説明

車両のアイドリング停止システム

【課題】 アイドリングを停止させるために必要な情報を確実に送信することができ、設備コストの低減を図ることのできる車両のアイドリング停止システムを提供する。
【解決手段】 信号生成部10から送られる赤信号の点灯残り時間情報に基づいてLED点灯部8に可視光信号として発信させる信号制御部9と、受光器13により受光された可視光信号に基づいてLED点灯部8から送信された情報を生成する提供信号生成部14と、提供信号生成部14から送られる赤信号の残り時間情報とあらかじめ設定されたしきい値とを比較して赤信号の残り時間がこのしきい値より大きい場合に車両5のエンジンを停止させるように制御する車両制御部15と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両のアイドリング停止システムに係り、特に、交差点で車両が停止した際に、エンジンを停止してアイドリングを停止させるための車両のアイドリング停止システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、環境汚染保護対策やエネルギー資源保護のために、交差点で信号灯器の赤信号表示により、車両が停止した際に、エンジンを停止してアイドリングを停止させるための車両のアイドリング停止システムが用いられており、このようなシステムとしては、例えば、車両のブレーキがかかっている状態およびミッションのシフトレバーがパーキングポジションに切り換えられている状態で、車両の制御装置により、エンジンを停止させるようにしたシステムがある。このようなシステムにおいては、運転者がシフトレバーをドライブポジションに操作したことにより、再びエンジンが始動するようになっている。
【0003】
しかしながら、このような従来のシステムにおいては、運転者により、車両のブレーキがかけられ、かつ、シフトレバーがパーキングポジションに操作された場合に、アイドリングが停止されるものであるため、信号灯器の赤信号の点灯タイミングによっては、アイドリングが停止した後、直ちにエンジンを始動させる場合があり、このような場合には、環境汚染保護に対して効果が期待できないという問題がある。
【0004】
そのため、従来から、交差点での信号機情報を信号機から受信し、この信号機情報に基づいて交差点での信号待ち状態の時にエンジン停止を自動的に行い、信号待ち状態でのエンジン停止時に前方車両状態情報受信部によりエンジン再始動情報を受信することによりエンジン運転を開始するとともに、エンジン再始動情報を自車状態情報送信部によって後方車両に対して送信するようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−206781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1に記載の技術では、各交差点に信号機情報を発信するための発振器や、後方車両にエンジン再始動情報を送信するための送信部などを設ける必要があり、設備コストが高くなってしまうという問題を有している。
【0007】
また、信号機情報を無線通信で送信するものであるため、指向性がなく、車両で受信した信号機情報を自車両の走行方向に関する情報であるか、この走行方向と交差する方向に関する情報であるか、さらに、近くに設置された他の信号機からの信号機情報であるかといった判別制御が極めて困難となってしまうという問題を有している。
【0008】
本発明は前記した点に鑑みてなされたものであり、アイドリングを停止させるために必要な情報を確実に送信することができるとともに、設備コストの低減を図ることのできる車両のアイドリング停止システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は前記目的を達成するために、請求項1の発明に係る車両のアイドリング停止システムは、交差点に設置される信号灯器に設けられ点灯表示を行うLED点灯部と、
前記信号灯器に設けられ前記信号灯器による赤信号の点灯残り時間情報を生成する信号生成部と、
前記信号灯器に設けられ信号制御装置の灯器開閉部から送られる点灯制御信号および前記信号生成部から送られる赤信号の点灯残り時間情報に基づいて、前記LED点灯部を点灯制御するとともに、前記LED点灯部に前記赤信号の残り時間情報を可視光信号として発信させる信号制御部と、
車両に搭載され前記LED点灯部から発信される可視光信号を受光する受光器と、
前記受光器により受光された可視光信号に基づいて、前記LED点灯部から送信された情報を生成する提供信号生成部と、
前記車両に搭載され前記提供信号生成部から送られる情報に基づいて、前記車両のエンジンを停止させるように制御する車両制御部と、
を備えており、
