車両ドアラッチ装置用選択型ワンモーション開扉機構
【課題】有効状態と無効状態とに切り替えできるワンモーション開扉機構を提供する。
【解決手段】車両ドアラッチ装置は、車両ドアを開扉するラチェットレバー32と、外側オープンハンドル25で変移するオープンレバー22と、オープンレバー22の変移をラチェットレバー32に伝達するアンロック位置と伝達しないロック位置とに切り替わるロックレバー23と、内側オープンハンドル19により回転するインナーレバー21とを備える。ラチェットレバー32は回転するとロックレバー23を前記アンロック位置に復帰させる。前記インナーレバー21と前記内側オープンハンドル19とはクラッチ機構50を介して連結する。クラッチ機構50は車両車速センサー57が走行状態を検出すると非連結状態に停止状態を検出すると連結状態に切り替る。クラッチ機構50には前記車両が停車しても前記クラッチ機構50を非連結状態にできる手動操作スイッチ58を設ける。
【解決手段】車両ドアラッチ装置は、車両ドアを開扉するラチェットレバー32と、外側オープンハンドル25で変移するオープンレバー22と、オープンレバー22の変移をラチェットレバー32に伝達するアンロック位置と伝達しないロック位置とに切り替わるロックレバー23と、内側オープンハンドル19により回転するインナーレバー21とを備える。ラチェットレバー32は回転するとロックレバー23を前記アンロック位置に復帰させる。前記インナーレバー21と前記内側オープンハンドル19とはクラッチ機構50を介して連結する。クラッチ機構50は車両車速センサー57が走行状態を検出すると非連結状態に停止状態を検出すると連結状態に切り替る。クラッチ機構50には前記車両が停車しても前記クラッチ機構50を非連結状態にできる手動操作スイッチ58を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両ドアラッチ装置に関するものであり、特に、車両ドアラッチ装置のワンモーション開扉機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な車両ドアラッチ装置では、ロック機構がロック状態にあると、オープンハンドルの開扉操作ではドアは開扉されない。しかし、ワンモーション開扉機構が付加されたドアラッチ装置では、ロック機構がロック状態であっても、内側オープンハンドルの開扉操作によりロック機構のアンロック状態への復帰と、ドアの開扉とがほぼ同時に行われる。
【0003】
前記ワンモーション機構は、大変便利な機構である。しかし、ワンモーション機構は内側オープンハンドルの操作でロック状態の解除とドアの開扉を可能にしてしまうため、一般的には、運転席用ドアのドアラッチ装置のみに採用されている。
【特許文献1】特開2000−345754号公報
【特許文献2】実開昭54−65122号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記ワンモーション機構は、ドアラッチ装置の他の機構と密接に拘る機構であり、他の機構と共に同時に設計される。このため、ワンモーション機構が付いていないドアラッチ装置に、後から、ワンモーション開扉機構を付加することは事実上不可能であった。
【0005】
上記のような理由により、従来では、運転席以外のドアでは、ワンモーション開扉機構の利便性を享受することはできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
よって本発明の目的は、車両走行中においてはワンモーション開扉機構を無効にすることができ、且つ、車両停止中であっても内側オープンハンドルの開扉操作を無効にできるクラッチ機構を提供することにある。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、ラッチユニット1のインナーレバー21とドアの内側オープンハンドル19とを連結状態と非連結状態とに切り替わるクラッチ機構50を介して連結したため、ワンモーション機構が付いていないドアラッチ装置に、後から、ワンモーション開扉機構を付加することができ、また、クラッチ機構50には、車両が停車中であってもクラッチ機構50を非連結状態にできる手動操作スイッチ58を設けたため、ラッチユニット1にチャイルドプルーフ機構を付加することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明による車両ドアラッチ装置の一実施例を図により説明する。ドアラッチ装置は、ドア(図示なし)に取付られるラッチユニット1と、車体(図示なし)に固定されるストライカ2とを有する。ラッチユニット1は、ドアが閉じられると前記ストライカ2と係合するラッチ3と、前記ラッチ3と前記ストライカ2との係合を保持するラチェット4とを有する。前記ラッチ3は、合成樹脂製のラッチボディ5の表面に形成された凹部6内にラッチ軸7により回転自在に支持され、前記ラチェット4は前記凹部6内にラチェット軸8により回転自在に支持される。
【0009】
前記ラッチ3は、ラッチバネ9の弾力により図1において時計回転方向に付勢され、前記ラチェット4は、ラチェットバネ10の弾力により反時計回転方向に付勢される。図1のラッチ3は前記ラッチバネ9の弾力によりアンラッチ位置(開扉位置)に戻されている。ドアを閉扉位置に向けて移動させると、前記ストライカ2は前記ラッチボディ5に形成された水平通路11に進入して前記ラッチ3のU型溝12に当接し、これにより前記ラッチ3は反時計回転する。前記ラッチ3がハーフラッチ位置まで回転すると、前記ラチェット4は前記ラッチ3の第1ステップ13に係合してドアはハーフ閉扉位置となり、また、前記ラッチ3がフルラッチ位置に至ると、前記ラチェット4は前記ラッチ3の第2ステップ14に係合して、ドアはフル閉扉位置に保持される。
【0010】
前記ラチェット4は、前記ラッチボディ5の開口15を介して前記ラッチボディ5の裏面側に突出するラチェットピン16を有する。前記ラッチボディ5の表面には、前記凹部6を実質的にカバーする金属カバープレート17が固定される。前記カバープレート17は、図1において部分的に示されている。
【0011】
