に基づいて検出して記憶するライン長さ検出手段と、(2)前記ペイント放出装置によって破線状に塗布される路面用ペイントのライン本数を計数して記憶する破線ライン本数計数手段と、(3)前記ライン長さおよびライン本数を含む施工実績データを生成して記憶する施工実績データ生成記憶手段とを含むことにある。
【発明の効果】
【0011】
請求項1にかかる発明の路面用ペイント塗布装置によれば、車両の直進時にペイント放出装置により路面上に塗布される路面用ペイントのライン幅方向の予測位置をそのペイント放出装置による塗布位置より前方の路面およびその塗布位置直前においてそれぞれ指示するための前方ガイドおよび後方ガイドと、それら前方ガイドおよび後方ガイドと予め前記路面上に描かれた目標線とをそれぞれ撮影するために前記車両にそれぞれ固設される前方カメラおよび後方カメラと、それら前方カメラおよび後方カメラによりそれぞれ撮影された一対の画像をそれぞれ同時に表示し、その一対の画像が運転席から見える位置に設置される画像表示装置とを備えることから、車両の運転席側とは反対側の側部にペイント放出装置が設けられる場合であっても、画像表示装置によって前方ガイドおよび後方ガイドと目標線との位置関係が確認できるので、車両の幅方向においてペイント放出装置が設けられる側とは反対側の運転席から、前方ガイドおよび後方ガイドがそれぞれ指す予測位置が目標線にそれぞれ一致しているか否かが確認され得る。
【0012】
また、請求項2にかかる発明の路面用ペイント塗布装置によれば、前記画像表示装置は、前記前方カメラにより撮影された前方画像を表示すると共に、その表示された前方画像内の前記前方ガイドが指す予測位置に一致するように設定される前方予測線をその前方画像上に表示する前方画像表示領域と、前記後方カメラにより撮影された後方画像を表示すると共に、その表示された後方画像内の前記後方ガイドが指す予測位置に一致するように設定される後方予測線をその後方画像上に表示する後方画像表示領域とを有しており、各画像表示領域に表示される前記前方ガイドおよび後方ガイドがそれぞれ指す予測位置と前記前方予測線および後方予測線とがそれぞれ一致するように、各画像表示領域内の各画像または各予測線の位置をそれぞれ設定する予測線設定手段を備えることから、画像表示装置の各画像表示領域内に表示された前方予測線および後方予測線によって前方ガイドおよび後方ガイドがそれぞれ指す予測位置が明確となるので、前方ガイドおよび後方ガイドがそれぞれ指す予測位置が目標線にそれぞれ一致しているか否かの確認が一層容易となる。
【0013】
また、請求項3にかかる発明の路面用ペイント塗布装置によれば、前記ペイント放出装置によって実線状または破線状に塗布される路面用ペイントのライン長さを、前記ペイント放出装置による塗布時間内における走行距離に基づいて検出して記憶するライン長さ検出手段と、前記ペイント放出装置によって破線状に塗布される路面用ペイントのライン本数を計数して記憶する破線ライン本数計数手段と、前記ライン長さおよびライン本数を含む施工実績データを生成して記憶する施工実績データ生成記憶手段とを含むことから、例えば、記憶させた施工実績データをプリンターで出力したり或いはパソコンで編集することができるので、施工実績の管理が容易になるという利点がある。特に、路面ラインの施工業者がその路面ラインの施工後において施工実績をまとめた書類を例えば施工工事の依頼者等に提出すべき場合において、その書類作成が容易になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例である路面用ペイント塗布装置が搭載された車両の側面図である。
【図2】図1の車両の上面図である。
【図3】図1に示すスプレー装置を拡大して示す図である。
【図4】図1のIV矢視部を拡大して示す車両の前方付近を示す図である。
【図5】図1のV矢視部を拡大して示す車両の左側部付近を示す図である。
【図6】図1に示すパソコンのモニタの画面を示す図であって、前方予測線および後方予測線が予測位置にそれぞれ一致している状態が示されている。
【図7】図1に示すパソコンのモニタの画面を示す図であって、前方予測線および後方予測線が予測位置にそれぞれ一致していない状態が示されている。
【図8】図1の路面用ペイント塗布装置に設けられた電子制御装置の要部を説明する図である。
【図9】所定の書式に整理されて例えばプリンター等により紙等に印刷された施工実績データを示す図である。
【図10】本発明の他の実施例の路面用ペイント塗布装置に備えられたパソコンのモニタの画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の一実施例である路面用ペイント塗布装置10が搭載された車両12の側面図であり、図2は、図1の車両12の上面図である。図1および図2において、車両12は、図示しない原動機と荷台14とを備えて路面6上を走行することが可能な所謂トラックである。本実施例では、車両12は、例えば操縦用のハンドル8や駆動力要求量に応じて踏み込み操作される図示しないアクセルペダル等を操作するための運転席が、車両12の幅方向の右側に設けられた右ハンドル車両である。路面用ペイント塗布装置10は、上記車両12の走行に伴って路面6上に路面用ペイントをライン状に塗布するためのものであり、本実施例では主として車線を区画するための区画線などの路面ライン4を路面6上に描く際に使用される。上記路面用ペイントは、顔料を展色剤(顔料を分散展開させる媒体)と混和して得られる塗料であって、例えば油性ペイントや水性ペイント等のものがある。
【0017】
車両12の荷台14上には、良く知られた所謂エアコンプレッサー16と、路面用ペイントを貯溜するペイントタンク17と、光をその入射方向に向かって反射させるための小球状ガラスであるビーズを貯留するビーズタンク18と、路面用ペイントを加熱するためのペイントヒーター19と、ペイントタンク17内に貯溜された路面用ペイントを、上記ペイントヒーター19が設けられる図示しない第1ペイント配管に圧送する1次ポンプ20と、上記第1ペイント配管内の路面用ペイントを、後述のペイントスプレーガン100が設けられる図示しない第2ペイント配管に圧送する2次ポンプ22と、制御盤24とが設けられている。上記制御盤24内には、路面用ペイント塗布装置10のメイン制御装置26(図8参照)が収容されている。
【0018】
