説明

車両のブレーキングを検出する方法

【課題】車両のブレーキングを検出する方法を提供する。
【解決手段】第一車両に提供されたデバイス100により自動的に実行され、デバイスは、第一車両に取り付けられた検出装置107と通信し、前方エリアをモニターし、本方法は、モニターされたエリアで第二車両が第一車両の前を走行している場合、第二車両のリアライトにより発せられた光を検出する検出装置107からデータを取得することと、第二車両のリアライトにより発せられ、少なくともブレーキングの強さのインジケーションを符号化する、第二車両により実行されたブレーキング手順の情報を含む光学信号を検出するために取得されたデータを分析することと、その中に含まれる、第二車両のブレーキング手順の情報を導き出すために検出された光学信号を評価することとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、車両のブレーキングを検出する方法およびその方法を実行するデバイスに関する。本発明は、更に、車両のリアライトからの光の放射を制御する車両ライティング制御ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
従来の車両は、運転手が車両のブレーキペダルを始動させることに応答して照らされるブレーキライトを装備し、ブレーキペダルを踏むことは車両の減速をもたらす。後続する車両の運転手は、このように警告され、スピードを落とすことにより反応することを可能にされる。現代の車両は、しばしば向上されたブレーキングパフォーマンスを有し、これは、例えば、アンチロックブレーキシステム(ABS)または横滑り防止装置(ESC)のような電子システムを活用することにより達成され得る。したがって、急速な減速は、このような車両により達成され得る。このことは、ブレーキライトの照明のみを観測するが先行する車両がどれだけ強くブレーキングしているかのインジケーションを有さない後続する車両の運転手には問題であり得る。
【0003】
車両メーカーは、リアライトによって後続する車両の運転手に特定の可視インジケーションを提供することによりこの問題を克服することを試みている。このようなインジケーションの例としては、ブレーキライトまたはハザード点滅装置の点滅がある。このようなインジケーションは、緊急停止信号と呼ばれ得る。他の実装は、ブレーキライトの明度を上げること、または、例えば、ブレーキライトの追加的な区分から光を発すること、または他の光(これは、また、後続する運転手により感知される明度を上げる)によりブレーキライトの光を発するエリアを拡大することを含む。しかし、今日までこのようなシステムは、追突事故の防止に対して有意な向上を表すことができなかった。このことは、両システム(通常ブレーキライトおよび向上された適合的ブレーキライト)において、後続する車両の運転手がブレーキングを認識しなければならず、それに応じて反応しなければならないという事実に起因し得る。
【0004】
追突事故が回避され得るように運転手への警告を向上することは望ましい。特に、後続する車両が減速を開始する反応時間が向上されるべきである。また、先行する車両により実行されたブレーキング手順に対する情報がより多く入手可能であることは、後続する車両のためになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(概要)
したがって、車両のブレーキングの検出を向上すること、および以前に言及された弱点の少なくとも一部を緩和することの必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この必要性は、独立請求項の特徴部により満たされる。従属請求項は、本発明の実施形態を記述する。
【0007】
本発明の側面にしたがって、車両のブレーキングを検出する方法が提供される。本方法は、第一車両に提供されたデバイスにより自動的に実行され、デバイスは、第一車両に取り付けられた検出装置と通信し、第一車両の前方エリアをモニターする。本方法は、モニターされたエリアで第二車両が第一車両の前を走行している場合、第二車両のリアライトにより発せられた光を検出する検出装置からデータを取得するステップと、第二車両のリアライトにより発せられ、少なくともブレーキングの強さのインジケーションを含む、第二車両により実行されたブレーキング手順の情報を符号化する光学信号を検出するために取得されたデータを分析するステップとを含む。更に、検出された光学信号が評価され、その結果、光学信号内に符号化された第二車両のブレーキング手順の情報を導き出す。
【0008】
この方法をもって、前を走行する車両のブレーキングの強さ(またはブレーキング減速)のインジケーションを自動的に得ることが可能である。情報は自動的に得られるため、反応時間は低減され得る。例として、先行する車両が強くブレーキングをしている場合、車両の運転手は警告され得るか、導き出された情報を基に運転手補助システムがエンゲージされ得る。反応時間が低減され得るため、車両のブレーキングは、より早く開始され得、追突事故が回避され得る。
【0009】
本方法の実施形態では、取得されたデータの分析が、当該情報を符号化する人間が感知可能な光学信号を検出するために実行される。したがって、光学信号を提供する車両は、特定の符号化装置または信号生成装置が装備されていることが必要でない場合があるが、このような車両により提供される、例えば激しいブレーキングまたは緊急ブレーキング手順に注目を引くための従来の光学信号は、本方法により自動的に検出され得、評価され得る。
【0010】
例として、取得されたデータは、発せられた光の明度と、人間が感知可能な周波数での発せられた光の強度変調のうちの少なくとも1つを光学信号として検出するように分析され得る。発せられた光の強度を上げること、または光の放射のエリアを拡大することにより達成され得る異なる明度は、異なるブレーキングの強さ/減速を示し得る。特定のタイプのリアライトの強度変調または特定の周波数での強度変調は、緊急ブレーキングを示し得る。明度および強度変調に対して取得されたデータを分析することにより、ブレーキングの強さを示す光学信号がこのように難なく認識され得る。このような分析は、更に、人間が感知可能でない明度の差でさえ検出し得るという利点がある。
【0011】
検出された光学信号の評価をするとき、第二車両により実行されたブレーキング手順における以下の情報、第二車両により実行された緊急ブレーキング、第二車両の減速のレート、アンチロックブレーキシステムの始動、またはタイヤがロックしていることのうちの少なくとも1つが導き出され得る。このような情報を得ることは、実際の交通状況に合わされた警告を運転手に提供し得るか、現在の交通状況に一致した運転手補助を提供し得る。
【0012】
実施形態では、取得されたデータの分析は、第二車両のリアライトにより発せられた以下の光学信号、人間が感知可能な周波数、好ましくは、約0.5から約10Hzの間の値域、更により好ましくは、約1から5Hzの間、例えば、4Hzでのブレーキライトの強度変調、ハザード点滅装置の始動、ブレーキライトの光を発するエリアの拡大、ブレーキライト、または他のライト(例えばテールライト)より発せられた光の強度の上昇、およびリアライトの光を発する異なるエリア間の強度の差の存在のうちの少なくとも1つが検出可能であるように実行される。
【0013】
これらの光学信号のほとんどは、人間が感知可能であり得る。しかし、光を発する異なるエリア間の相対的な強度、または発せられた光の強度の変化のような一部の信号は、人間が感知可能でないことがある。更なる情報は、このように人間の目に可視でない光学信号を自動的に分析することにより導き出され得る。
【0014】