前記ラッチボディ5の裏面には、図2のように、金属バックプレート18が固定される。前記バックプレート18は、その室内側側部に、後方に伸びるように直角に屈曲させた屈曲プレート18Aを一体的に有する。前記屈曲プレート18Aには、図3のように、前記ドアの内側オープンハンドル19(図2)にワイヤー又はロッド20等を介して連結されるインナーレバー21が回転自在に取付けられる。
【0012】
前記ラッチユニット1は、前記ラチェット4を前記ラッチ3から離脱させることで前記ドアを開扉させるオープンレバー22(図4)と、前記ラッチユニット1をロック状態とアンロック状態とに切り替えるロックレバー23(図5)とを有する。前記オープンレバー22は前記ラチェット軸8により前記ラッチボディ5の裏面側に回転自在に取付けられる。前記オープンレバー22の室外側端部は、前記ドアの外側オープンハンドル25に連結されたロッド26の一端にロストモーションをもって連結される。前記ロックレバー23はロック軸24により前記ラッチボディ5又は前記バックプレート18に回転自在に取付けられる。前記ロックレバー23の室内側端部には連結孔27が形成される。
【0013】
前記ロックレバー23と前記オープンレバー22との間には、ロックリンク28(図6)が設けられる。前記ロックリンク28は、前記オープンレバー22に形成した長孔29にスライド自在に係合するロックピン30を有する。前記ロックリンク28の下端は軸31で前記ロックレバー23に連結される。
【0014】
前記ラチェット軸8にはラチェットレバー32(図7)が軸支される。前記ラチェットレバー32は、前記ラッチボディ5と前記オープンレバー22との間に位置する。前記ラチェットレバー32の室外側に伸びるアウターアーム32Aは、前記ラチェット4から後方に伸びる前記ラチェットピン16に係合し、これにょり、前記ラチェットレバー32は前記ラチェット4と一体的に回転する。
【0015】
前記ロックレバー23の前記連結孔27は、ドアの内側ロックボタン33に至るロッド34に連結され、前記ロックレバー23は内側ロックボタン33の操作で周知のようにアンロック位置U(図10)とロック位置L(図11)とに切り替わる。前記ロックレバー23が図10のようにアンロック位置Uにあると、前記ロックピン30は前記ラチェットレバー32の逆L型の当接アーム32Bと係合可能に対峙する。このアンロック状態で、前記オープンレバー22が、前記外側オープンハンドル25の開扉操作で反時計回転すると、前記ロックピン30は前記当接アーム32Bに当接して前記ラチェットレバー32を反時計回転させ、これにより、前記ドアは開扉される。
【0016】
図10において、前記ロックレバー23を前記ロック位置Lに向けて時計回転させると、前記ロックリンク28は長孔29内を上方に移動して、図11のように、前記ロックピン30と前記当接アーム32Bとの対峙状態は解除される。このロック状態では、前記外側オープンハンドル25により前記オープンレバー22を反時計回転させても前記ラチェットレバー32を回転させることはできず、前記ドアは開かない。
【0017】
前記ロックリンク28は、前記ラチェットレバー32の前記アウターアーム32Aの下面32Cに向けて伸びる突部42を有する。前記突部42は、図11のロック状態においては、前記下面32Cの近傍に位置する。
【0018】
前記ラチェット軸8には補助レバー35(図8)が軸支される。前記補助レバー35は、前記オープンレバー22の背面側に位置する。前記補助レバー35の室内側に伸びるインナーアーム35Aは、前記インナーレバー21の回転軌跡上に位置する。
【0019】
前記補助レバー35には、ラチェット軸8の略放射方向に延びる長孔36が設けられる。前記オープンレバー22には、図4のように、係合溝37が設けられる。係合溝37は、前記ラチェット軸8を中心とする円弧スロット38と、円弧スロット38の中央部からラチェット軸8の略放射方向に延びる放射スロット39とを有する。前記ラチェットレバー32には係合凹部40が設けられる。
【0020】
前記補助レバー35の長孔36には前後方向に伸びる切替ピン41が取付けられる。切替ピン41は、長孔36の左端の大径部に挿入した後、右側にスライドさせることで長孔36に取付けられる。切替ピン41は、補助レバー35の回転に応じてラチェット軸8を中心に回転する。切替ピン41の前端は前記オープンレバー22の係合溝37を貫通してオープンレバー22の前方に突出する。切替ピン41は、長孔36内の有効位置Xと無効位置Yとの間でスライドすることで、後述するワンモーション開扉機構を有効状態と無効状態とに切り替える。
【0021】
前記切替ピン41が長孔36内の左方の有効位置Xにあると、切替ピン41はオープンレバー22の円弧スロット38内に位置すると共に、前記ラチェットレバー32の係合凹部40に係合する。このため、有効状態における補助レバー35の回転移動は、オープンレバー22には伝達されないが、切替ピン41を介してラチェットレバー32には伝達される。つまり、有効位置Xの切替ピン41は、補助レバー35とラチェットレバー32とを一体的に連結する。
【0022】
図10は、ロックレバー23がアンロック位置Uにあり、前記切替ピン41が有効位置Xにある状態を示している。この状態で、前記内側オープンハンドル19の開扉操作で前記インナーレバー21が回転すると、インナーレバー21は補助レバー35に当接し、補助レバー35の回転は切替ピン41を介してラチェットレバー32に伝わり、これにより、ラチェットピン16を介してラチェット4は回転して前記ラッチ3から離脱し、もって前記ドアは開扉される。
【0023】
図11は、ロックレバー23がロック位置Lにあり、前記切替ピン41が有効位置Xにある状態を示しており、この状態で、前記内側オープンハンドル19の開扉操作で前記インナーレバー21が回転すると、インナーレバー21は補助レバー35に当接し、補助レバー35の回転は切替ピン41を介してラチェットレバー32に伝わる。すると、ラチェットレバー32の下面32Cは、ロックリンク28の突部42に当接してロックリンク28を下動させ、ロックレバー23をロック位置Lからアンロック位置Uに復帰させる。また、これと併行してラチェットレバー32は、ラチェットピン16を介してラチェット4を回転させて前記ラッチ3から離脱させ、もって前記ドアを開扉させる。このように、切替ピン41が有効位置Xにあると、ロック状態のときであっても、内側オープンハンドル19の開扉操作でロック状態の解除とドアの開扉とが行える。この機構が、前記内側オープンハンドル19によるワンモーション開扉機構となる。