ペイントヒーター19は、比較的高温であるエアコンプレッサー18の冷却水を熱源として、その冷却水と路面用ペイントとの間で熱交換を行う熱交換器を含んで構成されている。このペイントヒーター19に供給されるエアコンプレッサー18の冷却水の流量は、電子制御装置として機能するメイン制御装置26に駆動される流量調整バルブ28(図8参照)により調整される。本実施例で使用される路面用ペイントは、例えば60〜70℃に加熱されて使用される加熱型のものである。なお、常温にて使用される常温型の路面用ペイントが用いられる場合には、上記流量調整バルブ28によってペイントヒーター19への冷却水の供給が遮断され、路面用ペイントが加熱されないようになっている。
【0019】
また、本実施例の1次ポンプ20および2次ポンプ22は、例えば、エアコンプレッサー18の圧縮空気を駆動エネルギーとして作動するシリンダ式の定容量型ポンプにより構成されている。このようなシリンダ式の定容量型ポンプは配管内の圧力変動が比較的大きくて脈動が発生し易いことから、その圧力変動を緩和して脈動の発生を抑制するために、前記第1ペイント配管には図示しない小型のサージタンクが設けられ、また、前記第2ペイント配管には大型のサージタンク30が2つ設けられている。これらのサージタンクは、路面用ペイントを加圧状態で蓄える高圧容器であり、アキュムレーターとして機能するものである。
【0020】
1次ポンプ20により前記第1ペイント配管内および小型のサージタンク内に圧送された路面用ペイントは、2次ポンプ22により前記第2ペイント配管内およびサージタンク30内に圧送される。そして、その前記第2ペイント配管においてペイントスプレーガン100により路面6に放出されない余剰路面用ペイントは、図示しない背圧弁を通じてペイントタンク17内に戻される。このように路面ペイントは、ペイントタンク17、前記第1ペイント配管、および前記第2ペイント配管を循環するうちに、ペイントヒーター19に加熱され、ペイントスプレーガン100により路面6に放出されるようになっている。
【0021】
車両12の荷台14の下側には、路面6上への路面用ペイントの塗布に先立って圧縮空気を用いて路面6上の異物を吹き飛ばすためのエアブラシ32と、路面用ペイントを路面6に向けて放出するスプレー装置(ペイント放出装置)34と、スプレー装置34が備えるペイントスプレーガン100と路面6との間隔(距離)を略一定に保つための間隔維持装置35と、車両12の走行距離を検出するための走行距離検出装置36とが設けられている。上記スプレー装置34は、車両12の幅方向において運転席側およびそれとは反対側の左側部に車両の幅方向の中心線に対してそれぞれ対称的に設けられているが、本実施例の説明では、運転席側のスプレー装置34は省略されている。また、スプレー装置34は、車両12の進行方向においてその車両12の前輪と後輪との間に設けられている。
【0022】
上記走行距離検出装置36は、図1に示すように、前方に1つおよび後方に並列的に2つそれぞれ設けられ、車輪支持部材37により各軸心まわりの回転可能に支持された3つの車輪38と、車輪支持部材37を車両12の車体に上下動可能に連結する複数のリンク部材39と、供給される圧縮空気に応じて車輪支持部材37を上下に移動させて車輪38が路面6に接地する状態と路面6から離れる状態とに切り換える上下シリンダ97と、車輪支持部材37に固定された図示しないハウジング内に設けられて例えば前方側の車輪38の車軸に連結された走行距離検出用ロータリエンコーダ98(図8参照)とを備えている。上記上下シリンダ97は、エアコンプレッサー16により発生された圧縮空気を駆動エネルギーとして作動するものであり、メイン制御装置26に駆動される走行距離検出装置上下移動制御バルブ95(図8参照)により作動させられるようになっている。この走行距離検出装置36は、メイン制御装置26に対してロータリエンコーダ98から出力されるパルス信号を供給する。なお、走行距離検出装置36は、スプレー装置34によって破線状に塗布される路面用ペイントの破線ライン長さ(破線状の路面ライン4のうち実線部の長さ)を算出するための破線距離算出装置の計測部としても機能している。上記破線距離算出装置は、計測部としての走行距離検出装置36と、算出部としての後述の破線距離算出手段161とを含んで構成されている。
【0023】
図3は、図1に示すスプレー装置34を拡大して示す図である。図3において、スプレー装置34は、そのスプレー装置34を車両12の荷台14の下側に収納する収納位置と図2に示すように路面用ペイントを塗布するための車両外側の塗布作業位置との間で車両12の幅方向において左右に移動させるキャリッジ左右移動装置68と、上記塗布作業位置に位置するスプレー装置34を図3に示すように路面用ペイントを放出するためのペイント放出位置(下降位置)とその路面用ペイントの放出が為されない上昇位置との間で上下に移動させるキャリッジ上下移動装置70とを備えるガンキャリッジ72に固定されている。
【0024】
キャリッジ左右移動装置68は、例えば車両12の前後(長手)方向において平行に配設されて相互に連結された一対の側板74から成る左右移動部材76と、その一対の側板74のうち車両12内側の側板74に出力ロッド先端部が固定され、供給される油圧に応じて左右移動部材76を車両12の幅方向に移動させる油圧シリンダ装置78とを備えている。この油圧シリンダ装置78は、メイン制御装置26に駆動されるキャリッジ左右移動制御バルブ79(図8参照)により、左右移動部材76およびスプレー装置34を車両から側方へ突き出た塗布作業位置に向けて移動させる油圧供給状態と車両中心側の収納位置に向けて移動させる油圧供給状態とが切り換わるようになっている。また、本実施例の油圧シリンダ装置78は、わずかな寸法だけ左右移動部材76およびスプレー装置34を左右へ移動させる寸動動作が可能である。
【0025】
キャリッジ上下移動装置70は、例えば車両12の幅方向に略直交する方向(車両12の前後方向)に長手方向を有する水平状の上下移動部材80と、その上下移動部材80を左右移動部材76に上下動可能に連結する相互に平行な複数対のリンク部材82と、基端部が左右移動部材76に一軸心O1まわりの回動可能に設けられたシリンダ部84と上下移動部材80の上部に先端部が固定された出力ロッド部86とを有し、供給される圧縮空気に応じて上下移動部材80を上下に移動させる上下シリンダ88とを備えている。この上下シリンダ88は、エアコンプレッサー16により発生された圧縮空気を駆動エネルギーとして作動するものであり、メイン制御装置26に駆動されるキャリッジ上下移動制御バルブ89(図8参照)により、上下移動部材80およびスプレー装置34をペイント塗布位置に向けて移動させる圧縮空気供給状態と上昇位置に向けて移動させる圧縮空気供給状態とが切り換わるようになっている。また、本実施例の上下シリンダ88は、車両12の後進時には自動的に前記上昇位置まで上昇するようにメイン制御装置26により制御されるようになっている。
