車両バックミラー要素及びこれらの要素を組み込んだ組立体
本発明は、改良形電気光学バックミラー要素及び該要素を組み込んだ組立体に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第35条119(e)に基づいて、2004年9月29日出願の米国特許仮出願第60/614,150号、2004年8月27日出願の米国特許仮出願第60/605,111号、及び2004年2月27日出願の米国特許仮出願第60/548,472号に対する優先権を主張し、これらの開示内容体は、引用により全体が本明細書に組み込まれる。本出願は、2003年5月6日出願の米国特許出願第10/430,885号の一部継続出願であると共に、2002年9月30日出願の米国特許出願第10/260,741号の一部継続出願であり、これらの開示内容は、引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
電気光学バックミラー要素は、車両用途において車両内部と外部の両方、運転席側及び助手席側の両方のバックミラーに関してますます一般的なものとなりつつある。典型的な電気光学要素は、車両バックミラー組立体に組み込まれたときに、要素自体の周辺部によって定められる区域よりも狭い有効視野(関連する法律、法体系、及び規格によって定められる)を有することになる。主として、有効視野は、少なくとも部分的には要素自体の構造及び/又は関連するベゼルによって制限される。
【0003】
周辺部によって定められる区域に実質的に等しい有効視野を有する電気光学ミラー要素をもたらす様々な試みがこれまでなされている。また、これらの要素を組み込む組立体が提案されてきている。
【0004】
【特許文献1】米国特許仮出願第60/614,150号公報
【特許文献2】米国特許仮出願第60/605,111号公報
【特許文献3】米国特許仮出願第60/548,472号公報
【特許文献4】米国特許出願公開第2004−0032638号公報
【特許文献5】米国特許第7,064,882号公報
【特許文献6】米国特許第4,094,058号公報
【特許文献7】米国特許第6,111,684号公報
【特許文献8】米国特許第6,166,848号公報
【特許文献9】米国特許第6,356,376号公報
【特許文献10】米国特許第6,441,943号公報
【特許文献11】米国特許第6,700,692号公報
【特許文献12】米国特許第5,825,527号公報
【特許文献13】米国特許第6,111,683号公報
【特許文献14】米国特許第6,193,378号公報
【特許文献15】米国特許第6,111,684号公報
【特許文献16】米国特許第4,377,613号公報
【特許文献17】米国特許第4,419,386号公報
【特許文献18】米国特許第4,308,316号公報
【特許文献19】米国特許第4,440,822号公報
【特許文献20】米国特許第6,447,123号公報
【特許文献21】米国特許第6,344,157号公報
【特許文献22】米国特許第6,583,201号公報
【特許文献23】米国特許第5,818,625号公報
【特許文献24】米国特許第6,700,692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
必要とされるものは、改良形電気光学ミラー要素である。これらの改良形電気光学ミラー要素を組み込んだ組立体の改良も必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、改良形電気光学ミラー要素を提供する。関連する実施形態は、要素の周辺部によって定められた区域に付随した視野に実質的に等しい有効視野を有する。
【0007】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、電気光学ミラー要素を組み込んだ改良形組立体を提供する。関連実施形態は、最も外側の周辺部によって定められた要素自体の区域に実質的に等しい有効視野を有する。
【0008】
本発明の他の利点は、各図及び添付の請求項に照らして本発明の詳細な説明を読むと明
らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
最初に図1を参照すると、運転者側外部バックミラー110a、助手席側外部バックミラー110b及び内部バックミラー115を有する制御車両105が示されている。これら及び他の特徴の詳細を本明細書で説明する。制御車両は、単位倍率の内部バックミラーを含むのが好ましい。本明細書で使用される単位倍率ミラーとは、一般製造公差を超えない欠陥を除き、同じ距離で直接見たときに対象物の像の高低角及び幅が対象物の高低角及び幅に等しくなる反射面を有する平面又は平坦なミラーを意味する。少なくとも1つの関連する位置で単位倍率を与えるプリズム昼夜調整式バックミラーは、本明細書では単位倍率ミラーと考えられる。該ミラーでは、少なくとも20度の投影視点から測定された水平夾角と、制御車両が運転者と4人の同乗者又はこれより少ない場合に平均乗員重量68kgに基づく指定定員により占有されたときに、制御車両の後部に対し61mを上回らない地点から水平線に延びる平坦な路面が見える十分な垂直方向の角度とを有する視野が得られるのが好ましい。視線は、着座した乗員又はヘッドレストによって部分的に隠れる場合があることを理解されたい。運転者の目の基準点の位置は、規定又はあらゆる95番目のパーセンタイルの男性運転者にも適切な公称位置に従うものであるのが好ましい。制御車両は、単位倍率の少なくとも1つの外部ミラーを含むのが好ましい。外部ミラーにより、制御車両の運転者は、最も広い地点で制御車両の運転者側に接する縦方向平面に垂直な線から水平に延びる、すなわち最も後方の座席位置で運転者の目の10.7m後方にある接線面から2.4m外方に延びる平坦な路面が見えるのが好ましい。視線は、制御車両の後部車体又はフェンダー外形によって部分的に隠れる場合があることを理解されたい。運転者の目の基準点の位置は、規定又はあらゆる95番目のパーセンタイルの男性運転者にも適切な公称位置に従うものであるのが好ましい。助手席側ミラーは、対応するフロントガラスのワイパ非拭き取り部分によって隠されないことが好ましく、また、運転者の着座位置から水平方向及び垂直方向の両方に傾くことによって調整可能であるのが好ましい。少なくとも1つの実施形態においては、制御車両は、助手席側に取り付けられた凸面鏡を含む。凸面鏡は、水平方向及び垂直方向の両方に傾くことによって調整されるように構成されるのが好ましい。各外部ミラーは、少なくとも126cmの反射面を含み、且つ運転者が制御車両の関連する側に沿って後方まで見えるように位置するのが好ましい。全てのミラーの平均反射率は、SAE推奨基準J964、OCT84に従って決定されたときに、少なくとも35%(多くの欧州諸国では40%)であるのが好ましい。本発明による電気光学ミラー要素に関するようなミラー要素が、複数の反射率レベルが可能である実施形態において、日中モードの最小反射率レベルは、少なくとも35%(欧州での使用では40%)とし、夜間モードでの最小反射率レベルは、少なくとも4%とする。
【0010】
更に図1を参照すると、制御車両105は、ヘッドランプ組立体120a、120b、スモールライト130a、130b、前部ターンシグナルインジケータ135a、135b、テールランプ組立体125a、125b、後部ターンシグナルインジケータ126a、126b、後部ハザードランプ127a、127b、バックライト140a、140b、中央ハイマウントストップランプ(CHMSL)145などの様々な外部ライトを含むことができる。
【0011】
本明細書で詳細に説明するように、制御車両は、他の車両機器との共有機能をもたらす様々な構成部品を組み込む少なくとも1つの制御システムを含むことができる。本明細書で説明する1つの制御システムの実施例では、少なくとも1つのバックミラー要素の反射率の自動制御及び少なくとも1つの外部ライトの自動制御に付随する様々な構成部品が組み込まれる。このようなシステムは、バックミラー、Aピラー、Bピラー、Cピラー、CHMSL内、又は制御車両内の他の場所又は制御車両上に少なくとも1つのイメージセンサーを含むことができる。取得された画像又はその一部は車両機器自動制御に用いることができる。代替的に又はこれに加えて、画像又はその一部は、1つ又はそれ以上のディスプレイ上に表示することができる。少なくとも1つのディスプレイは、半透過性又は少なくとも部分的に透過性の電気光学要素の後部に隠れて位置付けることができる。少なくとも1つのミラー要素駆動信号及び少なくとも1つの他の機器制御信号を生成するように共通のコントローラを構成することができる。
【0012】
ここで図2a及び図2bを参照すると、外部バックミラー組立体210a、210bの種々の構成要素が示されている。本明細書で詳細に説明するように、電気光学ミラー要素は、チャンバを間に形成するために1次シール230を介して第2の基板225と離間した関係で固定された第1の基板220a、220bを含むことができる。1次シールの少なくとも一部は、少なくとも1つのチャンバ充填ポート235を形成するために空隙にされる。電気光学媒体がチャンバに封入され、充填ポートは、プラグ材料240を介して密封される。プラグ材料は、紫外線硬化性エポキシ又はアクリル材であるのが好ましい。また、要素周辺の近傍に位置するスペクトルフィルタ材料245a、245bが図示されている。電気クリップ250、255は、それぞれ、第1の接着材料251、252を介して要素に固定されるのが好ましい。電気光学ミラー要素は、第2の接着材料265を介してキャリアプレート260に固定される。外部バックミラーから制御車両の他の構成要素への電気接続は、コネクタ270を介して行われるのが好ましい。キャリアは、位置決め器280を介して関連するハウジングマウント276に取り付けられる。ハウジングマウントは、ハウジング275a、275bと係合されて少なくとも1つの留め具276aを介して固定されるのが好ましい。ハウジングマウントは、旋回マウント277a、277bと係合するように構成された旋回部分を含むのが好ましい。旋回マウントは、少なくとも1つの留め具278aを介して車両マウント278と係合するように構成されるのが好ましい。これらの構成要素、追加の構成要素、これらの相互接続部及び動作の追加の詳細が本明細書で呈示される。
【0013】
更に図2aを参照すると、外部バックミラー組立体210aは、スペクトルフィルタ材料245aが観察者と1次シール材料(図示せず)との間に位置付けられて第1の基板220aのビューが示されるように配向される。死角インジケータ285、鍵穴照明器290、足元照明灯、ターンシグナル294、光センサー296、その副組合せ、又はその組合せは、観察者に対して要素の後部に位置決めされるようにバックミラー組立体内に組み込むことができる。素子285、290、292、294、296は、引用により本明細書に組み込まれる様々な参照文献で詳細に説明されているように、少なくとも部分的に隠されるようにミラー要素と組合せて構成されるのが好ましい。これらの構成要素、追加の構成要素、その相互接続部及び動作の詳細を本明細書で更に呈示する。
【0014】
ここで図3を参照すると、スペクトルフィルタ材料345が観察者と1次シール材料(図示せず)との間に位置決めされ、第1の基板320に向いて見たときの内部バックミラー組立体310が示されている。ミラー要素は、可動ハウジング375内に位置決めされ、且つ取り付け構造体381上の固定ハウジング377と組み合わされているように示されている。第1のインジケータ336、第2のインジケータ387、オペレータインタフェース391、及び第1の光センサー396は、可動ハウジングの顎部分に位置決めされている。第1の情報ディスプレイ388、第2の情報ディスプレイ389、及び第2の光センサー387は、観察者に対して要素の後部にあるように組み込まれている。外部バックミラー組立体に関して説明したように、素子388、389、397を少なくとも部分的に隠すようにするのが好ましい。例えば、関連するミラー要素の第3又は第4の表面コーティング内に「窓」を形成し、白金族金属(PGM)(すなわち、イリジウム、オスミウム、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム)の層を第3の表面上にだけ提供するように構成することができる。その結果、関連する「隠された」光センサーの「グレア」に衝突する光線は、最初に、第1の表面のスタック(存在する場合)、第1の基板、第2の表面スタック、電気光学媒体、白金族金属、最後に、第2の基板を通過することになる。白金族金属は、第3の表面の導電電極に連続性を与えることにより、窓に付随する電気光学媒体の着色の変動を低減するように機能する。
【0015】
ここで図4aから図4e及び図5を参照し、本発明の付加的な特徴を説明する。図4aは、スペクトルフィルタ材料496aが観察者と1次シール材料478aとの間に位置決めされ、第1の基板402aから見たバックミラー要素400aを示している。第1の分離区域440aは、第1の導電部分を第2の導電部分430aから実質的に絶縁するために設けられる。周囲材料460aが、要素の縁部に適用される。図4bは、1次シール材料478bが観察者とスペクトルフィルタ材料496bとの間に位置決めされ、第2の基板412bから見たバックミラー要素400bを示す。第2の分離区域486bは、第3の導電部分418bを第4の導電部分487bから実質的に絶縁するために設けられている。周囲材料460bが要素の縁部に適用されている。図4cは、図4a又は図4bの要素の断面線図4c−図4cから見たバックミラー要素400cを示す。第1の基板402cは、第2の基板412cと1次シール材料478cを介して離間した関係で固定されるように示されている。スペクトルフィルタ材料496cは、観察者と1次シール材料478cとの間に位置決めされる。第1及び第2の電気クリップ463c、484cは、それぞれ、要素との電気接続を容易にするために設けられる。周囲材料460cが、要素の縁部に適用される。1次シール材料は、シルクスクリーニング又は分配などによってLCD業界で一般的に使用される手段により適用できることを理解されたい。Yasutake他に付与された米国特許第4,094,058号においては、適用可能な方法が説明されており、この開示事項は引用により全体が本明細書に組み込まれる。これらの手法を用いて、1次シール材料を形状に合わせて個々に切断された基板に適用することができ、又は、大型基板上の複数の1次シール形状として適用することができる。次いで、複数の1次シールが適用された大型基板を別の大型基板に積層して、1次シール材料を少なくとも部分的に硬化させた後に個々のミラー形状を積層体から切り出すことができる。この多重処理技術は、LCDを製造するのに一般的に使用されている方法であり、アレイプロセスと呼ぶこともある。電気光学素子は、同様のプロセスを用いて作ることができる。透明導体、反射体、スペクトルフィルタ及びソリッドステートの電気光学素子の場合における1つ又は複数の電気光学層といった全てのコーティングを大型基板に施工し、必要であればパターン化することができる。コーティングは、マスクを介してコーティングを施工すること、コーティングの下にパターン化された可溶性層を選択的に施工してコーティング施工後に可溶性層とその上のコーティングを除去すること、レーザアブレーション、又はエッチングなどの幾つかの技術を用いてのパターン化することができる。これらのパターンは、製造工程全体を通じて基板を正確に位置合わせ又は位置決めするのに使用することができる登録マーク又はターゲットを含むことができる。これは通常、例えばパターン認識技術を用いた視覚システムを用いて行われる。また、登録マーク又はターゲットは、必要に応じサンドブラスト、レーザ又はダイヤモンドスクライビングなどによって、直接ガラスに施工することができる。積層基板間の間隔を制御するための間隔媒体を、1次シール材料内に配置するか又は積層前に基板に施工することができる。間隔媒体又は手段は、単品化された完成ミラー組立体から切り取られることになる積層体の区域に施工することができる。素子が溶液相電気光学ミラー要素であれば、積層アレイは、電気光学材を充填し充填口を塞ぐ前又は後に形状に合わせて切断することができる。
【0016】
図4dは、第3又は第4、或いは第3及び第4の両方の表面上に材料のスタックを含む第2の基板412bの平面図を示す。少なくとも1つの実施形態においては、材料スタックの少なくとも一部420d1又は材料スタックの少なくともほぼ不透明な層は、1次シール材料の下で除去又はマスク処理される。この材料スタックの少なくとも1つの層の少なくとも一部420d2は、実質的に基板の外縁にまで延び、又は第3の表面スタックと要素駆動回路(図示せず)との間の電気接点を促進する区域まで延びる。関連する実施形態では、シール及び/又は要素組立体の次の要素の後部のプラグ観察及び/又はプラグ硬化の検査を行うものである。少なくとも1つの実施形態においては、材料スタック420dの外縁420d1の少なくとも一部は、1次シール材料478dの外縁478d1と内縁478d2との間に位置する。少なくとも1つの実施形態においては、材料スタックの一部420d1又は材料スタックの少なくともほぼ不透明な層は、幅がおよそ2mmとおよそ8mmの間、好ましくは幅がおよそ5mmだけ1次シール材料の下で除去又はマスク処理される。材料スタックの少なくとも1つの層の少なくとも一部420d2は、実質的に基板の外縁に延び、又は幅がおよそ0.5mmとおよそ5mmとの間、好ましくは1mmの第3の表面のスタックと要素駆動回路(図示せず)との間の電気接点を助長する区域まで延びる。第1、第2、第3及び第4の表面層又は材料スタックのいずれも本明細書で開示され又は引用により本明細書の他の場所に組み込まれる参照文献内で開示されている通りにすることができる点を理解されたい。
【0017】
図4eは、第3の表面材料スタックを含む第2の基板412eの平面図を示す。少なくとも1つの実施形態においては、第3の表面材料スタック420deの外縁420e1の少なくとも一部は、1次シール材料の外縁478e1と内縁478e2との間に位置する。少なくとも1つの関連する実施形態においては、導電性タブ部分482eは、1次シール材料478eの外縁478e1の内方にある第2の基板の縁部から延びる。少なくとも1つの関連する実施形態においては、導電性タブ部分482e1は、1次シール材料478eの下にある第3の表面材料スタックの少なくとも一部と重なり合う。少なくとも1つの実施形態においては、第3の表面材料スタックの導電性金属酸化物などのほぼ透明な導電層((個別には図示せず)は、第3の表面のスタックの残りの部分の外縁420e1を超えて延び、図7kに示すように導電性タブ部分と電気的に導通している。導電性タブは、図7a−図7nに示すように基板周辺区域のいずれかに沿って堆積することができる点を理解されたい。少なくとも1つの実施形態においては、導電性タブ部分は、クロムを含む。導電性タブ部分は導電電極を覆って導電性を向上させ、すなわち、導電電極層に十分な導電性がある限り、導電性タブ部分は任意的なものであることを理解されたい。少なくとも1つの実施形態においては、導電電極層は、所望の導電性をもたらすのに加えて、対応する反射光線の所望の固有の色特性を与える。従って、導電電極が省略された場合、色特性は、下層材料の仕様により制御される。材料の第1、第2、第3及び第4の表面層又はスタックのいずれも本明細書で開示され、又は引用により本明細書の他の場所に組み込まれる参照文献内で開示されている通りにすることができることを理解されたい。
【0018】
図5は、より詳細に説明するために、図4cに示す要素の拡大図であるバックミラー要素500を示している。要素500は、第1の表面504と第2の表面506とを有する第1の基板502を含む。第2の表面506に施工された第1の導電電極部分508と第2の導電電極部分530は、第1の分離区域540を介して実質的に互いに絶縁されている。図示のように、少なくとも1つの実施形態においては、分離区域は、スペクトルフィルタ材料596と対応する接着促進材料593が、第1及び第2のスペクトルフィルタ材料部分524、536、及び第1及び第2の接着促進材料部分527、539をそれぞれ定めるため実質的に電気絶縁されるように配置されている。第1の分離区域540、440a、440b、440cの一部は、中心近傍に位置する1次シール材料578の一部内に平行に延びるように示されている。分離区域540のこの部分は、観察者がスペクトルフィルタ材料内の線を容易には知覚できないように位置することができ、例えば、分離区域の一部は、スペクトルフィルタ材料596の内方縁部597と実質的に位置合わせすることができることを理解されたい。本明細書の他の場所でより詳細に説明するように、分離区域540のあらゆる部分が1次シール材料の内方に位置する場合には、電気光学材料着色及び/又は透明化の不連続性が観察される可能性がある点を理解されたい。この動作上の特性は、主観的に視覚に訴える要素を導き出すように操作することができる。
【0019】
更に図5を参照すると、要素500は、第3の表面515と第4の表面514とを有する第2の基板512を含むように示されている。第1の基板は、ミラーの周辺の少なくとも一部に沿ったずれをもたらすように第2の基板よりも大きいものとすることができることに留意されたい。第3及び第4の導電電極部分518、587は、それぞれ、第2の分離区域を介して実質的に電気絶縁された第3の表面515に近接して示されている。第2の分離区域856、486a、486b、486cの一部は、中心部近傍に位置する1次シール材料578の部分内に平行に延びているように示されている。分離区域586のこの部分は、観察者がスペクトルフィルタ材料内の線を容易には知覚しないように配置することができ、例えば、分離区域の一部はスペクトルフィルタ材料596の内方縁部597と実質的に位置合わせすることができることを理解されたい。図5に更に示すように、反射材料520を任意的なオーバーコート材料522と第3の導電電極部分との間に付加することができる。引用によりその開示内容が本明細書に組み込まれ、本発明の譲受人に譲受された米国特許第6,111,684号、米国特許第6,166,848号、米国特許第6,356,376号、米国特許第6,441,943号、米国特許第6,700,692号、米国特許第5,825,527号、米国特許第6,111,683号、米国特許第6,913,378号、米国特許第6,816,297号、米国特許第7,064,882号、米国特許出願公開第2004−0032638号で開示されているような材料のいずれかを利用して、第1の表面上の親水性コーティングなどの単一表面コーティング、又は、第1、第2、第3及び第4の表面に付加された導電電極材、スペクトルフィルタ材料、接着促進材料、反射性材料、オーバーコート材料などの複合スタックのコーティングを定めることができることを理解されたい。更に、フッ素系アルキル塩又はポリマー、シリコーン含有コーティング又は特殊な凹凸のある表面などの疎水性コーティングを第1の表面に施工することができる点を理解されたい。親水性又は疎水性のいずれかのコーティングは、このようなコーティングのないガラスに対して第1の表面に衝突する水分の接触角を変化させ、水分が存在するときに後方視覚を高めるようにする。第3の表面と第4の表面の反射体の実施形態のいずれも本発明の範囲内にある点を理解されたい。少なくとも1つの実施形態においては、第3の表面及び/又は第4の表面に付加される材料は、対応する表面スタックの少なくとも一部に対して部分反射/部分透過特性をもたらすように構成される。少なくとも1つの実施形態においては、第3の表面に適用される材料は、反射体と導電電極とを組合せるように一体化されている。更なる「第3の表面」の材料は、1次シールの外方に延びることができることを理解すべきであり、この場合、対応する分離区域は追加の材料を通って延びる点を理解されたい。例えば、図4dに示すように、第4の表面から見える1次シールの少なくとも一部を有することにより、プラグ材料の検査及び紫外線硬化が容易になる。少なくとも1つの実施形態においては、材料スタック420dの少なくとも一部又は材料スタックの少なくともほぼ不透明な層は、周辺部の少なくとも一部の周りの1次シール幅の少なくとも25%の検査を可能にするように1次シール材料の下に除去又はマスクされる。周辺部の少なくとも一部の周りの1次シール幅の50%の検査を可能にするのがより好ましい。周辺部の少なくとも一部の周りの1次シールの少なくとも75%の検査を可能にするのが最も好ましい。本発明の様々な実施形態は、他の部分と異なるコーティング又はスタック上のコーティングを有する特定の表面の部分を組み込むことになる。例えば、光源の前の「窓」、情報ディスプレイ、光センサー、又はその組合せを形成して、本明細書に組み込まれる参照文献の多くで説明されているように特定の帯域の光線波長を選択的に伝達することができる。
【0020】
更に図4a及び図4b並びに図5を参照すると、第1の分離区域540は、1次シール材料575の一部と協働して、第2の導電電極部分530、第1の導電電極部分508から実質的に電気絶縁された第2のスペクトルフィルタ材料部分536及び第2の接着促進材料部分539、第1のスペクトルフィルタ材料部分524及び第1の接着促進材料部分527を定める。この構成は、第1の電気クリップ563が第3の導電電極部分518、反射材料520、任意的なオーバーコート522、及び電気光学媒体510と電気的に導通するように導電材料548を配置することを可能にする。特に、導電材料548が第1の電気クリップ569を配置する前に要素に適用される実施形態においては、導電材料は、境界面557、566、572、575を少なくとも部分的に分離することができることは明らかであろう。第3の導電電極部分518、第1の電気クリップ563、及び導電材料548を形成する材料又は材料組成は、クリップと電気光学媒体に至る材料との間の耐久性のある導通を促進するように選択されるのが好ましい。第2の分離区域586は、1次シール材料575の一部と協働し、第3の導電電極部分518、反射層520、任意的なオーバーコート材料522、及び電気光学媒体510から実質的に電気絶縁された第4の導電電極部分587を定める。この構成は、第2の電気クリップ584が、第1の接着促進材料部分527、第1のスペクトルフィルタ材料部分524、第1の導電電極508、及び電気光学媒体510と導通する導電材料590の配置を可能にする。特に、導電材料590が第1の電気クリップ584を配置する前に要素に適用される実施形態においては、導電材料が境界面585、588、589を少なくとも部分的に分離することができる点は明らかであろう。第1の導電電極部分508、第1の電気クリップ584、接着促進材料593、スペクトルフィルタ材料596、及び導電材料590を形成する材料又は材料組成は、クリップと電気光学媒体に至る材料との間の耐久性のある導通を促進するように選択されるのが好ましい。
【0021】
周囲材料560は、結果として得られる可視縁面が視覚的に魅力的であるように、及び境界面533、545、554で良好な接着力が得られるように選択されるのが好ましい。第1の隅部503、縁部505、第2の隅部507及びその組合せに近接する区域内の第1の基板502の少なくとも一部は、観察者の目を引く突出部及び陥凹部を滑らかに処理することができる点を理解されたい。表面、隅部、縁部又はその組合せの少なくとも一部を処理して、「勾配付き」、「丸み付き」又はその組合せを定めることは、本発明の範囲内である。本発明の譲受人に譲受された米国特許第7,064,882号、及び米国特許出願公開第2004−0032638号では、縁部処理を実行するための様々な機構が説明されている。対応する処理によって、要素の外観及び耐久性が向上する。
【0022】
図6及び表1及び表1−4aを参照すると、第1の基板の第2の表面とスペクトルフィルタ材料又はリングとの間にインジウム−スズ−酸化物導電電極を有する結果として得られた色について説明されている。本明細書に含まれる例示的なミラー要素の説明においては、第3の表面の反射体に対してのスペクトルフィルタ材料に付随する反射率は、少なくとも1つの実施形態において、電気光学媒体が「透明な」状態であるときにスペクトルフィルタ材料がより青の強い色調となる。本明細書に含まれる表に示すように、反射体のb*は、スペクトルフィルタ材料のb*よりも高い。主反射体の色調とスペクトルフィルタ材料とが一致しない場合には、b*値が主反射域よりも低いスペクトルフィルタ材料を有することが望ましい場合が多い。多くの外部ミラーは、主反射域が青色の色調であるように設計される。本明細書で少なくとも1つの実施形態で説明するように、スペクトルフィルタ材料についてクロムと組合せて又はクロムの代わりにアルミニウムを使用すると、付加的な演色の選択肢が得られる。共に示される他の選択肢又は実施形態は、リングとミラー視域のより良好な適合をもたらす。これらの他の場合においては、スペクトルフィルタ又はリングは、実質的に同じ反射率及び色を有し、視域とリングとの間のシームレスな一致を可能にする。
【0023】
表1は、7つの独自構成によるスペクトルフィルタ材料、第2の表面の導電電極、及び関連材料についての様々な色特性、すなわち、Y鏡面反射あり(A10);a*、b*、C*、及びY鏡面反射なしをまとめたものである。
【0024】
表1aから表1dは、スペクトルフィルタ材料の変形を含む。反射率は、CIE−D65おけるものである。個々の層厚みは、ナノメートル単位である。表1aは、スタックガラス/ITO/Cr/Ru/Rhに及ぼすクロム厚みの影響を示す。スタックの反射率は、クロムの厚みが薄くなる程大きくなる。この実施例においては、クロムの屈折率は、n=3.459及びk=3.9808である。ここで、nは実部を示し、kは複素数の虚部を表す。クロムの屈折率は、部分的にスタックの反射率を定義し、以下でより詳細に説明する。同様に、クロムを薄くする程、反射a*値が大きくなり、リング材料の良好な適合をもたらす。
【0025】
少なくとも1つの実施形態においては、スペクトルフィルタの反射率は、ルテニウムの代わりにロジウムを第1のクロム層に隣接して置くことによって大きくなる。表1bは、クロムの厚みが変化したときのクロムの反射率及び色厚みに対するクロム厚の影響を示している。この場合も前記実施例と同様に、クロム層が薄くなるに伴って反射率が大きくなる。この実施例は、ミラー反射の中心部の反射率が相対的に高いときに好ましい。
【0026】
一般的な製造ミラー特性を以下に示す。
表1a−別のスタック−ルテニウムを含むクロム厚み
表1b−別のスタック−ロジウム/ルテニウムを含むクロム厚み
【0027】
表1cは、薄肉ロジウム層が薄肉クロム層の隣に使用されたときのルテニウム厚みの影響を示す。ルテニウムがほぼ20nmのときに特定の利点が達成される。ルテニウムの最小要件は、ロジウム厚み、薄肉クロム厚み及び目標反射率値と共に変わることになる。
表1c−他のスタック−ロジウムの後のルテニウムの変動
【0028】
表1dは、一定のクロム及びルテニウムの厚みでロジウム厚みに応じて反射率がどのように変化するかを示している。ロジウム厚みが大きくなるのに伴い反射強度は大きくなり、反射a*が大きくなる。反射a*の増大を利用して、ガラス中心部とリングとの間の色適合の改善を促進することができる。ロジウム厚みの変化に伴う反射率の変化は、ロジウムとITOとの間のクロム層厚みに応じて異なる。クロム層が厚くなる程、ロジウム反射率の減衰が大きくなる。また表1dでは、薄肉クロム層と肉厚クロム層との間に他の金属がある。パラジウム、イリジウム、カドミウム、及び白金が示されている。薄肉クロムベース層厚みの変化の影響と共に反射率対金属厚みが示されている。
表1d−他のスタック−ロジウム厚みの変動
【0029】
異なる金属又は金属の混合物を薄肉クロム層の隣に使用することができる。薄肉クロム層は任意的なものと考えることができ、接着促進層が要求される際に使用する。他の接着促進金属又は材料でもこれに匹敵する機能を果たすことができる。視域の中心部に対して要求される適合に応じて、反射率を低く又は高く変えるために様々な金属が選択される。金属は、リングの色又は色調を変えるといった別の利点を有することができる。金属の下にITO又は他の誘電層が存在すると、より負のb*方向に色が移動する傾向がある。銅などの「赤色」高反射率の金属を使用すると、反射率を高めると同時に視域との色適合を助長することができる。表1eは、2つのクロム層の間に置かれた薄肉銅層の影響を示す。反射率をかなり大きくすると、リング色がより中間の色になる。銅・金の合金と類似の特性である。
表1e:スタックへの銅添加による色及び反射率の影響
【0030】
結果としてより大きな反射率をもたらす適切な金属としては、カドミウム、コバルト、銅、パラジウム、銀、金、アルミニウム、及びイリジウム、或いは他の高反射率金属、その合金及び/又は金属の混合物がある。
表1
1−ガラス/856 Ang.Al203/半波(光学的厚さ)ITO
2−1プラス不透明クロム層
3−1プラス約30 Ang.クロム/250 Ang.アルミニウム
4−ガラス/半波ITO/30 Ang.クロム/250Ang.アルミニウム
5−ガラス/半波ITO/不透明クロム層
6−ガラス/Tec15/不透明クロム
7−Tec 15
【0031】
表2は、第1の基板とほぼ不透明なクロムスペクトルフィルタ材料との間に位置決めされた様々なイリジウム−スズ−酸化物の第2の表面導電電極の組合せに関する、様々な色特性、すなわち、a*、b*、C*、及びY鏡面反射あり(A10)をまとめたものである。この表に含まれるデータは、ITO厚みを半波厚みの約65%から約100%まで変えることによって結果として得られるb*値を制御する能力を示している。所与の色を得るために予測される特定の厚みは、光学的定数に影響を与える堆積パラメータに基づいて若干変わる可能性がある。特定のスタックの色は、プロセスパラメータの選択、並びに使用する材料の光学的定数が小さいが場合によっては有意なシフトをもたらすプロセス変動に基づいて、ある程度変わる可能性がある。例えば、ITO半波光学的厚みは、コーティングの物理的密度が増大した場合には物理的厚みがより小さくなることに対応し、ITOコーティングの吸光度が増加すると、第2の表面ITO及びクロムスタックの反射率が小さくなる。これは、ITOに通常付随する光学的定数の範囲にわたって、例えばクロムをコーティングしたときのITOの半波光学的厚み(550nmに対して)が黄色の色調を有する反射を生成する傾向があることを否定するものではない。表2aは、ITO厚みのより狭い範囲にわたり且つ金属スタック調整を伴った同一の影響を示す。ITOの厚みが大きくなるにつれて反射率が大きくなり、強度の適合性が向上する。a*値は小さくなり、b*値は大きくなる。正味の影響として、適切なITO厚みで色適合が改善されることになる。色不適合が選択された場合には、スペクトルフィルタ材料の色は、主反射区域よりも小さいb*値になるようにすることができる。
表2
表2a 金属スタック調整を伴ったITOの影響
【0032】
表3は、種々のイリジウム−スズ−酸化物の第2の表面導電電極に関する、様々な色特性、すなわち、a*、b*、C*、及びY鏡面反射あり(A10)をまとめたものである。この表に含まれるデータは、ITO厚みを半波厚みの約65%から約100%まで変えることによって生成された結果として得られる値を示す。
表3
【0033】
透明な第2の表面導電電極に使用される材料は、一般的に屈折率が約1.9以上の材料である。半波厚みの倍数を用いるか、この用途に可能な限り薄い層を用いるか、幾つかの「非虹色のガラス構造体」の1つを用いることにより、これらの導電電極材の色に対する影響を最小限に抑えることは公知である。非虹色の構造体では、通常、屈折率の高い導電コーティングのもとで(例えば、Roy Gordonによる米国特許第4,377,613号及び米国特許第4,419,386号を参照されたい)屈折率が高い層及び低い層のいずれか、屈折率が中間である層(Roy Gordonによる米国特許第4,308,316号を参照されたい)、又は屈折率が段階的である層(Roy Gordonによる米国特許第4,440,822号を参照されたい)を用いて色に対する影響を最小限に抑えることになる。色抑制層を有するリングの強度は、その部分の中心部よりも低い。色抑制層は、リングの色を促進するが、リングは、その強度コントラストに起因して依然として可視である。従って、色が抑制されたITOは、ITOの上にある金属層の異なるシーケンスを用いることによって恩恵を受けることになる。表3aは、ある範囲の異なる金属選択肢に関する色を示している。頂部クロム層は任意的なものであり、リングの色又は反射率の適合に貢献するものではない。頂部クロム層は、層スタックの透過率を最小限に抑え、シールに到達する紫外線量を最小限に抑えるために付加され、これによって製品の寿命が延びる。クロム/ロジウム/ルテニウムスタックが示されているが、本明細書の他の場所で説明する他の金属、合金、高反射体を使用してもよいことは理解される。
【0034】
色抑制層の有無によるITOの厚み変更の影響を表3a2に示す。表に示される色は、100nmと300nmとの間のITO厚みで発生する変化を表す。従って、色抑制層を用いることにより、色抑制層がない場合に生じる強い色の変動を引き起こすことなく、ITO層の厚み範囲の拡張が可能となる。
表3a:色抑制ITOを伴う金属層の影響−CIE−D65での反射率
表3a2:色に及ぼす色抑制ITOの影響−200nmITO+/−100nm
【0035】
ガラスに隣接した薄いクロムなどの部分透過層を用いると、白金族金属(PGM)(すなわち、イリジウム、カドミウム、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム)、銀、アルミニウム、及び銀−金、ホワイトゴールド、又は他の金属などの相互に組合せた金属の様々な合金など、クロムと比較して反射率向上に使用することができる金属と比べると接着上の利点をもたらすことができる。これらの他の金属又は合金が部分透過接着促進層の背後に配置されると、第2の金属の反射率向上の一部が実現されることになる。また、透明導電オーバーコートと接触しているか否かを問わず、又は電気光学媒体と直接接触しているかどうかに関係なく、スペクトルフィルタ材料の耐久性を向上させる材料でスペクトルフィルタ材料をオーバーコートすることは有益とすることができる。反射体は2色スタックとすることができることを理解されたい。スペクトルフィルタ材料は、クロムなどの単一材料を含むことができ、又は、1)クロム、ロジウム、ITO、2)モリブデン、3)クロム、ロジウム、TCO、4)クロム、白金族金属、ITO、5)ITO、銀、ITO、6)ITO、銀合金、ITO、7)ZNO、銀/銀合金、ZNO、8)透明導体、金属反射体、透明導体、シリコン、ITO、9)シリコン、ZNO、10)クロム、ルテニウム、ITO、11)クロム/ロジウム/ルテニウム/ITOなどの材料スタックを含むことができ、或いは、他の金属、金属合金、又は本明細書の他の場所で説明する組合せを用いることができる。
【0036】
また、2段階以上でミラーの第2の表面上に透明導電酸化物を施工することが有利とすることができる。例えば、酸化亜鉛層を最初に堆積し、銀又はその合金が良好に接合される層を形成することができる。これは、銀、銀合金、又は他の金属及びその合金と組合せたときに望ましい色及び反射率をもたらす厚みに選択されるのが好ましい。次いで、金属層をその部分の周辺周りに施工し、続いて、少なくともエレクトロクロミック区域を覆うように追加の透明導電酸化物を施工する。酸化物の追加施工は、エレクトロクロミック区域の導電率が向上し、エレクトロクロミック区域で明状態から暗状態になり、特に完全に暗状態であるときに望ましい範囲の色調をもたらす厚みに選択することができる。エレクトロクロミック区域に隣接した導電酸化物が十分な導電率を有する場合には、必ずしもスタック内の金属酸化物の全てが導電酸化物である必要はない。
【0037】
