説明

車両における収納装置

【課題】車室に配置されたシート下方の空間から車両の前方に向かって出退可能とされる収納箱に対し、小物類の出し入れ操作をする場合において、この小物類が大きいものであったり、高さの高いものであるとしても、出し入れ操作が容易にできるようにする。
【解決手段】前後方向に延び、その後端部がガイドレール16に案内されて前、後方移動可能とされる一方、前端部が収納箱26に連結されるリンク49を設ける。ガイドレール16から前方に向かって収納箱26を離脱可能とし、この離脱状態の収納箱26がシート7前方の所定位置を越えて更に前方移動しようとすることをリンク49が阻止するようにする。所定位置における収納箱26の開口27のほぼ全体をシート7よりも前方に位置させる。所定位置における収納箱26を、ガイドレール16に案内されている状態の収納箱26よりも低い位置まで下方移動E可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室に配置されたシートの下方の空間から車両の前方に向かって出退可能とされる収納箱を備えた車両における収納装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記車両における収納装置には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、車両における収納装置は、車室に配置されて車室フロア側に支持されるシートと、上記車室フロアの上面とシートの下面との間の空間に設けられて上方に向かって開口し、ガイドレールに案内されて前、後方移動可能とされる収納箱とを備えている。
【0003】
上記収納箱を後方移動させてその全体が上記空間内に収納された「収納位置」から、上記収納箱を前方移動させれば、この収納箱の後部が上記ガイドレールに支持された状態で、上記収納箱の開口の前部のみが上記シートよりも前方に位置させられる。この状態において、このシートの前方域と、上記開口の前部とを通し収納箱に対して小物類の出し入れ操作が可能とされる。また、この状態から、上記収納箱を後方移動させれば、この収納箱は上記ガイドレールに案内されて、上記した「収納位置」に戻される。
【特許文献1】実開平5−13848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の技術では、収納箱に対する小物類の出し入れ操作は、上記収納箱の開口部の前部のみを通して可能とされている。このため、この収納箱の容積に合致するような大きさの小物類の出し入れ操作は煩雑になるおそれがある。
【0005】
また、高さが高い小物類の上記収納箱への出し入れ操作をするときには、この収納箱の高さは、ある程度低い方がこの操作は容易にできると考えられる。しかし、上記従来の技術では、この収納箱の高さは上記ガイドレールに支持された所定高さに定められている。このため、上記した高さの高い小物類についての出し入れ操作も、煩雑になるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、車室に配置されたシート下方の空間から車両の前方に向かって出退可能とされる収納箱に対し、小物類の出し入れ操作をする場合において、この小物類が大きいものであったり、高さの高いものであるとしても、上記出し入れ操作が容易にできるようにすることである。
【0007】
請求項1の発明は、車室3に配置されて車室フロア4側に支持されるシート7と、上記車室フロア4の上面とシート7の下面との間の空間15に設けられて上方に向かって開口し、ガイドレール16に案内されて前、後方移動A,B可能とされる収納箱26とを備えた車両における収納装置において、
前後方向に延び、その後端部が上記ガイドレール16に案内されて前、後方移動可能とされる一方、前端部が上記収納箱26に連結されるリンク49を設け、上記ガイドレール16から前方に向かって上記収納箱26を離脱可能とし、この離脱状態の収納箱26が上記シート7前方の所定位置を越えて更に前方移動しようとすることを上記リンク49が阻止するようにし、上記所定位置における収納箱26の開口27のほぼ全体を上記シート7よりも前方に位置させ、かつ、上記所定位置における上記収納箱26を、上記ガイドレール16に案内されている状態の収納箱26よりも低い位置まで下方移動E可能にしたことを特徴とする車両における収納装置である。
【0008】
請求項2の発明は、上記所定位置において、下方移動Eした収納箱26が上記車室フロア4上に載置されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の車両における収納装置である。
【0009】
