説明

車両のインレットボックスアッセンブリ

【課題】本発明は、インレットボックスに照明のスイッチを設けるようにすることで照明の点灯時間を必要最小限にするとともに、前記スイッチを設けることで前記インレットボックスの開口面積が大きくならないようにすることを目的とする。
【解決手段】本発明に係る車両のインレットボックスアッセンブリ10は、インレットボックス20と、そのインレットボックス20の開口22を開閉する蓋部30とを備える車両のインレットボックスアッセンブリ10であって、蓋部30に触れてその蓋部30の開操作をするときに、その蓋部30をインレットボックス20内から開方向に押圧する押圧機構60と、インレットボックス20内に設けられた照明と、照明を点灯させるためのスイッチとを有しており、スイッチは、押圧機構60が蓋部30を開方向に押圧する動作によりオン動作し、蓋部30の閉操作により押圧機構60が押し戻されたときにオフ動作するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のアウタパネルに取付けられるインレットボックスと、そのインレットボックスにヒンジ機構を介して連結されて、前記インレットボックスの開口を開閉する蓋部とを備える車両のインレットボックスアッセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
上記した車両のインレットボックスアッセンブリに関する技術が特許文献1に記載されている。
特許文献1の技術では、給油口を備えるインレットボックスの蓋部を車室内から遠隔操作によって開閉できるように構成されている。そして、前記蓋部が開放される際に前記インレットボックス内の照明が点灯するように構成されている。
このため、暗い場所での給油作業の効率が向上するようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平3−121920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記したインレットボックスアッセンブリでは、車室内からの遠隔操作によって蓋部が開放される際にインレットボックス内の照明が点灯する。このため、乗員が給油作業をしている間だけではなく、乗員が運転席にいる状態でも照明が点灯する。即ち、乗員が給油作業をするとき以外にも照明が点灯するため、バッテリ電力の無駄が生じる。
この点を解決するために、インレットボックス内に前記照明の点灯スイッチを設けることが考えられる。しかし、インレットボックス内で乗員が操作し易い位置に点灯スイッチを設けるためには、インレットボックスの開口面積を大きくする必要があり、前記インレットボックスが大型化して好ましくない。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、インレットボックスに照明のスイッチを設けるようにすることで照明の点灯時間を必要最小限にするとともに、前記スイッチを設けることで前記インレットボックスの開口面積が大きくならないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、車両のアウタパネルに取付けられるインレットボックスと、そのインレットボックスにヒンジ機構を介して連結されて、前記インレットボックスの開口を開閉する蓋部とを備える車両のインレットボックスアッセンブリであって、前記蓋部に触れてその蓋部の開操作をするときに、その蓋部を前記インレットボックス内から開方向に押圧する押圧機構と、前記インレットボックス内に設けられた照明と、前記照明を点灯させるためのスイッチとを有しており、前記スイッチは、前記押圧機構が蓋部を開方向に押圧する動作によりオン動作し、前記蓋部の閉操作により前記押圧機構が押し戻されたときにオフ動作するように構成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明によると、蓋部に触れて開操作することで、押圧機構がその蓋部を開方向に押圧し、これにより照明のスイッチがオン動作するように構成されている。したがって、車両の充電作業、あるいは給油作業を実際に行うときにのみインレットボックス内の照明が点灯するようになる。そして、充電作業、あるいは給油作業を終了して蓋部を閉操作することで前記照明が消灯するようになる。このため、照明の点灯時間が必要最小限になり、バッテリ電力の無駄が生じない。