例として、取得されたデータの分析は、取得されたデータから第二車両のリアライトの少なくとも一部の明度を決定すること、および決定された明度と閾値とを、好ましくは現在の運転状況を考慮して、比較することを含み得る。ブレーキングの強さのインジケーションを符号化する光学信号は、次に、決定された明度が閾値よりも高い場合検出され得る。分析は、車両間の距離、先行する車両のタイプ、現在の気象状況、および同様なもののような、検出装置により感知される明度に影響を及ぼす現在の運転状況を考慮し得る。閾値は、このような状況を考慮して明度の参照から決定され得る。明度の参照は、また、第二車両のリアライトの当該部の以前の明度であり得る。例として、ブレーキライトの明度は、数回検出され得、より低い検出された明度は、より高い明度を検出するための参照値を形成する。
【0015】
先行する車両のリアライト(例えば、ブレーキライト)の上昇する明度は、このように容易に識別され得る。
【0016】
取得されたデータの分析は、また、第二車両のリアライトの少なくとも第一の光を発するエリアおよび第二の光を発するエリアの明度を、取得されたデータから決定することを含み得る。少なくとも2つエリア間の相対的な明度、および/または相対的な明度を有するエリアの位置が、次に、決定され得る。相対的な明度および/または決定された位置は、次に、光学信号の構成要素となり得る。例として、2つのエリア間の相対的な明度の存在は、特定の情報を示し得るか、または明度の差は情報を符号化し得るか、もしくはより明るいエリアとより暗いエリアの位置づけは情報を符号化し得る。
【0017】
検出された光学信号の評価は、減速のレート、アンチロックブレーキシステムの始動、または第二車両のタイヤがロックしていることのうちの少なくとも1つを相対的な明度から決定することを含み得る。このような情報は、異なる相対的な明度、または光を発するより明るいエリアと光を発するより暗いエリアの異なる位置により符号化され得る。
【0018】
例として、第二車両のリアライトの第一および第二のエリアは、ブレーキライトの上部および下部、ブレーキライトの左側部分および右側部分、左側ブレーキライトおよび右側ブレーキライト、ブレーキライトに提供された照明パターンの第一部分および第二部分のうちの少なくとも1つであり得る。左側と右側ブレーキライトとの間の明度の差は、例えば、減速のレートを示し得、より暗いブレーキライト(左側または右側)の位置は、アンチロックブレーキシステム(ABS)がエンゲージされているか、またはされていないかを示し得る。注意すべきは、ある実施形態では、明度の差は人間の目に可視であり得、他の実施形態ではそれは可視でないことがあることである。ブレーキライトの可視性は、このため妨害されてはならないが、検出装置によって、符号化された情報はまだ解析され得る。
【0019】
取得されたデータの分析は、第二車両のリアライトにより発せられた緊急停止信号が光学信号として検出可能であるように実行され得る。緊急停止信号は、例えば、ECE法規48に提供されたような信号であり得る。
【0020】
本方法は、第一車両の運転手補助システムまたは運転手警告システムのための信号を導き出された情報を基に生成することを更に含み得る。このような生成された信号は、次に、対応するシステムに供給され得る。したがって、運転手補助は、信号を基に、例えば車両のブレーキシステムを準備することにより、または車両のブレーキシステムを始動することにより、提供され得る。このように先行する車両に対して安全な距離が保たれることが確実にされ得る。その上またはその代わりに、生成された信号を基に、したがって導き出された情報を基に、警告が運転手に与えられ得る。例として、先行する車両の緊急ブレーキングが検出された場合、音声警告信号が与えられ得る。
【0021】
運転手補助システムの一部をなすデバイスにより方法自体が実行され得、生成された信号は、対応する動作を取ることを担うシステムの一部に供給される。検出装置は、運転手補助システムの一部であり得、検出装置は、カメラまたはphotonic mixer device(PMD)のような3Dカメラであり得る。他の実施形態では、簡単な写真検出装置が使用され得、この装置は先行する車両のリアライトにより発せられた光をフィルターで取り除くためのフィルターが提供され得る。
【0022】
本発明の別の側面にしたがって、車両のブレーキングを検出するデバイスが供給される。デバイスは、第一車両に取り付けられるように適合される。デバイスは、第一車両に取り付けられた検出装置に対するインターフェイスを含み、インターフェイスは第一車両の前方エリアをモニターする。デバイスは、インターフェイスを通して検出装置からデータを取得するように適合され、検出装置は、モニターされたエリアで第二車両が第一車両の前を走行している場合、第二車両のリアライトにより発せられた光を検出する。デバイスは、第二車両のリアライトにより発せられ、第二車両により実行されたブレーキング手順の情報を含む光学信号を検出するために取得されたデータを分析するように適合された分析ユニットを更に含み、この情報は、少なくともブレーキングの強さのインジケーションを含む。それに含まれる、第二車両のブレーキング手順における情報を導き出すために検出された光学信号を評価するように適合される評価ユニットをデバイスは更に提供される。
【0023】
このようなデバイスをもって、発明的な方法に関連して以前に略述されたものと同様な利点が達成される。
【0024】
実施形態にしたがって、デバイスは、運転手補助システムまたは運転手警告システムに対するインターフェイスを更に含む。デバイスは、次に、運転手補助システムまたは運転手警告システムに、それぞれ、導き出された情報に対応する信号を提供するように適合され得る。デバイスは、また、このように運転手補助システムの一部であり得る。
【0025】
デバイスは、更に、以前に言及された任意の方法を実行するように適合され得る。
【0026】
本発明の別の側面にしたがって、車両のリアライトからの光の放射を制御するように適合された車両ライティング制御ユニットが提供される。制御ユニットは、車両の減速および/または車両のブレーキングシステムの状態のデータを受信するように適合されたインターフェイス、ライト制御信号にインターフェイスで受信された情報を符号化するように適合された符号化ユニット、およびライト制御信号にしたがってリアライトの少なくとも第一エリアおよび第二エリアから発せられた光の強度を独立的に調整するように適合されたコントローラーを含む。符号化ユニットは、情報が、少なくとも2つのエリアにより発せられた光の強度の差に含まれるように構成される。情報は、相対的な発せられた光の強度、または当該相対的な強度を有する少なくとも2つのエリアの位置づけに含まれ得る。
【0027】
このようなライティング制御ユニットをもって、ユニットが搭載されている車両により実行されるブレーキング手順の情報は、後続する車両に伝えられ得る。車両ライティング制御ユニットは、後続する車両にこのようなデバイスが搭載されている場合、以前に言及されたデバイスとこのようにインタラクトし得る。デバイスは、車両ライティング制御ユニットにより伝送された情報を自動的に検出し得、解読し得る。車両が激しいブレーキングを実行する場合、後続する車両の反応時間が低減され得、追突事故がこのように防止され得る。
相対的な強度のほかに、少なくとも2つのエリアの位置も情報を含み得る。同じ相対的な強度で、ABSが始動されているかどうか、またはタイヤがブロックしているかどうかのような車両ブレーキングシステムの状態の更なる情報は、符号化され得、伝送され得る。符号化され得る他の情報は、激しいブレーキングまたは緊急停止(例えば、運転手が急ブレーキをする)を実行することを含む。
【0028】