なお、この項において、上記各用語に付記した符号や図面番号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
【発明の効果】
【0010】
本発明による効果は、次の如くである。
【0011】
請求項1の発明は、車室に配置されて車室フロア側に支持されるシートと、上記車室フロアの上面とシートの下面との間の空間に設けられて上方に向かって開口し、ガイドレールに案内されて前、後方移動可能とされる収納箱とを備えた車両における収納装置において、
前後方向に延び、その後端部が上記ガイドレールに案内されて前、後方移動可能とされる一方、前端部が上記収納箱に連結されるリンクを設け、上記ガイドレールから前方に向かって上記収納箱を離脱可能とし、この離脱状態の収納箱が上記シート前方の所定位置を越えて更に前方移動しようとすることを上記リンクが阻止するようにし、上記所定位置における収納箱の開口のほぼ全体を上記シートよりも前方に位置させている。
【0012】
このため、車室に配置されたシート下方の空間から車両の前方に向かって出退可能とされる収納箱に対し、小物類の出し入れ操作をする場合において、この小物類が大きいものであるとしても、上記収納箱を前方移動させて上記「所定位置」に位置させてやれば、上記シートに邪魔されることなく上記開口のほぼ全体を通して上記出し入れ操作ができ、よって、この出し入れ操作が容易にできる。
【0013】
また、上記収納箱を上記「所定位置」に設置させようとする場合には、まず、この収納箱をガイドレールから前方に向かって離脱させる。そして、次に、この収納箱の前方移動を上記リンクによって阻止させてやれば、上記「所定位置」への設置が達成される。よって、収納箱の過大な前方移動は上記リンクにより防止されて、上記「所定位置」への設置が迅速かつ正確にできるのであり、これにより、上記出し入れ操作がより容易にできる。
【0014】
また、上記所定位置における上記収納箱を、上記ガイドレールに案内されている状態の収納箱よりも低い位置まで下方移動可能にしている。
【0015】
このため、上記小物類の高さが高いものであるとしても、上記収納箱の下方移動により、この収納箱をより低く設置できる分、上記出し入れ操作が更に容易にできる。
【0016】
請求項2の発明は、上記所定位置において、下方移動した収納箱が上記車室フロア上に載置されるようにしている。
【0017】
このため、上記のように「所定位置」において上記収納箱を車室フロア上に載置させれば、上記収納箱を安定した状態にさせることができる。よって、上記小物類が重いものであるとしても、この小物類の上記収納箱に対する出し入れ操作も容易にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の車両における収納装置に関し、車室に配置されたシート下方の空間から車両の前方に向かって出退可能とされる収納箱に対し、小物類の出し入れ操作をする場合において、この小物類が大きいものであったり、高さの高いものであるとしても、上記出し入れ操作が容易にできるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための最良の形態は、次の如くである。
【0019】
即ち、車両における収納装置は、車室に配置されて車室フロア側に支持されるシートと、上記車室フロアの上面とシートの下面との間の空間に設けられて上方に向かって開口し、ガイドレールに案内されて前、後方移動可能とされる収納箱とを備える。
【0020】
前後方向に延び、その後端部が上記ガイドレールに案内されて前、後方移動可能とされる一方、前端部が上記収納箱に連結されるリンクが設けられる。上記ガイドレールから前方に向かって上記収納箱が離脱可能とされ、この離脱状態の収納箱が上記シート前方の所定位置を越えて更に前方移動しようとするとき、この前方移動を上記リンクが阻止する。上記所定位置における収納箱の開口のほぼ全体が上記シートよりも前方に位置させられる。上記所定位置における上記収納箱が、上記ガイドレールに案内されている状態の収納箱よりも低い位置まで下方移動可能とされている。
【実施例】
【0021】
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
【0022】
図1〜6において、符号1は自動車で例示される車両であり、矢印Frは、この車両1の進行方向の前方を示している。また、下記する左右とは、上記前方に向かっての車両1の幅方向をいうものとする。
【0023】
