説明

車両周辺情報送信装置および交通事故情報収集システム

【課題】事故発生の通知が為されないという事態が発生したとき、あるいは、事故発生の通知が為されるタイミングが遅くなってしまったときでも、交通事故発生時の情報がセンタにおいて収集可能となるようにする技術を提供する。
【解決手段】車両周辺情報送信装置10は、事故多発地点1の近傍において、路側設備2または3から情報取得・送信要求信号を受信することに基づいて、自車両5〜8が事故多発地点1にいることを検出し、その検出に基づいて、自車両の車両周辺情報を、交通事故の情報を収集するセンタ4に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両周辺情報送信装置および交通事故情報収集システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラ等によって周辺の情報を取得することのできる周辺情報取得車両が、近傍の車両の交通事故の発生の通知を受けたときに、センタに自車両周辺の情報を送信するシステムが知られている(例えば、特許文献1の0033段落参照)。このようなシステムによって、交通事故発生時の情報がセンタにおいて収集可能となる。
【特許文献1】特開2006−293558号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記のような従来の交通事故情報収集システムにおいては、何らかの原因で、事故発生の通知が為されないという事態が発生したとき、あるいは、事故発生の通知が為されるタイミングが遅くなってしまったとき、事故発生時の情報がセンタに送信されない。したがって、センタにおいて、交通事故発生時の情報が適切に収集できない場合がある。
【0004】
本発明は上記点に鑑み、事故発生の通知が為されないという事態が発生したとき、あるいは、事故発生の通知が為されるタイミングが遅くなってしまったときでも、交通事故発生時の情報がセンタにおいて収集可能となるようにする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、車両に搭載される車両周辺情報送信装置についてのものである。この車両周辺情報送信装置は、当該車両が所定の位置にいることを検出すると、その検出に基づいて、当該車両の周辺の情報を、交通事故の情報を収集するセンタ(4)に送信する。
【0006】
このようにすることで、あらかじめ定められた所定の位置(例えば、事故多発交差点等の、交通事故の発生の恐れが高い地点)に自車両がいることをトリガとして、自車両の周辺の情報をセンタ(4)に送信することができる。
【0007】
したがって、事故発生の通知が為されないという事態が発生したときや、事故発生の通知が為されるタイミングが遅くなってしまったときでも、交通事故発生時の情報がセンタ(4)において収集可能となる場合がある。
【0008】
なぜなら、その交通事故発生の位置が当該所定の位置の近傍であり、かつ、その事故発生時に車両周辺情報送信装置を搭載した車両が当該所定の位置にいれば、交通事故発生の通知の有無とは無関係に、車両周辺情報送信装置からセンタに車両の周辺の情報が送信されるからである。
【0009】
また、請求項2に記載のように、車両周辺情報送信装置は、道路上または道路周辺に設置された路側設備(2、3)から無線信号を受信したことに基づいて、自車両が当該所定の位置にいることを検出するようになっていてもよい。
【0010】
このような構成によれば、交通事故の発生の恐れが高い地点に路側設備を設置して無線信号を送信させることで、センタ(4)においては、高い確実性で、かつ、効率よく、交通事故情報を収集することができる。
【0011】
また、請求項3に記載のように、車両周辺情報送信装置は、記憶装置にあらかじめ登録された道路上の地点に自車両がいることに基づいて、自車両が当該所定の位置にいることを検出するようになっていてもよい。
【0012】
このような構成によれば、交通事故の発生の恐れが高い地点を車両周辺情報送信装置においてあらかじめ登録しておくことで、センタ(4)においては、高い確実性で、かつ、効率よく、交通事故情報を収集することができる。
【0013】
また、本発明の目的を達成するための請求項4に記載の発明は、交通事故の情報を収集するセンタ(4)と、第1の車両に搭載される車両周辺情報送信装置(10)と、第2の車両に搭載される交通事故発生通知装置(10)と、を備えた交通事故情報収集システムについてのものである。
【0014】
この交通事故情報収集システムにおいて、車両周辺情報送信装置(10)は、第1の車両が所定の位置にいることに基づいて、第1の車両の周辺の情報と、当該周辺の情報の取得時の第1の車両の位置と、をセンタ(4)に送信する。
【0015】
また、交通事故発生通知装置(10)は、第2の車両または第2の車両の近傍の車両において交通事故が発生したとき、当該交通事故の発生の旨と、当該交通事故の発生時における第2の車両の位置と、をセンタ(4)に通知する。
【0016】
また、センタ(4)は、交通事故発生通知装置(10)から交通事故の発生の旨の通知を受けたことに基づいて、車両周辺情報送信装置(10)から受信した第1の車両の位置が、交通事故発生通知装置(10)から受信した第2の車両の位置の近傍であることに基づいて、交通事故発生通知装置(10)から受信した第1の車両の周辺の情報を、当該交通事故に関連する情報として記録するようになっている。
【0017】
このようになっていることで、当該所定の位置の近傍で、第2の車両(または第2の車両の近傍の車両)において交通事故が発生した場合、第2の車両中の交通事故発生通知装置(10)は、自車位置および交通事故発生の旨の通知をセンタ(4)に送信する。
【0018】
