説明

車両のキーレスエントリー装置

【課題】単にセキュリティ性の観点だけから動作を定めるのではなく、省電力にも寄与できるキーレスエントリー装置を提供する。
【解決手段】キーレスエントリー装置は、携帯機においてスイッチ部が長押し操作されると、コマンドをRF送信する(S12)。車両においてRF信号を受信すると(S32:Yes)、受信回数を1加算して返信用LF信号を送信する(S36)。このとき、携帯機がLF信号の送信領域内になければ、返信用LF信号を受信できないため(S14:No)、長押し操作がされていてもRF信号の送信は停止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者が車外にいても携帯機を用いて車両の機能を動作させることができる車両のキーレスエントリー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯機と車載機が通信により認証を行うことで、キー操作がなされなくてもドアのロック及びアンロックを行い、また、車室内でも携帯機と車載機が通信により認証を行うことで、車両の操作制限を解除するキーレス機能を有した車両制御装置の先行技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特にこの先行技術は、キーレス機能により車載機において携帯機が給油口付近にあると判断した場合、フューエルリッド近傍に設けられたアンテナを起動し、通信による認証を行ってフューエルリッドのオープン又はアンロックを行うものである。
【0003】
上記の先行技術(特許文献1)によれば、車載機による携帯機の検知範囲がある程度広い場合であっても、使用者(乗員)の目の届いていないところでいたずらに給油口が開放された状態になることがないため、給油口のセキュリティ性(例えば、セルフ式ガソリンスタンドでの防犯性)を向上することができると考えられる。
【0004】
またその他の先行技術として、携帯機から解錠(アンロック)の遠隔操作信号を受信したとき、車載機から携帯機に対して質問信号の送信を開始し、携帯機から質問信号に応答した応答信号を受信した場合にドアロック部の解錠を制御するものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
上記の先行技術(特許文献2)によれば、車両からある程度離れた場所で使用者が携帯機を用いてドアアンロック操作を行った場合であっても、車載機において携帯機の位置を判断しながらドアロック部を解錠(アンロック)させることにより、使用者が乗車するまでの間に他人が車両に侵入してしまうことを防ぐことができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−120913号公報
【特許文献2】特開2006−307638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した先行技術(特許文献1,2)はいずれも、セキュリティ性の観点から車載機において携帯機の位置を確認し、その上で、携帯機が車両に接近していることを確認できた場合に何らかの機能(給油口のアンロック、ドアアンロック等)を動作させている。このためいずれの先行技術においても、携帯機が自己の存在を車載機に認識させるためには、携帯機から積極的に信号を送信し続ける必要がある。
【0008】
しかしながら、携帯機は車載機に比較して小型であり、積載できるバッテリ容量も少ない。このため、車載機に存在が認識されるまで携帯機が信号を送信し続けることは、それだけ多くの電力を消費し、バッテリに過大な負荷がかかることになる。
【0009】
そこで本発明は、単にセキュリティ性の観点だけから動作を一意に定めるのではなく、省電力にも寄与することができる技術の提供を課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明は以下の解決手段を採用する。
すなわち本発明は、使用者が所持する携帯機と車両との間で無線通信を行うことにより、車両において所定の機能を動作させる車両のキーレスエントリー装置である。
【0011】
その上で本発明のキーレスエントリー装置は、携帯機において使用者により特定態様による操作がなされたことを検出すると、携帯機から車両に対して特定操作信号を送信する特定操作信号送信手段と、車両において特定操作信号を受信すると、車両の周辺に予め規定された所定領域内にのみ到達可能な応答信号を送信する応答信号送信手段と、携帯機において応答信号を受信できる場合、特定操作信号送信手段による特定操作信号の送信を継続させる一方、応答信号を受信できない場合、特定操作信号送信手段による特定操作信号の送信を停止させる送信制御手段と、送信制御手段により特定操作信号の送信が継続された結果、車両において所定期間にわたり特定操作信号を受信した場合、所定の機能の動作を許容する動作許容手段とを備えたものである。
【0012】
本発明のキーレスエントリー装置によれば、車両において所定の機能(例えばパワーウインドウ、パワースライドドア、パワーバックドア等の機能)を遠隔で動作させる場合、使用者が携帯機において特定態様による操作を行うと、先ず携帯機から特定操作信号が送信される。これを車両において受信すると、車両周辺の所定領域内にのみ到達可能な応答信号が車外に向けて送信される。このとき携帯機が所定領域内に存在していなければ、携帯機においてそれ以上の特定操作信号の送信は停止されるため、車両においても特定操作信号の受信ができなくなり、その結果、所定の機能の動作は行われない。これにより、携帯機を所持した使用者が車両の周辺にいない状況で、不用意に何らかの機能が作動してしまうのを防止し、セキュリティ性を向上することができる。