実施形態では、車両のリアライトの第一および第二エリアは、ブレーキライトの上部および下部、ブレーキライトの左側部分および右側部分、左側ブレーキライトおよび右側ブレーキライト、ならびに少なくとも1つのブレーキライトに提供されたエリアのパターンのうちの少なくとも1つを含む。
【0029】
本発明は、更に、演算デバイスの内部メモリにロードされ得るコンピュータープログラム製品を提供し、製品は、以前に言及された任意の方法を実行するためのソフトウェアコード部分を含む。
【0030】
以前に言及された特性およびまだ以下に説明されていない特性は、示されたそれぞれの組み合わせだけでなく、他の組み合わせまたは単独でも本発明の範囲を逸脱することなく使用され得ることが認識される。
【0031】
本発明は例えば以下を提供する。
(項目1) 車両のブレーキングを検出する方法であって、該方法は、第一車両(170)に提供されたデバイス(100)により自動的に実行され、該デバイスは、該第一車両(170)に取り付けられた検出装置(107)と通信し、該第一車両の前方エリアをモニターし、該方法は、
該モニターされたエリアで第二車両(180)が該第一車両(170)の前を走行している場合、該第二車両のリアライトにより発せられた光を検出する該検出装置(107)からデータを取得するステップと、
該第二車両(180)のリアライト(150)により発せられ、少なくともブレーキングの強さのインジケーションを含む、該第二車両(180)により実行されたブレーキング手順の情報を符号化する光学信号を検出するために該取得されたデータを分析するステップと、
該検出された光学信号を評価して、その結果、該光学信号に符号化された、該第二車両(180)のブレーキング手順の情報を導き出すステップと
を含む、方法。
(項目2) 上記項目に記載の方法であって、上記取得されたデータを分析することが、上記情報を符号化する人間が感知可能な光学信号および/または人間が感知不可能な光学信号を検出するように実行される、方法。
(項目3) 上記項目のいずれかに記載の方法であって、上記取得されたデータを分析することが、上記発せられた光の明度と、人間が感知可能な周波数での該発せられた光の強度変調とのうちの少なくとも1つを上記光学信号として検出するように実行される、方法。
(項目4) 上記項目のいずれかに記載の方法であって、上記検出された光学信号の評価は、該第二車両(180)により実行されたブレーキング手順の以下の情報、
該第二車両により実行された緊急ブレーキング、
該第二車両の減速のレート、
アンチロックブレーキシステムの始動、
タイヤがロックしていること、
のうちの少なくとも1つが導き出され得るように実行される、方法。
(項目5) 上記項目のいずれかに記載の方法であって、上記取得されたデータを分析することは、上記第二車両(180)のリアライトにより発せられた以下の光学信号
人間が感知可能な周波数、好ましくは、約0.5から約10Hzの間の値域、でのブレーキライトの強度変調、
ハザード点滅装置の始動、
該ブレーキライトの光を発するエリアの拡大、
該ブレーキライトにより発せられた光の強度の上昇、
該リアライトの光を発する異なるエリア間の強度の差の存在
のうちの少なくとも1つが検出可能であるように実行される、方法。
(項目6) 上記項目のいずれかに記載の方法であって、上記取得されたデータを分析することは、
上記取得されたデータから上記第二車両のリアライト(150)の少なくとも一部の明度を決定することと、
該決定された明度を閾値と、好ましくは現在の運転状況を考慮して、比較することであって、ブレーキングの強さのインジケーションを符号化する光学信号は、該決定された明度が該閾値よりも高い場合に検出される、ことと
を含む、方法。
(項目7) 上記項目のいずれかに記載の方法であって、上記取得されたデータを分析することは、
上記第二車両(180)のリアライト(150)の少なくとも第一の光を発するエリア(151)および第二の光を発するエリア(152)の明度を上記取得されたデータから決定することと、
該少なくとも2つの光を発するエリア(151、152)の間の相対的な明度を決定することおよび/または該相対的な明度を有する該光を発するエリア(151、152)の位置を決定することであって、光を発するエリア(151、152)の少なくとも2つは、同時に光を発し、該相対的な明度および/または位置が上記光学信号として検出される、ことと
を含む、方法。
(項目8) 上記項目のいずれかに記載の方法であって、上記検出された光学信号の評価は、減速のレート、アンチロックブレーキシステムの始動、または上記第二車両(180)のタイヤがロックしていることのうちの少なくとも1つを上記相対的な明度から決定することを含む、方法。
(項目9) 上記項目のいずれかに記載の方法であって、上記第二車両のリアライト(150)の上記第一および第二の光を発するエリア(151、152)は、
ブレーキライトの上部および下部、
ブレーキライトの左側部分および右側部分、
左側ブレーキライトおよび右側ブレーキライト、
ブレーキライトに提供された照明パターンの第一部分および第二部分
のうちの少なくとも1つである、方法。
(項目10) 上記項目のいずれかに記載の方法であって、上記取得されたデータを分析することは、上記第二車両(180)のリアライト(150)により発せられた緊急停止信号が上記光学信号として検出可能であるように実行される、方法。
(項目11) 上記項目のいずれかに記載の方法であって、
上記導き出された情報に対応する信号を上記第一車両(170)の運転手補助システム(108)または運転手警告システム(109)へ供給するステップ
を更に含む、方法。
(項目12) 車両のブレーキングを検出するためのデバイスであって、該デバイス(100)は第一車両(170)に取り付けられるように適合され、
該第一車両(170)に取り付けられた検出装置(107)に対するインターフェイス(101)であって、該インターフェイス(101)は該第一車両の前方エリアをモニターし、該デバイス(100)は、該インターフェイス(101)を通して該検出装置(107)からデータを取得するように適合され、該検出装置(107)は、該モニターされたエリアで第二車両(180)が該第一車両(170)の前を走行している場合、該第二車両(180)のリアライト(150)により発せられた光を検出する、インターフェイス(101)と、
該第二車両(180)のリアライト(150)により発せられ、少なくともブレーキングの強さのインジケーションを含む、該第二車両(180)により実行されたブレーキング手順の情報を符号化する光学信号を検出するために取得されたデータを分析するように適合された分析ユニット(103)と、
評価ユニット(104)であって、該評価ユニット(104)は、該検出された光学信号を評価して、その結果、該光学信号に符号化された、該第二車両(180)のブレーキング手順の情報を導き出すように適合される、評価ユニット(104)と
を含む、デバイス。
(項目13) 上記項目のいずれかに記載のデバイスであって、上記デバイス(100)は、
運転手補助システム(108)または運転手警告システム(109)に対するインターフェイス(102)であって、該デバイス(100)は、それぞれ、該運転手補助システム(108)または該運転手警告システム(109)に、上記導き出された情報に対応する信号を提供するように適合される、インターフェイス(102)
を更に含む、デバイス。
(項目14) 上記項目のいずれかに記載のデバイスであって、上記分析ユニット(103)は、上記第二車両のリアライト(150)の少なくとも第一の光を発するエリア(151)および第二の光を発するエリア(152)の明るさを上記取得されたデータから決定するように構成される、デバイス。
