説明

車両ドア開閉装置

【課題】誤組み付けの防止及び製造コストの低廉化を実現できる車両ドア開閉装置を提供する。
【解決手段】車両ドア開閉装置1において、スイッチ5、6からはスイッチ用ハーネス5W、6Wが延出され、モータ7の給電コネクタ7Cには集約コネクタ3が接続されている。集約コネクタ3は、集約コネクタ本体3Aとモータ用配線部材31、32とスイッチ用配線部材33〜36とを有する。集約コネクタ本体3Aは給電コネクタ7Cと嵌合する第1嵌合部10とコントローラ用コネクタ9Cと嵌合する第2嵌合部20とが一体化されてなる。モータ用配線部材31、32は自己の一端31A、32Aが第2嵌合部20内に位置し、自己の他端31B、32Bが第1嵌合部10内に位置する。スイッチ用配線部材33〜36は自己の一端33A〜36Aが第2嵌合部20内に位置し、自己の他端33B〜36Bがスイッチ用ハーネス5W、6Wと電気的に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両ドア開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両ドアを車体に対して施錠及び開錠可能であるとともに、車両ドアを半閉状態から全閉状態とすることが可能な従来の車両ドア開閉装置が知られている。特許文献1に開示されている車両ドア開閉装置では、ベースプレートとバックプレートとが間隔を有して対向しており、ベースプレートにはストライカが進入する進入口が形成されている。ベースプレートとバックプレートとの間には揺動軸が揺動可能に設けられており、揺動軸にはベースプレートの進入口内においてストライカを係止するフォークが一体に設けられている。また、ベースプレートにはフォークの揺動を固定又は開放可能なポールも設けられている。
【0003】
特許文献1に開示されている車両ドア開閉装置では、フォーク及びポールを作動可能なピニオンギヤ、セクターギヤ、クローズレバー等の作動機構が設けられているとともに、フォークの揺動位置を検出するスイッチも設けられている。また、この車両ドア開閉装置では、クローズレバーを駆動してフォークをフルラッチ位置に揺動させたり、オープンレバーを駆動してフォークをアンラッチ位置に揺動させたりするモータも設けられている。
【0004】
この車両ドア開閉装置では、使用者が開放状態にある車両ドアの閉操作を行うことにより、進入口内に進入したストライカとフォークとが当接する。これにより、フォークは揺動してストライカを係止するフルラッチ位置となり、車両ドアが全閉状態となる。フルラッチ位置のフォークはポールによって固定され、全閉が維持された状態となる。
【0005】
一方、使用者が全閉状態にある車両ドアの開操作を行うことにより、ポールはフォークを開放し、フルラッチ位置にあったフォークが揺動される。これにより、フォークは、ストライカを進入口から開放するアンラッチ位置となり、車両ドアは使用者によって全開状態となり得る。
【0006】
また、この車両ドア開閉装置では、車両ドアがウェザーストリップ等の抵抗力によって半閉状態にあれば、フォークがハーフラッチ位置にあることをスイッチが検出し、車両内に設けられるコントローラに検出信号を伝達する。そして、コントローラは、この検出信号に基づいて、モータの制御を開始し、モータは作動機構を駆動し、フォークをフルラッチ位置に揺動させる。このため、車両ドアが半閉状態から全閉状態となる。フルラッチ位置のフォークはポールによって固定され、全閉が維持された状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−51490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、車両ドア開閉装置に対しては、製造コストの低廉化が求められている。この点、上記従来の車両ドア開閉装置では、特許文献1の図2等に図示されているように、モータが給電されるための給電コネクタを有する。この給電コネクタには、モータ用ワイヤハーネスの一端側のコネクタが差し込まれている。スイッチからはスイッチ用ハーネスが延出されている。このスイッチ用ワイヤハーネスは、モータ用ワイヤハーネスと束ねられている。特許文献1では、車両ドア開閉装置とコントローラとを接続するワイヤハーネスやコネクタの構成が図示されていないので、図10に一般的な構成を模式図として示す。
【0009】
図10に示すように、従来の車両ドア開閉装置において、モータ97の給電コネクタ97Cには、モータ用ワイヤハーネス97Wの一端側のコネクタ97Dが差し込まれている。スイッチ95、96から延出されているスイッチ用ハーネス95W、96Wは、モータ用ワイヤハーネス97Wと束ねられている。モータ用ワイヤハーネス97W及びスイッチ用ワイヤハーネス95W、96Wの他端側には、一般的に1つのコネクタ98Cが設けられる。そして、そのコネクタ98Cがコントローラ9から延びるコントローラ用コネクタ9Cと嵌合することにより、コントローラ9と、モータ97及びスイッチ95、96とを電気的に接続できる。
【0010】
しかしながら、従来の車両ドア開閉装置が図10に示す構成を備える場合、ワイヤハーネス95W、96W、97Wの本数やコネクタ97C、97D、98Cの個数が多くなり易く、また、各ワイヤハーネス95W、96W、97Wが長くなり易い。その結果、従来の車両ドア開閉装置は、組み付け作業の煩雑化や部品点数の増加を招き易くなり、誤組み付けの防止及び製造コストの低廉化が難しい。