また、前記スイッチを直接的に操作して照明を点灯させる方式ではないため、そのスイッチをインレットボックス内の操作可能な位置に配置する必要がなくなる。このため、前記スイッチの配置の自由度が向上し、前記スイッチを設けることでインレットボックスの開口面積を大きくする必要がなくなる。
【0008】
請求項2の発明によると、押圧機構は、軸方向一端側で前記蓋部を押圧し、軸方向他端側で前記スイッチの可動部を押圧する軸状部材と、前記インレットボックスに取付けられて、前記軸状部材を軸方向に摺動可能な状態で支持するガイド筒部と、前記ガイド筒部に対して前記軸状部材を前記蓋部の押圧方向に付勢するバネと、前記ガイド筒部と前記軸状部材とを軸方向において連結し、あるいはその連結を解除可能に構成された連結機構とを有しており、前記連結機構は、前記蓋部が閉じられて、前記軸状部材が前記バネ力に抗して所定位置まで押し込まれたときに、その軸状部材と前記ガイド筒部とを連結し、前記蓋部が閉位置からさらに閉方向に押圧されて、前記軸状部材が所定位置から押し込まれることで、その軸状部材と前記ガイド筒部との連結を解除することを特徴とする。
このように、スイッチを押圧機構と重なる位置に設ける構成のため、前記スイッチを設けることでインレットボックスの開口面積を大きくする必要がなくなる。
【0009】
請求項3の発明によると、インレットボックス内には、車両のバッテリを充電する際に電源側コネクタが接続される充電用コネクタが収納されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、インレットボックスに照明のスイッチを設けるようにすることで照明の点灯時間を必要最小限にできる。また、前記スイッチを設けてもインレットボックスの開口面積を大きくする必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係るインレットボックスアッセンブリを備える車両の斜視図である。
【図2】本実施形態に係るインレットボックスアッセンブリを表側から見た斜視図である。
【図3】本実施形態に係るインレットボックスアッセンブリの蓋部を開いた状態を表す斜視図(A図)、インレットボックス内の照明用の電気回路模式図(B図)である。
【図4】前記インレットボックスアッセンブリの取付け構造を表す分解斜視図である。
【図5】前記インレットボックスアッセンブリの蓋部の全閉状態を表す平断面図である。
【図6】前記インレットボックスアッセンブリの蓋部の全閉近傍状態を表す平断面図である。
【図7】前記インレットボックスアッセンブリの押圧機構の拡大平断面図(A図)、 前記押圧機構を構成する軸状部材の斜視図(B図)、及びB図のC部拡大図(C図)である。
【図8】前記押圧機構の蓋押圧動作を表す平断面図(A図)、A図のB部拡大図(B図)である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[実施形態1]
以下、図1から図8に基づいて本発明の実施形態1に係る車両のインレットボックスアッセンブリについて説明する。
<インレットボックスアッセンブリ10の概要について>
本実施形態に係る車両のインレットボックスアッセンブリは、ハイブリッド車や電気自動車等の充電用コネクタが装着される樹脂製のインレットボックスアッセンブリであり、図1に示すように、車両のアウタパネル2の側面所定位置に取付けられる。インレットボックスアッセンブリ10は、図2、図3等に示すように、樹脂製のインレットボックス20と、そのインレットボックス20の開口22を開閉する樹脂製の蓋部30と、前記インレットボックス20に対して蓋部30を回動可能な状態で連結するヒンジ機構40とから構成されている。
ここで、図中の前後左右、及び上下は、前記インレットボックスアッセンブリを備える車両の前後左右、及び上下に対応している。
【0013】
<インレットボックス20について>
インレットボックス20は、図3(A)、図4等に示すように、充電用コネクタ50を収納するボックス本体部21と、そのボックス本体部21の側面前部から前方に張り出す前方張出し部23とから構成されている。ボックス本体部21は略カップ状に形成されており、そのボックス本体部21の開口22の周縁に円形のフランジ部21fが形成されている。そして、前記フランジ部21fの周縁に沿ってゴム製のシール材21eが装着されている。