【0013】
特に本発明では、携帯機において応答信号を受信できない場合、自らの判断で特定操作信号の送信を停止しているので、たとえ使用者が操作を行っている場合であっても、それ以上の送信はキャンセルされることになる。これにより、携帯機から無駄に信号が送信され続けることを防止して、電力の消費を抑えることができる。
【0014】
本発明の車両のキーレスエントリー装置において、特定操作信号送信手段は、携帯機に設けられ、使用者による操作に応じて操作信号を発生させるスイッチ部と、携帯機に設けられ、操作信号に基づき所定領域外からであっても車両に対して到達可能なRF信号を送信するRF送信部とを含むことができる。
【0015】
また応答信号送信手段は、車両に設けられ、携帯機からのRF信号を受信するRF受信部と、車両に設けられ、所定領域内にのみ到達可能なLF信号を送信するLF送信部とを含むことができる。
【0016】
次に送信制御手段は、携帯機に設けられ、携帯機が所定領域内にある場合にのみLF送信部からのLF信号を受信するLF受信部と、携帯機に設けられ、操作信号及びLF受信部によるLF信号の受信状態に基づいてRF送信部によるRF信号の送信状態を制御する携帯機側制御回路とを含むことができる。
【0017】
そして動作許容手段は、車両に設けられ、LF送信部によるLF信号の送信動作を挟んでRF受信部によりRF信号を受信した回数を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された回数が規定回数に達した場合に所定の機能を動作させるための制御信号を出力する車両側制御回路とを含むことができる。
【0018】
この場合、携帯機から送信されるRF(Radio Frequency)信号は、車両から携帯機に対して送信されるLF(Low Frequency)信号よりも到達距離が長いことから、携帯機を所持した使用者が車両からある程度離れていても(所定領域外にいても)、RF信号は車両において受信することができる。ただし、携帯機が車両近辺(周辺)の所定領域内に存在していなければ、携帯機において車両からのLF信号が受信できないので、携帯機側での判断によって、それ以上のRF信号の送信は停止される。これにより、携帯機からRF信号が無駄に送信され続けるのを防止して、携帯機の消費電力を少なく抑えることができる。
【0019】
一方、携帯機においてLF信号を受信できる場合はRF信号の送信が継続される結果、車両側でもRF信号を受信することができる。この間、車両側ではLF信号の送信とRF信号の受信とが交互に行われており、LF信号の送信動作を挟んでRF信号を受信した回数が規定回数に達した場合、そこで所定の機能の動作が許容されることになる。これにより、使用者が車外にいる場合のセキュリティ性を確保しつつ、リモートキーレス操作による車両の利便性を向上することができる。
【0020】
上記のRF送信部は、使用者によるスイッチ部の連続的な操作に応じて所定の機能を動作させるためのコマンドをRF信号として送信することができる。また携帯機側制御回路は、使用者によるスイッチ部の連続的な操作に応じて操作信号が連続的に発生している場合、RF送信部によるRF信号の送信を行った後にLF受信部によりLF信号を受信したか否かを確認し、その結果、LF信号を受信した場合にRF送信部によるRF信号の送信を継続させる制御を行うことが好ましい。
【0021】
上記の構成であれば、携帯機側制御回路は、たとえ使用者によるスイッチ部の操作が連続的に行われていても、そのままRF信号を送信し続けるのではなく、LF信号の受信とRF信号の送信とを交互に行いながらRF信号の送信を継続させることができる。これにより、車両側でRF信号を受信した回数を正確に記憶することができる上、RF信号とLF信号との混信を防止して確実な動作を実現することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように本発明の車両のキーレスエントリー装置は、セキュリティ性を確保しつつ使用者の利便性を向上するとともに、全体的な消費電力の抑制にも寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】キーレスエントリー装置の概略的な構成を示す図である。
【図2】キーレスエントリー装置の制御に関する構成を概略的に示したブロック図である。
【図3】携帯機側と車両側においてそれぞれ実行される制御処理の手順例を示すフローチャートである。
【図4】キーレスエントリー装置の動作例1を示す連続図である。
【図5】キーレスエントリー装置の動作例2を示す連続図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0025】
〔キーレスエントリー装置の概要〕