【0011】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、誤組み付けの防止及び製造コストの低廉化を実現できる車両ドア開閉装置を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の車両ドア開閉装置は、ストライカが進入する進入口が形成された取付部材と、
前記取付部材に揺動可能に設けられ、前記進入口内において前記ストライカを係止するフルラッチ位置、前記ストライカを前記進入口から開放するアンラッチ位置、又は前記アンラッチ位置と前記フルラッチ位置との間で前記ストライカが前記進入口から出ることを規制するハーフラッチ位置に切り替わるフォークと、
前記フォークの揺動を固定又は開放可能なポールと、
前記フォーク及び前記ポールを作動可能な作動機構と、
前記フォークの前記揺動位置を検出し、車両内に設けられるコントローラに検出信号を伝達するスイッチと、
前記取付部材に設けられ、前記フォークが前記ハーフラッチ位置にあることを前記スイッチが検出することにより、前記作動機構を駆動して前記フォークを前記フルラッチ位置に揺動させるモータとを備える車両ドア開閉装置であって、
前記モータは給電されるための給電コネクタを有し、
前記スイッチからはスイッチ用ハーネスが延出され、
前記給電コネクタには集約コネクタが接続され、
前記集約コネクタは、前記給電コネクタと嵌合する第1嵌合部と、前記コントローラから延びるコントローラ用コネクタと嵌合する第2嵌合部とが一体化されてなる集約コネクタ本体と、
自己の一端が前記第2嵌合部内に位置し、かつ自己の他端が前記第1嵌合部内に位置するように前記集約コネクタ本体に収容され、前記コントローラ用コネクタに前記第2嵌合部が嵌合されるとともに前記給電コネクタに前記第1嵌合部が嵌合されることにより、前記コントローラと前記モータとを電気的に接続するモータ用配線部材と、
自己の一端が前記第2嵌合部内に位置するように前記集約コネクタ本体に収容され、前記コントローラ用コネクタに前記第2嵌合部が嵌合されるとともに自己の他端が前記スイッチ用ハーネスと電気的に接続されることにより、前記コントローラと前記スイッチとを電気的に接続するスイッチ用配線部材とを有していることを特徴とする(請求項1)。
【0013】
本発明の車両ドア開閉装置では、給電コネクタに集約コネクタが接続される。この集約コネクタは、集約コネクタ本体と、モータ用配線部材と、スイッチ用配線部材とを有する。集約コネクタ本体は、給電コネクタと嵌合する第1嵌合部と、コントローラから延びるコントローラ用コネクタと嵌合する第2嵌合部とが一体化されてなる。
【0014】
モータ用配線部材は、自己の一端が第2嵌合部内に位置し、自己の他端が第1嵌合部内に位置するように集約コネクタ本体に収容されている。そして、モータ用配線部材は、コントローラ用コネクタに第2嵌合部が嵌合されるとともに給電コネクタに第1嵌合部が嵌合されることにより、コントローラとモータとを電気的に接続する。
【0015】
スイッチ用配線部材は、自己の一端が第2嵌合部内に位置するように前記集約コネクタ本体に収容されている。そして、スイッチ用配線部材は、コントローラ用コネクタに第2嵌合部が嵌合されるとともに自己の他端がスイッチ用ハーネスと電気的に接続されることにより、コントローラとスイッチとを電気的に接続する。
【0016】
この車両ドア開閉装置は、例えば、図10に示す構成と比較すると、2個のコネクタ97D、98Cを1個の集約コネクタに置き換えて、モータ用ワイヤハーネス97Wを省略できるとともに、スイッチ用ワイヤハーネス95W、96Wを短くできる。すなわち、この車両ドア開閉装置は、上記従来技術と比較して、ワイヤハーネスやコネクタを削減でき、組み付け作業の簡素化や部品点数の削減を実現できる。
【0017】
したがって、本発明の車両ドア開閉装置は、誤組み付けの防止及び製造コストの低廉化を実現できる。
【0018】
本発明の車両ドア開閉装置において、スイッチ用配線部材の他端が接合によりスイッチ用ハーネスと電気的に接続されることが好ましい(請求項2)。この場合、スイッチ用配線部材の他端とスイッチ用ハーネスとを接続するためのコネクタが不要となるので、部品点数の削減を確実に実現できる。接合方法としては、例えば、レーザ溶接、抵抗溶接、はんだ付け、圧着等の一般的な方法を採用できる。
【0019】
本発明の車両ドア開閉装置において、第1嵌合部と第2嵌合部とは互いに反対側を向き、モータ用配線部材は、第2嵌合部内に位置する自己の一端から第1嵌合部内に位置する自己の他端まで略直線状に延びる形状とされていることが好ましい。また、スイッチ用配線部材は、第2嵌合部内に位置する自己の一端からモータ用配線部材と略平行に延びた後、モータ用配線部材から離れる方向に屈曲して、外部に露出する自己の他端まで略直線状に延びる形状とされていることが好ましい(請求項3)。
【0020】
この場合、単純な形状のモータ用配線部材及びスイッチ用配線部材により、集約コネクタを小型化し易くなる。また、第1嵌合部と、第2嵌合部と、スイッチ用配線部材の他端とがそれぞれ異なる方向を向くので、集約コネクタの第1嵌合部を給電コネクタと嵌合させたり、第2嵌合部をコントローラ用コネクタと嵌合させたり、スイッチ用配線部材の他端とスイッチ用ハーネスとを接続したりする組み付け作業を容易に行うことができる。
【0021】