また、この交通事故の発生の直前に第1の車両が当該所定の位置の近傍にいた場合、車両周辺情報送信装置(10)は、自車位置および自車両の周辺の情報をセンタ(4)に送信する。
【0019】
このとき、事故発生の通知が為されるタイミングが何らかの原因で遅くなってしまった場合を考える。この場合においては、センタ(4)は、まず、車両周辺情報送信装置(10)から、第1の車両の位置および第1の車両の周辺の情報を受信する。その後センタ(4)は、遅れて車両周辺情報送信装置(10)から第2の車両の位置および交通事故発生の旨の通知を受信する。
【0020】
すると、センタ(4)は、交通事故の発生の旨の通知を受けたことに基づいて、車両周辺情報送信装置(10)から先に受信した第1の車両の位置が、交通事故発生通知装置(10)から受信した第2の車両の位置の近傍であることに基づいて、交通事故発生通知装置(10)から受信した第1の車両の周辺の情報を、当該交通事故に関連する情報として記録する。
【0021】
したがって、事故発生の通知が為されるタイミングが遅くなってしまった場合でも、交通事故発生時の情報がセンタ(4)において収集可能となる場合がある。
【0022】
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図1および図2に、本実施形態に係る交通事故情報収集システムの構成例50を示す。この交通事故情報収集システム50は、道路上の事故多発地点1の近傍に設置された路側設備2および3、遠隔地にあって各地の交通事故関連の情報を収集するセンタ4を含む。また、この交通事故情報収集システム50は、事故多発地点1の近傍を走行する車両5〜8のそれぞれに1台ずつ搭載された車載用通信装置(車両周辺情報送信装置の一例であり、かつ、交通事故発生通知装置の一例でもある)10を含む。
【0024】
なお、路側設備2、3と同等の構成および作動を実現する路側設備が、この事故多発地点1以外の地点、具体的には、交通事故が発生し易い他の地点の近傍(例えば、道路上または道路周辺)に設置されている。したがって、路側設備は、事故が発生し易いと人によって判断された所定の複数地点の近傍に設置されていることになる。なお、図1、図2の例では、事故多発地点1は交差点であるが、路側設備2、3が近傍に設置される事故多発地点は、交差点以外の道路上の地点であってもよい。
【0025】
本実施形態においては、路側設備2および3は、それぞれ通信エリア2aおよび通信エリア3aの範囲内に、情報取得・送信要求信号を、繰り返し無線送信している。そして、図1に示すように、事故多発地点1に近づいた車両5〜8が、通信エリア2aまたは3aに入ると、当該車両に搭載された車載用通信装置10は、情報取得・送信要求信号を受信し、当該信号の受信をトリガ(すなわち契機)として、自車両の周辺の交通状況の情報を取得し、取得した交通状況の情報をセンタ4に送信する。
【0026】
また、図2に示すように、事故多発地点1において、車両6と車両7が接触して交通事故を起こした場合、車両6および車両7のそれぞれに搭載された車載用通信装置10は、自車両において交通事故が発生したことを検知し、その検知をトリガとして、当該交通事故の発生の旨をセンタ4に通知する。
【0027】
また、センタ4は、事故多発地点1において車載用通信装置10から送信された各車両の周辺の交通状況の情報を受信し、また、事故多発地点1において事故車両6、7の車載用通信装置10から送信された事故発生の旨の通知(以下、事故発生通知という)を受信すると、当該事故多発地点1から受信していた各車両の周辺の交通状況の情報(以下、車両周辺情報という)を、当該交通事故に関連する情報として、記録する。
【0028】
このような交通事故情報収集システム50の構成および作動について、以下詳述する。図3に、路側設備2および3のそれぞれが等しく有する構成を示す。路側設備2は、通信部21および制御部22を有している。また同様に、路側設備3も、路側設備2の通信部21および制御部22とは別のものであるが機能は同じである通信部21および制御部22を有している。
【0029】
通信部21は、自機の設置位置の近傍の車両に近距離通信(例えば、DSRC等)によって無線信号を送信するために、制御部22から受けた送信用の信号に対して増幅、変調、周波数変換等を行う無線回路である。路側設備2の通信部21による無線信号の通信エリア2a(すなわち送信可能エリア)と、路側設備3の通信部21による無線信号の通信エリア3aの総和は、事故多発地点1の全部をカバーできるようになっている。
【0030】
なお、通信エリア2aおよび3aの大きさは、事故多発地点1以外の地点を大きく外れた地点までもカバーしないように限定されている。例えば、通信エリア2aおよび3aの半径は、50メートル程度であってもよい。
【0031】
制御部22は、マイコン等から成り、送信用の信号として、情報取得・送信要求信号を、通信部21に繰り返し(例えば0.1秒に1回程度の一定周期で)出力する。このような構成により、路側設備2および路側設備3から事故多発地点1を含むエリアに対して、繰り返し情報取得・送信要求信号が送信される。
【0032】
次に、センタ4の構成について説明する。センタ4は、図示しない広域ネットワーク(例えばインターネット)に接続されており、当該広域ネットワークに(直接的または間接的に)接続された無線基地局(例えば、携帯電話通信の基地局、無線LANの基地局)を介して、車両5〜9の車載用通信装置10と通信できるようになっている。このセンタ4は、図4に示すように、通信部41、事故関連情報記憶部42、および制御部43を有している。
【0033】
通信部41は、当該広域ネットワークを介してデータの送受信を行うための通信インターフェースである。
【0034】