図1は、キーレスエントリー装置の概略的な構成を示す図である。キーレスエントリー装置は、例えばワゴン車タイプの車両10に装備されており、車両10には受信アンテナ12(RF受信アンテナ)をはじめ、複数の送信アンテナ14(LF送信アンテナ)がその各所に設けられている。この例では、車両10のインストルメントパネル(参照符号なし)内に1本の受信アンテナ12が設置されている他、送信アンテナ14がルーフパネル10a内の前部に1本、運転席側と助手席側にそれぞれ1本ずつ、またルーフパネル10a内の後部に1本、合計4本が設置されている。
【0026】
本実施形態では、ルーフパネル10aに電動サンルーフ10gが設置されており、前部の送信アンテナ14は、電動サンルーフ10gとフロントガラス(参照符号なし)との間に設置されている。ただし、ここで挙げた各種アンテナ12,14の配置は一例であり、その他の配置であってもよい。例えば、左右のフロントドア10b,10cやバックドア10f(テールゲート)に送信アンテナ14が内蔵されていてもよい。あるいは、左右のリアドア10d,10eに別の送信アンテナ14が追加で内蔵されていてもよい。なお左右のリアドア10d,10eは、ヒンジ開閉タイプではなくスライド開閉タイプである。
【0027】
また車両10の室内には制御モジュール(BCM)20が設置されており、上記の受信アンテナ12や送信アンテナ14は、図示しない配線を通じて制御モジュール20に接続されている。制御モジュール20には図示しない車両側の通信回路(送信回路及び受信回路)が組み込まれており、通信回路はユーザの所持する携帯機40との間で無線通信を行う機能を有している。
【0028】
なお本実施形態のキーレスエントリー装置は、上記のように車両側の通信回路と携帯機40との間で無線通信を行い、IDコード等を用いた認証を行うことでドアのロック・アンロックを自動的に行う機能(いわゆるパッシブ機能)を有するタイプであってもよい。この場合、キーレスエントリー装置は、携帯機40を所持したユーザ(運転者)が車室内に入ると、キーシリンダにキーを差し込むことなくメインスイッチの操作を許可することもできる。
【0029】
また本実施形態のキーレスエントリー装置は、携帯機40に設けられたスイッチ部52,54,56,58をユーザが積極的に操作することで、車両10に装備された機能をリモートで動作させる機能(いわゆるアクティブ機能)を有している。例えば、4つのスイッチ部52〜58には、それぞれ個別の機能が予め割り当てられており、ユーザがいずれかのスイッチ部52〜58を操作すると、車外の離れた場所からであっても、スイッチ部52〜58に対応する機能(例えばパワーウインドウ、パワースライドドア、パワーバックドア、電動サンルーフ等)をリモートで動作させることができる。以下、上記の点についてさらに詳しく説明する。
【0030】
〔回路構成〕
図2は、キーレスエントリー装置の制御に関する構成を概略的に示したブロック図である。以下、各構成要素について説明する。
【0031】
上記の制御モジュール20は、例えば中央処理装置であるCPU22をはじめ、EEPROM24やRAM26等のメモリデバイス、入出力ドライバ(I/O)28等の周辺ICを備えたコンピュータとして構成されている。このうちCPU22は、例えばCPU22内蔵のROM(図示していない)に記憶された制御プログラムを読み出し、その命令に従った処理を実行する。
【0032】
CPU22に内蔵されたROMには、キーレスエントリー装置の動作に必要な制御プログラムが書き込まれており、EEPROM24には車両10に固有のパラメータとして、送信アンテナ14の本数やその設置場所、ユニークなIDコード等の固有情報が書き込まれている。RAM26は、例えばCPU22のメインメモリとして利用可能な揮発性メモリであり、また入出力ドライバ28は、制御モジュール20と他の電子機器との間で各種信号を入出力するためのものである。
【0033】
また制御モジュール20は、車両側の通信回路として受信回路30及び送信回路32を備えている。このうち受信回路30には受信アンテナ12が接続されており、受信回路30は受信アンテナ12を用いて携帯機40から送信されるRF信号を受信する。受信回路30は、例えば受信したRF信号に含まれるIDコードやコマンドデータを復号し、それらの値(例えば1〜2バイトのワード長)をCPU22に提供する。
【0034】
送信回路32には、上述した合計4本の送信アンテナ14が接続されている。送信回路32はCPU22からの指示に基づいて動作し、4本の送信アンテナ14を用いて携帯機40にLF信号を送信する。
【0035】
また本実施形態では、制御モジュール20が別の制御ユニット60に接続されている。制御ユニット60もまた、例えば図示しないCPUやEEPROM、RAM、I/O等を有したマイクロコンピュータであり、この制御ユニット60は、キーレスエントリー装置の制御モジュール20と協働して車両10の動作を制御する。このため制御ユニット60には、例えばエンジンスタータ62やドアのロックアクチュエータ64、スライドドアアクチュエータ66、サンルーフ(SR)アクチュエータ68、パワーウインドウ(PW)アクチュエータ70、バックドアアクチュエータ72等が接続されている。
【0036】
上記のエンジンスタータ62は、例えば図示しないエンジンのクランキングを行うモータである。制御ユニット60は図示しないキースイッチが操作された場合にエンジンスタータ62を作動させるほか、キーレスエントリー装置の制御モジュール20からキーレス始動許可信号を受信した場合にもエンジンスタータ62を作動させる制御を行う。なおキーレス始動許可信号は、上記のように携帯機40と制御モジュール20との間でIDコードを用いた認証が成立し、かつ、使用者(運転者)によって図示しないエンジンスタートボタン等が押下された場合に制御モジュール20から制御ユニット60に出力される。