本発明の車両ドア開閉装置において、モータ用配線部材及びスイッチ用配線部材の少なくとも一方は、インサート成形により集約コネクタ本体に一体化されていることが好ましい(請求項4)。この場合、モータ用配線部材及びスイッチ用配線部材の少なくとも一方を集約コネクタに組み付ける作業を省略できるので、組み付け作業の簡素化を確実に実現できる。その結果、この車両ドア開閉装置は、誤組み付けの防止及び製造コストの一層の低廉化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施例の車両ドア開閉装置の斜視図である。
【図2】実施例の車両ドア開閉装置の正面図である。
【図3】実施例の車両ドア開閉装置に係り、図2のIII−III断面を示す要部拡大断面図である。
【図4】実施例の車両ドア開閉装置に係り、(a)〜(c)はクローズレバー及びオープンレバーの動作を説明する説明図である。
【図5】実施例の車両ドア開閉装置に係り、(a)〜(d)は図2のV−V断面を示す要部拡大断面図である。
【図6】実施例の車両ドア開閉装置に係り、集約コネクタの斜視図である。
【図7】実施例の車両ドア開閉装置に係り、集約コネクタの斜視図である。
【図8】実施例の車両ドア開閉装置に係り、モータ用配線部材及びスイッチ用配線部材の斜視図である。
【図9】実施例の車両ドア開閉装置と、コントローラとを接続するワイヤハーネス及びコネクタの構成を説明する模式図である。
【図10】従来の車両ドア開閉装置と、コントローラとを接続するワイヤハーネス及びコネクタの構成を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
【0024】
(実施例)
図1に示すように、実施例の車両ドア開閉装置1は、ワンボックス型の車両のバックドア2に取り付けられる。バックドア2は周知の構成であるので説明を簡略するが、その上端縁が車両の後部に回動可能に支持されている。通常、バックドア2は、下端縁が下方に延在して車両の後部を閉鎖している。そして、バックドア2は、その下端縁が車両の後方かつ上方に向けて揺動することにより、車両の後部を開放する。
【0025】
本実施例では、車両ドア開閉装置1は、バックドア2の下端縁に設けられており、バックドア2が車両の後部を閉鎖する場合に図1に示す姿勢をとる。この図1に示す車両ドア開閉装置1の姿勢を基準とし、図示のように、前後方向、左右方向及び上下方向を規定する。以下、車両ドア開閉装置1の各構成部材について詳しく説明する。
【0026】
図1〜図3に示すように、車両ドア開閉装置1は、折り曲げ加工された金属鋼板からなるベースプレート61と、バックプレート62と、モータ支持部材63とを備える。ベースプレート61、バックプレート62及びモータ支持部材63は、本発明の取付部材の一例である。
【0027】
図1及び図2に示すように、ベースプレート61は、左右方向に延びる一対の取付部61Bと、各取付部61Bの間で下方に凹む凹部61Aとを有している。各取付部61Bは、バックドア2の下端縁に締結されるためのものである。凹部61A内には、後述するフォーク71及びポール72が設けられている。凹部61Aの底部には、前端縁中央から後方に向けて深く溝状に切り欠かれた進入口69が形成されている。バックドア2の閉鎖又は開放に伴って車両ドア開閉装置1が移動する際、進入口69に対して、車体に固定されたストライカ8が相対的に進入又は離脱する。
【0028】
図1及び図3に示すように、バックプレート62は、凹部61Aの内部空間を上方から覆う略板状部材である。バックプレート62の左右の端部は、それぞれ取付部61Bに固定されている。バックプレート62には、その後端縁中央から後方に突出する略矩形切片であるストッパ62Sが設けられている。ストッパ62Sは、後述するオープンレバー81及びクローズレバー82の揺動範囲を規制するためのものである。
【0029】
図1及び図2に示すように、モータ支持部材63は、上下方向及び左右方向に対して略平行な平板形状とされている。図3に示すように、モータ支持部材63の下端縁はベースプレート61の後壁に締結されている。一方、モータ支持部材63の上端縁は、図1及び図2に示すように、ベースプレート61及びバックプレート62に対して上方に離れるように延びている。そして、モータ支持部材63の上方の背面にモータ7が固定されている。
【0030】
モータ7は、モータ本体及び変速ギヤ群が組み付けられてなるユニット部材である。モータ7は、モータ支持部材63の前面の中央から、前方に向けて、変速ギヤ群の最下流側に位置するピニオンギヤ7Pを突出させている。また、モータ7は、その上部に外部のコントローラ9から給電されるための給電コネクタ7Cを有している。図2に示すように、給電コネクタ7Cが集約コネクタ3の第1嵌合部10と嵌合し、コントローラ9から延びるコントローラ用コネクタ9Cが第2嵌合部20と嵌合することにより、コントローラ9とモータ7とがモータ用配線部材31、32を介して電気的に接続される。集約コネクタ3及びモータ用配線部材31、32の具体的構成については、後で図6〜図8を示して詳述する。そして、モータ7は、コントローラ9からの制御指令を受けて回転し、ピニオンギヤ7Pを正転又は逆転させる。
【0031】