前記車両制御部は、前記提供信号生成部から送られる赤信号の残り時間情報と、あらかじめ設定されたしきい値とを比較し、赤信号の残り時間がこのしきい値より大きい場合に、車両のエンジンを停止させるように制御するように構成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記車両制御部は、前記提供信号生成部から送られる赤信号の残り時間情報と、発進までの予測時間とを比較し、発進までの予測時間が赤信号の残り時間より大きい場合に、車両のエンジンを停止させるように制御するように構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2において、前記信号生成部は、前記信号灯器の設置位置情報を生成し、前記信号制御部は、設置位置情報をに基づいて前記LED点灯部に設置位置情報を可視光信号として発信させるものであり、
前記車両制御部は、前記提供信号生成部から送られる前記信号灯器の設置位置情報と、前記車両に搭載されたカーナビゲーションシステムから送られる現在の車両の停止位置情報とを比較し、受光した可視光信号が前記車両の停止位置から最も近い前記信号灯器からの可視光信号であるか否か判断するように構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項において、前記信号生成部は、前記車両の進行方向を示す車両方位情報を生成し、前記信号制御部は、車両方位情報に基づいて前記LED点灯部に車両方位情報を可視光信号として発信させるものであり、
前記車両制御部は、前記提供信号生成部から送られる前記車両の車両方位情報と、前記車両に搭載されるカーナビゲーションシステムから送られた現在の車両方位情報とを比較し、受光した可視光信号が車両の進行方向下流側に位置する信号灯器からの可視光信号であるか否か判断するように構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項において、前記車両制御部は、前記車両のブレーキがかかっている状態およびミッションのシフトレバーがパーキングポジションにある状態にのみ、前記車両のエンジンの停止制御を行うように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、信号制御部により、灯器開閉部から送られる点灯制御信号および信号生成部から送られる赤信号の点灯残り時間情報に基づいて、LED点灯部を点灯制御するとともに、LED点灯部に赤信号の残り時間情報を可視光信号として発信させ、提供信号生成部により、受光器により受光された可視光信号に基づいて、LED点灯部から送信された情報を生成し、車両制御部により、提供信号生成部から送られる赤信号の残り時間情報と、あらかじめ設定されたしきい値とを比較し、赤信号の残り時間がこのしきい値より大きい場合に、車両のエンジンを停止させるように制御するようにしているので、信号灯器からの可視光信号による赤信号の残り時間情報を適正に車両側で受信して適正なアイドリングの停止制御を行うことができる。しかも、信号機にアンテナなどの送信設備を別に設ける必要がなく、設備コストも低減させることができる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、車両制御部により、提供信号生成部から送られる赤信号の残り時間情報と、発進までの予測時間とを比較し、発進までの予測時間が赤信号の残り時間より大きい場合に、車両のエンジンを停止させるように制御するようにしているので、交差点の停止線から離れた位置に車両が停止した場合であっても、発進までの予測時間を考慮したアイドリングの停止制御を行うことができる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、車両制御部により、提供信号生成部から送られる信号灯器の設置位置情報と、車両に搭載されたカーナビゲーションシステムから送られる現在の車両の停止位置情報とを比較し、受光した可視光信号が前記車両の停止位置から最も近い前記信号灯器からの可視光信号であるか否か判断するようにしているので、例えば、車両の走行方向下流側に位置する他の信号灯器から送られる情報と混同してしまうことがなく、アイドリングの停止制御を正確に行うことができる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、車両制御部により、提供信号生成部から送られる車両の車両方位情報と、車両に搭載されるカーナビゲーションシステムから送られた現在の車両方位情報とを比較し、受光した可視光信号が車両の進行方向下流側に位置する信号灯器からの可視光信号であるか否か判断するようにしているので、例えば、車両の走行方向と交差する方向に対する信号灯器から送られる情報と混同してしまうことがなく、アイドリングの停止制御を正確に行うことができる。
【0018】
請求項5に係る発明によれば、車両制御部により、車両のブレーキがかかっている状態およびミッションのシフトレバーがパーキングポジションにある状態にのみ、車両のエンジンの停止制御を行うようにしているので、その後にエンジンが始動された場合に、不用意に車両が発進してしまうことを防止することができ、交通安全上、極めて安全なシステムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る車両のアイドリング停止システムの実施形態を示す概略図である。