上記車両1の車体2の内部が車室3とされ、この車室3の下面は板金製の車室フロア4により形成されている。上記車室3に配置されて車室フロア4側に支持され、乗員を前向きの姿勢で着座可能とさせるシート7が設けられている。このシート7は、左右脚8,8により上記車室フロア4側に支持されるシートクッション9と、このシートクッション9の後端部から上方に向かって突設されるシートバック10とを備えている。
【0024】
上記シート7の足元空間において、小物類13を収納可能とさせる収納装置14が設けられている。以下、この車両1における収納装置14につき説明する。
【0025】
上記車室フロア4の上面とシート7のシートクッション9の下面との間の空間15にガイドレール16が設けられている。このガイドレール16は、前後方向にほぼ水平かつ直線的に延びる左右一対の主レール17,17と、これら各主レール17の後端部から上方に延出して、その延出端部が締結具18により上記シートバック10の後部下面側に締結される後レール19と、上記各主レール17の前端部から上方に延出して、その延出端部が締結具20により上記シートバック10の前部下面側に締結される前レール21とを備えている。
【0026】
上記各ガイドレール16がそれぞれ備える上記主レール17、後レール19、および前レール21は、一本の円形パイプ材を屈曲させることにより形成された一体物とされている。また、上記各前レール21の長手方向の中途部24は、平面視で、それぞれ外側方に向かって開くコの字形状となるよう屈曲形成され、上記各前レール21の中途部24はほぼ水平に延びている。
【0027】
上記空間15において、上方に向かって開口し、前、後方移動A,B可能となるよう上記ガイドレール16の各主レール17により案内される上記小物類13収納用の樹脂製収納箱26が設けられている。この収納箱26は、上記小物類13を収納可能とする箱本体28を備えている。この箱本体28は、全体的に直方体形状をなし、上端部に平面視で矩形の開口27を有している。
【0028】
上記箱本体28の左右各下側部の角部外面には、それぞれ前後方向に直線的かつ互いに平行に延びる係合溝29,29が形成されている。これら各係合溝29と上記ガイドレール16の各主レール17とが互いに係合し、これら両主レール17上に上記収納箱26が支持されている。そして、上記各主レール17上を上記各係合溝29の内面が摺動することにより、前記したように、ガイドレール16の各主レール17に案内されて、上記収納箱26が前、後方移動A,B可能とされる。
【0029】
上記箱本体28の前部には、その上縁部から前方かつ各外側方に向かって一体的に延出する外向きフランジ32と、この外向きフランジ32の延出端縁部から下方に向かって一体的に延出する前部延出片33、および左右一対の側部延出片34,34とが形成され、これら前部延出片33と各側部延出片34とは互いに一体的に形成されている。そして、上記外向きフランジ32と前部延出片33とにより、上記箱本体28の前部に把手35が形成されている。
【0030】
上記収納箱26が、上記ガイドレール16の各主レール17に案内されて後方移動Bさせられたとき(図1、図3〜6中実線)、上記収納箱26は、その全体が上記空間15内に収納され、この収納箱26の位置が「収納位置」とされる。
【0031】
上記のように収納箱26を「収納位置」にさせたとき、上記各前レール21の中途部24の上方近傍に上記収納箱26の外向きフランジ32の各側部が位置(当接含む)することとされる。また、この際、下方に向かって開口し、上記各前レール21の中途部24の前部に係脱可能に係合する係合凹部38が上記各側部延出片34に切り欠き形成されている。また、上記各係合凹部38に上記各前レール21の中途部24を係合させるよう弾性的に付勢する付勢体40が上記箱本体28の左右各側面にそれぞれ一体的に形成されている。また、上記各側部延出片34の後端縁部は後上方に向かって傾斜する傾斜縁部42とされている。
【0032】
上記収納箱26を「収納位置」に位置させたとき、この収納箱26は、その全体が上記ガイドレール16の各主レール17によって支持される。また、上記したように、各前レール21の中途部24の上方近傍に上記収納箱26の外向きフランジ32の各側部が位置すると共に、上記各前レール21の中途部24に上記係合凹部38が係合し、かつ、この係合を保持するように付勢体40により付勢される。このため、上記「収納位置」での収納箱26は、上記ガイドレール16上にがたつきなく固定される。
【0033】
上記収納箱26の前部を所定高さCにまで上昇させると(図3)、上記各係合凹部38に対する各前レール21の中途部24の係合が解除される。上記左右前レール21,21に架設され、これら左右前レール21,21を互いに結合させるストッパ41が設けられている。このストッパ41は、上記箱本体28が上記所定高さCを越えるよう過大に上昇するとき、この箱本体28の前部上面を当接させて、その過大な上昇を阻止する。