図1及び図2に示すように、モータ支持部材63の前面において、ピニオンギヤ7Pの左方にはオープンレバー81が設けられ、ピニオンギヤ7Pの右方にはクローズレバー82が設けられ、ピニオンギヤ7Pの下方にはセクターギヤ83が設けられている。また、オープンレバー81とクローズレバー82とは、双方を接近させる方向に付勢する引きバネ85により連結されている。ピニオンギヤ7P、セクターギヤ83、オープンレバー81、クローズレバー82等が作動機構30である。
【0032】
図4(a)〜(c)に、ピニオンギヤ7P、オープンレバー81、クローズレバー82、セクターギヤ83及びストッパ62Sを抜き出して示す。オープンレバー81、クローズレバー82及びセクターギヤ83が初期位置にある状態を示す図4(b)を基準として、以下の説明を行う。
【0033】
図4(b)に示すように、オープンレバー81は、右方に湾曲しつつ上下方向に延びる細長板状部材である。オープンレバー81の上端部は、ピニオンギヤ7Pの右側に位置して前後方向を向く揺動軸芯84A周りに揺動可能に支持されている。また、オープンレバー81の下端部81Bは、図1及び図2に示す引きバネ85により、左方に揺動するように付勢されている。下端部81Bは、図3に示すように、凹部61A内に延びている。そして、下端部81Bは、通常は、オープンレバー81の中間部がストッパ62Sに当て止まることにより、図4(b)に示す初期位置にある。
【0034】
図4(b)に示すように、クローズレバー82は、左方に湾曲しつつ上下方向に延びる細長板状部材である。クローズレバー82の上端部は、ピニオンギヤ7Pの左側に位置して前後方向を向く揺動軸芯84B周りに揺動可能に支持されている。また、クローズレバー82の下端部82Bは、図1及び図2に示す引きバネ85により、右方に揺動するように付勢されている。下端部82Bは、図3に示すように、凹部61A内に延びている。そして、下端部82Bは、通常は、クローズレバー82の中間部がストッパ62Sに当て止まることにより、図4(b)に示す初期位置にある。
【0035】
図4(b)に示すように、セクターギヤ83は、ピニオンギヤ7P及びストッパ62Sより下方に位置して前後方向を向く揺動軸芯84C周りに揺動可能に支持されて、ピニオンギヤ7Pと噛み合っている。セクターギヤ83の前面において、ストッパ62Sの上方には、前方に円柱状に突出する伝達部83Aが設けられている。伝達部83Aは、通常は、図4(b)に示す初期位置にある。そして、図4(a)に示すように、ピニオンギヤ7Pが正転すると、伝達部83Aがオープンレバー81の中間部を右方に押して、オープンレバー81の下端部81BをストロークS1だけ右方に変位させる。一方、図4(c)に示すように、ピニオンギヤ7Pが逆転すると、伝達部83Aがクローズレバー82の中間部を左方に押して、クローズレバー82の下端部82BをストロークS2だけ左方に変位させる。
【0036】
図1及び図2に示すように、セクターギヤ83の前面において、伝達部83Aの上方には、上方に膨らむ2つの凸部を有する位置検出用変位部材83Bが設けられている。また、モータ支持部材63の前面において、オープンレバー81及びセクターギヤ83の右方には、マイクロスイッチ6が固定されている。マイクロスイッチ6は、セクターギヤ83の揺動に伴って、位置検出用変位部材83Bに対して当接又は離反する。これにより、マイクロスイッチ6は、セクターギヤ83が図4(b)の初期位置にある場合には通電状態となり、セクターギヤ83の位置を検出する。
【0037】
図1に示すように、マイクロスイッチ6からは、スイッチ用ハーネス6Wが上方の集約コネクタ3に向けて延出されている。スイッチ用ハーネス6W内には、図示しない2本のリード線が収容されている。スイッチ用ハーネス6Wに収容された各リード線の下端は、マイクロスイッチ6の接続端子に接合されている。また、図1、図6及び図7に示すように、スイッチ用ハーネス6Wの各リード線の上端は、集約コネクタ3のスイッチ用配線部材35、36の他端35B、36Bに接合されている。集約コネクタ3のスイッチ用配線部材35、36の具体的構成については、後で図6〜図8を示して詳述する。そして、図1に示すように、コントローラ9から延びるコントローラ用コネクタ9Cが第2嵌合部20と嵌合することにより、コントローラ9とマイクロスイッチ6とがスイッチ用配線部材35、36を介して電気的に接続される。これにより、マイクロスイッチ6は、セクターギヤ83の位置に対応する検出信号をコントローラ9に伝達することができる。
【0038】
図5(a)に示すように、凹部61A内には、フォーク71とポール72とが設けられている。また、図3に示すように、凹部61A内においてフォーク71の上方には、ロータリースイッチ5が設けられている。
【0039】
図5(a)に示すように、凹部61Aにおいて進入口69の左側には、揺動軸74Aが上向きに立設されている。そして、フォーク71は、その揺動軸74Aに揺動可能に支持されている。また、フォーク71は、図示しないコイルバネにより、揺動軸74A周りに反時計方向に揺動するように付勢されている。なお、本実施例における時計方向及び反時計方向は、図5の紙面に対向した状態を基準とする。
【0040】
フォーク71の進入口69側に位置する部位は、後側凸部71Aと前側凸部71Bとに分岐している。そして、後側凸部71Aと前側凸部71Bとの間に形成された凹部71Cには、進入口69内に進入したストライカ8が収まるようになっている。
【0041】
