説明

車両ブレーキシステムのためのブレーキキャリパならびにブレーキキャリパを製作するための方法および装置

車両ブレーキシステムのためのブレーキキャリパは、鋳造部材として形成されたハウジング(10)を備え、該ハウジング内に、少なくとも1つの案内構造部(11)が対応したブレーキピストンを収容するために設けられている。ハウジング(10)内に少なくとも1つの案内構造部(11)が、所定の製作品質を有する少なくとも1つのあらかじめ製作された挿入部材(14)によって形成されており、該挿入部材の周囲にハウジング(10,110)の鋳造部材が注入される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項1の上位概念部に記載の車両ブレーキシステムのためのブレーキキャリパならびに独立請求項5の上位概念部に記載の鋳造部材を製作するための方法および独立請求項8の上位概念部に記載の鋳造部材を製作するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両ブレーキシステムのための既知のブレーキキャリパは、一般にブレーキピストンのための粗い案内構造部を有する鋳造部材として製作される。これらの粗い案内構造部は、次いで適宜な機械プロセスもしくは製作プロセスによって案内構造部のために所望の製作品質が得られるように後処理される。鋳造プロセスで鋳造部材に生じた空隙は所定の製作品質を有する案内構造部を設けるために不利に作用するので、かなりの不良品発生率が生じる場合がある。
【発明の概要】
【0003】
これに対して、独立請求項1の特徴を有する車両ブレーキシステムのための本発明によるブレーキキャリパは、鋳造部材として製作されたハウジング内の少なくとも1つの案内構造部が、所定の製作品質を有する少なくとも1つのあらかじめ製作された挿入部材によって形成されており、この挿入部材の周囲にハウジングの鋳造材料が鋳込まれるという利点を有する。有利には、あらかじめ製作された挿入部材によって、鋳造プロセスとは無関係に所定の製作品質を有する案内構造部を設けることが可能である。
【0004】
独立請求項6の特徴を有する少なくとも1つの案内構造部を備える鋳造部材を形成するための方法は、所定の製作品質を有する少なくとも1つの案内構造部が少なくとも1つのあらかじめ製作された挿入部材によって鋳造部材に設けられ、少なくとも1つの挿入部材は、少なくとも1つの位置決め手段によって鋳造工具内に位置決めされるという利点を有する。鋳造プロセスで、鋳造工具内に残された中空室に融液が注入される。鋳造プロセス後に、鋳造工具および位置決め手段は除去され、所定の製作品質を有する少なくとも1つの案内構造部を有する鋳造部材を取り外すことができる。
【0005】
独立請求項8の特徴を有する少なくとも1つの案内構造部を有する鋳造部材を製作するための装置は、少なくとも1つのあらかじめ製作された挿入部材が、所定の製作品質を有する少なくとも1つの案内構造部を鋳造部材に設けるために少なくとも1つの位置決め手段によって鋳造工具内に位置決めされており、鋳造工具の内部に残された中空室に鋳造プロセスで融液を注入可能であり、鋳造プロセス後に少なくとも1つの鋳型および位置決め手段が除去可能であり、所定の製作品質を有する少なくとも1つの案内構造部を有する鋳造部材が取外し可能であるという利点を有する。
【0006】
本発明による方法および本発明による装置は、有利には本発明によるブレーキキャリパを製作するために使用される。
【0007】
あらかじめ製作された挿入部材を使用することにより、案内構造部の所望の製作品質を有利には手間をかけずに、粗構造体の複雑な後処理なしに、簡単かつ安価に鋳造プロセス前に得ることができる。さらに本発明の実施形態は、鋳造プロセスで鋳造部材に生じた空隙が所定の製作品質を有する案内構造部の挿入に不利に作用することがなく、不良品発生率を明らかに低減することができるので、有利には、所定の製作品質を有する少なくとも1つの案内構造部を備える鋳造部材の製作時の効率を改善することを可能にする。さらに挿入部材の案内面はあらかじめ製作することにより、より平滑で一様に製作することができる。さらに、例えば山形のフライスヘッドのような複雑な工具形態を用いた機械加工もしくは製作プロセスが鋳造プロセス後に実施される場合よりも、挿入部材によってシールおよび/または固定カラーおよび/または保護カラーのための収容溝を鋳造部材内に簡単に素早く設けることができる。
【0008】
従属請求項に記載の手段および他の実施形態により、独立請求項1に記載の車両ブレーキシステムのためのブレーキキャリパ、独立請求項5に記載の少なくとも1つの案内構造部を有する鋳造部材を製作するための方法および独立請求項8に記載の少なくとも1つの案内構造部を有する鋳造部材を製作するための装置の有利な改良形態が可能である。
