車両室内照明装置
【課題】多様な照明を実施して演出効果を高め得るとともに、低コスト化及び省スペース化を図ることができる車両室内照明装置を提供する。
【解決手段】本装置1は、第1光源(第1発光ダイオード2)と、第2光源(第2発光ダイオード3)と、第1及び第2光源の光を導光する導光路4と、を備え、導光路は、一端側に第1光源が接続され且つ第1投光部として機能する第1経路(導光体7)と、一端側が第1経路の他端側に連なり且つ他端側が第2投光部として機能する第2経路(分岐路11)と、一端側が第1経路の他端側に連なり且つ他端側に第2光源が接続される第3経路(分岐路12)と、を有し、第1経路と第2経路との連絡部には、第1光源の光を第1経路から第2経路に導く第1案内部(第1反射面14)が設けられ、第1経路と第3経路との連絡部には、第2光源の光を第3経路から第1経路に導き且つ第3経路から第2経路に導かれることを規制する第2案内部(第2反射面15)が設けられている。
【解決手段】本装置1は、第1光源(第1発光ダイオード2)と、第2光源(第2発光ダイオード3)と、第1及び第2光源の光を導光する導光路4と、を備え、導光路は、一端側に第1光源が接続され且つ第1投光部として機能する第1経路(導光体7)と、一端側が第1経路の他端側に連なり且つ他端側が第2投光部として機能する第2経路(分岐路11)と、一端側が第1経路の他端側に連なり且つ他端側に第2光源が接続される第3経路(分岐路12)と、を有し、第1経路と第2経路との連絡部には、第1光源の光を第1経路から第2経路に導く第1案内部(第1反射面14)が設けられ、第1経路と第3経路との連絡部には、第2光源の光を第3経路から第1経路に導き且つ第3経路から第2経路に導かれることを規制する第2案内部(第2反射面15)が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両室内照明装置に関し、さらに詳しくは、多様な照明を実施して演出効果を高め得るとともに、構造の簡素化及び省スペース化を図ることができる車両室内照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両室内照明装置として、1つの光源と、この光源の光を導光する導光体と、を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、導光体を、ドアトリムに沿って線状に投光する線状主投光部と、この線状主投光部で導光した光を用いて線状投光部から離間した部分(インナハンドル)に投光する副投光部と、を有して構成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−70116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1の車両室内照明装置は、1つの光源で複数箇所を照明するものであり、例えば色の異なる複数の光源で複数箇所を照明するものではない。そして、乗車時、運転走行時、停車時等のそれぞれの動作状況に適した多彩な照明を実施するとき(即ち、複数の光源を備えるとき)には、上記特許文献1では、線状主投光部の一端側に副投光部が接続されており、線状主投光部の両端側に光源を設けることが困難となる。そのため、例えば、図14に示すように、線状主投光部107の両端側のそれぞれに光源102,103を設けるとともに、線状主投光部107から離間した部分108にも光源104を設けてなる照明装置101が考えられる。しかし、この照明装置101では、光源の数が多く構造が複雑になり、その設置スペースを大きくとる必要がある。
【0005】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、多様な照明を実施して演出効果を高め得るとともに、構造の簡素化及び省スペース化を図ることができる車両室内照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、第1光源と、第2光源と、該第1光源及び該第2光源の光を導光する導光路と、を備える車両室内照明装置であって、前記導光路は、一端側に前記第1光源が接続され且つ第1投光部として機能する第1経路と、一端側が該第1経路の他端側に連なり且つ他端側が第2投光部として機能する第2経路と、一端側が該第1経路の他端側に連なり且つ他端側に前記第2光源が接続される第3経路と、を有し、前記第1経路と前記第2経路との連絡部には、前記第1光源の光を該第1経路から該第2経路に導く第1案内部が設けられ、前記第1経路と前記第3経路との連絡部には、前記第2光源の光を該第3経路から該第1経路に導き且つ該第3経路から該第2経路に導かれることを規制する第2案内部が設けられていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載において、前記第2経路と前記第3経路とは一体的に形成されており、該第2経路及び該第3経路が分岐する分岐部には切欠部が形成され、該切欠部により前記第1案内部及び前記第2案内部が形成されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載において、前記第1光源及び前記第2光源は異なる色を発することを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3記載において、前記