後側凸部71Aのポール72に対面する先端側には、後述するポール72のストッパ部72Aと当接可能なラッチ面79Aが形成されている。フォーク71の外周縁には、後側凸部71Aの先端から時計方向に離れた位置で段状に突出して、ストッパ部72Aと当接可能なハーフラッチ面79Bが形成されている。
【0042】
図5(a)は、ラッチ面79Aがストッパ部72Aと当接することにより、フォーク71が進入口69の底部においてストライカ8を係止するフルラッチ位置にある状態を示している。図5(b)及び(c)は、ラッチ面79Aがストッパ部72Aから離反して、フォーク71が進入口69からストライカ8を開放するアンラッチ位置にある状態を示している。図5(d)は、ハーフラッチ面79Bがストッパ部72Aと当接することにより、フォーク71が進入口69の途中で、ストライカ8が進入口69から出ることを規制するハーフラッチ位置にある状態を示している。
【0043】
図5(a)に示すように、フォーク71の外周縁には、ハーフラッチ面79Bから時計方向に離れた位置で略L字状に突出して、その先端が後方に延びる係合部79Cが形成されている。係合部79Cは、上述したクローズレバー82の下端部82Bが左方に変位する際、図5(d)に示すように、下端部82Bと係合可能とされている。
【0044】
図3に示すように、ロータリースイッチ5は、バックプレート62の凹部61A側の面に固定されている。ロータリースイッチ5は周知の構成であるので説明を簡略するが、フォーク71とともに揺動軸74A周りに揺動可能とされたロータ(図示せず)と、ロータと一体回転する回転端子(図示せず)と、回転端子(図示せず)と断接可能とされた3本の固定端子5L、5M、5Nとを有する。本実施例では、フォーク71がフルラッチ位置にある場合、固定端子5L、5M、5Nが回転端子を介して通電状態となる。また、フォーク71がハーフラッチ位置にある場合、固定端子5L、5Mが回転端子を介して通電状態となる一方、固定端子5L、5Nは不通電状態となる。さらに、フォーク71がアンラッチ位置にある場合、固定端子5L、5M、5Nは不通電状態となる。こうして、ロータリースイッチ5は、フォーク71の3つの位置を検出できる。
【0045】
なお、本実施例では、フォーク71の揺動に伴う固定端子5L、5M、5Nの通電又は不通電の切り替えの単純な例を紹介しているが、この構成に限定されるものではない。例えば、フォーク71の揺動に伴って、固定端子5L、5M、5Nが複数回にわたって通電又は不通電に切り替わる構成もあり得る。
【0046】
図1に示すように、ロータリースイッチ5からは、スイッチ用ハーネス5Wが上方の集約コネクタ3に向けて延出されている。スイッチ用ハーネス5W内には、図示しない2本のリード線が収容されている。スイッチ用ハーネス5Wに収容された各リード線の下端は、ロータリースイッチ5の固定端子5M、5Nに接合されている。なお、固定端子5Lはアースに接続される。また、図6及び図7に示すように、スイッチ用ハーネス5Wの各リード線の上端は、集約コネクタ3のスイッチ用配線部材33、34の他端33B、34Bに接合されている。集約コネクタ3のスイッチ用配線部材33、34の具体的構成については、後で図6〜図8を示して詳述する。そして、図1に示すように、コントローラ9から延びるコントローラ用コネクタ9Cが第2嵌合部20と嵌合することにより、コントローラ9とロータリースイッチ5とが電気的に接続される。これにより、ロータリースイッチ5は、フォーク71のフルラッチ位置、ハーフラッチ位置及びアンラッチ位置に対応する検出信号をコントローラ9に伝達することができる。
【0047】
ロータリースイッチ5及びマイクロスイッチ6は、本発明のスイッチの一例である。
【0048】
図5(a)に示すように、凹部61Aにおいて進入口69の右側には、揺動軸74Bが上向きに立設されている。そして、ポール72は、その揺動軸74Bに揺動可能に支持されている。また、ポール72は、図示しないコイルバネにより、揺動軸74B周りに時計方向に揺動するように付勢されている。
【0049】
ポール72の進入口69側に位置する部位は、フォーク71の後側凸部71Aに向けて突出するように形成され、その先端側がストッパ部72Aとされている。ストッパ部72Aは、フォーク71が進入口69の底部でストライカ8を係止した状態において、後側凸部71Aのラッチ面79Aに当接することにより、フルラッチ位置にあるフォーク71を反時計方向に揺動させないように固定する。また、ストッパ部72Aは、図5(d)に示すように、フォーク71が進入口69の途中でストライカ8を係止した状態において、後側凸部71Aのハーフラッチ面79Bに当接することにより、ハーフラッチ位置にあるフォーク71を反時計方向に揺動させないように固定する。
【0050】
図5(a)に示すように、ポール72の揺動軸74Bより後方に位置する部位は、ストッパ部72Aと分岐しつつ後方に向けて突出するように形成され、その先端側が被当接部72Bとされている。
【0051】
この車両ドア開閉装置1では、使用者が例えばバックドア2のドアノブ(図示せず)を保持して、バックドア2を開放する操作を行うと、その情報がコントローラ9に伝達される。そうすると、コントローラ9は、ロータリースイッチ5及びマイクロスイッチ6の検出信号をワイヤハーネス5W、6W、集約コネクタ3及びコントローラ用コネクタ9Cを介して取得して、フォーク71の位置及び扇形ギヤ84の位置を参照しながら、車両ドア開閉装置1にバックドア2を開放する動作を行わせるための制御指令を出す。
【0052】