例えば、特定のモデル、すなわち100nmのITOを覆って堆積された不透明銀を用いると、反射リングの色はおよそ、D65発光体を用いた約2度の観測者で、a*=−1、b*=−2、及び89のY値となる。この説明の目的で、銀は、エレクトロクロミック区域周りのリングにのみに適用されるようにマスク処理される。100nmのITOのみをガラス上に有するエレクトロクロミック区域の色では、屈折率1.43の材料をエレクトロクロミック媒体として使用し、Y値が8でa*=−3、b*=8のときに第3又は第4の表面モデルからの反射はない。エレクトロクロミック区域の黄色を低減し、且つ導電率を高めるために、40nmのITOをエレクトロクロミック区域に添加することができる。これによって、エレクトロクロミック区域のコーティングが約半波光学的厚みになり、この光学的厚みは、ほぼ、ほとんどのエレクトロクロミック要素を有する第2の表面コーティング厚みである。次いで、エレクトロクロミック区域のモデルは、a*=11、b*=−14、Y値5の色を与える。透明導電酸化物のこれらの用途のいずれか又はその両方は、アルミニウムドープの酸化亜鉛などの別の材料とすることができる。また、熱処理段階などのコーティング及び組み付けプロセスの後続の段階中に銀などの金属層を保護又は保持する、ニッケルクロム又は亜酸化ニッケルクロム、ニオブ又は亜酸化ニオブ、チタン又は亜酸化チタンなどの追加層並びに当該技術分野で公知の他の手段があるであろう。
【0038】
このようなスタックを使用することによって、反射リングは、銀又は銀合金を組み込む第3の表面コーティングを有する素子のようなより反射率が高い非暗色状態のエレクトロクロミック区域の明度に密接に適合することになる点に留意すべきである。
【0039】
特に、電気光学媒体と直接接触しているアルミニウムは、複数の着色/透明化サイクルを受けると劣化する傾向がある。クロムのオーバーコートにより、その耐久性が改善されることが実証されている。ITOオーバーコートを使用すると、シリコンなどの材料は、ITOとガラスにより近い物質との間の結合強度を向上させることができる。白金族金属(PBM)(すなわち、イリジウム、オスミウム、パラジウム、白金、ロジウム、及びルテニウム))などの他の材料をオーバーコートすると、接着、反射、導電性、電極安定性、そのいずれか1つ、その副組合せ、又は、その組合せ特性を向上させることができる。
【0040】
上記の図及び表に示すように、ITOの厚みは、望ましい反射色を生成するように選択することができる。ITOコーティングが約25%薄くなると、これは約120Ang.である。140Ang.ではなく、より青色の色調になる(すなわちb*が小さくなる)。しかしながら、これはまた、ITOコーティングの導電率が低下することとなる。コーティングの反射率はまた、基準が550nm近傍の最小反射率に対するものである従来の半波光学的厚みのコーティングに対するものよりも僅かにある程度まで高くなる。
【0041】
最適色とITOのシート抵抗との間の妥協は、ITO層の部分的除去を用いることにより軽減することができる。例えば、ITOは、視域中心部の適正な色及び所要のシート抵抗を与えるのに必要とされるあらゆる厚みに適用することができる。その後、ITOコーティングのリング部分をイオンエッチングするか、又は他の実行可能な方法で除去し、リング内のITOの最終厚みが望ましい美観を有するポイントであるようにすることができる。ITOのエッチング又は除去プロセスは、後続の金属層の堆積と同様の方法で行うことができ、或いは個別の段階で行ってもよい。
【0042】
クロム層をITO層の下に適用すると、視域とリングとの間の限界適合をもたらすことができることは当該技術分野で公知である。この場合のリングと視域の適合度は、視域内の反射率とクロムの特性の関数である。当該技術分野で教示されていなかった点は、クロム層の特性がどのように視域とリングとの適合に影響を与えるかについてである。例えば、視域の反射率が55%を上回るように法的に規定される場合がある。クロムリングの反射率は、クロム厚み、更に重要なことは、クロムの屈折率の関数である。所与の屈折率拡散式では、クロム層の厚みを小さくすることによって反射率を最大値から低下させることができる。これは、クロム層の透過率が大きくなるので悪影響を及ぼし、従って、より多くの紫外光がEC単位シールに透過することが可能となる。紫外線は、シールを損傷し、製品の寿命を短くする可能性がある。
【0043】
リングの反射率は、クロム層の光学的特性を調整することにより高めることができる。表3bは、クロム層の光学的特性に対するITOの下にあるクロムの反射率の依存を示す。反射率に及ぼす光学的定数の影響を評価するために、公開されている文献から2組の光学的定数を入手し、異なる割合で混合した。光学的定数は波長に応じて変化し、表3bの値は参照として550nmのときの値である。クロム層の厚みは80nmであり、ITOは148.7nmである。少なくとも1つの実施形態においては、ガラス厚みは、1.2mmであり、例示の反射率は、ガラスを通してコーティングスタックまで見る場合におけるものである。
【0044】
この実施例においては、反射率は、最低値48.6%から最高値54.2%まで変わる。これは、視域内に相対的に高い反射率が存在する場合には、一部のクロム層は、必ずしも目視の反射率と適合するのに必要な反射率を達成するとは限らないことを明確に示している。更に、ITOの下にある単一のクロム層によって達成可能な最大反射率は有限である。好適なクロム層は、クロム層の屈折率で定義される。
【0045】
表3b:様々なクロムの光学的定数についてのITOの下にあるクロム層のクロムに対する性能
【0046】
クロム層に関する適切な光学的定数を定義するために、一連の計算を行った。簡単な分析を行ったが、ここではクロムの屈折率は可視領域にわたって一定に保持される。この分析は、クロムの実部及び虚部の屈折率と結果として得られる反射率との間の関係を示している。実際に行われているところでは、これは、クロムの光学的定数の拡散の影響を考慮するため、最大+/−20%だけ理論上の分析とは異なる場合がある。表3cは、nとkの様々な組合せとn/kの比に関する反射率を示す。
【0047】
表3c.クロムの光学的定数の関数としてのITOの下にあるクロムの反射率
【0048】
nとkを反射率に関係づける方程式を求めるためにこのデータセットの分析を行った。この場合も同様に、反射率は、ガラスを通して見たときの計算である。
【0049】
反射率=9.21972−8.359545*n+20.3495*k+1.76122*n^2−0.711437*k^2−1.59563*n*k
【0050】
この結果をグラフで示すこともできる。方程式及び/又はグラフを用いて、クロム層について望ましい反射度を達成するために必要な所要のnとkを求めることができる。
【0051】
美観上、リングができるだけ密接に視域と適合させることが望ましい。その結果、リングに目が引き付けられず、視域内の対象物に良好に合焦することができる。リングと視域間の外観上のどの差違が好ましくないかは幾分主観的なことである。リングと視域との間の強度は、好ましくは10%以内、更に好ましくは6%以内、最も好ましくは3%である。同様に、リングの色は好ましくないものとなる可能性がある。リングと視域間との間の色差は、30未満、好ましくは15未満、最も好ましくは10C*単位未満とすべきである。
【0052】
処理の制限又は制約に起因して所望のクロムの光学的定数を達成することは不可能であるが、それでもリングと視域との間の適合が望ましい状況が存在することがある。他の場合には、クロム単独で実施可能なものよりも高い反射率をリングで達成することが望ましい場合もある。これらの状況では、クロムの上にある金属の場合について上述した内容に類似する手法を適用することができる。より高い反射率を達成するためには、相対的に薄いクロム層をガラスに施工し、次いで、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、カドミウム、パラジウム、白金、又はクロムよりも高い固有反射率を有する他の適切な金属又は合金などの高反射金属層を施工する。
【0053】
表3dは、クロム層における固定のnとk値の反射率に対してのクロム厚みの影響を示す。クロムの光学定数は、56%の視域反射率に適合させる目標で、50%未満の反射率を生成するように選択された。反射率は、第1のクロム層の厚みに応じて変動し、本質的には、クロム層厚みを2.5nmに低減したときに完全な適合が得られる。
表3d:反射率に及ぼすクロム厚みの影響
【0054】
また、クロム層の光学的定数は、このスタックの反射率に影響を与える。反射率は、クロムの光学的定数に応じて有意に減衰する可能性があるが、高反射率の金属層(この場合はルテニウム)が裏付けされた薄いクロム層を使用することで、高反射率の金属がない場合よりも反射率を大幅に高くすることができる。表3eは、反射率に及ぼすクロムの光学的定数の影響を示す。
表3e:反射率に及ぼすクロムの光学的定数の影響
【0055】
リングの反射率を高め且つ視域との美的適合を改善させる別の選択肢は、低屈折率の材料をITOと金属層との間に配置することからなる。低屈折率の金属は、シリカ、アルミナ、MgO、ポリマー、又は他の適切な屈折率の低い材料とすることができる。低屈折率の材料の少なくとも複数の選択肢が存在する。その第1は、シリカ層の厚みを制御して反射率の干渉を増大させることである。表3fは、低屈折率層の追加の有無でのリングの色を比較するものである。この場合、低屈折率層はシリカであるが、上述のようにあらゆる適切な低屈折率材料がこの用途には好適である。ITOと低屈折率層の厚みを調整して色を変えると同時に反射率を高めることができる。この方法を本明細書の他の場所で説明される様々な金属スタックと組合せることによって反射率を更に高めることができる。
表3f:ITOと金属層との間での低屈折率層の追加の影響
【0056】
別の選択肢は、比較的厚い低屈折率材料をITOとリングの金属反射体との間に挿入することである。この場合、低屈折率層がバルク層として機能するのに十分な厚みがあることが望ましい。必要な厚みは、特に非均一性により光の位相情報を排除することができる場合には、少なくとも部分的にはバルク層の材料特性に依存する。層の厚みは、1/4ミクロン程の薄さ、或いは望ましい効果を得るためにはそれよりも肉厚とすることができる。
【0057】
リングと視域間を適合させる他の選択肢は、高/低/高の誘電スタックを使用することである。交互する屈折率を有する一連の誘電層を用いて、高反射率のコーティングをもたらすことができる。例えば、TiO2/SiO2/TiO2の交互する層を用いることができる。表3gは、中間色で60.5%のリング反射率をもたらすTiO2、SiO2及びITO(厚みはnm単位)からなるスタックを示す。色及び反射率は、層の厚みを調整することによって変えることができる。また、ITOをベース層とする第2の選択肢を表3gに示す。スタックは、所望の色及び反射率の両方を与えるような両方の構成で調整することができる。ITOの厚みは、導電性がより高い層に提供するように調整することができる。他の層の厚み及び屈折率を調整し、ITO厚みの変化を補正することができる。これによって、この設計選択肢の有用性が高くなる。
表3g:リング適合のための高/低/高スタック
【0058】
リングの別の選択肢は、電極に対してIMI(すなわち絶縁体/金属/絶縁体)スタックを使用することである。一部の特定のIMIスタック及びリング材料を以下に示すが、他の形態も実施可能である。本発明の関連においては、ITO又は別のTCOの代わりにIMIスタックを使用することも想定することができる。次いで、金属又は誘電スタックをIMIスタックと基板又はシール材料との間に配置する。両方のケースでは有効に作用することになる。反射スタックをIMIとガラスとの間に配置すると、特に金属反射体が本質的に不透明である場合には、IMIスタックがより可撓性のある状態が得られる。IMIを金属反射体で遮蔽して、中央部視域に対して必要に応じて調整することができる。IMIがガラスと反射スタックの間にある場合、視域とリングの要件が確実に互換性があるようにすることが望ましい。これは、達成可能であるが、反射体がIMIとガラスの間にあるときには存在しないIMIスタックに制限を課すことになる。
【0059】
IMIスタックにおいては、TiO2、SiO2、ZnO、SnO2、酸化ニオブ、シリコン金属、ZrOX、SiN又は他の適切な材料などの誘電層とすることができる。混合酸化物、オキシナイトライド又は他の複合材料を使用することができる。金属は、Ag又はAg合金であるのが好ましい。Agは、Au、Pd、Pt、Si、Ti、Cu、又は適切な電気化学的、化学的、又は物理的特性をもたらすように選択された他の材料で合金又はドープすることができる。金属層と誘電体との間に保護層を配置して金属の接着、化学的安定性又は熱処理中のIMIコーティングの熱安定性を向上させることができる。複数の異なる誘電体を使用すると、視域及びリングにおける色及び反射率を減衰させることができる。
表3h:IMIスタックとリング反射率(厚みは別記しない限りnm単位)
【0060】
ITO厚みを半波からITO及びクロムスタックについて青色が得られるポイントまで増大させると、色は、堆積中の厚み変動、及び/又は実際の使用時の視野角の差に起因する変位がはるかに生じやすくなる。半波光学的厚みよりも意図的に薄く堆積させたITOコーティングは、上記の説明により表2に示すようにクロムでオーバーコートしたときに比較的低いレベルの曇りが生じた。
【0061】
コーティング間の差異は、一部の反射分光光度計で利用可能な鏡面反射なしの選択肢を用いることで測定することができる。このような測定値は実際の散乱光を測定しており、主に少量の鏡面反射の成分ではないことを確認することが重要である。一般には、光の波長が短い程より散乱がしやすい。このことは、所与の読み取り値が測定されている予測散乱光強度であるかどうかを判断するのに使用するときの良好な指標となる。MacBeth Color Eye 7000は、この点に関し良好な曇り測定結果をもたらす1つの分光光度計である。
【0062】
本明細書で使用される用語「霞」及び「曇り」とは、薄膜における散乱又は非鏡面反射の特性を意味する点を理解されたい。霞は、層の酸化不足、層内の結晶サイズ、表面粗度、層境界面特性、基板の洗浄品質、その副組合せ及び組合せを含む幾つかの要因が原因となる場合がある。
【0063】
これらの特性は、処理条件及び/又は材料によって変わる可能性がある。これは、曇りのレベルがコーティングの単一のプロセス「バッチ」又は「ロード」内でさえもかなり変わる場合があるという点において、処理条件に関し特に当てはまる。それにも関わらず、クロムでオーバーコート処理され且つガラスを通して見られるITOに層ついては、色抑制又は虹色防止下層の有無を問わず、Libbbey Ownes Ford製Tec15ガラスで同様に得られるものよりもはるかに曇りの少ないコーティングを生成することが可能であることが示されている。
【0064】
酸化アルミニウムを下層として使用して、スペクトルフィルタ材料スタック並びに適切な屈折率をもたらす酸化物の混合物の色調の制御を助けることができる。ITOとSiO2及び/又はSiOの混合物をITOの下層として使用して、結果として得られるスペクトルフィルタ材料スタックの色調を制御することは特に有利とすることができる。ITOに対しセラミックターゲットを使用することで、膜厚などの特性についてより厳しいプロセス制御が可能となると考えられることが多い。ITOとSi及び/又は酸化状態の混合物中のSiを含むスパッタターゲットを使用することができる。このような下層では、潜在的に、下層とITO層を堆積させるのに使用されるカソード間にポンピング又は介在ドアから実質的にガス流を分離させないインラインコーティングシステムを使用することができる。SiO2の少なくともある程度の割合までのITOとSiO2の混合物は、RFスパッタリングが必要ではないように十分な導電性を保持することになる。中間周波数(MF)スパッタリング又は直流(DC)スパッタリングと比較して、無線周波数(RF)スパッタリングでは、薄膜コーティングシステムに含めることは単純なことではない電気絶縁及びインピーダンス整合が必要とされることが多い。
【0065】
車両用バックミラーには35%(多くの欧州諸国では40%)反射率の法的要件があるので、(電気光学ミラー要素の場合は透明な状態)、周辺区域が視野計算に含まれるためには、このようなレベルの反射率を有することが必要である。Tec15ガラスを覆うクロムに関して本明細書で呈示されるデータにおいては、この最小値は満たされていない。
【0066】
電気光学素子で使用される虹色防止構造体の一部である測定可能な曇りを有するCVD蒸着フッ素ドープ酸化スズの使用が知られている。導電電極をもたらすための様々な厚みのITOも公知である。イリジウム−スズ−酸化物導電電極及びクロムスペクトルフィルタ材料スタックのb*がITOの厚みを変えることによって予測可能に制御することができることは、これまで知られていない。虹色防止構造体を有する熱分解堆積フッ素ドープ酸化スズ(L.O.F製Tec 15)は、表1に示すように酸化アルミニウム層を覆うように堆積されたITOと比較すると、クロムでオーバーコートされたときには実質的に曇りが多い。
【0067】
スペクトルフィルタ材料が第1の表面に近接して位置する実施形態においては、第1の表面と第3又は第4の表面反射体との間の距離を最小限に抑えることが有利とすることができる。反射体と第1の表面との間の距離が大きい程、主反射体からスペクトルフィルタ材料に移行するときに要素によって反射された画像内の不連続性がより大きくなる。これは、視野角が大きくなるにつれ減衰されることになる。
【0068】
スペクトルフィルタ材料が要素の第2の表面に近接して位置し、親水性コーティングなどの付加的なコーティングが第1の表面上にある実施形態においては、両方のコーティングの光学的特性により素子の周辺部の外観が影響を受けることになり、周辺部の最適な外観を求めて層に対する調整が必要になる場合がある。引用により全体が本明細書に組み込まれる、譲受人に譲受された米国特許第6,447,123号、米国特許第6,193,378号及び米国特許第6,816,297号で説明したような親水性コーティングを有する電気光学要素の場合、第1の表面コーティングは、本明細書で説明するような第2の表面スペクトルフィルタ材料の好適な実施形態の反射率よりもかなり低い反射率を有することになる。これによって、素子の周辺部の色調及び/又は色度は、第1の表面上のコーティングよりも第2の表面コーティングに依存することになる。それにも関わらず、特に、知覚される黄色色調から青色、すなわちそれぞれ+b*から−b*に、又は赤色色調から緑色、すなわちそれぞれ+a*から−a*に遷移する時点近傍で色が選択されたときに、これらの差異はより知覚可能なものになる傾向がある。スペクトルフィルタ材料の色調を反射体の視野全体の色調に適合させようとする場合、要素の視野全体と比較して、黄色多から黄色少、又は青色少から青色多への遷移をもたらす材料の小さな差異は、本明細書の教示内容を実施することによって回避することができる。赤色色調と緑色色調における同様のコントラストを達成することができる。
【0069】
例えば、親水性の表面コーティング有無でのリング及び視域の色と反射率は、薄膜プログラムでモデル化されている。スペクトルフィルタリングは、126nmのITO、3nmのCr、5nmのRh、30nmのRu、及び40nmのCrからなる。金属及び誘電層に隣接する出口媒質又は材料は、屈折率が約1.365のエレクトロクロミック流体である。この親水性層は、ガラスに隣接する65nmの色抑制層、表面形態を有する234nmのTiO2層、及び10nmのSiO2からなる。
【0070】
表4aは、ミラーの様々な部分の反射率及び色を示す。最初の2列は、リング外観に対する親水性層の存在の有無の影響を示す。色及び反射率は、ミラーの第1の表面上に親水性層を施工することでは本質的には変わらない。列3及び列4においては、ミラーが暗色状態であるときの視域の色の変化を見ている。非暗色状態においては、後部反射体のより高い反射率で外観が占められている。反射率は、特定の市場で有利とすることができる親水性層を有するとより大きくなる。この場合親水性層がない視域の色は、ITOの厚みがリングの色を最適化するように選択されるので、幾分好ましくないものである。これにより、視域の色は幾分犠牲にされたものとなる。親水性コーティングを表面1に付加することによって色は中間色化され、その組合せに対しプラスの利点である。5列目は、参考として、ガラス表面2に他の何らかのコーティングがなく且つ出口媒体としてエレクトロクロミック流体を有する親水性層の色を示している。
表4a:様々なミラー構成要素の色及び反射率
【0071】
例示的なミラー要素について
図4aから図4c及び図5に準拠した特に有利な要素構成は、約0.4波長(半波の約80%)厚のイリジウム−スズ−酸化物の導電電極がスパッタリングによって実質的に第2の表面全体を覆うように施工された、約1.6mm厚のガラスの第1の基板を含む。第1の隅部、縁部及び第2の隅部の少なくとも一部は、約0.25mmの材料が第2の表面から除去され、約0.5mmの材料が第1の表面から除去されるように処理される。導電電極の一部が処理中に除去されることは明らかなはずである。約400Å厚のクロムのスペクトルフィルタ材料を導電電極に近接する第1の基板の周辺部近傍に約4.5mm幅で施工する。約100Å厚の白金族金属(PBM)(すなわち、イリジウム、オスミウム、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム)である導電安定化材料をスペクトルフィルタ材料に近接する第1の基板の周辺部近傍に約2.0cm幅で施工する。第1の分離区域は、一部が1次シール材料区域の一部に平行で且つその幅内に延びる約0.025nn幅でレーザエッチングされ、第1及び第2の導電電極部分、スペクトルフィルタ材料部分、及び接着促進材料部分を実質的に電気絶縁する。第3の表面の実質的に全てを覆って約0.5波長厚の導電電極を有する約1.6mm厚のガラス製の第2の基板が設けられる。第2の分離区域は、一部が1次シール材料区域の一部に平行で且つその幅内に延びる約0.025nn幅でレーザエッチングされ、第3及び第4の導電電極部分を実質的に電気絶縁する。1次シールの内方縁部によって実質的に定められる第3の導電電極部分に近接して約400Å厚のクロムの反射材料が施工される。1次シールの内方縁部によって実質的に定められる反射材料に近接して約120Å厚のルテニウムの任意的なオーバーコートが施工される。脂環式アミン硬化剤と約155μmの実質的に球形のガラス球を有するエポキシを含む1次シール材料を設けて、第1及び第2の基板を共に離間した関係で固定してチャンバを形成する。引用により全体が本明細書に組み込まれ、譲受人によって譲受された多くの米国特許及び米国特許出願で教示されるように、実質的に剛性のポリマーマトリクスが、1次シール材料のプラグ開口部を介してチャンバ内の第1の導電電極部分と任意的オーバーコート材料との間に設けられる。このプラグ開口部は、紫外光硬化材料を用いて、第3及び第4の表面を介してプラグ底部を紫外光が照射することにより密封される。硬化1次シール材料とプラグ材料は、第4の表面に向いた要素を目視することにより検査される。粘度が約60cPの脂環式アミン硬化剤とタップ密度が約3g/ccで平均粒度が約9μmの銀フレークとを有する、粘度が約4000cPのビスフェノールFエポキシ樹脂を含む導電材料が、第2の接着促進材料部分、第3の導電電極部分、及び第1の電気クリップの間で1次シール材料の外方縁部に近接して施工される。これと同じ導電材料が、第1の接着促進材料部分、第4の導電電極部分、及び第2の電気クリップの間で1次シール材料の外方縁部に近接して施工される。両面感圧接着材料が電気クリップと第2の基板の第4の表面との間に設けられる。第1及び第2の電気クリップを配置した後に導電材料が硬化される。導電材料を施工する前に部分的に1次シール材料が硬化され、追加の1次シール材料硬化は、導電材料の硬化と同じにする。この硬化プロセスは、要素のそりを防止するのに有利であり、関連する接着、シール、及び導電特性全体を向上させる。
【0072】
この例示的なミラー要素の説明は、例証を目的として提供され、本発明の範囲をどのようにも限定するものと解釈すべきではない。本明細書を通じて説明するように、所与の要素及び関連のバックミラー組立体の個々の構成要素について多くの変形形態が存在する。
【0073】
高反射率のスペクトルフィルタ材料が第1の基板の第2の表面と1次シールとの間に適用される本発明の実施形態においては、特別に選定されたスペーサ材を使用してビード歪を排除するのが有利であることが証明されている。通常、ガラスビーズを1次シール材料に追加して、電気光学媒体を含むチャンバを形成する基板間の間隔を制御する。好ましくはほぼ球形のガラスビーズの直径は、望ましい「セル」間隔の関数である。
【0074】
これらのガラスビーズは、2つの透明基板、透明前部基板、及び表面3又は4上に位置決めされる反射体を有する電気光学素子のスペーサとして良好に機能する。また、これらのスペーサは、スペクトルフィルタ材料を第1の表面又は第1の基板内に有する素子において良好に機能する。しかしながら、スペクトルフィルタ材料を1次シール材料及び第2の表面に近接して適用したときに、クロムスペクトルフィルタ材料内のディンプル、すなわち小さな歪が典型的なガラススペーサビーズによって生成され、結果として得られるミラー要素のシール区域において可視である。これらのディンプルは、第3の表面反射体を有するミラー要素においても可視であるが、第4の表面に向いてミラー要素が見える場合にのみ見ることができる。反射体内のこれらの第3の表面のディンプルは、車両に設置して見たときには結果として得られるミラー要素では可視ではない。
【0075】
これとは対照的に、これらのディンプルは、スペクトルフィルタ材料が第2の表面に近接し且つ1次シール材料区域を覆うときに、結果として得られるミラー要素で容易に可視である。これらのディンプルは、少なくとも部分的にガラススペーサビーズに近接した高応力区域によって生成される。一般的に、1次シール材料は、実質的に剛性の熱硬化エポキシ樹脂を含み、脂環式アミン硬化剤を含むのが好ましい。エポキシ材料の硬化温度は、150℃を上回ることが多い。通常使用されるセラミックガラスビーズ(低熱膨張率)とエポキシ材料(高熱膨張率)との間では熱膨張に有意な差があることが多い。ガラススペーサビーズの少なくとも一部分は、シールが高温で固化し硬化したときに、基板の第2及び第3の表面に近接するそれぞれの材料スタックの上部材料と接触している。ミラー要素が次の1次シール材料硬化サイクルで冷却すると、シール材料は、スペーサビーズよりもはるかに大きく収縮し、ビーズ周囲に応力が発生して、歪んだ区域すなわちディンプルが基板スタック内に生じる。基板が1次シール材料と接触している表面上に反射体を含むとき、これらの歪み区域すなわちディンプルは視覚的に知覚できるものである。
【0076】
これらの歪み区域は、幾つかの方法で排除することができる。本質的に高応力区域を構成しないエラストマー性又は可撓性がより大きな1次シール材料を使用することができる。応力が生じたときにスペーサが撓むように圧縮性がより大きいスペーサを使用することができる。また、スペースが破断して1次シール材料硬化中に局所的に発生した応力を除去するように破断可能なスペーサを使用することができる。熱膨張に関係した応力を排除又は最小限に抑えることになる、硬化収縮の小さい室温又は低温硬化性シール材料を使用することができる。熱膨張においてより密接に適合するシール材料及びスペーサを使用して、熱膨張調整充填剤を含む、プラスチックスペーサビーズとプラスチックシール材料、セラミックスペーサビーズとセラミックシール材料、又はシール材料及び/又はスペーサビーズの熱膨張に関係した応力を排除し、又は最小限に抑えることができる。シール材料内のスペーサビーズは、適切な要素製造法を用いて要素ギャップ(「セル」間隔)が制御される場合には、全て一斉に排除することができる。例えば、電気光学媒体で溶解するPMMAビード又は繊維などの間隔媒体を1次シール内にある区域に適用し、1次シール材料硬化中に要素ギャップを制御することができる。また、シールが固化するまで要素基板を機械的に離間した状態に保持することができる。
【実施例1】
【0077】
スペーサ付き1次シール
熱硬化エポキシ樹脂のマスタバッチは、Dow 431エポキシノボラック樹脂96重量部、ヒュームドシリカ4重量部、2エチル4メチルイミダゾール4重量部を用いて行った。上記のマスタバッチの小部分に以下のスペーサ材を2重量部ずつ添加した。次いで、エポキシ混合物がクロム反射体と接触しているように、少量のエポキシ/スペーサの混合物を1インチx2インチx0.085インチ厚のクロムコーティングガラス片に載せた。1インチx2インチx0.085インチ厚のITOコーティングガラス片を上に置き、ガラス片がスペーサ材の底に達するようにガラスサンドイッチをクランプした。その後、要素を約180℃で約15分間硬化させた。その後、要素が室温に戻ると、表面2上にあるかのようにクロムに向いているディンプルがないか目視検査した。
【実施例2】
【0078】
1次シール材料
実施例1の熱硬化エポキシと140μmのガラスビーズを用いて、非常に厚いディンプルのパターンが可視になった。
【実施例3】
【0079】
1次シール材料
実施例1の熱硬化エポキシとプラスチックビーズ(Techpolymer、Grade XX−264−Z、180μm平均粒度、セキスイプラスチックス株式会社、日本国東京)を用いてディンプルのパターンが可視でなくなった。
【実施例4】
【0080】
1次シール材料
実施例1の熱硬化エポキシとプラスチック繊維(Trilene、450μm長に切断した140μm径単繊維、アイオワ州スプリングレーク、バークレー)を用いて、ディンプルのパターンが可視でなくなった。
【実施例5】
【0081】
1次シール材料
実施例1の熱硬化エポキシと中空セラミックビーズ(Envirospheres、165μm平均粒度、Envirospheres PTY Ltd.、オーストラリア国リンドフィールド)を用いて、ごく僅かであるが許容可能なディンプルが可視になった。
【実施例6】
【0082】
1次シール材料
室温で硬化したエポキシを用いると、ディンプルのパターンは室温で1週間後には可視でなくなった。
【実施例7】
【0083】
1次シール材料
紫外線硬化性接着材料に添加したガラスビーズ(140μm)を2重量部(コネチカット州トリントンのDymax Corporation製Dymax 628)と接着剤とを用いて上述したように2つのガラス基板間で圧縮し、ごく僅かであるが許容可能なディンプルが可視になった。この接着剤は、室温で紫外線硬化させたものである。
【0084】
図7a−図7nを参照すると、第2及び第3の表面の導電電極部分705、710の特定の部分に選択的に接触するための様々な選択肢が示されている。理解できるように、例5の構成では、第2及び第3の表面の導電電極部分の少なくとも一部に接触する導電材料をもたらす。
【0085】
図7aに示す要素構造は、第2の表面材料スタック708aを有する第1の基板702aと、第3の表面材料スタック722aを有する第2の基板712aとを含む。第3の表面材料スタックは、導電エポキシ748aに接触している第3の表面材料スタックの部分が、第3の表面材料スタックの残りの部分と絶縁されているように絶縁区域783aを有して示されている。第1及び第2の基板は、1次シール材料778aを介して互いに対して離間した関係で保持されている。要素の別の側部は、視域内の第3の表面材料スタックとの接触を可能にする第2の表面材料スタックに関連する類似の絶縁区域を有することができる点を理解されたい。材料の第2又は第3の表面スタックは、本明細書の他の場所、及び引用により本明細書に組み込まれる参照文献で説明されるような材料の単一の層とすることができることを理解されたい。
【0086】
図7bに示す要素構造は、第2の表面材料スタック708bを有する第1の基板702bと、第3の表面材料スタック722bを有する第2の基板712bとを含む。第1及び第2の基板は、1次シール材料778bを介して互いに対し離間した関係で保持されている。導電性エポキシ748bは、第3の表面材料スタックと接触し、絶縁材料783bを介して第2の表面材料スタックと電気絶縁されている。要素の別の側は、視域内の第3の表面材料スタックとの接触を可能にする第2の表面材料スタックに関連する類似の絶縁区域を有することができる点を理解されたい。材料の第2又は第3の表面スタックは、本明細書の他の場所、及び引用により本明細書に組み込まれる参照文献で説明されるような材料の単一の層とすることができることを理解されたい。
【0087】
図7cの要素は、第2の表面材料スタック708cを有する第1の基板702bと、第3の表面材料スタック722cを有する第2の基板712cとを含む。第1及び第2の基板は、1次シール材料778cを介して互いに対して離間した関係で保持されている。第2の表面材料スタックは、第1の導電性エポキシ又は第1の半田748c1と電気的に接触しているように1次シール材料を超えて第1の基板の縁部に向かって延びている。第3の表面材料スタックは、第2の導電性エポキシ又は第2の半田748c2と電気的に接触しているように1次シール材料を超えて第2の基板の縁部に向かって延びている。要素の別の側は、視域内の第3の表面材料スタックとの接触を可能にする第2の表面材料スタックに関連する類似の絶縁区域を有することができる点を理解されたい。第2又は第3の表面材料スタックは、本明細書の他の場所、及び引用により本明細書に組み込まれる参照文献で説明されるような材料の単一の層とすることができることを理解されたい。
【0088】
図7dは、第3の表面の電気接点478d2とは要素の反対側に形成された第2の表面の電気接点748d1を示す。図7eは、要素の一方の側面に形成される第2の表面の電気接点748e1と、要素の端部に形成される第3の表面の電気接点とを示す。図7fは、要素の片側で且つ一方端と連続的に形成される第2の表面の電気接点748f1と、要素の反対側で且つ反対の端部と連続的に形成される第3の表面の電気接点748f2とを示す。図7gは、要素の両側に形成される第2の表面の電気接点748g1と、要素の端部上に形成される第3の表面の電気接点748g2とを示す。図7hは、要素の両側上に形成された第2の表面の電気接点748h1と、要素の両端に形成された第3の表面の電気接点748h2とを示す。図7iは、要素の両端と片側に連続的に形成される第2の表面の電気接点748i1と、要素の片側に形成される第3の表面の電気接点784i2とを示す。少なくとも1つの実施形態において、より長い電気接点がシート抵抗の最も高い材料スタックの表面に対応することを理解されたい。電気接点は、導電性エポキシ、半田又は導電接着剤を介したものとすることができる点を理解されたい。
【0089】
図7jは、第2の表面材料スタック708jを有する第1の基板702jと、第3の表面材料スタック722jを有する第2の基板712jとを含む要素を示す。第1及び第2の基板は、周辺の第1及び第2の1次シール748j1、748j2を介して互いに対して離間した関係で保持されている。第1の1次シールは、第2の表面材料スタックと電気的に接触するように機能し、第2の1次シールは、第3の表面材料スタックと電気的に接触するように機能する。第1及び第2の1次シールは、互いに対して離間した関係で第1及び第2の基板を保持し、両方の1次シールは、実質的に各基板縁部の外側にあるのが好ましい。
【0090】
図7kを参照すると、バックミラー要素の一部の外形図が、第2の表面上に堆積されたほぼ透明な導電性材料の少なくとも1つの層708kを有する第1の基板702kと、チャンバを間に形成するように1次シール材料778kを介して互いに対して離間した関係で固定された第3の表面上に堆積された材料スタックを有する第2の基板712kとを含んで示されている。少なくとも1つの実施形態では、電気光学媒体710kは前記チャンバ内に配置される。少なくとも1つの実施形態においては、第3の表面材料スタックは、下層718k、導電電極層720k、金属層722k、及び金属層と1次シール材料の下にある重なり部分783kを有する導電性タブ部分782kを含む。導電性タブ部分782kは、金属コーティング722kを覆って堆積されて重なり部を生成することができることに留意されたい。少なくとも1つの実施形態においては、下層は、二酸化チタンである。少なくとも1つの実施形態においては下層は使用されない。少なくとも1つの実施形態においては、導電電極層は、イリジウム−スズ−酸化物である。少なくとも1つの実施形態においては、導電電極層は省略される。少なくとも1つの実施形態においては、導電電極層は省略され、下層は、二酸化チタン又は炭化ケイ素などの比較的屈折率が高い(すなわちITOより高い屈折率)他のほぼ透明な材料である。少なくとも1つの実施形態においては、導電性タブ部分はクロムを含む。導電性タブ部分は、ガラスに良好に接着し、車両ミラー試験条件下で耐食性がある任意の導電性材料を含むことができることを理解されたい。理解されるように、第3の表面材料スタック又は腐食を受け易いスタック内の少なくともこうした層が、1次シール材料の外縁部によって定められる区域内に保持されるときは、要素は、第3の表面の腐食に伴う問題には実質的に影響されない。腐食を受け易い1つ又は複数の層は、導電エポキシ又はオーバーコート層などの保護オーバーコート又は封止剤が組み込まれる場合に、1次シール材料を超えて延びることができることを理解されたい。第1、第2、第3及び第4の表面層又は材料スタックのいずれもが、本明細書又は引用により本明細書の他の場所に組み込まれる参照文献で開示されるようなものとすることができることを理解されたい。導電性タブ部分は、導電電極にわたって導電率を向上させるものであり、導電電極層が十分な導電率を備えている限り、導電性タブ部分は任意的なものであることを理解されたい。少なくとも1つの実施形態においては、導電電極層は、望ましい導電率をもたらすのに加え、対応する反射光線の望ましい固有の色特性を与える。従って、導電電極を省いた場合、色特性は下層材料の仕様により制御される。
【0091】
図7lを参照すると、バックミラー要素の一部の外形図が、第2の表面上に堆積されたほぼ透明な導電性材料の少なくとも1つの層708lを有する第1の基板702lと、チャンバを間に定めるために1次シール材料778lを介して互いに対して離間した関係で固定された、第3の表面上に堆積された材料スタックを有する第2の基板712lとを含んで示されている。少なくとも1つの実施形態においては、電気光学媒体710lは、前記チャンバ内に位置する。少なくとも1つの実施形態において、第3の表面材料スタックは、下層718lと、導電電極層720lと、金属層722lと、金属層と、1次シール材料の下にある導電性タブ部分とを含む。少なくとも1つの実施形態においては、金属層と導電性タブ部分との間に空隙区域783lが定められ、導電電極は、その間に電気的導通をもたらす。少なくとも1つの実施形態においては、下層は二酸化チタンである。少なくとも1つの実施形態においては、下層は使用されない。少なくとも1つの実施形態においては、導電電極層は、イリジウム−スズ−酸化物である。少なくとも1つの実施形態においては、導電性タブ部分はクロムを含む。導電性タブ部分は、ガラスに良好に接着し、車両ミラー試験条件下で耐食性のある任意の導電性材料を含むことができることを理解されたい。理解されるように、第3の表面材料スタック又は腐食を受けやすいスタック内の少なくともこうした層が、1次シール材料の外縁部によって定められる区域内に保持されるときは、要素は、第3の表面の腐食に伴う問題には実質的に影響されない。第1、第2、第3及び第4の表面層又は材料スタックのいずれもが、本明細書又は引用により本明細書の他の場所に組み込まれる参照文献で開示されるようなものとすることができることを理解されたい。
【0092】
図7mを参照すると、バックミラー要素の一部の外形図が、第2の表面上に堆積されたほぼ透明な導電性材料の少なくとも1つの層708mを有する第1の基板702mと、チャンバを間に定めるために1次シール材料778mを介して互いに対して離間した関係で固定された、第3の表面上に堆積された材料スタックを有する第2の基板712mとを含んで示されている。少なくとも1つの実施形態においては、電気光学媒体710lは、前記チャンバ内に位置する。少なくとも1つの実施形態においては、第1の金属層718mは、実質的に第3の表面全体を覆うように堆積される。少なくとも1つの実施形態においては、第2の金属層720mは、第2の金属層の外縁が、1次シール材料778mの外方縁部によって定められた区域内に位置するように第1の金属層を覆って堆積される。少なくとも1つの実施形態においては、第1の金属層は、クロムを含む。少なくとも1つの実施形態においては、第2の金属層は、銀又は銀合金を含む。第1、第2、第3及び第4の層又は材料スタックのいずれもが、本明細書又は引用により本明細書の他の場所に組み込まれる参照文献で開示されるようなものとすることができることを理解されたい。
【0093】