第1光源及び前記第2光源のうちの一方の光源の発光量を増加させつつ他方の光源の発光量を減少させるように該第1光源及び該第2光源を発光制御する制御部を更に備えることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4記載において、前記一方の光源は前記第2光源であり、前記他方の光源は前記第1光源であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の車両室内照明装置によると、導光路は、一端側に第1光源が接続され且つ第1投光部として機能する第1経路と、一端側が第1経路の他端側に連なり且つ他端側が第2投光部として機能する第2経路と、一端側が第1経路の他端側に連なり且つ他端側に第2光源が接続される第3経路と、を有し、第1経路と第2経路との連絡部に、第1光源の光を第1経路から第2経路に導く第1案内部を設け、第1経路と第3経路との連絡部に、第2光源の光を第3経路から第1経路に導き且つ第3経路から第2経路に導かれることを規制する第2案内部を設けたので、第1光源の光は、第1経路から投光されるとともに、第1案内部により第1経路から第2経路に導かれて第2経路の他端側から投光される。一方、第2光源の光は、第2案内部により第3経路から第1経路に導かれ且つ第3経路から第2経路に導かれることが規制されて第1経路から投光される。ここで、例えば、第1光源及び第2光源を同時に発光させれば、第1光源の光は、第1経路及び第2経路の端部から投光されるとともに、第2光源の光は、第1経路から投光される。また、第1光源のみを発光させれば、第1光源の光は、第1経路及び第2経路の端部から投光される。さらに、第2光源のみを発光させれば、第2光源の光は、第1経路から投光される。したがって、第1及び第2光源の発光制御により様々な投光形態を選択することができ、動作状況に応じて多彩な照明を実施して演出効果を高めることができる。また、従来のように線状主投光部の両端側及び線状主投光部から離間した部分に光源を設けるものに比べて、導光路の長さを必要最小限としつつ構造の簡素化及び省スペース化を図ることができる。
また、前記第2経路と前記第3経路とが一体的に形成されており、該第2経路及び該第3経路が分岐する分岐部には切欠部が形成され、該切欠部により前記第1案内部及び前記第2案内部が形成されている場合は、第2及び第3経路を一体化することにより、部品点数を低減して更なる構造の簡素化を図ることができる。また、切欠部により第1及び第2案内部を形成するので、第1及び第2案内部を簡素な構造で実現できる。
また、前記第1光源及び前記第2光源が異なる色を発する場合は、動作状況に応じてより多彩な照明を実施して演出効果を更に高めることができる。
また、制御部を更に備える場合は、制御部により、第1光源及び第2光源のうちの一方の光源の発光量が増加されつつ他方の光源の発光量が減少されるように第1及び第2光源が発光制御される。このように、異なる色を発する第1光源及び第2光源の発光量を増減制御することにより、第1経路では光が流れて見えるように照明でき演出効果を更に高めることができる。
さらに、前記一方の光源が前記第2光源であり、前記他方の光源が前記第1光源である場合は、第2経路の端部では第1光源の光の発光量が徐々に減少されるため、光がフェードアウトするように照明でき演出効果を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
【図1】実施例に係る車両室内照明装置を備えるドアトリムの意匠面側の正面図である。
【図2】上記ドアトリムのインサイドハンドル部の裏面図である。
【図3】図2のIII矢視部の要部拡大図である。
【図4】図1のIV−IV線断面拡大図である。
【図5】図4の要部拡大図である。
【図6】実施例に係る第1壁及び第2壁の間での照明作用を説明するための説明図である。
【図7】実施例に係る制御部を説明するためのブロック図である。
【図8】上記制御部による発光制御を説明するための説明図である。
【図9】上記車両室内照明装置のドア開放時又はエンジン停止時の照明作用を説明するための説明図である。
【図10】上記車両室内照明装置のドア閉鎖時の照明作用を説明するための説明図である。
【図11】上記車両室内照明装置のドア閉鎖時の照明作用を説明するための説明図である。
【図12】色度を説明するための説明図(CIE色度図)である。
【図13】その他の形態の車両室内照明装置を説明するための説明図である。
【図14】従来の車両室内照明装置を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0010】
1.車両室内照明装置
本実施形態1.に係る車両室内照明装置は、第1光源(2)と、第2光源(3)と、これら第1光源及び第2光源の光を導光する導光路(4)と、を備える車両室内照明装置であって、導光路は、一端側に第1光源が接続され且つ第1投光部として機能する第1経路(7)と、一端側が第1経路の他端側に連なり且つ他端側が第2投光部として機能する第2経路(11)と、一端側が第1経路の他端側に連なり且つ他端側に第2光源が接続される第3経路(12)と、を有し、第1経路と第2経路との連絡部には、第1光源の光を第1経路から第2経路に導く第1案内部(14)が設けられ、第1経路と第3経路との連絡部には、第2光源の光を第3経路から第1経路に導き且つ第3経路から第2経路に導かれることを規制する第2案内部(15)が設けられていることを特徴とする(例えば、図1及び図3等参照)。