また、ボックス本体部21の上側面には、図3(A)に示すように、充電用コネクタ50を照らす照明27が設けられている。さらに、ボックス本体部21の後部上面には、蓋部30を開く際に、その蓋部30の回動自由端側を押圧する押圧機構60(後記する)が設けられている。
また、ボックス本体部21の底部には、図4に示すように、そのボックス本体部21に収納された充電用コネクタ50に接続されるケーブル(図示省略)が通される床面開口21hが形成されている。
【0014】
ボックス本体部21のフランジ部21fの裏側には、図4に示すように、インレットボックス20を車両のアウタパネル2に取付けるためのボルト215がそのフランジ部21fの裏面に対してほぼ直角に突出するように形成されている。ボルト215は、ボックス本体部21の上側と下側とに二本づつ配置されるように、フランジ部21fの周方向に約90°間隔で設けられている。
インレットボックス20の前方張出し部23は、ボックス本体部21側で開放した略角形の袋状に形成されている。そして、インレットボックス20の前方張出し部23内に、図5、図6等に示すように、インレットボックスアッセンブリ10の蓋部30を構成する平面略U字形のヒンジレバー35がヒンジ機構40の回動中心回りに回動可能なように収納されている。
また、インレットボックス20の前方張出し部23の前端右側には、図4に示すように、上壁部と下壁部とにヒンジ機構40のヒンジピン41の端部がそれぞれ通される上側軸受部23jと下側軸受部(図示省略)とが形成されている。
【0015】
車両のアウタパネル2には、図4、図5等に示すように、インレットボックスアッセンブリ10の蓋部30等が収納される円形の窪み2kが形成されており、その窪み2kの底の位置にインレットボックス20が挿入される略十字形の穴部2jが形成されている。そして、前記穴部2jの周縁2f、即ち、窪み2kの底の位置に、図4に示すように、インレットボックス20のフランジ部21fに設けられた四本のボルト215がそれぞれ挿通されるボルト孔2bが形成されている。
このため、インレットボックス20をアウタパネル2の穴部2jに挿入して、図4に示すように、そのインレットボックス20の四本のボルト215をアウタパネル2のボルト孔2bに通し、アウタパネル2の内側から各々のボルト215にナットNを締め付けることで、前記インレットボックス20を車両に取付けることができる。
【0016】
<蓋部30について>
蓋部30は、図2、図3(A)等に示すように、インレットボックス20のフランジ部21fと同軸位置に配置された状態で、そのインレットボックス20の開口22を塞ぐ円板状の蓋本体32と、上記したように、ヒンジ機構40を介して蓋本体32をインレットボックス20に連結するヒンジレバー35とから構成されている。蓋本体32は、インレットボックス20のフランジ部21fとほぼ等しい外径寸法に設定されており、アウタパネル2の円形の窪み2kに収納されるように構成されている。蓋本体32は、図5等に示すように、表面板部32fと裏面板部32uとが合わせられることにより構成されている。そして、裏面板部32uの中央位置に充電用コネクタ50のカバー部32cが形成されている。また、裏面板部32uの前端部分にヒンジレバー35の回動自由端側が連結されている。
前記ヒンジ機構40は、インレットボックス20に対して蓋部30をほぼ水平に回動可能な状態で連結する機構であり、図示省略したバネのバネ力で蓋部30を全閉位置、あるいは全開位置に保持できるように構成されている。
【0017】
<押圧機構60について>
押圧機構60は、蓋部30を開く際、図6に示すように、その蓋部30の回動自由端側をインレットボックス20内から押圧するとともに、前記照明27のスイッチ28(図3(B)参照)を動作させる機構である。押圧機構60は、図7、図8に示すように、押圧機構本体部61と、スイッチ動作部70とから構成されている。
押圧機構本体部61は、図7等に示すように、インレットボックス20の蓋部30に対して直角な状態でボックス本体部21に取付けられるガイド筒部62を備えている。ガイド筒部62は、軸方向から嵌め合わされる外筒62tと内筒62eとから構成されており、その外筒62tの一端側がボックス本体部21に固定されている。そして、ガイド筒部62内に軸状部材64が軸方向に摺動可能な状態で収納されている。軸状部材64は、内筒62e側の開口(図7において上側の開口)から突出する蓋押圧軸64pと、外筒62t側の開口(下側の開口)から突出するスイッチ押圧軸64sとから構成されている。