図7nを参照すると、第2の基板712nは、実質的に光センサー又は情報ディスプレイの前方にアイホールを有する材料スタックを含むように示されている。少なくとも1つの実施形態においては、第1の金属層718nには、アイホール区域内に空隙区域が設けられている。少なくとも1つの実施形態においては、第2の金属層720nには、アイホール区域内に空隙区域が設けられている。少なくとも1つの実施形態においては、第3の金属層722nが設けられている。少なくとも1つの実施形態においては、アイホール区域においては第3の金属層のみが堆積されている。少なくとも1つの実施形態においては、第1の金属層はクロムを含む。少なくとも1つの実施形態においては、第2の金属層は銀又は銀合金を含む。少なくとも1つの実施形態においては、第3の金属層は、薄い銀、クロム又はクロム合金を含む。第1、第2、第3及び第4の表面層又は材料スタックのいずれもが、本明細書又は引用により本明細書の他の場所に組み込まれる参照文献で開示されるようなものとすることができることを理解されたい。
【0094】
第1の表面導電電極に近接したスペクトルフィルタ材料715を他の導電電極部分と電気絶縁することができる1つの方法は、図7bに示すように、スペクトルフィルタ材料の少なくとも一部を有機又は無機絶縁材料でオーバーコートすることによるものである。
【0095】
クロム金属などのスペクトルフィルタ材料がコーティング作業(真空スパッタリング、蒸着などによる)においてマスクを通じて第2の表面の透明導体上に適用されるとき、同じプロセスでマスクを通じて非導電コーティングを施工し、導電シール区域内において第2の表面導電電極を第3の表面導電電極から電気絶縁することができる。
【実施例8】
【0096】
絶縁材料
クロムなどの接着促進材料を覆うことが多いクロム、モリブデン、ステンレス鋼、又はアルミニウム、ロジウム、白金、パラジウム、銀/金、ホワイトゴールド、及びルテニウムなどの金属、金属合金、金属層、金属合金層、又はその組合せを含むスペクトルフィルタ材料は、シール区域を覆うために透明導体(ITOなど)の上にマスクを通じて真空蒸着される。シリコン、二酸化ケイ素、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、又は酸化イットリウムなどの絶縁材料を金属層を覆うようにマスクを使用して施工し、望ましいスペクトルフィルタ材料区域を他の導電部分から電気絶縁することができる。この電気絶縁材料は、スペクトルフィルタ材料又は電気導通が望ましい取り込み/導電率促進材料の部分には施工されず、又は除去されない。
【0097】
ベゼルを小型化するか又は不要にする1つの方法は、導電材料を電気的バスの一部として用いて第1及び第2の基板の周縁部間に実質的にオフセットが無い状態で要素を形成することである。好ましい導電材料を使用するために、第2及び/又は第3の表面上の導電性材料の一部の絶縁を行う必要がある。第2及び第3の表面は、各表面の一部分が重なりの無い区域で絶縁されていない場合には、導電材料により互いに短絡することになる。第3の表面は、要素の片側で電気絶縁することができ、第2の表面は、要素の反対側又は隣接する側で電気絶縁されることになる。レーザを用いて、導電性材料を望ましい区域から除去するのが好ましい。レーザの分離は、導電材料と要素の視覚活性区域との間に位置するのが好ましい。分離区域は、アノードとカソードとが同じ表面上に共存せず、電気光学媒体と接触していないような位置であることが更に好ましい。アノードとカソードが隣接する表面に付加されて同じ表面上に位置するときに、ゆっくりと消える残留色が分離区域に沿って存在することになる。更に、第2の表面と第3の表面上のアノードがシールと分離区域との間にある状態では、アノードによって生成される色は、1次シール材料と分離区域との間で可視である。同様に、カソードの位置が1次シール材料と分離区域との間で第3の表面及び第2の表面上にある場合、カソードによって生成された色は、分離区域と1次シール材料との間で正面から可視である。
【0098】
観察者と1次シール材料との間にスペクトルフィルタ材料を有するミラー要素において、分離区域を組み込むことができる。スペクトルフィルタ材料が第1の表面上にある状態では、ミラー要素は、スペクトルフィルタ材料を含まない要素に関して説明したものとほぼ同じものになる。分離区域は、第1の表面を見たときに可視ではない。スペクトルフィルタ材料が第2の表面に近接しているときには、分離区域は第1の表面を見るときに可視である。
【0099】
典型的なレーザ定義分離区域は、幅が0.005から0.010インチの間である。分離区域を0.002から0.004インチ幅にすることによって、はるかに目立たなくなる。運転者が実質的に知覚できないように0.002インチ未満の絶縁線であることが更に一層好ましい。コーティング堆積中のマスキング、媒体ブラスト、レーザアブレーション、機械的摩耗、化学エッチング、又は当該技術分野で公知の他のエッチング法を含む様々な手法を用いて材料を除去し、絶縁線を生成することができる。化学、反応イオン、又は他のエッチング法と組合せたフォトリソグラフィでは、幅1μm未満の絶縁線を生成することができる。また、合焦させるレーザ波長が短い程、生成するスポットをより小さくすることができる点に留意されたい。これにより、絶縁線をより狭く且つ目に見えないものにすることが可能となる。絶縁線がより狭くなる程、第1及び第2の導電部分間を完全に絶縁することがますます困難になる可能性がある。2つの導電部分間の抵抗は、抵抗計を用いて容易に測定することができる。一般的な電気光学ミラー要素の場合、この抵抗は30オームより大きいことが好ましい。この抵抗は100オームより大きいことが更に好ましい。完全に電気絶縁することが最も好ましい。分離区域は、1次シール材料区域内に位置し、大きな電気接触区域を形成するように要素の長さを延長するのが好ましい。分離区域が1次シール材料区域を覆って位置する場合、シールの色又は透明度を調整して、分離区域を隠すのを助けることができる。この分離区域をミラー要素上のアートワーク又はテキストに組み込むことができる。分離区域をミラー要素の免責条項、社章、又は他のグラフィック及び/又はテキストに組み込むことができる。レーザ線をスペクトルフィルタ材料の内縁部に沿って位置決めすることができる点を理解されたい。この構成においては、レーザ線の大部分は、レーザ線がスペクトルフィルタ材料の縁部と一致するので可視ではない。一部の残留色は同じ基板上の電気光学媒体を除去した後にも存在するが、有色区域の大部分は、スペクトルフィルタ材料の後部に隠れて見えない。可視である唯一のレーザ線部は、2つの箇所で縁部近傍のスペクトルフィルタ材料を通して形成された短い線セグメントである。
【0100】
また一般的には、ミラーの区域内のレーザアブレーション線などの電極絶縁線をミラーの指定視野外に位置付けることが望ましい。米国、欧州及び他の諸国において、ミラー内で見えなければならない車両の側面及び後部に対する最小区域についての法的ガイドラインがある。この区域は、ミラー表面及び運転者に見えなければならないその投影の境界内にある物体に投影させることができる。この投影は、一般に三角形の形状を取り、投影のサイズは、ミラー表面が平面か曲面であるかに応じて拡大又は縮小することができる。図2aは、ベゼル付きの左外側エレクトロクロミックミラーの一般的な特定最小視野投影の形状(点線211aで識別される)を詳細に示している。ベゼル区域は反射性がないので、ミラーの視野内に含めることはできない。しかしながら、このベゼル区域は、表面2上の金属リングなどのスペクトル的に反射性のコーティングで覆うことができる。この反射性リングの反射率が特定の国の最小反射率規格に適合する程十分に高い反射率である限り、この区域を視野と考えることができる。次いで、上述のように、同じ特定の視野を維持しながらミラーをベゼル幅でより小さくすることができる。同様に、あらゆる可視の絶縁線をミラーの特定視野の投影外に配置するのが好ましいであろう。
【0101】
導電材料を絶縁する別の方法は、真空蒸着誘電インク又は非導電エポキシ又は他の樹脂の薄層など、導電材料と絶縁されることになる面との間に導電層を用いることである。第1の表面に向いた分離区域は可視ではないので、第3の表面に近接した分離区域を利用することが望ましいであろう。非導電材料を第2の表面上で使用することにより、第1の分離区域は不要である。これは、第2の表面がスペクトルフィルタ材料を有するときに特に望ましい。非導電エポキシを薄化することによって、極めて薄い層を得ることができる。これは、導電材料を適用するためには十分な区域を設ける必要があるので重要なことである。好ましくは非導電エポキシは、フラッシュ硬化されるだけである。例えば、非導電エポキシを85℃オーブンに約2分間入れる。非導電エポキシが完全に硬化して1次関連スペーサビーズに接触している区域を部分的に覆っている場合、望ましくない不均一なセル間隔が生成される可能性がある。非導電材料を完全には硬化させないことで、スペーサビーズが最終硬化中により容易に層に浸透するが、セル間隔には影響を与えない。
【0102】
第2の表面スペクトルフィルタ材料を有する電気光学ミラー要素の第3の表面に対する外部電気接続は、1次シール材料区域の下で且つ第2の基板の周縁部を覆って第3の表面導電電極の少なくとも一部を延ばすことによって行うことができる。ガラス片の縁部を覆ってコーティングされると(真空スパッタリングによってなど)、コーティングの導電率は、鋭利な縁部又は粗い表面にわたって低下する傾向があり、また、このコーティング法は、一般的には、ガラスの側面又は縁部に耐久性のあるコーティングをもたらすものではない。導電率を低下させることなくこれを行うためには、基板隅部及び/又は縁部上の良好な継ぎ目又は研磨は、第3の表面から縁部への円滑な移行を可能にするのに効果的である。磨かれていない粗い研磨面は、通常の第3の表面コーティングの厚みでは導電率が低い。面及び第3の表面から縁部への移行が滑らかな程、導電率が良好になる。また、コーティングプロセス中にガラス縁部をコートするために取り付けられるスパッタターゲットは、コーティングをより均一で耐久性のあるものにするのに効果的である。
【0103】
コーティングをガラス縁部全体にわたり且つミラー要素の裏側まで拡張させ、第3の表面との電気接続をミラー要素の裏側で行うことができるようにすることが考えられる。反射率第3の表面は、一般的に第2の表面導電電極よりも導電性があり、従って、導電材料は不要とすることができる。従って、1次シール材料を基板縁部まで分配することができる。第3の表面材料を縁部まで延長するのは、片側のみとすることができる。反対側の基板は、可視ではないので、第3の表面に対して分離区域及び導電材料を含むことができる。
【0104】
第3の表面材料が基板縁部に拡張された状態では、クリップ部は第2及び第3の表面間に挿入させる必要がないので、Jクリップの代わりにLクリップを使用することができる。Lクリップは、縁部の導電部分に接触する程度の長さがあるだけでよい。導電エポキシを使用して、縁部の第3の表面材料をLクリップに接合することができる。感圧接着剤をLクリップの裏側に使用して、これを第4の表面に固定することができる。或いは、半田をミラー縁部又は裏側のコーティングに直接適用することができる。1つの実施形態においては、半田は、接点及び導電バスシステムの両方として使用することができる。
【0105】
基板縁部上に拡張した第3の表面材料に外部的に電気接続をする1つの利点は、導電性材料が最早1次シールに隣接している必要がなく、第1又は第2の表面上のフィルタ材料を狭くすると同時に依然として1次シールを覆うことができることである。一般的なスペクトルフィルタ材料は、幅が4mmから8mmまで変動する可能性があるが、この幅を4mm未満に低減することは外観が良い場合がある。1次シールの幅を小さくすると、スペクトルフィルタ材料の幅も小さくすることができる。上記で開示された組み付け及びシール技術を用いれば、1mm未満のスペクトルフィルタ幅を可能にする1mm未満まで1次シールの幅を小さくすることが可能である。
【0106】
第2の表面から絶縁された第3の表面に電気接続する別の方法は、導電インク又はエポキシを用いて第3の表面を縁部に接続することである。導電インク又はエポキシを薄化して基板の縁部に適用すると、第2の表面に接触することなく第3の表面に接触する。この薄肉化された導電エポキシにより、ミラー要素の縁部又は裏面で接触が行われるように導電経路を施工することができる。Lクリップを適用して接触させ、所定の位置に硬化させることができる。感圧接着剤を使用して、硬化中にLクリップを所定の位置に固定し、ワイヤ接続により歪除去をもたらすことができる。
【0107】
金属上の環境の腐食作用を最小限に抑えることができる場合には、極めて薄い金属膜又は箔を使用して、導電接着剤又はバスとの安定した相互接続を確立させることができる。プラスチック箔上でのこの金属箔又は金属膜をJクリップの形状又は他の望ましい形状(高価な成形ダイを必要とせず)に一致させて、感圧接着剤などの接着剤で基板に接着することができる。プラスチック箔上のこの金属箔又は金属膜は、一端が前部及び/又は後部電極と接触する導電バスと接触するようなサイズに切断され、且つEC要素基板に適用される接着テープのロール形式とすることができる。スペード型コネクト又はワイヤは、半田付け又は導電接着剤などの従来の方法で金属箔又は膜の他端に取り付けることができ、又は、金属箔又はテープの他端は、プリント回路基板などのEC要素の電圧源に直接接続することができる。
【0108】
成形可能接点の少なくとも1つの実施形態は、剥離ライナ(製品:9495 200MPシリーズ接着剤 3M社、ミネソタ州ミネアポリス)で0.002インチアクリル両面接着テープに積層した0.001インチパラジウム箔(Aldrich chemical、ウィスコンシン州ミルウォーキー)を含む。金属箔テープは、エレクトロクロミック素子に適用するために許容可能なサイズに切断することができる。また、プラスチック箔テープ上の金属箔又は金属膜は、必要であれば、ある形又は形状に予め切断することができる。
【0109】
成形可能接点の少なくとも1つの実施形態は、プラスチックフィルムから形成し、金、銀、チタン、ニッケル、ステンレス鋼、タンタル、タングステン、モリブデン、ジルコニウム、上記の合金、或いは塩水噴霧腐食に耐性のある他の金属又は金属合金といった金属で金属被覆することができる。同様に、パラジウム、或いはロジウム、イリジウム、ルセニウム、又はオスミウムなどの他の白金族金属を使用することができる。
【0110】
成形可能接点の少なくとも1つの実施形態は、クロム、及びロジウム、インジウム、ルセニウム、又はオスミウムをベースとする何らかの白金族金属でコーティングし、次いで銀、金、又はその合金の層でコーティングした0.002インチポリイミドテープ(#7648A42 McMasterCarr、イリノイ州シカゴ)を含むポリマーキャリアを使用する。このシステムは、半田付け可能であり、1つの基板表面から別の表面にガラスエッジの周りに巻きつけるのに十分な可撓性を有する。
【0111】
導電材料コーティングポリマーフィルムの少なくとも1つの実施形態は、フレキシブル回路産業向けに製造されるものである。少なくとも1つの実施形態においては、Sheldahl(ミネソタ州ノースフィールド)では、ポリイミド(Kapton)と、ITO、アルミニウム、銅、及び金でコーティングしたポリエステルフィルムとの組合せを製造している。ベースメタルでコーティングしたポリイミドテープを様々な金属又は合金でメッキ又はコーティングし、耐久性及び/又は半田付け性を向上させることができる。これらのフィルムは、接着剤をコーティングすることができ、或いは上述のように両面テープに積層することができる。この金属被覆箔は、ガラス縁部周りに曲がり、良好な導電率を維持することができる。
【0112】
繊維状基板を用いる少なくとも1つの実施形態は、繊維支持体上に置いた溶剤型インクからなる。この導電インクは、メチルカルビトル(Aldrich、ウィスコンシン州ミルウォーキー)10部、ビスA−エピクロロヒドリンコポリマー(Aldrichミルウォーキー、WI)2部、LCP1−19VSの銀エポキシフレーク88部からなる。導電インクは、ガラス、金属、又はセルロースからなるものなどの繊維性材料に適用することができる。このシステムを十分に加熱して溶剤を蒸発させる。次いで、この導電性及び/又は可撓性の成形可能接点を一方の表面に付加し、別の表面の周りに巻き付ける。
【0113】
ポリマー成形可能接点の少なくとも1つの実施形態では、金属を保護し、又は金属色を隠し、又はガラス縁部の外観に対して魅力的な別の色を与える構造機構が組み込まれている。この構造により、外側にポリマーフィルム、続いて内側に金属コーティング、次いで内側に接着剤が組み込まれることになる。このシステム内の金属コーティングは、ガラス内側の導電面の1つと接触するための露出縁部を有する必要がある。この端部との接触は、塗布導電接着剤、半田、又は安定電気接点を形成する他の方法で行うことができる。反対側端部は、導電接着剤、半田、又は他の機械的手段で接触することができる。
【0114】
導電ポリマー又は複合材料の導電率に関しては、導電ポリマー又は複合材料の導電率を説明する種々の方法がある。等方性及び異方性導電接着剤に関わる当業者は、抵抗測定に4ピンプローブを一般に使用している。導電接着剤の分野における一般的な測定単位は、オーム/平方/ミルである。この測定値は、幅の係数であるばかりでなく厚みの係数としても表される。この測定値は、非導電基板上で行ったときには、金属又は炭素又は金属酸化物導電粒子充填エポキシなどの導電ポリマー又は複合材料の線形導電率を表す。
【0115】
バスとしての用途での導電ポリマーの有効性を判断する別の方法は、分離された導電パッドを利用し、導電ポリマーを用いてこれら分離パッドをブリッジすることである。この試験を行う特定の方法は、レーザアブレーション、物理的スコアリング、又は化学的除去でガラス上の導電コーティングを分離することである。未硬化の導電ポリマーを付加して導電パッドをブリッジし、電流経路が複数の接点境界を通る必要があり、それでもブリッジを互いに短絡させないように自己絶縁されるようにする。抵抗値の読み取りは、クーポンの両端部で行われる。
【0116】
オーム/sp/mil法で測定した高導電率を有する全ての導電ポリマーが、エレクトロクロミック素子で使用される電極表面との適切な界面電気接点を有するわけではない。ITO電極を隔離導電パッドとして使用する上記のクーポンに基づくと、許容可能な抵抗は、1000オーム未満となる。より好適な抵抗は、500オーム未満であり、更により好適な抵抗は、200オーム未満である。
【0117】
導電ポリマー構成要素の選択を通じてこの界面導電率に影響を与える種々の方法がある。金属粉体又はフレークの形状は、界面接点に影響を与える可能性がある。接着剤もまた、界面接点に影響を与える可能性がある。結合剤、硬化触媒又は架橋剤、エポキシ樹脂システム、及び銀エポキシを処理する方法は、隣接する導電面との電気接点を形成する導電ポリマーの能力に影響を与える可能性がある。
【0118】
少なくとも1つの実施形態においては、銀エポキシは、ヘキサヒドロフタル酸無水物(Aldrich、ウィスコンシン州ミルウォーキー)3部、アニリングリシジルエーテル(Pacific Epoxy Polymers)2.14部、ベンジルジメチルアミン(Aldrich chemical、ウィスコンシン州ミルウォーキー)0.1部、銀フレークLCP1−19VS(Ames 金smith、ニューヨーク州グレンズフォールズ)23.9部で構成される。オーム/平方/ミルによる導電率測定を用いて試験した結果は、許容可能なものである(約0.020 オーム/sq/ミル)。
【0119】
別の実施形態においては、米国特許第6,344,157号及び米国特許第6,583,201号では、腐食防止剤、脱酸素剤又は導電接着剤に使用される金属キレート剤の使用が開示されている。
【0120】
場合によっては、添加剤を銀エポキシに添加し、導電率を安定化又は改善させることができる。少なくとも1つの実施形態においては、銀エポキシは、ビスフェノールFエポキシ樹脂(Dow Corporation、ミシガン州ミッドランド)3.4部、(エアプロダクトアンドChemical、ペンシルバニア州アレンタウン)1.1部、銀フレーク(Ames 金smith、ニューヨーク州グレンズフォールズ)20.5部、及びジエタノールアミン(Aldrich、ウィスコンシン州ミルウォーキー)0.03部で構成される。結果は、導電率(約0.020オーム/sq/ミル)及び界面接触(約190オーム)について許容可能である。
【0121】
本特許の他の場所で述べるように、スパッタ又は真空処理による金属コーティングはシール部を越え、電気接続部として使用されるガラス縁部を覆って延びることができる。金属コーティングは、上述した耐食金属の基準に適合する必要がある。このコーティングとの電気接続は、バネクリップで行うことができ、又は半田を金属コーティングに直接施工することができる。
【0122】
ガラス上の半田可能な金属コーティングの少なくとも1つの実施形態において、クロムを下層としてコーティングし、次いで、ロジウム、イリジウム、パラジウム、ルテニウム、又はオスミウムなどの何らかの白金族金属、又は銅、銀、又は金でコーティングし、或いは、上記の合金をスズ/鉛含有半田を用いて半田することができる。
【0123】
別の実施形態においては、クロムを下層としてコーティングし、次いで、ロジウム、イリジウム、パラジウム、ルテニウム、又はオスミウムなどのいずれかの白金族金属でコーティングし、次に、銅、銀、又は金でコーティング適用するか、或いは上記の合金は、スズ/鉛含有半田を用いて半田することができる。
【0124】
現行の自動車構造においては、半田などの鉛ベースの成分の使用に対する制限がある。銀、ビスマス、スズ、亜鉛、銅及び/又はアンチモンを含むスズ/亜鉛 スズ/銀、インジウムベース半田などの他の半田、銀半田、又は他の非鉛含有合金を半田材料として使用することができる。利用することができる半田システムは、誘導加熱、IR加熱、超音波、ウェーブ半田付け、又は半田ごてである。
【0125】
導電エポキシに対する電気相互接続部として薄い共形の導電性バスクリップ材料を有することの別の利点は、特に第1の要素が第2の要素よりも大きい場合に第1の基板の反射における歪を低減することである。歪は、高温シール硬化、及びシールと導電クリップとの間の熱膨張率の差の結果として生じる可能性がある。特により可撓性の基板を使用したときには、クリップ材料が肉厚になる程、より大きな歪が見られる。クリップ材料が薄くなる程、ミラーの裏面まで第3の表面の周りに巻くのに使用される場合に目立たなくなる利点がある。これは、クリップが巻かれるポイントで第1及び第2の要素が位置合わせされるときに特に該当する。第1の要素が第2の要素を過ぎて延びると、クリップを完全に見えないように隠すことができる。
【0126】
(実施例)
エレクトロクロミックミラーを前部及び後部の要素の両方について平坦な1.6mm厚のガラスで作製した。前部要素は、3つの側面で0.040インチより大きく(オフセット)切断した。内方側(運転者に最も近い側)には、部品の充填及び閉塞を容易にするためオフセットはなかった。002インチ厚の感圧接接着剤を有する0.001インチx0.5インチx0.75インチの銀箔を第2の要素の頂部と底部とに施工した。共形導体が0.0010インチから0.030インチの表面3に接触し、次いで、第4の表面に巻き付けた。次に、1次シール材料を第1の要素の周辺部周りに分配し、3つの側面上のオフセットが約0.040インチ、シール材料と第1の要素の第2の表面の頂部及び底部縁部の両方のガラス要素の縁部との間に0.040インチを残した。次いで、第2の要素を第1の要素に取り付け、要素間で0.006インチの空間を残した。シール材料を硬化させ、これらの要素をこの離間した関係で固定した。1次シールの硬化後、導電エポキシを部品の頂部及び底部の縁部から部品内に注入することによって、共形の導体の第3の表面部分を封入して該第3の表面部と電気的接触を形成した。1次シール及び導電シールを分配する方法は、同時に両方のエポキシを分配する二重分配システムによって迅速且つ容易に行うことができる点に留意されたい。次いで、導電エポキシを硬化させた。共形導体全体に第1の表面反射の歪がないかミラーを検査したところ、歪は見つからなかった。0.003インチ厚のニッケル又はステンレス鋼又は銅クリップを用いて同様のミラーを構成すると、クリップの真上の区域で第1の表面周辺部近傍に視角歪を認めることができる。
【0127】
本特許の他の場所で言及するように、第2及び第3の表面の導電電極に対する電気接点を確立させるには、通常、幾つかの個別設計上の構成要素の調整を必要とする。図8aから図8iを参照すると、電気クリップの様々な選択肢が示されている。電気クリップの配置については、導電材料と合わせて本明細書全体を通じて検討される。
【0128】
好適な導電材料は、27.0gのDow354樹脂−ビスフェノールFエポキシ機能性樹脂を含む。粘度は、好ましくは〜4000cP 9.03gのAir Products Ancamine 2049−脂環式アミン硬化剤である。粘度は、好ましくは〜60cP、164gのAmes 金smith LCP 1−19VS銀−タップ密度〜3g/ccの銀フレーク、平均粒度〜6ミクロンである。
【0129】
本明細書で説明するように、少なくとも1つの実施形態は、要素の周辺部を囲む周囲材料を含む。好適な周囲材料は、120gのある充填剤(すなわち、Ames 金smithから販売されている0.40gの6−24銀フレーク、1.00gの銀コーティングガラスフレーク(すなわち、Potters industriesから販売されているConduct−o−fil)、12.0gのSchott glassから販売されている粉砕SK−5ガラス充填剤、又は粉砕して粉体にし、325メッシュでふるい処理したその組合せ)を添加したDymax 429を含む。幾つかの手法を用いてこの材料をミラー縁部に適用することができる。1つの手法は、この材料を針(〜18ゲージ)付きの30cc注射器に装填することである。針は、要素がロボットアーム又は他の機械装置で機械式に回転されている間にこの要素の縁部上に周囲材料を空気圧(<50psi)で分配するように、垂直位置に向けることができる。その後、適用した縁部材料を紫外光で硬化させることができる。20秒以下で完全な硬化を達成することができる。また、ロボットを利用すると硬化中に部品を回転させて垂れを防止することができる。
【0130】
周囲材料の目的は、バス構成要素を保護し、導電材料、クリップ、シール、ガラス縁部などの可視構成要素を隠し、ガラスの切断縁部を保護し、ミラー要素の魅力的な視覚的外観をもたらすことである。またこれは、従来のプラスチック製ベゼル、グロメット、エラストマーベゼルなどを用いて達成することができる。
【0131】
多くの異なる材料(エポキシ、シリコーン、ウレタン、アクリラート、ゴム、ホットメルトなど)及び硬化メカニズムをこの縁部処理に用いることができる。好適な硬化法は、紫外線照射である。紫外線照射に部分的に不透明な充填剤、染料、又は顔料を使用した場合、紫外線熱硬化の組合せを用いることができる。ガラス又は反射性の銀などの充填剤は、透過、散乱、又は内部反射による紫外光の透過を助け、良好な硬化深度を得るのに好適である。周囲材料は、灰色又は研磨処理ガラス縁部の外観と類似した外観を有するか、或いは暗色又は黒色であるのが好ましい。色は、有機染料、雲母、含浸雲母、顔料、及び他の充填剤を用いることにより異なるようにすることができる。異なる充填剤及び異なる充填材の量を選択することによって、より暗い、より濃灰色系の外観を得ることができる。粉砕ガラスの量が少ない程、上記の配合の色が暗色化及び平坦化されることになる。縁部材料の樹脂結合剤とは異なる屈折率を有する粉砕ガラス(フレーク又は他のガラス粒子)だけを使用すると、研磨処理ガラス縁部又は粗いペンシル型の縁部の外観が得られる。添加剤が含まれる媒体よりも高密度の添加剤もある。ヒュームドシリカを添加すると、より重い成分(金属粒子及びガラス粒子)の固化を防止するのを助けることができ、好ましい方法では重量比2%のヒュームドシリカで十分であることが判明した。
【0132】
周囲材料を要素縁部に適用する他の方法としては、ロール、車輪、ブラシ、ドクタバー、成形コテ、噴霧又はプリントで周囲材料を適用することが含まれる。
【0133】
車両外装用に選択した周辺縁部材料は、以下の試験基準を満足することが好ましく、これらの基準は、一般的な自動車に関連する外部環境をシミュレートし、すなわち、UV安定性(UV耐候試験機で2500kJ)、UVに直接露光されたときの材料の黄色化、亀裂、ひびが無いこと;耐熱性−色変化が僅か又は無いこと、接着力の低下無きこと;耐湿性−色変化が僅か又は無いこと、接着力の低下無きこと;熱サイクル−接着力の低下無きこと、亀裂無し;CASS又は塩水噴霧−下層の金属コーティング及び導電エポキシシステムの保護;接着力の低下無きこと、及び下層の腐食の目視可能な徴候が無いこと、高圧水試験−前回規定の試験で部品を試験した後に接着力の低下無きことである。
【0134】
自動車外装用に選択した周辺縁部材料は、以下の試験基準を満足するのが好ましい。これらの基準は、一般的な自動車に関連する外部環境をシミュレートし、すなわち、UV安定性(UV耐候試験機で2500kJ)、UVに直接露光されたときの材料の黄色化、亀裂、ひびが無いこと;耐熱性−色変化が僅か又は無いこと、接着力の低下無きこと;耐湿性−色変化が僅か又は無いこと、接着力の低下無きこと;熱サイクル−接着力の低下無きこと、亀裂無し;CASS又は塩水噴霧−下層の金属コーティング及び導電エポキシシステムの保護;接着力の低下無きこと、及び下層の腐食の目視可能な徴候が無いこと、高圧水試験−前回規定の試験で部品を試験した後に接着力の低下無きことである。
【0135】
更に図7a−図7nを参照すると、第2及び第3の表面の電気接点構成に関する様々な実施形態が示されている。図7aから図7nは、第1の表面材料スタック、第2の表面材料スタック、第3の表面材料スタック、及び/又は第4の表面材料スタックを有する、本明細書の他の場所で説明したものと類似の構成を示す。スタックという用語は、本明細書では、基板の所与の表面に近接して配置される材料を意味するのに使用される。引用によりその開示内容が本明細書に組み込まれる、同一の譲受人によって譲受された米国特許第6,111,684号、米国特許第6,166,848号、米国特許第6,356,376号、米国特許第6,441,943号、米国特許第6,700,692号、米国特許第5,825,527号、米国特許第6,111,683号、米国特許第6,193,378号、米国特許第6,816,297号、米国特許第7,064,882号、米国特許出願公開第2004−0032638号で開示されているような材料のいずれかを利用して、親水性コーティングなどの単一表面コーティングを定めることができることを理解されたい。第2、第3及び第4の表面スタックは、本明細書で開示されているもの、或いは各開示内容全体が引用により本明細書に組み込まれる、同一の譲受人によって譲受された米国特許第5,818,625号、米国特許第6,111,684号、米国特許第6,166,848号、米国特許第6,356,376号、米国特許第6,441,943号、及び米国特許第6,700,692号で開示されているようなものであるのが好ましい。
【0136】
図7dから図7iは、それぞれ、第2及び第3の表面の導電電極に対するアノード及びカソード接続部の構成に関する様々な実施形態を示す。第3の表面導電電極のシート抵抗は、第2の表面導電電極のシート抵抗よりも下回るのが好ましい。従って、カソード接点面積は、実質的にアノード接点面積よりも小さいものとすることができる。ある実施形態においては、アノードとカソード接続部を逆にすることができることを理解されたい。
【0137】
図7jの構成を用いて、スペクトルフィルタを組み込まないベゼル無し又は狭いベゼルのバックミラー組立体を構成することができる。周辺シール及び電気接点手段748j1、748j2を共にミラー縁部に実質的に移動させた場合、スペクトルフィルタ材料がシール/接点区域を覆う要件は存在しない。ミラー要素構造に対するこの手法を用いると、ミラー要素は、グレア状態時には周辺縁部に対して実質的に完全に暗色化する。この手法では、シール及び接点区域の大部分又は全てを、実質的にミラー基板1、表面2及び基板2、表面3から基板1と基板2の縁部に移動することができる。
【0138】
少なくとも1つの実施形態においては、第1の基板の頂縁部と第2の基板の底縁部は、導電エポキシでコーティングされ、導電率を各基板上の導電電極から基板縁部に移行させた。導電エポキシは、3.36gのD.E.R.354エポキシ樹脂(Dow Chemical、ミシガン州ミッドランド)、1.12gのAncamine2049(Air Product and Chemicals、ペンシルバニア州レディング)、3.0から4.0g/ccの7μmタップ密度の平均粒度を有する20.5gの銀フレークを完全に混合して均一ペーストにして用いて配合するのが好ましい。この導電エポキシ混合物は、基板縁部に容易に施工することができる粘性の低い導電塗料を生成するのに十分なトルエンで薄化した。コーティングした基板を15分から20分間60℃のオーブンに入れ、トルエンを蒸発させた。
【0139】
導電粒子(Z軸導体)を疎に充填したエポキシの均一な層を0.001インチ厚の銅箔に施工した。Z軸エポキシ(5JS69E)を以下の様に配合した。18gのD.E.N.438、2gのD.E.N.431(Dow Chemical、ミシガン州ミッドランド)、1,6gのUS−206ヒュームドシリカ(Degussa Corporation、オハイオ州ダブリン)、6.86gのAncamine2049、及び10.0gの銀フレークFS28(Johnson Matthey、ロイストン、英国ハートフォードシャー)をブレンドして均一なペーストにした。銀フレーク充填剤は、タップ密度が2.3g/ccで、平均粒度が23μmであった。このエポキシ配合法による硬化薄膜は、z軸で導電性を帯び、x軸又はy軸では導電性を帯びなかった。このz軸導電エポキシは、銅箔上に薄い均一の厚みで広がるのに適した粘度を生成するのに十分なトルエン又はTHF溶剤で薄化した。次いで、溶剤を約5分間60℃のオーブンで蒸発させた。エポキシは、溶剤蒸発後は若干粘着性があった。実質的にはオフセット無しで、2つの基板の縁部を位置合わせした。基板間のギャップは、精密なサイズを有するPMMAビーズをスペーサとして使用することにより正確に維持された。約2mm幅のKaptonテープ小片を基板とセルスペーシングの両方の縁部にわたって延びる一端に対して使用した。Kaptonテープは、最終的には組み付け後にセルから除去され、エポキシで湿潤していないKaptonテープ区域が充填口として使用されることになる。次いで、z軸導電エポキシを有する銅箔をその部品の周辺縁部に適用し、エポキシが両基板縁部を完全に湿潤するようにした。次に、要素を200℃のオーブン内に15分間置いて硬化させた。硬化後、各側部上で銅箔内の小さな分離部を形成し、部品底部にある銅箔から頂部の銅箔を電気絶縁した。Kaptonテープを覆っていた銅箔とKaptonテープを除去した。除去されたKaptonテープで生成された開口部は、その部品の充填に使用される。次いで、その開口部をUV硬化性接着剤で閉塞した。反対側の開口部も同様にUV硬化性接着剤で閉塞したが充填前であった。
【0140】
図8aから図8nは、電気クリップの構成に関する様々な実施形態を示す。一般的に、個々のクリップは、ほぼ「J」字形の断面を定めるように示されている。
【0141】
図8aの実施形態は、固定される電気接続ポスト(図示せず)に対応するように構成されたJクリップ884aを示す。少なくとも1つの実施形態においては、第1及び第2の電気クリップは、キャリアプレート(図10から図10cについて本明細書で詳細に説明)と組合せて構成され、「プラグ」型電気コネクタを形成する。Jクリップは、縁部883aと内側要素部分882aとを含む。内側要素部分は、第1の基板と第2の基板との間に位置決めされ、導電性エポキシ、半田、又は導電接着剤と電気的に接触して材料の第2の表面又は第3の表面スタックとの電気接点を形成するように構成される。
【0142】
図8bは、導電材料との機械的及び/又は電気的接触を少なくとも部分的に助けるように内側要素部分882bを貫通して延びる一連のアパーチャを示す。Jクリップ884bは、ワイヤ接続機能部866aと、縁部883bとを含む。ワイヤ接続機能部は、半田又は圧着型ワイヤ接続部に対応するように構成することができる。
【0143】
図8cから図8eは、摩擦嵌合穴887c、887d、887eを有する電気接続スタブを含む様々なJクリップ構成884c、884d、884eを示す。各J−クリップは、縁部883c、883d、883eと内側要素部分882c、882dも882eとを有する。図8cは、Jクリップが図8dのJクリップと同じ長さではなく、高さがより高いように折り畳まれたJクリップの部分855cを有することを示している。図8eは、材料の膨張率の変動に対応するように応力除去区域を提供するクリップの第3の部分を貫通する一連のアパーチャ881aを示す。
【0144】
図8fは、ワイヤ接触区域を要素から空間的に分離するように構成されたワイヤクリンプ886fと共にJクリップ884fのJクリップ884fの隆起部分885fを示す。このJクリップは、縁部883fと、内側要素部分882fとを含む。
【0145】
図8gは、ワイヤクリンプ886g、縁部883g、及び内側要素部分882gを含むJクリップ884gを示す。図8hは、ワイヤクリンプ886hと、縁部883hと、内側要素部分883hとを含むJクリップ884hを示す。内側要素部分は、機械的及び/又は電気的接触を容易に強化するための一連のアパーチャ881hを含む。図8iは、ワイヤクリンプ886iと、縁部883iと、内側要素部分883iとを含むJクリップ884iを示す。図8jは、ワイヤクリンプ886jと、縁部883jと、内側要素部分883jとを含むJクリップ884jを示す。
【0146】
図8kは、基板に対する接着部分がより長いことを除き、図8aと類似したJクリップ884kを示す。このJクリップは、縁部883kと、内側要素部分882kとを含む。
【0147】
図8lは、応力除去のための2つの大きなアパーチャ886l並びに電気接続配置を強化するための4つのバンプ887lとを有するJクリップ884lを示す。このJクリップは、縁部883lと、内側要素部分882lとを含む。
【0148】
図8mは、ワイヤクリンプ886mと、縁部883mと、内側要素部分883mとを含むJクリップ884mを示す。図8nは、ワイヤクリンプ886nと、縁部883nと、内側要素部分883nとを含むJクリップ884nを示す。
【0149】
電気光学ミラーは、ミラー要素の縁部と電気バス接続部とを覆うベゼルを組み込むことが多い。更に、ミラー縁部及びバス接続部は、ポッティング材料又は封止剤内に封入されることが多い。ミラーが機能を維持している限り、ミラー縁部とバス接続部の美観は問題ではない。これとは対照的に、ベゼルのない電気光学ミラーは、通常、環境に曝されるミラー要素縁部及び関連する電気バス接続部の両方を有する。バス接続部は、通常、成形クリップ又はストリップなどの金属部材(腐食に関するこの説明全体通じて金属という用語は、純粋金属又は金属合金を表すことができる)を用いる。ベゼル付き電気光学ミラーは、銅又は銅合金製の成形金属クリップ又はストリップを有することが多い。これらの成形クリップ又はストリップの外観及び耐食性は、良好な美観を車両の寿命にわたって維持するようにする場合に重要になる。銅及び銅合金は、EC外部ミラーが曝される塩を含んだ湿潤環境では腐食して緑色になる傾向がある。これは、美観的に容認できないものである。金属バスが直接見えない場合であっても、成形金属クリップ又はストリップは典型的には、通常は0.0101インチ厚、更に典型的には0.005インチ厚未満の薄い金属で形成される。これらの薄い金属片は短期間で腐食し、結果として構造的欠陥、電気的バネ接触力の損失、又は導通性の損失を生じる可能性がある。この問題は、ミラーの縁部及び/又は裏部が塗料又はコーティングで覆われる場合には最小限に抑えることができる。また、金属クリップは、共形コーティング、塗装又はワニス又は金属メッキ又はクラッディングなどのコーティングにより環境から保護することができる。適切な共形コーティングの実施例は、
1.2%(重量比)のUS−206(Degussa)及び3%(重量比)のUVI−6992(Union Carbide Corp、Dow Chemicalの子会社)、0から3%(重量比)のUS−206及び2%から5%(重量比)のUVI−6992を有する354ビスF樹脂(Dow Chemical)からなるUV硬化エポキシシステム
