説明

車両の消毒装置

【課題】エンジンのコンプレッサを利用して、消毒液を効率よく噴出でき、実用的な車両の消毒装置を提供する。
【解決手段】車両1の一部に搭載される消毒液タンク110と、車両1に搭載されたエンジン5のコンプレッサ7により生成された圧縮空気を消毒液タンク110内に導入するエア配管136…と、車両1の一部に取り付けられた噴出ノズル140と、消毒液タンク110内に導入された圧縮空気により消毒液タンク110内の消毒液Lを加圧して前記噴出ノズル140に供給する液配管136…とを具備する。消毒液タンク110の上部から液収容室112内に垂直管115を設けて圧縮空気を消毒液L内に噴出させ攪拌する。切換操作ハンドル123により圧縮空気の導入と排気をワンタッチで切換え可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のタイヤや下回り等の各部に消毒液を噴出して車両の各部を消毒可能な車両の消毒装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、鳥インフルエンザや口蹄疫ウイルスの発生により、我が国農業、特に畜産業は大きな被害を受けている。かかるウイルスの発生予防や拡大を防ぐには、各農場における防疫管理、消毒管理の徹底が不可欠であるが、各管理に対する各農場の負担は極めて大きく、非常な困難を伴っている。例えば、大規模農場では、農場入口のゲートに両側から消毒液を噴射する装置を設置し、農場内に入る車両を予め消毒液で消毒するようにしている例がある。しかしながら、小規模農場ではかかる大掛かりな装置の設置は費用負担が大きく、したがって、作業員やドライバーが農場入口手前で手作業により消毒液を車両に噴霧せざるを得ない。また、農場入口付近に消毒槽を置いて消毒槽内を通過させる例も見られるが、部分的に消毒できるに留まる。
【0003】
従来より、消毒液を用いて車両を消毒作業する各種の提案がなされている(特許文献1、特許文献2等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3017155号公報
【特許文献2】登録実用新案第3041859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、いずれの提案も装置の構造が複雑であったり、作業者の負担が大きく、実用性に乏しい問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、エンジンのコンプレッサを利用して、消毒液を効率よく噴出でき、実用性の高い車両の消毒装置を提供すること、運転席からの操作により、車両の各部の消毒作業を効率よく行える車両の消毒装置を提供すること、さらには消毒液の原液と水を常時攪拌しながら消毒液を噴出できる車両の消毒装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る車両の消毒装置は、車両の一部に搭載される消毒液タンクと、車両に搭載されたエンジンのコンプレッサにより生成された圧縮空気を消毒液タンク内に導入するエア配管と、車両の一または複数箇所に取り付けられた噴出ノズルと、消毒液タンク内に導入された圧縮空気により消毒液タンク内の消毒液を加圧して前記噴出ノズルに供給する液配管とを具備することを主要な特徴とする。ここで消毒液は、主として殺菌、滅菌、減菌等を目的とする液を指す。
【0008】
本発明に係る車両の消毒装置は、コンプレッサと消毒液タンクとの間にエアタンクが介在されていることを第2の特徴とする。
【0009】
本発明に係る車両の消毒装置は、車両の運転席付近に噴出ノズルの噴出操作を行わせる操作ボックスを配置することを第3の特徴とする。
【0010】
本発明に係る車両の消毒装置は、消毒液タンク内の消毒液の加圧と同時に消毒液タンク内に供給される圧縮空気により消毒液タンク内の消毒液を攪拌する攪拌手段を具備することを第4の特徴とする。
【0011】
本発明に係る車両の消毒装置は、攪拌手段が、消毒液タンクの上部から底面付近に延在する垂直管を有し、垂直管に消毒液タンク内の消毒液内に圧縮空気を噴出させる空気孔が設けられていることを第5の特徴とする。
【0012】
本発明に係る車両の消毒装置は、消毒液タンク内に導入された圧縮空気を排気する排気手段を具備することを第6の特徴とする。
【0013】
本発明に係る車両の消毒装置は、消毒液タンク内への圧縮空気の導入と消毒液タンク内の圧縮空気の排気をワンタッチで切換える切換操作手段を具備することを第7の特徴とする。
【0014】
本発明に係る車両の消毒装置は、車両の一部に水を噴出可能な水専用タンクを搭載することを第8の特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明に係る車両の消毒装置によると、エンジンのコンプレッサを用いて、圧縮空気を消毒液タンク内に導入することにより、消毒液タンクから加圧された消毒液を噴出ノズルに送り、車両の各部を安定してかつ効率よく消毒でき、実用性の高い車両の消毒装置を実現できるという優れた効果を奏する。