【0037】
またロックアクチュエータ64は、例えば各ドア10b〜10fのロック又はアンロック機構を作動させるモータ又はソレノイドである。制御ユニット60は図示しない車内ドアハンドルやロックピンが操作された場合にロックアクチュエータ64を作動させるほか、キーレスエントリー装置の制御モジュール20からキーレス動作許可信号を受信した場合にもロックアクチュエータ64を作動させる制御を行う。例えば、アンロック動作時のキーレス動作許可信号は、上記のように携帯機40と制御モジュール20との間でIDコードを用いた認証が成立し、かつ、使用者(運転者)によって図示しない解錠ボタン等が押下された場合に制御モジュール20から制御ユニット60に出力される。またオートロック動作時のキーレス動作許可信号は、例えば上記のように携帯機40と制御モジュール20との間でIDコードを用いた認証が成立し、かつ、図示しないドア開閉センサによってドア10b〜10fが開いた状態から閉じた状態に変化したことが検出されるとともに、携帯機40がLF信号の到達範囲外に出たと判断された場合に制御モジュール20から制御ユニット60に出力されるものとする。
【0038】
次にスライドドアアクチュエータ66は、例えばリアドア10d,10eのスライド開閉機構を作動させるモータである。制御ユニット60は図示しない車内のスイッチが操作された場合にスライドドアアクチュエータ66を作動させるほか、キーレスエントリー装置の制御モジュール20からキーレス動作許可信号を受信した場合にもスライドドアアクチュエータ66を作動させる制御を行う。例えば、ドア開放時のキーレス動作許可信号は、上記のように携帯機40と制御モジュール20との間でIDコードを用いた認証が成立し、かつ、使用者(運転者)によってスイッチ部52が長押し操作された場合に制御モジュール20から制御ユニット60に出力される。なお、この場合の制御例についてはさらに後述する。
【0039】
またサンルーフアクチュエータ68は、電動サンルーフ10gのスライド開閉機構を作動させるモータである。制御ユニット60は図示しない車内のスイッチが操作された場合にサンルーフアクチュエータ68を作動させるほか、キーレスエントリー装置の制御モジュール20からキーレス動作許可信号を受信した場合にもサンルーフアクチュエータ68を作動させる制御を行う。例えば、サンルーフ開放時のキーレス動作許可信号は、上記のように携帯機40と制御モジュール20との間でIDコードを用いた認証が成立し、かつ、使用者(運転者)によってスイッチ部54が長押し操作された場合に制御モジュール20から制御ユニット60に出力される。なお、この場合の制御例についても後述するものとする。
【0040】
パワーウインドウアクチュエータ70は、例えばフロントドア10b(運転席)の窓開閉機構を作動させるモータである。制御ユニット60は図示しない車内のウインドウ開閉スイッチが操作された場合にパワーウインドウアクチュエータ70を作動させるほか、キーレスエントリー装置の制御モジュール20からキーレス動作許可信号を受信した場合にもパワーウインドウアクチュエータ70を作動させる制御を行う。例えば、窓開放時のキーレス動作許可信号は、上記のように携帯機40と制御モジュール20との間でIDコードを用いた認証が成立し、かつ、使用者(運転者)によってスイッチ部56が長押し操作された場合に制御モジュール20から制御ユニット60に出力される。なお、この場合の制御例についても後述するものとする。
【0041】
そしてバックドアアクチュエータ72は、例えばバックドア10fの開閉機構(油圧式)を作動させるモータである。制御ユニット60は図示しない車内のバックドア開閉スイッチが操作された場合にバックドアアクチュエータ72を作動させるほか、キーレスエントリー装置の制御モジュール20からキーレス動作許可信号を受信した場合にもバックドアアクチュエータ72を作動させる制御を行う。例えば、バックドア10fの開放時のキーレス動作許可信号は、上記のように携帯機40と制御モジュール20との間でIDコードを用いた認証が成立し、かつ、使用者(運転者)によってスイッチ部58が長押し操作された場合に制御モジュール20から制御ユニット60に出力される。なお、この場合の制御例についても後述する。
【0042】
〔携帯機〕
携帯機40は、ユーザが所持しやすいコンパクトな形態であり、例えば図示のようなキーホルダ型のものや、カード型等のものがある。携帯機40は、制御IC42やEEPROM44を内蔵する他、駆動用のバッテリ46や送信回路48、受信回路50をも内蔵している。また携帯機40には、上記のようにスイッチ部52〜56が付属している。制御IC42の記憶領域には制御プログラムが組み込まれており、制御IC42はその命令にしたがって携帯機40の動作(主に送信回路48によるRF送信、受信回路50によるLF受信)を制御する。
【0043】
また携帯機40には、RF信号の送信アンテナ48a及びLF信号の受信アンテナ50aが内蔵されている。このうち送信アンテナ48aは送信回路48に接続されており、受信アンテナ50aは受信回路50に接続されている。送信回路48は、パッシブ動作時のアンサー信号やスイッチ部52〜56が長押し操作された時のコマンド信号(いずれもRF信号)の送信に必要な構成を有しており、また受信回路50は、パッシブ動作時のリクエスト信号の受信や長押し操作時の返信用信号(いずれもLF信号)の受信に必要な構成(特に図示しない)を有している。