(項目15) 上記項目のいずれかに記載のデバイスであって、上記分析ユニット(103)は、上記少なくとも2つの光を発するエリア(151、152)間の相対的な明度を決定するように、および/または該相対的な明度を有する光を発するエリア(151,152)の位置を決定するように構成され、該少なくとも2つの光を発するエリアは同時に光を発し、該相対的な明度および/または該位置は、上記光学信号として検出される、デバイス。
(項目16) 上記項目のいずれかに記載のデバイスであって、該デバイスは、上記項目のいずれかに記載の方法を実行するように適合される、デバイス。
(項目17) 車両(180)のリアライト(150)からの光の放射を制御するように適合された車両ライティング制御ユニット(300)であって、該車両ライティング制御ユニット(300)は、
車両の減速および/または車両のブレーキングシステム(110)の状態についてのデータを受信するように適合されたインターフェイス(301)と、
該インターフェイス(301)で受信された情報をライト制御信号に符号化するように適合された符号化ユニット(302)と、
該ライト制御信号にしたがって、該リアライト(150)の少なくとも第一の光を発するエリア(151)および第二の光を発するエリア(152)から発せられた光の強度を独立的に調整するように適合されたコントローラー(303)と
を含み、該符号化ユニット(302)は、該情報が、該少なくとも2つの光を発するエリア(151、152)により同時に発せられた光の強度の差に符号化されるように構成される、車両ライティング制御ユニット(300)。
(項目18) 上記項目のいずれかに記載の車両ライティング制御ユニットであって、上記車両のリアライト(150)の上記第一および上記第二の光を発するエリア(151、152)は、
ブレーキライトの上部および下部、
ブレーキライトの左側部分および右側部分、
左側ブレーキライトおよび右側ブレーキライト、
少なくとも1つのブレーキライトに提供されたエリアのパターン
のうちの少なくとも1つを含む、車両ライティング制御ユニット。
(項目19) プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能格納媒体であって、該プログラムは、コンピュータによって実行されるとき、上記項目のうちの1つの方法を該コンピュータに実行させる、コンピュータ読み取り可能格納媒体。
(項目19A) 演算デバイスの内部メモリにロードされ得るコンピュータープログラム製品であって、該製品は、上記項目のいずれかの方法を、該製品が実行されるときに実行するためのソフトウェアコード部分を含む、コンピュータープログラム製品。
【0032】
(摘要)
(車両のブレーキングを検出する方法)
本発明は、車両のブレーキングを検出する方法に関し、本方法は、第一車両(170)に提供されたデバイス(100)により自動的に実行され、デバイスは、第一車両(170)に取り付けられた検出装置(107)と通信し、第一車両の前方エリアをモニターし、本方法は、
モニターされたエリアで第二車両(180)が第一車両(170)の前を走行している場合、第二車両のリアライトにより発せられた光を検出する検出装置(107)からデータを取得するステップと、
第二車両(180)のリアライト(150)により発せられ、少なくともブレーキングの強さのインジケーションを含む、第二車両(180)により実行されたブレーキング手順の情報を含む光学信号を検出するために取得されたデータを分析するステップと、
その中に含まれる、第二車両(180)のブレーキング手順の情報を導き出すために検出された光学信号を評価するステップと
を含む。
【0033】
前述された特性および他の特性、ならびに本発明の利点は、添付される図面とともに読まれたときに、以下の描写的実施形態の詳細な記述から更に明瞭になる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、本発明の実施形態にしたがったデバイスのコンポーネントを描写する図式的な図面である。
【図2】図2は、本発明の実施形態にしたがった方法のステップを描写するフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の実施形態にしたがった車両ライティング制御ユニットのコンポーネントを描写する図式的な図面である。
【図4】図4は、車両のリアライトの光を発する異なるエリアにより発せられた光の相対的な強度に情報を符号化する異なる可能性を描写する図式的な図面である。
【図5】図5は、2つの車両における図1のデバイスと図3の制御するユニットの実装およびそれらのインタラクションとを描写する図式的な図面である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(詳細な説明)
図1は、車両のブレーキングを検出するためのデバイス100のコンポーネントを図式的に描写する。デバイス100は、運転手補助システム108を装備した車両に取り付けられる。デバイス100は、運転手補助システムの一部であり得るが、このデバイスは、また、当該システムから独立したものであり得る。デバイス100は、検出装置107に対するインターフェイス101を含む。
【0036】
検出装置107は、車両の前方部から来る光を検出するように車両に取り付けられる。検出装置107は、したがって、車両の前方を走行する車両(デバイス100がこれに対して取り付けられている)のリアライトにより発せられた光を検出し得る。検出装置100は、例えば、ブレーキライト、ハザード点滅装置、テールライト、および同様なものにより発せられた光を検出し得る。この機能を実行することが可能な検出装置107のいくつかの実装は想像可能である。
【0037】
検出装置107は、簡単な写真検出装置であり得る。検出装置107は、次に、例えばブレーキライトまたはハザード点滅装置に対応する特定の色彩の光を伝送する光学フィルターを提供され得る。検出装置107は、CCDカメラもしくはCMOSカメラのようなカメラでもあり得るか、PMDのような3Dカメラであり得る。特に、検出装置107は、運転手補助システム108の光学検出装置またはカメラであり得る。
【0038】
デバイス100は、更に、1つ以上のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、用途特定IC、または同様なものとして実装され得るプロセッシングユニット105を含む。また、プロセッシングユニット105は、1つ以上のタイプのメモリを含む。プロセッシングユニット105は、デバイス100の操作を(例えば、このようなメモリに記憶された制御命令にしたがって)制御する。図1に描写された機能的ユニット103および104も、プロセッシングユニット105により実行されるソフトウェアコード部分として実装され得る。
【0039】
プロセッシングユニット105は、入出力ユニット106とインターフェイス101を通して検出装置107からデータを取得するように適合される。取得されたデータは、一連のイメージフレームを含むイメージデータ、または検出された光の強度を示す簡単な写真検出装置の信号であり得る。取得されたデータは少なくとも一時的にプロセッシングユニット105のメモリに記憶され得る。
【0040】
分析ユニット103は、検出装置107によりモニターされる領域に位置する車両のリアライトにより発せられた光学信号を検出するために取得されたデータを処理する。特に、取得されたデータは、前を走行する車両により実行されたブレーキング手順に対する情報を符号化し、当該車両のブレーキング減速またはブレーキングの強さについてのインジケーションを含む光学信号を発見するために分析される。このような情報を先行する車両のリアライトより発せされた光に符号化するための複数の可能性が存在し、したがって分析ユニット103は複数の光学信号に対して取得されたデータを分析する。