具体的には、コントローラ9の制御信号がコントローラ用コネクタ9C、集約コネクタ3及び給電コネクタ7Cを介してモータ7に伝達され、図4(a)に示すように、モータ7が回転して、ピニオンギヤ7Pを正転させる。そうすると、上述したように、オープンレバー81の下端部81BがストロークS1だけ右方に変位する。このため、図5(b)に示すように、ポール72の被当接部72Bも下端部81Bに押されて右側に変位する。そうすると、ポール72は、コイルバネの付勢力に抗しつつ、揺動軸74B周りに反時計方向に揺動する。この際、ストッパ部72Aがフォーク71のラッチ面79Aから離反するので、ポール72がフォーク71を開放する。このため、フォーク71がコイルバネの付勢力により揺動軸74A周りに反時計方向に揺動して、ストライカ8を進入口69から離脱する方向に変位させる。その結果、フォーク71は、ストライカ8を進入口69から開放するアンラッチ位置に切り替わる。この状態では、使用者がバックドア2を引き上げることにより、バックドア2は全開状態となり得る。
【0053】
その後、コントローラ9は、ロータリースイッチ5及びマイクロスイッチ6の検出信号に基づいて、フォーク71がアンラッチ位置まで揺動したと判断すると、ピニオンギヤ7Pを逆転させて、図4(b)に示すように、オープンレバー81を初期位置に復帰させる。そうすると、図5(c)に示すように、ポール72が元の位置に復帰する。
【0054】
一方、使用者が開放状態のバックドア2を閉鎖する操作を行うと、図5(c)に示す状態からストライカ8が進入口69内に進入する。そして、図5(d)に示すように、ストライカ8は、フォーク71を揺動軸74A周りに時計方向に揺動させるように押して、進入口69の途中まで進入する。この際、ポール72は、フォーク71の外周縁に当接して、一端、揺動軸74B周りに反時計方向に揺動した後、元の位置に復帰する。これにより、ストッパ部12Aがハーフラッチ面79Bに当接して、フォーク71がハーフラッチ位置で固定される。
【0055】
そうすると、コントローラ9は、ロータリースイッチ5及びマイクロスイッチ6の検出信号に基づいて、フォーク71がハーフラッチ位置にあると判断して、車両ドア開閉装置1にバックドア2を完全に閉鎖する動作を行わせるための制御指令を出す。
【0056】
具体的には、コントローラ9の制御信号がモータ7に伝達され、図4(c)に示すように、モータ7が回転して、ピニオンギヤ7Pを逆転させる。そうすると、上述したように、クローズレバー82の下端部82BがストロークS2だけ左方に変位する。このため、図5(d)に二点鎖線で示すように、係合部79Cも下端部82Bに押されて左側に変位する。そうすると、フォーク71は、コイルバネの付勢力に抗しつつ、揺動軸74A周りに時計方向に揺動する。この際、ポール72は、フォーク71の外周縁に当接して、一端、揺動軸74B周りに反時計方向に揺動した後、元の位置に復帰する。これにより、ストッパ部12Aがラッチ面79Aに当接して、フォーク71がフルラッチ位置で固定される。その結果、フォーク71と係合するストライカ8が進入口69の底部まで引き込まれるので、バックドア2は半閉状態から全閉状態となる。
【0057】
その後、コントローラ9は、ロータリースイッチ5及びマイクロスイッチ6の検出信号に基づいて、フォーク71がフルラッチ位置まで揺動したと判断すると、ピニオンギヤ7Pを正転させて、図4(b)及び図5(a)に示すように、クローズレバー82を初期位置に復帰させる。
【0058】
こうして、この車両ドア開閉装置1は、使用者によるバックドア2を閉鎖する操作をアシストできる。
【0059】
次に、集約コネクタ3の具体的構成について詳しく説明する。なお、図1に示す車両ドア開閉装置1に装着された集約コネクタ3の姿勢を基準として以下の説明を行う。
【0060】
図6〜図8に示すように、集約コネクタ3は、集約コネクタ本体3Aと、金属薄板の打ち抜き加工により製造されるモータ用配線部材31、32及びスイッチ用配線部材33、34、35、36とを有する。集約コネクタ本体3Aは、第1嵌合部10と第2嵌合部20とが熱可塑性樹脂の射出成形により一体化されてなる。
【0061】
図7に示すように、第1嵌合部10は、外筒部10Aと、角柱部10Bとからなる。外筒部10Aは、略角筒形状をなして右方に延びて、その右端側が開放されている。外筒部10Aの上面には、給電コネクタ7Cと係合するための係合爪10Cが形成されている。
【0062】
角柱部10Bは、外筒部10Aの内側で略角柱状に右方に延びている。角柱部10Bの外壁面と外筒部10Aの内筒面との間には隙間が形成されている。この隙間に給電コネクタ7Cが挿入されることにより、給電コネクタ7Cと第1嵌合部10とが嵌合する。角柱部10Bの中央には、一対の挿入穴11、12が左右方向に貫設されている。各挿入穴11、12は、第2嵌合部20まで延びている。
【0063】
図6に示すように、第2嵌合部20は、第1嵌合部10に対して反対側を向くように背中合わせに接続されている。第2嵌合部20は、角柱部10Bより大きな略角筒形状をなして左方に延びて、その左端側が開放されている。第2嵌合部20の内筒面側にコントローラ用コネクタ9Cが挿入されることにより、コントローラ用コネクタ9Cと第2嵌合部20とが嵌合する。
【0064】