【0026】
上下移動部材80の下部には、前記ペイント放出位置に位置させられたスプレー装置34および上下移動部材80を支持するためのキャスター90が固定されている。このキャスター90は、上下移動部材80に垂直軸心まわりに回転可能に設けられた車輪ブラケット92と、この車輪ブラケット92により一軸心O2まわりの回転可能に支持された車軸94と、この車軸94と一体的に回転可能に車軸94に固設された車輪96とを備えている。これら車軸94及び車輪96は、スプレー装置34が備えるペイントスプレーガン100と路面6との間隔(距離)を略一定に保つための間隔維持装置35の一部を構成している。
【0027】
スプレー装置34は、ペイントタンク17から前記第2ペイント配管に供給される路面用ペイントを図3において矢印aで示すように路面6に向けて放出するエア方式のペイントスプレーガン100と、前記ビーズタンク18から供給されるビーズを図3において矢印bで示すようにペイントスプレーガン100により路面6に塗布された直後の路面用ペイント上に吹きつけるエア方式のビーズガン101と、これらペイントスプレーガン100およびビーズガン101の上下位置を調整するためのガン上下位置調整装置102とを備えている。
【0028】
上記ペイントスプレーガン100は、メイン制御装置26に駆動されるスプレーガン制御バルブ103(図8参照)により、路面用ペイントが放出される放出状態とその放出が停止される遮断状態とが切り換えられるようになっている。上記放出状態とされた場合には、ペイントスプレーガン100の放出口を通して多数の細粒化された路面用ペイントが路面6に向かって射出される。このペイントスプレーガン100により路面6上に塗布される路面ライン4のライン幅は、ペイントスプレーガン100の放出口が路面6から離間するほど大きくなる。路面ライン4のライン幅は、ペイントスプレーガン100の上下位置調整によって例えば150〜300mm程度の間で調整される。
【0029】
前記ビーズガン101は、ビーズガン制御バルブ105(図8参照)により、前記ビーズが放出される放出状態とその放出が停止される遮断状態とが切り換えられ、上記放出状態とされた場合には、放出口を通してビーズが路面6に向かって放出されるようになっている。
【0030】
前記ガン上下位置調整装置102は、キャリッジ上下移動装置70の上下移動部材80の側部にシリンダ部が固定され、供給される油圧に応じて出力ロッド先端部に連結された上下移動部材107を上下に移動させる油圧シリンダ装置108を備えている。この油圧シリンダ装置108は、メイン制御装置26に駆動されるガン上下位置制御バルブ109(図8参照)により、上下移動部材107、ペイントスプレーガン100、およびビーズガン101を下方に移動させる油圧供給状態と上方に移動させる油圧供給状態とが切り換わるようになっている。本実施例の油圧シリンダ装置108は、わずかな寸法だけペイントスプレーガン100およびビーズガン101を上下に移動させる寸動動作が可能である。ペイントスプレーガン100は、ハンドル110を回すことでペイントスプレーガン100の上下位置を機械的に微調整するための上下位置微調整装置112を介して上下移動部材107に固定されており、ビーズガン101は、ハンドル114を回すことでビーズガン101の前後位置を機械的に微調整するための前後位置微調整装置116、およびハンドル117を回すことでビーズガン101の上下位置を機械的に微調整するための上下位置微調整装置118をそれぞれ介して上下移動部材107に固定されている。ペイントスプレーガン100およびビーズガン101は、路面6上への路面用ペイントの塗布前には上下位置微調整装置112、前後位置微調整装置116、および上下位置微調整装置118により上下および前後位置が調整され、路面6上への路面用ペイントの塗布中にはガン上下位置調整装置102により上下位置が調整されるようになっている。
【0031】
図1および図2に戻って、車両12のフロントバンパー付近には、基端部が路面6に平行且つ車両12の直進方向に直交する一軸心O3まわりに回動可能に車両12の車体に設けられた細長い竿状の第1フロントガイド支持部材40が、車両12の幅方向の両側にそれぞれ設けられている。この第1フロントガイド支持部材40の先端側には、先端部と基端部との間で2段階に伸縮可能且つ所望の伸縮位置で固定可能に形成された第2フロントガイド支持部材41の基端部が固定されている。この第2フロントガイド支持部材41の先端部には、図1および図2において車両12の幅方向の左側に示すように、第1フロントガイド支持部材40および第2フロントガイド支持部材41が路面6に略平行な状態とされた場合にその路面6に車輪外周部が接地するように固定されたキャスター42が設けられている。また、この第2フロントガイド支持部材41の中間部付近には、車両12のルーフ上に備えられたウインチ(巻き上げ機)44に巻かれるワイヤー46の先端部が固定されており、このウインチ44でワイヤー46が巻かれることによって、フロントガイド支持部材40は、図1および図2において車両12の幅方向の左側に示す状態から右側に示す状態となるように巻き上げられて収納されるようになっている。
【0032】
また、第2フロントガイド支持部材41の先端部には、スプレー装置34の車両前方側に位置するように固設された前方ガイド48が備えられている。この前方ガイド48は、車両12の直進時にスプレー装置34により路面6上に塗布される路面用ペイントのライン幅方向の予測位置Bを、スプレー装置34による塗布位置Aより前方の路面6において指示するためのものである。本実施例の前方ガイド48は、フロントガイド支持部材40が図1および図2において車両12の幅方向の左側に示す状態にあるときに、そのフロントガイド支持部材40の先端部に中間部付近が固定され且つ路面6に平行な棒状の支持ポール部50と、その支持ポール部50の車両外側の一端部に中間部付近が固定され、路面6に向けて突き出し且つ先端部が三つ又に等間隔に分岐された路面6に垂直な棒状の3本のガイドポール52a、52b、52cを備えたガイドポール部52とから構成されている。上記予測位置Bは、上記三つ又に分岐されたガイドポール部52の先端部の中央に位置するガイドポール52bにより指される位置である。なお、車両12の幅方向の両側にそれぞれ設けられている各フロントガイド支持部材および前方ガイド48は、左右対称の形状を有する他は同じ構造のものである。