【0018】
蓋押圧軸64pは、図7(B)に示すように、同軸に設けられた軸部本体64mと、フランジ部64fと、小径の連結軸部64cとから構成されており、その蓋押圧軸64pの連結軸部64cがスイッチ押圧軸64sの連結孔64hに嵌め込まれることで、両押圧軸64p,64sが同軸に連結される。
また、ガイド筒部62の内側で軸状部材64のスイッチ押圧軸64sの周囲には、図7等に示すように、軸状部材64をガイド筒部62の内筒62e側の開口(上側の開口)から突出させるように付勢されたコイルバネ65が装着されている。
さらに、ガイド筒部62の内筒62eと軸状部材64の蓋押圧軸64pとの間には、その内筒62eと蓋押圧軸64pとを軸方向において連結し、あるいはその連結を解除可能に構成された連結機構68が設けられている。
【0019】
前記連結機構68は、図8(B)に示すように、蓋押圧軸64pの連結軸部64cの周囲に回動可能な状態で装着されたリング部材68wを備えている。リング部材68wは外周面に外周爪(図示省略)を備えており、その外周爪がガイド筒部62の内筒62eに形成されたガイド溝68m、あるいは係合溝68s(後記する)と嵌合が可能なように構成されている。
なお、図8(B)は、リング部材68wの外周爪がガイド溝68mと嵌合している状態を表している。
また、リング部材68wの軸方向における一端面(図8(B)において上面)には、図7(C)に示すように、蓋押圧軸64pのフランジ部64fの片面(下面)に形成された波形の傾斜面68kに沿って摺動可能な傾斜面(図示省略)が形成されている。このため、リング部材68wが蓋押圧軸64pのフランジ部64fに押され、その蓋押圧軸64pと共に軸方向に移動する毎にそのリング部材68wが傾斜面68k等の働きで前記蓋押圧軸64pの連結軸部64cの回りを一定角度だけ回動するようになる。
前記ガイド筒部62のガイド溝68m、あるいは係合溝68sは、上記したように、リング部材68wの外周爪が嵌合する溝であり、ガイド筒部62の内筒62eの内周面に一定角度間隔で互い違いに形成されている。このため、蓋押圧軸64pの移動に伴ってリング部材68wが一定角度回動する毎に、リング部材68wの外周爪がガイド溝68m、あるいは係合溝68sと交互に嵌合するようになる。ここで、ガイド溝68mは内筒62eの内周面の軸方向一端側から他端側まで形成されており、係合溝68sは内筒62eの内周面の端部(ガイド筒部62の中央部分)に形成されている。
【0020】
上記構成により、図8(A)に示す状態から軸状部材64をコイルバネ65のバネ力に抗して軸方向に押し込むと、前記リング部材68wの外周爪が内筒62eのガイド溝68mに沿って移動し、そのガイド溝68mから外れた時点で、そのリング部材68wが蓋押圧軸64pの傾斜面68kの働きで一定角度だけ回動する。これにより、前記リング部材68wの外周爪が係合溝68sの位置に合わされる。この結果、軸状部材64から手を離すと、コイルバネ65のバネ力で前記リング部材68wの外周爪が係合溝68sと係合し、押圧機構本体部61は軸状部材64が押し込まれた状態に保持される(図7(A)参照)。
次に、この状態で、軸状部材64をコイルバネ65のバネ力に抗して軸方向に押し込むと、前記リング部材68wの外周爪が内筒62eの係合溝68sから外れ、そのリング部材68wが蓋押圧軸64pの傾斜面68kの働きで一定角度だけする。これにより、前記リング部材68wの外周爪がガイド溝68mの位置に合わされる。この結果、軸状部材64から手を離すと、コイルバネ65のバネ力でリング部材68wの外周爪がガイド溝68mに沿って移動するとともに、軸状部材64がリング部材68wと共に移動し、その軸状部材64がガイド筒部62から蓋部30を押圧する方向に突出するようになる。即ち、押圧機構本体部61は軸状部材64が突出した状態に保持される(図8(A)参照)。
ここで、押圧機構本体部61には、軸状部材64の移動を妨げないように、その軸状部材64(蓋押圧軸64p)の突出部分を覆うジャバラ状の保護カバー69が設けられている。
【0021】