事故関連情報記憶部42は、ハードディスクドライブ等の書き込み可能な不揮発性記憶装置である。この事故関連情報記憶部42には、事故関連情報が記録されるようになっている。事故関連情報については後述する。
【0035】
制御部43は、図示しないCPU、ROM、RAM等から成るマイクロコンピュータである。この制御部43のCPUは、ROM中のプログラムをRAMに展開して実行することで、後述する処理を実現する。
【0036】
また、RAMの一部の記憶領域には、周辺情報記憶部43aが設けられている。周辺情報記憶部43aは、通信部41を介して車載用通信装置10から受信した各車両の車両周辺情報を一時的に記憶する領域である。
【0037】
次に、車載用通信装置10の構成について説明する。図5に示すように、車載用通信装置10は、近距離受信部、遠距離通信部11、センタ通信部12、事故検出部13、車両情報取得部14、撮影部15、記録部16、および制御部17を有している。
【0038】
近距離通信部11は、近距離通信(例えば、DSRC等)によって近傍の無線装置(例えば路側設備2、3)から送信された信号を受信し、受信した当該信号に周波数変換、増幅、復調等を施して制御部17に出力する無線回路である。また、近距離通信部11は、制御部17からの制御に従って、近距離通信によって自車両の近傍に無線信号を送信するようになっていてもよい。
【0039】
センタ通信部12は、携帯電話通信、無線LAN等を用いて広域ネットワーク上の基地局と無線接続し、その無線接続を介してセンタ4と通信を行うための無線回路である。
【0040】
事故検出部13は、自車両に発生した事故を検出し、検出した旨を制御部17に通知する装置である。例えば、事故検出部13は、自車両のボディに取り付けられた歪み応力センサ(図示せず)を有し、当該歪み応力センサに加えられた応力が基準値以上となっていることに基づいて、自車両における事故発生を検出するようになっていてもよい。
【0041】
また例えば、事故検出部13は、エアバックが作動したことを検知するエアバックセンサ(図示せず)を有しており、当該エアバックセンサがエアバックの作動を検知したことに基づいて、自車両における事故発生を検出するようになっていてもよい。
【0042】
車両情報取得部14は、自車両に関する情報を取得して制御部17に出力する装置である。例えば、車両情報取得部14は、GPS(Global Posisioning System)の受信機(図示せず)を有しており、このGPS受信機(図示せず)からの信号に基づいて、現在時刻および自車両の現在位置を、自車両に関する情報(以下、自車両関連情報という)として、制御部17に出力するようになっていてもよい。
【0043】
また例えば、車両情報取得部14は、自車両の各部に衝撃センサ(図示せず)を有しており、事故発生時には、最も強い衝撃を検知した衝撃センサの取付位置を、自車両の衝突位置として特定し、特定した衝突位置を、自車両に関する情報として、制御部17に出力するようになっていてもよい。
【0044】
撮影部15は、自車両の周囲(例えば、前方、後方、右側方、および左側方のうち、いずれか1つまたは一部の複数または全部)を継続的に撮影する1つまたは複数の車載カメラ(図示)を有し、当該車載カメラが撮影した画像を逐次記録部16に出力する装置である。
【0045】
記録部16は、書き込み可能な記憶装置(図示せず)を有し、撮影部15から出力された撮影画像を当該記憶装置に記録する装置である。なお、記録部16が記憶装置に記憶させる撮影画像の量は、現在時刻から遡って所定時間(例えば1分)分となっている。そして、記録部16は、撮影部15から受けた新たな撮影画像を記憶装置に記録する際、記録装置中の、現在時刻から遡って所定の時間より古い画像が記憶されている領域に、当該新たな撮影画像を上書き記録するようになっている。
【0046】
制御部17は、図示しないCPU、ROM、RAM等から成るマイクロコンピュータである。この制御部43のCPUは、ROM中のプログラムをRAMに展開して実行することで、後述する処理を実現する。
【0047】
続いて、上記のような構成を有する交通事故情報収集システム50の作動について説明する。路側設備2および3は、上述した通り、事故多発地点1を含むエリアに対して、繰り返し情報取得・送信要求信号を送信している。
【0048】
図6および図7に、車載用通信装置10の制御部17(より具体的には、制御部17のCPU)が自車両の走行中に並列的に実行しているプログラム100および200のフローチャートを示す。プログラム100は、自車両が情報取得・送信要求信号を路側設備2または3から受けたときの処理を規定するプログラムであり、プログラム200は、自車両において事故が発生したときの処理を規定するプログラムである。
【0049】
制御部17は、プログラム100の実行において、まずステップ110で、情報取得・送信要求信号(図中では単に要求信号と記す)を近距離通信部11が受信するまで待ち、受信すると続いてステップ120を実行する。
【0050】
ステップ120では、車両周辺情報を取得する。具体的には、記録部16の記憶装置中に記録されている撮影部15の撮影画像を、車両周辺情報としてRAMに読み出す。なお、読み出す撮影画像は、記録部16の記憶装置に記録されている撮影画像のすべて(すなわち、現在時刻から遡って所定時間分)であってもよい。あるいは、当該所定時間よりも短い取得時間(例えば1秒)を設定し、読み出す撮影画像を、記録部16の記憶装置に記録されている撮影画像のうち、現在時刻から遡って当該取得時間分としてもよい。また、ステップ120では、この車両周辺情報に加え、自車両関連情報として、現在時刻および自車両の現在位置の情報を、車両情報取得部14から取得する。
【0051】
続いてステップ130では、ステップ120で読み出した車両周辺情報および自車両関連情報を、センタ通信部12を用いて、センタ4に送信する。ステップ130の後は、再度ステップ110を実行する。