【0041】
リアライトにより発せられた光学信号に符号化され得るブレーキングの強さのインジケーションは、車両が激しくブレーキしている、または緊急ブレーキングを実行していることであり得る。このような情報を符号化するための光学信号は、特定の周波数でブレーキライトを点滅すること、ハザード点滅装置を始動すること、ブレーキライトにより発せられた光の強度を上げること、ブレーキライトのエリアを拡大すること、およびリアライトの2つ以上の異なるエリアを異なる強度で照らすことを含む。他の光学信号は確かに想像可能である。ブレーキライトのエリアを拡大することは、実際には明度を上げ、これは、例えば、通常より高い(例えば、ブレーキライトの強度に対応する)強度でテールライトを追加的に照らすこと、区分化されたブレーキライトを提供し、追加的な区分を点灯すること、または同様なことにより達成され得る。分析ユニット103は、以前の光学信号を1つ、またはそれらの任意の組み合わせを検出するように適合され得る。
【0042】
使用される検出装置によって、光学信号の存在は、異なるやり方で検出され得る。ブレーキライトの強度変調またはハザード点滅装置の始動が光学信号として使用される場合、簡単な写真検出装置またはカメラから取得されたデータは、取得されたデータの対応する周波数を探すことにより簡単に分析され得る。ブレーキライトのエリアの拡大は、イメージ分析によって検出され得る。ブレーキライトにより発せられた光の強度の上昇は、参照が確立され得るように強度を複数のフレームにわたってモニターすることにより検出され得る。そうでなければ、ブレーキライトのサイズまたはブレーキライトの一般的な強度の参照は、異なるタイプの車両に対するこのような情報を記憶するデータベースから得られ得る。車両タイプは、自動的にイメージ分析により識別され得る。取得されたデータと参照とを比較するときには、前を走行する車両との距離に更なる注意が払われ得、この距離は、PMDとして実装されたときは検出装置107によって、または他の手段により導き出され得る。
【0043】
これは、リアライトの異なる光を発するエリア間の強度の差によって情報が符号化される場合、特に有益である。このような場合、イメージ分析は、リアライトおよび対応するエリアの位置を識別し得、いかなる参照なしに強度の差を決定し得る。取得されたデータの光学信号の検出を、したがって容易にする。
【0044】
デバイス100は、更に、検出された光学信号に提供された情報を導き出す(すなわち、光学信号を解読する)評価ユニット104を含む。これは、光学信号の存在が直接特定の情報に対応する場合、むしろ簡単である。例として、以前に言及されたいずれかの光学信号が取得されたデータに提示される場合、評価ユニット104は、先行する車両が緊急ブレーキングを実行していると決定し得る。他のコンフィギュレーションでは、評価ユニット104は、更に詳細な情報を導き出し得る。これは、また、図2−図4に関連して以下に更に描写される。例として、評価ユニット104は、検出された強度変調の周波数から先行する車両の減速レートを導き出し得る。同様に、評価ユニットは、強度の上昇から、または異なる光を発するエリア間の差から先行する車両の減速レートを決定し得る。更なる例では、評価ユニット104は、先行する車両のリアライトの2つのエリア間の明度の相対的な差から、先行する車両のABSが始動されたかどうか、または先行する車両のタイヤがロックされているかどうかの情報を導き出し得る。したがって、分析ユニット103および評価ユニット104を使用することにより、デバイス100は、先行する車両により実行されたブレーキング手順に対する詳細な情報が入手可能である。
【0045】
緊急ブレーキングを示す光学信号は、慣例的な車両の運転手が信号を認知し得、注意を促され得るように、光学信号が人間が感知可能であるように提供され得る。デバイス100は、このような信号を検出し評価するように適合される。以前言及された明度の差(または相対的明度)のような他の光学信号は、人間が感知可能でないことがあり、デバイス100は、また、本実施形態ではこれらの信号を検出するように適合される。他の実施形態では、デバイス100は、1つの光学信号のみもしくは他のタイプの光学信号、または1つの特定の光学信号もしくは特定の光学信号の組み合わせを検出するように構成され得ることは明白である。
【0046】
デバイス100は、更に、運転手補助システム108および運転手警告システム109に対するインターフェイス102を含む。評価ユニット104により導き出された情報にしたがって、デバイス100は、1つまたは両方のシステムに供給される制御信号のような信号を生成し得る。運転手警告システム109に供給された信号は、先行する車両が緊急ブレーキングを実行しているということのような音声警告または可視警告を運転手に提供するようにシステムを促し得る。
【0047】
デバイス100は、運転手補助システム108に、コンフィギュレーションによって一部または任意の導き出された情報を提供し得る。運転手補助システム108は、次に、対応する処置を取り得る。運転手補助システム108は、例えば、次に来る緊急ブレーキング手順に対してブレーキシステム110を準備し得るか、運転手補助システム108は、車両の速度を落とすためにブレーキシステム110の操作を開始し得る。デバイス100により導き出された情報が先行する車両の減速レートを含む場合、運転手補助システム108は、それに応じて車両を減速する、または、減速が低い場合、操作にエンゲージしないことによりこのような情報を活用し得る。
【0048】
デバイス100によって、先行する車両の緊急ブレーキングへの反応時間は、有意に低減され得る。運転手補助システム108に対応する信号を提供することにより、車両は直接的および自動的にこのような状況に反応し得る。運転手が、最初に前の車両が強くブレーキングしていることを認識し、そして適切な処置を取らなければならないため、このような自動的な反応は、人間の反応と比較して有意に速い。同様に、運転手への音声警告または光学警告は、運転手の反応時間を向上する。
【0049】
デバイス100は、いくつかの異なるやり方で実装され得る。デバイス100は、ユニット103および104がシステムで実行されているソフトウェアコード部分として実装される車載演算システムであり得る。インターフェイス101および102は、例えば、コントローラーエリアネットワークまたは同様のもののような車載ネットワークのインターフェイスであり得る。他の実施形態では、デバイス100は、運転手補助システムのプロセッシングユニットであり得る。このため、導き出された情報に基づいて、対応する制御信号が制御機能または運転手補助システムの制御ユニットに提供され得る。他の実装は確かに想像可能である。
【0050】
図2は、本発明の実施形態にしたがった車両のブレーキングを検出する方法を描写する。図1に描写されるデバイス100は、図2の方法を実行するように構成され得る。第一ステップ201では、先行する車両のリアライトにより発せられた光は、例えば検出装置107により、検出される。検出装置は、継続的に車両の前方のエリアをモニターし、前を走行する車両がモニターされるエリアに入るとすぐにそのリアライトにより発せられた光が検出される。リアライトは、先行する車両に取り付けられ、後ろ方向に光を発する全てのタイプの光源(例えば、ブレーキライト、テールライト、ハザード点滅装置、ウインカー、および同様のもの)を含み得る。先行する車両の運転手がブレーキペダルを押し下げる場合、先行する車両のブレーキライトは始動され、ブレーキライトは検出装置107により検出される。検出は、例えば、発せられた光の強度変調または強度の変化が検出可能であるように充分に速く起こる。