【0024】
なお、切替ピン41が有効位置Xにあるときは、切替ピン41はオープンレバー22の円弧スロット38内に位置するため、補助レバー35の回転はオープンレバーに22には伝達されず、また、オープンレバー22の回転も補助レバー35には伝達されない。
【0025】
前記切替ピン41を補助レバー35の長孔36内の右方の無効位置Yにスライドさせると、切替ピン41は前記ラチェットレバー32の係合凹部40から離脱すると共に、オープンレバー22の円弧スロット38から放射スロット39に移動する。このため、無効状態における補助レバー35の回転移動は、ラチェットレバー32には伝達されないが、切替ピン41を介してオープンレバー22には伝達される。つまり、無効位置Yの切替ピン41は、補助レバー35とオープンレバー22とを一体的に連結する。
【0026】
図12は、ロックレバー23がアンロック位置Uにあり、前記切替ピン41が無効位置Yにある状態を示している。この状態で、前記内側オープンハンドル19の開扉操作で前記インナーレバー21が回転すると、インナーレバー21は補助レバー35に当接して切替ピン41を上動させる。無効位置Yの切替ピン41の上動は、ラチェットレバー32を直接的には回転させないが、オープンレバー22を反時計回転させる。オープンレバー22が反時計回転すると、ロックピン30は当接アーム32Bに当接してラチェットレバー32を反時計回転させ、これにより、ドアは開扉される。
【0027】
図13は、ロックレバー23がロック位置Lにあり、前記切替ピン41が無効位置Yにある状態を示している。この状態で、前記内側オープンハンドル19の開扉操作で前記インナーレバー21が回転すると、インナーレバー21は補助レバー35に当接して切替ピン41を上動させる。無効位置Yの切替ピン41の上動は、ラチェットレバー32を直接的には回転させないが、オープンレバー22を反時計回転させる。しかし、ロック状態では、オープンレバー22が反時計回転しても、ロックピン30は当接アーム32Bに当接できないから、ドアは開扉されない。このように、切替ピン41が無効位置Yにあると、ワンモーション開扉機構は無効になる。
【0028】
図2のように、ラッチユニット1の背面側にはサブプレート43が取付けられ、サブプレート43には切替レバー44(図9)が軸48で軸止される。切替レバー44の上方アーム45には、前記切替ピン41の後端部が係合する係合窓46が設けられる。切替レバー44の操作アーム47の先端は室内側に伸張させ、ドアの金属パネルを貫通してドアの外部に突出させる。切替レバー44は操作アーム47の操作で回転し、切替ピン41を有効位置Xと無効位置Yとに切り替える。有効状態と無効状態とに切り替えできるワンモーション開扉機構を備えたドアラッチ装置は、全てのドアに採用することができ、ユーザーの責任において安全性を確保すれば、ほとんど全ての人がワンモーション開扉機構の利便性を享受できるようになる。
【0029】
前記インナーレバー21と前記内側オープンハンドル19との間には、図14のように、クラッチ機構50を設ける。クラッチ機構50のメカニカル部分はケース51内に収納される。ケース51は、ドアの内部に収納できるように小型に形成される。ケース51内には、入力側レバー52と出力側レバー53とがスライド自在に収納される。入力側レバー52はワイヤー20の入力側ワイヤー20Aにより内側オープンハンドル19に連結させ、出力側レバー53はワイヤー20の出力側ワイヤー20Bによりインナーレバー21に連結させる。前記ケース51内には、電磁コイル等のアクチュエータ54で駆動されるクラッチピン55を設ける。クラッチピン55は、アクチュエータ54がオンになると入力側レバー52と出力側レバー53とを連結し、アクチュエータ54がオフになると入力側レバー52と出力側レバー53とを非連結にする。
【0030】
前記アクチュエータ54は、制御部56からの指令によりオン・オフする。制御部56は車速センサー57が車両の走行状態(実質的には時速4キロ以上の走行状態)を検出すると、アクチュエータ54をオフにして内側オープンハンドル19とインナーレバー21との間の連結を解除する。車両の走行により、内側オープンハンドル19とインナーレバー21との間の連結が解除されると、内側オープンハンドル19を開扉操作してもインナーレバー21は回転しないから、ラッチユニット1にワンモーション開扉機構が付加されていても、ドアの開扉は防止される。このため、車両走行中に内側オープンハンドル19が誤って操作されても、ワンモーション開扉機構は作動しない。
【0031】
車両が停止すると(実質的には停止状態又は時速4キロ未満の走行状態)、制御部56はアクチュエータ54をオンにして内側オープンハンドル19とインナーレバー21とを連結させる。これにより、停車時においては、内側オープンハンドル19の開扉操作で、ラッチユニット1のワンモーション開扉機構を作動させることができる。
【0032】
クラッチ機構50の制御回路には、アクチュエータ54をオフさせる手動操作スイッチ58を設けることができる。操作スイッチ58は、好適には、運転席の近傍に配置される。操作スイッチ58がオンになると、クラッチ機構50は停車中であっても非連結状態になり、内側オープンハンドル19の開扉操作は無効になる。このことは、操作スイッチ58によりラッチユニット1にチャイルドプルーフ機構が付加されることを意味する。
【0033】
クラッチ機構50は、内側オープンハンドル19とインナーレバー21との連結を解除できるので、ドアの防犯性の向上をもたらすことが期待できる。このため、本発明では、車両のエンジンがストップしているとき、又は、イグニッションにキーが差し込まれていないときには、アクチュエータ54をオフにして内側オープンハンドル19とインナーレバー21とを非連結にする。これにより、内側オープンハンドル19の開扉操作は無効となって、駐車中の防犯性が向上する。
【0034】