【0052】
このようなプログラム100を実行することで、制御部17は、事故多発地点1の近傍において、路側設備2または3から情報取得・送信要求信号を受信することに基づいて、自車両(第1の車両の一例に相当する)が所定の位置にいることを検出し(ステップ110参照)、その検出に基づいて、自車両の車両周辺情報および自車両関連情報(ステップ120)を、交通事故の情報を収集するセンタ4に送信する(ステップ130)。なお、車載用通信装置10は、このようなプログラム100を実行することで、車両周辺情報送信装置の一例として機能する。
【0053】
なお、このような自車両の車両周辺情報および自車両関連情報のセンタ4への送信は、ステップ110〜130の繰り返しにより、情報取得・送信要求信号を受信している限り繰り返される。そして、図8の車両7のように、自車両が事故多発地点1の近傍にあるすべての路側設備2、3の通信エリア2a、3aの外に出ると、車両7の車載用通信装置10は情報取得・送信要求信号を受信できなくなる。したがって、当該車載用通信装置10の制御部17においては、ステップ110の判定結果が否定的となるので、車両周辺情報および自車両関連情報をセンタ4に送信することを中止する。
【0054】
このような車載用通信装置10の作動により、あらかじめ定められた所定の事故多発地点(すなわち、路側設備の設置位置の近傍)に自車両がいることをトリガとして、自車両の車両周辺情報および自車両関連情報をセンタ4に送信することができる。
【0055】
したがって、車載用通信装置10は、他車両(例えば事故を起こした車両)から交通事故発生の通知を受けることを、車両周辺情報および自車両関連情報の送信のためのトリガとする必要がない。したがって、事故発生の通知が為されないという事態が発生したときや、事故発生の通知が為されるタイミングが遅くなってしまったときでも、交通事故発生時の車両周辺情報および自車両関連情報がセンタ4において収集可能となる。
【0056】
なぜなら、図2に示すように、その交通事故発生の位置が所定の位置(すなわち、事故多発地点1)の近傍であり、かつ、その事故発生時に車両周辺情報送信装置10を搭載した車両5〜8が当該事故多発地点1にいれば、交通事故発生の通知の有無とは無関係に、車両周辺情報送信装置10からセンタ4に車両の周辺の情報が送信されるからである。
【0057】
また、車載用通信装置10は、道路上または道路周辺に設置された路側設備2、3から情報取得・送信要求信号を受信したことに基づいて、自車両が当該所定の位置にいることを検出するようになっている。
【0058】
このような構成によれば、交通事故の発生の恐れが高い地点に路側設備を設置して無線信号を送信させることで、センタ4においては、高い確実性で、かつ、効率よく、交通事故情報を収集することができる。
【0059】
次に、図7のプログラム200の規定する作動について説明する。制御部17は、プログラム200の実行において、まずステップ210で、自車両の事故検出部13が事故を検出するまで待ち、事故検出部13が事故を検出すると、続いてステップ220を実行する。
【0060】
ステップ220では、事故関連情報を取得する。具体的には、事故関連情報として、現在時刻、自車両の現在位置の情報、および、自車両の衝突位置の情報を、車両情報取得部14から取得する。
【0061】
続いてステップ230では、センタ通信部12を用いて、センタ4に対して、事故発生通知を送信する。続いてステップ240では、この事故発生装置に付随させて、ステップ220で取得した事故関連情報を、センタ通信部12を用いて、センタ4に送信する。ステップ240の後は、再度ステップ210を実行する。
【0062】
このようなプログラム200を実行することで、制御部17は、自車両(第2の車両の一例に相当する)において交通事故が発生したことを検知すると(ステップ210参照)、その交通事故の発生の旨(ステップ230参照)と、当該交通事故の発生時における自車両の事故関連情報(ステップ220、240参照)とを、センタ4に送信する。このようにすることで、事故の発生の通知をセンタ4が受けることができるようになる。なお、車載用通信装置10は、このようなプログラム200を実行することで、交通事故発生通知装置の一例として機能する。
【0063】
次に、センタ4の作動について説明する。図9に、センタ4の制御部43が実行するプログラム300のフローチャートを示す。制御部43(より具体的には、制御部43のCPU)は、このプログラム300の実行において、まずステップ310で、いずれかの車載用通信装置10から送信された車両周辺情報および自車両関連情報を、通信部41を介して受信したか否かを判定する。受信していなければ、続いてステップ330を実行する。
【0064】
受信していれば、続いてステップ320で、受信した車両周辺情報および自車両関連情報を周辺情報記憶部43aに追加記録してステップ330を実行する。
【0065】
ステップ330では、いずれかの車載用通信装置10から送信された事故発生通知を、通信部41を介して受信したか否かを判定し、受信していれば続いてステップ340を実行し、受信していなければ再度ステップ310を実行する。
【0066】
ステップ340では、周辺情報記憶部43aに記録されている車両周辺情報のうち、直前のステップ33で受信した事故発生通知と同じ交通事故に関連する車両周辺情報を抽出する。
【0067】
なお、ある車両周辺情報と、受信した事故発生通知とが、共に同じ交通事故に関連する情報であるか否かは、当該車両周辺情報と共に受信して周辺情報記憶部43aに記録した自車両関連情報と、当該事故発生通知に付随して受信した事故関連情報とに基づいて決定する。具体的には、以下の2つの条件の両方が満たされたときに、当該車両周辺情報と、当該事故発生通知とが、共に同じ交通事故に関連する情報であると判定する。