【0051】
ステップ202では、データが検出装置から取得される。以前に言及されたように、これは、デバイス100がイメージフレーム、簡単な検出装置の信号、または同様なものを取得することによって起こり得る。取得されたデータは、後の分析を容易にするため、デジタルデータ形式であり得る。検出装置107は直接デジタルデータを搬送し得るか、デバイス100がデータをデジタル化する手段を含み得る。
【0052】
取得されたデータは、ブレーキライトの明度、ブレーキライトの強度変調、およびアクティブなハザード点滅装置に対してステップ203で分析される。本実施形態ではデジタルイメージフレームが取得されるが、方法は、必要な変更をもって他のタイプのデータに同様に適用可能であることは明白である。アクティブなブレーキライトは、通常、先行する車両の他の任意の後ろ向きのライトより高い強度を有するため、ブレーキライトの明度は、取得されたイメージフレームを、例えば画像の二値化方法を使用して分析することにより検出され得る。取得されたイメージデータのブレーキライトの位置を発見するための端検出または形状検出のような他の方法も確かに想像可能である。ブレーキライトの感知された明度は、次に、イメージデータのブレーキライトのピクセルエリアおよびピクセルの強度値から演繹され得る。ブレーキライトの強度変調を検出することは更に簡単である。ブレーキライトの位置は、画像の二値化方法を使用することで再び識別され得るのに対して、強度変調は、変調周波数を導き出すために、対応する位置での強度値の時系列を分析すること(例えば、フーリエ解析を使用すること)により識別され得る。同様に、ハザード点滅装置の始動が決定され得る。ブレーキライトとハザード点滅装置との間の分別化は、それらのそれぞれの色彩(それぞれ赤または黄色)によって起こり得る。
【0053】
ステップ204では、取得されたデータにブレーキング手順の情報を符号化する光学信号が存在するかどうかを決定する。先行する車両が、ブレーキング手順の激しさに関係なく単に始動される標準的なブレーキライトを装備する従来の車両である場合、必ずしもそうでない。本実施形態では、以前のステップでブレーキライトの強度変調またはハザード点滅装置の始動が検出された場合、またはブレーキライトの特定の明度が決定された場合、光学信号は取得されたデータに存在する。光学信号を伝送するためにブレーキライトの明度を変更することは、ブレーキライトにより発せられた強度を上げるか、ブレーキライトの光を発するエリアを拡大すること(したがって総合的な強度も上げること)により起こり得る。このような光学信号の存在は、イメージの時系列を分析することにより検出され得、イメージの時系列からブレーキライトの参照明度が導き出され得る。ブレーキライトの実際の明度値をこの参照と比較することにより、明度の上昇が検出され得る。先行する車両の運転手は、ほとんどの場合、緊急ブレーキングを実行する前に最初に普通の強さでブレーキをエンゲージするため、通常は参照を形成するために充分のデータが入手可能である。先行する車両のモデル、および検出装置との距離を考慮においた明度の参照を決定することのような、参照を決定する他の方法は確かに想像可能である。
【0054】
光学信号が取得されたデータに存在する場合、ブレーキングの強さのインジケーションを含む符号化された情報は、ステップ205で導き出される。光学信号は、したがって“解読される”、すなわちその意味が識別される。本実施形態では、人間が感知可能な光学信号、および激しいまたは緊急のブレーキングを示す光学信号は、ステップ203および204で取得されたデータで検出される。したがって、このような光学信号が取得されたデータに存在する場合、ステップ205で先行する車両が激しいまたは緊急のブレーキングを実行している、すなわち先行する車両が強くブレーキングしており、したがって高いレートで減速をしていることが決定され得る。他の実施形態では、更に複雑な情報が検出された光学信号の更に詳細な分析により導き出され得ることは明白である。
【0055】
人間が感知可能な緊急ブレーキング信号のほかに、先行する車両は、リアライトにより発せられた相対的な光の強度を活用することにより、後続する車両に更なる情報を伝え得る。したがって、ステップ206では、取得されたデータは、先行する車両のブレークライトの異なる既定のエリア間の明度の差の形式の光学信号に対して分析される。このような先行する車両のリアライトの異なるエリアは、図4に図式的に描写される。明晰性のために、車両のブレーキライトのみが図4の上段に示される。上段では、左側ブレーキライトである第一エリア151と右側ブレーキライトである第二エリア152との間の相対的な明度が光学信号を形成し、先行する車両180により伝えられた情報を符号化する。図4の下段では、同じリアライトの2部分間の相対的な明度の形式の光学信号が提供される。第一および第二エリアである151および152は、例えば、ブレークライトの2つの異なる区分、またはブレークライトおよびテールライト、または任意の他の想像可能なコンフィギュレーションであり得る。下段のコンフィギュレーションでは、各リアライトは、独立的に情報を伝送し得る。ある実施形態では、第一、第二エリア間の明度の差は、人間の目には感知可能でないが、他の実施形態では感知可能である。感知可能でないことは、後続する車両の運転手が注意をそらされないという利点を有する。
【0056】
このような相対的な明度の検出は、ブレーキライトの位置の起源を突き止め、そして取得されたイメージデータの2つのポジションでの明度を比較するために、画像の二値化(閾値を超える強度を有するイメージデータのピクセルを検出すること)を使用することにより再び起こり得る。
【0057】
検出された相対的な明度から、ステップ207で、先行する車両により実行されたブレーキング手順における更なる情報が導き出される。このような情報は、二進タイプ(例えば、ブレーキング手順中にABSが始動されたかどうか、または先行する車両のタイヤがロックしているかどうか)であり得るが、情報は、また、より複雑であり得、明度の差は、例えば、先行する車両の減速レートを示し得る。情報が相対的な明度に符号化される態様は、規格に定義され得、デバイス100は、そのような規格にしたがった検出された相対的な明度から情報を導き出すためのルックアップテーブルを含み得る。メーカー特定の実装も確かに想像可能であり、それに応じてデバイス100は、対応する情報がステップ207で導き出され得るように構成され得る。
【0058】
図4の例では、光学信号“左側ブレーキライト、右側ブレーキライトより明るい”は、“ABSアクティブ”の情報を符号化し得る。存在または相対的な明度の量だけでなく、より明るいまたは暗い光を発するエリアの位置も情報を符号化し得る。光学信号“左側ブレーキライト、右側ブレーキライトより暗い”は、したがって“前輪がロックしている”を符号化し得る。先行する車両180のブレーキング手順に関する情報をリアライトの相対的な明度に符号化する様々なやり方があり、これらの全てのバリエーションは本発明の範囲内にあることを当業者は認識する。
【0059】