本発明によるワンモーション開扉機構は、有効状態と無効状態とに切り替えることができる。このため、ワンモーション開扉機構を全てのドアのドアラッチ装置に採用することができ、ユーザーが自己の責任において安全性を確保すれば、ほとんど全ての人がワンモーション開扉機構の利便性を享受できるようになる。
【0035】
クラッチ機構50は内側オープンハンドル19とインナーレバー21との間に設けることができるため、既にドアに取付けられているドアラッチ装置のワンモーション開扉機構を後から車速感応型に簡単に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明によるラッチユニットの正面図。
【図2】前記ラッチユニットの背面図。
【図3】前記ラッチユニットの側面図。
【図4】前記ラッチユニットのオープンレバーの背面図。
【図5】前記ラッチユニットのロックレバーの背面図。
【図6】前記ラッチユニットのロックリンクの背面図。
【図7】前記ラッチユニットのラチェットレバーの背面図。
【図8】前記ラッチユニットの補助レバーの背面図。
【図9】前記ラッチユニットの切替レバーの背面図。
【図10】前記ロックレバーがアンロック位置にあり、ワンモーション開扉機構が有効である状態を示す説明図。
【図11】前記ロックレバーがロック位置にあり、前記ワンモーション開扉機構が有効である状態を示す説明図。
【図12】前記ロックレバーがアンロック位置にあり、ワンモーション開扉機構が無効である状態を示す説明図。
【図13】前記ロックレバーがロック位置にあり、ワンモーション開扉機構が無効である状態を示す説明図。
【図14】内側オープンハンドルとインナーレバーとクラッチ機構との関係を示す略図。
【図15】前記クラッチ機構のメカニカル機構を示す断面図。
【図16】前記クラッチ機構のブロック回路図。
【符号の説明】
【0037】
1…ラッチユニット、2…ストライカ、3…ラッチ、4…ラチェット、5…ラッチボディ、6…凹部、7…ラッチ軸、8…ラチェット軸、9…ラッチバネ、10…ラチェットバネ、11…水平通路、12…U型溝、13…第1ステップ、14…第2ステップ、15…開口、16…ラチェットピン、17…金属カバープレート、18…金属バックプレート、18A…屈曲プレート、19…内側オープンハンドル、20…ワイヤー又はロッド、21…インナーレバー、22…オープンレバー、23…ロックレバー、24…ロック軸、25…外側オープンハンドル、26…ロッド、27…連結孔、28…ロックリンク、29…長孔、30…ロックピン、31…軸、32…ラチェットレバー、32A…アウターアーム、32B…当接アーム、32C…下面、33…内側ロックボタン、34…ロッド、35…補助レバー、35A…インナーアーム、36…長孔、37…係合溝、38…円弧スロット、39…放射スロット、40…係合凹部、41…切替ピン、42…突部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両ドアラッチ装置に関するものであり、特に、車両ドアラッチ装置のワンモーション開扉機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な車両ドアラッチ装置では、ロック機構がロック状態にあると、オープンハンドルの開扉操作ではドアは開扉されない。しかし、ワンモーション開扉機構が付加されたドアラッチ装置では、ロック機構がロック状態であっても、内側オープンハンドルの開扉操作によりロック機構のアンロック状態への復帰と、ドアの開扉とがほぼ同時に行われる。
【0003】
前記ワンモーション機構は、大変便利な機構である。しかし、ワンモーション機構は内側オープンハンドルの操作でロック状態の解除とドアの開扉を可能にしてしまうため、一般的には、運転席用ドアのドアラッチ装置のみに採用されている。
【特許文献1】特開2000−345754号公報
【特許文献2】実開昭54−65122号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記ワンモーション機構は、ドアラッチ装置の他の機構と密接に拘る機構であり、他の機構と共に同時に設計される。このため、ワンモーション機構が付いていないドアラッチ装置に、後から、ワンモーション開扉機構を付加することは事実上不可能であった。
【0005】
上記のような理由により、従来では、運転席以外のドアでは、ワンモーション開扉機構の利便性を享受することはできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
よって本発明の目的は、車両走行中においてはワンモーション開扉機構を無効にすることができ、且つ、車両停止中であっても内側オープンハンドルの開扉操作を無効にできるクラッチ機構を提供することにある。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、ラッチユニット1のインナーレバー21とドアの内側オープンハンドル19とを連結状態と非連結状態とに切り替わるクラッチ機構50を介して連結したため、ワンモーション機構が付いていないドアラッチ装置に、後から、ワンモーション開扉機構を付加することができ、また、クラッチ機構50には、車両が停車中であってもクラッチ機構50を非連結状態にできる手動操作スイッチ58を設けたため、ラッチユニット1にチャイルドプルーフ機構を付加することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明による車両ドアラッチ装置の一実施例を図により説明する。ドアラッチ装置は、ドア(図示なし)に取付られるラッチユニット1と、車体(図示なし)に固定されるストライカ2とを有する。ラッチユニット1は、ドアが閉じられると前記ストライカ2と係合するラッチ3と、前記ラッチ3と前記ストライカ2との係合を保持するラチェット4とを有する。前記ラッチ3は、合成樹脂製のラッチボディ5の表面に形成された凹部6内にラッチ軸7により回転自在に支持され、前記ラチェット4は前記凹部6内にラチェット軸8により回転自在に支持される。
【0009】