2.Humiseal 1A33(Chase Corporation、ニューヨーク州ウッドサイド)などの溶媒和ウレタン共形コーティング
3.ペンタン3部(重量比)及びVistanex LM−MS−LC(ExxonChemical)1部(重量比)からなる溶媒和ポリイソブチレン
である。
【0150】
保護金属メッキの例には、金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケル及び銀が含まれる。一般に、これらのコーティング又は表面メッキは、腐食を遅らせて電気バスの有効寿命を延ばすものである。しかしながら、最終的には腐食が発生することが多い。有効バス寿命を延ばす別の手法は、塩を含んだ環境で良好な耐食性を有する金属又は金属合金からバスクリップ又はストリップを形成することである。適切な金属には、金、白金、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、及び銀を含む貴金属及び貴金属合金、並びにステンレス鋼、Hastalloy C、チタン/アルミニウム合金、チタンパラジウム合金、チタンルテニウム合金を含む、チタン、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、及びタンタルの金属及び金属合金が含まれる。ジルコニウム及びその合金も、特定の環境では良好な性能を発揮する。キャス(CASS)試験後のこれらの金属及び金属合金の幾つかを順位付けした表を本明細書に含める。順位付けは、4−許容できない腐食がある、3−明らかに腐食があるが許容可能である、2−明らかに軽い腐食がある、1−極めて軽い腐食がある/腐食なしである。
【0151】
バス相互接続法に互いに密接した2つ又はそれ以上の異なる金属の使用を組み込む場合には、電界腐食の影響を考慮するのが好ましい。多くの相互接続法では、導電接着剤を利用する。これらの接着剤は、金、パラジウム、ニッケル、銀、銅、黒鉛、又は同様のものなどの導電粒子と共に埋め込まれる、エポキシ、ウレタン、フェノール、アクリル、シリコーン、又は同様のものなどの一般的に有機樹脂である。金属半田接合とは異なり、有機樹脂は呼吸する。湿気、酸素、及び他の気体は、有機樹脂を通って拡散し、腐食を引き起こす。異種金属が互いに密接しているときには、この腐食は、金属の電気化学電位差により加速される可能性がある。一般に、金属間の電気化学電位差が大きい程、電界腐食の確率が高い。従って、特に、生来的に非密閉型の導電接着剤が使用される場合、バスシステムで使用するのに選択された金属間の電気化学電位差を最小限に抑えることが望ましい。金属の一方又は両方がメッキされる場合、2つの金属の電気化学電位の中間の電気化学電位を有するメッキ金属を選択するのが好ましい。湿度及び温度が管理されているオフィス環境では、金属間の電気化学電位差は、0.5Vよりも大きくないのが好ましい。通常の環境では、電気化学電位差は、0.25Vよりも大きくないのが好ましい。過酷な環境では、電気化学電位差は、0.15Vよりも大きくないのが好ましい。導電接着剤の多くは、導電充填剤として銀微粒子又はフレークを使用する。銀は、コストと貴金属との間の良好な妥協点を提示する。また、銀は、優れた導電率を有する。Engineers Edge(www.engineersedge.com)及びLaird Technologies(www.lairdtech.com)によって供給されるものなどの金属電気適合性チャートで説明しているように、銀は、0.15Vのアノード指数を有する。一般的にベゼル付きミラーにおけるバス接続部に使用されるスズメッキ銅又は銅合金は、0.65Vのアノード指数を有する。スズメッキ銅を銀と接触した状態で使用すると、0.5Vの大きなアノード電位差は、管理されたオフィスなどの環境では許容可能である。車両の外部ミラーに関係する環境は、決して管理された環境ではない。0.45Vより小さい電位差が望ましく、0.25V未満の差が好適であり、0.15V未満の差が最も好適である。
【0152】
【0153】
金属間の電位差は、少なくとも部分的には電位が測定される腐食環境の性質に依存することに留意されたい。例えば、海水中で測定した結果は、淡水の場合とは若干異なる可能性がある。また、同一材料の不活性面と活性面との間では大きな差がある可能性があることに留意されたい。ステンレス鋼の表面のアノード電位は、硝酸及び/又は酸化塩の溶液を用いて不動態化処理によってかなり低減させることができる。アノード電位差は、例えば金、金/パラジウム合金、白金、ジルコニウム、カーボングラファイト、ロジウム、ニッケル、ニッケル−銅合金、チタン及びモネルと組合せて銀を使用した場合、最も好適な0.15V以内に保つことができる。電位差は、例えば、ベリリウム銅、黄銅、青銅、銀半田、銅、銅−ニッケル合金、ニッケル−クロム合金、オーステナイト耐食鋼、大半のクロム−モリブデン鋼を用いて好適な0.25V以内に保つことができる。電位差は、例えば18−8ステンレス鋼又は300シリーズステンレス鋼、高黄銅及び青銅、ネーバル黄銅、及びムンツメタルを使用することによって望ましい0.40V以内に保つことができる。メッキを用いる場合には、メッキ材をこれらのアノード電位範囲内に有することが望ましく、互いに密接している2つのベースメタルの間の電位を有するのが最も好ましい。例えば、金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケル又は銀メッキは、一般にこれらの要件を満足する。電気バスは、一般にスペード型コネクタ又は半田継手を使用してECミラー駆動電圧源に接続される。半田付け継手又は接続部を使用する場合、バス金属は、半田付け可能であるのが好ましい。金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケル、銀及びスズなどのメッキは、バスクリップの半田性を高めることができる。例えば、スズが好適なメッキではないとしても、スズメッキステンレス鋼のバスクリップは、普通ステンレス鋼クリップと比較べて半田付けが容易である。半田を扱い易いより好ましい基板/メッキの組合せは、パラジウム、銀、ニッケル又はロジウムメッキを有するステンレス鋼である。ステンレス鋼とニッケルメッキ、続いて銀、パラジウム、金、ロジウム、又はルテニウムのメッキが好ましい材料である。他の好適な材料には、ニッケル、銀、銅、パラジウム、ロジウム、及びルテニウムのメッキを有するタンタル、ジルコニウム、タングステン、及びモリブデンを含む金属又は金属合金が含まれる。他の好適な材料は、ニッケル及び/又は銀メッキを有するタンタル又はニッケルを含む金属又は金属合金である。安定性を向上させるためには、ベースメタルの表面を不動態化するのが望ましい。
【0154】
ここで図9a及び図9bを参照すると、キャリア組立体によって受けられた後の第1の基板912b及び第2の基板902bを含むミラー要素が示されている。キャリア組立体は、成形しやすい周辺把持部903a、903bと一体化された実質的に剛性の部分901a、901bを含む。実質的に剛性の部分及び成形しやすい周辺把持部は、同時成形するか、個々に成形して互いに接着するか、互いに摩擦嵌合するように設計するか、互いに締り嵌めするように設計するか、個々に成形して共に溶融するか、又はこの組合せを行うことができる。いずれの場合でも、成形しやすい周辺把持部903a、903bは、成形しやすい周辺把持部とクラウン913を越える周囲材料との間の境界面909を生じさせ、クラウン近傍から先端907近傍まで、要求に応じてキャリア組立体に近接した要素を少なくとも部分的に保持する保持力が発生するように設計するのが好ましい。追加の接着材料905a、905bを利用して、キャリア組立体に近接した要素を更に保持することができる。周辺部903a、903bは、クラウン903a903bの剛性部901a901b側の境界面911に沿って保持力が同様に発生するように周囲材料960に接着する材料で少なくとも部分的に構成することができ、このような場合、周辺部903a、903bは、図9bに示すようにクラウンの手前まで、又はクラウンの真上まで延びることができることを理解されたい。周辺部先端907は、周辺部がクラウンを越えて延びるか否かに関係なく、要素への視覚的に魅力的な移行をもたらすように僅かに先細であるのが好ましい。周囲材料の形状は、表面915にほぼ平行な少なくとも1つの縁部を形成するように変えることができ、周辺部は、クラウンと境界面909との間のより顕著な移行をもたらすように設計することができることを理解されたい。
【0155】
図9cは、キャリア901c及び周辺部903c内に位置決めされた第1の基板912cと第2の基板902cとを含む要素を示す。この構成は、成形しやすい周辺把持部分の成形したままの状態を典型的に表している。図9bは、通常、成形しやすい周辺把持部分の取り付け位置を典型的に表している。この取り付け位置によって、成形しやすい周辺把持部は、ガラス外形の可能性のある凹凸に対し共形になることができる。図9bは、キャリアの剛性部分と成形しやすい周辺把持部分との間の機械的連結を示している。これは、成形法によって接着又は接合されるかに関わらず互いに接合されることが意図されていない材料には有益である。この機械的連結は、必要に応じて組立体周辺部周りに離間して配置することができる。図9cは、機械的連結の無い部分を示している。両方の部分は、必要に応じて用いることができる。図9bと図9c間のもう1つの差異は、キャリアの裏側から離れた成形しやすい周辺把持部の高さである。図9bは、ヒータ/フォーム組立体の代わりにガラスと組立体との間に成形しやすい周辺把持部の一部を置くことによって、成形しやすい周辺把持部のキャリア裏側からの高さを制限している。これによって、ハウジング内での衝突状態が潜在的に回避される。図9cを使用すると、ヒータ/フォーム組立体をガラス周辺部縁部まで置くことが可能となる。これによって、縁部までガラス組立体の加熱が可能となる。しかしながら、これは、ミラーハウジング内でミラー組立体の衝突状態が生じる可能性がある。
【0156】
ここで図9dから図9mを参照すると、周辺部把持部を有する様々なキャリアプレートが示されている。図9dから図9gは、一体化された周辺部把持部903d、903e、903f、903gを有するキャリアプレート901d、901e、901f、901gを示す。少なくとも1つの実施形態においては、周辺部把持部は、「S字」断面形状を有し、一連の交互するランド903d1、903e1、903f1及びアパーチャ903d2、903e2、903f2を含む。S字形状と交互するランド及びアパーチャとを組合せることにより、要素とキャリアプレート/周辺部把持部との間の膨張率の差異に対応するためのフープ応力除去が可能となる。
【0157】
図9hは、キャリアプレート901h及び周辺部把持部903h内で1次シール材料978hを介して互いに対し離間した関係で保持される第1の基板912h及び第2の基板902hを含む要素を示す。好適な実施形態においては、周辺部把持部は、要素とキャリアプレート/周辺部把持部との間の膨張率の変動に対応するために、要素とキャリアプレートの外側部分との間に挟持された圧縮可能材料を含む。
【0158】
図9iは、キャリアプレート901i及び周辺部把持部903i内で1次シール材料978iを介して互いに対し離間した関係で第1の基板912i及び第2の基板902iを含む要素を示す。この実施形態においては、周辺部把持部は、要素とキャリアプレート/周辺部把持部との間の膨張率の変動に対応するために、要素とキャリアプレートとの間に挟持された圧縮可能材904iを含む。
【0159】
図9jは、周辺部把持部903jを枢動可能に取り付けるための旋回部901jを有するキャリアプレート901jを示す。周辺部把持部が旋回部の周りに枢動が許されるのは、要素とキャリアプレート/周辺部把持部との間の膨張率の変動に対応するものである。
【0160】
図9kは、周辺部把持部903kを有するキャリアプレート901kを示す。周辺部把持部は、関連する要素(図示せず)に向かって傾くように成形されるのが好ましい。圧縮材料904kは、要素とキャリアプレート/周辺部把持部との間の膨張率の変動に対応するために設けられる。
【0161】
図9lは、周辺部把持部903lを有するキャリアプレート901lを示す。周辺部把持部は、関連する要素(図示せず)に向かって傾くように成形されるのが好ましい。一連の垂直方向に延びる圧縮要素904lは、要素とキャリアプレート/周辺部把持部との間の膨張率の変動に対応するために設けられる。
【0162】
図9mは、周辺部把持部903mを有するキャリアプレート901mを示す。周辺部把持部は、関連する要素(図示せず)に向かって傾くように成形されるのが好ましい。一連の水平方向の延びる圧縮要素904mは、要素とキャリアプレート/周辺部把持部との間の膨張率の変動に対応するために設けられる。
【0163】
ここで図10aから図10cを参照すると、要素1012aは、位置合わせプレート1001a、1001bと、電気回路基板1020a、1020bに近接して示されている。少なくとも1つの実施形態においては、接点ポスト1086a、1086bを有する電気クリップ1083a、1083bは、要素電気接続部1085a、1085bに接続されている。要素電気接続部は、導電性エポキシ、半田、導電接着剤又はエッジバネクリップによるものとすることができる。要素が電気回路基板と係合すると、接点ポストは、電気回路基板の穴1021a、1021bを貫通して受けられ、摩擦嵌合接点1022a、1022b、1023a、1023bと摺動係合する。図10cは、図10bの対応する区域1027bの拡大図を示す。少なくとも1つの実施形態においては、位置合わせプレートは、電気回路基板のアパーチャ1024b、1025bとそれぞれ位置合わせされるアパーチャ1003a、1004aを含む。位置合わせピン(図示せず)が、組立体内の個々の構成要素を正確に位置決めするために、ハウジング又はベゼル内などの関連するミラー組立体内の他の場所に設けられるのが好ましい。少なくとも1つの実施形態においては、位置合わせプレートは、回路基板内の対応する穴との位置合わせするために接点ポストが受けられるアパーチャ1002aを含む。少なくとも1つの実施形態においては、位置合わせプレートは、構成要素を完全な組立体内に正確に固定するための特徴部1005a、1005b、1006a、1006bを含む。電気回路基板は、マイクロプロセッサ及び/又はディスプレイドライバ、コンパスセンサー、温度センサー、湿気検出システム、外部ライト制御システム、及び少なくとも1つのミラー要素調光回路と部分的に共有されるオペレータインタフェースなどの他の電気構成要素を含むことができる点を理解されたい。
【0164】
上記の説明及び添付図面は、例証の目的のものであり、図示し且つ説明した特定の実施形態に本発明をどのようにも限定するものと解釈すべきではない点を理解されたい。添付の請求項は、均等物の教義並びに適用される特許法及び規則の範囲内に含まれるものと解釈すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】制御車両を示す図である。
【図2a】電気光学ミラー要素を組み込んだ組立体を示す図である。
【図2b】外部バックミラーの拡大図である。
【図3】電気光学ミラー要素を組み込んだ内部バックミラー組立体を示す図である。
【図4a】第1の表面の平面図である。
【図4b】第4の表面の平面図である。
【図4c】電気光学ミラー要素の断面図である。
【図4d】第4の表面の平面図である。
【図4e】第2の基板の平面図である。
【図5】図4cの拡大図である。
【図6】様々な電気光学要素の構成要素の色関連特性のグラフである。
【図7a】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7b】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7c】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7d】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7e】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7f】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7g】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7h】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7i】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7j】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7k】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7l】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7m】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7n】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図8a】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8b】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8c】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8d】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8e】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8f】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8g】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8h】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8i】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8j】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8k】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8l】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8m】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8n】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図9a】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9b】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9c】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9d】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9e】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9f】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9g】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9h】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9i】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9j】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9k】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9l】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9m】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図10a】電気光学要素/電気回路基板相互接続部の様々な図である。
【図10b】電気光学要素/電気回路基板相互接続部の様々な図である。
【図10c】電気光学要素/電気回路基板相互接続部の様々な図である。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第35条119(e)に基づいて、2004年9月29日出願の米国特許仮出願第60/614,150号、2004年8月27日出願の米国特許仮出願第60/605,111号、及び2004年2月27日出願の米国特許仮出願第60/548,472号に対する優先権を主張し、これらの開示内容体は、引用により全体が本明細書に組み込まれる。本出願は、2003年5月6日出願の米国特許出願第10/430,885号の一部継続出願であると共に、2002年9月30日出願の米国特許出願第10/260,741号の一部継続出願であり、これらの開示内容は、引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
電気光学バックミラー要素は、車両用途において車両内部と外部の両方、運転席側及び助手席側の両方のバックミラーに関してますます一般的なものとなりつつある。典型的な電気光学要素は、車両バックミラー組立体に組み込まれたときに、要素自体の周辺部によって定められる区域よりも狭い有効視野(関連する法律、法体系、及び規格によって定められる)を有することになる。主として、有効視野は、少なくとも部分的には要素自体の構造及び/又は関連するベゼルによって制限される。
【0003】
周辺部によって定められる区域に実質的に等しい有効視野を有する電気光学ミラー要素をもたらす様々な試みがこれまでなされている。また、これらの要素を組み込む組立体が提案されてきている。
【0004】
【特許文献1】米国特許仮出願第60/614,150号公報
【特許文献2】米国特許仮出願第60/605,111号公報
【特許文献3】米国特許仮出願第60/548,472号公報
【特許文献4】米国特許出願公開第2004−0032638号公報
【特許文献5】米国特許第7,064,882号公報
【特許文献6】米国特許第4,094,058号公報
【特許文献7】米国特許第6,111,684号公報
【特許文献8】米国特許第6,166,848号公報
【特許文献9】米国特許第6,356,376号公報
【特許文献10】米国特許第6,441,943号公報
【特許文献11】米国特許第6,700,692号公報
【特許文献12】米国特許第5,825,527号公報
【特許文献13】米国特許第6,111,683号公報
【特許文献14】米国特許第6,193,378号公報
【特許文献15】米国特許第6,111,684号公報
【特許文献16】米国特許第4,377,613号公報
【特許文献17】米国特許第4,419,386号公報
【特許文献18】米国特許第4,308,316号公報
【特許文献19】米国特許第4,440,822号公報
【特許文献20】米国特許第6,447,123号公報
【特許文献21】米国特許第6,344,157号公報
【特許文献22】米国特許第6,583,201号公報
【特許文献23】米国特許第5,818,625号公報
【特許文献24】米国特許第6,700,692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
必要とされるものは、改良形電気光学ミラー要素である。これらの改良形電気光学ミラー要素を組み込んだ組立体の改良も必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、改良形電気光学ミラー要素を提供する。関連する実施形態は、要素の周辺部によって定められた区域に付随した視野に実質的に等しい有効視野を有する。
【0007】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、電気光学ミラー要素を組み込んだ改良形組立体を提供する。関連実施形態は、最も外側の周辺部によって定められた要素自体の区域に実質的に等しい有効視野を有する。
【0008】
本発明の他の利点は、各図及び添付の請求項に照らして本発明の詳細な説明を読むと明
らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
最初に図1を参照すると、運転者側外部バックミラー110a、助手席側外部バックミラー110b及び内部バックミラー115を有する制御車両105が示されている。これら及び他の特徴の詳細を本明細書で説明する。制御車両は、単位倍率の内部バックミラーを含むのが好ましい。本明細書で使用される単位倍率ミラーとは、一般製造公差を超えない欠陥を除き、同じ距離で直接見たときに対象物の像の高低角及び幅が対象物の高低角及び幅に等しくなる反射面を有する平面又は平坦なミラーを意味する。少なくとも1つの関連する位置で単位倍率を与えるプリズム昼夜調整式バックミラーは、本明細書では単位倍率ミラーと考えられる。該ミラーでは、少なくとも20度の投影視点から測定された水平夾角と、制御車両が運転者と4人の同乗者又はこれより少ない場合に平均乗員重量68kgに基づく指定定員により占有されたときに、制御車両の後部に対し61mを上回らない地点から水平線に延びる平坦な路面が見える十分な垂直方向の角度とを有する視野が得られるのが好ましい。視線は、着座した乗員又はヘッドレストによって部分的に隠れる場合があることを理解されたい。運転者の目の基準点の位置は、規定又はあらゆる95番目のパーセンタイルの男性運転者にも適切な公称位置に従うものであるのが好ましい。制御車両は、単位倍率の少なくとも1つの外部ミラーを含むのが好ましい。外部ミラーにより、制御車両の運転者は、最も広い地点で制御車両の運転者側に接する縦方向平面に垂直な線から水平に延びる、すなわち最も後方の座席位置で運転者の目の10.7m後方にある接線面から2.4m外方に延びる平坦な路面が見えるのが好ましい。視線は、制御車両の後部車体又はフェンダー外形によって部分的に隠れる場合があることを理解されたい。運転者の目の基準点の位置は、規定又はあらゆる95番目のパーセンタイルの男性運転者にも適切な公称位置に従うものであるのが好ましい。助手席側ミラーは、対応するフロントガラスのワイパ非拭き取り部分によって隠されないことが好ましく、また、運転者の着座位置から水平方向及び垂直方向の両方に傾くことによって調整可能であるのが好ましい。少なくとも1つの実施形態においては、制御車両は、助手席側に取り付けられた凸面鏡を含む。凸面鏡は、水平方向及び垂直方向の両方に傾くことによって調整されるように構成されるのが好ましい。各外部ミラーは、少なくとも126cmの反射面を含み、且つ運転者が制御車両の関連する側に沿って後方まで見えるように位置するのが好ましい。全てのミラーの平均反射率は、SAE推奨基準J964、OCT84に従って決定されたときに、少なくとも35%(多くの欧州諸国では40%)であるのが好ましい。本発明による電気光学ミラー要素に関するようなミラー要素が、複数の反射率レベルが可能である実施形態において、日中モードの最小反射率レベルは、少なくとも35%(欧州での使用では40%)とし、夜間モードでの最小反射率レベルは、少なくとも4%とする。
【0010】
更に図1を参照すると、制御車両105は、ヘッドランプ組立体120a、120b、スモールライト130a、130b、前部ターンシグナルインジケータ135a、135b、テールランプ組立体125a、125b、後部ターンシグナルインジケータ126a、126b、後部ハザードランプ127a、127b、バックライト140a、140b、中央ハイマウントストップランプ(CHMSL)145などの様々な外部ライトを含むことができる。
【0011】
本明細書で詳細に説明するように、制御車両は、他の車両機器との共有機能をもたらす様々な構成部品を組み込む少なくとも1つの制御システムを含むことができる。本明細書で説明する1つの制御システムの実施例では、少なくとも1つのバックミラー要素の反射率の自動制御及び少なくとも1つの外部ライトの自動制御に付随する様々な構成部品が組み込まれる。このようなシステムは、バックミラー、Aピラー、Bピラー、Cピラー、CHMSL内、又は制御車両内の他の場所又は制御車両上に少なくとも1つのイメージセンサーを含むことができる。取得された画像又はその一部は車両機器自動制御に用いることができる。代替的に又はこれに加えて、画像又はその一部は、1つ又はそれ以上のディスプレイ上に表示することができる。少なくとも1つのディスプレイは、半透過性又は少なくとも部分的に透過性の電気光学要素の後部に隠れて位置付けることができる。少なくとも1つのミラー要素駆動信号及び少なくとも1つの他の機器制御信号を生成するように共通のコントローラを構成することができる。
【0012】
ここで図2a及び図2bを参照すると、外部バックミラー組立体210a、210bの種々の構成要素が示されている。本明細書で詳細に説明するように、電気光学ミラー要素は、チャンバを間に形成するために1次シール230を介して第2の基板225と離間した関係で固定された第1の基板220a、220bを含むことができる。1次シールの少なくとも一部は、少なくとも1つのチャンバ充填ポート235を形成するために空隙にされる。電気光学媒体がチャンバに封入され、充填ポートは、プラグ材料240を介して密封される。プラグ材料は、紫外線硬化性エポキシ又はアクリル材であるのが好ましい。また、要素周辺の近傍に位置するスペクトルフィルタ材料245a、245bが図示されている。電気クリップ250、255は、それぞれ、第1の接着材料251、252を介して要素に固定されるのが好ましい。電気光学ミラー要素は、第2の接着材料265を介してキャリアプレート260に固定される。外部バックミラーから制御車両の他の構成要素への電気接続は、コネクタ270を介して行われるのが好ましい。キャリアは、位置決め器280を介して関連するハウジングマウント276に取り付けられる。ハウジングマウントは、ハウジング275a、275bと係合されて少なくとも1つの留め具276aを介して固定されるのが好ましい。ハウジングマウントは、旋回マウント277a、277bと係合するように構成された旋回部分を含むのが好ましい。旋回マウントは、少なくとも1つの留め具278aを介して車両マウント278と係合するように構成されるのが好ましい。これらの構成要素、追加の構成要素、これらの相互接続部及び動作の追加の詳細が本明細書で呈示される。
【0013】
更に図2aを参照すると、外部バックミラー組立体210aは、スペクトルフィルタ材料245aが観察者と1次シール材料(図示せず)との間に位置付けられて第1の基板220aのビューが示されるように配向される。死角インジケータ285、鍵穴照明器290、足元照明灯、ターンシグナル294、光センサー296、その副組合せ、又はその組合せは、観察者に対して要素の後部に位置決めされるようにバックミラー組立体内に組み込むことができる。素子285、290、292、294、296は、引用により本明細書に組み込まれる様々な参照文献で詳細に説明されているように、少なくとも部分的に隠されるようにミラー要素と組合せて構成されるのが好ましい。これらの構成要素、追加の構成要素、その相互接続部及び動作の詳細を本明細書で更に呈示する。
【0014】
ここで図3を参照すると、スペクトルフィルタ材料345が観察者と1次シール材料(図示せず)との間に位置決めされ、第1の基板320に向いて見たときの内部バックミラー組立体310が示されている。ミラー要素は、可動ハウジング375内に位置決めされ、且つ取り付け構造体381上の固定ハウジング377と組み合わされているように示されている。第1のインジケータ336、第2のインジケータ387、オペレータインタフェース391、及び第1の光センサー396は、可動ハウジングの顎部分に位置決めされている。第1の情報ディスプレイ388、第2の情報ディスプレイ389、及び第2の光センサー387は、観察者に対して要素の後部にあるように組み込まれている。外部バックミラー組立体に関して説明したように、素子388、389、397を少なくとも部分的に隠すようにするのが好ましい。例えば、関連するミラー要素の第3又は第4の表面コーティング内に「窓」を形成し、白金族金属(PGM)(すなわち、イリジウム、オスミウム、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム)の層を第3の表面上にだけ提供するように構成することができる。その結果、関連する「隠された」光センサーの「グレア」に衝突する光線は、最初に、第1の表面のスタック(存在する場合)、第1の基板、第2の表面スタック、電気光学媒体、白金族金属、最後に、第2の基板を通過することになる。白金族金属は、第3の表面の導電電極に連続性を与えることにより、窓に付随する電気光学媒体の着色の変動を低減するように機能する。
【0015】
ここで図4aから図4e及び図5を参照し、本発明の付加的な特徴を説明する。図4aは、スペクトルフィルタ材料496aが観察者と1次シール材料478aとの間に位置決めされ、第1の基板402aから見たバックミラー要素400aを示している。第1の分離区域440aは、第1の導電部分を第2の導電部分430aから実質的に絶縁するために設けられる。周囲材料460aが、要素の縁部に適用される。図4bは、1次シール材料478bが観察者とスペクトルフィルタ材料496bとの間に位置決めされ、第2の基板412bから見たバックミラー要素400bを示す。第2の分離区域486bは、第3の導電部分418bを第4の導電部分487bから実質的に絶縁するために設けられている。周囲材料460bが要素の縁部に適用されている。図4cは、図4a又は図4bの要素の断面線図4c−図4cから見たバックミラー要素400cを示す。第1の基板402cは、第2の基板412cと1次シール材料478cを介して離間した関係で固定されるように示されている。スペクトルフィルタ材料496cは、観察者と1次シール材料478cとの間に位置決めされる。第1及び第2の電気クリップ463c、484cは、それぞれ、要素との電気接続を容易にするために設けられる。周囲材料460cが、要素の縁部に適用される。1次シール材料は、シルクスクリーニング又は分配などによってLCD業界で一般的に使用される手段により適用できることを理解されたい。Yasutake他に付与された米国特許第4,094,058号においては、適用可能な方法が説明されており、この開示事項は引用により全体が本明細書に組み込まれる。これらの手法を用いて、1次シール材料を形状に合わせて個々に切断された基板に適用することができ、又は、大型基板上の複数の1次シール形状として適用することができる。次いで、複数の1次シールが適用された大型基板を別の大型基板に積層して、1次シール材料を少なくとも部分的に硬化させた後に個々のミラー形状を積層体から切り出すことができる。この多重処理技術は、LCDを製造するのに一般的に使用されている方法であり、アレイプロセスと呼ぶこともある。電気光学素子は、同様のプロセスを用いて作ることができる。透明導体、反射体、スペクトルフィルタ及びソリッドステートの電気光学素子の場合における1つ又は複数の電気光学層といった全てのコーティングを大型基板に施工し、必要であればパターン化することができる。コーティングは、マスクを介してコーティングを施工すること、コーティングの下にパターン化された可溶性層を選択的に施工してコーティング施工後に可溶性層とその上のコーティングを除去すること、レーザアブレーション、又はエッチングなどの幾つかの技術を用いてのパターン化することができる。これらのパターンは、製造工程全体を通じて基板を正確に位置合わせ又は位置決めするのに使用することができる登録マーク又はターゲットを含むことができる。これは通常、例えばパターン認識技術を用いた視覚システムを用いて行われる。また、登録マーク又はターゲットは、必要に応じサンドブラスト、レーザ又はダイヤモンドスクライビングなどによって、直接ガラスに施工することができる。積層基板間の間隔を制御するための間隔媒体を、1次シール材料内に配置するか又は積層前に基板に施工することができる。間隔媒体又は手段は、単品化された完成ミラー組立体から切り取られることになる積層体の区域に施工することができる。素子が溶液相電気光学ミラー要素であれば、積層アレイは、電気光学材を充填し充填口を塞ぐ前又は後に形状に合わせて切断することができる。
【0016】
図4dは、第3又は第4、或いは第3及び第4の両方の表面上に材料のスタックを含む第2の基板412bの平面図を示す。少なくとも1つの実施形態においては、材料スタックの少なくとも一部420d1又は材料スタックの少なくともほぼ不透明な層は、1次シール材料の下で除去又はマスク処理される。この材料スタックの少なくとも1つの層の少なくとも一部420d2は、実質的に基板の外縁にまで延び、又は第3の表面スタックと要素駆動回路(図示せず)との間の電気接点を促進する区域まで延びる。関連する実施形態では、シール及び/又は要素組立体の次の要素の後部のプラグ観察及び/又はプラグ硬化の検査を行うものである。少なくとも1つの実施形態においては、材料スタック420dの外縁420d1の少なくとも一部は、1次シール材料478dの外縁478d1と内縁478d2との間に位置する。少なくとも1つの実施形態においては、材料スタックの一部420d1又は材料スタックの少なくともほぼ不透明な層は、幅がおよそ2mmとおよそ8mmの間、好ましくは幅がおよそ5mmだけ1次シール材料の下で除去又はマスク処理される。材料スタックの少なくとも1つの層の少なくとも一部420d2は、実質的に基板の外縁に延び、又は幅がおよそ0.5mmとおよそ5mmとの間、好ましくは1mmの第3の表面のスタックと要素駆動回路(図示せず)との間の電気接点を助長する区域まで延びる。第1、第2、第3及び第4の表面層又は材料スタックのいずれも本明細書で開示され又は引用により本明細書の他の場所に組み込まれる参照文献内で開示されている通りにすることができる点を理解されたい。
【0017】
図4eは、第3の表面材料スタックを含む第2の基板412eの平面図を示す。少なくとも1つの実施形態においては、第3の表面材料スタック420deの外縁420e1の少なくとも一部は、1次シール材料の外縁478e1と内縁478e2との間に位置する。少なくとも1つの関連する実施形態においては、導電性タブ部分482eは、1次シール材料478eの外縁478e1の内方にある第2の基板の縁部から延びる。少なくとも1つの関連する実施形態においては、導電性タブ部分482e1は、1次シール材料478eの下にある第3の表面材料スタックの少なくとも一部と重なり合う。少なくとも1つの実施形態においては、第3の表面材料スタックの導電性金属酸化物などのほぼ透明な導電層((個別には図示せず)は、第3の表面のスタックの残りの部分の外縁420e1を超えて延び、図7kに示すように導電性タブ部分と電気的に導通している。導電性タブは、図7a−図7nに示すように基板周辺区域のいずれかに沿って堆積することができる点を理解されたい。少なくとも1つの実施形態においては、導電性タブ部分は、クロムを含む。導電性タブ部分は導電電極を覆って導電性を向上させ、すなわち、導電電極層に十分な導電性がある限り、導電性タブ部分は任意的なものであることを理解されたい。少なくとも1つの実施形態においては、導電電極層は、所望の導電性をもたらすのに加えて、対応する反射光線の所望の固有の色特性を与える。従って、導電電極が省略された場合、色特性は、下層材料の仕様により制御される。材料の第1、第2、第3及び第4の表面層又はスタックのいずれも本明細書で開示され、又は引用により本明細書の他の場所に組み込まれる参照文献内で開示されている通りにすることができることを理解されたい。