【0016】
また、操作ボックスを運転席付近に設けることにより、車両のドライバーが容易に消毒操作をすることができ、ドライバーの負担が軽減されるという優れた効果を奏する。
【0017】
さらには、消毒液タンク内への圧縮空気の導入と消毒液タンク内の圧縮空気の排気をワンタッチで切換える切換操作手段を設けることにより、消毒液の補給作業を速やかに行え、圧縮空気を利用した攪拌手段を設けることにより、原液と水を常時効率よく攪拌しながら消毒液を噴出できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので、消毒装置を搭載した車両の全体側面図、
【図2】消毒液タンクの側面図、
【図3】消毒液タンクの断面図、
【図4】制御ボックス内を示す斜視図、
【図5】制御ボックス内を示す斜視図、
【図6】(A)(B)は噴出ノズルの取付例を示す図、
【図7】操作ボックスを示す平面図、
【図8】他の実施形態を示すもので、ガンタイプの噴出ノズルを附属する例を示す図、
【図9】(A)(B)(C)は噴出ノズルの配置例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実施するための最良の形態につき、図1ないし図7を参照して説明する。図中、符号1は車両、符号100は消毒装置を示している。
【0020】
車両1は、図1に示すように、シャシー2の下部にタイヤ3、3が前後に配置され、各タイヤ3、3の周囲にはタイヤハウスの区画板4が設けられている。シャシー2の前方にはエンジン5とエンジン5により駆動されるエアコンプレッサ6が配置されている。エアコンプレッサ6の後方にはエアコンプレッサ6からの圧縮空気が蓄えられるエアタンク7が配置されている。エアタンク7はエアコンプレッサ6により常時所定圧力(約0.7MPa)の圧縮空気が蓄えられる。
【0021】
消毒装置100は、図1に示すように、シャシー2の後部に搭載された加圧式の消毒液タンク110と、制御ボックス120と、配管130と、噴出ノズル140と、車両1の運転席付近に設けられた操作ボックス150とを具備する基本構成とされている。
【0022】
消毒液タンク110は、図2および図3に示すように、タンク本体111の液収容室112に消毒液Lが加圧状態(約0.7MPa)で収容されている。タンク本体110の上部には消毒液を補給するキャップ付きの補給口113が設けられている。キャップ113Aはタンクの内圧に耐えられるようにねじ止めするか、ロック機構により固定される。タンク本体111の上部には圧縮空気を液収容室112の上部に導入し、内部の消毒液Lを加圧する圧縮空気導入口114が設けられている。また、タンク本体111の上部中央には液収容室112の底面付近まで延在する垂直管115が設けられ、垂直管115には消毒液L内に圧縮空気を噴出させる複数の空気孔115Aが設けられている。さらに、タンク本体111の上部には消毒液Lの補給作業時に内部の圧縮空気を排気する排気口116が設けられている。
【0023】
一方、タンク本体111の下部には加圧された消毒液Lを吐出する吐出口117が設けられている。また、タンク本体111の側面にはレベルゲージ118が取り付けられ、内部の消毒液Lの残量を外から目視で判断できるようになっている。なお、符号119はタンク本体111を安定させる筒形のスカートである。
【0024】
制御ボックス120は、タンク本体111の側面にバンド121により取り付けられている。制御ボックス120は、図4に示すように、蓋122を開けて、切換操作ハンドル123を水平に降ろすことにより、エアタンク7側から圧縮空気(約0.7MPa前後)を安定的に導入して消毒液タンク110内を常時攪拌および加圧し、消毒液タンク110内から加圧された消毒液を噴出ノズル140へ向けて吐出するようになっている。また、図5に示すように、蓋122を開けて、切換操作ハンドル123を垂直に起こすことにより、エアタンク側からの圧縮空気の導入と(少量の)消毒液の吐出を停止し、タンク本体111内の圧縮空気を排気できるようになっている。圧縮空気の導入と圧縮空気の排気をワンタッチで切り換えることができる。制御ボックス120内の構造は後述する。
【0025】
配管130は、図1を参照して、まず、エアコンプレッサ6とエアタンク7の間に第1エア配管131が設けられ、エアタンク7から第2エア配管132が制御ボックス120内へと延びている。制御ボックス120からは第3エア配管133が消毒液タンク110の上方に延び、そこから第4エア配管134と第5エア配管135に分岐し、第4エア配管134は圧縮空気導入口114に接続され、第5エア配管135は垂直管115に接続されている。
【0026】