前記ラッチ3は、ラッチバネ9の弾力により図1において時計回転方向に付勢され、前記ラチェット4は、ラチェットバネ10の弾力により反時計回転方向に付勢される。図1のラッチ3は前記ラッチバネ9の弾力によりアンラッチ位置(開扉位置)に戻されている。ドアを閉扉位置に向けて移動させると、前記ストライカ2は前記ラッチボディ5に形成された水平通路11に進入して前記ラッチ3のU型溝12に当接し、これにより前記ラッチ3は反時計回転する。前記ラッチ3がハーフラッチ位置まで回転すると、前記ラチェット4は前記ラッチ3の第1ステップ13に係合してドアはハーフ閉扉位置となり、また、前記ラッチ3がフルラッチ位置に至ると、前記ラチェット4は前記ラッチ3の第2ステップ14に係合して、ドアはフル閉扉位置に保持される。
【0010】
前記ラチェット4は、前記ラッチボディ5の開口15を介して前記ラッチボディ5の裏面側に突出するラチェットピン16を有する。前記ラッチボディ5の表面には、前記凹部6を実質的にカバーする金属カバープレート17が固定される。前記カバープレート17は、図1において部分的に示されている。
【0011】
前記ラッチボディ5の裏面には、図2のように、金属バックプレート18が固定される。前記バックプレート18は、その室内側側部に、後方に伸びるように直角に屈曲させた屈曲プレート18Aを一体的に有する。前記屈曲プレート18Aには、図3のように、前記ドアの内側オープンハンドル19(図2)にワイヤー又はロッド20等を介して連結されるインナーレバー21が回転自在に取付けられる。
【0012】
前記ラッチユニット1は、前記ラチェット4を前記ラッチ3から離脱させることで前記ドアを開扉させるオープンレバー22(図4)と、前記ラッチユニット1をロック状態とアンロック状態とに切り替えるロックレバー23(図5)とを有する。前記オープンレバー22は前記ラチェット軸8により前記ラッチボディ5の裏面側に回転自在に取付けられる。前記オープンレバー22の室外側端部は、前記ドアの外側オープンハンドル25に連結されたロッド26の一端にロストモーションをもって連結される。前記ロックレバー23はロック軸24により前記ラッチボディ5又は前記バックプレート18に回転自在に取付けられる。前記ロックレバー23の室内側端部には連結孔27が形成される。
【0013】
前記ロックレバー23と前記オープンレバー22との間には、ロックリンク28(図6)が設けられる。前記ロックリンク28は、前記オープンレバー22に形成した長孔29にスライド自在に係合するロックピン30を有する。前記ロックリンク28の下端は軸31で前記ロックレバー23に連結される。
【0014】
前記ラチェット軸8にはラチェットレバー32(図7)が軸支される。前記ラチェットレバー32は、前記ラッチボディ5と前記オープンレバー22との間に位置する。前記ラチェットレバー32の室外側に伸びるアウターアーム32Aは、前記ラチェット4から後方に伸びる前記ラチェットピン16に係合し、これにょり、前記ラチェットレバー32は前記ラチェット4と一体的に回転する。
【0015】
前記ロックレバー23の前記連結孔27は、ドアの内側ロックボタン33に至るロッド34に連結され、前記ロックレバー23は内側ロックボタン33の操作で周知のようにアンロック位置U(図10)とロック位置L(図11)とに切り替わる。前記ロックレバー23が図10のようにアンロック位置Uにあると、前記ロックピン30は前記ラチェットレバー32の逆L型の当接アーム32Bと係合可能に対峙する。このアンロック状態で、前記オープンレバー22が、前記外側オープンハンドル25の開扉操作で反時計回転すると、前記ロックピン30は前記当接アーム32Bに当接して前記ラチェットレバー32を反時計回転させ、これにより、前記ドアは開扉される。
【0016】
図10において、前記ロックレバー23を前記ロック位置Lに向けて時計回転させると、前記ロックリンク28は長孔29内を上方に移動して、図11のように、前記ロックピン30と前記当接アーム32Bとの対峙状態は解除される。このロック状態では、前記外側オープンハンドル25により前記オープンレバー22を反時計回転させても前記ラチェットレバー32を回転させることはできず、前記ドアは開かない。
【0017】
前記ロックリンク28は、前記ラチェットレバー32の前記アウターアーム32Aの下面32Cに向けて伸びる突部42を有する。前記突部42は、図11のロック状態においては、前記下面32Cの近傍に位置する。
【0018】
前記ラチェット軸8には補助レバー35(図8)が軸支される。前記補助レバー35は、前記オープンレバー22の背面側に位置する。前記補助レバー35の室内側に伸びるインナーアーム35Aは、前記インナーレバー21の回転軌跡上に位置する。
【0019】
前記補助レバー35には、ラチェット軸8の略放射方向に延びる長孔36が設けられる。前記オープンレバー22には、図4のように、係合溝37が設けられる。係合溝37は、前記ラチェット軸8を中心とする円弧スロット38と、円弧スロット38の中央部からラチェット軸8の略放射方向に延びる放射スロット39とを有する。前記ラチェットレバー32には係合凹部40が設けられる。
【0020】
前記補助レバー35の長孔36には前後方向に伸びる切替ピン41が取付けられる。切替ピン41は、長孔36の左端の大径部に挿入した後、右側にスライドさせることで長孔36に取付けられる。切替ピン41は、補助レバー35の回転に応じてラチェット軸8を中心に回転する。切替ピン41の前端は前記オープンレバー22の係合溝37を貫通してオープンレバー22の前方に突出する。切替ピン41は、長孔36内の有効位置Xと無効位置Yとの間でスライドすることで、後述するワンモーション開扉機構を有効状態と無効状態とに切り替える。
【0021】
前記切替ピン41が長孔36内の左方の有効位置Xにあると、切替ピン41はオープンレバー22の円弧スロット38内に位置すると共に、前記ラチェットレバー32の係合凹部40に係合する。このため、有効状態における補助レバー35の回転移動は、オープンレバー22には伝達されないが、切替ピン41を介してラチェットレバー32には伝達される。つまり、有効位置Xの切替ピン41は、補助レバー35とラチェットレバー32とを一体的に連結する。
【0022】