【0044】
携帯機40は、例えば1台の車両10について複数個が用意されており、また各携帯機40にはそれぞれ固有のIDコードが割り当てられている。固有のIDコードは予めEEPROM44に書き込まれており、このIDコードは車両側のEEPROM24に書き込まれているIDコードと対になっている。制御IC42はEEPROM44から読み出したIDコードを変調し、その変調信号を送信回路48に出力する。携帯機40と車両側の制御モジュール20との間の通信において、これらIDコードを信号に含めることにより、制御モジュール20のCPU22において携帯機40の認証を行うことができ、さらに携帯機40の個体をも識別することができる。
【0045】
車両10の送信アンテナ14から送信されたリクエスト信号や返信用信号は、受信アンテナ50aを用いて受信回路50で受信される。また、パッシブ動作時のリクエスト信号は各送信アンテナ14の設置場所ごとに異なるコードを有しており、受信回路50はリクエスト信号に含まれるコードを復号して制御IC42に提供する。このとき制御IC42は、受け取ったコードに基づき、リクエスト信号を送信してきた送信アンテナ14(特にその配置)を特定することができる。
【0046】
制御IC42で識別した送信アンテナ14の情報は、送信回路48からアンサー信号として送信される。これにより、車両側の制御モジュール20(CPU22)は携帯機40がリクエスト信号を受信した送信アンテナ14を判別することができる。これとは別に、送信アンテナ14ごとに時間差をおいてリクエスト信号を送信し、携帯機40でリクエスト信号を受信したら直ちにアンサー信号を返信すれば、その受信タイミングによって携帯機40がリクエスト信号を受信した送信アンテナ14を判別することもできる。
【0047】
また携帯機40には、例えば図示しない動作モニタ用のLEDが内蔵されていてもよい。例えばバッテリ46の消耗時や送信回路48又は受信回路50による送受信の実行時、制御IC42は図示しないLEDを点灯させる制御を行う。なおLEDは送信回路48や受信回路50に接続されていてもよい。
【0048】
〔長押し操作時の制御例〕
次に、スイッチ部52〜56が長押し操作された場合の制御例について説明する。図3は、長押し操作時に制御IC42及びCPU22においてそれぞれ実行される制御処理の手順例を示すフローチャートである。なお、図3中の右側には携帯機40の制御IC42における制御処理を示し、左側には車両10(制御モジュール20)のCPU22における制御処理を示している。
【0049】
〔携帯機(右側)の処理〕
ステップS10:制御IC42は、長押し操作対象であるいずれかのスイッチ部52〜56がOFF状態からON状態に変化したか否かを確認する。特に変化がない場合(No)、制御IC42は引き続きスイッチ部52〜56の状態を監視する。なお、ここでは常時スイッチ部52〜56の状態を監視する例を挙げているが、制御IC42はいずれかのスイッチ部52〜56からON信号が入力された場合、外部割り込みイベントを発生させてステップS12以降の手順を実行することとしてもよい。
【0050】
ステップS12:いずれかのスイッチ部52〜56をユーザが長押し操作し、状態がOFFからONに変化すると(ステップS10:Yes)、制御IC42は送信回路48を起動し、送信アンテナ48aを通じてRF信号を送信する。このとき送信されるRF信号には、携帯機40に固有のIDコードが含まれる他、長押し操作されたスイッチ部52〜56に対応するコマンド(ファンクションコード)が含まれるものとする。
【0051】
ステップS14:次に制御IC42は、ここで一旦RF信号の送信動作を中断し、受信回路50を起動して車両10から送信される返信用LF信号の受信待ちを行う。そして返信用LF信号を受信したことを確認した場合(Yes)、次に制御IC42はステップS16に進む。
【0052】
ステップS16:この場合、制御IC42は長押し操作対象のスイッチ部52〜56がON状態を継続しているか否かを確認する。このときユーザが引き続き長押し操作を行っていれば(Yes)、制御IC42はステップS12に戻り、再びRF信号を送信する制御を行う。そして、同じくステップS14に進んで返信用LF信号の受信待ちを行い、受信に成功した場合はステップS16に進んでスイッチ部52〜56の状態を確認する。
【0053】
これに対し、先のステップS14で返信用LF信号の受信ができなかった場合(No)、制御IC42はステップS10に戻り、改めて長押し操作対象のスイッチ部52〜56の状態が変化したか否かを監視する。このとき、ユーザがそれまでと同じスイッチ部52〜56を長押し操作していたとしても、そのスイッチ部52〜56の状態がOFFからONに変化するまで(つまり、ユーザが押し直しするまで)の間、制御IC42はステップS12以降には進まない。
【0054】
また、先のステップS16を実行しても、スイッチ部52〜56がON状態を継続していなかった場合(No)、制御IC42は同じくステップS10に戻り、改めて長押し操作対象のスイッチ部52〜56の状態が変化したか否かを監視する。
【0055】