また、制御ボックス120からは、消毒液タンク110内の消毒液Lを各噴出ノズル140に加圧された消毒液Lを吐出する第1液配管136が延びており、第1液配管135からは途中の噴出ノズル140に向けて液分岐管137が分岐している。
【0027】
噴出ノズル140は、車両1の各部、図1では各タイヤ3の表面に消毒液Lを噴出させるもので、図6(A)および(B)にその取付例を示す。図6(A)はタイヤハウスの区画板4の一部にU字形の取付部材141をボルト142により固定し、取付部材141にL字板143を介して噴出ノズル140を、その噴出口140Aがタイヤ3の表面を向くように取り付けたものである。図6(B)は車両1のシャシー2の一部2AにU字形の取付部材141をボルト142により固定し、取付部材141にL字板143を介して噴出ノズル140を水平又は若干上向き傾斜姿勢とし、車両1の下回り全体に消毒液Lを噴出するように取り付けたものである。
【0028】
操作ボックス150は、噴出ノズル140からの消毒液の噴出および停止の各動作をドライバーが運転席から操作するもので、図1に示すように、運転席付近に設けられている。操作ボックス150の上面には、図7に示すように、ON/OFFの電源ボタン151、自動ボタン152、手動ボタン153が設けられ、それぞれの近くには作動状態を示すランプ154が設けられている。操作ボックス150からは制御ボックス120およびエンジン5にそれぞれ配線155が延びている。電源ボタン151を押すと(電源ON)、自動ボタン152又は手動ボタン153による後述の電磁弁177の開操作が可能となる。電源ボタン151をもう一度押すと(電源OFF)、電磁弁177の開操作が不可となる。
【0029】
自動ボタン152を押すと、内蔵タイマーにより設定された時間だけ後述の電磁弁177が開き、各噴出ノズル140から消毒液が噴出され、手動ボタン153を押すと、手動ボタン153を押している間だけ電磁弁177が開き、各噴出ノズル140から消毒液が噴出されるようになっている。なお、電源ボタン151を廃止し、エンジンキーのON/OFF信号を受信して、電磁弁177の開操作を可能/不可とするように構成してよい。
【0030】
エアタンク7から圧縮空気を導入する構造について詳述すると、図4に示すように、第2エア配管132の出口は制御ボックス120内に配置された導入管161に接続され、導入管161は減圧弁162を介して第1T字管163の第1導入部163Aに接続されている。第1T字管163の導出部163Bは接続管164を介して第2T字管165の導入部165Aに接続され、第2T字管165の第1導出部165Bは導出管166を介して第3エア配管133の入口に接続されている。
【0031】
また、図3に示すように、第3エア配管133の出口は、導入管167を介して消毒液タンク110の上方にある第3T字管168の導入部168Aに接続され、第3T字管168の第1導出部168Bは逆止弁169を介して第4エア配管134の入口に接続されている。第3T字管168の第2導出部168Cは逆止弁170を介して第5エア配管135の入口に接続されている。逆止弁169、170は消毒液タンク110内からの圧縮空気の逆流を防止する。
【0032】
消毒液タンク110上部の排気口116には第1排気管138の入口が接続され、第1排気管138の出口は導入管171を介して第1T字管163の第2導入部163Cに接続されている。導入管171の手前には圧力計172が設けられている。消毒液タンク110下部の液出口117には導出管173を介して第2液配管139の入口が接続され、第2液配管139の出口は導入管174および導出管175に接続されている。導出管175には第1液配管136の入口が接続されている。導入管174の手前にはストレーナ176が、導入管174と導出管175の間には電磁弁177が、それぞれ設けられている。
【0033】
第2T字管165の第2導出部165Cには導出管178を介して第2排気管138Aの入口が接続され、第2排気管138Aの出口はスカート119の開口部内に導入されている。第1T字管163と第2T字管165の内部には操作ハンドル123の操作により通路を切換可能な切換弁179が回転軸179aを介して設けられている。
【0034】
次に、上記構成の消毒装置100を用いて、車両1の消毒作業を行う手順と作用を説明する。
【0035】
農場等の入口ゲートの手前で車両1を停止し、ドライバーが操作ボックス150の電源ボタン151を押して電源ONとし、自動ボタン152か手動ボタン153のいずれかを押すと、配線155を通して制御信号が制御ボックス120に送られ、電磁弁177が開かれ、消毒液タンク110内の常時加圧された消毒液Lが第2液配管139、導入管174、導出管175を通り、さらに第1液配管136を通って各噴出ノズル140に送られ、各噴出ノズル140から各タイヤ3の表面、シャシー2の下回りに一斉に消毒液Lが数秒間噴出される。また、消毒液Lを数秒間噴出させる間、車両1を徐行運転させると、回転する各タイヤ3の表面全周に確実に消毒液Lを行き渡らせることが可能である。