【0034】
上記箱本体28の後部の左右各側面の上部には、それぞれ前後方向にほぼ水平かつ直線的に延びる突条体44が一体的に形成されている。また、これら各突条体44の長手方向の中途部には、その長手方向に沿って断面が蟻溝形状の係合溝45が形成されている。また、上記各突条体44の前方近傍には、それぞれこの各突条体44の前端上面側から前下方に向かって延出するガイド体46が設けられ、これら各ガイド体46は、上記係合溝29の左右各側面に一体的に形成されている。
【0035】
上記ガイドレール16の各主レール17に架設され、これら各主レール17に案内されて前、後方移動A,B可能とされるスライダー48が設けられている。また、このスライダー48を介し上記各主レール17と収納箱26とを互いに連結させる左右一対のリンク49,49が設けられている。上記各リンク49の後端部は、上記スライダー48の各端部に形成された後枢支軸50により枢支されている。このため、上記各リンク49の後端部は、上記スライダー48を介し上記ガイドレール16の各主レール17に案内されて、前、後方移動A,B可能とされる。
【0036】
上記各突条体44の係合溝45には、これら係合溝45の長手方向に沿ってのみ、前後に移動可能とされる前枢支軸51が設けられている。上記各リンク49の前端部は、これら各リンク49の後端部側である後枢支軸50を中心として上下に回動D可能にされると共に、上記各前枢支軸51に枢支されて、上記収納箱26に連結されている。
【0037】
上記収納箱26の「収納位置」から、この収納箱26を前方移動Aさせようとするときには、まず、この収納箱26の把手35にその下方から手を掛けて、この収納箱26の前部を前記所定高さCまで上昇させ、上記各係合凹部38に対する各前レール21の中途部24の係合を解除する。すると、上記収納箱26は前方移動A可能とされる。
【0038】
上記状態から、収納箱26を前方移動Aさせると、まず、上記各前レール21の中途部24に上記ガイド体46の上面が摺接して、上記収納箱26の前部が下降させられ、上記各前レール21の中途部24の下側に上記各突条体44の上面側が向かわされる。更に、上記収納箱26を前方移動Aさせれば、この収納箱26の後部が上記ガイドレール16の各主レール17の前部にまで達して(図1中一点鎖線、図7中実線)、上記各前レール21の中途部24の下方近傍に上記各突条体44の上面が位置(当接含む)することとされている。つまり、上記収納箱26は、その後部が上記ガイドレール16の各主レール17の後部と各前レール21の中途部24とにより上下から挟まれて、上記ガイドレール16に片持ち状に支持される。
【0039】
上記の場合、上記収納箱26の開口27のうちの前部のみが上記シート7のシートクッション9よりも前方に位置させられる。この状態において、このシート7の前方域と、上記開口27の前部とを通し収納箱26に対して、比較的小形の小物類13の出し入れ操作が可能とされる。
【0040】
上記収納箱26は、上記ガイドレール16から前方に向かって離脱可能とされている。この離脱状態の収納箱26が、上記シート7前方域で、前後方向における「所定位置」に達したとき、上記各リンク49の後端部を枢支しているスライダー48が上記各主レール17の前端部に達して上記各前レール21に当接する。すると、それ以上の上記各リンク49の前方移動が阻止される。また、上記各リンク49の前端部を枢支している各前枢支軸51に対し上記係合溝29が前方に向かって摺動した後、上記各前枢支軸51に対し上記各突条体44の後端部が当接する。これにより、上記収納箱26が上記「収納位置」を越えて更に前方移動しようとすることは阻止される。
【0041】
そして、上記「所定位置」における収納箱26の開口27はその全体が上記シート7よりも前方に位置させられる。
【0042】
このため、車室3に配置されたシート7下方の空間15から車両1の前方に向かって出退可能とされる収納箱26に対し、小物類13の出し入れ操作をする場合において、この小物類13が大きいものであるとしても、上記収納箱26を前方移動Aさせて上記「所定位置」に位置させてやれば、上記シート7に邪魔されることなく上記開口27のほぼ全体を通して上記出し入れ操作ができ、よって、この出し入れ操作が容易にできる。
【0043】
また、上記収納箱26を上記「所定位置」に設置させようとする場合には、まず、この収納箱26をガイドレール16から前方に向かって離脱させる。そして、次に、この収納箱26の前方移動を上記リンク49によって阻止させてやれば、上記「所定位置」への設置が達成される。よって、収納箱26の過大な前方移動は上記リンク49により防止されて、上記「所定位置」への設置が迅速かつ正確にできるのであり、これにより、上記出し入れ操作がより容易にできる。