【0009】
特に有利には、少なくとも1つのあらかじめ製作された挿入部材は、シリンダブシュおよび/または深絞りスリーブとして構成されている。挿入部材をシリンダブシュとして構成することにより、所定の製作品質を有する案内構造部を特に簡単に実施することができる。さらに、直接的なアクセスのない止まり穴の代わりに開かれたシリンダブシュを使用することにより、例えばブレーキピストン、ピストンシールなどの構成素子の取り扱いおよび後からの組み付けを容易にすることができる。さらに、シールおよび/または固定カラーおよび/または保護カラーを案内もしくは収容するための溝をシリンダブシュの外形部に簡単に設けることがきる。鋳造部材により良好に位置決めし、および/または固定するために、シリンダブシュは外形部にノッチ、ねじ溝の凹凸を備える。深絞りスリーブを製作するためには、薄板からなるスリーブ底部が深絞りされ、次いでスリーブシャフトが打ち抜かれる。板残り部分は、例えば、2回折りたたまれ、シールおよび/または固定カラーおよび/または保護カラーを案内もしくは収容するための張出し部として使用することができる。深絞り部材としてあらかじめ製作された挿入部材の底部には、さらに深絞り部材の中空室と結合されたブレーキラインが固定されている。これにより、ブレーキ液はもはや鋳造ハウジングに接触しないので、有利には、鋳造ハウジングにおける液密性に対する要求を不要にすることができる。
【0010】
本発明によるブレーキキャリパの構成では、ハウジング内に少なくとも2つの案内構造部が設けられており、これら案内構造部は所定の間隔をおいて互いに同軸的にハウジングの向かい合ったハウジング部分に配置されている。案内構造部は、互いに対として向かい合って配置されており、これにより、ブレーキプロセスでブレーキディスクの一様な負荷が得られる。
【0011】
本発明による方法の構成では、少なくとも1つのあらかじめ製作された挿入部材の案内構造部は最終品質をもって、少なくとも1つの鋳造コアと共に複合体の形で配置されており、少なくとも1つの挿入部材の最終品質をもって製作された全ての案内面は少なくとも1つの鋳造コアによって覆われている。これにより、最終品質をもって製作された案内面は、有利には鋳造プロセスで融液から保護される。
【0012】
本発明による方法の別の構成では、少なくとも1つの鋳造コアは、鋳造工具に結合されたコア支持軸に位置決めされ、固定されて、同軸的に向かい合って配置された2つの案内構造部を有する鋳造部材を製作するために、あらかじめ製作された第1挿入部材および第1鋳造コアからなる第1複合体と、あらかじめ製作された第2挿入部材および第2鋳造コアからなる第2複合体とがコア支持軸に位置決めされ、固定される。これにより、あらかじめ製作された挿入部材の簡単かつ迅速な位置決めが可能となり、これにより、向かい合った案内構造部を極めて正確に同軸的に配置することが可能となり、通常のブレーキ作動時にブレーキプロセスでブレーキディスクの一様な負荷が得られる。
【0013】
本発明による装置の構成では、少なくとも1つのあらかじめ製作された挿入部材は最終品質をもって製作されており、挿入部材の全ての案内面を覆う少なくとも1つの鋳造コアと複合体を形成しており、これにより、最終品質をもって製作された案内面は、有利には鋳造プロセスで融液から保護される。少なくとも1つの鋳造コアは、例えば、案内軸に位置決めされ、固定され、案内軸の両終端部は鋳造工具の第1鋳型で固定されている。両側が固定されていることにより、有利には鋳造プロセスで変位を防止することができる。同軸的に向かい合って配置された2つの案内構造部を有する鋳造部材を製作するためには、あらかじめ製作された第1挿入部材および第1鋳造コアからなる第1複合体と、あらかじめ製作された第2挿入部材および第2鋳造コアからなる第2複合体とがコア支持軸に位置決めされ、固定される。この場合、コア支持軸は、鋳造コアの異なる内径に対応した少なくとも2つの異なる外径を備え、まずより大きい内径を有する第1鋳造コアがコア支持軸に押し込まれ、第1固定手段によってコア支持軸に軸線方向に固定され、より小さい内径を有する第2鋳造コアは、異なる外径の間の移行部に設けられた段部に当接するまでコア支持軸に押し込まれ、第2固定手段によってコア支持軸で固定されている。異なった直径を用いることにより生じた段部により、鋳造コアの軸線方向の位置決めおよび固定が容易になる。
【0014】
本発明の有利な実施形態を図示し、以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ブレーキキャリパのための鋳造ハウジングの第1実施例と共に鋳造工具を示す概略断面図である。
