説明

車両のためのモノスタティック・マルチビームレーダセンサ

本発明は、複数の送受信アンテナ(10、10’)を備えた、車両のためのレーダセンサであって、複数の送受信アンテナ(10、10’)は、方位指向性が互いに異なり、送信信号と受信信号を混合する混合器(12、12’)を各々に割り当てられ、混合器の少なくとも一つ(12)が転送混合器であり、混合器の少なくとも他の一つ(12’)が相対的に低い転送電力を有する、レーダセンサにおいて、転送電力が互いに異なる混合器(12、12’)に対する送受信アンテナ(10、10’)の割り当てが非対称的であることを特徴とする、レーダセンサに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の送受信アンテナを備えた、車両のためのレーダセンサであって、複数の送受信アンテナは、その方位指向性(azimutale Richtcharakteristik)が異なり、送信信号と受信信号とを混合する混合器が1つずつ割り当てられ、混合器の少なくとも一方は転送混合器であり、混合器の少なくとも他方はより少ない転送電力を有する、レーダセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
レーダセンサは、車両では運転者支援システムとの関連で、車両の周辺環境における物体、特に、先行する他の走行車両の位置を測定し、その間隔および相対速度を測定するために使用される。このようなレーダセンサの測定データに基づいて、例えば、ACC(適応走行制御)システムの場合には、特定の希望速度に対して自車両の速度を自動的に制御するのみならず、先行車両の位置が測定される限り、先行車両の速度に対して自動的に調整することも可能であり、従って、この車両は、適切な安全間隔を保って追走される。車両でのレーダセンサの他の利用例は、衝突予知セーフティシステム(PSS:praediktive Sicherheitssysteme)である。衝突予知セーフティシステムは、差し迫る衝突を可能な限り早期に検出し、衝突を可能な限り回避する、または少なくとも衝突の影響を可能な限り軽減するための処置を自動的に取る役目を果たす。
【0003】
1つの同一のアンテナ素子がレーダ信号を送信すると同様に、物体で反射された信号を受信する役目を果たすレーダセンサは、モノスタティック・レーダセンサと呼ばれる。割り当てられる混合器は、送信信号の一部と、受信信号とを混合し、このような中間周波数信号を生成する役目を果たす。中間周波数信号の周波数は、送信信号と受信信号との間の周波数差に対応する。この周波数差は、ドップラー効果に基づいて、反射する物体の相対速度に依存する。送信信号の周波数が連続的に変調されるレーダシステムの場合、例えば、FMCWレーダ(Frequency Modulated Continuous Wave)の場合には、周波数差はさらに信号の往復時間にも依存する。従って、公知の評価技術を用いて、物体の測定信号から、この間隔および相対速度を得ることが可能である。
【0004】
その方位指向性が異なる複数の送受信アンテナを備えるマルチビームレーダセンサは、さらに、測定された物体の方位角を決定することも可能にする。指向性に影響を与えるために、例えば、レーダ波のために屈折光学レンズを設けることが可能である、および/または、関与するアンテナ素子の回折効果および干渉効果を利用することが可能である。光学レンズを備えたレーダセンサの場合、例えば、複数の送受信アンテナは、水平線上にレンズの光軸に対して少しずれて配置されている。従って、その主光線方向、および対応して、その主感度方向が幾らか互いに異なっている。様々な経路から(すなわち、様々な送受信アンテナから)受信される信号の振幅および/または位相を比較することによって、物体の方位角、すなわち、センサから物体が検出される方向角が決定される。
【0005】
車両ための進化したレーダシステムの場合、システムは、移動する物体、すなわち特に、他の走行車両のみならず、例えば停止中の車両、または車道のそれ以外の障害物のような静止物体にも反応することが求められる。走行車両は、その固有運動、および、測定された相対速度と自車両の走行速度との間の対応する差異によって比較的容易に検出されるが、静止物体の場合は、物体と、運転者支援システムの各タスクとの関連を評価することが基本的により困難である。さらに、例えば都市交通のような構造物が多い環境では、一般に、レーダセンサの測定領域に相当な数の静止物体が存在し、これによって、複数の信号の評価が著しく困難になる。
【0006】