【0036】
消毒液タンク110内には、エアタンク7内に貯留された圧縮空気が、第2エア配管132から第1T字管163、接続管164、第2T字管165を通り、さらに第3エア配管133を通り、第3T字管168で第4エア配管134、第5エア配管135に分岐し、第4エア配管134からタンク内に圧縮空気が送られると同時に、第5エア配管135からは垂直管115内に圧縮空気が送られて空気孔115Aからタンク内の消毒液L内に圧縮空気が送り込まれる。この圧縮空気の供給操作においては、操作ハンドル123が水平姿勢に保持され、図4の円Aおよび円Bに示すように、第1T字管163は第1導入部163Aと導出部163Bのみが、第2T字管165は導入部165Aと第1導出部165Bのみがそれぞれ連通している。
【0037】
消毒液タンク100内は、エアタンク7から送られ、圧縮空気導入口114から導入された圧縮空気により消毒液Lが上から常時加圧されるとともに、垂直管115の空気孔115Aから噴出する圧縮空気により消毒液Lの原液と水が常時攪拌される。エアタンク7には導出された圧縮空気を補充すべくエアコンプレッサ6から圧縮空気が補給される。
【0038】
農場等の入口ゲートの手前で車両1の消毒作業が完了したら、車両1を入口ゲートから進入させる。ドライバーが運転席に着座したまま操作ボックス150を操作できるので、車両1の消毒作業を効率よく楽に行える。農場に到着する都度、入口ゲートで運転席から降りてタイヤ等の消毒作業を手作業で行う必要がなく、また、農場等でも入口ゲートに高価な消毒装置を設置する必要がなくなる。これにより消毒作業に伴うドライバーの負担や農場側の負担を軽減できる。
【0039】
消毒液タンク110内の消毒液Lの残量はレベルゲージ118により目視できるが、消毒液Lの残量が少なくなったら補給作業を行う。最初に消毒液タンク110内の圧縮空気を排気する必要がある。
【0040】
蓋122を開けて、切換操作ハンドル123を、図4の水平姿勢から図5の起立姿勢に切り換える。これにより、図5の円Cおよび円Dに示すように、ワンタッチで第1T字管163は第2導入部163Cと導出部163Bが、第2T字管165は導入部165Aと第2導出部165Cがそれぞれ連通するように切り換わる。切換操作と同時に、消毒液タンク110内の圧縮空気が、排気口116から、図5の点線で示すように第1排気管138、導入管171、第1T字管163、接続管164、第2T字管165、導出管178を通り、第2排気管138Aから速やかに排出される。
【0041】
次に、キャップ113Aを開けて、補給口113から消毒液Lの原液と水を補給する。原液は、ヨウ素系、塩素系、アルデヒド系その他これらの複合液が用いられ、水と所定の割合で混合して希釈する。原液に対する水の割合は、例えば原液1に対し水200〜1000倍とする。消毒液の原液と水を補給したら、キャップ113Aを閉めて、切換操作ハンドル123を水平姿勢に切り換え、エアタンク7から圧縮空気を消毒液タンク110内に導入し、加圧と攪拌を同時に行う。消毒液タンク110内では垂直管115の空気孔115Aから噴出される圧縮空気により原液と水が自動的に攪拌され、消毒液Lが効率よく生成される。
【0042】
消毒液Lの補給作業が終わったら、車両1の各部の消毒作業に備える。
【0043】
図9は、他の実施形態を示している。同図に示すように、第2液配管139の上流の導入管174と導出管175の手前の電磁弁177との間に第4T字管180が介在され、第4T字管180の第2導出部180Bに第3液配管181の入口が接続され、第3液配管181の出口にガンタイプ噴出ノズル182が取り付けられている。このガンタイプ噴出ノズル182は、電磁弁177の手前まで常時加圧された消毒液が供給されているので、レバー183を引くことにより、先端の噴出ノズル部184から消毒液Lを噴出できるようになっている。これによって、農場内に入るドライバーや作業者の消毒作業を合わせて行うことができる。なお、ガンタイプ噴射ノズル182の代わりにボタンタイプの噴射ノズル等も使用可能である。
【0044】
図10(A)ないし(C)は、噴出ノズル140の配置例を示している。同図(A)は前後輪の各タイヤ3に上方から消毒液を噴出する例、同図(B)(C)はそれぞれ各タイヤ3の前後方向から消毒液を噴出する例を示している。また、大型トラック等、左右にダブルタイヤが配置される場合は、各タイヤ毎に噴出ノズル140を配置することは言うまでもない。噴出ノズル140は、タイヤ付近に限らず、シャシー下回り、前面、側面、背面、天面のいずれに対しても配置可能である。
【0045】