押圧機構60のスイッチ動作部70は、図7等に示すように、押圧機構本体部61のガイド筒部62(外筒62t)の他端側(インレットボックス20の裏側に配置された部分)に取付けられたハウジング部72と、そのハウジング部72内を移動可能に構成されて、押圧機構本体部61の軸状部材64(スイッチ押圧軸64s)に連結されたスイッチ動作レバー74とから構成されている。そして、図7(A)に示すように、蓋部30が閉じられて、押圧機構本体部61の軸状部材64が押し込まれた状態で、ガイド筒部62に対する軸状部材64のスイッチ押圧軸64sの突出量が最大になり、スイッチ動作レバー74が、図7(A)において下限位置に保持される。この状態で、図3(B)に示すように、スイッチ28がオフし、照明27が消灯するようになる。
また、図8(A)に示すように、蓋部30が開放されて、押圧機構本体部61の軸状部材64が突出した状態で、ガイド筒部62に対する軸状部材64のスイッチ押圧軸64sの突出量が最小になり、スイッチ動作レバー74が、図8(A)において上限位置に保持される。この状態で、スイッチ28がオンし、照明27が点灯するようになる。
即ち、前記スイッチ動作レバー74が本発明におけるスイッチの可動部に相当する。
【0022】
<インレットボックスアッセンブリ10の動作について>
図5、図7(A)に示すように、インレットボックスアッセンブリ10の蓋部30が閉じられている状態では、押圧機構60の押圧機構本体部61の軸状部材64が押し込まれた状態に保持されており、スイッチ28がオフ状態で照明27が消灯している。さらに、インレットボックスアッセンブリ10の蓋部30は、ヒンジ機構40のバネ(図示省略)のバネ力で全閉位置に保持されている。
この状態で蓋部30を開く場合には、蓋部30を閉じ方向に押圧して、その蓋部30により押圧機構60(押圧機構本体部61)の軸状部材64を押し込むようにする。これにより、押圧機構本体部61のリング部材68wの外周爪が内筒62eの係合溝68sから外れ、リング部材68wが軸状部材64の傾斜面68kの働きで一定角度回動する。これにより、リング部材68wの外周爪が内筒62eのガイド溝68mの位置に合わされる。この結果、蓋部30から手を離すことで、コイルバネ65のバネ力でリング部材68wの外周爪がガイド溝68mに沿って移動するとともに、軸状部材64がガイド筒部62から蓋部30を押圧する方向に突出するようになる(図6、図8(A)参照)。
これにより、蓋部30が一定量開かれるとともに、スイッチ28がオンして照明27が点灯するようになる。この状態で、蓋部30を持って全開位置まで開放できるようになる。また、照明27が点灯することで、暗い位置であっても電源側コネクタ(図示省略)を充電用コネクタ50に接続し易くなる。
【0023】
インレットボックスアッセンブリ10の蓋部30を閉じる場合には、全開状態の蓋部30をヒンジ機構40のバネ(図示省略)のバネ力に抗して図8(A)の全閉近傍位置まで閉じる。次に、蓋部30を閉じ方向に押圧して、その蓋部30により押圧機構60(押圧機構本体部61)の軸状部材64を押し込むようにする。これにより、押圧機構本体部61のリング部材68wの外周爪が内筒62eのガイド溝68mから外れ、リング部材68wが軸状部材64の傾斜面68kの働きで一定角度回動する。これにより、リング部材68wの外周爪が内筒62eの係合溝68sの位置に合わされる。この結果、蓋部30から手を離すことで、コイルバネ65のバネ力でリング部材68wの外周爪が係合溝68sと係合し、押圧機構本体部61は軸状部材64が押し込まれた状態に保持される。さらに、スイッチ28がオフすることで照明27が消灯するようになる。そして、蓋部30がヒンジ機構40のバネ(図示省略)のバネ力で全閉位置に保持されるようになる。
【0024】
<本実施形態に係るインレットボックスアッセンブリ10の長所について>
本実施形態に係るインレットボックスアッセンブリ10によると、蓋部30に触れて開操作することで、押圧機構60がその蓋部30を開方向に押圧し、これにより照明27のスイッチ28がオン動作するようになる。したがって、車両の充電作業を実際に行うときにのみインレットボックス20内の照明27が点灯するようになる。そして、充電作業を終了して蓋部30を閉操作することで前記照明27が消灯するようになる。このため、照明の点灯時間が必要最小限になり、バッテリ電力の無駄が生じない。