〔車両制御モジュール(左側)の処理〕
次に、制御モジュール20のCPU22により実行される処理について説明する。
【0056】
ステップS30:CPU22は、RF信号の受信回数をリセットする。受信回数は例えばRAM26のバッファ領域に記憶させることができ、この手順においてCPU22はバッファ領域に対する消去(イレース)を実行する。
【0057】
ステップS32:次にCPU22は、携帯機40から長押し操作対象のコマンド(ファンクションコード)を含むRF信号を受信したか否かを確認する。特にコマンドを受信していなければ(No)、CPU22はステップS30に戻り、受信回数のリセットを単に繰り返す。
【0058】
携帯機40においてユーザがいずれかのスイッチ部52〜56を長押し操作すると、上記のように携帯機40において制御IC42がRF信号を送信させる制御を行う(右側フローのステップS12)。これにより、車両10側のCPU22ではステップS32でRF信号の受信が確認されるため(Yes)、次にステップS34が実行される。
【0059】
ステップS34:この場合、CPU22はRF信号の受信回数を1加算する。具体的には、RAM26のバッファ領域に記憶された受信回数の値を1インクリメントする。
【0060】
ステップS36:次にCPU22は制御モジュール20において送信回路32を起動し、各送信アンテナ14から返信用LF信号を送信させる制御を行う。
【0061】
ステップS38:続いてCPU22は、RF信号の受信回数が規定回数(例えば40〜100回程度)に達したか否かを確認する。なお規定回数は、長押し操作の有効時間(例えば5.0s程度)とRF信号の送受信周期(例えば100〜200ms程度)との関係に基づいて予め設定しておくことができる。
【0062】
ステップS42:先のステップS38で未だ受信回数が規定回数に達していなければ(No)、CPU22は次に携帯機40から送信されてくる長押し操作対象のコマンド(RF信号)の受信待ちとなる。
【0063】
このとき、携帯機40において返信用LF信号の受信が確認されていれば(右側フローのステップS14:Yes)、携帯機40から次のコマンド(RF信号)が送信されてくる。したがって、車両10側のCPU22がステップS32に戻ってコマンド受信を確認すると(Yes)、再びステップS34に進んでRF信号の受信回数を1加算する。そして、次のステップS36でCPU22は再び返信用LF信号の送信を行い、ステップS38に進むと、改めてRF信号の受信回数が規定回数に達したか否かを確認する。
【0064】
このように、携帯機40において返信用LF信号の受信が可能である場合、携帯機40から長押し操作対象のコマンド(RF信号)の送信が継続されるため、車両10側では、返信用LF信号の送信動作(ステップS36)を挟んでRF信号の受信回数が順次加算されていくことになる。その結果、RF信号の受信回数が規定回数に達したことを確認すると(ステップS38:Yes)、CPU22は次にステップS40を実行する。
【0065】
ステップS40:ここでCPU22は、長押し操作対象の機能に関してキーレス動作許可信号を出力する。これにより、制御ユニット60が長押し操作対象のコマンド(ファンクションコード)に対応する機能を動作させる。
【0066】
またこの場合、CPU22はステップS40からステップS42に進み、次に携帯機40から送信されてくる長押し操作対象のコマンド(RF信号)の受信待ちを継続する。そのまま携帯機40においてユーザが長押し操作を継続していれば、次のステップS32でCPU22はコマンド受信を確認することができる(Yes)。そして、CPU22はステップS34に進んでRF信号の受信回数を1加算するとともに、次のステップS36で返信用LF信号の送信動作を行う。
【0067】
この時点では、既に受信回数が規定回数に達しているので(ステップS38:Yes)、CPU22は再びステップS40に進み、同じキーレス動作許可信号を出力する。これにより、制御ユニット60が同じ機能を引き続き動作させる結果、ユーザの長押し操作に基づいていずれかの機能(パワースライドドア、電動サンルーフ、パワーウインドウ、パワーバックドア)が有効化されることになる。
【0068】
この後、ユーザが長押し操作を止めるか、もしくは携帯機40を所持したまま車両10の周辺から遠く離れた場所に移動すると、車両10において長押し操作対象のコマンド(RF信号)を受信できなくなる。具体的には、以下の2パターンとなる。
【0069】
(1)長押し操作終了時
携帯機40が車両10の周辺にあっても、ユーザが長押し操作を止めると、携帯機40の制御IC42により長押し操作対象のスイッチONが継続しなくなったと判断される(右側フローのステップS16:No)。この場合、制御IC42の処理は最初のステップS10に戻ってループし、携帯機40からのRF送信を停止する。これにより、車両10においてそれ以上の長押し操作対象のコマンド(RF信号)を受信しなくなる。
【0070】
(2)長押し操作中に移動した場合