【0033】
図4は、図1のIV矢視部を拡大して示す車両12の前方付近を示す図である。図1、図2および図4において、車両12には、前方ガイド48と予め路面6上に描かれたマーキング線である目標線54(図6参照)とを撮影するための前方カメラ56が固設されている。本実施例では、この前方カメラ56は、ドアミラー58の取付アームに対してカメラ固定アーム59を介して取り外し可能な状態で固設されている。
【0034】
図5は、図1のV矢視部を拡大して示す車両12の左側部付近を示す図である。図1乃至図3、および図5において、スプレー装置34が固設されたガンキャリッジ72には、前方ガイド48の車両後方側に位置し且つペイントスプレーガン100の車両前方側に位置するように、ガンキャリッジ72の左側部に固設された後方ガイド60が備えられている。この後方ガイド60は、車両12の直進時にスプレー装置34により路面6上に塗布される路面用ペイントのライン幅方向の予測位置Cを、スプレー装置34による塗布位置Aの直前すなわち直ぐ前方において指示するためのものである。本実施例の後方ガイド60は、スプレー装置34の左側部に基端が固定され且つ路面6に平行な棒状の支持ポール部62と、その支持ポール部62の車両外側の一端部に中間部付近が固定され、路面6に向けて突き出し且つ先端部が三つ又に等間隔に分岐された路面6に垂直な棒状の3本のガイドポール64a、64b、64cを備えたガイドポール部64とから構成されている。上記予測位置Cは、上記三つ又に分岐されたガイドポール部64の先端部の中央に位置するガイドポール64bにより指される位置である。
【0035】
車両12には、後方ガイド60と予め路面6上に描かれた目標線54とを撮影するための後方カメラ66が固設されている。本実施例では、この後方カメラ66は、荷台14の下面部に対してカメラ固定アーム67を介して取り外し可能な状態で固設されている。
【0036】
図1および図2に戻って、車両12の車室内には、前方カメラ48および後方カメラ60によりそれぞれ撮影された一対の画像Img1、Img2をそれぞれ同時に表示し、その一対の画像Img1、Img2が車室内の運転席から見える位置に設置されるパソコン120が備えられている。このパソコン120は、一対の画像Img1、Img2をそれぞれ表示するモニタ122と、そのモニタ122の画面表示を制御するモニタ制御装置124とを備えている。上記パソコン120は、本発明における画像表示装置に相当するものである。
【0037】
図6は、モニタ122の画面を示す図である。図6において、モニタ122は、前方カメラ48により撮影された前方画像Img1を表示する一方、その表示された前方画像Img1内の前方ガイド48のガイドポール部52が指す予測位置Bに一致し且つ目標線54と平行になるように設定される図中点線で示す前方予測線L1を、前方画像Img1上に表示する前方画像表示領域A1と、後方カメラ60により撮影された後方画像Img2を表示する一方、その表示された後方画像Img2内の後方ガイド60のガイドポール部64が指す予測位置Cに一致し且つ目標線54と平行になるように設定される図中点線で示す後方予測線L2を、後方画像Img2上に表示する後方画像表示領域A2とを有している。本実施例では、前方画像表示領域A1はモニタ122の2分割された画面のうち右側に配置され、後方画像表示領域A2はモニタ122の2分割された画面の左側に配置されている。
【0038】
また、モニタ122の画面は、その画面の所定の領域を指やペンで押すことによってモニタ制御装置124を操作する入力装置として機能するタッチパネル方式が採用されており、その画面の下には、押す度に上記前方画像表示領域A1内の前方予測線L1を所定方向に一定距離移動させるか或いは所定回転方向に一定角度回転させるためのボタンc〜fと、押す度に上記後方画像表示領域A2内の後方予測線L2を所定方向に一定距離移動させるか或いは所定回転方向に一定角度回転させるためのボタンg〜jとが配置されている。ボタンdは前方予測線L1を右方向に所定距離移動させるためのものであり、ボタンeは前方予測線L1を左方向に所定距離移動させるためのものである。また、ボタンcは前方予測線L1をその中間点において右まわりに所定角度回転させるためのものであり、ボタンfは前方予測線L1をその中間点において左まわりに所定角度回転させるためのものである。また、ボタンhは後方予測線L2を右方向に所定距離移動させるためのものであり、ボタンiは後方予測線L2を左方向に所定距離移動させるためのものである。また、ボタンgは後方予測線L2をその中間点において右まわりに所定角度回転させるためのものであり、ボタンjは後方予測線L2をその中間点において左まわりに所定角度回転させるためのものである。
【0039】
ここで、図6は、モニタ122の画面において、前方予測線L1が前方画像Img1内の前方ガイド48が指す予測位置Bに一致し且つ目標線54と平行に設定された状態を、また、後方予測線L2が後方画像Img2内の後方ガイド60が指す予測位置Cに一致し且つ目標線54と平行に設定された状態を、それぞれ示している。これに対して、図7は、前方予測線L1および後方予測線L2が予測位置Bおよび予測位置Cに一致していない状態を示している。この図7に示すような状態においては、例えばボタンc、e、h、およびjを適宜押すことで前方予測線L1および後方予測線L2が予測位置Bおよび予測位置Cに一致し且つ目標線54とそれぞれ平行になる状態に設定することができる。
【0040】
図8は、路面用ペイント塗布装置10に設けられた電子制御装置126の要部を説明する図である。図8において、本実施例の電子制御装置126は、スプレー装置34の位置決め制御やペイント放出制御、および路面用ペイントの温度制御等に関わるメイン制御装置26と、モニタ122の画面表示制御に関わるモニタ制御装置124とを備えている。これらモニタ制御装置124およびメイン制御装置26は、CPU、ROM、RAM、および入出力インターフェースなどをそれぞれ備えた所謂マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って入力信号を処理する。そして、モニタ制御装置124により例えばモニタ122の画面表示制御、および記憶装置127に記録されたデータの書き換え等が行われ、メイン制御装置26により例えばスプレーガン制御バルブ103、ビーズガン制御バルブ105、キャリッジ左右移動制御バルブ79、キャリッジ上下移動制御バルブ89、ガン上下位置制御バルブ109、および流量調整バルブ28の駆動制御が行われる。