【図2】ブレーキキャリパのための鋳造ハウジングの第2実施例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1からわかるように、ブレーキキャリパを製作するための装置は、対応したブレーキピストンを収容するための2つの案内構造部11を有する鋳造ハウジング10を備える。この装置は、複数の鋳型を備える鋳造工具1を備え、これらの鋳型のうち、ブレーキキャリパの鋳造ハウジング10の外形を規定する下方に開かれた下側の鋳型3を見ることができる。下側の鋳型3の内部には外形鋳造コア9が配置されており、ブレーキキャリパの鋳造ハウジング10の外形をさらに規定している。
【0017】
図1からさらにわかるように、本発明による車両ブレーキシステムのためのブレーキキャリパの図示の第1実施例のハウジング10は、2つのウェブ10.3,10.4を介して互いに結合された向かい合うハウジング部分10.1,10.2を備え、これらのハウジング部分10.1,10.2には、対応したブレーキピストンを収容するためのそれぞれ1つの案内構造部11が設けられている。本発明によれば、それぞれ1つのあらかじめ製作された挿入部材14が、所定の製作品質を有する案内構造部をハウジング10内に形成しており、この場合、あらかじめ製作された挿入部材14の周囲にはハウジング10の鋳造材料が鋳込まれている。図示の第1実施例では、あらかじめ製作された挿入部材14はそれぞれシリンダブシュ14として構成されており、その外形部には、鋳造ハウジング10に良好に位置決めおよび/または固定するためにノッチ、ねじ溝などの形で凹凸が設けられている。さらに、シリンダブシュの、鋳造ハウジング10から突出した部分には、シールおよび/または固定カラーおよび/または保護カラーを案内もしくは収容するための溝16が設けられている。所定の製造品質を有する案内構造部を鋳造部材10に設けるためのあらかじめ製作された挿入部材14は、少なくとも1つの位置決め手段によって鋳造工具1に位置決めされる。図示の実施例では、位置決め手段は円筒状の2つの鋳造コア22,24を備え、これら鋳造コアはそれぞれスリーブとして構成された挿入部材14と複合体を形成しており、この複合体はそれぞれの挿入部材14の案内面11が対応した鋳造コア22,24によって覆われているように構成されている。この場合、あらかじめ製作された第1挿入部材14と第1鋳造コア22とは第1複合体12.1を形成しており、あらかじめ製作された第2挿入部材14と第2鋳造コア24とは第2複合体12.2を形成している。この場合、あらかじめ製作されたそれぞれの挿入部材14は、それぞれの鋳造コア22,24の突出した縁部に当接するまで差し込まれ、例えばスナップリングとして構成された、適宜な固定手段7.1,7.2によって軸線方向に固定されている。
【0018】
図1からさらにわかるように、鋳造コア22,24はあらかじめ製作された挿入部材14と共にコア支持軸5に位置決めされ、固定され、コア支持軸5の両端は鋳造工具1の第1鋳型3に固定されている。コア支持軸5の一端はヘッド部5.1により第1鋳型3の適宜な収容部に軸線方向に固定されている。コア支持軸5は他端にねじ山5.5を備え、ねじ山5.5には固定ナット5.2がねじ込まれており、この固定ナットは、同時に第2鋳造コア24をコア支持軸5で軸線方向に固定する。固定ナット5.2により、有利には軸線方向の許容差を補償することができる。代替的に、この端部にもヘッド部を設けることができる。コア支持軸5は図示の実施例では3つの異なる外径D1,D2,D3を備える。この場合、第1外径D1は第2鋳造コア24の内径D1に対応し、第2外径D2は第1鋳造コア22の内径D2に対応し、第3外径D3は第1鋳型3の適宜な開口に対応している。
【0019】
図1からさらにわかるように、第1鋳造コア22はより大きい内径D2によって、第2外形D2と第3外形D3との間の移行部に生じる第1段部5.3に当接するまでコア支持軸5に押し込まれており、同様にスナップリングとして構成されていてもよい第2固定手段7.3によってコア支持軸5で軸線方向に固定される。第2鋳造コア24はより小さい内径D1によって、第1外径D1と第2外径D2との間の移行部に設けられた第2段部5.4に当接するまでコア支持軸5に押し込まれ、固定ナットによって軸線方向にコア支持軸5で固定される。2つのハウジング部分10.1,10.2および2つのウェブ10.3,10.4の間には、下側の鋳型3の内部に、ブレーキキャリパの鋳造ハウジング10の外形をさらに規定する外形鋳造コア9が配置されている。
【0020】
鋳造ハウジング10を製作するためには、鋳造工具1の内部に残された中空室に鋳造時に融液が鋳込まれ、鋳造処理後に鋳型3、外形鋳造コア9、2つの鋳造コア22,24およびコア支持軸5が除去され、これにより、所定の製造品質を有する2つの案内構造部11を備えた鋳造部材10を取り外すことができる。