図8に示すように、モータ用配線部材31、32は、左右方向に直線的に細長く延びる形状とされている。図6に示すように、モータ用配線部材31、32の左方を向く一端31A、32Aは、矩形平板形状をなして第2嵌合部20内に突出している。その一方、図7及び図8に示すように、モータ用配線部材31、32の右方を向く他端31B、32Bは、断面略C字形状をなして第1嵌合部10の挿入穴11、12内に延在し、角柱部10Bの右方を向く端面から露出している。モータ用配線部材31、32の中間部は、集約コネクタ本体3Aに収容されている。
【0065】
本実施例では、モータ用配線部材31、32は、一端31A、32Aを挿入穴11、12に挿入して第2嵌合部20の内部まで押し込むことにより、第1嵌合部10及び第2嵌合部20に組み付けられる。そして、コントローラ用コネクタ9Cに第2嵌合部20が嵌合することにより、コントローラ用コネクタ9Cの接続端子(図示せず)と一端31A、32Aとが嵌合する。また、給電コネクタ7Cに第1嵌合部10が嵌合することにより、給電コネクタ7Cの接続端子(図示せず)と他端31B、32Bとが嵌合する。その結果、モータ用配線部材31、32は、コントローラ9とモータ7とを電気的に接続することができる。
【0066】
図8に示すように、スイッチ用配線部材33、34は、モータ用配線部材31、32に対して後方に位置する。スイッチ用配線部材33、34は、自己の一端33A、34Aからモータ用配線部材31、32と略平行に右方に延びた後、モータ用配線部材31、32から離れるように後方に直角に屈曲して、自己の他端33B、34Bまで略直線状に延びるL字形状とされている。スイッチ用配線部材33は、スイッチ用配線部材34に対して間隔を有して上方に位置している。
【0067】
スイッチ用配線部材35、36は、モータ用配線部材31、32に対して前方に位置する。スイッチ用配線部材35、36は、自己の一端35A、36Aからモータ用配線部材31、32と略平行に右方に延びた後、モータ用配線部材31、32から離れるように前方に直角に屈曲して、自己の他端35B、36Bまで略直線状に延びるL字形状とされている。スイッチ用配線部材35は、スイッチ用配線部材36に対して間隔を有して上方に位置している。
【0068】
図6に示すように、スイッチ用配線部材33、34、35、36の左方を向く一端33A、34A、35A、36Aは、矩形平板形状をなして第2嵌合部20内に突出している。その一方、図6〜図8に示すように、スイッチ用配線部材33、34、35、36の前方又は後方を向く他端33B、34B、35B、36Bは、矩形平板形状をなして、第1嵌合部10と第2嵌合部20との接続部分の近傍から外部に突出して剥き出し状態となっている。スイッチ用配線部材33、34、35、36の中間部は、集約コネクタ本体3Aに収容されている。
【0069】
本実施例では、スイッチ用配線部材33、34、35、36は、周知のインサート成形により集約コネクタ本体3Aに一体化される。そして、他端33B、34B、35B、36Bはスイッチ用ハーネス5W、6Wの各リード線と接合される。本実施例では、接合は、レーザ溶接、抵抗溶接、はんだ付け、圧着等の一般的な方法を採用できる。また、コントローラ用コネクタ9Cに第2嵌合部20が嵌合することにより、コントローラ用コネクタ9Cの接続端子(図示せず)と一端33A、34A、35A、36Aとが嵌合する。その結果、スイッチ用配線部材33、34、35、36は、コントローラ9と、ロータリースイッチ5及びマイクロスイッチ6とを電気的に接続することができる。
【0070】
図9に、コントローラ9と、モータ7、ロータリースイッチ5及びマイクロスイッチ6との電気的な接続構成を模式図として示す。
【0071】
ここで、図9に示す本実施例の構成と、図10に示す従来技術の構成と比較すると、実施例の車両ドア開閉装置1は、2個のコネクタ97D、98Cを1個の集約コネクタ3に置き換えて、モータ用ワイヤハーネス97Wを省略できるとともに、スイッチ用ワイヤハーネス5W、6Wを短くできる。このため、この車両ドア開閉装置1は、組み付け作業の簡素化や部品点数の削減を実現できる。
【0072】
したがって、実施例の車両ドア開閉装置1は、誤組み付けの防止及び製造コストの低廉化を実現できる。
【0073】
また、この車両ドア開閉装置1において、スイッチ用配線部材33、34、35、36の他端33B、34B、35B、36Bが接合によりスイッチ用ハーネス5W、6Wと電気的に接続される。これにより、スイッチ用配線部材33、34、35、36の他端33B、34B、35B、36Bとスイッチ用ハーネス5W、6Wとを接続するためのコネクタが不要となるので、部品点数の削減を確実に実現できる。
【0074】
さらに、この車両ドア開閉装置1では、上述した単純な形状のモータ用配線部材31、32及びスイッチ用配線部材33、34、35、36を採用することにより、集約コネクタ3を小型化し易くなる。また、第1嵌合部10と、第2嵌合部20と、スイッチ用配線部材33、34、35、36の他端33B、34B、35B、36Bとがそれぞれ異なる方向を向くので、集約コネクタ3の第1嵌合部10を給電コネクタ7Cと嵌合させたり、第2嵌合部20をコントローラ用コネクタ9Cと嵌合させたり、スイッチ用配線部材33、34、35、36の他端33B、34B、35B、36Bとスイッチ用ハーネス5W、6Wとを接続したりする組み付け作業を容易に行うことができる。
【0075】