【0068】
[条件1]当該自車両関連情報に含まれる現在時刻(すなわち、当該自車両関連情報が送信された時刻)と、当該事故関連情報に含まれる現在時刻(すなわち、当該交通事故の発生時刻)との時間差が、基準時間T以内である。
【0069】
[条件2]当該自車両関連情報に含まれる現在位置(すなわち、当該自車両関連情報が送信された時刻における当該送信車両の位置)と、当該事故関連情報に含まれる現在位置(すなわち、当該交通事故の発生時刻における当該事故車両の位置)との位置間隔が、基準距離L以内である。
【0070】
続いてステップ350では、抽出した車両周辺情報(および当該事故発生通知に付随して受信した事故関連情報)を、発生の旨の通知を受けた当該交通事故についての関連情報として(具体的には、当該交通事故についての関連情報である旨の情報を付随させて)、事故関連情報記憶部42に記録する。ステップ350に続いては、再度ステップ310を実行する。
【0071】
このようなプログラム300を実行することで、制御部43は、車両周辺情報の受信または事故発生通知の受信を待つ(ステップ310、330参照)。そして、いずれかの車載用通信装置10から車両周辺情報を受信する度に、受信した車両周辺情報およびそれに付随して受信した自車両関連情報を周辺情報記憶部43aに記録する(ステップ320参照)。
【0072】
また制御部43は、交通事故を起こした事故車両(図2の車両6、7参照)に搭載された車載用通信装置10から事故発生通知を受信したことに基づいて、以下の判定を行う。すなわち、周辺情報記憶部43a中の車両周辺情報のそれぞれについて、当該車両周辺情報の送信元の車両の送信時における位置と、当該事故発生通知の送信元の事故車両の送信時における位置とが近傍であるか否か、および、当該車両周辺情報の送信時刻と、当該事故発生通知の送信時刻とが近いか否かを判定する。そして、位置が近傍でありかつ時刻が近いと判定した車両周辺情報を抽出し(ステップ340参照)、当該事故発生通知に係る交通事故に関連する情報として、抽出した車両周辺情報を事故関連情報記憶部42する(ステップ350参照)。
【0073】
このようになっていることで、図2に示すように、事故多発地点1の近傍で、車両6、7において交通事故が発生した場合、事故車両6、7中の車載用通信装置10(交通事故発生通知装置の一例に相当する)は、自車位置、事故発生時刻、および事故発生通知をセンタ4に送信する。
【0074】
また、この交通事故の発生の直前に、事故車両6、7以外の車両5、8が事故多発地点1にいた場合、当該周辺車両5、8に搭載される車載用通信装置10(車両周辺情報送信装置の一例に相当する)は、路側設備2または3から情報取得・送信要求信号を受信することに起因して、現在時刻、自車位置、および自車両の周辺の情報をセンタ4に送信する。
【0075】
このとき、事故発生通知が送信されるタイミングが何らかの原因で遅くなってしまった場合を考える。この場合においては、センタ4は、まず、辺車両5、8の車載用通信装置から、事故発生時に近い時刻、当該時刻における周辺車両5、8の位置、および、当該時刻における周辺車両5、8の車両周辺情報を受信する。その後センタ4は、遅れて事故車両6、7の車載用通信装置10から、事故発生時刻、当該時刻における事故車両6、7の位置、および事故発生通知を受信する。
【0076】
すると、センタ4は、事故発生通知を受けたことに基づいて、周辺車両5、8の車載用通信装置10から先に受信した周辺車両5、8の位置が、事故車両6、7の車載用通信装置10から受信した事故車両6、7の近傍であること、および、周辺車両5、8の車載用通信装置10から先に受信した時刻が、事故車両6、7の車載用通信装置10から受信した時刻に近いことに基づいて、周辺車両5、8の車載用通信装置10から受信した車両周辺情報を、当該事故発生通知に係る交通事故に関連する情報として事故関連情報記憶部42に記録する。したがって、事故発生の通知が為されるタイミングが何らかの事情で遅くなってしまった場合でも、交通事故発生時の情報がセンタ4において収集可能となる場合がある。
【0077】
このように、交通事故発生時に事故を検出した事故車両6、7からの通知をセンタ4が受信することで、センタ4はその交通事故発生前後の該当箇所のデータ(具体的には撮影画像)を事故発生時のデータとして管理し、事故発生時の状況を検証可能とすることができる。すなわち、車載用通信装置10が、事故発生以外のものをトリガとして車両周辺情報をセンタ4に送信しているため、より多くの情報の確認が可能となり、また、事故発生時からある程度遡って事故発生状況の確認が可能となる。また、事故発生後も情報収集が可能であるため、事故発生後の現場の状況、経過を確認することも可能となる。
【0078】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態が第1実施形態と異なるのは、本実施形態の車載用通信装置10が、図10に示すプログラム400も、プログラム100およびプログラム200と並列的に実行するようになっていることである。
【0079】
このプログラム400の実行において、車載用通信装置10は、まずステップ410で、図示しない操作装置に対して、自車両の乗員が事故発生の旨の操作を行うまで待ち、事故発生の旨の操作があると、続いてステップ420で、センタ4に対して事故発生通知を送信する。なおこの際、事故発生通知に付随して、事故関連情報として、自車位置および現在時刻も、センタ4に送信する。ステップ420の後、再度ステップ410を実行する。
【0080】