この理由から、可能な限り最初から、運転者支援システムにより遂行されるタスクにも本当に関連する物体の信号のみが受信されるように、レーダセンサの視界または測定領域を構成することが望ましい。従って、特に測定領域は、車両の外の遠くに存在する物体のレーダエコーが可能な限り受信されないように、形成されるべきである。一方、例えば間隔制御システム(ACC)のためのレーダセンサ(LRR;Long Range Radar、長距離レーダ)は、約200m以上の可能な限り大きな射程範囲を有するべきであろう。レーダ光線の避けられない発散のために、間隔が比較的大きな場合には、すぐ近くの車道領域に測定領域を限定することはほとんど不可能である。
【0007】
独国特許出願公開第102004030755号明細書では、マルチビームレーダ、例えば、4つの送受信アンテナを備えるレーダセンサにおいて、両側の外側のアンテナの送信電力を、両側の内側のアンテナの送信電力に対して対称的(symmetrisch)に低減することが公知である。この方法で、両側の内側のアンテナによって、大きな射程範囲と、大きな間隔でも比較的幅の狭い測定領域とが実現される一方、より弱い周縁光線(Randstrahl)によって、比較的小さな間隔の場合の測定領域の十分な幅が保証される。
【0008】
様々な光線の送信電力は、例えば、対応する混合器の構成によって調整される。典型的に、ここで考察される形態のレーダセンサでは、転送混合器(Transfermischer)が使用される。転送混合器では、受信信号と混合するために利用される送信信号の一部が、アンテナへと導く線に転送され、従ってアンテナを介して放出される。一方、実際にはアンテナ線への送信信号の転送が行なわれない分離混合器(Isolationsmischer)が公知である。従って、このような混合器が割り当てられるアンテナは、他のアンテナにより送信された信号のみを受信することが可能であり、この受信された信号は、その後混合器において送信信号と混合される。その際、純粋な転送混合器と、純粋な分離混合器との間で、全構想可能な格付けが可能である。アンテナ線に転送される信号の相対的な強さは、ここでは「転送電力」(“Transferleistung”)と呼ばれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、測定範囲の、各適用に調整された形態が簡単な方法で実現される、車両のためのレーダセンサを創出することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、本発明に基づいて、その転送電力が異なる混合器に対する送受信アンテナ(Sende− und Empfangsantenne)の割り当てを非対称的にすることによって、解決される。
【0011】
従って、本発明に基づくレーダセンサの場合には、少なくとも2つの送受信アンテナが存在する。少なくとも2つの送受信アンテナは、センサの中軸に関して互いに対称的に存在し、対応する混合器がその転送電力において互いに異なっている。その結果は、非対称的な測定領域をもたらす。
【0012】
従って、本発明は簡単な手段によって、特に、対称的な測定領域を有する従来のレーダセンサもそれで組み立てられる同一の構成要素を利用して、非対称な測定領域を有するレーダセンサを製造することを可能にする。従って、測定領域は、該当するセンサの各タスクに対して適切に調整される。
【0013】
本発明の特別な適用可能性は、車両に2つのレーダセンサを装備することである。2つのレーダセンサは、車両の左側および右側に配置され、非対称的な、例えば互いに左右対称の(spiegelbildlich)測定領域を有している。両測定領域が重なることによって、射程範囲を損なうことなく、全体としてより広い測定領域が獲得される。これにより、近接領域における死角が明らかに低減される。
【0014】
その際、例えば間隔制御に特に関連する、方位角0の近くの領域において、かつ、大きな間隔および中距離の間隔の場合に、両レーダセンサの測定領域が重なることによって高い冗長性が実現され、測定周期ごとの物体の「追跡」(“Tracking”)が容易になることも、特に有利である。さらに、同一の物体について様々なレーダセンサにより獲得される方位角を調整することによって、物体の厳密な位置をより正確に決定することが可能である。
【0015】
本発明は、任意の数の送受信アンテナを備えるセンサに利用可能である。同様に、混合器に関して、純粋な転送混合器と純粋な分離混合器との間の中間形態の、全構想可能な組み合わせが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施形態が図面に示されており、以下の明細書の記載において詳細に解説される。
【図1】理想型の転送混合器の概略図である。
【図2】理想型の分離混合器の概略図である。