【図2】本発明に係る車両のアイドリング停止システムの実施形態を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る車両のアイドリング停止システムの実施形態の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1は本発明に係る車両のアイドリング停止システムの実施形態を示す概略図である。
【0022】
図1に示すように、道路の交差点に設置される信号機1は、道路脇に立設された支柱2の上部に取付けられた信号灯器3を備えており、信号灯器3は、赤、青、黄などの点灯表示を行うとともに、所定の可視光信号を発信する信号灯器3を備えている。支柱の下方には、信号灯器3の点灯制御を行う信号制御装置4が設置されている。
【0023】
一方、道路を走行する車両5には、信号灯器3から発信される可視光信号を受光するための可視光受光装置6が搭載されており、車両5には、可視光受光装置6による可視光信号に基づいて、車両5の制御を行う車載制御装置7が搭載されている。
【0024】
図2は本発明に係る車両のアイドリング停止システムの詳細を示すブロック図である。図2に示すように、信号灯器3には、多数のLEDを配列してなり、赤、青、黄などの点灯表示を行うとともに可視光信号を発信するLED点灯部8が備えられており、信号灯器3には、このLED点灯部8の点灯制御を行うための信号制御部9が設けられている。さらに、信号灯器3には、信号生成部10が設けられており、信号生成部10は、この信号灯器3による赤信号の点灯残り時間情報、信号灯器3の設置位置情報、車両5の進行方向を示す車両方位情報を生成するように構成されている。このうち、信号灯器3の設置位置情報、車両5の進行方向を示す車両方位情報は、信号灯器3の設置場所に応じてあらかじめ決定されている情報であり、赤信号の点灯残り時間情報は、赤信号を点灯する毎に逐次生成するようになっている。
【0025】
また、信号制御装置4には、複数の信号灯器3を統括して制御する制御部11が設けられており、信号制御装置4には、制御部11からの制御信号に基づいて、各信号灯器3の点灯制御信号を各信号灯器3の信号制御部9に送る灯器開閉部12が設けられている。
【0026】
そして、信号制御部9は、信号制御装置4の灯器開閉部12から送られる点灯制御信号に基づいて、LED点灯部8を点灯制御するものであり、この信号制御部9は、本実施形態においては、LED点灯部8の点灯制御を行う際に、信号生成部10により精製された赤信号の点灯残り時間情報、信号灯器3の設置位置情報、車両方位情報に基づいて、LED点灯部8を高速で点滅させることにより、各情報を可視光信号として発信するように構成されている。
【0027】
また、車両5の可視光受光装置6には、LED点灯部8から発信される可視光信号を受光する受光器13が設けられており、可視光受光装置6には、受光器13により受光された可視光信号に基づいて、LED点灯部8から送信された情報を生成する提供信号生成部14が設けられている。また、車載制御装置7には、車両5の制御を行う車両制御部15が設けられており、この車両制御部15には、可視光受光装置6の提供信号生成部14からの各種情報が入力されるように構成されている。さらに、車両5には、カーナビゲーションシステム16が搭載されており、車両制御部15には、カーナビゲーションシステム16により検出された現在の車両5の位置情報や車両5の進行方向情報が送られるように構成されている。
【0028】
そして、車両制御部15は、提供信号生成部14から送られた信号灯器3の設置位置情報と、カーナビゲーションシステム16から送られた現在の車両5の停止位置情報とを比較し、受光した可視光信号が車両5の停止位置から最も近い信号灯器3からの可視光信号であるか否か判断するとともに、提供信号生成部14から送られた車両方位情報と、カーナビゲーションシステム16から送られた車両方位情報とを比較し、受光した可視光信号が車両5の進行方向下流側に位置する信号灯器3からの可視光信号であるか否か判断するように構成されている。
【0029】
また、車両制御部15は、提供信号生成部14から送られる赤信号の残り時間情報と、あらかじめ設定されたしきい値とを比較し、赤信号の残り時間がこのしきい値より大きい場合は、車両5のエンジンを停止させてアイドリングをストップさせるように制御するように構成されている。また、赤信号の残り時間がしきい値より小さい場合は、車両5のエンジンの停止制御は行わない。これは、赤信号により車両5が停止した場合でも、赤信号の残り時間が少ない場合に、車両5のエンジンを停止させてしまうと、すぐにエンジンの始動を行う必要があり、却って環境に負荷をかけるおそれがあるためである。
【0030】
さらに、車両制御部15は、提供信号生成部14から送られる赤信号の残り時間情報と、発進までの予測時間とを比較し、発進までの予測時間が赤信号の残り時間より大きい場合には、車両5のエンジンを停止させてアイドリングを停止させるように制御するように構成されている。また、赤信号の残り時間が発進までの予測時間より小さい場合は、車両5のエンジンの停止制御は行わない。ここで、車両5の発進までの予測時間とは、車両5が停止している位置から交差点に設置された停止線までの距離、信号灯器3が青信号に切り替わって先頭に停車している車両5から順次発進していった場合において車両5の停止位置に及ぶ発進波の到着予測時間により、決定されるものである。この場合に、車両停止位置から停止線までの距離に対する発進波の到着予測時間の関係については、あらかじめデータテーブルを設けて設定しておけばよい。