このようになっていることで、図2に示すように、車両6と車両7が事故を起こしたときに、車両6と車両7に搭載された車載用通信装置10が事故発生通知を送信できなかった場合であっても、周辺車両5、8の乗員が、当該周辺車両5、8に搭載された車載用通信装置10に対して、事故発生の旨の操作を行うことで、センタ4に事故発生通知および事故関連情報が送信される。したがって、センタ4では、事故車両6、7の車載用通信装置10から事故通知を受信しなかったとしも、周辺車両5、8の車載用通信装置10から同じ交通事故についての事故発生通知を受けるので、当該交通事故について別途受信した車両周辺情報を、当該交通事故に関連する情報として、事故関連情報記憶部42に記録することができる。
【0081】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本発明が第1実施形態と異なる点は、車載用通信装置10が、地図データが記録された地図データ記憶装置(図示せず)を有している点、および、制御部17が、図11に示すプログラム500も、プログラム100およびプログラム200と並列的に実行するようになっていることである。
【0082】
地図データは、道路データおよび施設データを有している。道路データは、リンクの位置情報、種別情報、ノード(すなわち交差点)の所在位置情報、種別情報、および、ノードとリンクとの接続関係の情報等を含んでいる。施設データは、施設毎に、当該施設の名称情報、所在位置情報、土地地番情報、施設種類情報等を示すデータを有している。
【0083】
また、本実施形態においては、地図データは、事故多発地点データを有している。事故多発地点データは、あらかじめ事故多発地点として定められた複数の地点のそれぞれについての位置情報が登録されているデータである。
【0084】
事故多発地点の位置情報としては、当該事故多発地点に該当する緯度および経度の範囲を示す範囲データであってもよいし、地図データ中の特定の交差点を指定するデータであってもよいし、地図データ中の特定の施設を指定するデータであってもよいし、特定の位置をピンポイントで示す緯度および経度のデータであってもよい。
【0085】
次に、プログラム500について説明する。なお、図11と図6とで同じ符号が付されたステップは、それぞれ同一の処理を行うものである。制御部17は、プログラム500の実行において、まずステップ510で、GPS受信機等からの信号に基づいて自車両の現在位置を特定し、当該現在位置が、事故多発地点データに登録されている地点に属するか否かを判定し、属する場合、続いてステップ120を実行し、属さない場合、再度ステップ510を実行する。
【0086】
自車両の現在位置が、事故多発地点データに登録されている地点に属するか否かの判定は、例えば、当該登録された位置が、緯度および経度の範囲を示す範囲データである場合、自車両の現在位置の緯度、経度が、当該範囲データの示す範囲内に入っているか否かによって決定する。
【0087】
また例えば、当該登録された位置が、地図データ中の交差点、施設、またはピンポイントの位置を示すデータである場合、自車両の現在位置が、事故多発地点データに登録されている地点に属するか否かの判定は、自車両の現在位置の緯度、経度が、当該交差点の所在位置、当該施設の所在位置、または当該ピンポイント位置を含む所定の大きさの範囲(例えば、当該交差点の所在位置、当該施設の所在位置、または当該ピンポイント位置を中心とする所定半径(例えば100メートル)内の範囲)に入っているか否かによって決定する。
【0088】
このようなプログラム500を実行することで、制御部17は、事故多発地点として地図データに登録された位置に自車両が属している間は、自車両(第1の車両の一例に相当する)が所定の事故多発位置にいることを検出し(ステップ110参照)、その検出に基づいて、自車両の車両周辺情報および自車両関連情報(ステップ120参照)を、交通事故の情報を収集するセンタ4に送信し続ける(ステップ130参照)。そして、制御部17は、事故多発地点として地図データに登録された位置から外れたことに基づいて、自車両の車両周辺情報および自車両関連情報(ステップ120参照)のセンタ4への送信を終了する(ステップ510→NO参照)。なお、車載用通信装置10は、このようなプログラム500を実行することで、車両周辺情報送信装置の一例として機能する。
【0089】
このように、車載用通信装置10は、地図データ記憶装置中の地図データにあらかじめ登録された道路上の地点に自車両がいることに基づいて、自車両が、あらかじめ事故多発地点であるとされた所定の位置にいることを検出するようになっている。
【0090】
このような構成によれば、交通事故の発生の恐れが高いにも関わらず、路側設備の設置が困難な地点においても、当該地点を車載用通信装置10の地図データにあらかじめ登録しておくことで、センタ4においては、高い確実性で、かつ、効率よく、交通事故情報を収集することができる。
【0091】
なお、本実施形態においては、車載用通信装置10は、上述の通りプログラム500と共にプログラム100を実行してもよいし、プログラム100の実行を行わないようになっていてもよい。
【0092】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態が第1実施形態と異なる点は、車載用通信装置10の制御部17が、図6のプログラム100に代えて、図12のプログラム600および図13のプログラム650を実行するようになっていることである。なお、図12および図13と図6とで同じ符号が付されたステップは、それぞれ同一の処理を行うものである。
【0093】
制御部17は、プログラム600とプログラム650とを並列的に実行するようになっている。プログラム600の実行において制御部17は、まずステップ610で、RAM中の周辺情報通知機能のフラグがオンとなるまで待ち、オンとなると続いてステップ120を実行する。なお、このフラグは、車載用通信装置10の起動時にはオフとなっている。