【0018】
図5は、より詳細に説明するために、図4cに示す要素の拡大図であるバックミラー要素500を示している。要素500は、第1の表面504と第2の表面506とを有する第1の基板502を含む。第2の表面506に施工された第1の導電電極部分508と第2の導電電極部分530は、第1の分離区域540を介して実質的に互いに絶縁されている。図示のように、少なくとも1つの実施形態においては、分離区域は、スペクトルフィルタ材料596と対応する接着促進材料593が、第1及び第2のスペクトルフィルタ材料部分524、536、及び第1及び第2の接着促進材料部分527、539をそれぞれ定めるため実質的に電気絶縁されるように配置されている。第1の分離区域540、440a、440b、440cの一部は、中心近傍に位置する1次シール材料578の一部内に平行に延びるように示されている。分離区域540のこの部分は、観察者がスペクトルフィルタ材料内の線を容易には知覚できないように位置することができ、例えば、分離区域の一部は、スペクトルフィルタ材料596の内方縁部597と実質的に位置合わせすることができることを理解されたい。本明細書の他の場所でより詳細に説明するように、分離区域540のあらゆる部分が1次シール材料の内方に位置する場合には、電気光学材料着色及び/又は透明化の不連続性が観察される可能性がある点を理解されたい。この動作上の特性は、主観的に視覚に訴える要素を導き出すように操作することができる。
【0019】
更に図5を参照すると、要素500は、第3の表面515と第4の表面514とを有する第2の基板512を含むように示されている。第1の基板は、ミラーの周辺の少なくとも一部に沿ったずれをもたらすように第2の基板よりも大きいものとすることができることに留意されたい。第3及び第4の導電電極部分518、587は、それぞれ、第2の分離区域を介して実質的に電気絶縁された第3の表面515に近接して示されている。第2の分離区域856、486a、486b、486cの一部は、中心部近傍に位置する1次シール材料578の部分内に平行に延びているように示されている。分離区域586のこの部分は、観察者がスペクトルフィルタ材料内の線を容易には知覚しないように配置することができ、例えば、分離区域の一部はスペクトルフィルタ材料596の内方縁部597と実質的に位置合わせすることができることを理解されたい。図5に更に示すように、反射材料520を任意的なオーバーコート材料522と第3の導電電極部分との間に付加することができる。引用によりその開示内容が本明細書に組み込まれ、本発明の譲受人に譲受された米国特許第6,111,684号、米国特許第6,166,848号、米国特許第6,356,376号、米国特許第6,441,943号、米国特許第6,700,692号、米国特許第5,825,527号、米国特許第6,111,683号、米国特許第6,913,378号、米国特許第6,816,297号、米国特許第7,064,882号、米国特許出願公開第2004−0032638号で開示されているような材料のいずれかを利用して、第1の表面上の親水性コーティングなどの単一表面コーティング、又は、第1、第2、第3及び第4の表面に付加された導電電極材、スペクトルフィルタ材料、接着促進材料、反射性材料、オーバーコート材料などの複合スタックのコーティングを定めることができることを理解されたい。更に、フッ素系アルキル塩又はポリマー、シリコーン含有コーティング又は特殊な凹凸のある表面などの疎水性コーティングを第1の表面に施工することができる点を理解されたい。親水性又は疎水性のいずれかのコーティングは、このようなコーティングのないガラスに対して第1の表面に衝突する水分の接触角を変化させ、水分が存在するときに後方視覚を高めるようにする。第3の表面と第4の表面の反射体の実施形態のいずれも本発明の範囲内にある点を理解されたい。少なくとも1つの実施形態においては、第3の表面及び/又は第4の表面に付加される材料は、対応する表面スタックの少なくとも一部に対して部分反射/部分透過特性をもたらすように構成される。少なくとも1つの実施形態においては、第3の表面に適用される材料は、反射体と導電電極とを組合せるように一体化されている。更なる「第3の表面」の材料は、1次シールの外方に延びることができることを理解すべきであり、この場合、対応する分離区域は追加の材料を通って延びる点を理解されたい。例えば、図4dに示すように、第4の表面から見える1次シールの少なくとも一部を有することにより、プラグ材料の検査及び紫外線硬化が容易になる。少なくとも1つの実施形態においては、材料スタック420dの少なくとも一部又は材料スタックの少なくともほぼ不透明な層は、周辺部の少なくとも一部の周りの1次シール幅の少なくとも25%の検査を可能にするように1次シール材料の下に除去又はマスクされる。周辺部の少なくとも一部の周りの1次シール幅の50%の検査を可能にするのがより好ましい。周辺部の少なくとも一部の周りの1次シールの少なくとも75%の検査を可能にするのが最も好ましい。本発明の様々な実施形態は、他の部分と異なるコーティング又はスタック上のコーティングを有する特定の表面の部分を組み込むことになる。例えば、光源の前の「窓」、情報ディスプレイ、光センサー、又はその組合せを形成して、本明細書に組み込まれる参照文献の多くで説明されているように特定の帯域の光線波長を選択的に伝達することができる。
【0020】
更に図4a及び図4b並びに図5を参照すると、第1の分離区域540は、1次シール材料575の一部と協働して、第2の導電電極部分530、第1の導電電極部分508から実質的に電気絶縁された第2のスペクトルフィルタ材料部分536及び第2の接着促進材料部分539、第1のスペクトルフィルタ材料部分524及び第1の接着促進材料部分527を定める。この構成は、第1の電気クリップ563が第3の導電電極部分518、反射材料520、任意的なオーバーコート522、及び電気光学媒体510と電気的に導通するように導電材料548を配置することを可能にする。特に、導電材料548が第1の電気クリップ569を配置する前に要素に適用される実施形態においては、導電材料は、境界面557、566、572、575を少なくとも部分的に分離することができることは明らかであろう。第3の導電電極部分518、第1の電気クリップ563、及び導電材料548を形成する材料又は材料組成は、クリップと電気光学媒体に至る材料との間の耐久性のある導通を促進するように選択されるのが好ましい。第2の分離区域586は、1次シール材料575の一部と協働し、第3の導電電極部分518、反射層520、任意的なオーバーコート材料522、及び電気光学媒体510から実質的に電気絶縁された第4の導電電極部分587を定める。この構成は、第2の電気クリップ584が、第1の接着促進材料部分527、第1のスペクトルフィルタ材料部分524、第1の導電電極508、及び電気光学媒体510と導通する導電材料590の配置を可能にする。特に、導電材料590が第1の電気クリップ584を配置する前に要素に適用される実施形態においては、導電材料が境界面585、588、589を少なくとも部分的に分離することができる点は明らかであろう。第1の導電電極部分508、第1の電気クリップ584、接着促進材料593、スペクトルフィルタ材料596、及び導電材料590を形成する材料又は材料組成は、クリップと電気光学媒体に至る材料との間の耐久性のある導通を促進するように選択されるのが好ましい。
【0021】
周囲材料560は、結果として得られる可視縁面が視覚的に魅力的であるように、及び境界面533、545、554で良好な接着力が得られるように選択されるのが好ましい。第1の隅部503、縁部505、第2の隅部507及びその組合せに近接する区域内の第1の基板502の少なくとも一部は、観察者の目を引く突出部及び陥凹部を滑らかに処理することができる点を理解されたい。表面、隅部、縁部又はその組合せの少なくとも一部を処理して、「勾配付き」、「丸み付き」又はその組合せを定めることは、本発明の範囲内である。本発明の譲受人に譲受された米国特許第7,064,882号、及び米国特許出願公開第2004−0032638号では、縁部処理を実行するための様々な機構が説明されている。対応する処理によって、要素の外観及び耐久性が向上する。
【0022】
図6及び表1及び表1−4aを参照すると、第1の基板の第2の表面とスペクトルフィルタ材料又はリングとの間にインジウム−スズ−酸化物導電電極を有する結果として得られた色について説明されている。本明細書に含まれる例示的なミラー要素の説明においては、第3の表面の反射体に対してのスペクトルフィルタ材料に付随する反射率は、少なくとも1つの実施形態において、電気光学媒体が「透明な」状態であるときにスペクトルフィルタ材料がより青の強い色調となる。本明細書に含まれる表に示すように、反射体のb*は、スペクトルフィルタ材料のb*よりも高い。主反射体の色調とスペクトルフィルタ材料とが一致しない場合には、b*値が主反射域よりも低いスペクトルフィルタ材料を有することが望ましい場合が多い。多くの外部ミラーは、主反射域が青色の色調であるように設計される。本明細書で少なくとも1つの実施形態で説明するように、スペクトルフィルタ材料についてクロムと組合せて又はクロムの代わりにアルミニウムを使用すると、付加的な演色の選択肢が得られる。共に示される他の選択肢又は実施形態は、リングとミラー視域のより良好な適合をもたらす。これらの他の場合においては、スペクトルフィルタ又はリングは、実質的に同じ反射率及び色を有し、視域とリングとの間のシームレスな一致を可能にする。
【0023】
表1は、7つの独自構成によるスペクトルフィルタ材料、第2の表面の導電電極、及び関連材料についての様々な色特性、すなわち、Y鏡面反射あり(A10);a*、b*、C*、及びY鏡面反射なしをまとめたものである。
【0024】
表1aから表1dは、スペクトルフィルタ材料の変形を含む。反射率は、CIE−D65おけるものである。個々の層厚みは、ナノメートル単位である。表1aは、スタックガラス/ITO/Cr/Ru/Rhに及ぼすクロム厚みの影響を示す。スタックの反射率は、クロムの厚みが薄くなる程大きくなる。この実施例においては、クロムの屈折率は、n=3.459及びk=3.9808である。ここで、nは実部を示し、kは複素数の虚部を表す。クロムの屈折率は、部分的にスタックの反射率を定義し、以下でより詳細に説明する。同様に、クロムを薄くする程、反射a*値が大きくなり、リング材料の良好な適合をもたらす。
【0025】
少なくとも1つの実施形態においては、スペクトルフィルタの反射率は、ルテニウムの代わりにロジウムを第1のクロム層に隣接して置くことによって大きくなる。表1bは、クロムの厚みが変化したときのクロムの反射率及び色厚みに対するクロム厚の影響を示している。この場合も前記実施例と同様に、クロム層が薄くなるに伴って反射率が大きくなる。この実施例は、ミラー反射の中心部の反射率が相対的に高いときに好ましい。
【0026】
一般的な製造ミラー特性を以下に示す。
表1a−別のスタック−ルテニウムを含むクロム厚み
表1b−別のスタック−ロジウム/ルテニウムを含むクロム厚み
【0027】
表1cは、薄肉ロジウム層が薄肉クロム層の隣に使用されたときのルテニウム厚みの影響を示す。ルテニウムがほぼ20nmのときに特定の利点が達成される。ルテニウムの最小要件は、ロジウム厚み、薄肉クロム厚み及び目標反射率値と共に変わることになる。
表1c−他のスタック−ロジウムの後のルテニウムの変動
【0028】
表1dは、一定のクロム及びルテニウムの厚みでロジウム厚みに応じて反射率がどのように変化するかを示している。ロジウム厚みが大きくなるのに伴い反射強度は大きくなり、反射a*が大きくなる。反射a*の増大を利用して、ガラス中心部とリングとの間の色適合の改善を促進することができる。ロジウム厚みの変化に伴う反射率の変化は、ロジウムとITOとの間のクロム層厚みに応じて異なる。クロム層が厚くなる程、ロジウム反射率の減衰が大きくなる。また表1dでは、薄肉クロム層と肉厚クロム層との間に他の金属がある。パラジウム、イリジウム、カドミウム、及び白金が示されている。薄肉クロムベース層厚みの変化の影響と共に反射率対金属厚みが示されている。
表1d−他のスタック−ロジウム厚みの変動
【0029】
異なる金属又は金属の混合物を薄肉クロム層の隣に使用することができる。薄肉クロム層は任意的なものと考えることができ、接着促進層が要求される際に使用する。他の接着促進金属又は材料でもこれに匹敵する機能を果たすことができる。視域の中心部に対して要求される適合に応じて、反射率を低く又は高く変えるために様々な金属が選択される。金属は、リングの色又は色調を変えるといった別の利点を有することができる。金属の下にITO又は他の誘電層が存在すると、より負のb*方向に色が移動する傾向がある。銅などの「赤色」高反射率の金属を使用すると、反射率を高めると同時に視域との色適合を助長することができる。表1eは、2つのクロム層の間に置かれた薄肉銅層の影響を示す。反射率をかなり大きくすると、リング色がより中間の色になる。銅・金の合金と類似の特性である。
表1e:スタックへの銅添加による色及び反射率の影響
【0030】
結果としてより大きな反射率をもたらす適切な金属としては、カドミウム、コバルト、銅、パラジウム、銀、金、アルミニウム、及びイリジウム、或いは他の高反射率金属、その合金及び/又は金属の混合物がある。
表1
1−ガラス/856 Ang.Al203/半波(光学的厚さ)ITO
2−1プラス不透明クロム層
3−1プラス約30 Ang.クロム/250 Ang.アルミニウム
4−ガラス/半波ITO/30 Ang.クロム/250Ang.アルミニウム
5−ガラス/半波ITO/不透明クロム層
6−ガラス/Tec15/不透明クロム
7−Tec 15
【0031】
表2は、第1の基板とほぼ不透明なクロムスペクトルフィルタ材料との間に位置決めされた様々なイリジウム−スズ−酸化物の第2の表面導電電極の組合せに関する、様々な色特性、すなわち、a*、b*、C*、及びY鏡面反射あり(A10)をまとめたものである。この表に含まれるデータは、ITO厚みを半波厚みの約65%から約100%まで変えることによって結果として得られるb*値を制御する能力を示している。所与の色を得るために予測される特定の厚みは、光学的定数に影響を与える堆積パラメータに基づいて若干変わる可能性がある。特定のスタックの色は、プロセスパラメータの選択、並びに使用する材料の光学的定数が小さいが場合によっては有意なシフトをもたらすプロセス変動に基づいて、ある程度変わる可能性がある。例えば、ITO半波光学的厚みは、コーティングの物理的密度が増大した場合には物理的厚みがより小さくなることに対応し、ITOコーティングの吸光度が増加すると、第2の表面ITO及びクロムスタックの反射率が小さくなる。これは、ITOに通常付随する光学的定数の範囲にわたって、例えばクロムをコーティングしたときのITOの半波光学的厚み(550nmに対して)が黄色の色調を有する反射を生成する傾向があることを否定するものではない。表2aは、ITO厚みのより狭い範囲にわたり且つ金属スタック調整を伴った同一の影響を示す。ITOの厚みが大きくなるにつれて反射率が大きくなり、強度の適合性が向上する。a*値は小さくなり、b*値は大きくなる。正味の影響として、適切なITO厚みで色適合が改善されることになる。色不適合が選択された場合には、スペクトルフィルタ材料の色は、主反射区域よりも小さいb*値になるようにすることができる。
表2
表2a 金属スタック調整を伴ったITOの影響
【0032】
表3は、種々のイリジウム−スズ−酸化物の第2の表面導電電極に関する、様々な色特性、すなわち、a*、b*、C*、及びY鏡面反射あり(A10)をまとめたものである。この表に含まれるデータは、ITO厚みを半波厚みの約65%から約100%まで変えることによって生成された結果として得られる値を示す。
表3
【0033】
透明な第2の表面導電電極に使用される材料は、一般的に屈折率が約1.9以上の材料である。半波厚みの倍数を用いるか、この用途に可能な限り薄い層を用いるか、幾つかの「非虹色のガラス構造体」の1つを用いることにより、これらの導電電極材の色に対する影響を最小限に抑えることは公知である。非虹色の構造体では、通常、屈折率の高い導電コーティングのもとで(例えば、Roy Gordonによる米国特許第4,377,613号及び米国特許第4,419,386号を参照されたい)屈折率が高い層及び低い層のいずれか、屈折率が中間である層(Roy Gordonによる米国特許第4,308,316号を参照されたい)、又は屈折率が段階的である層(Roy Gordonによる米国特許第4,440,822号を参照されたい)を用いて色に対する影響を最小限に抑えることになる。色抑制層を有するリングの強度は、その部分の中心部よりも低い。色抑制層は、リングの色を促進するが、リングは、その強度コントラストに起因して依然として可視である。従って、色が抑制されたITOは、ITOの上にある金属層の異なるシーケンスを用いることによって恩恵を受けることになる。表3aは、ある範囲の異なる金属選択肢に関する色を示している。頂部クロム層は任意的なものであり、リングの色又は反射率の適合に貢献するものではない。頂部クロム層は、層スタックの透過率を最小限に抑え、シールに到達する紫外線量を最小限に抑えるために付加され、これによって製品の寿命が延びる。クロム/ロジウム/ルテニウムスタックが示されているが、本明細書の他の場所で説明する他の金属、合金、高反射体を使用してもよいことは理解される。
【0034】
色抑制層の有無によるITOの厚み変更の影響を表3a2に示す。表に示される色は、100nmと300nmとの間のITO厚みで発生する変化を表す。従って、色抑制層を用いることにより、色抑制層がない場合に生じる強い色の変動を引き起こすことなく、ITO層の厚み範囲の拡張が可能となる。
表3a:色抑制ITOを伴う金属層の影響−CIE−D65での反射率
表3a2:色に及ぼす色抑制ITOの影響−200nmITO+/−100nm
【0035】
ガラスに隣接した薄いクロムなどの部分透過層を用いると、白金族金属(PGM)(すなわち、イリジウム、カドミウム、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム)、銀、アルミニウム、及び銀−金、ホワイトゴールド、又は他の金属などの相互に組合せた金属の様々な合金など、クロムと比較して反射率向上に使用することができる金属と比べると接着上の利点をもたらすことができる。これらの他の金属又は合金が部分透過接着促進層の背後に配置されると、第2の金属の反射率向上の一部が実現されることになる。また、透明導電オーバーコートと接触しているか否かを問わず、又は電気光学媒体と直接接触しているかどうかに関係なく、スペクトルフィルタ材料の耐久性を向上させる材料でスペクトルフィルタ材料をオーバーコートすることは有益とすることができる。反射体は2色スタックとすることができることを理解されたい。スペクトルフィルタ材料は、クロムなどの単一材料を含むことができ、又は、1)クロム、ロジウム、ITO、2)モリブデン、3)クロム、ロジウム、TCO、4)クロム、白金族金属、ITO、5)ITO、銀、ITO、6)ITO、銀合金、ITO、7)ZNO、銀/銀合金、ZNO、8)透明導体、金属反射体、透明導体、シリコン、ITO、9)シリコン、ZNO、10)クロム、ルテニウム、ITO、11)クロム/ロジウム/ルテニウム/ITOなどの材料スタックを含むことができ、或いは、他の金属、金属合金、又は本明細書の他の場所で説明する組合せを用いることができる。
【0036】
また、2段階以上でミラーの第2の表面上に透明導電酸化物を施工することが有利とすることができる。例えば、酸化亜鉛層を最初に堆積し、銀又はその合金が良好に接合される層を形成することができる。これは、銀、銀合金、又は他の金属及びその合金と組合せたときに望ましい色及び反射率をもたらす厚みに選択されるのが好ましい。次いで、金属層をその部分の周辺周りに施工し、続いて、少なくともエレクトロクロミック区域を覆うように追加の透明導電酸化物を施工する。酸化物の追加施工は、エレクトロクロミック区域の導電率が向上し、エレクトロクロミック区域で明状態から暗状態になり、特に完全に暗状態であるときに望ましい範囲の色調をもたらす厚みに選択することができる。エレクトロクロミック区域に隣接した導電酸化物が十分な導電率を有する場合には、必ずしもスタック内の金属酸化物の全てが導電酸化物である必要はない。
【0037】
例えば、特定のモデル、すなわち100nmのITOを覆って堆積された不透明銀を用いると、反射リングの色はおよそ、D65発光体を用いた約2度の観測者で、a*=−1、b*=−2、及び89のY値となる。この説明の目的で、銀は、エレクトロクロミック区域周りのリングにのみに適用されるようにマスク処理される。100nmのITOのみをガラス上に有するエレクトロクロミック区域の色では、屈折率1.43の材料をエレクトロクロミック媒体として使用し、Y値が8でa*=−3、b*=8のときに第3又は第4の表面モデルからの反射はない。エレクトロクロミック区域の黄色を低減し、且つ導電率を高めるために、40nmのITOをエレクトロクロミック区域に添加することができる。これによって、エレクトロクロミック区域のコーティングが約半波光学的厚みになり、この光学的厚みは、ほぼ、ほとんどのエレクトロクロミック要素を有する第2の表面コーティング厚みである。次いで、エレクトロクロミック区域のモデルは、a*=11、b*=−14、Y値5の色を与える。透明導電酸化物のこれらの用途のいずれか又はその両方は、アルミニウムドープの酸化亜鉛などの別の材料とすることができる。また、熱処理段階などのコーティング及び組み付けプロセスの後続の段階中に銀などの金属層を保護又は保持する、ニッケルクロム又は亜酸化ニッケルクロム、ニオブ又は亜酸化ニオブ、チタン又は亜酸化チタンなどの追加層並びに当該技術分野で公知の他の手段があるであろう。
【0038】
このようなスタックを使用することによって、反射リングは、銀又は銀合金を組み込む第3の表面コーティングを有する素子のようなより反射率が高い非暗色状態のエレクトロクロミック区域の明度に密接に適合することになる点に留意すべきである。
【0039】
特に、電気光学媒体と直接接触しているアルミニウムは、複数の着色/透明化サイクルを受けると劣化する傾向がある。クロムのオーバーコートにより、その耐久性が改善されることが実証されている。ITOオーバーコートを使用すると、シリコンなどの材料は、ITOとガラスにより近い物質との間の結合強度を向上させることができる。白金族金属(PBM)(すなわち、イリジウム、オスミウム、パラジウム、白金、ロジウム、及びルテニウム))などの他の材料をオーバーコートすると、接着、反射、導電性、電極安定性、そのいずれか1つ、その副組合せ、又は、その組合せ特性を向上させることができる。
【0040】
上記の図及び表に示すように、ITOの厚みは、望ましい反射色を生成するように選択することができる。ITOコーティングが約25%薄くなると、これは約120Ang.である。140Ang.ではなく、より青色の色調になる(すなわちb*が小さくなる)。しかしながら、これはまた、ITOコーティングの導電率が低下することとなる。コーティングの反射率はまた、基準が550nm近傍の最小反射率に対するものである従来の半波光学的厚みのコーティングに対するものよりも僅かにある程度まで高くなる。
【0041】
最適色とITOのシート抵抗との間の妥協は、ITO層の部分的除去を用いることにより軽減することができる。例えば、ITOは、視域中心部の適正な色及び所要のシート抵抗を与えるのに必要とされるあらゆる厚みに適用することができる。その後、ITOコーティングのリング部分をイオンエッチングするか、又は他の実行可能な方法で除去し、リング内のITOの最終厚みが望ましい美観を有するポイントであるようにすることができる。ITOのエッチング又は除去プロセスは、後続の金属層の堆積と同様の方法で行うことができ、或いは個別の段階で行ってもよい。
【0042】
クロム層をITO層の下に適用すると、視域とリングとの間の限界適合をもたらすことができることは当該技術分野で公知である。この場合のリングと視域の適合度は、視域内の反射率とクロムの特性の関数である。当該技術分野で教示されていなかった点は、クロム層の特性がどのように視域とリングとの適合に影響を与えるかについてである。例えば、視域の反射率が55%を上回るように法的に規定される場合がある。クロムリングの反射率は、クロム厚み、更に重要なことは、クロムの屈折率の関数である。所与の屈折率拡散式では、クロム層の厚みを小さくすることによって反射率を最大値から低下させることができる。これは、クロム層の透過率が大きくなるので悪影響を及ぼし、従って、より多くの紫外光がEC単位シールに透過することが可能となる。紫外線は、シールを損傷し、製品の寿命を短くする可能性がある。
【0043】
リングの反射率は、クロム層の光学的特性を調整することにより高めることができる。表3bは、クロム層の光学的特性に対するITOの下にあるクロムの反射率の依存を示す。反射率に及ぼす光学的定数の影響を評価するために、公開されている文献から2組の光学的定数を入手し、異なる割合で混合した。光学的定数は波長に応じて変化し、表3bの値は参照として550nmのときの値である。クロム層の厚みは80nmであり、ITOは148.7nmである。少なくとも1つの実施形態においては、ガラス厚みは、1.2mmであり、例示の反射率は、ガラスを通してコーティングスタックまで見る場合におけるものである。
【0044】
この実施例においては、反射率は、最低値48.6%から最高値54.2%まで変わる。これは、視域内に相対的に高い反射率が存在する場合には、一部のクロム層は、必ずしも目視の反射率と適合するのに必要な反射率を達成するとは限らないことを明確に示している。更に、ITOの下にある単一のクロム層によって達成可能な最大反射率は有限である。好適なクロム層は、クロム層の屈折率で定義される。
【0045】
表3b:様々なクロムの光学的定数についてのITOの下にあるクロム層のクロムに対する性能
【0046】
クロム層に関する適切な光学的定数を定義するために、一連の計算を行った。簡単な分析を行ったが、ここではクロムの屈折率は可視領域にわたって一定に保持される。この分析は、クロムの実部及び虚部の屈折率と結果として得られる反射率との間の関係を示している。実際に行われているところでは、これは、クロムの光学的定数の拡散の影響を考慮するため、最大+/−20%だけ理論上の分析とは異なる場合がある。表3cは、nとkの様々な組合せとn/kの比に関する反射率を示す。
【0047】
表3c.クロムの光学的定数の関数としてのITOの下にあるクロムの反射率
【0048】
nとkを反射率に関係づける方程式を求めるためにこのデータセットの分析を行った。この場合も同様に、反射率は、ガラスを通して見たときの計算である。
【0049】
反射率=9.21972−8.359545*n+20.3495*k+1.76122*n^2−0.711437*k^2−1.59563*n*k
【0050】
この結果をグラフで示すこともできる。方程式及び/又はグラフを用いて、クロム層について望ましい反射度を達成するために必要な所要のnとkを求めることができる。
【0051】
美観上、リングができるだけ密接に視域と適合させることが望ましい。その結果、リングに目が引き付けられず、視域内の対象物に良好に合焦することができる。リングと視域間の外観上のどの差違が好ましくないかは幾分主観的なことである。リングと視域との間の強度は、好ましくは10%以内、更に好ましくは6%以内、最も好ましくは3%である。同様に、リングの色は好ましくないものとなる可能性がある。リングと視域間との間の色差は、30未満、好ましくは15未満、最も好ましくは10C*単位未満とすべきである。
【0052】
処理の制限又は制約に起因して所望のクロムの光学的定数を達成することは不可能であるが、それでもリングと視域との間の適合が望ましい状況が存在することがある。他の場合には、クロム単独で実施可能なものよりも高い反射率をリングで達成することが望ましい場合もある。これらの状況では、クロムの上にある金属の場合について上述した内容に類似する手法を適用することができる。より高い反射率を達成するためには、相対的に薄いクロム層をガラスに施工し、次いで、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、カドミウム、パラジウム、白金、又はクロムよりも高い固有反射率を有する他の適切な金属又は合金などの高反射金属層を施工する。
【0053】
表3dは、クロム層における固定のnとk値の反射率に対してのクロム厚みの影響を示す。クロムの光学定数は、56%の視域反射率に適合させる目標で、50%未満の反射率を生成するように選択された。反射率は、第1のクロム層の厚みに応じて変動し、本質的には、クロム層厚みを2.5nmに低減したときに完全な適合が得られる。
表3d:反射率に及ぼすクロム厚みの影響
【0054】
また、クロム層の光学的定数は、このスタックの反射率に影響を与える。反射率は、クロムの光学的定数に応じて有意に減衰する可能性があるが、高反射率の金属層(この場合はルテニウム)が裏付けされた薄いクロム層を使用することで、高反射率の金属がない場合よりも反射率を大幅に高くすることができる。表3eは、反射率に及ぼすクロムの光学的定数の影響を示す。
表3e:反射率に及ぼすクロムの光学的定数の影響
【0055】
リングの反射率を高め且つ視域との美的適合を改善させる別の選択肢は、低屈折率の材料をITOと金属層との間に配置することからなる。低屈折率の金属は、シリカ、アルミナ、MgO、ポリマー、又は他の適切な屈折率の低い材料とすることができる。低屈折率の材料の少なくとも複数の選択肢が存在する。その第1は、シリカ層の厚みを制御して反射率の干渉を増大させることである。表3fは、低屈折率層の追加の有無でのリングの色を比較するものである。この場合、低屈折率層はシリカであるが、上述のようにあらゆる適切な低屈折率材料がこの用途には好適である。ITOと低屈折率層の厚みを調整して色を変えると同時に反射率を高めることができる。この方法を本明細書の他の場所で説明される様々な金属スタックと組合せることによって反射率を更に高めることができる。
表3f:ITOと金属層との間での低屈折率層の追加の影響
【0056】
別の選択肢は、比較的厚い低屈折率材料をITOとリングの金属反射体との間に挿入することである。この場合、低屈折率層がバルク層として機能するのに十分な厚みがあることが望ましい。必要な厚みは、特に非均一性により光の位相情報を排除することができる場合には、少なくとも部分的にはバルク層の材料特性に依存する。層の厚みは、1/4ミクロン程の薄さ、或いは望ましい効果を得るためにはそれよりも肉厚とすることができる。
【0057】
リングと視域間を適合させる他の選択肢は、高/低/高の誘電スタックを使用することである。交互する屈折率を有する一連の誘電層を用いて、高反射率のコーティングをもたらすことができる。例えば、TiO2/SiO2/TiO2の交互する層を用いることができる。表3gは、中間色で60.5%のリング反射率をもたらすTiO2、SiO2及びITO(厚みはnm単位)からなるスタックを示す。色及び反射率は、層の厚みを調整することによって変えることができる。また、ITOをベース層とする第2の選択肢を表3gに示す。スタックは、所望の色及び反射率の両方を与えるような両方の構成で調整することができる。ITOの厚みは、導電性がより高い層に提供するように調整することができる。他の層の厚み及び屈折率を調整し、ITO厚みの変化を補正することができる。これによって、この設計選択肢の有用性が高くなる。
表3g:リング適合のための高/低/高スタック
【0058】
リングの別の選択肢は、電極に対してIMI(すなわち絶縁体/金属/絶縁体)スタックを使用することである。一部の特定のIMIスタック及びリング材料を以下に示すが、他の形態も実施可能である。本発明の関連においては、ITO又は別のTCOの代わりにIMIスタックを使用することも想定することができる。次いで、金属又は誘電スタックをIMIスタックと基板又はシール材料との間に配置する。両方のケースでは有効に作用することになる。反射スタックをIMIとガラスとの間に配置すると、特に金属反射体が本質的に不透明である場合には、IMIスタックがより可撓性のある状態が得られる。IMIを金属反射体で遮蔽して、中央部視域に対して必要に応じて調整することができる。IMIがガラスと反射スタックの間にある場合、視域とリングの要件が確実に互換性があるようにすることが望ましい。これは、達成可能であるが、反射体がIMIとガラスの間にあるときには存在しないIMIスタックに制限を課すことになる。
【0059】
IMIスタックにおいては、TiO2、SiO2、ZnO、SnO2、酸化ニオブ、シリコン金属、ZrOX、SiN又は他の適切な材料などの誘電層とすることができる。混合酸化物、オキシナイトライド又は他の複合材料を使用することができる。金属は、Ag又はAg合金であるのが好ましい。Agは、Au、Pd、Pt、Si、Ti、Cu、又は適切な電気化学的、化学的、又は物理的特性をもたらすように選択された他の材料で合金又はドープすることができる。金属層と誘電体との間に保護層を配置して金属の接着、化学的安定性又は熱処理中のIMIコーティングの熱安定性を向上させることができる。複数の異なる誘電体を使用すると、視域及びリングにおける色及び反射率を減衰させることができる。
表3h:IMIスタックとリング反射率(厚みは別記しない限りnm単位)
【0060】
ITO厚みを半波からITO及びクロムスタックについて青色が得られるポイントまで増大させると、色は、堆積中の厚み変動、及び/又は実際の使用時の視野角の差に起因する変位がはるかに生じやすくなる。半波光学的厚みよりも意図的に薄く堆積させたITOコーティングは、上記の説明により表2に示すようにクロムでオーバーコートしたときに比較的低いレベルの曇りが生じた。
【0061】
コーティング間の差異は、一部の反射分光光度計で利用可能な鏡面反射なしの選択肢を用いることで測定することができる。このような測定値は実際の散乱光を測定しており、主に少量の鏡面反射の成分ではないことを確認することが重要である。一般には、光の波長が短い程より散乱がしやすい。このことは、所与の読み取り値が測定されている予測散乱光強度であるかどうかを判断するのに使用するときの良好な指標となる。MacBeth Color Eye 7000は、この点に関し良好な曇り測定結果をもたらす1つの分光光度計である。
【0062】
本明細書で使用される用語「霞」及び「曇り」とは、薄膜における散乱又は非鏡面反射の特性を意味する点を理解されたい。霞は、層の酸化不足、層内の結晶サイズ、表面粗度、層境界面特性、基板の洗浄品質、その副組合せ及び組合せを含む幾つかの要因が原因となる場合がある。
【0063】
これらの特性は、処理条件及び/又は材料によって変わる可能性がある。これは、曇りのレベルがコーティングの単一のプロセス「バッチ」又は「ロード」内でさえもかなり変わる場合があるという点において、処理条件に関し特に当てはまる。それにも関わらず、クロムでオーバーコート処理され且つガラスを通して見られるITOに層ついては、色抑制又は虹色防止下層の有無を問わず、Libbbey Ownes Ford製Tec15ガラスで同様に得られるものよりもはるかに曇りの少ないコーティングを生成することが可能であることが示されている。
【0064】
酸化アルミニウムを下層として使用して、スペクトルフィルタ材料スタック並びに適切な屈折率をもたらす酸化物の混合物の色調の制御を助けることができる。ITOとSiO2及び/又はSiOの混合物をITOの下層として使用して、結果として得られるスペクトルフィルタ材料スタックの色調を制御することは特に有利とすることができる。ITOに対しセラミックターゲットを使用することで、膜厚などの特性についてより厳しいプロセス制御が可能となると考えられることが多い。ITOとSi及び/又は酸化状態の混合物中のSiを含むスパッタターゲットを使用することができる。このような下層では、潜在的に、下層とITO層を堆積させるのに使用されるカソード間にポンピング又は介在ドアから実質的にガス流を分離させないインラインコーティングシステムを使用することができる。SiO2の少なくともある程度の割合までのITOとSiO2の混合物は、RFスパッタリングが必要ではないように十分な導電性を保持することになる。中間周波数(MF)スパッタリング又は直流(DC)スパッタリングと比較して、無線周波数(RF)スパッタリングでは、薄膜コーティングシステムに含めることは単純なことではない電気絶縁及びインピーダンス整合が必要とされることが多い。
【0065】
車両用バックミラーには35%(多くの欧州諸国では40%)反射率の法的要件があるので、(電気光学ミラー要素の場合は透明な状態)、周辺区域が視野計算に含まれるためには、このようなレベルの反射率を有することが必要である。Tec15ガラスを覆うクロムに関して本明細書で呈示されるデータにおいては、この最小値は満たされていない。
【0066】
電気光学素子で使用される虹色防止構造体の一部である測定可能な曇りを有するCVD蒸着フッ素ドープ酸化スズの使用が知られている。導電電極をもたらすための様々な厚みのITOも公知である。イリジウム−スズ−酸化物導電電極及びクロムスペクトルフィルタ材料スタックのb*がITOの厚みを変えることによって予測可能に制御することができることは、これまで知られていない。虹色防止構造体を有する熱分解堆積フッ素ドープ酸化スズ(L.O.F製Tec 15)は、表1に示すように酸化アルミニウム層を覆うように堆積されたITOと比較すると、クロムでオーバーコートされたときには実質的に曇りが多い。
【0067】
スペクトルフィルタ材料が第1の表面に近接して位置する実施形態においては、第1の表面と第3又は第4の表面反射体との間の距離を最小限に抑えることが有利とすることができる。反射体と第1の表面との間の距離が大きい程、主反射体からスペクトルフィルタ材料に移行するときに要素によって反射された画像内の不連続性がより大きくなる。これは、視野角が大きくなるにつれ減衰されることになる。
【0068】
スペクトルフィルタ材料が要素の第2の表面に近接して位置し、親水性コーティングなどの付加的なコーティングが第1の表面上にある実施形態においては、両方のコーティングの光学的特性により素子の周辺部の外観が影響を受けることになり、周辺部の最適な外観を求めて層に対する調整が必要になる場合がある。引用により全体が本明細書に組み込まれる、譲受人に譲受された米国特許第6,447,123号、米国特許第6,193,378号及び米国特許第6,816,297号で説明したような親水性コーティングを有する電気光学要素の場合、第1の表面コーティングは、本明細書で説明するような第2の表面スペクトルフィルタ材料の好適な実施形態の反射率よりもかなり低い反射率を有することになる。これによって、素子の周辺部の色調及び/又は色度は、第1の表面上のコーティングよりも第2の表面コーティングに依存することになる。それにも関わらず、特に、知覚される黄色色調から青色、すなわちそれぞれ+b*から−b*に、又は赤色色調から緑色、すなわちそれぞれ+a*から−a*に遷移する時点近傍で色が選択されたときに、これらの差異はより知覚可能なものになる傾向がある。スペクトルフィルタ材料の色調を反射体の視野全体の色調に適合させようとする場合、要素の視野全体と比較して、黄色多から黄色少、又は青色少から青色多への遷移をもたらす材料の小さな差異は、本明細書の教示内容を実施することによって回避することができる。赤色色調と緑色色調における同様のコントラストを達成することができる。
【0069】
例えば、親水性の表面コーティング有無でのリング及び視域の色と反射率は、薄膜プログラムでモデル化されている。スペクトルフィルタリングは、126nmのITO、3nmのCr、5nmのRh、30nmのRu、及び40nmのCrからなる。金属及び誘電層に隣接する出口媒質又は材料は、屈折率が約1.365のエレクトロクロミック流体である。この親水性層は、ガラスに隣接する65nmの色抑制層、表面形態を有する234nmのTiO2層、及び10nmのSiO2からなる。
【0070】
表4aは、ミラーの様々な部分の反射率及び色を示す。最初の2列は、リング外観に対する親水性層の存在の有無の影響を示す。色及び反射率は、ミラーの第1の表面上に親水性層を施工することでは本質的には変わらない。列3及び列4においては、ミラーが暗色状態であるときの視域の色の変化を見ている。非暗色状態においては、後部反射体のより高い反射率で外観が占められている。反射率は、特定の市場で有利とすることができる親水性層を有するとより大きくなる。この場合親水性層がない視域の色は、ITOの厚みがリングの色を最適化するように選択されるので、幾分好ましくないものである。これにより、視域の色は幾分犠牲にされたものとなる。親水性コーティングを表面1に付加することによって色は中間色化され、その組合せに対しプラスの利点である。5列目は、参考として、ガラス表面2に他の何らかのコーティングがなく且つ出口媒体としてエレクトロクロミック流体を有する親水性層の色を示している。