【0041】
上記モニタ制御装置124とメイン制御装置26との間には、運転席表示パネル128、運転席中継ボックス130が設けられている。そして、モニタ122とモニタ制御装置124との間、モニタ制御装置124と表示パネル128との間、表示パネル128と運転席中継ボックス130との間、および運転席中継ボックス130とメイン制御装置26との間は、例えばシリアル通信用やパラレル通信用の通信ケーブルを介して相互に信号の授受が可能に接続されている。
【0042】
モニタ制御装置124には、前方カメラ56および後方カメラ66が撮影する画像を表す電気信号、タッチパネル方式のモニタ122に設けられたボタンc〜jがそれぞれ押されたことを表す信号等がそれぞれ供給されるようになっている。また、メイン制御装置26には、走行距離検出用および破線距離検出用のロータリエンコーダ98から出力されるパルス信号、路面用ペイントの温度を検出する温度センサ132からその路面用ペイントの温度を表す信号、操作装置134に設けられた各種ボタンやスイッチがそれぞれ作動させられたことを表す信号等がそれぞれ供給されるようになっている。
【0043】
上記操作装置134は、スプレー装置34の位置決め制御やペイント放出制御を行う操作者が操作し易い場所であって、例えば車両12の荷台14の左側部に設けられた柵などに設置される。この操作装置134には、例えば、操作装置134の電源スイッチ135と、キャリッジ左右移動装置68によりスプレー装置34を前記収容位置側に移動させるための右側移動選択位置、塗布作業位置側に移動させるための右側移動選択位置、および上記2つのどちらも選択しない原位置のいずれか1に選択的に切り換えられる左右移動スイッチ136と、キャリッジ上下移動装置70によりスプレー装置34を前記上昇位置に上昇させるための上昇選択位置、前記ペイント放出位置(下降位置)に下降させるための下降選択位置、および上記2つのどちらも選択しない原位置とのいずれか1に選択的に切り換えられる上昇下降スイッチ138と、押している間だけガン上下位置調整装置102によりスプレー装置34を上昇させるガン上昇寸動ボタン140と、押している間だけガン上下位置調整装置102によりスプレー装置34を下降させるガン下降寸動ボタン142と、押す度にペイントスプレーガン100の路面用ペイントの放出状態と放出停止状態とを切り換えるためのスプレーボタン144と、押す度にビーズガン101のビーズの放出状態と放出停止状態とを切り換えるためのビーズボタン146と、自動的にペイントスプレーガン100およびビーズガン101の放出状態を切り換えることによって実線を施工するための自動実線位置、車両12(ガンキャリッジ72)の走行距離に基づいて自動的にペイントスプレーガン100およびビーズガン101の放出状態を切り換えることによって破線を施工するための自動破線位置、車両12(ガンキャリッジ72)の走行距離に基づいて自動的にペイントスプレーガン100およびビーズガン101の放出状態を切り換えることによって破線を1区画分(実線1本)施工するための半自動破線位置のいずれか1に選択的に切り換えられる施工線種選択スイッチ148と、その施工線種選択スイッチ148により選択された線の自動施工を開始させるためのスタートボタン150と、その自動施工を停止させるためのストップボタン152と、施工線種選択スイッチ148の操作を操作装置134で行うか或いは運転席で行うかを選択するモード選択スイッチ154と、上下シリンダ97により走行距離検出装置36を路面6に接地させるように下降させる下降選択位置、および走行距離検出装置36を上昇させる上昇選択位置のどちらかに選択的に切り換えられる走行距離検出装置上下スイッチ156とを備えている。なお、前記施工線種選択スイッチ148により自動破線位置および半自動破線位置が選択された際に施工される破線の実線部および空線部の長さは、予め設定されている。
【0044】
図8において、モニタ制御装置124が備える予測線設定手段158は、前方画像表示領域A1に表示される前方画像Img1内の前方ガイド48が指す予測位置Bと前方予測線L1とが一致し、且つ前方予測線L1と目標線54とが平行になるように、前方画像表示領域A1内における前方予測線L1を設定し、また、後方画像表示領域A2に表示される後方画像Img2内の後方ガイド48が指す予測位置Cと後方予測線L2とが一致し、且つ後方予測線L2と目標線54とが平行になるように、後方画像表示領域A2内における後方予測線L2を設定する。具体的には、実際にモニタ制御装置124に供給されるボタンc〜jがそれぞれ押されたことを表す信号に基づいて、前方予測線L1や後方予測線L2をそれらボタンc〜j毎に予め決められた方向および量だけ各画像表示領域内で移動させる。
【0045】
メイン制御装置26が備えるライン長さ検出手段160は、スプレー装置34によって実線状または破線状に塗布される路面用ペイントのライン長さを、スプレー装置34による塗布時間内における車両12(ガンキャリッジ72)の走行距離に基づいて検出して、例えばメイン制御装置26のRAM等に記憶する。上記スプレー装置34による塗布時間内か否かは、例えば、実際に路面用ペイントが放出されていることを表すスプレーガン制御バルブ103への駆動信号に基づいてその駆動信号が出力されているか否かにより判断される。また、上記車両12(ガンキャリッジ72)の走行距離は、メイン制御装置26にロータリエンコーダ98から供給されるパルス信号の周期或いは周波数に基づいて検出される。なお、前記メイン制御装置26のRAM等に記憶されたライン長さや後述の破線ライン長さ及びライン本数は、必要に応じてモニタ制御装置124に供給されてそのモニタ制御装置124にて使用される。
【0046】
メイン制御装置26が備える破線距離算出手段161は、スプレー装置34によって破線状に塗布される路面用ペイントの破線ライン長さ(破線状の路面ライン4のうち実線部の長さ)を、スプレー装置34による破線塗布時間内における車両12(ガンキャリッジ72)の走行距離に基づいて検出して、例えばメイン制御装置26のRAM等に記憶する。上記スプレー装置34による破線塗布時間内か否かは、例えば、施工線種選択スイッチ148において自動破線位置または半自動破線位置が選択され且つスプレーガン制御バルブ103にペイントスプレーガン100をペイント放出状態とするための駆動信号が出力されているか否かに基づいて判断される。
【0047】