【0021】
図2からわかるように、図示の第2実施例では、あらかじめ製作された挿入部材は深絞りスリーブ114として構成されている。深絞りスリーブ114を製作するためには、薄板からなるスリーブ底部が深絞りされ、次いでスリーブシャフトが打ち抜かれる。板残り部分は、張出し部114.1を形成するために、例えば、2回折りたたまれる。張出し部114.1とブレーキキャリパの鋳造ハウジング110との間には、シールおよび/または固定カラーおよび/または保護カラーを案内もしくは収容するための収容ギャップ118が生じる。深絞りスリーブとして構成され、あらかじめ製作された挿入部材114は所定の製作品質を有する案内構造部を鋳造ハウジング部分110に挿入するために、少なくとも1つの位置決め手段によって鋳造工具101の鋳型103内に位置決めされる。図示の第2実施例では、この位置決め手段は、異なる2つの外形D4,D5を有する円筒状の鋳造コア105を備え、より小さい外形D4は挿入部材114の内径と一致しており、挿入部材114の張出し部114.1はより小さい外形D4とより大きい外形D5との間に設けられた段部105.1に接触する。ここでも鋳造コア105は挿入部材114の案内面を覆い、鋳造処理時に進入する融液から案内面を保護する。
【0022】
図2からさらにわかるように、深絞り部材としてあらかじめ製作された挿入部材114の底部には、さらに深絞り部材114の中空室と結合されたブレーキラインが、例えば溶接により固定されている。これにより、ブレーキ液はもはや鋳造ハウジング110に接触しないので、有利には、鋳造ハウジンング110における液密性に対する要求を不要にすることができる。
【0023】
本発明の実施形態では、鋳造部分の案内構造部の所望の製作品質を、有利には手間をかけずに、粗構造の複雑な後処理なしに、簡単かつ安価に鋳造プロセス前に得ることができる。さらに本発明の実施形態は、不良品発生率を明らかに低減することができるので、有利には、所定の製作品質を有する少なくとも1つの案内構造部を備える鋳造部材の製作時の効率を改善することを可能にする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳造部材として形成されたハウジング(10,110)を備え、該ハウジング内に、少なくとも1つの案内構造部(11,111)が、対応したブレーキピストンを収容するために設けられている、車両ブレーキシステムのためのブレーキキャリパにおいて、
少なくとも1つの案内構造部(11,111)が、前記ハウジング(10,110)内に、所定の製作品質を有する少なくとも1つのあらかじめ製作された挿入部材(14,114)によって形成されており、該挿入部材の周囲に前記ハウジング(10,110)の鋳造部材が注入されることを特徴とする、車両ブレーキシステムのためのブレーキキャリパ。
【請求項2】
少なくとも1つのあらかじめ製作された前記挿入部材(14,114)が、シリンダブシュ(14)および/または深絞りスリーブ(114)として構成されている、請求項1に記載のブレーキキャリパ。
【請求項3】
深絞りスリーブ(114)としてあらかじめ製作された挿入部材の底部に、深絞りスリーブ(114)の中空室と結合されたブレーキライン(115)が固定されている、請求項2に記載のブレーキキャリパ。
【請求項4】
前記ハウジング(10)内に少なくとも2つの案内構造部(11)が設けられており、該案内構造部(11)が互いに同軸的に所定の間隔をおいて前記ハウジング(10)の向かい合ったハウジング部分(10.1,10.2)に配置されている、請求項1から3までのいずれか一項に記載のブレーキキャリパ。
【請求項5】
特に請求項1から4までのいずれか一項に記載のブレーキキャリパを製作するために、少なくとも1つの案内構造部(11,111)を有する鋳造部材を形成するための方法において、
所定の製作品質を有する少なくとも1つの案内構造部(11,111)を、少なくとも1つのあらかじめ製作された挿入部材(14,114)によって鋳造部材(10,110)に設け、少なくとも1つの前記挿入部材(14,114)を、少なくとも1つの位置決め手段(5,22,24,105)によって鋳造工具(1,101)内に位置決めし、鋳造プロセスで、前記鋳造工具(1,101)の内部に残された中空室に融液を注入し、鋳造プロセス後に、前記鋳造工具(1,101)および前記位置決め手段(5,22,24,105)を除去し、所定の製作品質を有する少なくとも1つの案内構造部(11,111)を有する鋳造部材(10,110)を取り外すことを特徴とする、方法。
【請求項6】