表4a:様々なミラー構成要素の色及び反射率
【0071】
例示的なミラー要素について
図4aから図4c及び図5に準拠した特に有利な要素構成は、約0.4波長(半波の約80%)厚のイリジウム−スズ−酸化物の導電電極がスパッタリングによって実質的に第2の表面全体を覆うように施工された、約1.6mm厚のガラスの第1の基板を含む。第1の隅部、縁部及び第2の隅部の少なくとも一部は、約0.25mmの材料が第2の表面から除去され、約0.5mmの材料が第1の表面から除去されるように処理される。導電電極の一部が処理中に除去されることは明らかなはずである。約400Å厚のクロムのスペクトルフィルタ材料を導電電極に近接する第1の基板の周辺部近傍に約4.5mm幅で施工する。約100Å厚の白金族金属(PBM)(すなわち、イリジウム、オスミウム、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム)である導電安定化材料をスペクトルフィルタ材料に近接する第1の基板の周辺部近傍に約2.0cm幅で施工する。第1の分離区域は、一部が1次シール材料区域の一部に平行で且つその幅内に延びる約0.025nn幅でレーザエッチングされ、第1及び第2の導電電極部分、スペクトルフィルタ材料部分、及び接着促進材料部分を実質的に電気絶縁する。第3の表面の実質的に全てを覆って約0.5波長厚の導電電極を有する約1.6mm厚のガラス製の第2の基板が設けられる。第2の分離区域は、一部が1次シール材料区域の一部に平行で且つその幅内に延びる約0.025nn幅でレーザエッチングされ、第3及び第4の導電電極部分を実質的に電気絶縁する。1次シールの内方縁部によって実質的に定められる第3の導電電極部分に近接して約400Å厚のクロムの反射材料が施工される。1次シールの内方縁部によって実質的に定められる反射材料に近接して約120Å厚のルテニウムの任意的なオーバーコートが施工される。脂環式アミン硬化剤と約155μmの実質的に球形のガラス球を有するエポキシを含む1次シール材料を設けて、第1及び第2の基板を共に離間した関係で固定してチャンバを形成する。引用により全体が本明細書に組み込まれ、譲受人によって譲受された多くの米国特許及び米国特許出願で教示されるように、実質的に剛性のポリマーマトリクスが、1次シール材料のプラグ開口部を介してチャンバ内の第1の導電電極部分と任意的オーバーコート材料との間に設けられる。このプラグ開口部は、紫外光硬化材料を用いて、第3及び第4の表面を介してプラグ底部を紫外光が照射することにより密封される。硬化1次シール材料とプラグ材料は、第4の表面に向いた要素を目視することにより検査される。粘度が約60cPの脂環式アミン硬化剤とタップ密度が約3g/ccで平均粒度が約9μmの銀フレークとを有する、粘度が約4000cPのビスフェノールFエポキシ樹脂を含む導電材料が、第2の接着促進材料部分、第3の導電電極部分、及び第1の電気クリップの間で1次シール材料の外方縁部に近接して施工される。これと同じ導電材料が、第1の接着促進材料部分、第4の導電電極部分、及び第2の電気クリップの間で1次シール材料の外方縁部に近接して施工される。両面感圧接着材料が電気クリップと第2の基板の第4の表面との間に設けられる。第1及び第2の電気クリップを配置した後に導電材料が硬化される。導電材料を施工する前に部分的に1次シール材料が硬化され、追加の1次シール材料硬化は、導電材料の硬化と同じにする。この硬化プロセスは、要素のそりを防止するのに有利であり、関連する接着、シール、及び導電特性全体を向上させる。
【0072】
この例示的なミラー要素の説明は、例証を目的として提供され、本発明の範囲をどのようにも限定するものと解釈すべきではない。本明細書を通じて説明するように、所与の要素及び関連のバックミラー組立体の個々の構成要素について多くの変形形態が存在する。
【0073】
高反射率のスペクトルフィルタ材料が第1の基板の第2の表面と1次シールとの間に適用される本発明の実施形態においては、特別に選定されたスペーサ材を使用してビード歪を排除するのが有利であることが証明されている。通常、ガラスビーズを1次シール材料に追加して、電気光学媒体を含むチャンバを形成する基板間の間隔を制御する。好ましくはほぼ球形のガラスビーズの直径は、望ましい「セル」間隔の関数である。
【0074】
これらのガラスビーズは、2つの透明基板、透明前部基板、及び表面3又は4上に位置決めされる反射体を有する電気光学素子のスペーサとして良好に機能する。また、これらのスペーサは、スペクトルフィルタ材料を第1の表面又は第1の基板内に有する素子において良好に機能する。しかしながら、スペクトルフィルタ材料を1次シール材料及び第2の表面に近接して適用したときに、クロムスペクトルフィルタ材料内のディンプル、すなわち小さな歪が典型的なガラススペーサビーズによって生成され、結果として得られるミラー要素のシール区域において可視である。これらのディンプルは、第3の表面反射体を有するミラー要素においても可視であるが、第4の表面に向いてミラー要素が見える場合にのみ見ることができる。反射体内のこれらの第3の表面のディンプルは、車両に設置して見たときには結果として得られるミラー要素では可視ではない。
【0075】
これとは対照的に、これらのディンプルは、スペクトルフィルタ材料が第2の表面に近接し且つ1次シール材料区域を覆うときに、結果として得られるミラー要素で容易に可視である。これらのディンプルは、少なくとも部分的にガラススペーサビーズに近接した高応力区域によって生成される。一般的に、1次シール材料は、実質的に剛性の熱硬化エポキシ樹脂を含み、脂環式アミン硬化剤を含むのが好ましい。エポキシ材料の硬化温度は、150℃を上回ることが多い。通常使用されるセラミックガラスビーズ(低熱膨張率)とエポキシ材料(高熱膨張率)との間では熱膨張に有意な差があることが多い。ガラススペーサビーズの少なくとも一部分は、シールが高温で固化し硬化したときに、基板の第2及び第3の表面に近接するそれぞれの材料スタックの上部材料と接触している。ミラー要素が次の1次シール材料硬化サイクルで冷却すると、シール材料は、スペーサビーズよりもはるかに大きく収縮し、ビーズ周囲に応力が発生して、歪んだ区域すなわちディンプルが基板スタック内に生じる。基板が1次シール材料と接触している表面上に反射体を含むとき、これらの歪み区域すなわちディンプルは視覚的に知覚できるものである。
【0076】
これらの歪み区域は、幾つかの方法で排除することができる。本質的に高応力区域を構成しないエラストマー性又は可撓性がより大きな1次シール材料を使用することができる。応力が生じたときにスペーサが撓むように圧縮性がより大きいスペーサを使用することができる。また、スペースが破断して1次シール材料硬化中に局所的に発生した応力を除去するように破断可能なスペーサを使用することができる。熱膨張に関係した応力を排除又は最小限に抑えることになる、硬化収縮の小さい室温又は低温硬化性シール材料を使用することができる。熱膨張においてより密接に適合するシール材料及びスペーサを使用して、熱膨張調整充填剤を含む、プラスチックスペーサビーズとプラスチックシール材料、セラミックスペーサビーズとセラミックシール材料、又はシール材料及び/又はスペーサビーズの熱膨張に関係した応力を排除し、又は最小限に抑えることができる。シール材料内のスペーサビーズは、適切な要素製造法を用いて要素ギャップ(「セル」間隔)が制御される場合には、全て一斉に排除することができる。例えば、電気光学媒体で溶解するPMMAビード又は繊維などの間隔媒体を1次シール内にある区域に適用し、1次シール材料硬化中に要素ギャップを制御することができる。また、シールが固化するまで要素基板を機械的に離間した状態に保持することができる。
【実施例1】
【0077】
スペーサ付き1次シール
熱硬化エポキシ樹脂のマスタバッチは、Dow 431エポキシノボラック樹脂96重量部、ヒュームドシリカ4重量部、2エチル4メチルイミダゾール4重量部を用いて行った。上記のマスタバッチの小部分に以下のスペーサ材を2重量部ずつ添加した。次いで、エポキシ混合物がクロム反射体と接触しているように、少量のエポキシ/スペーサの混合物を1インチx2インチx0.085インチ厚のクロムコーティングガラス片に載せた。1インチx2インチx0.085インチ厚のITOコーティングガラス片を上に置き、ガラス片がスペーサ材の底に達するようにガラスサンドイッチをクランプした。その後、要素を約180℃で約15分間硬化させた。その後、要素が室温に戻ると、表面2上にあるかのようにクロムに向いているディンプルがないか目視検査した。
【実施例2】
【0078】
1次シール材料
実施例1の熱硬化エポキシと140μmのガラスビーズを用いて、非常に厚いディンプルのパターンが可視になった。
【実施例3】
【0079】
1次シール材料
実施例1の熱硬化エポキシとプラスチックビーズ(Techpolymer、Grade XX−264−Z、180μm平均粒度、セキスイプラスチックス株式会社、日本国東京)を用いてディンプルのパターンが可視でなくなった。
【実施例4】
【0080】
1次シール材料
実施例1の熱硬化エポキシとプラスチック繊維(Trilene、450μm長に切断した140μm径単繊維、アイオワ州スプリングレーク、バークレー)を用いて、ディンプルのパターンが可視でなくなった。
【実施例5】
【0081】
1次シール材料
実施例1の熱硬化エポキシと中空セラミックビーズ(Envirospheres、165μm平均粒度、Envirospheres PTY Ltd.、オーストラリア国リンドフィールド)を用いて、ごく僅かであるが許容可能なディンプルが可視になった。
【実施例6】
【0082】
1次シール材料
室温で硬化したエポキシを用いると、ディンプルのパターンは室温で1週間後には可視でなくなった。
【実施例7】
【0083】
1次シール材料
紫外線硬化性接着材料に添加したガラスビーズ(140μm)を2重量部(コネチカット州トリントンのDymax Corporation製Dymax 628)と接着剤とを用いて上述したように2つのガラス基板間で圧縮し、ごく僅かであるが許容可能なディンプルが可視になった。この接着剤は、室温で紫外線硬化させたものである。
【0084】
図7a−図7nを参照すると、第2及び第3の表面の導電電極部分705、710の特定の部分に選択的に接触するための様々な選択肢が示されている。理解できるように、例5の構成では、第2及び第3の表面の導電電極部分の少なくとも一部に接触する導電材料をもたらす。
【0085】
図7aに示す要素構造は、第2の表面材料スタック708aを有する第1の基板702aと、第3の表面材料スタック722aを有する第2の基板712aとを含む。第3の表面材料スタックは、導電エポキシ748aに接触している第3の表面材料スタックの部分が、第3の表面材料スタックの残りの部分と絶縁されているように絶縁区域783aを有して示されている。第1及び第2の基板は、1次シール材料778aを介して互いに対して離間した関係で保持されている。要素の別の側部は、視域内の第3の表面材料スタックとの接触を可能にする第2の表面材料スタックに関連する類似の絶縁区域を有することができる点を理解されたい。材料の第2又は第3の表面スタックは、本明細書の他の場所、及び引用により本明細書に組み込まれる参照文献で説明されるような材料の単一の層とすることができることを理解されたい。
【0086】
図7bに示す要素構造は、第2の表面材料スタック708bを有する第1の基板702bと、第3の表面材料スタック722bを有する第2の基板712bとを含む。第1及び第2の基板は、1次シール材料778bを介して互いに対し離間した関係で保持されている。導電性エポキシ748bは、第3の表面材料スタックと接触し、絶縁材料783bを介して第2の表面材料スタックと電気絶縁されている。要素の別の側は、視域内の第3の表面材料スタックとの接触を可能にする第2の表面材料スタックに関連する類似の絶縁区域を有することができる点を理解されたい。材料の第2又は第3の表面スタックは、本明細書の他の場所、及び引用により本明細書に組み込まれる参照文献で説明されるような材料の単一の層とすることができることを理解されたい。
【0087】
図7cの要素は、第2の表面材料スタック708cを有する第1の基板702bと、第3の表面材料スタック722cを有する第2の基板712cとを含む。第1及び第2の基板は、1次シール材料778cを介して互いに対して離間した関係で保持されている。第2の表面材料スタックは、第1の導電性エポキシ又は第1の半田748c1と電気的に接触しているように1次シール材料を超えて第1の基板の縁部に向かって延びている。第3の表面材料スタックは、第2の導電性エポキシ又は第2の半田748c2と電気的に接触しているように1次シール材料を超えて第2の基板の縁部に向かって延びている。要素の別の側は、視域内の第3の表面材料スタックとの接触を可能にする第2の表面材料スタックに関連する類似の絶縁区域を有することができる点を理解されたい。第2又は第3の表面材料スタックは、本明細書の他の場所、及び引用により本明細書に組み込まれる参照文献で説明されるような材料の単一の層とすることができることを理解されたい。
【0088】
図7dは、第3の表面の電気接点478d2とは要素の反対側に形成された第2の表面の電気接点748d1を示す。図7eは、要素の一方の側面に形成される第2の表面の電気接点748e1と、要素の端部に形成される第3の表面の電気接点とを示す。図7fは、要素の片側で且つ一方端と連続的に形成される第2の表面の電気接点748f1と、要素の反対側で且つ反対の端部と連続的に形成される第3の表面の電気接点748f2とを示す。図7gは、要素の両側に形成される第2の表面の電気接点748g1と、要素の端部上に形成される第3の表面の電気接点748g2とを示す。図7hは、要素の両側上に形成された第2の表面の電気接点748h1と、要素の両端に形成された第3の表面の電気接点748h2とを示す。図7iは、要素の両端と片側に連続的に形成される第2の表面の電気接点748i1と、要素の片側に形成される第3の表面の電気接点784i2とを示す。少なくとも1つの実施形態において、より長い電気接点がシート抵抗の最も高い材料スタックの表面に対応することを理解されたい。電気接点は、導電性エポキシ、半田又は導電接着剤を介したものとすることができる点を理解されたい。
【0089】
図7jは、第2の表面材料スタック708jを有する第1の基板702jと、第3の表面材料スタック722jを有する第2の基板712jとを含む要素を示す。第1及び第2の基板は、周辺の第1及び第2の1次シール748j1、748j2を介して互いに対して離間した関係で保持されている。第1の1次シールは、第2の表面材料スタックと電気的に接触するように機能し、第2の1次シールは、第3の表面材料スタックと電気的に接触するように機能する。第1及び第2の1次シールは、互いに対して離間した関係で第1及び第2の基板を保持し、両方の1次シールは、実質的に各基板縁部の外側にあるのが好ましい。
【0090】
図7kを参照すると、バックミラー要素の一部の外形図が、第2の表面上に堆積されたほぼ透明な導電性材料の少なくとも1つの層708kを有する第1の基板702kと、チャンバを間に形成するように1次シール材料778kを介して互いに対して離間した関係で固定された第3の表面上に堆積された材料スタックを有する第2の基板712kとを含んで示されている。少なくとも1つの実施形態では、電気光学媒体710kは前記チャンバ内に配置される。少なくとも1つの実施形態においては、第3の表面材料スタックは、下層718k、導電電極層720k、金属層722k、及び金属層と1次シール材料の下にある重なり部分783kを有する導電性タブ部分782kを含む。導電性タブ部分782kは、金属コーティング722kを覆って堆積されて重なり部を生成することができることに留意されたい。少なくとも1つの実施形態においては、下層は、二酸化チタンである。少なくとも1つの実施形態においては下層は使用されない。少なくとも1つの実施形態においては、導電電極層は、イリジウム−スズ−酸化物である。少なくとも1つの実施形態においては、導電電極層は省略される。少なくとも1つの実施形態においては、導電電極層は省略され、下層は、二酸化チタン又は炭化ケイ素などの比較的屈折率が高い(すなわちITOより高い屈折率)他のほぼ透明な材料である。少なくとも1つの実施形態においては、導電性タブ部分はクロムを含む。導電性タブ部分は、ガラスに良好に接着し、車両ミラー試験条件下で耐食性がある任意の導電性材料を含むことができることを理解されたい。理解されるように、第3の表面材料スタック又は腐食を受け易いスタック内の少なくともこうした層が、1次シール材料の外縁部によって定められる区域内に保持されるときは、要素は、第3の表面の腐食に伴う問題には実質的に影響されない。腐食を受け易い1つ又は複数の層は、導電エポキシ又はオーバーコート層などの保護オーバーコート又は封止剤が組み込まれる場合に、1次シール材料を超えて延びることができることを理解されたい。第1、第2、第3及び第4の表面層又は材料スタックのいずれもが、本明細書又は引用により本明細書の他の場所に組み込まれる参照文献で開示されるようなものとすることができることを理解されたい。導電性タブ部分は、導電電極にわたって導電率を向上させるものであり、導電電極層が十分な導電率を備えている限り、導電性タブ部分は任意的なものであることを理解されたい。少なくとも1つの実施形態においては、導電電極層は、望ましい導電率をもたらすのに加え、対応する反射光線の望ましい固有の色特性を与える。従って、導電電極を省いた場合、色特性は下層材料の仕様により制御される。
【0091】
図7lを参照すると、バックミラー要素の一部の外形図が、第2の表面上に堆積されたほぼ透明な導電性材料の少なくとも1つの層708lを有する第1の基板702lと、チャンバを間に定めるために1次シール材料778lを介して互いに対して離間した関係で固定された、第3の表面上に堆積された材料スタックを有する第2の基板712lとを含んで示されている。少なくとも1つの実施形態においては、電気光学媒体710lは、前記チャンバ内に位置する。少なくとも1つの実施形態において、第3の表面材料スタックは、下層718lと、導電電極層720lと、金属層722lと、金属層と、1次シール材料の下にある導電性タブ部分とを含む。少なくとも1つの実施形態においては、金属層と導電性タブ部分との間に空隙区域783lが定められ、導電電極は、その間に電気的導通をもたらす。少なくとも1つの実施形態においては、下層は二酸化チタンである。少なくとも1つの実施形態においては、下層は使用されない。少なくとも1つの実施形態においては、導電電極層は、イリジウム−スズ−酸化物である。少なくとも1つの実施形態においては、導電性タブ部分はクロムを含む。導電性タブ部分は、ガラスに良好に接着し、車両ミラー試験条件下で耐食性のある任意の導電性材料を含むことができることを理解されたい。理解されるように、第3の表面材料スタック又は腐食を受けやすいスタック内の少なくともこうした層が、1次シール材料の外縁部によって定められる区域内に保持されるときは、要素は、第3の表面の腐食に伴う問題には実質的に影響されない。第1、第2、第3及び第4の表面層又は材料スタックのいずれもが、本明細書又は引用により本明細書の他の場所に組み込まれる参照文献で開示されるようなものとすることができることを理解されたい。
【0092】
図7mを参照すると、バックミラー要素の一部の外形図が、第2の表面上に堆積されたほぼ透明な導電性材料の少なくとも1つの層708mを有する第1の基板702mと、チャンバを間に定めるために1次シール材料778mを介して互いに対して離間した関係で固定された、第3の表面上に堆積された材料スタックを有する第2の基板712mとを含んで示されている。少なくとも1つの実施形態においては、電気光学媒体710lは、前記チャンバ内に位置する。少なくとも1つの実施形態においては、第1の金属層718mは、実質的に第3の表面全体を覆うように堆積される。少なくとも1つの実施形態においては、第2の金属層720mは、第2の金属層の外縁が、1次シール材料778mの外方縁部によって定められた区域内に位置するように第1の金属層を覆って堆積される。少なくとも1つの実施形態においては、第1の金属層は、クロムを含む。少なくとも1つの実施形態においては、第2の金属層は、銀又は銀合金を含む。第1、第2、第3及び第4の層又は材料スタックのいずれもが、本明細書又は引用により本明細書の他の場所に組み込まれる参照文献で開示されるようなものとすることができることを理解されたい。
【0093】
図7nを参照すると、第2の基板712nは、実質的に光センサー又は情報ディスプレイの前方にアイホールを有する材料スタックを含むように示されている。少なくとも1つの実施形態においては、第1の金属層718nには、アイホール区域内に空隙区域が設けられている。少なくとも1つの実施形態においては、第2の金属層720nには、アイホール区域内に空隙区域が設けられている。少なくとも1つの実施形態においては、第3の金属層722nが設けられている。少なくとも1つの実施形態においては、アイホール区域においては第3の金属層のみが堆積されている。少なくとも1つの実施形態においては、第1の金属層はクロムを含む。少なくとも1つの実施形態においては、第2の金属層は銀又は銀合金を含む。少なくとも1つの実施形態においては、第3の金属層は、薄い銀、クロム又はクロム合金を含む。第1、第2、第3及び第4の表面層又は材料スタックのいずれもが、本明細書又は引用により本明細書の他の場所に組み込まれる参照文献で開示されるようなものとすることができることを理解されたい。
【0094】
第1の表面導電電極に近接したスペクトルフィルタ材料715を他の導電電極部分と電気絶縁することができる1つの方法は、図7bに示すように、スペクトルフィルタ材料の少なくとも一部を有機又は無機絶縁材料でオーバーコートすることによるものである。
【0095】
クロム金属などのスペクトルフィルタ材料がコーティング作業(真空スパッタリング、蒸着などによる)においてマスクを通じて第2の表面の透明導体上に適用されるとき、同じプロセスでマスクを通じて非導電コーティングを施工し、導電シール区域内において第2の表面導電電極を第3の表面導電電極から電気絶縁することができる。
【実施例8】
【0096】
絶縁材料
クロムなどの接着促進材料を覆うことが多いクロム、モリブデン、ステンレス鋼、又はアルミニウム、ロジウム、白金、パラジウム、銀/金、ホワイトゴールド、及びルテニウムなどの金属、金属合金、金属層、金属合金層、又はその組合せを含むスペクトルフィルタ材料は、シール区域を覆うために透明導体(ITOなど)の上にマスクを通じて真空蒸着される。シリコン、二酸化ケイ素、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、又は酸化イットリウムなどの絶縁材料を金属層を覆うようにマスクを使用して施工し、望ましいスペクトルフィルタ材料区域を他の導電部分から電気絶縁することができる。この電気絶縁材料は、スペクトルフィルタ材料又は電気導通が望ましい取り込み/導電率促進材料の部分には施工されず、又は除去されない。
【0097】
ベゼルを小型化するか又は不要にする1つの方法は、導電材料を電気的バスの一部として用いて第1及び第2の基板の周縁部間に実質的にオフセットが無い状態で要素を形成することである。好ましい導電材料を使用するために、第2及び/又は第3の表面上の導電性材料の一部の絶縁を行う必要がある。第2及び第3の表面は、各表面の一部分が重なりの無い区域で絶縁されていない場合には、導電材料により互いに短絡することになる。第3の表面は、要素の片側で電気絶縁することができ、第2の表面は、要素の反対側又は隣接する側で電気絶縁されることになる。レーザを用いて、導電性材料を望ましい区域から除去するのが好ましい。レーザの分離は、導電材料と要素の視覚活性区域との間に位置するのが好ましい。分離区域は、アノードとカソードとが同じ表面上に共存せず、電気光学媒体と接触していないような位置であることが更に好ましい。アノードとカソードが隣接する表面に付加されて同じ表面上に位置するときに、ゆっくりと消える残留色が分離区域に沿って存在することになる。更に、第2の表面と第3の表面上のアノードがシールと分離区域との間にある状態では、アノードによって生成される色は、1次シール材料と分離区域との間で可視である。同様に、カソードの位置が1次シール材料と分離区域との間で第3の表面及び第2の表面上にある場合、カソードによって生成された色は、分離区域と1次シール材料との間で正面から可視である。
【0098】
観察者と1次シール材料との間にスペクトルフィルタ材料を有するミラー要素において、分離区域を組み込むことができる。スペクトルフィルタ材料が第1の表面上にある状態では、ミラー要素は、スペクトルフィルタ材料を含まない要素に関して説明したものとほぼ同じものになる。分離区域は、第1の表面を見たときに可視ではない。スペクトルフィルタ材料が第2の表面に近接しているときには、分離区域は第1の表面を見るときに可視である。
【0099】
典型的なレーザ定義分離区域は、幅が0.005から0.010インチの間である。分離区域を0.002から0.004インチ幅にすることによって、はるかに目立たなくなる。運転者が実質的に知覚できないように0.002インチ未満の絶縁線であることが更に一層好ましい。コーティング堆積中のマスキング、媒体ブラスト、レーザアブレーション、機械的摩耗、化学エッチング、又は当該技術分野で公知の他のエッチング法を含む様々な手法を用いて材料を除去し、絶縁線を生成することができる。化学、反応イオン、又は他のエッチング法と組合せたフォトリソグラフィでは、幅1μm未満の絶縁線を生成することができる。また、合焦させるレーザ波長が短い程、生成するスポットをより小さくすることができる点に留意されたい。これにより、絶縁線をより狭く且つ目に見えないものにすることが可能となる。絶縁線がより狭くなる程、第1及び第2の導電部分間を完全に絶縁することがますます困難になる可能性がある。2つの導電部分間の抵抗は、抵抗計を用いて容易に測定することができる。一般的な電気光学ミラー要素の場合、この抵抗は30オームより大きいことが好ましい。この抵抗は100オームより大きいことが更に好ましい。完全に電気絶縁することが最も好ましい。分離区域は、1次シール材料区域内に位置し、大きな電気接触区域を形成するように要素の長さを延長するのが好ましい。分離区域が1次シール材料区域を覆って位置する場合、シールの色又は透明度を調整して、分離区域を隠すのを助けることができる。この分離区域をミラー要素上のアートワーク又はテキストに組み込むことができる。分離区域をミラー要素の免責条項、社章、又は他のグラフィック及び/又はテキストに組み込むことができる。レーザ線をスペクトルフィルタ材料の内縁部に沿って位置決めすることができる点を理解されたい。この構成においては、レーザ線の大部分は、レーザ線がスペクトルフィルタ材料の縁部と一致するので可視ではない。一部の残留色は同じ基板上の電気光学媒体を除去した後にも存在するが、有色区域の大部分は、スペクトルフィルタ材料の後部に隠れて見えない。可視である唯一のレーザ線部は、2つの箇所で縁部近傍のスペクトルフィルタ材料を通して形成された短い線セグメントである。
【0100】
また一般的には、ミラーの区域内のレーザアブレーション線などの電極絶縁線をミラーの指定視野外に位置付けることが望ましい。米国、欧州及び他の諸国において、ミラー内で見えなければならない車両の側面及び後部に対する最小区域についての法的ガイドラインがある。この区域は、ミラー表面及び運転者に見えなければならないその投影の境界内にある物体に投影させることができる。この投影は、一般に三角形の形状を取り、投影のサイズは、ミラー表面が平面か曲面であるかに応じて拡大又は縮小することができる。図2aは、ベゼル付きの左外側エレクトロクロミックミラーの一般的な特定最小視野投影の形状(点線211aで識別される)を詳細に示している。ベゼル区域は反射性がないので、ミラーの視野内に含めることはできない。しかしながら、このベゼル区域は、表面2上の金属リングなどのスペクトル的に反射性のコーティングで覆うことができる。この反射性リングの反射率が特定の国の最小反射率規格に適合する程十分に高い反射率である限り、この区域を視野と考えることができる。次いで、上述のように、同じ特定の視野を維持しながらミラーをベゼル幅でより小さくすることができる。同様に、あらゆる可視の絶縁線をミラーの特定視野の投影外に配置するのが好ましいであろう。
【0101】
導電材料を絶縁する別の方法は、真空蒸着誘電インク又は非導電エポキシ又は他の樹脂の薄層など、導電材料と絶縁されることになる面との間に導電層を用いることである。第1の表面に向いた分離区域は可視ではないので、第3の表面に近接した分離区域を利用することが望ましいであろう。非導電材料を第2の表面上で使用することにより、第1の分離区域は不要である。これは、第2の表面がスペクトルフィルタ材料を有するときに特に望ましい。非導電エポキシを薄化することによって、極めて薄い層を得ることができる。これは、導電材料を適用するためには十分な区域を設ける必要があるので重要なことである。好ましくは非導電エポキシは、フラッシュ硬化されるだけである。例えば、非導電エポキシを85℃オーブンに約2分間入れる。非導電エポキシが完全に硬化して1次関連スペーサビーズに接触している区域を部分的に覆っている場合、望ましくない不均一なセル間隔が生成される可能性がある。非導電材料を完全には硬化させないことで、スペーサビーズが最終硬化中により容易に層に浸透するが、セル間隔には影響を与えない。
【0102】
第2の表面スペクトルフィルタ材料を有する電気光学ミラー要素の第3の表面に対する外部電気接続は、1次シール材料区域の下で且つ第2の基板の周縁部を覆って第3の表面導電電極の少なくとも一部を延ばすことによって行うことができる。ガラス片の縁部を覆ってコーティングされると(真空スパッタリングによってなど)、コーティングの導電率は、鋭利な縁部又は粗い表面にわたって低下する傾向があり、また、このコーティング法は、一般的には、ガラスの側面又は縁部に耐久性のあるコーティングをもたらすものではない。導電率を低下させることなくこれを行うためには、基板隅部及び/又は縁部上の良好な継ぎ目又は研磨は、第3の表面から縁部への円滑な移行を可能にするのに効果的である。磨かれていない粗い研磨面は、通常の第3の表面コーティングの厚みでは導電率が低い。面及び第3の表面から縁部への移行が滑らかな程、導電率が良好になる。また、コーティングプロセス中にガラス縁部をコートするために取り付けられるスパッタターゲットは、コーティングをより均一で耐久性のあるものにするのに効果的である。
【0103】
コーティングをガラス縁部全体にわたり且つミラー要素の裏側まで拡張させ、第3の表面との電気接続をミラー要素の裏側で行うことができるようにすることが考えられる。反射率第3の表面は、一般的に第2の表面導電電極よりも導電性があり、従って、導電材料は不要とすることができる。従って、1次シール材料を基板縁部まで分配することができる。第3の表面材料を縁部まで延長するのは、片側のみとすることができる。反対側の基板は、可視ではないので、第3の表面に対して分離区域及び導電材料を含むことができる。
【0104】
第3の表面材料が基板縁部に拡張された状態では、クリップ部は第2及び第3の表面間に挿入させる必要がないので、Jクリップの代わりにLクリップを使用することができる。Lクリップは、縁部の導電部分に接触する程度の長さがあるだけでよい。導電エポキシを使用して、縁部の第3の表面材料をLクリップに接合することができる。感圧接着剤をLクリップの裏側に使用して、これを第4の表面に固定することができる。或いは、半田をミラー縁部又は裏側のコーティングに直接適用することができる。1つの実施形態においては、半田は、接点及び導電バスシステムの両方として使用することができる。
【0105】
基板縁部上に拡張した第3の表面材料に外部的に電気接続をする1つの利点は、導電性材料が最早1次シールに隣接している必要がなく、第1又は第2の表面上のフィルタ材料を狭くすると同時に依然として1次シールを覆うことができることである。一般的なスペクトルフィルタ材料は、幅が4mmから8mmまで変動する可能性があるが、この幅を4mm未満に低減することは外観が良い場合がある。1次シールの幅を小さくすると、スペクトルフィルタ材料の幅も小さくすることができる。上記で開示された組み付け及びシール技術を用いれば、1mm未満のスペクトルフィルタ幅を可能にする1mm未満まで1次シールの幅を小さくすることが可能である。
【0106】
第2の表面から絶縁された第3の表面に電気接続する別の方法は、導電インク又はエポキシを用いて第3の表面を縁部に接続することである。導電インク又はエポキシを薄化して基板の縁部に適用すると、第2の表面に接触することなく第3の表面に接触する。この薄肉化された導電エポキシにより、ミラー要素の縁部又は裏面で接触が行われるように導電経路を施工することができる。Lクリップを適用して接触させ、所定の位置に硬化させることができる。感圧接着剤を使用して、硬化中にLクリップを所定の位置に固定し、ワイヤ接続により歪除去をもたらすことができる。
【0107】
金属上の環境の腐食作用を最小限に抑えることができる場合には、極めて薄い金属膜又は箔を使用して、導電接着剤又はバスとの安定した相互接続を確立させることができる。プラスチック箔上でのこの金属箔又は金属膜をJクリップの形状又は他の望ましい形状(高価な成形ダイを必要とせず)に一致させて、感圧接着剤などの接着剤で基板に接着することができる。プラスチック箔上のこの金属箔又は金属膜は、一端が前部及び/又は後部電極と接触する導電バスと接触するようなサイズに切断され、且つEC要素基板に適用される接着テープのロール形式とすることができる。スペード型コネクト又はワイヤは、半田付け又は導電接着剤などの従来の方法で金属箔又は膜の他端に取り付けることができ、又は、金属箔又はテープの他端は、プリント回路基板などのEC要素の電圧源に直接接続することができる。
【0108】
成形可能接点の少なくとも1つの実施形態は、剥離ライナ(製品:9495 200MPシリーズ接着剤 3M社、ミネソタ州ミネアポリス)で0.002インチアクリル両面接着テープに積層した0.001インチパラジウム箔(Aldrich chemical、ウィスコンシン州ミルウォーキー)を含む。金属箔テープは、エレクトロクロミック素子に適用するために許容可能なサイズに切断することができる。また、プラスチック箔テープ上の金属箔又は金属膜は、必要であれば、ある形又は形状に予め切断することができる。
【0109】
成形可能接点の少なくとも1つの実施形態は、プラスチックフィルムから形成し、金、銀、チタン、ニッケル、ステンレス鋼、タンタル、タングステン、モリブデン、ジルコニウム、上記の合金、或いは塩水噴霧腐食に耐性のある他の金属又は金属合金といった金属で金属被覆することができる。同様に、パラジウム、或いはロジウム、イリジウム、ルセニウム、又はオスミウムなどの他の白金族金属を使用することができる。
【0110】
成形可能接点の少なくとも1つの実施形態は、クロム、及びロジウム、インジウム、ルセニウム、又はオスミウムをベースとする何らかの白金族金属でコーティングし、次いで銀、金、又はその合金の層でコーティングした0.002インチポリイミドテープ(#7648A42 McMasterCarr、イリノイ州シカゴ)を含むポリマーキャリアを使用する。このシステムは、半田付け可能であり、1つの基板表面から別の表面にガラスエッジの周りに巻きつけるのに十分な可撓性を有する。
【0111】
導電材料コーティングポリマーフィルムの少なくとも1つの実施形態は、フレキシブル回路産業向けに製造されるものである。少なくとも1つの実施形態においては、Sheldahl(ミネソタ州ノースフィールド)では、ポリイミド(Kapton)と、ITO、アルミニウム、銅、及び金でコーティングしたポリエステルフィルムとの組合せを製造している。ベースメタルでコーティングしたポリイミドテープを様々な金属又は合金でメッキ又はコーティングし、耐久性及び/又は半田付け性を向上させることができる。これらのフィルムは、接着剤をコーティングすることができ、或いは上述のように両面テープに積層することができる。この金属被覆箔は、ガラス縁部周りに曲がり、良好な導電率を維持することができる。
【0112】
繊維状基板を用いる少なくとも1つの実施形態は、繊維支持体上に置いた溶剤型インクからなる。この導電インクは、メチルカルビトル(Aldrich、ウィスコンシン州ミルウォーキー)10部、ビスA−エピクロロヒドリンコポリマー(Aldrichミルウォーキー、WI)2部、LCP1−19VSの銀エポキシフレーク88部からなる。導電インクは、ガラス、金属、又はセルロースからなるものなどの繊維性材料に適用することができる。このシステムを十分に加熱して溶剤を蒸発させる。次いで、この導電性及び/又は可撓性の成形可能接点を一方の表面に付加し、別の表面の周りに巻き付ける。
【0113】
ポリマー成形可能接点の少なくとも1つの実施形態では、金属を保護し、又は金属色を隠し、又はガラス縁部の外観に対して魅力的な別の色を与える構造機構が組み込まれている。この構造により、外側にポリマーフィルム、続いて内側に金属コーティング、次いで内側に接着剤が組み込まれることになる。このシステム内の金属コーティングは、ガラス内側の導電面の1つと接触するための露出縁部を有する必要がある。この端部との接触は、塗布導電接着剤、半田、又は安定電気接点を形成する他の方法で行うことができる。反対側端部は、導電接着剤、半田、又は他の機械的手段で接触することができる。
【0114】
導電ポリマー又は複合材料の導電率に関しては、導電ポリマー又は複合材料の導電率を説明する種々の方法がある。等方性及び異方性導電接着剤に関わる当業者は、抵抗測定に4ピンプローブを一般に使用している。導電接着剤の分野における一般的な測定単位は、オーム/平方/ミルである。この測定値は、幅の係数であるばかりでなく厚みの係数としても表される。この測定値は、非導電基板上で行ったときには、金属又は炭素又は金属酸化物導電粒子充填エポキシなどの導電ポリマー又は複合材料の線形導電率を表す。
【0115】
バスとしての用途での導電ポリマーの有効性を判断する別の方法は、分離された導電パッドを利用し、導電ポリマーを用いてこれら分離パッドをブリッジすることである。この試験を行う特定の方法は、レーザアブレーション、物理的スコアリング、又は化学的除去でガラス上の導電コーティングを分離することである。未硬化の導電ポリマーを付加して導電パッドをブリッジし、電流経路が複数の接点境界を通る必要があり、それでもブリッジを互いに短絡させないように自己絶縁されるようにする。抵抗値の読み取りは、クーポンの両端部で行われる。
【0116】
オーム/sp/mil法で測定した高導電率を有する全ての導電ポリマーが、エレクトロクロミック素子で使用される電極表面との適切な界面電気接点を有するわけではない。ITO電極を隔離導電パッドとして使用する上記のクーポンに基づくと、許容可能な抵抗は、1000オーム未満となる。より好適な抵抗は、500オーム未満であり、更により好適な抵抗は、200オーム未満である。
【0117】
導電ポリマー構成要素の選択を通じてこの界面導電率に影響を与える種々の方法がある。金属粉体又はフレークの形状は、界面接点に影響を与える可能性がある。接着剤もまた、界面接点に影響を与える可能性がある。結合剤、硬化触媒又は架橋剤、エポキシ樹脂システム、及び銀エポキシを処理する方法は、隣接する導電面との電気接点を形成する導電ポリマーの能力に影響を与える可能性がある。
【0118】
少なくとも1つの実施形態においては、銀エポキシは、ヘキサヒドロフタル酸無水物(Aldrich、ウィスコンシン州ミルウォーキー)3部、アニリングリシジルエーテル(Pacific Epoxy Polymers)2.14部、ベンジルジメチルアミン(Aldrich chemical、ウィスコンシン州ミルウォーキー)0.1部、銀フレークLCP1−19VS(Ames 金smith、ニューヨーク州グレンズフォールズ)23.9部で構成される。オーム/平方/ミルによる導電率測定を用いて試験した結果は、許容可能なものである(約0.020 オーム/sq/ミル)。