図10は、ロックレバー23がアンロック位置Uにあり、前記切替ピン41が有効位置Xにある状態を示している。この状態で、前記内側オープンハンドル19の開扉操作で前記インナーレバー21が回転すると、インナーレバー21は補助レバー35に当接し、補助レバー35の回転は切替ピン41を介してラチェットレバー32に伝わり、これにより、ラチェットピン16を介してラチェット4は回転して前記ラッチ3から離脱し、もって前記ドアは開扉される。
【0023】
図11は、ロックレバー23がロック位置Lにあり、前記切替ピン41が有効位置Xにある状態を示しており、この状態で、前記内側オープンハンドル19の開扉操作で前記インナーレバー21が回転すると、インナーレバー21は補助レバー35に当接し、補助レバー35の回転は切替ピン41を介してラチェットレバー32に伝わる。すると、ラチェットレバー32の下面32Cは、ロックリンク28の突部42に当接してロックリンク28を下動させ、ロックレバー23をロック位置Lからアンロック位置Uに復帰させる。また、これと併行してラチェットレバー32は、ラチェットピン16を介してラチェット4を回転させて前記ラッチ3から離脱させ、もって前記ドアを開扉させる。このように、切替ピン41が有効位置Xにあると、ロック状態のときであっても、内側オープンハンドル19の開扉操作でロック状態の解除とドアの開扉とが行える。この機構が、前記内側オープンハンドル19によるワンモーション開扉機構となる。
【0024】
なお、切替ピン41が有効位置Xにあるときは、切替ピン41はオープンレバー22の円弧スロット38内に位置するため、補助レバー35の回転はオープンレバーに22には伝達されず、また、オープンレバー22の回転も補助レバー35には伝達されない。
【0025】
前記切替ピン41を補助レバー35の長孔36内の右方の無効位置Yにスライドさせると、切替ピン41は前記ラチェットレバー32の係合凹部40から離脱すると共に、オープンレバー22の円弧スロット38から放射スロット39に移動する。このため、無効状態における補助レバー35の回転移動は、ラチェットレバー32には伝達されないが、切替ピン41を介してオープンレバー22には伝達される。つまり、無効位置Yの切替ピン41は、補助レバー35とオープンレバー22とを一体的に連結する。
【0026】
図12は、ロックレバー23がアンロック位置Uにあり、前記切替ピン41が無効位置Yにある状態を示している。この状態で、前記内側オープンハンドル19の開扉操作で前記インナーレバー21が回転すると、インナーレバー21は補助レバー35に当接して切替ピン41を上動させる。無効位置Yの切替ピン41の上動は、ラチェットレバー32を直接的には回転させないが、オープンレバー22を反時計回転させる。オープンレバー22が反時計回転すると、ロックピン30は当接アーム32Bに当接してラチェットレバー32を反時計回転させ、これにより、ドアは開扉される。
【0027】
図13は、ロックレバー23がロック位置Lにあり、前記切替ピン41が無効位置Yにある状態を示している。この状態で、前記内側オープンハンドル19の開扉操作で前記インナーレバー21が回転すると、インナーレバー21は補助レバー35に当接して切替ピン41を上動させる。無効位置Yの切替ピン41の上動は、ラチェットレバー32を直接的には回転させないが、オープンレバー22を反時計回転させる。しかし、ロック状態では、オープンレバー22が反時計回転しても、ロックピン30は当接アーム32Bに当接できないから、ドアは開扉されない。このように、切替ピン41が無効位置Yにあると、ワンモーション開扉機構は無効になる。
【0028】
図2のように、ラッチユニット1の背面側にはサブプレート43が取付けられ、サブプレート43には切替レバー44(図9)が軸48で軸止される。切替レバー44の上方アーム45には、前記切替ピン41の後端部が係合する係合窓46が設けられる。切替レバー44の操作アーム47の先端は室内側に伸張させ、ドアの金属パネルを貫通してドアの外部に突出させる。切替レバー44は操作アーム47の操作で回転し、切替ピン41を有効位置Xと無効位置Yとに切り替える。有効状態と無効状態とに切り替えできるワンモーション開扉機構を備えたドアラッチ装置は、全てのドアに採用することができ、ユーザーの責任において安全性を確保すれば、ほとんど全ての人がワンモーション開扉機構の利便性を享受できるようになる。
【0029】
前記インナーレバー21と前記内側オープンハンドル19との間には、図14のように、クラッチ機構50を設ける。クラッチ機構50のメカニカル部分はケース51内に収納される。ケース51は、ドアの内部に収納できるように小型に形成される。ケース51内には、入力側レバー52と出力側レバー53とがスライド自在に収納される。入力側レバー52はワイヤー20の入力側ワイヤー20Aにより内側オープンハンドル19に連結させ、出力側レバー53はワイヤー20の出力側ワイヤー20Bによりインナーレバー21に連結させる。前記ケース51内には、電磁コイル等のアクチュエータ54で駆動されるクラッチピン55を設ける。クラッチピン55は、アクチュエータ54がオンになると入力側レバー52と出力側レバー53とを連結し、アクチュエータ54がオフになると入力側レバー52と出力側レバー53とを非連結にする。
【0030】
前記アクチュエータ54は、制御部56からの指令によりオン・オフする。制御部56は車速センサー57が車両の走行状態(実質的には時速4キロ以上の走行状態)を検出すると、アクチュエータ54をオフにして内側オープンハンドル19とインナーレバー21との間の連結を解除する。車両の走行により、内側オープンハンドル19とインナーレバー21との間の連結が解除されると、内側オープンハンドル19を開扉操作してもインナーレバー21は回転しないから、ラッチユニット1にワンモーション開扉機構が付加されていても、ドアの開扉は防止される。このため、車両走行中に内側オープンハンドル19が誤って操作されても、ワンモーション開扉機構は作動しない。
【0031】
車両が停止すると(実質的には停止状態又は時速4キロ未満の走行状態)、制御部56はアクチュエータ54をオンにして内側オープンハンドル19とインナーレバー21とを連結させる。これにより、停車時においては、内側オープンハンドル19の開扉操作で、ラッチユニット1のワンモーション開扉機構を作動させることができる。
【0032】