【図3】本発明に基づくレーダセンサの概略図である。
【図4】図3に基づくレーダセンサのアンテナパターンである。
【図5】図3に記載のレーダセンサの測定領域の、一定の縮尺に従わない図である。
【図6】本発明に基づく2つのレーダセンサおよび対応する測定領域を有する車両の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1には、レーダセンサのアンテナ10、および対応する混合器12の簡略化された回路図が示されている。混合器12には、図3に示される発振器16の送信信号S、例えば、周波数が76GHzの信号が、給電線14を介して供給される。混合器12とアンテナ10とを接続するアンテナ線18を介して、混合器は、アンテナ10により受信される信号Eを獲得する。さらに、これら両信号を混合することによって、混合器は、中間周波数信号Zを生成する。中間周波数信号Zは、出力線20を介して、図示されない評価回路へと出力される。
【0018】
混合器12においては、実際には、組み込まれた構成要素(MMIC:モノリシックマイクロ波集積回路)が関わっており、この例では転送混合器として構成されている。このことは、送信信号Sの電力の一部がアンテナ線18へと転送され、アンテナ10を介して放出されることを意味し、従って、アンテナ10は、送受信アンテナとして機能する。対応する信号フローが、図1に矢印で表されている。アンテナ線18上では、逆方向の2つの信号フローが生じていることが分かる。これに対応して、両方向矢印Aは、アンテナ10がレーダ光線を送信すると同様に、受信することを表している。
【0019】
図2は、アンテナ10’および対応する混合器12’のための対応する回路図を示す。図1に記載の回路図との違いは、混合器12’が分離混合器として構成されていることにある。このことは、(理想的な場合に)給電線14からアンテナ線18へと電力が転送されないことを意味する。従って、アンテナ10’は、この理想的な場合に純粋な受信アンテナとして機能し、これは一方向の矢印Bで表されている。これに対応して、アンテナ線18上でも、一方向、すなわち混合器12’への方向の信号フローのみが存在する。
【0020】
実際には、図2に記載の混合器12’も送信信号Sの電力の僅かな部分を、アンテナ線18へと転送することが可能であり、従って、アンテナ10’も弱い信号を送信する。一般に、純粋な転送混合器と純粋な分離混合器との間の各中間形態が実現されるように、すなわち、転送電力、すなわちアンテナ線18上で転送される電力の割合が必要に応じて調整されるように、MMICは構成される。
【0021】
図3は、本発明の実施形態に基づくレーダセンサ22の概略図を示す。基板24上には、全部で4つのアンテナ10、10’が、取り付け位置において水平線上に等間隔にあるように、配置されている。アンテナ10への間隔において、共通レンズ26は、アンテナがほぼレンズの焦点面にあるように、配置されている。レンズ26は、レーダセンサの光軸28を定める。アンテナ10は光軸28に対して様々な距離でずれているので、その光線は、レンズ26によって、少しずつ異なる方位角において放出される4つの光線30a〜30dに収束される。
【0022】
放出方向が右の光線30aおよび30bを生成する、図3の2つの上のアンテナ10には、転送混合器として機能する混合器12がそれぞれ割り当てられている。これに対して、他の2つのアンテナ10’には、明らかにより少ない転送電力を有し、従ってここでは簡単に分離混合器と呼ばれるべき混合器12’が割り当てられている。両方向矢印、または図3の矢印によって、アンテナ10が送受信アンテナとして機能することが表されている。一方、アンテナ10’は主に受信アンテナとして機能し、その際、他の2つのアンテナ10により送信された信号のエコーを受信する。
【0023】
本明細書で記載するレーダセンサ22の特徴は、対応する混合器12の転送電力に関して異なるアンテナ10および10’の配置が、センサの光軸28に関して非対称であることにある。示される例では、送信電力が強い2つのアンテナ10が光軸の一方の側に存在し、送信電力が弱い、または送信電力がない2つのアンテナ10’が、光軸の他方の側に存在する。
【0024】
対応するアンテナパターンが図4に示されている。図4の曲線32は、方位角に従ったレーダセンサ22の送信ゲイン全体を示している。送信されるレーダ光線は、光軸28に対して同じ側にずれている2つのアンテナ10のみから発せられるので、曲線32は、方位角0°ではなく、示される例では約+6°の特定の方位角α0の場合に、その最大値を有する。主光線角α0に関して、曲線32により示される送信ゲインは基本的に対称的である。なぜならば、実際には、その混合器12が同一の構成を有し、ほぼ同じ強さの信号がアンテナへと転送される2つのアンテナ10がこのゲインに貢献しているからである。