また、この車両ドア開閉装置1において、スイッチ用配線部材33、34、35、36は、インサート成形により集約コネクタ本体3Aに一体化されている。このため、集約コネクタ3にスイッチ用配線部材33、34、35、36を組み付ける作業を省略できるので、組み付け作業の簡素化を確実に実現できる。その結果、この車両ドア開閉装置1は、製造コストの一層の低廉化を実現できる。
【0076】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0077】
例えば、本発明の車両ドア開閉装置は、サイドドア、ボンネットフード、トランクフード等に適用され得る。また、本発明の車両ドア開閉装置が車両に設けられ、ストライカが車両ドアに設けられる構成であってもよい。
【0078】
また、例えば、スイッチ用配線部材33、34、35、36の他端33B、34B、35B、36Bが外部に露出せず、集約コネクタ本体3Aに収容されていてもよい。このような構成は、例えば、スイッチ用配線部材33、34、35、36の他端33B、34B、35B、36Bと、スイッチ用ハーネス5W、6Wの各リード線とを接触させた状態で、集約コネクタ本体3Aにスイッチ用配線部材33、34、35、36をインサート成形して、他端33B、34B、35B、36Bを樹脂で覆うことにより実現できる
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は乗用車等の車両に利用可能である。
【符号の説明】
【0080】
1…車両ドア開閉装置
2…車両ドア(バックドア)
8…ストライカ
69…進入口
61、62、63…取付部材(61…ベースプレート、62…バックプレート、63…モータ支持部材)
71…フォーク
9…コントローラ
72…ポール
30…作動機構
5、6…スイッチ(5…ロータリースイッチ、6…マイクロスイッチ)
7…モータ
7C…給電コネクタ
5W、6W…スイッチ用ハーネス
3…集約コネクタ
3A…集約コネクタ本体
10…第1嵌合部
9C…コントローラ用コネクタ
20…第2嵌合部
31、32…モータ用配線部材
31A、32A…モータ用配線部材の一端
31B、32B…モータ用配線部材の他端
33、34、35、36…スイッチ用配線部材
33A、34A、35A、36A…スイッチ用配線部材の一端
33B、34B、35B、36B…スイッチ用配線部材の他端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストライカが進入する進入口が形成された取付部材と、
前記取付部材に揺動可能に設けられ、前記進入口内において前記ストライカを係止するフルラッチ位置、前記ストライカを前記進入口から開放するアンラッチ位置、又は前記アンラッチ位置と前記フルラッチ位置との間で前記ストライカが前記進入口から出ることを規制するハーフラッチ位置に切り替わるフォークと、
前記フォークの揺動を固定又は開放可能なポールと、
前記フォーク及び前記ポールを作動可能な作動機構と、
前記フォークの前記揺動位置を検出し、車両内に設けられるコントローラに検出信号を伝達するスイッチと、
前記取付部材に設けられ、前記フォークが前記ハーフラッチ位置にあることを前記スイッチが検出することにより、前記作動機構を駆動して前記フォークを前記フルラッチ位置に揺動させるモータとを備える車両ドア開閉装置であって、
前記モータは給電されるための給電コネクタを有し、
前記スイッチからはスイッチ用ハーネスが延出され、
前記給電コネクタには集約コネクタが接続され、
前記集約コネクタは、前記給電コネクタと嵌合する第1嵌合部と、前記コントローラから延びるコントローラ用コネクタと嵌合する第2嵌合部とが一体化されてなる集約コネクタ本体と、
自己の一端が前記第2嵌合部内に位置し、かつ自己の他端が前記第1嵌合部内に位置するように前記集約コネクタ本体に収容され、前記コントローラ用コネクタに前記第2嵌合部が嵌合されるとともに前記給電コネクタに前記第1嵌合部が嵌合されることにより、前記コントローラと前記モータとを電気的に接続するモータ用配線部材と、
自己の一端が前記第2嵌合部内に位置するように前記集約コネクタ本体に収容され、前記コントローラ用コネクタに前記第2嵌合部が嵌合されるとともに自己の他端が前記スイッチ用ハーネスと電気的に接続されることにより、前記コントローラと前記スイッチとを電気的に接続するスイッチ用配線部材とを有していることを特徴とする車両ドア開閉装置。
【請求項2】
前記スイッチ用配線部材の他端が接合により前記スイッチ用ハーネスと電気的に接続される請求項1記載の車両ドア開閉装置。
【請求項3】
前記第1嵌合部と前記第2嵌合部とは互いに反対側を向き、
前記モータ用配線部材は、前記第2嵌合部内に位置する自己の一端から前記第1嵌合部内に位置する自己の他端まで略直線状に延びる形状とされ、
前記スイッチ用配線部材は、前記第2嵌合部内に位置する自己の一端から前記モータ用配線部材と略平行に延びた後、前記モータ用配線部材から離れる方向に屈曲して、外部に露出する自己の他端まで略直線状に延びる形状とされている請求項1又は2記載の車両ドア開閉装置。
【請求項4】
前記モータ用配線部材及び前記スイッチ用配線部材の少なくとも一方は、インサート成形により前記集約コネクタ本体に一体化されている請求項1乃至3のいずれか1項記載の車両ドア開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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