あるいは、長押し操作中にユーザが携帯機40を所持したまま車両10から遠く離れた場所に移動した場合、携帯機40が車両10から離れていく過程で、先に車両10からの返信用LF送信が携帯機40に届かなくなるので、制御IC42の処理はステップS14(No判定)からステップS10へ戻る。続くステップS10の判定時に対象のスイッチ部52〜56はONであっても、それはOFFからONへの変化を検知したことに該当しないで、ここではNo判定となり、制御IC42の処理はステップS10自身でループすることになる。そのため、制御IC42の処理は次のステップS12には進まなくなり、携帯機40からのRF送信がされなくなる。このように、携帯機40がLF送受信範囲から外に出た場合、その結果として携帯機40はRF信号の送信を行なわなくなるので、ここでも無駄な送信を停止することができる。
【0071】
いずれにしても、携帯機40からのRF送信が停止した場合、車両10側のCPU22はステップS32でRF信号を受信できないと判断し(No)、ステップS30に戻って受信回数をリセットする。この後は改めてユーザが(LF送受信範囲内で)スイッチ部52〜56を長押し操作するまでの間、CPU22がステップS34以降に進むことはない。
【0072】
〔動作例1〕
以上の処理を通じて、本実施形態のキーレスエントリー装置により実現される動作例を説明する。
【0073】
図4は、キーレスエントリー装置の動作例1を示す連続図である。この動作例1では、例えばユーザによるスイッチ部54の長押し操作に基づき、電動サンルーフ10gの開放機能を作動させるものとする。
【0074】
図4中(A):車両10の周辺には、例えば予めLF信号の送信領域A1,A2が規定されている。具体的には、運転席側と助手席側のフロントドア10b,10cに内蔵された2本の送信アンテナ14により、それぞれ送信領域A1,A2が規定されている。これら送信領域A1,A2は、図示のように車両10の右側方及び左側方の限られた範囲内に規定される。
【0075】
例えば、携帯機40を所持したユーザが運転席側の送信領域A1内に位置する状態でスイッチ部54を長押し操作した場合を想定する。この場合、携帯機40からコマンド(ファンクションコード)を含むRF信号が送信され、これが車両10において受信される。
【0076】
図4中(B):車両10においてRF信号を受信すると、上記のように送信アンテナ14から返信用LF信号が送信される。なお返信用LF信号は、運転席側の送信アンテナ14については送信領域A1内だけで有効に到達する。
【0077】
このとき、上記のように携帯機40は送信領域A1内に位置しているので、携帯機40では返信用LF信号の受信が可能である。したがって、携帯機40ではユーザが長押し操作を継続している限り、返信用LF信号の受信を受けてコマンド(RF信号)の送信が継続される。その結果、車両10においてRF信号の受信回数が規定回数に達すると、対応する機能として電動サンルーフ10gを開放する機能を作動させることができる。
【0078】
〔動作例2〕
次に図5は、キーレスエントリー装置の動作例2を示す連続図である。この動作例2では、例えばユーザによるスイッチ部54の長押し操作がされた場合であっても、電動サンルーフ10gの開放機能は作動せずにキャンセルされる。以下、具体的に説明する。
【0079】
図5中(A):ここでも車両10の周辺には、例えば予めLF信号の送信領域A1,A2が規定されている。このとき、例えば携帯機40を所持したユーザが送信領域A1,A2の外に位置する状態でスイッチ部54を長押し操作した場合を想定する。この場合も同様に、携帯機40からコマンド(ファンクションコード)を含むRF信号が送信されるが、RF信号の到達距離はLF信号に比較して長いため、ここでもRF信号が車両10において受信されることになる。
【0080】
図5中(B):動作例2においても、車両10においてRF信号を受信すると、上記のように送信アンテナ14から返信用LF信号が送信される。ただし、このとき携帯機40は送信領域A1,A2の外に位置しているので、携帯機40では返信用LF信号を受信することができない。したがって、携帯機40ではユーザが長押し操作を継続していたとしても、それ以上のRF信号の送信は行われずに送信動作が停止する。この結果、車両10においてはRF信号の受信回数がリセットされ、電動サンルーフ10gを開放する機能も作動されない。
【0081】
上述した本実施形態のキーレスエントリー装置によれば、ユーザがスイッチ部52〜56を長押し操作した場合、携帯機40が送信領域A1,A2内に位置していることを確認した上で制御モジュール20からキーレス動作許可信号が出力されるため、不用意にキーレス動作が行われることがなく、車両10のセキュリティ性を確保することができる。
【0082】
一方で、ユーザがスイッチ部52〜56を長押し操作し続けていた場合であっても、携帯機40が送信領域A1,A2内に位置していなければ、それ以上のRF信号の送信動作が停止されるため、携帯機40から無駄にRF信号が送信され続けるのを防止することができる。これにより、無駄な電力の消費を抑えてバッテリ46の消耗を最小限に抑えることができる。
【0083】
なお、上記の動作例1,2では電動サンルーフ10gを開放させる機能について説明しているが、その他の長押し操作対象となる機能についても同様である。また、動作例1,2ではフロントドア10b,10cに内蔵された送信アンテナ14による送信領域A1,A2を用いて説明したが、前部や後部の送信アンテナ14による送信領域についても同様である。
【0084】