【0011】
なお、上記「第1投光部として機能する第1経路」とは、その経路方向の略全長又は所定長さにわたって光を投光可能な第1経路を意図する。また、上記「他端側が第2透光部として機能する第2経路」とは、その他端側が光を投光可能な第2経路を意図する。また、上記「接続され」とは、光源と経路の端部とが直接的に接続された状態の他に、光源と経路の端部とが他部材を介して間接的に接続された状態も含むものとする。さらに、上記「連なり」とは、各経路の端部が直接的に連なった状態の他に、各経路の端部が他部材を介して間接的に連なった状態も含むものとする。
【0012】
本実施形態1.に係る車両室内照明装置としては、例えば、上記第2経路と第3経路とが一体的に形成されており、第2経路及び第3経路が分岐する分岐部に切欠部(13)が形成され、切欠部により上記第1案内部及び第2案内部が形成されている形態を挙げることができる(例えば、図3等参照)。この場合、例えば、上記第1案内部は、第1光源の光を第1経路から第2経路に導くように反射させる第1反射面(14)であり、上記第2案内部は、第2光源の光を、第3経路から第1経路に導き且つ第3経路から第2経路に導かれることを規制するように反射させる第2反射面(15)であることができる。これにより、第1及び第2案内部を更に簡易な構造で実現できる。
【0013】
本実施形態1.に係る車両室内照明装置としては、例えば、上記第1光源及び第2光源は異なる色を発する形態を挙げることができる。これら第1光源及び第2光源は、例えば、CIE色度図(図12参照)においてそれぞれ分別できる範囲の異なる色度の組み合わせであればよい。例えば、一方の光源は、色度(x,y)が0.38≦x≦0.7,0.07≦y≦0.7(好ましくは0.38≦x≦0.6,0.38≦y≦0.6、特に0.38≦x≦0.45,0.38≦y≦0.45)の各式を満たす色を発し、他方の光源は、色度(x,y)が0.2≦x≦0.37,0.2≦y≦0.37)(好ましくは0.25≦x≦0.35,0.25≦y≦0.35、特に0.27≦x≦0.33,0.27≦y≦0.33)の各式を満たす色を発することができる。
【0014】
上述の形態では、例えば、上記第1光源及び第2光源のうちの一方の光源の発光量を増加させつつ他方の光源の発光量を減少させるように第1光源及び第2光源を発光制御する制御部(5)を更に備えることができる(例えば、図7及び図8等参照)。この場合、一方の光源が第2光源であり、他方の光源が第1光源であることが好ましい。なお、上記第1光源及び第2光源の発光量は、例えば、上記制御部によるパルス駆動でデューティー比を変えることにより変更可能とされる。
【0015】
上記制御部は、例えば、一方の光源の発光量を所定値(a1)から増加させつつ他方の光源の発光量を所定値(a2:a2>a1)から減少させるように第1光源及び第2光源を発光制御することができる(例えば、図8等参照)。これにより、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。さらに、上記制御部は、例えば、一方の光源の発光量をジグモイド関数に基づいて増加させつつ他方の光源の発光量をジグモイド関数に基づいて減少させるように第1光源及び第2光源を発光制御することができる。これにより、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。
【0016】
上述の制御部を備える場合、例えば、上記第1経路の車室内側には、上記第1経路から投光される光が当たる第1壁(22)と、この第1壁で反射された光が当たる第2壁(23)とが設けられていることができる(例えば、図5等参照)。これにより、第1投光部として機能する第1壁及び第2壁の間で第1経路からの光を反射させることにより、光のムラを軽減してより鮮明に光が流れて見えるように照明できる。これら第1壁及び第2壁は、例えば、互いに対向するように設けられていることができる。
【0017】
上述の第1壁及び第2壁を備える場合、例えば、上記第1壁及び第2壁の対向間隔(s1)と第1経路の端面幅(d)との比(s1/d)は0.07〜1(好ましくは0.2〜0.7、特に0.3〜0.5であることができる(例えば、図5等参照)。これにより、第1壁及び第2壁の間で第1経路の光をより確実に反射させて集光させることができる。そのため、光のムラをより確実に軽減でき、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。上記対向間隔(s1)は、例えば、0.5〜10mm(好ましくは1〜6mm、特に1〜3mmであることができる。また、上記第1経路の端面幅(d)は、例えば、1〜10mm(好ましくは2〜8mm、特に3.5〜6.5mmであることができる。
【0018】
上述の第1壁及び第2壁を備える場合、例えば、縦断面で見たとき、上記対向間隔(s1)の対向方向の中心と第1経路の軸心とは、第1壁及び第2壁の対向方向に位置をずらして配置されることができる。これにより、乗車者に対して、第1経路の光を直接見せることなく第1壁及び第2壁で反射された光を見せることができる。そのため、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。上記対向間隔(s1)の対向方向の中心と第1経路の軸心との間隔は、例えば、0.5〜10mm(好ましくは1.5〜7.5mm、特に2.5〜5mmであることができる。