少なくとも1つのあらかじめ製作された前記挿入部材(14,114)の前記案内構造部(11,111)を所定の最終品質をもって製作し、少なくとも1つの前記鋳造コア(22,24,105)と共に複合体(12.1,12.2)の形で配置し、少なくとも1つの挿入部材(14,114)の、最終品質をもって製作された全ての案内面(11,111)を少なくとも1つの鋳造コア(22,24,105)によって覆う、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの鋳造コア(22,24)を、前記鋳造工具(1)に結合されたコア支持軸(5)に位置決めし、固定し、同軸的に向かい合って配置された2つの案内構造部(11)を有する前記鋳造部材(10)を製作するために、あらかじめ製作された第1挿入部材(14)および第1鋳造コア(22)からなる第1複合体(12.2)と、あらかじめ製作された第2挿入部材(14)および第2鋳造コア(24)からなる第2複合体(12.2)とをコア支持軸(5)に位置決めし、固定する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
鋳造部材(10,101)の外形を規定するための少なくとも1つの鋳型(3,9,103,109)を備える鋳造工具(1,101)を有する、特に請求項1から4までのいずれか一項に記載のブレーキキャリパを製作するための、少なくとも1つの案内構造部(11,111)を備える鋳造部材を製作するための装置において、
所定の製作品質を有する少なくとも1つの案内構造部(11,111)を鋳造部材(10,110)に設けるための少なくともつ1のあらかじめ製作された挿入部材(14,114)が、少なくとも1つの位置決め手段(5,22,24,105)によって鋳造工具(1,101)内に位置決めされており、該鋳造工具(1,101)の内部に残された中空室に鋳造プロセスで融液を注入可能であり、鋳造プロセス後に少なくとも1つの鋳型(3,9,103,109)および位置決め手段(5,22,24,105)が除去可能であり、所定の製作品質を有する少なくとも1つの案内構造部(11,111)を有する鋳造部材(10,110)が取外し可能であることを特徴とする、鋳造部材を製作するための装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのあらかじめ製作された挿入部材(14)が、最終品質をもって製作されており、挿入部材(14)の全ての案内面(11)を覆う少なくとも1つの鋳造コア(22,24)と共に複合体(12.1,12.2)を形成しており、少なくとも1つの鋳造コア(22,24)が、両端が鋳造工具(1)の第1鋳型(3)に固定されている案内軸(5)に位置決めされ、固定されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
同軸的に向かい合って配置された2つの案内構造部(11)を有する鋳造部材(10)を製作するために、あらかじめ製作された第1挿入部材(14)および第1鋳造コア(22)からなる第1複合体(21)と、あらかじめ製作された第2挿入部材(14)および第2鋳造コア(24)からなる第2複合体(12.2)とがコア支持軸(5)に位置決めされ、固定され、コア支持軸(5)が、鋳造コア(22,24)の異なる内径(D1,D2)に対応した少なくとも2つの異なる外径(D1,D2)を備え、まず、より大きい内径(D2)を有する第1鋳造コア(22)がコア支持軸(5)に押し込まれ、第1固定手段(7.3)によって軸線方向にコア支持軸(5)に固定され、より小さい内径(D1)を有する第2鋳造コア(24)が、異なる外径(D1,D2)の間の移行部に設けられた段部(5.4)に当接するまでコア支持軸(5)に押し込まれ、第2固定手段(5.2)によってコア支持軸(5)で固定されている、請求項9に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−515934(P2013−515934A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546397(P2012−546397)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【国際出願番号】PCT/EP2010/066891
【国際公開番号】WO2011/079995
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(591245473)ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (591)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【Fターム(参考)】