メイン制御装置26が備える破線ライン本数計数手段162は、スプレー装置34によって破線状に塗布される路面用ペイントのライン本数(破線状の路面ライン4の実線部の本数)を計数して記憶する。具体的には、破線ライン本数計数手段162は、施工線種選択スイッチ148において自動破線位置または半自動破線位置が選択されていることに基づいて破線施工状態であることを判断し、上記破線施工状態であると判断された場合に、スプレーガン制御バルブ103への駆動信号に基づいてスプレー装置34が放出停止状態から放出状態へ切り換えられた回数を検出し、その回数を上記ライン本数として例えばメイン制御装置26のRAM等に記憶する。
【0048】
モニタ制御装置124が備える施工実績データ生成記憶手段164は、ライン長さ検出手段160および破線ライン本数計数手段162によりそれぞれ検出されたライン長さおよびライン本数を含む施工実績データを生成して、例えば記憶装置127の記憶媒体に記憶する。本実施例では、例えば図9に示すように所定の書式に整理されて記憶される。図9において、表中の「施工距離」の「実績」とは、予めキーボード165等の入力装置から入力された「施工年月日」に示す日に施工された路面ライン4のライン長さであって、ライン長さ検出手段160により検出された路面用ペイントのライン長さに基づく値であり、また、表中の「施工距離」の「トータル」とは、「施工年月日」に示す日までの所定期間内(例えば所定道路の施工期間内)に施工された路面ライン4のライン長さであって、ライン長さ検出手段160により検出された路面用ペイントのライン長さの累積値に基づく値であり、また、表中の「破線本数」とは、「施工年月日」に示す日に施工された破線状の路面ライン4の実線部の本数であって、破線ライン本数計数手段162により検出された破線状に塗布される路面用ペイントのライン本数に基づく値である。なお、この施工実績データは、必要に応じて、例えばプリンター166等により紙等に印刷する、或いは、記憶装置127の記憶媒体から取り出して例えばパソコン120やそれ以外のパソコン等で使用することが可能である。上記記憶媒体は、例えば、MRAM、EEPROM、EPROM、またはNVRAM等の電源が切られても記憶した内容(記憶値)が保存される不揮発性のメモリ、または磁気ディスクや光磁気ディスク等である。
【0049】
以上のように構成された路面用ペイント塗布装置10においては、塗布作業開始に先立って、操作装置134が操作されてスプレー装置34が塗布作業位置に移動させられると共にペイント放出位置に下降させられる。そして、必要に応じて、上下位置微調整装置112、前後位置微調整装置116、および上下位置微調整装置118が操作されてスプレー装置34の塗布位置Aおよび上下位置(ライン幅)が調整される。さらに、操作装置134の施工線種選択スイッチ148が操作されて施工線種が選択される。
【0050】
そして、モニタ122の画面のボタンc〜jが操作されるに伴って、予測線設定手段158により、前方予測線L1が前方画像表示領域A1に表示される前方画像Img1内の前方ガイド48が指す予測位置Bに一致するように設定され、後方予測線L2が後方画像表示領域A2に表示される後方画像Img2内の後方ガイド48が指す予測位置Cに一致するように設定される。そして、予測位置Bおよび予測位置Cが路面6上に設けられた直線例えば目標線54に一致する状態において、モニタ122の画面のボタンc〜jが操作され、予測線設定手段158により、モニタ122の各画像表示領域内の前方予測線L1および後方予測線L2が目標線54とそれぞれ平行になるように設定される。
【0051】
路面用ペイントの塗布開始に伴って、操作装置134が操作されて例えばスタートボタン154が押されると、スプレー装置34のペイントスプレーガン100から路面用ペイントが放出され始めると共に、ビーズガン101からビーズが放出され始める。このとき、車両12は、モニタ122の画面表示が確認されつつ運転される。具体的には、路面用ペイントが直線状に塗布される場合には、前方画像表示領域A1に表示される前方画像Img1内の前方ガイド48が指す予測位置Bが目標線54に一致し、且つ後方画像表示領域A2に表示される後方画像Img2内の後方ガイド60が指す予測位置Cが目標線54に一致する状態が維持されるように運転される。また、路面用ペイントが曲線状に塗布される場合には、後方画像表示領域A2に表示される後方画像Img2内の後方ガイド60が指す予測位置Cが目標線54に一致する状態が維持されるように運転される。
【0052】
そして、ライン長さ検出手段160により、スプレーガン制御バルブ103への駆動信号に基づいて判断されるスプレー装置34による塗布時間内における、ロータリエンコーダ98から供給されるパルス信号に基づいて検出される車両12の走行距離に基づいて、スプレー装置34によって実線状または破線状に塗布される路面用ペイントのライン長さ(実線部長さ)が検出され、例えばメイン制御装置26のRAM等に記憶される。
【0053】
また、破線ライン本数計数手段162により、操作装置134の施工線種選択スイッチ148において自動破線位置または半自動破線位置が選択されていることに基づいて破線施工状態であることが検出され、スプレーガン制御バルブ103への駆動信号に基づいて、その破線施工状態が検出された時間内にスプレー装置34が放出停止状態から放出状態へ切り換えられた回数が検出され、その回数がスプレー装置34により破線状に塗布される路面用ペイントのライン本数として例えばメイン制御装置26のRAM等に記憶される。
【0054】
また、施工実績データ生成記憶手段164により、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイム毎に、ライン長さ検出手段160および破線ライン本数計数手段162によりそれぞれ検出されたライン長さおよびライン本数を含む施工実績データが生成されて、記憶装置127の記憶媒体に記憶される。この施工実績データは必要に応じてプリンター166等で出力されて、施工実績の管理に利用される。
【0055】