【0019】
上述の第1壁及び第2壁を備える場合、例えば、第1経路は、内装材(17)に形成された開口部(18)の車室外側に配置され、第1経路の車室内側には、第1経路からの光を透過させる透光部材(19)が開口部を塞ぐように設けられていることができる(例えば、図5等参照)。これにより、第1経路を開口部の車室外側の奧方に配置して、乗車者に対して、第1経路の光を直接見せることなく透光部材を透過して第1壁及び第2壁で反射された光を見せることができる。そのため、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。また、透光部材により開口部から内装材の車室外側への塵等の異物の侵入を防止できる。
【0020】
本実施形態1.に係る車両室内照明装置としては、例えば、上記第1経路の車室内側には、内装材の表面を間接照明するように第1経路からの光を、上記第1壁及び第2壁の間で反射された光の投光方向(F1)に交差する投光方向(F2)に向かって投光する間接照明部(25)が設けられている形態を挙げることができる(例えば、図5等参照)。これにより、第1投光部として機能する間接照明部により内装材の表面が間接照明されるため、照明の演出効果を更に高めることができる。
【0021】
上述の間接照明部を備える場合、例えば、上記間接照明部の開口幅(s2)と第1経路の端面幅(d)との比(s2/d)は0.3〜10(好ましくは0.5〜5、特に1〜2.5であることができる(例えば、図5等参照)。これにより、より効果的な間接照明を実施できる。上記間接照明部の開口幅(s2)は、例えば、0.5〜25mm(好ましくは3.0〜15mm、特に6〜12mmであることができる。また、上記第1経路の端面幅(d)は、例えば、1〜10mm(好ましくは2〜8mm、特に3〜6mmであることができる。
【0022】
上述の間接照明部を備える場合、例えば、縦断面で見たとき、間接照明部の開口幅(s2)の幅方向の中心と第1経路の軸心とは、間接照明部の開口幅方向に位置をずらして配置されることができる。これにより、より効果的な間接照明を実施できる。上記間接照明部の開口幅(s2)の幅方向の中心と第1経路の軸心との間隔は、例えば、0.5〜20mm(好ましくは1.5〜10mm、特に3〜7mmであることができる。
【0023】
本実施形態1.に係る車両室内照明装置としては、例えば、上記導光路はドアトリム(17)に設けられ、上記第2経路の他端部は、ドアトリムに配置されたインサイドハンドル部(27)に接続されており、ドア開放時に上記第1光源のみを発光させるとともに、ドア閉鎖時に第1光源及び第2光源を同時に発光させてから所定時間(例えば、2〜10秒等)の経過後に第2光源のみを発光させる制御部(5)を更に備える形態を挙げることができる(例えば、図7等参照)。これにより、ドア開放時には、第1光源の光が第1経路から投光されて内装材等の照明が行われるとともに、第1光源の光が第2経路の端部から投光されてインサイドハンドル部の照明が行われる。そのため、照明の演出効果を更に高め得るとともに、乗車等の際のインサイドハンドル操作を確実に行うことができる。一方、ドア閉鎖時には、第1光源及び第2光源の光が第1経路から投光されて内装材等の照明が行われるとともに、ドア閉鎖から所定時間経過後には、第2光源の光が第1経路から投光されて内装材等の照明が行われる。そのため、ドア閉鎖時とドア閉鎖から所定時間経過以降(例えば、運転中等)とで異なる照明形態を実現でき演出効果を更に高めることができる。なお、上記内装材等の照明としては、例えば、(a)上記第1壁及び第2壁の間から投光される光による照明、(b)上記間接照明部から投光される光による照明等のうちの1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができる。
【0024】
上述の形態では、例えば、上記制御部は、エンジン停止時に上記第1光源のみを発光させるように構成されていることができる。これにより、エンジン停止時には、第1光源の光が第1経路から投光されて内装材等の照明が行われるとともに、第1光源の光が第2経路の端部から投光されてインサイドハンドル部の照明が行われる。そのため、照明の演出効果を更に高め得るとともに、降車等の際のインサイドハンドル操作を確実に行うことができる。
【実施例】
【0025】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本実施例では、本発明に係る「車両室内照明装置」として、車両のドアトリムに設置される車両室内照明装置を例示する。
【0026】
(1)車両室内照明装置の構成
本実施例に係る車両室内照明装置1は、図1に示すように、アンバー色系の発光色{例えば、色度図において色度(x,y)=(0.5,0.4)}を有する第1発光ダイオード2(本発明に係る「第1光源」として例示する。)と、白色系の発光色{例えば、色度図において色度(x,y)=(0.33,0.33)}を有する第2発光ダイオード3(本発明に係る「第2光源」として例示する。)と、これら第1及び第2発光ダイオード2,3の光を導光する導光路4と、これら第1及び第2発光ダイオード2,3を発光制御する制御部5(図7参照)と、を備えている。