【0119】
別の実施形態においては、米国特許第6,344,157号及び米国特許第6,583,201号では、腐食防止剤、脱酸素剤又は導電接着剤に使用される金属キレート剤の使用が開示されている。
【0120】
場合によっては、添加剤を銀エポキシに添加し、導電率を安定化又は改善させることができる。少なくとも1つの実施形態においては、銀エポキシは、ビスフェノールFエポキシ樹脂(Dow Corporation、ミシガン州ミッドランド)3.4部、(エアプロダクトアンドChemical、ペンシルバニア州アレンタウン)1.1部、銀フレーク(Ames 金smith、ニューヨーク州グレンズフォールズ)20.5部、及びジエタノールアミン(Aldrich、ウィスコンシン州ミルウォーキー)0.03部で構成される。結果は、導電率(約0.020オーム/sq/ミル)及び界面接触(約190オーム)について許容可能である。
【0121】
本特許の他の場所で述べるように、スパッタ又は真空処理による金属コーティングはシール部を越え、電気接続部として使用されるガラス縁部を覆って延びることができる。金属コーティングは、上述した耐食金属の基準に適合する必要がある。このコーティングとの電気接続は、バネクリップで行うことができ、又は半田を金属コーティングに直接施工することができる。
【0122】
ガラス上の半田可能な金属コーティングの少なくとも1つの実施形態において、クロムを下層としてコーティングし、次いで、ロジウム、イリジウム、パラジウム、ルテニウム、又はオスミウムなどの何らかの白金族金属、又は銅、銀、又は金でコーティングし、或いは、上記の合金をスズ/鉛含有半田を用いて半田することができる。
【0123】
別の実施形態においては、クロムを下層としてコーティングし、次いで、ロジウム、イリジウム、パラジウム、ルテニウム、又はオスミウムなどのいずれかの白金族金属でコーティングし、次に、銅、銀、又は金でコーティング適用するか、或いは上記の合金は、スズ/鉛含有半田を用いて半田することができる。
【0124】
現行の自動車構造においては、半田などの鉛ベースの成分の使用に対する制限がある。銀、ビスマス、スズ、亜鉛、銅及び/又はアンチモンを含むスズ/亜鉛 スズ/銀、インジウムベース半田などの他の半田、銀半田、又は他の非鉛含有合金を半田材料として使用することができる。利用することができる半田システムは、誘導加熱、IR加熱、超音波、ウェーブ半田付け、又は半田ごてである。
【0125】
導電エポキシに対する電気相互接続部として薄い共形の導電性バスクリップ材料を有することの別の利点は、特に第1の要素が第2の要素よりも大きい場合に第1の基板の反射における歪を低減することである。歪は、高温シール硬化、及びシールと導電クリップとの間の熱膨張率の差の結果として生じる可能性がある。特により可撓性の基板を使用したときには、クリップ材料が肉厚になる程、より大きな歪が見られる。クリップ材料が薄くなる程、ミラーの裏面まで第3の表面の周りに巻くのに使用される場合に目立たなくなる利点がある。これは、クリップが巻かれるポイントで第1及び第2の要素が位置合わせされるときに特に該当する。第1の要素が第2の要素を過ぎて延びると、クリップを完全に見えないように隠すことができる。
【0126】
(実施例)
エレクトロクロミックミラーを前部及び後部の要素の両方について平坦な1.6mm厚のガラスで作製した。前部要素は、3つの側面で0.040インチより大きく(オフセット)切断した。内方側(運転者に最も近い側)には、部品の充填及び閉塞を容易にするためオフセットはなかった。002インチ厚の感圧接接着剤を有する0.001インチx0.5インチx0.75インチの銀箔を第2の要素の頂部と底部とに施工した。共形導体が0.0010インチから0.030インチの表面3に接触し、次いで、第4の表面に巻き付けた。次に、1次シール材料を第1の要素の周辺部周りに分配し、3つの側面上のオフセットが約0.040インチ、シール材料と第1の要素の第2の表面の頂部及び底部縁部の両方のガラス要素の縁部との間に0.040インチを残した。次いで、第2の要素を第1の要素に取り付け、要素間で0.006インチの空間を残した。シール材料を硬化させ、これらの要素をこの離間した関係で固定した。1次シールの硬化後、導電エポキシを部品の頂部及び底部の縁部から部品内に注入することによって、共形の導体の第3の表面部分を封入して該第3の表面部と電気的接触を形成した。1次シール及び導電シールを分配する方法は、同時に両方のエポキシを分配する二重分配システムによって迅速且つ容易に行うことができる点に留意されたい。次いで、導電エポキシを硬化させた。共形導体全体に第1の表面反射の歪がないかミラーを検査したところ、歪は見つからなかった。0.003インチ厚のニッケル又はステンレス鋼又は銅クリップを用いて同様のミラーを構成すると、クリップの真上の区域で第1の表面周辺部近傍に視角歪を認めることができる。
【0127】
本特許の他の場所で言及するように、第2及び第3の表面の導電電極に対する電気接点を確立させるには、通常、幾つかの個別設計上の構成要素の調整を必要とする。図8aから図8iを参照すると、電気クリップの様々な選択肢が示されている。電気クリップの配置については、導電材料と合わせて本明細書全体を通じて検討される。
【0128】
好適な導電材料は、27.0gのDow354樹脂−ビスフェノールFエポキシ機能性樹脂を含む。粘度は、好ましくは〜4000cP 9.03gのAir Products Ancamine 2049−脂環式アミン硬化剤である。粘度は、好ましくは〜60cP、164gのAmes 金smith LCP 1−19VS銀−タップ密度〜3g/ccの銀フレーク、平均粒度〜6ミクロンである。
【0129】
本明細書で説明するように、少なくとも1つの実施形態は、要素の周辺部を囲む周囲材料を含む。好適な周囲材料は、120gのある充填剤(すなわち、Ames 金smithから販売されている0.40gの6−24銀フレーク、1.00gの銀コーティングガラスフレーク(すなわち、Potters industriesから販売されているConduct−o−fil)、12.0gのSchott glassから販売されている粉砕SK−5ガラス充填剤、又は粉砕して粉体にし、325メッシュでふるい処理したその組合せ)を添加したDymax 429を含む。幾つかの手法を用いてこの材料をミラー縁部に適用することができる。1つの手法は、この材料を針(〜18ゲージ)付きの30cc注射器に装填することである。針は、要素がロボットアーム又は他の機械装置で機械式に回転されている間にこの要素の縁部上に周囲材料を空気圧(<50psi)で分配するように、垂直位置に向けることができる。その後、適用した縁部材料を紫外光で硬化させることができる。20秒以下で完全な硬化を達成することができる。また、ロボットを利用すると硬化中に部品を回転させて垂れを防止することができる。
【0130】
周囲材料の目的は、バス構成要素を保護し、導電材料、クリップ、シール、ガラス縁部などの可視構成要素を隠し、ガラスの切断縁部を保護し、ミラー要素の魅力的な視覚的外観をもたらすことである。またこれは、従来のプラスチック製ベゼル、グロメット、エラストマーベゼルなどを用いて達成することができる。
【0131】
多くの異なる材料(エポキシ、シリコーン、ウレタン、アクリラート、ゴム、ホットメルトなど)及び硬化メカニズムをこの縁部処理に用いることができる。好適な硬化法は、紫外線照射である。紫外線照射に部分的に不透明な充填剤、染料、又は顔料を使用した場合、紫外線熱硬化の組合せを用いることができる。ガラス又は反射性の銀などの充填剤は、透過、散乱、又は内部反射による紫外光の透過を助け、良好な硬化深度を得るのに好適である。周囲材料は、灰色又は研磨処理ガラス縁部の外観と類似した外観を有するか、或いは暗色又は黒色であるのが好ましい。色は、有機染料、雲母、含浸雲母、顔料、及び他の充填剤を用いることにより異なるようにすることができる。異なる充填剤及び異なる充填材の量を選択することによって、より暗い、より濃灰色系の外観を得ることができる。粉砕ガラスの量が少ない程、上記の配合の色が暗色化及び平坦化されることになる。縁部材料の樹脂結合剤とは異なる屈折率を有する粉砕ガラス(フレーク又は他のガラス粒子)だけを使用すると、研磨処理ガラス縁部又は粗いペンシル型の縁部の外観が得られる。添加剤が含まれる媒体よりも高密度の添加剤もある。ヒュームドシリカを添加すると、より重い成分(金属粒子及びガラス粒子)の固化を防止するのを助けることができ、好ましい方法では重量比2%のヒュームドシリカで十分であることが判明した。
【0132】
周囲材料を要素縁部に適用する他の方法としては、ロール、車輪、ブラシ、ドクタバー、成形コテ、噴霧又はプリントで周囲材料を適用することが含まれる。
【0133】
車両外装用に選択した周辺縁部材料は、以下の試験基準を満足することが好ましく、これらの基準は、一般的な自動車に関連する外部環境をシミュレートし、すなわち、UV安定性(UV耐候試験機で2500kJ)、UVに直接露光されたときの材料の黄色化、亀裂、ひびが無いこと;耐熱性−色変化が僅か又は無いこと、接着力の低下無きこと;耐湿性−色変化が僅か又は無いこと、接着力の低下無きこと;熱サイクル−接着力の低下無きこと、亀裂無し;CASS又は塩水噴霧−下層の金属コーティング及び導電エポキシシステムの保護;接着力の低下無きこと、及び下層の腐食の目視可能な徴候が無いこと、高圧水試験−前回規定の試験で部品を試験した後に接着力の低下無きことである。
【0134】
自動車外装用に選択した周辺縁部材料は、以下の試験基準を満足するのが好ましい。これらの基準は、一般的な自動車に関連する外部環境をシミュレートし、すなわち、UV安定性(UV耐候試験機で2500kJ)、UVに直接露光されたときの材料の黄色化、亀裂、ひびが無いこと;耐熱性−色変化が僅か又は無いこと、接着力の低下無きこと;耐湿性−色変化が僅か又は無いこと、接着力の低下無きこと;熱サイクル−接着力の低下無きこと、亀裂無し;CASS又は塩水噴霧−下層の金属コーティング及び導電エポキシシステムの保護;接着力の低下無きこと、及び下層の腐食の目視可能な徴候が無いこと、高圧水試験−前回規定の試験で部品を試験した後に接着力の低下無きことである。
【0135】
更に図7a−図7nを参照すると、第2及び第3の表面の電気接点構成に関する様々な実施形態が示されている。図7aから図7nは、第1の表面材料スタック、第2の表面材料スタック、第3の表面材料スタック、及び/又は第4の表面材料スタックを有する、本明細書の他の場所で説明したものと類似の構成を示す。スタックという用語は、本明細書では、基板の所与の表面に近接して配置される材料を意味するのに使用される。引用によりその開示内容が本明細書に組み込まれる、同一の譲受人によって譲受された米国特許第6,111,684号、米国特許第6,166,848号、米国特許第6,356,376号、米国特許第6,441,943号、米国特許第6,700,692号、米国特許第5,825,527号、米国特許第6,111,683号、米国特許第6,193,378号、米国特許第6,816,297号、米国特許第7,064,882号、米国特許出願公開第2004−0032638号で開示されているような材料のいずれかを利用して、親水性コーティングなどの単一表面コーティングを定めることができることを理解されたい。第2、第3及び第4の表面スタックは、本明細書で開示されているもの、或いは各開示内容全体が引用により本明細書に組み込まれる、同一の譲受人によって譲受された米国特許第5,818,625号、米国特許第6,111,684号、米国特許第6,166,848号、米国特許第6,356,376号、米国特許第6,441,943号、及び米国特許第6,700,692号で開示されているようなものであるのが好ましい。
【0136】
図7dから図7iは、それぞれ、第2及び第3の表面の導電電極に対するアノード及びカソード接続部の構成に関する様々な実施形態を示す。第3の表面導電電極のシート抵抗は、第2の表面導電電極のシート抵抗よりも下回るのが好ましい。従って、カソード接点面積は、実質的にアノード接点面積よりも小さいものとすることができる。ある実施形態においては、アノードとカソード接続部を逆にすることができることを理解されたい。
【0137】
図7jの構成を用いて、スペクトルフィルタを組み込まないベゼル無し又は狭いベゼルのバックミラー組立体を構成することができる。周辺シール及び電気接点手段748j1、748j2を共にミラー縁部に実質的に移動させた場合、スペクトルフィルタ材料がシール/接点区域を覆う要件は存在しない。ミラー要素構造に対するこの手法を用いると、ミラー要素は、グレア状態時には周辺縁部に対して実質的に完全に暗色化する。この手法では、シール及び接点区域の大部分又は全てを、実質的にミラー基板1、表面2及び基板2、表面3から基板1と基板2の縁部に移動することができる。
【0138】
少なくとも1つの実施形態においては、第1の基板の頂縁部と第2の基板の底縁部は、導電エポキシでコーティングされ、導電率を各基板上の導電電極から基板縁部に移行させた。導電エポキシは、3.36gのD.E.R.354エポキシ樹脂(Dow Chemical、ミシガン州ミッドランド)、1.12gのAncamine2049(Air Product and Chemicals、ペンシルバニア州レディング)、3.0から4.0g/ccの7μmタップ密度の平均粒度を有する20.5gの銀フレークを完全に混合して均一ペーストにして用いて配合するのが好ましい。この導電エポキシ混合物は、基板縁部に容易に施工することができる粘性の低い導電塗料を生成するのに十分なトルエンで薄化した。コーティングした基板を15分から20分間60℃のオーブンに入れ、トルエンを蒸発させた。
【0139】
導電粒子(Z軸導体)を疎に充填したエポキシの均一な層を0.001インチ厚の銅箔に施工した。Z軸エポキシ(5JS69E)を以下の様に配合した。18gのD.E.N.438、2gのD.E.N.431(Dow Chemical、ミシガン州ミッドランド)、1,6gのUS−206ヒュームドシリカ(Degussa Corporation、オハイオ州ダブリン)、6.86gのAncamine2049、及び10.0gの銀フレークFS28(Johnson Matthey、ロイストン、英国ハートフォードシャー)をブレンドして均一なペーストにした。銀フレーク充填剤は、タップ密度が2.3g/ccで、平均粒度が23μmであった。このエポキシ配合法による硬化薄膜は、z軸で導電性を帯び、x軸又はy軸では導電性を帯びなかった。このz軸導電エポキシは、銅箔上に薄い均一の厚みで広がるのに適した粘度を生成するのに十分なトルエン又はTHF溶剤で薄化した。次いで、溶剤を約5分間60℃のオーブンで蒸発させた。エポキシは、溶剤蒸発後は若干粘着性があった。実質的にはオフセット無しで、2つの基板の縁部を位置合わせした。基板間のギャップは、精密なサイズを有するPMMAビーズをスペーサとして使用することにより正確に維持された。約2mm幅のKaptonテープ小片を基板とセルスペーシングの両方の縁部にわたって延びる一端に対して使用した。Kaptonテープは、最終的には組み付け後にセルから除去され、エポキシで湿潤していないKaptonテープ区域が充填口として使用されることになる。次いで、z軸導電エポキシを有する銅箔をその部品の周辺縁部に適用し、エポキシが両基板縁部を完全に湿潤するようにした。次に、要素を200℃のオーブン内に15分間置いて硬化させた。硬化後、各側部上で銅箔内の小さな分離部を形成し、部品底部にある銅箔から頂部の銅箔を電気絶縁した。Kaptonテープを覆っていた銅箔とKaptonテープを除去した。除去されたKaptonテープで生成された開口部は、その部品の充填に使用される。次いで、その開口部をUV硬化性接着剤で閉塞した。反対側の開口部も同様にUV硬化性接着剤で閉塞したが充填前であった。
【0140】
図8aから図8nは、電気クリップの構成に関する様々な実施形態を示す。一般的に、個々のクリップは、ほぼ「J」字形の断面を定めるように示されている。
【0141】
図8aの実施形態は、固定される電気接続ポスト(図示せず)に対応するように構成されたJクリップ884aを示す。少なくとも1つの実施形態においては、第1及び第2の電気クリップは、キャリアプレート(図10から図10cについて本明細書で詳細に説明)と組合せて構成され、「プラグ」型電気コネクタを形成する。Jクリップは、縁部883aと内側要素部分882aとを含む。内側要素部分は、第1の基板と第2の基板との間に位置決めされ、導電性エポキシ、半田、又は導電接着剤と電気的に接触して材料の第2の表面又は第3の表面スタックとの電気接点を形成するように構成される。
【0142】
図8bは、導電材料との機械的及び/又は電気的接触を少なくとも部分的に助けるように内側要素部分882bを貫通して延びる一連のアパーチャを示す。Jクリップ884bは、ワイヤ接続機能部866aと、縁部883bとを含む。ワイヤ接続機能部は、半田又は圧着型ワイヤ接続部に対応するように構成することができる。
【0143】
図8cから図8eは、摩擦嵌合穴887c、887d、887eを有する電気接続スタブを含む様々なJクリップ構成884c、884d、884eを示す。各J−クリップは、縁部883c、883d、883eと内側要素部分882c、882dも882eとを有する。図8cは、Jクリップが図8dのJクリップと同じ長さではなく、高さがより高いように折り畳まれたJクリップの部分855cを有することを示している。図8eは、材料の膨張率の変動に対応するように応力除去区域を提供するクリップの第3の部分を貫通する一連のアパーチャ881aを示す。
【0144】
図8fは、ワイヤ接触区域を要素から空間的に分離するように構成されたワイヤクリンプ886fと共にJクリップ884fのJクリップ884fの隆起部分885fを示す。このJクリップは、縁部883fと、内側要素部分882fとを含む。
【0145】
図8gは、ワイヤクリンプ886g、縁部883g、及び内側要素部分882gを含むJクリップ884gを示す。図8hは、ワイヤクリンプ886hと、縁部883hと、内側要素部分883hとを含むJクリップ884hを示す。内側要素部分は、機械的及び/又は電気的接触を容易に強化するための一連のアパーチャ881hを含む。図8iは、ワイヤクリンプ886iと、縁部883iと、内側要素部分883iとを含むJクリップ884iを示す。図8jは、ワイヤクリンプ886jと、縁部883jと、内側要素部分883jとを含むJクリップ884jを示す。
【0146】
図8kは、基板に対する接着部分がより長いことを除き、図8aと類似したJクリップ884kを示す。このJクリップは、縁部883kと、内側要素部分882kとを含む。
【0147】
図8lは、応力除去のための2つの大きなアパーチャ886l並びに電気接続配置を強化するための4つのバンプ887lとを有するJクリップ884lを示す。このJクリップは、縁部883lと、内側要素部分882lとを含む。
【0148】
図8mは、ワイヤクリンプ886mと、縁部883mと、内側要素部分883mとを含むJクリップ884mを示す。図8nは、ワイヤクリンプ886nと、縁部883nと、内側要素部分883nとを含むJクリップ884nを示す。
【0149】
電気光学ミラーは、ミラー要素の縁部と電気バス接続部とを覆うベゼルを組み込むことが多い。更に、ミラー縁部及びバス接続部は、ポッティング材料又は封止剤内に封入されることが多い。ミラーが機能を維持している限り、ミラー縁部とバス接続部の美観は問題ではない。これとは対照的に、ベゼルのない電気光学ミラーは、通常、環境に曝されるミラー要素縁部及び関連する電気バス接続部の両方を有する。バス接続部は、通常、成形クリップ又はストリップなどの金属部材(腐食に関するこの説明全体通じて金属という用語は、純粋金属又は金属合金を表すことができる)を用いる。ベゼル付き電気光学ミラーは、銅又は銅合金製の成形金属クリップ又はストリップを有することが多い。これらの成形クリップ又はストリップの外観及び耐食性は、良好な美観を車両の寿命にわたって維持するようにする場合に重要になる。銅及び銅合金は、EC外部ミラーが曝される塩を含んだ湿潤環境では腐食して緑色になる傾向がある。これは、美観的に容認できないものである。金属バスが直接見えない場合であっても、成形金属クリップ又はストリップは典型的には、通常は0.0101インチ厚、更に典型的には0.005インチ厚未満の薄い金属で形成される。これらの薄い金属片は短期間で腐食し、結果として構造的欠陥、電気的バネ接触力の損失、又は導通性の損失を生じる可能性がある。この問題は、ミラーの縁部及び/又は裏部が塗料又はコーティングで覆われる場合には最小限に抑えることができる。また、金属クリップは、共形コーティング、塗装又はワニス又は金属メッキ又はクラッディングなどのコーティングにより環境から保護することができる。適切な共形コーティングの実施例は、
1.2%(重量比)のUS−206(Degussa)及び3%(重量比)のUVI−6992(Union Carbide Corp、Dow Chemicalの子会社)、0から3%(重量比)のUS−206及び2%から5%(重量比)のUVI−6992を有する354ビスF樹脂(Dow Chemical)からなるUV硬化エポキシシステム
2.Humiseal 1A33(Chase Corporation、ニューヨーク州ウッドサイド)などの溶媒和ウレタン共形コーティング
3.ペンタン3部(重量比)及びVistanex LM−MS−LC(ExxonChemical)1部(重量比)からなる溶媒和ポリイソブチレン
である。
【0150】
保護金属メッキの例には、金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケル及び銀が含まれる。一般に、これらのコーティング又は表面メッキは、腐食を遅らせて電気バスの有効寿命を延ばすものである。しかしながら、最終的には腐食が発生することが多い。有効バス寿命を延ばす別の手法は、塩を含んだ環境で良好な耐食性を有する金属又は金属合金からバスクリップ又はストリップを形成することである。適切な金属には、金、白金、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、及び銀を含む貴金属及び貴金属合金、並びにステンレス鋼、Hastalloy C、チタン/アルミニウム合金、チタンパラジウム合金、チタンルテニウム合金を含む、チタン、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、及びタンタルの金属及び金属合金が含まれる。ジルコニウム及びその合金も、特定の環境では良好な性能を発揮する。キャス(CASS)試験後のこれらの金属及び金属合金の幾つかを順位付けした表を本明細書に含める。順位付けは、4−許容できない腐食がある、3−明らかに腐食があるが許容可能である、2−明らかに軽い腐食がある、1−極めて軽い腐食がある/腐食なしである。
【0151】
バス相互接続法に互いに密接した2つ又はそれ以上の異なる金属の使用を組み込む場合には、電界腐食の影響を考慮するのが好ましい。多くの相互接続法では、導電接着剤を利用する。これらの接着剤は、金、パラジウム、ニッケル、銀、銅、黒鉛、又は同様のものなどの導電粒子と共に埋め込まれる、エポキシ、ウレタン、フェノール、アクリル、シリコーン、又は同様のものなどの一般的に有機樹脂である。金属半田接合とは異なり、有機樹脂は呼吸する。湿気、酸素、及び他の気体は、有機樹脂を通って拡散し、腐食を引き起こす。異種金属が互いに密接しているときには、この腐食は、金属の電気化学電位差により加速される可能性がある。一般に、金属間の電気化学電位差が大きい程、電界腐食の確率が高い。従って、特に、生来的に非密閉型の導電接着剤が使用される場合、バスシステムで使用するのに選択された金属間の電気化学電位差を最小限に抑えることが望ましい。金属の一方又は両方がメッキされる場合、2つの金属の電気化学電位の中間の電気化学電位を有するメッキ金属を選択するのが好ましい。湿度及び温度が管理されているオフィス環境では、金属間の電気化学電位差は、0.5Vよりも大きくないのが好ましい。通常の環境では、電気化学電位差は、0.25Vよりも大きくないのが好ましい。過酷な環境では、電気化学電位差は、0.15Vよりも大きくないのが好ましい。導電接着剤の多くは、導電充填剤として銀微粒子又はフレークを使用する。銀は、コストと貴金属との間の良好な妥協点を提示する。また、銀は、優れた導電率を有する。Engineers Edge(www.engineersedge.com)及びLaird Technologies(www.lairdtech.com)によって供給されるものなどの金属電気適合性チャートで説明しているように、銀は、0.15Vのアノード指数を有する。一般的にベゼル付きミラーにおけるバス接続部に使用されるスズメッキ銅又は銅合金は、0.65Vのアノード指数を有する。スズメッキ銅を銀と接触した状態で使用すると、0.5Vの大きなアノード電位差は、管理されたオフィスなどの環境では許容可能である。車両の外部ミラーに関係する環境は、決して管理された環境ではない。0.45Vより小さい電位差が望ましく、0.25V未満の差が好適であり、0.15V未満の差が最も好適である。
【0152】
【0153】
金属間の電位差は、少なくとも部分的には電位が測定される腐食環境の性質に依存することに留意されたい。例えば、海水中で測定した結果は、淡水の場合とは若干異なる可能性がある。また、同一材料の不活性面と活性面との間では大きな差がある可能性があることに留意されたい。ステンレス鋼の表面のアノード電位は、硝酸及び/又は酸化塩の溶液を用いて不動態化処理によってかなり低減させることができる。アノード電位差は、例えば金、金/パラジウム合金、白金、ジルコニウム、カーボングラファイト、ロジウム、ニッケル、ニッケル−銅合金、チタン及びモネルと組合せて銀を使用した場合、最も好適な0.15V以内に保つことができる。電位差は、例えば、ベリリウム銅、黄銅、青銅、銀半田、銅、銅−ニッケル合金、ニッケル−クロム合金、オーステナイト耐食鋼、大半のクロム−モリブデン鋼を用いて好適な0.25V以内に保つことができる。電位差は、例えば18−8ステンレス鋼又は300シリーズステンレス鋼、高黄銅及び青銅、ネーバル黄銅、及びムンツメタルを使用することによって望ましい0.40V以内に保つことができる。メッキを用いる場合には、メッキ材をこれらのアノード電位範囲内に有することが望ましく、互いに密接している2つのベースメタルの間の電位を有するのが最も好ましい。例えば、金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケル又は銀メッキは、一般にこれらの要件を満足する。電気バスは、一般にスペード型コネクタ又は半田継手を使用してECミラー駆動電圧源に接続される。半田付け継手又は接続部を使用する場合、バス金属は、半田付け可能であるのが好ましい。金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケル、銀及びスズなどのメッキは、バスクリップの半田性を高めることができる。例えば、スズが好適なメッキではないとしても、スズメッキステンレス鋼のバスクリップは、普通ステンレス鋼クリップと比較べて半田付けが容易である。半田を扱い易いより好ましい基板/メッキの組合せは、パラジウム、銀、ニッケル又はロジウムメッキを有するステンレス鋼である。ステンレス鋼とニッケルメッキ、続いて銀、パラジウム、金、ロジウム、又はルテニウムのメッキが好ましい材料である。他の好適な材料には、ニッケル、銀、銅、パラジウム、ロジウム、及びルテニウムのメッキを有するタンタル、ジルコニウム、タングステン、及びモリブデンを含む金属又は金属合金が含まれる。他の好適な材料は、ニッケル及び/又は銀メッキを有するタンタル又はニッケルを含む金属又は金属合金である。安定性を向上させるためには、ベースメタルの表面を不動態化するのが望ましい。
【0154】
ここで図9a及び図9bを参照すると、キャリア組立体によって受けられた後の第1の基板912b及び第2の基板902bを含むミラー要素が示されている。キャリア組立体は、成形しやすい周辺把持部903a、903bと一体化された実質的に剛性の部分901a、901bを含む。実質的に剛性の部分及び成形しやすい周辺把持部は、同時成形するか、個々に成形して互いに接着するか、互いに摩擦嵌合するように設計するか、互いに締り嵌めするように設計するか、個々に成形して共に溶融するか、又はこの組合せを行うことができる。いずれの場合でも、成形しやすい周辺把持部903a、903bは、成形しやすい周辺把持部とクラウン913を越える周囲材料との間の境界面909を生じさせ、クラウン近傍から先端907近傍まで、要求に応じてキャリア組立体に近接した要素を少なくとも部分的に保持する保持力が発生するように設計するのが好ましい。追加の接着材料905a、905bを利用して、キャリア組立体に近接した要素を更に保持することができる。周辺部903a、903bは、クラウン903a903bの剛性部901a901b側の境界面911に沿って保持力が同様に発生するように周囲材料960に接着する材料で少なくとも部分的に構成することができ、このような場合、周辺部903a、903bは、図9bに示すようにクラウンの手前まで、又はクラウンの真上まで延びることができることを理解されたい。周辺部先端907は、周辺部がクラウンを越えて延びるか否かに関係なく、要素への視覚的に魅力的な移行をもたらすように僅かに先細であるのが好ましい。周囲材料の形状は、表面915にほぼ平行な少なくとも1つの縁部を形成するように変えることができ、周辺部は、クラウンと境界面909との間のより顕著な移行をもたらすように設計することができることを理解されたい。
【0155】
図9cは、キャリア901c及び周辺部903c内に位置決めされた第1の基板912cと第2の基板902cとを含む要素を示す。この構成は、成形しやすい周辺把持部分の成形したままの状態を典型的に表している。図9bは、通常、成形しやすい周辺把持部分の取り付け位置を典型的に表している。この取り付け位置によって、成形しやすい周辺把持部は、ガラス外形の可能性のある凹凸に対し共形になることができる。図9bは、キャリアの剛性部分と成形しやすい周辺把持部分との間の機械的連結を示している。これは、成形法によって接着又は接合されるかに関わらず互いに接合されることが意図されていない材料には有益である。この機械的連結は、必要に応じて組立体周辺部周りに離間して配置することができる。図9cは、機械的連結の無い部分を示している。両方の部分は、必要に応じて用いることができる。図9bと図9c間のもう1つの差異は、キャリアの裏側から離れた成形しやすい周辺把持部の高さである。図9bは、ヒータ/フォーム組立体の代わりにガラスと組立体との間に成形しやすい周辺把持部の一部を置くことによって、成形しやすい周辺把持部のキャリア裏側からの高さを制限している。これによって、ハウジング内での衝突状態が潜在的に回避される。図9cを使用すると、ヒータ/フォーム組立体をガラス周辺部縁部まで置くことが可能となる。これによって、縁部までガラス組立体の加熱が可能となる。しかしながら、これは、ミラーハウジング内でミラー組立体の衝突状態が生じる可能性がある。
【0156】
ここで図9dから図9mを参照すると、周辺部把持部を有する様々なキャリアプレートが示されている。図9dから図9gは、一体化された周辺部把持部903d、903e、903f、903gを有するキャリアプレート901d、901e、901f、901gを示す。少なくとも1つの実施形態においては、周辺部把持部は、「S字」断面形状を有し、一連の交互するランド903d1、903e1、903f1及びアパーチャ903d2、903e2、903f2を含む。S字形状と交互するランド及びアパーチャとを組合せることにより、要素とキャリアプレート/周辺部把持部との間の膨張率の差異に対応するためのフープ応力除去が可能となる。
【0157】
図9hは、キャリアプレート901h及び周辺部把持部903h内で1次シール材料978hを介して互いに対し離間した関係で保持される第1の基板912h及び第2の基板902hを含む要素を示す。好適な実施形態においては、周辺部把持部は、要素とキャリアプレート/周辺部把持部との間の膨張率の変動に対応するために、要素とキャリアプレートの外側部分との間に挟持された圧縮可能材料を含む。
【0158】
図9iは、キャリアプレート901i及び周辺部把持部903i内で1次シール材料978iを介して互いに対し離間した関係で第1の基板912i及び第2の基板902iを含む要素を示す。この実施形態においては、周辺部把持部は、要素とキャリアプレート/周辺部把持部との間の膨張率の変動に対応するために、要素とキャリアプレートとの間に挟持された圧縮可能材904iを含む。
【0159】
図9jは、周辺部把持部903jを枢動可能に取り付けるための旋回部901jを有するキャリアプレート901jを示す。周辺部把持部が旋回部の周りに枢動が許されるのは、要素とキャリアプレート/周辺部把持部との間の膨張率の変動に対応するものである。
【0160】
図9kは、周辺部把持部903kを有するキャリアプレート901kを示す。周辺部把持部は、関連する要素(図示せず)に向かって傾くように成形されるのが好ましい。圧縮材料904kは、要素とキャリアプレート/周辺部把持部との間の膨張率の変動に対応するために設けられる。
【0161】
図9lは、周辺部把持部903lを有するキャリアプレート901lを示す。周辺部把持部は、関連する要素(図示せず)に向かって傾くように成形されるのが好ましい。一連の垂直方向に延びる圧縮要素904lは、要素とキャリアプレート/周辺部把持部との間の膨張率の変動に対応するために設けられる。
【0162】
図9mは、周辺部把持部903mを有するキャリアプレート901mを示す。周辺部把持部は、関連する要素(図示せず)に向かって傾くように成形されるのが好ましい。一連の水平方向の延びる圧縮要素904mは、要素とキャリアプレート/周辺部把持部との間の膨張率の変動に対応するために設けられる。
【0163】
ここで図10aから図10cを参照すると、要素1012aは、位置合わせプレート1001a、1001bと、電気回路基板1020a、1020bに近接して示されている。少なくとも1つの実施形態においては、接点ポスト1086a、1086bを有する電気クリップ1083a、1083bは、要素電気接続部1085a、1085bに接続されている。要素電気接続部は、導電性エポキシ、半田、導電接着剤又はエッジバネクリップによるものとすることができる。要素が電気回路基板と係合すると、接点ポストは、電気回路基板の穴1021a、1021bを貫通して受けられ、摩擦嵌合接点1022a、1022b、1023a、1023bと摺動係合する。図10cは、図10bの対応する区域1027bの拡大図を示す。少なくとも1つの実施形態においては、位置合わせプレートは、電気回路基板のアパーチャ1024b、1025bとそれぞれ位置合わせされるアパーチャ1003a、1004aを含む。位置合わせピン(図示せず)が、組立体内の個々の構成要素を正確に位置決めするために、ハウジング又はベゼル内などの関連するミラー組立体内の他の場所に設けられるのが好ましい。少なくとも1つの実施形態においては、位置合わせプレートは、回路基板内の対応する穴との位置合わせするために接点ポストが受けられるアパーチャ1002aを含む。少なくとも1つの実施形態においては、位置合わせプレートは、構成要素を完全な組立体内に正確に固定するための特徴部1005a、1005b、1006a、1006bを含む。電気回路基板は、マイクロプロセッサ及び/又はディスプレイドライバ、コンパスセンサー、温度センサー、湿気検出システム、外部ライト制御システム、及び少なくとも1つのミラー要素調光回路と部分的に共有されるオペレータインタフェースなどの他の電気構成要素を含むことができる点を理解されたい。
【0164】
上記の説明及び添付図面は、例証の目的のものであり、図示し且つ説明した特定の実施形態に本発明をどのようにも限定するものと解釈すべきではない点を理解されたい。添付の請求項は、均等物の教義並びに適用される特許法及び規則の範囲内に含まれるものと解釈すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】制御車両を示す図である。
【図2a】電気光学ミラー要素を組み込んだ組立体を示す図である。
【図2b】外部バックミラーの拡大図である。
【図3】電気光学ミラー要素を組み込んだ内部バックミラー組立体を示す図である。
【図4a】第1の表面の平面図である。
【図4b】第4の表面の平面図である。
【図4c】電気光学ミラー要素の断面図である。
【図4d】第4の表面の平面図である。
【図4e】第2の基板の平面図である。
【図5】図4cの拡大図である。
【図6】様々な電気光学要素の構成要素の色関連特性のグラフである。
【図7a】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7b】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7c】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7d】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7e】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7f】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7g】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7h】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7i】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7j】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7k】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7l】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7m】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図7n】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続を確立させるための様々な手法を示す図である。
【図8a】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8b】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8c】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8d】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8e】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8f】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8g】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8h】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8i】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8j】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8k】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8l】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8m】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図8n】第2及び第3の表面の導電電極に対して外部電気接続部を確立させるための様々な電気クリップを示す図である。