【0025】
図4の曲線34a〜34dは、各個々の光線30a〜30dについての2方向ゲイン(Zweiwege−Gewinn)(送信および受信ゲイン)を示す。送信アンテナ10に対応する曲線34aおよび34bは、最高の主要最大値を有し、この最大値は、主光線角α0に対して対称的に存在する。理由は、このアンテナが、その送信ゲインが最大である方向において、その最大感度を有することである。
【0026】
これに対して、非送信アンテナ10’に対応する曲線34cおよび34dは、より弱い主要最大値を有し、さらに、主光線角α0に対して非対称に存在する。さらに、曲線34dの場合は、主要最大値が曲線34cの場合よりも小さい。なぜならば、曲線34dに対応するアンテナは、2つの送信アンテナ10から比較的電力が少なく放出される方向について、その最大感度を有するからである。
【0027】
レーダセンサ22までの所定の間隔内に存在する物体が、レーダセンサによって実際に測定可能であるように、4つのアンテナの少なくとも1つの2方向ゲインは、特定の検出閾値を超えている必要がある。このような検出閾値の例が、図4では、水平線36として示されている。この検出閾値と、レーダセンサの2つの周縁光線30aおよび30dに対応する曲線34aおよび34dとの交点が、レーダセンサ22がこの所定の間隔について有する測定領域の区間境界α1、α2を定める。この測定範囲は、方位角0°に関して非対称的であるだけではく、主光線角α0に関しても非対称的であることが分かる。測定領域の左の境界α1は、α0から約18°の角距離を有し、一方、右の境界α2は、α0から約8°の距離を有する。
【0028】
各構想可能な物体の距離について、測定閾値36に対応する測定閾値、および、測定領域の対応する境界を決定する場合に、本明細書で記載するセンサのために図5に示されるような、測定領域38が全体として獲得される。測定領域38は、ここでは、座標系で示されており、「距離」(“Entfernung”)で示されるそのY軸が、車両の縦軸と並行して通っている。一方、「横方向オフセット」(“Lateralversatz”)で示されるX軸は、車両の横軸に対応する。その際、この例では、レーダセンサ22が、車両の縦軸(Y軸)が方位角0°ではなく、むしろ主光線角α0に対応するように、車両に組み込まれていることが想定された。換言すれば、2つの送信アンテナ10のオフセットに起因する、主光線方向の角度偏差が、レーダセンサの対応する組込みによって、はるかに補正された。
【0029】
これに対して、混合器12および12’に対するアンテナの異なる割り当てによって生じ、図4の曲線34a〜34dの非対称な図につながる非対称性は、補正されない。この非対称性は、図5の測定領域において再び見られる。特に、右側の測定領域が約15mの横方向オフセットまでにしか達しない一方、左側の測定領域は、約25mの横方向オフセットまで達することが分かる。左側には、測定領域は、2つの「隆起」(“Ausstuelpung”)38c、38dを有する。2つの「隆起」38c、38dは、図4の曲線34cおよび34dの主要最大値に対応しており、右側には存在していない。主光線方向の近くには、測定領域38は、図4の曲線34a、34bの主要最大値に対応する2つのメインローブ38aおよび38bを有する。
【0030】
図6では、フロントバンパーの領域に、2つのレーダセンサ22Lおよび22Rが、車両の左側および右側にそれぞれ1つずつ組み込まれた車両40の概略図が示されている。この両レーダセンサ22L、22Rは、原則的に、図3で示したレーダセンサ22と同一の構造を有するが、互いに左右対称に構成されており、従って、その測定領域38L、38Rも、互いに左右対称である。さらに、両測定領域38Lおよび38Rは、レーダセンサ22Lおよび22Rのオフセットに対応して、横方向に互いにずれている。測定領域38Lおよび38Rの各それぞれは、それ自体が、図5の測定領域38と同じ非対称を有する。しかし、センサの左右対称の配置に基づいて、全体として再び、対称的な測定領域が、2つのセンサから成る測定システム全体のために実現される。
【0031】
2つの非対称な、基本的に互いに左右対称の測定領域が重なることは、一連の基本的な利点を有する。
【0032】
1つには、全体の測定領域が、比較的大きな距離範囲に渡って、比較的一定の幅を有するように実現される。従って、間隔が大きくなるにつれて無関係な車道の外側に存在する物体がますます視界に入って来ることなく、十分な測定深度が実現される。その一方、間隔が小さい場合には、たいした死角が発生することなく、実際に切れ目のない前方領域の監視が可能になる。