また、前記スイッチ28を直接的に操作して照明27を点灯させる方式ではないため、そのスイッチ28をインレットボックス20内の操作可能な位置に配置する必要がなくなる。このため、前記スイッチ28の配置の自由度が向上し、前記スイッチ28を設けることでインレットボックス20の開口面積を大きくする必要がなくなる。
即ち、スイッチ28が押圧機構60と重なる位置に設けられているため、前記スイッチ28を設けることでインレットボックス20の開口面積が大きくならない。
【0025】
<変更例>
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、軸状部材64を蓋押圧軸64pとスイッチ押圧軸64sとから構成する例を示したが、前記蓋押圧軸64pとスイッチ押圧軸64sとを一体成形することも可能である。
また、本実施形態では、充電用コネクタ50を備えるインレットボックスアッセンブリ10を例示したが、充電用コネクタ50の代わりに給油口を備えるインレットボックスアッセンブリに本発明を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0026】
2・・・・アウタパネル
20・・・インレットボックス
27・・・照明
28・・・スイッチ
30・・・蓋部
40・・・ヒンジ機構
50・・・充電用コネクタ
60・・・押圧機構
62・・・ガイド筒部
64・・・軸状部材
65・・・コイルバネ(バネ)
68・・・連結機構
70・・・スイッチ動作部
72・・・ハウジング部
74・・・スイッチ動作レバー(スイッチの可動部)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のアウタパネルに取付けられるインレットボックスと、そのインレットボックスにヒンジ機構を介して連結されて、前記インレットボックスの開口を開閉する蓋部とを備える車両のインレットボックスアッセンブリであって、
前記蓋部に触れてその蓋部の開操作をするときに、その蓋部を前記インレットボックス内から開方向に押圧する押圧機構と、
前記インレットボックス内に設けられた照明と、
前記照明を点灯させるためのスイッチとを有しており、
前記スイッチは、前記押圧機構が蓋部を開方向に押圧する動作によりオン動作し、前記蓋部の閉操作により前記押圧機構が押し戻されたときにオフ動作するように構成されていることを特徴とする車両のインレットボックスアッセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載された車両のインレットボックスアッセンブリであって、
前記押圧機構は、
軸方向一端側で前記蓋部を押圧し、軸方向他端側で前記スイッチの可動部を押圧する軸状部材と、
前記インレットボックスに取付けられて、前記軸状部材を軸方向に摺動可能な状態で支持するガイド筒部と、
前記ガイド筒部に対して前記軸状部材を前記蓋部の押圧方向に付勢するバネと、
前記ガイド筒部と前記軸状部材とを軸方向において連結し、あるいはその連結を解除可能に構成された連結機構とを有しており、
前記連結機構は、前記蓋部が閉じられて、前記軸状部材が前記バネ力に抗して所定位置まで押し込まれたときに、その軸状部材と前記ガイド筒部とを連結し、前記蓋部が閉位置からさらに閉方向に押圧されて、前記軸状部材が所定位置から押し込まれることで、その軸状部材と前記ガイド筒部との連結を解除することを特徴とする車両のインレットボックスアッセンブリ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2のいずれかに記載された車両のインレットボックスアッセンブリであって、
前記インレットボックス内には、車両のバッテリを充電する際に電源側コネクタが接続される充電用コネクタが収納されていることを特徴とする車両のインレットボックスアッセンブリ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−240645(P2012−240645A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115780(P2011−115780)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】