ステップ208では、導き出された情報は、運転手警告システムおよび/または運転手補助システムのための信号を生成ために使用される。信号は、対応するシステムによる解釈のための導き出された情報を含み得るか、信号はそれぞれのシステムで特定の機能を開始するための制御信号をすでに含み得る。先行する車両により実行される検出された緊急ブレーキング手順に対して、運転手警告システムへの信号は、運転手への音声警告を発信するための指令を含み得、運転手補助システムに伝送された信号は、車両のブレーキングシステムを開始またはエンゲージするための指令を含み得る。音声警告によって運転手の反応時間が低減されるが、自動的にブレーキをエンゲージすることにより、車両が減速を開始するまでの遅延を有意に低減する。先行する車両の減速レートまたはABSが始動されたかどうかのような、ステップ207で導き出された更なる情報を運転手補助システムに伝送することにより、運転手補助システムの応答がそれに応じて調整され得、車両の自動的反応が向上され得る。運転手補助システムは、対応する減速でのブレーキングを引き起こし得るか、例えば、先行する車両がそのABSを始動した場合、緊急ブレーキングを開始し得る。
【0060】
本方法は、車両が走行中に継続的に実行され得る。本実施形態の方法で、人間が感知可能な光学信号は、先行する車両により実行された緊急ブレーキングを識別するために最初に認識され、更なる情報が、次に、先行する車両により提供される相対的な明度の形式の光学信号から導き出される。他の実施形態では、相対的な明度のみが検出され得、緊急ブレーキングの発生を示し得ることは明白である。他の実施形態では、ステップ206およびステップ207が、実行されないことがある。ステップ203およびステップ204に関連して言及された光学信号から更なる情報を導き出すことは、また、可能であり、先行する車両の減速のレートは、例えば、ブレーキライトまたはハザード点滅装置の強度変調の周波数から導き出され得る。
【0061】
図3は、車両に取り付けられ得、図4に関連して以前に説明されたように、情報を伝送するために相対的な明度を活用することにより光学信号の生成を制御する車両ライティング制御ユニット300を描写する。デバイス300は、したがって、デバイス100が検出し評価する光学信号を提供することによりデバイス100とインタラクトする。デバイス300は、それが搭載されている車両のブレーキングシステム110および加速センサー120に対する第一インターフェイス301を有し、ブレーキシステムはABSを含む。ブレーキシステム110は、運転手がどれだけ強くブレーキペダルを押し下げるか(またはどれだけ強くブレーキが適用されるか)、ABSがアクティブかどうか、および車両のタイヤがロックしているかどうかにおける情報を搬送する。加速センサー120は、車両の減速のレートにおける情報を搬送する。
【0062】
ライティング制御ユニット300は、更に、車両のリアライトの少なくとも2つの異なるエリア間の相対的な明度の形式の光学信号に、インターフェイス301で受信した一部または全ての情報を符号化する、符号化ユニット302を含む。符号化することは、例えば、図4に関連して以前に説明されたように実行され得る。
【0063】
コントローラー303は、次に、インターフェイス304によってリアライト150に供給される対応する制御信号を生成する。図3の特定の実施形態では、リアライトは、それぞれのブレーキライトにつき、第一エリア151および第二エリア152を形成する2つの区分を有するブレーキライトを含む。コントローラー303は、次に、それぞれの区分から発せられた光の強度を独立的に調整する。
【0064】
操作中には、符号化ユニット302は、例えば、“ABSアクティブ”の情報を受信し得、“右側ブレーキライト、両区分100%強度”および“左側ブレーキライト上部区分80%強度、下部区分100%強度”の指令で対応するライト制御信号をコントローラー303に供給し得る。コントローラー303は、次に、それに対応してブレーキライトの区分の明るさを調整し、したがって後続する車両に情報を伝送する。
【0065】
相対的な明るさを活用する光学信号は、図4に関連して描写されるようにさらに複雑であり得、制御するユニット300は、このようなさらに複雑な信号の生成を制御するように適合され得ることは明白である。各ブレーキライトは、例えば、更なる区分に分割され得、それらの区分の光の放射の強度は、制御するユニット300により独立的に制御され得る。
【0066】
図5は、図1のデバイス100と図3の制御するユニット300との間のインタラクションを描写する概要図である。後続する車両170に検出装置107が搭載され、先行する車両180が走行している運転方向にあるエリアをモニターする。先行する車両180は、ライティング制御ユニット300と通信するブレーキシステム110を含む。車両180の運転手が強くブレーキする場合、制御するユニット300は対応する情報を受信し、以前に言及された光学信号のいずれかを提供するようにリアライト150からの光の放射を変調する。この信号は、カメラ107から取得されたイメージデータからデバイス100により検出される。デバイス100は、この実施形態では、運転手補助システム108内に実装される。デバイス100は、検出された光学信号の解釈を実行する。導き出された情報が緊急ブレーキングが必要であることを示す場合、運転手補助システム108の対応するコンポーネントは、ブレーキを始動するように車両170のブレーキングシステム110に制御信号を供給する。したがって、光学信号が受信されるとすぐに、車両107は大きな遅延なしに反応し得る。
【0067】
特に高い速度では、1秒の何分の1は、すでに数メートルの走行距離に相当する。向上された反応時間は、したがって車両180と車両170との間の距離を広げ、したがって特定の状況では追突事故の発生を防止し得る。
【符号の説明】
【0068】
100 デバイス
101 インターフェイス
103、104 機能的ユニット
105 プロセッシングユニット
107 検出装置
108 運転手補助システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のブレーキングを検出する方法であって、該方法は、第一車両(170)に提供されたデバイス(100)により自動的に実行され、該デバイスは、該第一車両(170)に取り付けられた検出装置(107)と通信し、該第一車両の前方エリアをモニターし、該方法は、
該モニターされたエリアで第二車両(180)が該第一車両(170)の前を走行している場合、該第二車両のリアライトにより発せられた光を検出する該検出装置(107)からデータを取得するステップと、
該第二車両(180)のリアライト(150)により発せられ、少なくともブレーキングの強さのインジケーションを含む、該第二車両(180)により実行されたブレーキング手順の情報を符号化する光学信号を検出するために該取得されたデータを分析するステップと、
該検出された光学信号を評価して、その結果、該光学信号に符号化された、該第二車両(180)のブレーキング手順の情報を導き出すステップと
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記取得されたデータを分析することが、前記情報を符号化する人間が感知可能な光学信号および/または人間が感知不可能な光学信号を検出するように実行される、方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2のいずれかに記載の方法であって、前記取得されたデータを分析することが、前記発せられた光の明度と、人間が感知可能な周波数での該発せられた光の強度変調とのうちの少なくとも1つを前記光学信号として検出するように実行される、方法。
【請求項4】
請求項1−3のいずれかに記載の方法であって、前記検出された光学信号の評価は、該第二車両(180)により実行されたブレーキング手順の以下の情報、
該第二車両により実行された緊急ブレーキング、
該第二車両の減速のレート、
アンチロックブレーキシステムの始動、
タイヤがロックしていること、
のうちの少なくとも1つが導き出され得るように実行される、方法。
【請求項5】
請求項1−4のいずれかに記載の方法であって、前記取得されたデータを分析することは、前記第二車両(180)のリアライトにより発せられた以下の光学信号