上述のように、本実施例の路面用ペイント塗布装置10によれば、車両12の直進時にペイントスプレーガン(ペイント放出装置)100により路面6上に塗布される路面用ペイントのライン幅方向の予測位置B、Cをそのペイントスプレーガン100による塗布位置Aより前方の路面6およびその塗布位置直前においてそれぞれ指示するための前方ガイド48および後方ガイド60と、それら前方ガイド48および後方ガイド60と予め路面6上に描かれた目標線54とをそれぞれ撮影するために車両12にそれぞれ固設される前方カメラ56および後方カメラ66と、それら前方カメラ56および後方カメラ66によりそれぞれ撮影された一対の画像Img1、Img2をそれぞれ同時に表示し、その一対の画像Img1、Img2が運転席から見える位置に設置されるパソコン120(画像表示装置)とを備えることから、車両12の運転席側(右側)とは反対側(左側)の側部にペイントスプレーガン100が設けられる場合であっても、パソコン120によって前方ガイド48および後方ガイド60と目標線54との位置関係が確認できるので、車両12の幅方向においてペイントスプレーガン100が設けられる側(左側)とは反対側(右側)の運転席から、前方ガイド48および後方ガイド60がそれぞれ指す予測位置B、Cが目標線54にそれぞれ一致しているか否かが確認され得る。
【0056】
また、本実施例の路面用ペイント塗布装置10によれば、パソコン120のモニタ122は、前方カメラ48により撮影された前方画像Img1を表示する一方、その表示された前方画像Img1内の前方ガイド48が指す予測位置Bに一致し且つ目標線54と平行になるように設定される図中点線で示す前方予測線L1を、前方画像Img1上に表示する前方画像表示領域A1と、後方カメラ60により撮影された後方画像Img2を表示する一方、その表示された後方画像Img2内の後方ガイド60が指す予測位置Cに一致し且つ目標線54と平行になるように設定される図中点線で示す後方予測線L2を、後方画像Img2上に表示する後方画像表示領域A2とを有しており、各画像表示領域に表示される前方ガイド48および後方ガイド60がそれぞれ指す予測位置B、Cと前方予測線L1および後方予測線L2とがそれぞれ一致するように、且つ前方予測線L1および後方予測線L2と目標線54とがそれぞれ平行になるように、各画像表示領域内の各予測線の位置をそれぞれ設定する予測線設定手段158を備えることから、パソコン120のモニタ122の各画像表示領域内に表示された前方予測線L1および後方予測線L2によって前方ガイド48および後方ガイド60がそれぞれ指す予測位置B、Cが明確となるので、前方ガイド48および後方ガイド60がそれぞれ指す予測位置B、Cが目標線54にそれぞれ一致しているか否かの確認が一層容易となる。
【0057】
また、本実施例の路面用ペイント塗布装置10によれば、ペイントスプレーガン100によって実線状または破線状に塗布される路面用ペイントのライン長さ(実線部の長さ)を、ペイントスプレーガン100による塗布時間内における走行距離に基づいて検出して記憶するライン長さ検出手段160と、ペイントスプレーガン100によって破線状に塗布される路面用ペイントのライン本数を計数して記憶する破線ライン本数計数手段162と、前記ライン長さおよびライン本数を含む施工実績データを生成して記憶する施工実績データ生成記憶手段164とを含むことから、例えば、記憶させた施工実績データをプリンター166で出力したり或いはパソコン120やそれ以外のパソコン等で編集することができるので、施工実績の管理が容易になるという利点がある。特に、路面ライン施工業者が路面ライン4の施工後において施工実績をまとめた書類を例えば施工工事の依頼者等に提出すべき場合において、その書類作成が容易になるという利点がある。
【実施例2】
【0058】
次に、本発明の他の実施例について説明する。なお、以下の実施例の説明において、前述の実施例と重複する部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0059】
図10は、本発明の他の実施例の路面用ペイント塗布装置10に備えられたパソコン120のモニタ122の画面を示す図である。図10において、本実施例のパソコン120のモニタ制御装置124が備える予測線設定手段158は、前方画像表示領域A1に表示される前方画像Img1内の前方ガイド48が指す予測位置Bとその前方画像表示領域A1の中央に表示された前方予測線L1とが一致し、且つ前方画像Img1内の目標線54と前方予測線L1とが平行になるように、前方画像表示領域A1内の前方画像Img1の配置を設定し、また、後方画像表示領域A2に表示される後方画像Img2内の後方ガイド60が指す予測位置Cとその後方画像表示領域A2の中央に表示された後方予測線L2とが一致し、且つ後方画像Img2内の目標線54と後方予測線L2とが平行になるように、後方画像表示領域A2内の後方画像Img2の配置を設定する。具体的には、本実施例のモニタ122の画面の下には、押す度に上記前方画像表示領域A1内の前方画像Img1を所定方向に一定距離移動させるか或いは所定回転方向に一定角度回転させるためのボタンc〜fと、押す度に上記後方画像表示領域A2内の後方画像Img2を所定方向に一定距離移動させるか或いは所定回転方向に一定角度回転させるためのボタンe〜jとが備えられており、予測線設定手段158は、モニタ制御装置124に供給されるボタンc〜jがそれぞれ押されたことを表す信号に基づいて、前方画像Img1や後方画像Img2をそれらボタンc〜j毎に予め決められた方向および量だけ各画像表示領域内で移動させる。
【0060】
上記以外の構成は実施例1と同じであり、また、前述の実施例1と同様に、車両12の運転席側(右側)とは反対側(左側)の側部にペイントスプレーガン100が設けられる場合であっても、パソコン120によって前方ガイド48および後方ガイド60と目標線54との位置関係が確認できるので、実施例1と同様の効果が得られる。また、パソコン120のモニタ122の各画像表示領域内に表示された前方予測線L1および後方予測線L2によって前方ガイド48および後方ガイド60がそれぞれ指す予測位置B、Cが明確となることも実施例1と同様であるので、本実施例においても前方ガイド48および後方ガイド60がそれぞれ指す予測位置B、Cが目標線54にそれぞれ一致しているか否かの確認が一層容易となる。
【0061】
以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、別の態様でも実施され得る。
【0062】
例えば、前記の実施例では、路面6上に予め目標線54が描かれ、前方ガイド48および後方ガイド60がそれぞれ指す予測位置B、Cがその目標線54に沿うように車両が運転されて路面用ペイントが塗布されていたが、これに限らず、例えば、前回施工された旧路面ラインの一部、例えばその旧路面ラインの幅方向の中央位置、一端位置、または他端位置等が目標線54に替わる目標線として使用されてもよい。
【0063】