【0027】
上記導光路4は、図2及び図3に示すように、長尺状でPMMA製の導光体7(本発明に係る「第1経路」として例示する。)と、この導光体7に連なる二股状でPMMA製のレンズ8と、を有している。この導光体7は、その一端側に第1発光ダイオード2が接続され且つ略全長にわたって第1投光部として機能する。また、レンズ8は、導光体7の他端側に連なる連絡路10と、この連絡路10から分岐する第1分岐路11(本発明に係る「第2経路」として例示する。)と、この連絡路10から分岐する第2分岐路12(本発明に係る「第3経路」として例示する。)と、を有している。なお、本実施例では、上記導光体7として、光の減衰率の高いものであり、その直径d(図5参照)が約6mmのものを採用することとする。
【0028】
上記第1分岐路11の一端側は、連絡路10を介して導光体7の他端側に連なっている。この第1分岐路11の他端側は、ドアトリム17に設けられたインサイドハンドル部27に接続されており、このインサイドハンドル部27を照明する第2投光部として機能する。また、上記第2分岐路12の一端側は、連絡路10を介して導光体7の他端側に連なっている。また、この第2分岐路12の他端側には第2発光ダイオード3が接続されている。
【0029】
上記各分岐路11,12の分岐部位には切欠部13が形成されている。この切欠部13により、第1分岐路11の導光体7に連なる一端側(本発明に係る「連絡部」として例示する。)には、第1発光ダイオード2の光を導光体7から第1分岐路11に導くように全反射させる第1反射面14(本発明に係る「第1案内部」として例示する。)が形成されている。また、切欠部13により、第2分岐路12の導光体7に連なる一端側(本発明に係る「連絡部」として例示する。)には、第2発光ダイオード3の光を第2分岐路12から導光体7に導き且つ第2分岐路12から第1分岐路11に導かれることを規制するように全反射させる第2反射面15(本発明に係る「第2案内部」として例示する。)が形成されている。
【0030】
上記ドアトリム17は、図4に示すように、黒色系樹脂製のドアアッパートリム17aと、このドアアッパートリム17aの下方側に配置される黒色系樹脂製のオーナメント17bと、このオーナメント17bの下方側に配置されるアームレスト17cと、を備えている。このドアアッパートリム17aには、ドアアッパートリム17aの下端縁とオーナメント17bの上端縁との間に形成された開口部18を塞ぐように透光部材19が取り付けられている。
【0031】
上記透光部材19は、導光体7からの光を透過させる透光性を有している。この透光部材19は、縦断面略U字状の本体19aと、この本体19aの一端側から立ち上がりドアアッパートリム17aに取り付けられる取付片19bと、を有している。この本体19aの車室内側R1の表面には、銀色系の塗料からなる反射層19cが設けられている。また、この本体19aの車室外側R2には、導光体7の外周を挟持する一対の挟持部19d,19dが設けられている。したがって、これら一対の挟持部19d,19dで保持された導光体7は、開口部18の車室外側R2に配置され、この導光体7の車室内側R1には透光部材19が配置される。
【0032】
上記導光体7の車室内側R1の側方には、図5に示すように、透光部材19に設けられ導光体7の光を透過させる透光部21と、この透光部21を透過した光が当たる第1壁22と、この第1壁22で反射された光が当たる第2壁23とが設けられている。これら第1壁22及び第2壁23は、互いに対向するように導光体7の長尺方向に沿って延びて設けられる。この第1壁22は、ドアアッパートリム17aの開口部18を形成する壁により構成されている。また、第2壁23は、透光部材19の反射層19cのうちの第1壁22に対向する部分により構成されている。また、これら第1壁22及び第2壁23の間で反射された導光体7の光は、ドアトリム17の意匠面と交差する投光方向F1(図4参照)に向かって投光される。
【0033】
ここで、上記第1壁22及び第2壁23の対向間隔s1は約2mmとされている。したがって、この対向間隔s1と導光体7の直径dとの比(s1/d)は約0.3とされている。また、縦断面で見たときに、対向間隔s1の幅方向の中心と導光体7の軸心とは、上記対向間隔s1の幅方向に位置をずらして配置されている。
【0034】
上記導光体7の車室内側R1の下方には、図5に示すように、オーナメント17b及びアームレスト17cの表面を間接照明するように導光体7からの光を、投光方向F1と交差する投光方向F2(図4参照)に投光する間接照明部25が設けられている。この間接照明部25は、透光部材19に設けられ導光体7の光を透過させる透光部26を有している。また、この間接照明部25は、オーナメント17bの開口部18を形成する壁と、透光部材19の反射層19cのうちの透光部26に接する部分とで囲まれて形成されている。
【0035】
ここで、上記間接照明部25の開口幅s2は約6mmとされている。したがって、この間接照明部25の開口幅s2と導光体7の直径dとの比(s2/d)は約1.0とされている。また、縦断面で見たときに、間接照明部25の開口幅s2の幅方向の中心と導光体7の軸心とは、間接照明部25の開口幅方向に位置をずらして配置されている。
【0036】