【0031】
なお、車両制御部15により車両5のエンジンの停止制御は、車両5のブレーキがかかっている状態およびはミッションのシフトレバーがパーキングポジションにある状態にのみ行うようにしてもよい。このようにブレーキやシフトレバーのポジションを考慮してエンジンの停止制御を行うようにすれば、その後にエンジンが始動された場合に、不用意に車両5が発進してしまうことを防止することができ、交通安全上、極めて好ましいものとなる。
【0032】
次に、本実施形態の作用について図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0033】
本実施形態においては、車両5は、信号灯器3のLED点灯部8が赤で点灯していると、停止する(ST1)。このとき、車両制御部15は、カーナビゲーションシステム16に搭載されたGPSシステムにより、車両5の停止位置情報を生成するとともに、車両5の進行方向の方位情報を生成する(ST2)。
【0034】
そして、車両5の受光器13は、信号灯器3のLED点灯部8から送られる可視光信号を受光し(ST3)、この受光された可視光信号に基づいて、提供信号生成部14により、信号灯器3の赤信号の点灯残り時間情報、信号灯器3の設置位置情報、車両5の進行方向を示す車両方位情報を生成して、車両制御部15に送る。
【0035】
車両制御部15は、受光した可視光信号から生成された信号灯器3の設置位置情報と、カーナビゲーションシステム16から送られた車両5の停止位置情報とを比較し、受光した可視光信号が車両5の停止位置から最も近い信号灯器3からの可視光信号であるか否か判断する。また、受光した可視光信号から生成された車両方位情報と、カーナビゲーションシステム16から送られた車両方位情報とを比較し、受光した可視光信号が車両5の進行方向下流側に位置する信号灯器3からの可視光信号であるか否か判断する(ST4)。すなわち、例えば、停止した交差点において、進行方向と直行する方向に走行する車両5に対する信号灯器3から発信される可視光信号が受信される場合があるが、このように受光した可視光信号から生成された信号灯器3の設置位置情報と、車両制御部15により生成された車両5の停止位置情報とを比較するとともに、車両方位情報と、車両制御部15により生成された車両方位情報とを比較することにより、当該車両5に対して送られた正しい可視光信号を選別することが可能となる。
【0036】
そして、車両制御部15により、可視光信号が正常か否か判断し、正常である場合には(ST5:YES)、赤信号の残り時間情報としきい値とを比較し(ST6)、赤信号の残り時間がしきい値より小さい場合は(ST6:NO)、車両5のエンジンの停止制御は行わない。一方、赤信号の残り時間がこのしきい値より大きい場合は(ST6:YES)、提供信号生成部14から送られる赤信号の残り時間情報と、発進までの予測時間とを比較し(ST7)、発進までの予測時間が赤信号の残り時間より大きい場合には(ST7:YES)、車両5のエンジンを停止させてアイドリングをストップさせるように制御するようになっている。発進までの予測時間が赤信号の残り時間より小さい場合には(ST7:NO)、車両5のエンジンが停止していない場合は、エンジンを停止させず、車両5のエンジンが停止している場合には、エンジンを始動させる。
【0037】
以上述べたように、本実施形態においては、信号制御部9により、信号生成部10から送られる赤信号の点灯残り時間情報に基づいて、LED点灯部8に可視光信号として発信させ、提供信号生成部14により、受光器13により受光された可視光信号に基づいてLED点灯部8から送信された情報を生成し、車両制御部15により、提供信号生成部14から送られる赤信号の残り時間情報と、あらかじめ設定されたしきい値とを比較し、赤信号の残り時間がこのしきい値より大きい場合に、車両5のエンジンを停止させるように制御するようにしているので、信号灯器3からの可視光信号による赤信号の残り時間情報を適正に車両5側で受信して適正なアイドリングの停止制御を行うことができる。しかも、信号機1にアンテナなどの送信設備を別に設ける必要がなく、設備コストも低減させることができる。
【0038】
また、車両制御部15により、提供信号生成部14から送られる赤信号の残り時間情報と、発進までの予測時間とを比較し、発進までの予測時間が赤信号の残り時間より大きい場合に、車両5のエンジンを停止させるように制御するようにしているので、交差点の停止線から離れた位置に車両5が停止した場合であっても、発進までの予測時間を考慮したアイドリングの停止制御を行うことができる。
【0039】