【0044】
また、上記「所定位置」における上記収納箱26は、上記ガイドレール16に案内されている状態の収納箱26(図1、図3〜7中実線、一点鎖線)よりも低い位置まで下方移動E可能とされている(図1,7中二点鎖線、図2)。
【0045】
このため、上記小物類13の高さが高いものであるとしても、上記収納箱26の下方移動Eにより、この収納箱26をより低く設置できる分、上記出し入れ操作が更に容易にできる。
【0046】
また、前記したように、所定位置において、下方移動Eした収納箱26が上記車室フロア4上に載置されるようにしている。
【0047】
このため、上記のように「所定位置」において上記収納箱26を車室フロア4上に載置させれば、上記収納箱26を安定した状態にさせることができる。よって、上記小物類13が重いものであるとしても、この小物類13の上記収納箱26に対する出し入れ操作も容易にできる。
【0048】
上記「所定位置」から収納箱26を「収納位置」に戻す場合には、上記突条体44を把持するなどして、上記収納箱26の後部を上記ガイドレール16の各主レール17の前部と各前レール21の中途部24との間に差し込む(図1中一点鎖線、図7中実線)。次に、上記収納箱26を後方移動Bさせれば、まず、上記付勢体40の付勢力に対抗しながら、上記各傾斜縁部42が上記各前レール21の中途部24を後方に向け摺動することにより、上記収納箱26の前部が所定高さCに上昇させられる。次いで、上記各係合凹部38が上記各前レール21の中途部24に係合させられて、上記収納箱26が「収納位置」に戻される。
【0049】
なお、図7中三点鎖線で示すように、上記収納箱26の後部に回動式のハンドル54を設け、このハンドル54を把持することにより上記収納箱26の昇降をさせるようにしてもよい。
【0050】
また、以上は図示の例によるが、上記収納箱26を「所定位置」に位置させたとき、この収納箱26の開口27のうち、わずかな後端部のみが、上記シート7のシートクッション9の下方に位置するようにしてもよい。つまり、上記「所定位置」の収納箱26において、その開口27の全体ではないが、ほぼ全体を上記シート7よりも前方に位置させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】収納装置の全体側面図である。
【図2】収納箱を「所定位置」に位置させたときの収納装置の斜視図である。
【図3】図1の部分拡大詳細図である。
【図4】図3で示したものの平面図である。
【図5】図3で示したものの正面図である。
【図6】図3のVI−VI線矢視断面図である。
【図7】図1の部分拡大詳細図である。
【符号の説明】
【0052】
1 車両
2 車体
3 車室
4 車室フロア
7 シート
8 脚
9 シートクッション
10 シートバック
13 小物類
14 収納装置
15 空間
16 ガイドレール
17 主レール
26 収納箱
27 開口
28 箱本体
29 係合溝
44 突条体
45 係合溝
48 スライダー
49 リンク
50 後枢支軸
51 前枢支軸
54 ハンドル
A 前方移動
B 後方移動
C 所定高さ
D 回動
E 下方移動

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室に配置されて車室フロア側に支持されるシートと、上記車室フロアの上面とシートの下面との間の空間に設けられて上方に向かって開口し、ガイドレールに案内されて前、後方移動可能とされる収納箱とを備えた車両における収納装置において、
前後方向に延び、その後端部が上記ガイドレールに案内されて前、後方移動可能とされる一方、前端部が上記収納箱に連結されるリンクを設け、上記ガイドレールから前方に向かって上記収納箱を離脱可能とし、この離脱状態の収納箱が上記シート前方の所定位置を越えて更に前方移動しようとすることを上記リンクが阻止するようにし、上記所定位置における収納箱の開口のほぼ全体を上記シートよりも前方に位置させ、かつ、上記所定位置における上記収納箱を、上記ガイドレールに案内されている状態の収納箱よりも低い位置まで下方移動可能にしたことを特徴とする車両における収納装置。
【請求項2】
上記所定位置において、下方移動した収納箱が上記車室フロア上に載置されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の車両における収納装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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