【0094】
プログラム650は、このフラグのオンオフを切り替えるための処理を規定している。プログラム650の実行において制御部17は、まずステップ110で、(前回このステップ110を実行した後に)情報取得・送信要求信号を受信したか否かを判定し、受信した場合は続いてステップ670で当該フラグをオンにして再度ステップ110を実行する。
【0095】
ステップ110で(前回このステップ110を実行した後に)情報取得・送信要求信号を受信していないと判定した場合は、続いてステップ680で、情報取得・送信要求信号を受信し始めてから(すなわち、当該フラグがオフからオンに切り替わって)基準時間(例えば、一定期間の1分)が経過したか否かを判定する。基準時間が経過していないと判定した場合、再度ステップ110を実行する。基準時間が経過したと判定した場合、続いてステップ690で、当該フラグをオフにし、再度ステップ110を実行する。
【0096】
このようなプログラム600およびプログラム650を実行することで、制御部17は、車両が路側設備の通信エリア内に入って情報取得・送信要求信号を受信することで(ステップ110参照)、フラグをオンとし(ステップ670参照)、そのフラグのオンに基づいて(ステップ610参照)、自車両の車両周辺情報および自車両関連情報(ステップ120参照)を、交通事故の情報を収集するセンタ4に送信する(ステップ130参照)。
【0097】
また制御部17は、情報取得・送信要求信号を最後に受信してから基準時間経過するまでは車両周辺情報および自車両関連情報を繰り返し送信し続けるが、基準時間が経過すると(ステップ680参照)、フラグをオフに切り替え(ステップ690参照)、そのフラグのオフに基づいて(ステップ610参照)、自車両の車両周辺情報および自車両関連情報の送信を停止する。
【0098】
このようにすることで、適切なタイミングで車両周辺情報および自車両関連情報を終了することができる。なお、車載用通信装置10は、このようなプログラム600、650を実行することで、車両周辺情報送信装置の一例として機能する。
【0099】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態が第4実施形態と異なるのは、路側設備2および路側設備3の構成が第4実施形態と異なる点と、車載用通信装置10の制御部17が、図13のプログラム650に代えて、図15のプログラム700を実行するようになっている点である。
【0100】
図14に、本実施形態に係る交通事故情報収集システム60の構成を示す。本実施形態においては、路側設備2は、通信部21に変えて、開始要求送信部2b、停止要求送信部2c、開始要求送信部2d、および停止要求送信部2eを備えている。また、路側設備3は、開始要求送信部3b、停止要求送信部3c、開始要求送信部3d、および停止要求送信部3eを備えている。
【0101】
開始要求送信部2bおよび2d、ならびに、開始要求送信部3bおよび3dのそれぞれは、事故多発地点である交差点1の手前の、当該交差点1へ進入するための進入車線の(すなわち、事故多発地点1への入口の)直上に掲げられており、自機の直下の車線を通る車両のみに、繰り返し(例えば、0.1秒周期で)開始要求信号を、近距離通信(例えば、DSRC等)により無線送信している。この開始要求信号は、車載用通信装置10に車両周辺情報および自車両関連情報の送信を開始させるための信号である。
【0102】
停止要求送信部2cおよび2e、ならびに、停止要求送信部3cおよび3eのそれぞれは、交差点1の直後の、当該交差点1から退出するための退出車線の(すなわち、事故多発地点1からの出口の)直上に掲げられており、自機の直下の車線を通る車両のみに、繰り返し(例えば、0.1秒周期で)停止要求信号を、近距離通信(例えば、DSRC等)により無線送信している。この停止要求信号は、車載用通信装置10に車両周辺情報および自車両関連情報の送信を停止させるための信号である。
【0103】
また、制御部17は、図12のプログラム600と並列的に、プログラム700を実行する。このプログラム700の実行において制御部17は、まずステップ710で、上述の開始要求信号を近距離通信部11を介して受信したか否かを判定し、受信した場合は続いてステップ720で周辺情報通知機能のフラグをオンにして再度ステップ710を実行する。
【0104】
ステップ710で、開始要求信号を受信していないと判定した場合は、続いてステップ730で、上述の停止要求信号を近距離通信部11を介して受信したか否かを判定し、受信していない場合は再度ステップ710を実行し、受信した場合は、続いてステップ740で当該フラグをオフにし、再度ステップ710を実行する。
【0105】
このようなプログラム700およびプログラム600を実行することで、制御部17は、自車両が事故多発地点1への入口の地点を通過することで、(ステップ710参照)、フラグをオンとし(ステップ720参照)、そのフラグのオンに基づいて(ステップ610参照)、自車両の車両周辺情報および自車両関連情報(ステップ120参照)を、交通事故の情報を収集するセンタ4に送信する(ステップ130参照)。
【0106】
また制御部17は、自車両が事故多発地点1からの出口の地点を通過することで、(ステップ730参照)、フラグをオフに切り替え(ステップ740参照)、そのフラグのオフに基づいて(ステップ610参照)、自車両の車両周辺情報および自車両関連情報の送信を停止する。
【0107】
このようにすることで、適切なタイミングで車両周辺情報および自車両関連情報を終了することができる。なお、車載用通信装置10は、このようなプログラム700、600を実行することで、車両周辺情報送信装置の一例として機能する。