クラッチ機構50の制御回路には、アクチュエータ54をオフさせる手動操作スイッチ58を設けることができる。操作スイッチ58は、好適には、運転席の近傍に配置される。操作スイッチ58がオンになると、クラッチ機構50は停車中であっても非連結状態になり、内側オープンハンドル19の開扉操作は無効になる。このことは、操作スイッチ58によりラッチユニット1にチャイルドプルーフ機構が付加されることを意味する。
【0033】
クラッチ機構50は、内側オープンハンドル19とインナーレバー21との連結を解除できるので、ドアの防犯性の向上をもたらすことが期待できる。このため、本発明では、車両のエンジンがストップしているとき、又は、イグニッションにキーが差し込まれていないときには、アクチュエータ54をオフにして内側オープンハンドル19とインナーレバー21とを非連結にする。これにより、内側オープンハンドル19の開扉操作は無効となって、駐車中の防犯性が向上する。
【0034】
本発明によるワンモーション開扉機構は、有効状態と無効状態とに切り替えることができる。このため、ワンモーション開扉機構を全てのドアのドアラッチ装置に採用することができ、ユーザーが自己の責任において安全性を確保すれば、ほとんど全ての人がワンモーション開扉機構の利便性を享受できるようになる。
【0035】
クラッチ機構50は内側オープンハンドル19とインナーレバー21との間に設けることができるため、既にドアに取付けられているドアラッチ装置のワンモーション開扉機構を後から車速感応型に簡単に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明によるラッチユニットの正面図。
【図2】前記ラッチユニットの背面図。
【図3】前記ラッチユニットの側面図。
【図4】前記ラッチユニットのオープンレバーの背面図。
【図5】前記ラッチユニットのロックレバーの背面図。
【図6】前記ラッチユニットのロックリンクの背面図。
【図7】前記ラッチユニットのラチェットレバーの背面図。
【図8】前記ラッチユニットの補助レバーの背面図。
【図9】前記ラッチユニットの切替レバーの背面図。
【図10】前記ロックレバーがアンロック位置にあり、ワンモーション開扉機構が有効である状態を示す説明図。
【図11】前記ロックレバーがロック位置にあり、前記ワンモーション開扉機構が有効である状態を示す説明図。
【図12】前記ロックレバーがアンロック位置にあり、ワンモーション開扉機構が無効である状態を示す説明図。
【図13】前記ロックレバーがロック位置にあり、ワンモーション開扉機構が無効である状態を示す説明図。
【図14】内側オープンハンドルとインナーレバーとクラッチ機構との関係を示す略図。
【図15】前記クラッチ機構のメカニカル機構を示す断面図。
【図16】前記クラッチ機構のブロック回路図。
【符号の説明】
【0037】
1…ラッチユニット、2…ストライカ、3…ラッチ、4…ラチェット、5…ラッチボディ、6…凹部、7…ラッチ軸、8…ラチェット軸、9…ラッチバネ、10…ラチェットバネ、11…水平通路、12…U型溝、13…第1ステップ、14…第2ステップ、15…開口、16…ラチェットピン、17…金属カバープレート、18…金属バックプレート、18A…屈曲プレート、19…内側オープンハンドル、20…ワイヤー又はロッド、21…インナーレバー、22…オープンレバー、23…ロックレバー、24…ロック軸、25…外側オープンハンドル、26…ロッド、27…連結孔、28…ロックリンク、29…長孔、30…ロックピン、31…軸、32…ラチェットレバー、32A…アウターアーム、32B…当接アーム、32C…下面、33…内側ロックボタン、34…ロッド、35…補助レバー、35A…インナーアーム、36…長孔、37…係合溝、38…円弧スロット、39…放射スロット、40…係合凹部、41…切替ピン、42…突部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラッチユニット1に、回転すると車両ドアを開扉するラチェットレバー32と、前記ドアの外側オープンハンドル25の開扉回転で変移するオープンレバー22と、前記オープンレバー22の前記変移を前記ラチェットレバー32に伝達して前記ラチェットレバー32を回転させるアンロック位置と前記オープンレバー22の前記変移を前記ラチェットレバー32に伝達しないロック位置とに切り替わるロックレバー23と、前記ドアの内側オープンハンドル19の開扉回転で回転するインナーレバー21とを備え、前記ラチェットレバー32は回転すると前記ロック位置の前記ロックレバー23を前記アンロック位置に復帰させる構成としたものにおいて、前記インナーレバー21と前記内側オープンハンドル19とは連結状態と非連結状態とに切り替わるクラッチ機構50を介して連結し、前記クラッチ機構50は前記ラッチユニット1とは別体で前記ドアの内部に収納され、前記クラッチ機構50は車両の車速センサー57が車両の走行状態を検出すると非連結状態に停止状態を検出すると連結状態に切り替るように構成し、前記クラッチ機構50には前記車両が停車しても前記クラッチ機構50を非連結状態にして前記内側オープンハンドル19の開扉回転による前記ラチェットレバー32の回転を無効にする手動操作スイッチ58を設けた車両ドアラッチ装置用ワンモーション開扉機構。
【請求項2】
請求項1において、前記手動操作スイッチ58は運転席の近傍に配置した車両ドアラッチ装置用ワンモーション開扉機構。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、前記クラッチ機構50は、前記インナーレバー21と前記内側オープンハンドル19とを連結するワイヤー又はロッド20の途中に設けた車両ドアラッチ装置用ワンモーション開扉機構。
【請求項4】