また、前記の実施例において、スプレー装置34は車両12の進行方向においてその車両12の前輪と後輪との間に設けられていたが、これに限らず、例えば車両12の前輪の前方或いは後輪の後方に設けられてもよい。
【0064】
また、前記の実施例において、予測線設定手段158は、各画像表示領域に表示される前方ガイド48および後方ガイド60がそれぞれ指す予測位置B、Cと前方予測線L1および後方予測線L2とがそれぞれ一致するように、且つ前方予測線L1および後方予測線L2と目標線54とが平行になるように、各画像表示領域内の各予測線または各画像の位置をそれぞれ設定するものであったが、これに限らず、例えば、各画像表示領域に表示される前方ガイド48および後方ガイド60がそれぞれ指す予測位置B、Cと前方予測線L1および後方予測線L2とがそれぞれ一致するように、各画像表示領域内の各予測線または各画像の位置をそれぞれ設定するものであってもよい。
【0065】
また、前記の実施例において、各予測線はモニタ122に直線状に表示されるものであったが、これに限らず、点状或いはその他のマーク状に表示されるものであってもよい。要するに、モニタ122の各画像表示領域に表示される前方ガイド48および後方ガイド60がそれぞれ指す予測位置B、Cが明確となればよい。
【0066】
また、前記の実施例において、スプレー装置34は、液体を霧状またはそれに近い形態にして吹きつけるスプレー式のペイントスプレーガン100を備えて構成されていたが、これに限らず、他の形式例えば塗布式等であって路面用ペイントを路面6に向けて放出するペイント放出装置を備えて構成されてもよい。
【0067】
また、前記の実施例において、ガイドポール部52(64)は、先端部が三つ又に分岐された3本のガイドポール52a、52b、52c(64a、64b、64c)を備えていたが、先端部が1本のガイドポールから構成されていてもよい。要するに、車両12の進行時にスプレー装置34により路面6上に塗布される路面用ペイントのライン幅方向の予測位置B、Cを、スプレー装置34による塗布位置Aより前方の路面6および塗布位置直前においてそれぞれ指示することができればよい。
【0068】
また、前記の実施例において、第1ポンプ20および第2ポンプ22はシリンダ式の定容量型のものであったが、これに限らず、その他の形式の良く知られたポンプにより構成されてもよい。
【0069】
また、前記の実施例において、ペイントヒーター19は熱交換器を含んで構成されていたが、これに限らず、その他の良く知られた加熱器を含んで構成されてもよい。
【0070】
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0071】
6:路面
8:ハンドル
10:路面用ペイント塗布装置
12:車両
34:スプレー装置(ペイント放出装置)
48:前方ガイド
54:目標線
56:前方カメラ
60:後方ガイド
66:後方カメラ
120:パソコン(画像表示装置)
158:予測線設定手段
160:ライン長さ検出手段
162:破線ライン本数計数手段
164:施工実績データ生成記憶手段
A1:前方画像表示領域
A2:後方画像表示領域
A:塗布位置
B,C:予測位置
Img1:前方画像
Img2:後方画像
L1:前方予測線
L2:後方予測線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面を走行する車両の側部に設けられて該路面に向けて路面用ペイントを放出するペイント放出装置を備え、該車両の走行に伴って該路面上に路面用ペイントをライン状に塗布する路面用ペイント塗布装置であって、
前記ペイント放出装置は、前記車両の幅方向において該車両の運転席側とは反対側の側部に設けられており、
前記ペイント放出装置の車両前方側に位置するように前記車両に固設され、該車両の直進時に該ペイント放出装置により前記路面上に塗布される路面用ペイントのライン幅方向の予測位置を該ペイント放出装置による塗布位置より前方の路面において指示するための前方ガイドと、
該前方ガイドと予め前記路面上に描かれた目標線とを撮影するために前記車両に固設される前方カメラと、
前記前方ガイドの車両後方側に位置するように前記ペイント放出装置に固設され、前記ペイント放出装置により前記路面上に塗布される路面用ペイントのライン幅方向の予測位置を該ペイント放出装置による塗布位置直前において指示するための後方ガイドと、
該後方ガイドと前記目標線とを撮影するために前記車両に固設される後方カメラと、
前記前方カメラおよび後方カメラによりそれぞれ撮影された一対の画像をそれぞれ同時に表示し、該一対の画像が前記運転席から見える位置に設置される画像表示装置と
を、備えることを特徴とする路面用ペイント塗布装置。
【請求項2】
前記画像表示装置は、前記前方カメラにより撮影された前方画像を表示すると共に、該表示された前方画像内の前記前方ガイドが指す予測位置に一致するように設定される前方予測線を該前方画像上に表示する前方画像表示領域と、前記後方カメラにより撮影された後方画像を表示すると共に、該表示された後方画像内の前記後方ガイドが指す予測位置に一致するように設定される後方予測線を該後方画像上に表示する後方画像表示領域とを有しており、
各画像表示領域に表示される前記前方ガイドおよび後方ガイドがそれぞれ指す予測位置と前記前方予測線および後方予測線とがそれぞれ一致するように、各画像表示領域内の各画像または各予測線の位置をそれぞれ設定する予測線設定手段を備えることを特徴とする請求項1の路面用ペイント塗布装置。
【請求項3】
前記ペイント放出装置によって実線状または破線状に塗布される路面用ペイントのライン長さを、前記ペイント放出装置による塗布時間内における走行距離に基づいて検出して記憶するライン長さ検出手段と、
前記ペイント放出装置によって破線状に塗布される路面用ペイントのライン本数を計数して記憶する破線ライン本数計数手段と、
前記ライン長さおよびライン本数を含む施工実績データを生成して記憶する施工実績データ生成記憶手段と
を、含むことを特徴とする請求項1または2の路面用ペイント塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−1746(P2011−1746A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145528(P2009−145528)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000208525)株式会社ダイア (15)
【Fターム(参考)】