上記制御部5は、図7に示すように、ドアの開閉状態を検知するためのドアスイッチ28、イグニションスイッチ29、第1発光ダイオード2、及び第2発光ダイオード3に電気的に接続されている。この制御部5は、ドアスイッチ28によりドアの開放が検知されたとき又はイグニッションスイッチ29によりエンジン停止が検知されたときに、第1発光ダイオード2のみを所定の発光量a2(図8参照)で発光させる。
【0037】
また、上記制御部5は、ドアスイッチ28によりドアの閉鎖が検知されたときに、図8に示すように、第2発光ダイオード3の発光量をジグモイド関数に基づいて所定値a1から増加させつつ第1発光ダイオード2の発光量をジグモイド関数に基づいて所定値a2(a2>a1)から減少させるように第1及び第2発光ダイオード2,3を同時に発光させる。その第1及び第2発光ダイオード2,3の同時発光が所定時間t1経過すると、第2発光ダイオード3のみを所定の発光量a2で発光させる。
【0038】
(2)車両室内照明装置の作用
次に、上記構成の車両室内照明装置1の作用について説明する。乗車等の際のドアの開放時には、制御部5により第1発光ダイオード2のみが発光される。すると、図9に示すように、第1発光ダイオード2の光(白色系)は、導光体7から投光されて照明エリアa1(図1中にハッチングで示す。)でのオーナメント照明が行われるとともに、第1分岐路11の端部から投光されて照明エリアa2(図1中にハッチングで示す。)でのインサイドハンドル照明が行われる。このオーナメント照明は、第1壁22及び第2壁23で反射されて投光方向F1に投光される第1発光ダイオード2の光による照明と、間接照明部25から投光方向F2に投光される第1発光ダイオード2の光によるオーナメント17b及びアームレスト17cの間接照明とを含んでいる(図4参照)。
【0039】
また、乗車等の際のドア閉鎖時には、制御部5により、第2発光ダイオード3の発光量が増加されつつ第1発光ダイオード2の発光量が減少されるように第1及び第2発光ダイオード2,3が同時に発光される。すると、図10に示すように、第1発光ダイオード2の光(白色系)及び第2発光ダイオード3の光(アンバー色系)は、導光体7から投光されて照明エリアa1でのオーナメント照明が行われるとともに、第1発光ダイオード2の光(白色系)は、第1分岐路11の端部から投光されてインサイドハンドル照明が行われる。このオーナメント照明は、第1壁22及び第2壁23で反射されて投光方向F1に投光される第1及び第2発光ダイオード2,3の光による照明と、間接照明部25から投光方向F2に投光される第1及び第2発光ダイオード2,3の光によるオーナメント17b及びアームレスト17cの間接照明とを含んでいる(図4参照)。これら第1壁22及び第2壁23で反射されて投光方向F1に投光される光は、導光体7の長尺方向に沿って所定方向に向かって流れて見える。また、インサイドハンドル照明では、第1発光ダイオード2の光は発光量が徐々に減少されてフェードアウトされる。
【0040】
そして、上記第1及び第2発光ダイオード2,3の同時発光が所定時間t1経過すると、制御部5により第2発光ダイオード3のみが発光される。すると、図11に示すように、第2発光ダイオード3の光(アンバー色系)は、導光体7から投光されて照明エリアa1でのオーナメント照明が行われる。このオーナメント照明は、第1壁22及び第2壁23から投光される第2発光ダイオード3の光による照明と、間接照明部25から投光される第2発光ダイオード3の光によるオーナメント17b及びアームレスト17cの間接照明とを含んでいる。
【0041】
さらに、エンジン停止時には、制御部5により第1発光ダイオード2のみが発光される。すると、図9に示すように、第1発光ダイオード2の光(白色系)は、導光体7から投光されて照明エリアa1でのオーナメント照明が行われるとともに、第1分岐路11の端部から投光されて照明エリアa2でのインサイドハンドル照明が行われる。このオーナメント照明は、第1壁22及び第2壁23で反射されて投光方向F1に投光される第1発光ダイオード2の光による照明と、間接照明部25から投光方向F2に投光される第1発光ダイオード2の光によるオーナメント17b及びアームレスト17cの間接照明とを含んでいる(図4参照)。
【0042】
(3)実施例の効果
以上より、本実施例の車両室内照明装置1によると、導光路4は、一端側に第1発光ダイオード2が接続され且つ第1投光部として機能する導光体7と、この導光体7の一端側に連なるレンズ8と、を備え、このレンズ8は、一端側が導光体7の他端側に連なり且つ他端側が第2透光部として機能する第1分岐路11と、一端側が導光体7の他端側に連なり且つ他端側に第2発光ダイオード3が接続される第2分岐路12と、を有し、導光体7と第1分岐路11との連絡部に、第1発光ダイオード2の光を導光体7から第1分岐路11に導く第1反射面14を設け、導光体7と第2分岐路12との連絡部に、第2発光ダイオード3の光を第2分岐路12から導光体7に導き且つ第2分岐路12から第1分岐路11に導かれることを規制する第2反射面15を設けたので、第1発光ダイオード2の光は、導光体7から投光されるとともに、第1反射面14により導光体7から第1分岐路11に導かれて第1分岐路11の端部から投光される。一方、第2発光ダイオード3の光は、第2反射面15により分岐路12から導光体7に導かれ且つ第2分岐路12から第1分岐路11に導かれることが規制されて導光体7から投光される。