回転すると車両ドアを開扉するラチェットレバー32と、前記ドアの外側オープンハンドル25の開扉回転で変移するオープンレバー22と、前記オープンレバー22の前記変移を前記ラチェットレバー32に伝達して前記ラチェットレバー32を回転させるアンロック位置と前記オープンレバー22の前記変移を前記ラチェットレバー32に伝達しないロック位置とに切り替わるロックレバー23と、前記ドアの内側オープンハンドル19の開扉回転で回転するインナーレバー21と、前記インナーレバー21の開扉回転で回転する補助レバー35と、有効位置と無効位置とに切り替る切替ピン41とを備え、前記ラチェットレバー32は回転すると前記ロック位置の前記ロックレバー23を前記アンロック位置に復帰させ得る構成とし、前記切替ピン41は、前記有効位置にあると、前記補助レバー35の回転で前記ラチェットレバー32を回転させて前記ロックレバー23の前記ロック位置から前記アンロック位置への復帰と前記車両ドアの開扉の双方を可能にするが、前記無効位置に切り替ると、前記補助レバー35の回転を前記オープンレバー22を介してのみ前記ラチェットレバー32に伝達させるものにおいて、前記インナーレバー21と前記内側オープンハンドル19とは連結状態と非連結状態とに切り替わるクラッチ機構50を介して連結し、前記クラッチ機構50は前記ラッチユニット1とは別体で前記ドアの内部に収納され、前記クラッチ機構50は車両の車速センサー57が車両の走行状態を検出すると非連結状態に停止状態を検出すると連結状態に切り替るように構成した車両ドアラッチ装置用ワンモーション開扉機構。
【請求項5】
請求項4において、前記クラッチ機構50には前記車両が停車しても前記クラッチ機構50を非連結状態にして前記内側オープンハンドル19の開扉回転による前記ラチェットレバー32の回転を無効にする手動操作スイッチ58を設けた車両ドアラッチ装置用ワンモーション開扉機構。
【請求項1】
ラッチユニット1に、回転すると車両ドアを開扉するラチェットレバー32と、前記ドアの外側オープンハンドル25の開扉回転で変移するオープンレバー22と、前記オープンレバー22の前記変移を前記ラチェットレバー32に伝達して前記ラチェットレバー32を回転させるアンロック位置と前記オープンレバー22の前記変移を前記ラチェットレバー32に伝達しないロック位置とに切り替わるロックレバー23と、前記ドアの内側オープンハンドル19の開扉回転で回転するインナーレバー21とを備え、前記ラチェットレバー32は回転すると前記ロック位置の前記ロックレバー23を前記アンロック位置に復帰させる構成としたものにおいて、前記インナーレバー21と前記内側オープンハンドル19とは連結状態と非連結状態とに切り替わるクラッチ機構50を介して連結し、前記クラッチ機構50は前記ラッチユニット1とは別体で前記ドアの内部に収納され、前記クラッチ機構50は車両の車速センサー57が車両の走行状態を検出すると非連結状態に停止状態を検出すると連結状態に切り替るように構成し、前記クラッチ機構50には前記車両が停車しても前記クラッチ機構50を非連結状態にして前記内側オープンハンドル19の開扉回転による前記ラチェットレバー32の回転を無効にする手動操作スイッチ58を設けた車両ドアラッチ装置用ワンモーション開扉機構。
【請求項2】
請求項1において、前記手動操作スイッチ58は運転席の近傍に配置した車両ドアラッチ装置用ワンモーション開扉機構。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、前記クラッチ機構50は、前記インナーレバー21と前記内側オープンハンドル19とを連結するワイヤー又はロッド20の途中に設けた車両ドアラッチ装置用ワンモーション開扉機構。
【請求項4】
回転すると車両ドアを開扉するラチェットレバー32と、前記ドアの外側オープンハンドル25の開扉回転で変移するオープンレバー22と、前記オープンレバー22の前記変移を前記ラチェットレバー32に伝達して前記ラチェットレバー32を回転させるアンロック位置と前記オープンレバー22の前記変移を前記ラチェットレバー32に伝達しないロック位置とに切り替わるロックレバー23と、前記ドアの内側オープンハンドル19の開扉回転で回転するインナーレバー21と、前記インナーレバー21の開扉回転で回転する補助レバー35と、有効位置と無効位置とに切り替る切替ピン41とを備え、前記ラチェットレバー32は回転すると前記ロック位置の前記ロックレバー23を前記アンロック位置に復帰させ得る構成とし、前記切替ピン41は、前記有効位置にあると、前記補助レバー35の回転で前記ラチェットレバー32を回転させて前記ロックレバー23の前記ロック位置から前記アンロック位置への復帰と前記車両ドアの開扉の双方を可能にするが、前記無効位置に切り替ると、前記補助レバー35の回転を前記オープンレバー22を介してのみ前記ラチェットレバー32に伝達させるものにおいて、前記インナーレバー21と前記内側オープンハンドル19とは連結状態と非連結状態とに切り替わるクラッチ機構50を介して連結し、前記クラッチ機構50は前記ラッチユニット1とは別体で前記ドアの内部に収納され、前記クラッチ機構50は車両の車速センサー57が車両の走行状態を検出すると非連結状態に停止状態を検出すると連結状態に切り替るように構成した車両ドアラッチ装置用ワンモーション開扉機構。
【請求項5】
請求項4において、前記クラッチ機構50には前記車両が停車しても前記クラッチ機構50を非連結状態にして前記内側オープンハンドル19の開扉回転による前記ラチェットレバー32の回転を無効にする手動操作スイッチ58を設けた車両ドアラッチ装置用ワンモーション開扉機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−267138(P2008−267138A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−144003(P2008−144003)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【分割の表示】特願2003−519615(P2003−519615)の分割
【原出願日】平成14年8月7日(2002.8.7)
【出願人】(000006183)三井金属鉱業株式会社 (1,121)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【分割の表示】特願2003−519615(P2003−519615)の分割
【原出願日】平成14年8月7日(2002.8.7)
【出願人】(000006183)三井金属鉱業株式会社 (1,121)
【Fターム(参考)】
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