車両1には、消毒液タンク110と水専用タンクを搭載してよい。水専用タンクには、図2ないし図5に示す制御ボックス120、配管130、噴出ノズル140、操作ボックス150を附属する。配管130、噴出ノズル140、操作ボックス150は消毒液タンク110と兼用することも可能である。消毒作業後、ボディの側面、前面、背面等は付着した消毒液が固化する場合もある。かかる場合、消毒効果が得られた一定時間後に水を噴出させることにより消毒液の固化を防ぐことができる。
【0046】
なお、車両1には、トラック、バス、乗用車、二輪車、貨車、客車等が含まれる。消毒液には、滅菌、減菌等を目的とする多種多様な液が適用可能である。消毒装置100の使用電圧は12V、24Vいずれも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の消毒装置は、車両の各部(タイヤ、下回り、側面、正面、背面、天面等)の消毒作業を行う装置として幅広く利用可能である。また、消毒液だけでなく水洗浄等にも利用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 車両
2 シャシー
3 タイヤ
4 区画板
5 エンジン
6 エアコンプレッサ
7 エアタンク
100 消毒装置
110 消毒液タンク
111 タンク本体
112 液収容室
113 補給口
113A キャップ
114 圧縮空気導入口
115 垂直管(攪拌手段)
115A 空気孔
116 排気口
117 液出口
118 レベルゲージ
119 スカート
120 制御ボックス
121 バンド
122 蓋
123 切換操作ハンドル
130 配管
131 第1エア配管
132 第2エア配管
133 第3エア配管
134 第4エア配管
135 第5エア配管
136 第1液配管
137 液分岐管
138 第1排気管
138A 第2排気管
139 第2液配管
140 噴出ノズル
140A 噴出口
141 取付部材
142 ボルト
143 L字板
150 操作ボックス
151 電源ボタン
152 自動ボタン
153 手動ボタン
154 ランプ
155 配線
161,167,171,174 導入管
162 減圧弁
163 第1T字管
164 接続管
165 第2T字管
166,173,175,178 導出管
168 第3T字管
169,170 逆止弁
172 圧力計
176 ストレーナ
177 電磁弁
179 切換弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の一部に搭載される消毒液タンクと、車両に搭載されたエンジンのコンプレッサにより生成された圧縮空気を消毒液タンク内に導入するエア配管と、車両の一部に取り付けられた噴出ノズルと、消毒液タンク内に導入された圧縮空気により消毒液タンク内の消毒液を加圧して前記噴出ノズルに供給する配管とを具備することを特徴とする車両の消毒装置。
【請求項2】
コンプレッサと消毒液タンクとの間にエアタンクが介在されていることを特徴とする請求項1記載の車両の消毒装置。
【請求項3】
車両の運転席付近に噴出ノズルの噴出操作を行わせる操作ボックスを配置することを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両の消毒装置。
【請求項4】
消毒液タンク内の消毒液の加圧と同時に消毒液タンク内に供給される圧縮空気により消毒液タンク内の消毒液を攪拌する攪拌手段を具備することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の車両の消毒装置。
【請求項5】
攪拌手段が、消毒液タンクの上部から底面付近に延在する垂直管を有し、垂直管に消毒液タンク内の消毒液内に圧縮空気を噴出させる空気孔が設けられていることを特徴とする請求項4記載の車両の消毒装置。
【請求項6】
消毒液タンク内に導入された圧縮空気を排気する排気手段を具備することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の車両の消毒装置。
【請求項7】
消毒液タンク内への圧縮空気の導入と消毒液タンク内の圧縮空気の排気をワンタッチで切換える切換操作手段を具備することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の車両の消毒装置。
【請求項8】
車両の一部に水を噴出可能な水専用タンクを搭載することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の車両の消毒装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−86648(P2012−86648A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234091(P2010−234091)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(510277442)有限会社鹿屋ヂーゼル機器 (1)
【Fターム(参考)】