【図9a】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9b】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9c】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9d】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9e】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9f】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9g】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9h】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9i】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9j】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9k】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9l】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図9m】バックミラー組立体において電気光学ミラー要素と併用されるキャリア/ベゼル組立体の様々な図である。
【図10a】電気光学要素/電気回路基板相互接続部の様々な図である。
【図10b】電気光学要素/電気回路基板相互接続部の様々な図である。
【図10c】電気光学要素/電気回路基板相互接続部の様々な図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも周辺部に近接した第2の表面上にスペクトルフィルタ材料を含む第1のほぼ透明な基板と、
第3の表面の少なくとも一部上に少なくとも部分的に反射性の材料スタックを有する第2の基板と
を含み、
前記スペクトルフィルタ材料のb*値が、前記少なくとも部分的に反射性の材料スタックのb*値よりも小さいことを特徴とする装置。
【請求項2】
バックミラー要素として構成される請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ガラス接触角に対し水接触角を変える前記第1のほぼ透明な基板の第1の表面上にコーティングを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記コーティングが親水性であることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記コーティングが疎水性であることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされた1次シール材料を更に含み、前記1次シール材料が、前記スペクトルフィルタ材料内でビード歪を引き起こさないように構成されたスペーサビーズを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記スペクトルフィルタ材料がクロムを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされた1次シール材料を更に含み、前記1次シール材料が、前記第2の基板の第4の表面から見たときに少なくとも部分的に可視であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされたプラグ材料を更に含み、前記プラグ材料が、前記第2の基板を介して紫外線硬化性であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
摩擦嵌合電気コネクタと、前記ミラー要素上の少なくとも1つの電気接続ポストとを有する電気回路基板を更に含み、前記電気接続ポストが、前記摩擦嵌合電気コネクタと電気的に導通していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
少なくとも1つのJクリップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記Jクリップが、成形可能接点材料であることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
第2の表面材料スタックと第3の表面材料スタックの少なくとも一方が、絶縁区域を生成する薄いレーザ線を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項14】
外部ライト制御装置、湿気センサー、情報ディスプレイ、光センサー、死角インジケータ、ターンシグナルインジケータ、接近警報装置、オペレータインタフェース、コンパス、温度インジケータ、音声起動装置、マイク、調光回路、GPS装置、通信システム、ナビゲーション支援装置、車線逸脱警告システム、適応走行制御装置、視覚システム、後方視覚システム、及びトンネル検出システムを含む群から選択された少なくとも1つの装置を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項15】
少なくとも周辺部に近接した第2の表面上にスペクトルフィルタ材料を含む第1のほぼ透明な基板と、
第3の表面の少なくとも一部上に少なくとも部分的に反射性の材料スタックを有する第2の基板と、
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされた1次シール材料と
を含み、
前記1次シール材料が、前記第2の基板の第4の表面から見たときに少なくとも部分的に可視であることを特徴とする装置。
【請求項16】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされたプラグ材料を更に含み、前記プラグ材料が、前記第2の基板を介して紫外線硬化性であることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
バックミラー要素として構成されることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項18】
ガラス接触角に対して水接触角を変える前記第1のほぼ透明な基板の第1の表面上にコーティングを更に含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記コーティングが、親水性であることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記コーティングが、疎水性であることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされた1次シール材料を更に含み、前記1次シール材料が、前記スペクトルフィルタ材料内でビード歪を引き起こさないように構成されたスペーサビーズを含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項22】
前記スペクトルフィルタ材料が、クロムを含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項23】
少なくとも1つのJクリップを更に含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項24】
前記Jクリップが、成形可能接点材料であることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記スペクトルフィルタ材料のb*値が、前記少なくとも部分的に反射性の材料スタックのb*値よりも小さいことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項26】
第2の表面材料スタックと第3の表面材料スタックの少なくとも一方が、絶縁区域を生成する薄いレーザ線を含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項27】
外部ライト制御装置、湿気センサー、情報ディスプレイ、光センサー、死角インジケータ、ターンシグナルインジケータ、接近警報装置、オペレータインタフェース、コンパス、温度インジケータ、音声起動装置、マイク、調光回路、GPS装置、通信システム、ナビゲーション支援装置、車線逸脱警告システム、適応走行制御装置、視覚システム、後方視覚システム、及びトンネル検出システムを含む群から選択された少なくとも1つの装置を更に含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項28】
少なくとも周辺部に近接した第2の表面上にスペクトルフィルタ材料を含む第1のほぼ透明な基板と、
第3の表面の少なくとも一部上に少なくとも部分的に反射性の材料スタックを有する第2の基板と、
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされたプラグ材料と
を含み、
前記1次シール材料が、前記スペクトルフィルタ材料内でビード歪を引き起こさないように構成されたスペーサビーズを含むことを特徴とする装置。
【請求項29】
バックミラー要素として構成されることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項30】
ガラス接触角に対して水接触角を変える前記第1のほぼ透明な基板の第1の表面上にコーティングを更に含むことを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項31】
前記コーティングが、親水性であることを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記コーティングが、疎水性であることを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項33】
前記スペクトルフィルタ材料が、クロムを含むことを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項34】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされたプラグ材料を更に含み、前記1次シール材料が、前記第2の基板の第4の表面から見たときに少なくとも部分的に可視であることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項35】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされたプラグ材料を更に含み、前記プラグ材料が、前記第2の基板を介して紫外線硬化性であることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項36】
摩擦嵌合電気コネクタと、前記ミラー要素上の少なくとも1つの電気接続ポストとを有する電気回路基板を更に含み、前記電気接続ポストが、前記摩擦嵌合電気コネクタと電気的に導通していることを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項37】
少なくとも1つのJクリップを更に含むことを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項38】
前記Jクリップが、成形可能接点材料であることを特徴とする請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記スペクトルフィルタ材料のb*値が、前記少なくとも部分的に反射性の材料スタックのb*値よりも小さいことを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項40】
第2の表面材料スタックと第3の表面材料スタックの少なくとも一方が、絶縁区域を生成する薄いレーザ線を含むことを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項41】
外部ライト制御装置、湿気センサー、情報ディスプレイ、光センサー、死角インジケータ、ターンシグナルインジケータ、接近警報装置、オペレータインタフェース、コンパス、温度インジケータ、音声起動装置、マイク、調光回路、GPS装置、通信システム、ナビゲーション支援装置、車線逸脱警告システム、適応走行制御装置、視覚システム、後方視覚システム、及びトンネル検出システムを含む群から選択された少なくとも1つの装置を更に含むことを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項42】
少なくとも周辺部に近接した第2の表面上にスペクトルフィルタ材料を含む第1のほぼ透明な基板と、
第3の表面の少なくとも一部上に少なくとも部分的に反射性の材料スタックを有する第2の基板と、
前記少なくとも部分的に反射性の材料スタックと電気的に導通している導電性エポキシと、
前記導電性エポキシと電気的に導通しているJクリップと
を含むことを特徴とする装置。
【請求項43】
バックミラー要素として構成されることを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項44】
ガラス接触角に対して水接触角を変える前記第1のほぼ透明な基板の第1の表面上にコーティングを更に含むことを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項45】
前記コーティングが、親水性であることを特徴とする請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記コーティングが、疎水性であることを特徴とする請求項44に記載の装置。
【請求項47】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされた1次シール材料を更に含み、前記1次シール材料が、前記スペクトルフィルタ材料内でビード歪を引き起こさないように構成されたスペーサビーズを含むことを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項48】
前記スペクトルフィルタ材料が、クロムを含むことを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項49】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされた1次シール材料を更に含み、前記1次シール材料が、前記第2の基板の第4の表面から見たときに少なくとも部分的に可視であることを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項50】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされたプラグ材料を更に含み、前記プラグ材料が、前記第2の基板を介して紫外線硬化性であることを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項51】
摩擦嵌合電気コネクタと、前記ミラー要素上の少なくとも1つの電気接続ポストとを有する電気回路基板とを更に含み、前記電気接続ポストが、前記摩擦嵌合電気コネクタと電気的に導通していることを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項52】
前記Jクリップが、成形可能接点材料であることを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項53】
前記スペクトルフィルタ材料のb*値が、前記少なくとも部分的に反射性の材料スタックのb*値よりも小さいことを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項54】
第2の表面材料スタックと第3の表面材料スタックの少なくとも一方が、絶縁区域を生成する薄いレーザ線を含むことを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項55】
外部ライト制御装置、湿気センサー、情報ディスプレイ、光センサー、死角インジケータ、ターンシグナルインジケータ、接近警報装置、オペレータインタフェース、コンパス、温度インジケータ、音声起動装置、マイク、調光回路、GPS装置、通信システム、ナビゲーション支援装置、車線逸脱警告システム、適応走行制御装置、視覚システム、後方視覚システム、及びトンネル検出システムを含む群から選択された少なくとも1つの装置を更に含むことを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項56】
少なくとも周辺部に近接した第2の表面上にスペクトルフィルタ材料を含む第1のほぼ透明な基板と、
バックミラー要素として構成される、第3の表面の少なくとも一部上に少なくとも部分的に反射性の材料スタックを有する第2の基板と、
摩擦嵌合電気コネクタと、前記ミラー要素上の少なくとも1つの電気接続ポストとを有する電気回路基板と
を含み、
前記電気接続ポストが、前記摩擦嵌合電気コネクタと電気的に導通していることを特徴とする装置。
【請求項57】
ガラス接触角に対して水接触角を変える前記第1のほぼ透明な基板の第1の表面上にコーティングを更に含むことを特徴とする請求項56に記載の装置。
【請求項58】
前記コーティングが、親水性であることを特徴とする請求項57に記載の装置。
【請求項59】
前記コーティングが、疎水性であることを特徴とする請求項57に記載の装置。
【請求項60】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされた1次シール材料を更に含み、前記1次シール材料が、前記スペクトルフィルタ材料内でビード歪を引き起こさないように構成されたスペーサビーズを含むことを特徴とする請求項56に記載の装置。
【請求項61】
前記スペクトルフィルタ材料が、クロムを含むことを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項62】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされた1次シール材料を更に含み、前記1次シール材料が、前記第2の基板の第4の表面から見たときに少なくとも部分的に可視であることを特徴とする請求項56に記載の装置。
【請求項63】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされたプラグ材料を更に含み、前記プラグ材料が、前記第2の基板を介して紫外線硬化性であることを特徴とする請求項56に記載の装置。
【請求項64】
少なくとも1つのJクリップを更に含むことを特徴とする請求項56に記載の装置。
【請求項65】
前記Jクリップが、成形可能接点材料であることを特徴とする請求項64に記載の装置。
【請求項66】
前記スペクトルフィルタ材料のb*値が、前記少なくとも部分的に反射性の材料スタックのb*値よりも小さいことを特徴とする請求項56に記載の装置。
【請求項67】
第2の表面材料スタックと第3の表面材料スタックの少なくとも一方が、絶縁区域を生成する薄いレーザ線を含むことを特徴とする請求項56に記載の装置。
【請求項68】
外部ライト制御装置、湿気センサー、情報ディスプレイ、光センサー、死角インジケータ、ターンシグナルインジケータ、接近警報装置、オペレータインタフェース、コンパス、温度インジケータ、音声起動装置、マイク、調光回路、GPS装置、通信システム、ナビゲーション支援装置、車線逸脱警告システム、適応走行制御装置、視覚システム、後方視覚システム、及びトンネル検出システムを含む群から選択された少なくとも1つの装置を更に含むことを特徴とする請求項56に記載の装置。
【請求項1】
少なくとも周辺部に近接した第2の表面上にスペクトルフィルタ材料を含む第1のほぼ透明な基板と、
第3の表面の少なくとも一部上に少なくとも部分的に反射性の材料スタックを有する第2の基板と
を含み、
前記スペクトルフィルタ材料のb*値が、前記少なくとも部分的に反射性の材料スタックのb*値よりも小さいことを特徴とする装置。
【請求項2】
バックミラー要素として構成される請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ガラス接触角に対し水接触角を変える前記第1のほぼ透明な基板の第1の表面上にコーティングを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記コーティングが親水性であることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記コーティングが疎水性であることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされた1次シール材料を更に含み、前記1次シール材料が、前記スペクトルフィルタ材料内でビード歪を引き起こさないように構成されたスペーサビーズを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記スペクトルフィルタ材料がクロムを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされた1次シール材料を更に含み、前記1次シール材料が、前記第2の基板の第4の表面から見たときに少なくとも部分的に可視であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされたプラグ材料を更に含み、前記プラグ材料が、前記第2の基板を介して紫外線硬化性であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
摩擦嵌合電気コネクタと、前記ミラー要素上の少なくとも1つの電気接続ポストとを有する電気回路基板を更に含み、前記電気接続ポストが、前記摩擦嵌合電気コネクタと電気的に導通していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
少なくとも1つのJクリップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記Jクリップが、成形可能接点材料であることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
第2の表面材料スタックと第3の表面材料スタックの少なくとも一方が、絶縁区域を生成する薄いレーザ線を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項14】
外部ライト制御装置、湿気センサー、情報ディスプレイ、光センサー、死角インジケータ、ターンシグナルインジケータ、接近警報装置、オペレータインタフェース、コンパス、温度インジケータ、音声起動装置、マイク、調光回路、GPS装置、通信システム、ナビゲーション支援装置、車線逸脱警告システム、適応走行制御装置、視覚システム、後方視覚システム、及びトンネル検出システムを含む群から選択された少なくとも1つの装置を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項15】
少なくとも周辺部に近接した第2の表面上にスペクトルフィルタ材料を含む第1のほぼ透明な基板と、
第3の表面の少なくとも一部上に少なくとも部分的に反射性の材料スタックを有する第2の基板と、
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされた1次シール材料と
を含み、
前記1次シール材料が、前記第2の基板の第4の表面から見たときに少なくとも部分的に可視であることを特徴とする装置。
【請求項16】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされたプラグ材料を更に含み、前記プラグ材料が、前記第2の基板を介して紫外線硬化性であることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
バックミラー要素として構成されることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項18】
ガラス接触角に対して水接触角を変える前記第1のほぼ透明な基板の第1の表面上にコーティングを更に含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記コーティングが、親水性であることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記コーティングが、疎水性であることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされた1次シール材料を更に含み、前記1次シール材料が、前記スペクトルフィルタ材料内でビード歪を引き起こさないように構成されたスペーサビーズを含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項22】
前記スペクトルフィルタ材料が、クロムを含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項23】
少なくとも1つのJクリップを更に含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項24】
前記Jクリップが、成形可能接点材料であることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記スペクトルフィルタ材料のb*値が、前記少なくとも部分的に反射性の材料スタックのb*値よりも小さいことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項26】
第2の表面材料スタックと第3の表面材料スタックの少なくとも一方が、絶縁区域を生成する薄いレーザ線を含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項27】
外部ライト制御装置、湿気センサー、情報ディスプレイ、光センサー、死角インジケータ、ターンシグナルインジケータ、接近警報装置、オペレータインタフェース、コンパス、温度インジケータ、音声起動装置、マイク、調光回路、GPS装置、通信システム、ナビゲーション支援装置、車線逸脱警告システム、適応走行制御装置、視覚システム、後方視覚システム、及びトンネル検出システムを含む群から選択された少なくとも1つの装置を更に含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項28】
少なくとも周辺部に近接した第2の表面上にスペクトルフィルタ材料を含む第1のほぼ透明な基板と、
第3の表面の少なくとも一部上に少なくとも部分的に反射性の材料スタックを有する第2の基板と、
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされたプラグ材料と
を含み、
前記1次シール材料が、前記スペクトルフィルタ材料内でビード歪を引き起こさないように構成されたスペーサビーズを含むことを特徴とする装置。
【請求項29】
バックミラー要素として構成されることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項30】
ガラス接触角に対して水接触角を変える前記第1のほぼ透明な基板の第1の表面上にコーティングを更に含むことを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項31】
前記コーティングが、親水性であることを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記コーティングが、疎水性であることを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項33】
前記スペクトルフィルタ材料が、クロムを含むことを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項34】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされたプラグ材料を更に含み、前記1次シール材料が、前記第2の基板の第4の表面から見たときに少なくとも部分的に可視であることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項35】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされたプラグ材料を更に含み、前記プラグ材料が、前記第2の基板を介して紫外線硬化性であることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項36】
摩擦嵌合電気コネクタと、前記ミラー要素上の少なくとも1つの電気接続ポストとを有する電気回路基板を更に含み、前記電気接続ポストが、前記摩擦嵌合電気コネクタと電気的に導通していることを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項37】
少なくとも1つのJクリップを更に含むことを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項38】
前記Jクリップが、成形可能接点材料であることを特徴とする請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記スペクトルフィルタ材料のb*値が、前記少なくとも部分的に反射性の材料スタックのb*値よりも小さいことを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項40】
第2の表面材料スタックと第3の表面材料スタックの少なくとも一方が、絶縁区域を生成する薄いレーザ線を含むことを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項41】
外部ライト制御装置、湿気センサー、情報ディスプレイ、光センサー、死角インジケータ、ターンシグナルインジケータ、接近警報装置、オペレータインタフェース、コンパス、温度インジケータ、音声起動装置、マイク、調光回路、GPS装置、通信システム、ナビゲーション支援装置、車線逸脱警告システム、適応走行制御装置、視覚システム、後方視覚システム、及びトンネル検出システムを含む群から選択された少なくとも1つの装置を更に含むことを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項42】
少なくとも周辺部に近接した第2の表面上にスペクトルフィルタ材料を含む第1のほぼ透明な基板と、
第3の表面の少なくとも一部上に少なくとも部分的に反射性の材料スタックを有する第2の基板と、
前記少なくとも部分的に反射性の材料スタックと電気的に導通している導電性エポキシと、
前記導電性エポキシと電気的に導通しているJクリップと
を含むことを特徴とする装置。
【請求項43】
バックミラー要素として構成されることを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項44】
ガラス接触角に対して水接触角を変える前記第1のほぼ透明な基板の第1の表面上にコーティングを更に含むことを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項45】
前記コーティングが、親水性であることを特徴とする請求項44に記載の装置。
【請求項46】
前記コーティングが、疎水性であることを特徴とする請求項44に記載の装置。
【請求項47】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされた1次シール材料を更に含み、前記1次シール材料が、前記スペクトルフィルタ材料内でビード歪を引き起こさないように構成されたスペーサビーズを含むことを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項48】
前記スペクトルフィルタ材料が、クロムを含むことを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項49】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされた1次シール材料を更に含み、前記1次シール材料が、前記第2の基板の第4の表面から見たときに少なくとも部分的に可視であることを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項50】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされたプラグ材料を更に含み、前記プラグ材料が、前記第2の基板を介して紫外線硬化性であることを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項51】
摩擦嵌合電気コネクタと、前記ミラー要素上の少なくとも1つの電気接続ポストとを有する電気回路基板とを更に含み、前記電気接続ポストが、前記摩擦嵌合電気コネクタと電気的に導通していることを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項52】
前記Jクリップが、成形可能接点材料であることを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項53】
前記スペクトルフィルタ材料のb*値が、前記少なくとも部分的に反射性の材料スタックのb*値よりも小さいことを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項54】
第2の表面材料スタックと第3の表面材料スタックの少なくとも一方が、絶縁区域を生成する薄いレーザ線を含むことを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項55】
外部ライト制御装置、湿気センサー、情報ディスプレイ、光センサー、死角インジケータ、ターンシグナルインジケータ、接近警報装置、オペレータインタフェース、コンパス、温度インジケータ、音声起動装置、マイク、調光回路、GPS装置、通信システム、ナビゲーション支援装置、車線逸脱警告システム、適応走行制御装置、視覚システム、後方視覚システム、及びトンネル検出システムを含む群から選択された少なくとも1つの装置を更に含むことを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項56】
少なくとも周辺部に近接した第2の表面上にスペクトルフィルタ材料を含む第1のほぼ透明な基板と、
バックミラー要素として構成される、第3の表面の少なくとも一部上に少なくとも部分的に反射性の材料スタックを有する第2の基板と、
摩擦嵌合電気コネクタと、前記ミラー要素上の少なくとも1つの電気接続ポストとを有する電気回路基板と
を含み、
前記電気接続ポストが、前記摩擦嵌合電気コネクタと電気的に導通していることを特徴とする装置。
【請求項57】
ガラス接触角に対して水接触角を変える前記第1のほぼ透明な基板の第1の表面上にコーティングを更に含むことを特徴とする請求項56に記載の装置。
【請求項58】
前記コーティングが、親水性であることを特徴とする請求項57に記載の装置。
【請求項59】
前記コーティングが、疎水性であることを特徴とする請求項57に記載の装置。
【請求項60】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされた1次シール材料を更に含み、前記1次シール材料が、前記スペクトルフィルタ材料内でビード歪を引き起こさないように構成されたスペーサビーズを含むことを特徴とする請求項56に記載の装置。
【請求項61】
前記スペクトルフィルタ材料が、クロムを含むことを特徴とする請求項42に記載の装置。
【請求項62】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされた1次シール材料を更に含み、前記1次シール材料が、前記第2の基板の第4の表面から見たときに少なくとも部分的に可視であることを特徴とする請求項56に記載の装置。
【請求項63】
前記第1のほぼ透明な基板と前記第2の基板との間に位置決めされたプラグ材料を更に含み、前記プラグ材料が、前記第2の基板を介して紫外線硬化性であることを特徴とする請求項56に記載の装置。
【請求項64】
少なくとも1つのJクリップを更に含むことを特徴とする請求項56に記載の装置。
【請求項65】
前記Jクリップが、成形可能接点材料であることを特徴とする請求項64に記載の装置。
【請求項66】
前記スペクトルフィルタ材料のb*値が、前記少なくとも部分的に反射性の材料スタックのb*値よりも小さいことを特徴とする請求項56に記載の装置。
【請求項67】
第2の表面材料スタックと第3の表面材料スタックの少なくとも一方が、絶縁区域を生成する薄いレーザ線を含むことを特徴とする請求項56に記載の装置。
【請求項68】
外部ライト制御装置、湿気センサー、情報ディスプレイ、光センサー、死角インジケータ、ターンシグナルインジケータ、接近警報装置、オペレータインタフェース、コンパス、温度インジケータ、音声起動装置、マイク、調光回路、GPS装置、通信システム、ナビゲーション支援装置、車線逸脱警告システム、適応走行制御装置、視覚システム、後方視覚システム、及びトンネル検出システムを含む群から選択された少なくとも1つの装置を更に含むことを特徴とする請求項56に記載の装置。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図7d】
【図7e】
【図7f】
【図7g】
【図7h】
【図7i】
【図7j】
【図7k】
【図7l】
【図7m】
【図7n】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図8e】
【図8f】
【図8g】
【図8h】
【図8i】
【図8j】
【図8k】
【図8l】
【図8m】
【図8n】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図9d】
【図9e】
【図9f】
【図9g】
【図9h】
【図9i】
【図9j】
【図9k】
【図9l】
【図9m】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図7d】
【図7e】
【図7f】
【図7g】
【図7h】
【図7i】
【図7j】
【図7k】
【図7l】
【図7m】
【図7n】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図8e】
【図8f】
【図8g】
【図8h】
【図8i】
【図8j】
【図8k】
【図8l】
【図8m】
【図8n】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図9d】
【図9e】
【図9f】
【図9g】
【図9h】
【図9i】
【図9j】
【図9k】
【図9l】
【図9m】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【公表番号】特表2007−534981(P2007−534981A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500977(P2007−500977)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/005932
【国際公開番号】WO2005/082015
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(500115826)ジェンテックス コーポレイション (46)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/005932
【国際公開番号】WO2005/082015
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(500115826)ジェンテックス コーポレイション (46)
【Fターム(参考)】
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