さらに、車両制御部15により、提供信号生成部14から送られる信号灯器3の設置位置情報と、車両5に搭載されたカーナビゲーションシステム16から送られる現在の車両5の停止位置情報とを比較し、受光した可視光信号が前記車両5の停止位置から最も近い前記信号灯器3からの可視光信号であるか否か判断するようにしているので、例えば、車両5の走行方向下流側に位置する他の信号灯器3から送られる情報と混同してしまうことがなく、アイドリングの停止制御を正確に行うことができる。
【0040】
また、車両制御部15により、提供信号生成部14から送られる車両5の車両方位情報と、車両5に搭載されるカーナビゲーションシステム16から送られた現在の車両方位情報とを比較し、受光した可視光信号が車両5の進行方向下流側に位置する信号灯器3からの可視光信号であるか否か判断するようにしているので、例えば、車両5の走行方向と交差する方向に対する信号灯器3から送られる情報と混同してしまうことがなく、アイドリングの停止制御を正確に行うことができる。
【0041】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 信号機
3 信号灯器
4 信号制御装置
5 車両
6 可視光受光装置
7 車載制御装置
8 LED点灯部
9 信号制御部
10 信号生成部
11 制御部
12 灯器開閉部
13 受光器
14 提供信号生成部
15 車両制御部
16 カーナビゲーションシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差点に設置される信号灯器に設けられ点灯表示を行うLED点灯部と、
前記信号灯器に設けられ前記信号灯器による赤信号の点灯残り時間情報を生成する信号生成部と、
前記信号灯器に設けられ信号制御装置の灯器開閉部から送られる点灯制御信号および前記信号生成部から送られる赤信号の点灯残り時間情報に基づいて、前記LED点灯部を点灯制御するとともに、前記LED点灯部に前記赤信号の残り時間情報を可視光信号として発信させる信号制御部と、

車両に搭載され前記LED点灯部から発信される可視光信号を受光する受光器と、
前記受光器により受光された可視光信号に基づいて、前記LED点灯部から送信された情報を生成する提供信号生成部と、
前記車両に搭載され前記提供信号生成部から送られる情報に基づいて、前記車両のエンジンを停止させるように制御する車両制御部と、
を備えており、
前記車両制御部は、前記提供信号生成部から送られる赤信号の残り時間情報と、あらかじめ設定されたしきい値とを比較し、赤信号の残り時間がこのしきい値より大きい場合に、車両のエンジンを停止させるように制御するように構成されていることを特徴とする車両のアイドリング停止システム。
【請求項2】
前記車両制御部は、前記提供信号生成部から送られる赤信号の残り時間情報と、発進までの予測時間とを比較し、発進までの予測時間が赤信号の残り時間より大きい場合に、車両のエンジンを停止させるように制御するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両のアイドリング停止システム。
【請求項3】
前記信号生成部は、前記信号灯器の設置位置情報を生成し、前記信号制御部は、設置位置情報をに基づいて前記LED点灯部に設置位置情報を可視光信号として発信させるものであり、
前記車両制御部は、前記提供信号生成部から送られる前記信号灯器の設置位置情報と、前記車両に搭載されたカーナビゲーションシステムから送られる現在の車両の停止位置情報とを比較し、受光した可視光信号が前記車両の停止位置から最も近い前記信号灯器からの可視光信号であるか否か判断するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両のアイドリング停止システム。
【請求項4】
前記信号生成部は、前記車両の進行方向を示す車両方位情報を生成し、前記信号制御部は、車両方位情報に基づいて前記LED点灯部に車両方位情報を可視光信号として発信させるものであり、
前記車両制御部は、前記提供信号生成部から送られる前記車両の車両方位情報と、前記車両に搭載されるカーナビゲーションシステムから送られた現在の車両方位情報とを比較し、受光した可視光信号が車両の進行方向下流側に位置する信号灯器からの可視光信号であるか否か判断するように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両のアイドリング停止システム。
【請求項5】
前記車両制御部は、前記車両のブレーキがかかっている状態およびミッションのシフトレバーがパーキングポジションにある状態にのみ、前記車両のエンジンの停止制御を行うように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両のアイドリング停止システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−255579(P2010−255579A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−108613(P2009−108613)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】