【0108】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の各発明特定事項の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。
【0109】
例えば、センタ4の制御部43は、図9に示したプログラム300のステップ340では、条件1を満たす車両周辺情報については、条件2を満たす満たさないに関わらず、周辺情報記憶部43aから抽出して、受信した事故発生通知に係る交通事故に関連する情報として、事故関連情報記憶部42に記録するようになっていてもよい。
【0110】
また、周辺情報記憶部43aは、制御部43のRAMではなく、事故関連情報記憶部42の一部の記憶領域として設けられていてもよい。
【0111】
また、上記の実施形態において、制御回路17、43がプログラムを実行することで実現している各機能は、それらの機能を有するハードウェア(例えば回路構成をプログラムすることが可能なFPGA)を用いて実現するようになっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の第1実施形態に係る交通事故情報収集システムの構成例である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る交通事故情報収集システムの構成例である。
【図3】路側設備2、3の構成を示すブロック図である。
【図4】センタ4の構成を示すブロック図である。
【図5】車載用通信装置10の構成を示すブロック図である。
【図6】車載用通信装置10の制御部17が実行するプログラム100のフローチャートである。
【図7】車載用通信装置10の制御部17が実行するプログラム200のフローチャートである。
【図8】交通事故情報収集システム50において車両7が通信エリア2aから出る状況を示す図である。
【図9】センタ4の制御部43が実行するプログラム300のフローチャートである。
【図10】第2実施形態において車載用通信装置10の制御部17が実行するプログラム400のフローチャートである。
【図11】第3実施形態において車載用通信装置10の制御部17が実行するプログラム500のフローチャートである。
【図12】第4実施形態において車載用通信装置10の制御部17が実行するプログラム600のフローチャートである。
【図13】第4実施形態において車載用通信装置10の制御部17が実行するプログラム650のフローチャートである。
【図14】第5実施形態に係る交通事故情報収集システム60の構成図である。
【図15】第5実施形態において車載用通信装置10の制御部17が実行するプログラム700のフローチャートである。
【符号の説明】
【0113】
1 事故多発地点
2、3 路側設備
2a、2b 通信エリア
2b、2d、3b、3d 開始要求送信部
2c、2e、3c、3e 停止要求送信部
4 センタ
5〜8 車両
10 車載用通信装置
11 近距離通信部
12 センタ通信部
13 事故検出部
14 車両情報取得部
15 撮影部
16 記録部
17、22、43 制御部
21、41 通信部
42 事故関連情報記憶部
43a 周辺情報記憶部
50、60 交通事故情報収集システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車両周辺情報送信装置であって、
前記車両が所定の位置にいることを検出する検出手段(110、510、710)と、
前記検出手段(110、510、710)の検出に基づいて、前記車両の周辺の情報を、交通事故の情報を収集するセンタ(4)に送信する送信手段(130)と、を備えた車両周辺情報送信装置。
【請求項2】
前記検出手段(110、710)は、道路上または道路周辺に設置された路側設備(2、3)から無線信号を受信したことに基づいて、前記車両が前記所定の位置にいることを検出することを特徴とする請求項1に記載の車両周辺情報送信装置。
【請求項3】
前記検出手段(510)は、記憶装置にあらかじめ登録された道路上の地点に前記車両がいることに基づいて、前記車両が前記所定の位置にいることを検出することを特徴とする請求項1または2に記載の車両周辺情報送信装置。
【請求項4】
交通事故の情報を収集するセンタ(4)と、
第1の車両に搭載され、前記第1の車両が所定の位置にいることに基づいて、前記第1の車両の周辺の情報と、当該周辺の情報の取得時の前記第1の車両の位置と、を前記センタ(4)に送信する車両周辺情報送信装置(10)と、
第2の車両に搭載され、前記第2の車両または前記第2の車両の近傍の車両において交通事故が発生したとき、前記交通事故の発生の旨と、前記交通事故の発生時における前記第2の車両の位置と、を前記センタ(4)に通知する交通事故発生通知装置(10)と、を備え、
前記センタ(4)は、前記交通事故発生通知装置(10)から前記交通事故の発生の旨の通知を受けたことに基づいて、前記車両周辺情報送信装置(10)から受信した前記第1の車両の位置が、前記交通事故発生通知装置(10)から受信した前記第2の車両の位置の近傍であることに基づいて、前記交通事故発生通知装置(10)から受信した前記第1の車両の周辺の情報を、前記交通事故に関連する情報として記録することを特徴とする交通事故情報収集システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−39754(P2010−39754A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201838(P2008−201838)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】