また本実施形態において、例えば長押し操作に基づいてパワーウインドウを開閉動作させる場合、運転席側の送信領域A1内に携帯機40が位置する場合にのみ動作を許可し、それ以外の送信領域A2内に携帯機40が位置していても、動作を許可しないこととしてもよい。あるいは、長押し操作に基づいてバックドア10fを開閉動作させる場合、バックドア10f後方の送信領域(図示していない)内に携帯機40が位置する場合にのみ動作を許可し、それ以外の送信領域A1,A2内に携帯機40が位置していても、動作を許可しないこととしてもよい。
【0085】
同様にスライドドアの開閉動作に関して、運転席側のリアドア10dについては送信領域A1内に携帯機40が位置する場合にのみ動作を許可し、それ以外の送信領域A2内に携帯機40が位置していても、動作を許可しないこととしてもよいし、逆に助手席側のリアドア10eについては、送信領域A2内に携帯機40が位置する場合にのみ動作を許可し、それ以外の送信領域A1内に携帯機40が位置していても、動作を許可しないこととしてもよい。
【0086】
一実施形態では車両10をワゴン車タイプとしているが、本発明のキーレスエントリー装置は、その他のタイプの車両(例えばセダン型、クーペ型、ワンボックス型等)にも適用することができる。
【符号の説明】
【0087】
10 車両
12 受信アンテナ
14 送信アンテナ
20 制御モジュール
22 CPU(動作許容手段、車両側制御回路)
26 RAM(記憶部)
30 受信回路(応答信号送信手段、RF受信部)
32 送信回路(応答信号送信手段、LF送信部)
40 携帯機
42 制御IC(送信制御手段、携帯機側制御回路)
48 送信回路(特定操作信号送信手段、RF送信部)
50 受信回路(送信制御手段、LF受信部)
52,54,56,58 スイッチ部
60 制御ユニット(動作許容手段)
A1,A2 送信領域(所定領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が所持する携帯機と車両との間で無線通信を行うことにより、前記車両において所定の機能を動作させる車両のキーレスエントリー装置であって、
前記携帯機において使用者により特定態様による操作がなされたことを検出すると、前記携帯機から前記車両に対して特定操作信号を送信する特定操作信号送信手段と、
前記車両において前記特定操作信号を受信すると、前記車両の周辺に予め規定された所定領域内にのみ到達可能な応答信号を送信する応答信号送信手段と、
前記携帯機において前記応答信号を受信できる場合、前記特定操作信号送信手段による前記特定操作信号の送信を継続させる一方、前記応答信号を受信できない場合、前記特定操作信号送信手段による前記特定操作信号の送信を停止させる送信制御手段と、
前記送信制御手段により前記特定操作信号の送信が継続された結果、前記車両において所定期間にわたり前記特定操作信号を受信した場合、前記所定の機能の動作を許容する動作許容手段と
を備えた車両のキーレスエントリー装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両のキーレスエントリー装置において、
前記特定操作信号送信手段は、
前記携帯機に設けられ、使用者による操作に応じて操作信号を発生させるスイッチ部と、
前記携帯機に設けられ、前記操作信号に基づき前記所定領域外からであっても前記車両に対して到達可能なRF信号を送信するRF送信部とを含み、
前記応答信号送信手段は、
前記車両に設けられ、前記携帯機からのRF信号を受信するRF受信部と、
前記車両に設けられ、前記所定領域内にのみ到達可能なLF信号を送信するLF送信部とを含み、
前記送信制御手段は、
前記携帯機に設けられ、前記携帯機が前記所定領域内にある場合にのみ前記LF送信部からのLF信号を受信するLF受信部と、
前記携帯機に設けられ、前記操作信号及び前記LF受信部によるLF信号の受信状態に基づいて前記RF送信部によるRF信号の送信状態を制御する携帯機側制御回路とを含み、
前記動作許容手段は、
前記車両に設けられ、前記LF送信部によるLF信号の送信動作を挟んで前記RF受信部によりRF信号を受信した回数を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された回数が規定回数に達した場合に前記所定の機能を動作させるための制御信号を出力する車両側制御回路とを含む
ことを特徴とする車両のキーレスエントリー装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両のキーレスエントリー装置において、
前記RF送信部は、
使用者による前記スイッチ部の連続的な操作に応じて前記所定の機能を動作させるためのコマンドをRF信号として送信し、
前記携帯機側制御回路は、
使用者による前記スイッチ部の連続的な操作に応じて前記操作信号が連続的に発生している場合、前記RF送信部によるRF信号の送信を行った後に前記LF受信部によりLF信号を受信したか否かを確認し、その結果、LF信号を受信した場合に前記RF送信部によるRF信号の送信を継続させることを特徴とする車両のキーレスエントリー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−222810(P2010−222810A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−69722(P2009−69722)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】