人間が感知可能な周波数、好ましくは、約0.5から約10Hzの間の値域、でのブレーキライトの強度変調、
ハザード点滅装置の始動、
該ブレーキライトの光を発するエリアの拡大、
該ブレーキライトにより発せられた光の強度の上昇、
該リアライトの光を発する異なるエリア間の強度の差の存在
のうちの少なくとも1つが検出可能であるように実行される、方法。
【請求項6】
請求項1−5のいずれかに記載の方法であって、前記取得されたデータを分析することは、
前記取得されたデータから前記第二車両のリアライト(150)の少なくとも一部の明度を決定することと、
該決定された明度を閾値と、好ましくは現在の運転状況を考慮して、比較することであって、ブレーキングの強さのインジケーションを符号化する光学信号は、該決定された明度が該閾値よりも高い場合に検出される、ことと
を含む、方法。
【請求項7】
請求項1−6のいずれかに記載の方法であって、前記取得されたデータを分析することは、
前記第二車両(180)のリアライト(150)の少なくとも第一の光を発するエリア(151)および第二の光を発するエリア(152)の明度を前記取得されたデータから決定することと、
該少なくとも2つの光を発するエリア(151、152)の間の相対的な明度を決定することおよび/または該相対的な明度を有する該光を発するエリア(151、152)の位置を決定することであって、光を発するエリア(151、152)の少なくとも2つは、同時に光を発し、該相対的な明度および/または位置が前記光学信号として検出される、ことと
を含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記検出された光学信号の評価は、減速のレート、アンチロックブレーキシステムの始動、または前記第二車両(180)のタイヤがロックしていることのうちの少なくとも1つを前記相対的な明度から決定することを含む、方法。
【請求項9】
請求項7または請求項8のいずれかに記載の方法であって、前記第二車両のリアライト(150)の前記第一および第二の光を発するエリア(151、152)は、
ブレーキライトの上部および下部、
ブレーキライトの左側部分および右側部分、
左側ブレーキライトおよび右側ブレーキライト、
ブレーキライトに提供された照明パターンの第一部分および第二部分
のうちの少なくとも1つである、方法。
【請求項10】
請求項1−9のいずれかに記載の方法であって、前記取得されたデータを分析することは、前記第二車両(180)のリアライト(150)により発せられた緊急停止信号が前記光学信号として検出可能であるように実行される、方法。
【請求項11】
請求項1−10のいずれかに記載の方法であって、
前記導き出された情報に対応する信号を前記第一車両(170)の運転手補助システム(108)または運転手警告システム(109)へ供給するステップ
を更に含む、方法。
【請求項12】
車両のブレーキングを検出するためのデバイスであって、該デバイス(100)は第一車両(170)に取り付けられるように適合され、
該第一車両(170)に取り付けられた検出装置(107)に対するインターフェイス(101)であって、該インターフェイス(101)は該第一車両の前方エリアをモニターし、該デバイス(100)は、該インターフェイス(101)を通して該検出装置(107)からデータを取得するように適合され、該検出装置(107)は、該モニターされたエリアで第二車両(180)が該第一車両(170)の前を走行している場合、該第二車両(180)のリアライト(150)により発せられた光を検出する、インターフェイス(101)と、
該第二車両(180)のリアライト(150)により発せられ、少なくともブレーキングの強さのインジケーションを含む、該第二車両(180)により実行されたブレーキング手順の情報を符号化する光学信号を検出するために取得されたデータを分析するように適合された分析ユニット(103)と、
評価ユニット(104)であって、該評価ユニット(104)は、該検出された光学信号を評価して、その結果、該光学信号に符号化された、該第二車両(180)のブレーキング手順の情報を導き出すように適合される、評価ユニット(104)と
を含む、デバイス。
【請求項13】
請求項12に記載のデバイスであって、前記デバイス(100)は、
運転手補助システム(108)または運転手警告システム(109)に対するインターフェイス(102)であって、該デバイス(100)は、それぞれ、該運転手補助システム(108)または該運転手警告システム(109)に、前記導き出された情報に対応する信号を提供するように適合される、インターフェイス(102)
を更に含む、デバイス。
【請求項14】
請求項12または請求項13のいずれかに記載のデバイスであって、前記分析ユニット(103)は、前記第二車両のリアライト(150)の少なくとも第一の光を発するエリア(151)および第二の光を発するエリア(152)の明るさを前記取得されたデータから決定するように構成される、デバイス。
【請求項15】
請求項14に記載のデバイスであって、前記分析ユニット(103)は、前記少なくとも2つの光を発するエリア(151、152)間の相対的な明度を決定するように、および/または該相対的な明度を有する光を発するエリア(151,152)の位置を決定するように構成され、該少なくとも2つの光を発するエリアは同時に光を発し、該相対的な明度および/または該位置は、前記光学信号として検出される、デバイス。
【請求項16】
請求項12−15のいずれかに記載のデバイスであって、該デバイスは、請求項2−11のいずれか1つに記載の方法を実行するように適合される、デバイス。
【請求項17】
車両(180)のリアライト(150)からの光の放射を制御するように適合された車両ライティング制御ユニット(300)であって、該車両ライティング制御ユニット(300)は、
車両の減速および/または車両のブレーキングシステム(110)の状態についてのデータを受信するように適合されたインターフェイス(301)と、
該インターフェイス(301)で受信された情報をライト制御信号に符号化するように適合された符号化ユニット(302)と、
該ライト制御信号にしたがって、該リアライト(150)の少なくとも第一の光を発するエリア(151)および第二の光を発するエリア(152)から発せられた光の強度を独立的に調整するように適合されたコントローラー(303)と
を含み、該符号化ユニット(302)は、該情報が、該少なくとも2つの光を発するエリア(151、152)により同時に発せられた光の強度の差に符号化されるように構成される、車両ライティング制御ユニット(300)。
【請求項18】
請求項17に記載の車両ライティング制御ユニットであって、前記車両のリアライト(150)の前記第一および前記第二の光を発するエリア(151、152)は、
ブレーキライトの上部および下部、
ブレーキライトの左側部分および右側部分、
左側ブレーキライトおよび右側ブレーキライト、
少なくとも1つのブレーキライトに提供されたエリアのパターン
のうちの少なくとも1つを含む、車両ライティング制御ユニット。
【請求項19】
プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能格納媒体であって、該プログラムは、コンピュータによって実行されるとき、請求項1−11のうちの1つの方法を該コンピュータに実行させる、コンピュータ読み取り可能格納媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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