【0033】
測定領域38Lおよび38Rそれぞれの比較的大きな中心域において、物体を、少なくとも2つのアンテナによって測定することが可能であり、従って、振幅および位相の評価によって、物体の方位角を決定することが可能である。測定領域38Lおよび38Rが重なる領域では、さらに、測定された間隔および相対速度、ならびに方位角(後者についてはレーダセンサ22Lと22Rとの間のオフセットを考慮)も、互いに調整することが可能であり、従って、より高い測定精度および信頼性が実現される。検証のために、物体の測定された方位角を、追加的に三角測定によっても計算することが可能である。両レーダセンサ22L、22Rの1つの、場合による誤り調整も、この方法で検出され、数学的に補正される。
【0034】
記載された実施形態は、多様な形態において変更される。例えば、他の数の光線を備えるレーダセンサ、例えば、3つ、または6つの光線を有するレーダセンサを利用することが可能である。4つの光線を備えるレーダセンサの場合、例えば、3つの転送混合器と11つの分離混合器を互いに組み合わせることも可能である。対応して、他の数の光線を備えるセンサの場合にも、混合器型の異なる組み合わせも可能である。3つ以上の異なる混合器型、例えば、純粋な転送混合器、純粋な分離混合器、および中程度の転送電力の混合器を設け、これら混合器を非対称に、様々なアンテナに割り当てることも可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の送受信アンテナ(10、10’)を備えた、車両のためのレーダセンサであって、前記複数の送受信アンテナ(10、10’)は、方位指向性が互いに異なり、送信信号(S)と受信信号(E)を混合する混合器(12、12’)を各々に割り当てられ、前記混合器の少なくとも一つ(12)が転送混合器であり、前記混合器の少なくとも他の一つ(12’)が相対的に低い転送電力を有する、レーダセンサにおいて、
転送電力が互いに異なる前記混合器(12、12’)に対する前記送受信アンテナ(10、10’)の割り当てが非対称的であることを特徴とする、レーダセンサ。
【請求項2】
前記混合器の少なくとも一つ(12’)は、転送電力が略0に等しい分離混合器であることを特徴とする、請求項1に記載のレーダセンサ。
【請求項3】
偶数の送受信アンテナ(10、10’)を有し、
前記送受信アンテナ(10)の一方の半分のための前記混合器(12)は、主に転送混合器として構成され、
前記送受信アンテナ(10’)の他方の半分のための前記混合器(12’)は、主に分離混合器として構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載のレーダセンサ。
【請求項4】
主に分離混合器として構成される混合器(12’)は、同一方位における指向性がレーダセンサの光軸(28)と異なる送受信アンテナ(10’)に対応することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーダセンサ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の少なくとも1つのレーダセンサ(22L、22R)を有することを特徴とする、車両。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の少なくとも2つのレーダセンサ(22L、22R)を有することを特徴とする、請求項5に記載の車両。
【請求項7】
前記レーダセンサ(22L、22R)は、車両の横方向に互いにずれて配置され、
前記レーダセンサの非対称的な測定範囲(38L、38R)は、互いに左右対称となるように構成されることを特徴とする、請求項6に記載の車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−536047(P2010−536047A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520510(P2010−520510)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【国際出願番号】PCT/EP2008/058049
【国際公開番号】WO2009/021768
【国際公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(501125231)ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (329)
【Fターム(参考)】