ここで、例えば、第1及び第2発光ダイオード2,3を同時に発光させれば、導光体7から第1及び第2発光ダイオード2,3の光が投光されるとともに、第1分岐路11の端部から第1発光ダイオード2の光が投光される。また、第1発光ダイオード2のみを発光させれば、導光体7及び第1分岐路11の端部から第1発光ダイオード2の光が投光される。さらに、第2発光ダイオード3のみを発光させれば、導光体7から第2発光ダイオード3の光が投光される。したがって、第1及び第2発光ダイオード2,3の発光制御により様々な投光形態を選択することができ、動作状況に応じて多彩な照明を実施して演出効果を高めることができる。また、従来のように線状主投光部の両端側及び線状主投光部から離間した部分に光源を設けるものに比べて、導光路4の長さを必要最小限としつつ構造の簡素化及び省スペース化を図ることができる。
【0043】
また、本実施例では、第1分岐路11及び第2分岐路12を一体に形成してなるレンズ8を備え、このレンズ8の第1及び第2分岐路11,12が分岐する分岐部に切欠部13を形成し、この切欠部13により第1反射面14及び第2反射面15を形成するようにしたので、第1及び第2分岐路11,12を一体化することにより、部品点数を低減して更なる構造の簡素化を図ることができる。また、切欠部13により第1及び第2反射面14,15を形成するので、第1及び第2反射面14,15を簡素な構造で実現できる。
【0044】
また、本実施例では、異なる色を発する第1及び第2発光ダイオード2,3を採用したので、動作状況に応じてより多彩な照明を実施して演出効果を更に高めることができる。
【0045】
また、本実施例では、第2発光ダイオード3の発光量を増加させつつ第1発光ダイオード2の発光量を減少させるように第1及び第2発光ダイオード2,3を発光制御する制御部5を更に備えて構成したので、制御部5により、異なる色を発する第1及び第2発光ダイオード2,3の発光量が増減制御され、導光体7では光が流れて見えるように照明でき演出効果を更に高めることができる。また、第1分岐路11の端部では第1発光ダイオード2の光の発光量が徐々に減少されるため、光がフェードアウトするように照明でき演出効果を更に高めることができる。
【0046】
また、本実施例では、制御部5を、第2発光ダイオード3の発光量を所定値a1から増加させつつ第1発光ダイオード2の発光量を所定値a2(a2>a1)から減少させるように第1及び第2発光ダイオード2,3を発光制御するように構成したので、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。
【0047】
また、本実施例では、制御部5を、第2発光ダイオード3の発光量をジグモイド関数に基づいて増加させつつ第1発光ダイオード2の発光量をジグモイド関数に基づいて減少させるように第1及び第2発光ダイオード2,3を発光制御するように構成したので、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。
【0048】
また、本実施例では、導光体7の車室内側R1に、導光体7から投光される光が当たる第1壁22と、この第1壁22で反射された光が当たる第2壁23と、を設けたので、第1壁22及び第2壁23の間で導光体7からの光を反射させることにより、光のムラを軽減してより鮮明に光が流れて見えるように照明できる。
【0049】
また、本実施例では、第1壁22及び第2壁23の対向間隔s1と導光体の直径dとの比(s1/d)を約0.3としたので、第1壁22及び第2壁23の間で導光体7の光をより確実に反射させて集光させることができる。そのため、光のムラをより確実に軽減でき、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。
【0050】
また、本実施例では、縦断面で見たとき、上記対向間隔s1の対向方向の中心と導光体7の軸心とを、第1壁22及び第2壁23の対向方向に位置をずらして配置したので、乗車者に対して、導光体7の光を直接見せることなく第1壁22及び第2壁23で反射された光を見せることができる。そのため、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。
【0051】
また、本実施例では、導光体7を、ドアトリム17に形成された開口部18の車室外側R2に配置し、導光体7の車室内側R1に、導光体7からの光を透過させる透光部材19を開口部18を塞ぐように設けたので、導光体7を開口部18の車室外側R2の奧方に配置させて、乗車者に対して、導光体7の光を直接見せることなく透光部材19を透過して第1壁22及び第2壁23で反射された光を見せることができる。そのため、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。また、透光部材19により開口部18からドアトリム17の車室外側R2への塵等の異物の侵入を防止できる。
【0052】
また、本実施例では、導光体7の車室内側R1に、オーナメント17b及びアームレスト17cの表面を間接照明するように導光体7からの光を投光方向F2に向かって投光する間接照明部25を設けたので、間接照明部25によりオーナメント17b及びアームレスト17cの表面が間接照明され、照明の演出効果を更に高めることができる。
【0053】
また、本実施例では、間接照明部25の開口幅s2と導光体7の直径dとの比(s2/d)を約1.0としたので、より効果的な間接照明を実施できる。
【0054】
また、本実施例では、縦断面で見たとき、間接照明部25の開口幅s2の幅方向の中心と導光体7の軸心とを間接照明部25の開口幅方向に位置をずらして配置したので、より効果的な間接照明を実施できる。
【0055】
また、本実施例では、導光路7をドアトリム17に設け、第1分岐路11の端部をドアトリム17に配置されたインサイドハンドル部27に接続し、制御部5を、ドア開放時に第1発光ダイオード2のみを発光させるとともに、ドア閉鎖時に第1及び第2発光ダイオード2,3を同時に発光させてから所定時間t1の経過後に第2発光ダイオード3のみを発光させるように構成したので、ドア開放時には、第1発光ダイオード2の光が導光体7から投光されてオーナメント照明が行われるとともに、第1発光ダイオード2の光が第1分岐路11の端部から投光されてインサイドハンドル照明が行われる。そのため、照明の演出効果を更に高め得るとともに、乗車等の際のインサイドハンドル操作を確実に行うことができる。一方、ドア閉鎖時には、第1及び第2発光ダイオード2,3の光が導光体7から投光されてオーナメント照明が行われるとともに、ドア閉鎖から所定時間t1経過後には、第2発光ダイオード3の光が導光体7から投光されてオーナメント照明が行われる。そのため、ドア閉鎖時とドア閉鎖から所定時間t1経過以降(例えば、運転中等)とで異なる照明形態を実現でき演出効果を更に高めることができる。
【0056】
さらに、本実施例では、制御部5を、エンジン停止時に第1発光ダイオード2のみを発光させるように構成したので、エンジン停止時には、第1発光ダイオード2の光が導光体7から投光されてオーナメント照明が行われるとともに、第1発光ダイオード2の光が第1分岐路11の端部から投光されてインサイドハンドル照明が行われる。そのため、照明の演出効果を更に高め得るとともに、降車等の際のインサイドハンドル操作を確実に行うことができる。
【0057】
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例では、ドアトリム17に設置される車両室内照明装置1を例示したが、これに限定されず、例えば、天井基材、インストルメントパネル、シート、サンルーフ、サンバイザ、スカッフプレート等の内装材に設置される車両室内照明装置としてもよい。
【0058】
上記天井基材に設置される車両室内照明装置1’としては、例えば、図13に示すように、導光体7を、天井基材31に設けられたサンバイザ収納部32の端縁に沿って配置し、レンズ8の分岐路11の端部をアシストグリップ部33に接続してなる形態を挙げることができる。この場合、例えば、ドア開放時に第1発光ダイオード2のみを発光させるとともに、ドア閉鎖時に第1及び第2発光ダイオード2,3を同時に発光させてから所定時間t1の経過後に第2発光ダイオード3のみを発光させるように構成してもよい。これにより、ドア開放時には、第1発光ダイオード2の光が導光体7から投光されてサンバイザ収納部32の照明が行われるとともに、第1発光ダイオード2の光が第1分岐路11の端部から投光されてアシストグリップ部33の照明が行われる。そのため、照明の演出効果を更に高め得るとともに、乗車等の際のアシストグリップの視認性を高めることができる。一方、ドア閉鎖時には、第1及び第2発光ダイオード2,3の光が導光体7から投光されてサンバイザ収納部32の照明が行われるとともに、ドア閉鎖から所定時間t1経過後には、第2発光ダイオード3の光が導光体7から投光されてサンバイザ収納部32の照明が行われる。そのため、ドア閉鎖時とドア閉鎖から所定時間t1経過以降(例えば、運転中等)とで異なる照明形態を実現でき演出効果を更に高めることができる。
【0059】
上述の形態では、例えば、エンジン停止時に第1発光ダイオード2のみを発光させるように構成することができる。これにより、エンジン停止時には、第1発光ダイオード2の光が導光体7から投光されてサンバイザ収納部32の照明が行われるとともに、第1発光ダイオード2の光が第1分岐路11の端部から投光されてアシストグリップ部33の照明が行われる。そのため、照明の演出効果を更に高め得るとともに、降車等の際のアシストグリップの視認性を高めることができる。
【0060】
また、上記実施例では、ドアトリムに設けられた車両室内照明装置として、第2投光部によりインサイドハンドル部27を照明する形態を例示したが、これに限定されず、例えば、第2投光部により、ドアポケット、プルハンドル、アームレスト上面側に設けられたドアグリップ用開口部等を照明するようにしてもよい。
【0061】
また、上記実施例では、ドア閉鎖時に、制御部5により異なる色を発する第1及び第2発光ダイオード2,3の発光量を増減制御して、導光体7で光が流れて見えるように照明するようにしたが、これに限定されず、例えば、ドア閉鎖時に、第1発光ダイオード2及び/又は第2発光ダイオード3を所定の発光量で発光させるようにしてもよい。
【0062】
また、上記実施例では、導光体7の光を投光方向F1に投光させる一対の壁22,23と、導光体7の光を投光方向F2に投光させる間接照明部25と、を備える形態を例示したが、これに限定されず、例えば、一対の壁22,23及び間接照明部25のうちの一方のみを備えるようにしたり、一対の壁22,23及び間接照明部25に加えて他の照明部を備えるようにしたりしてもよい。
【0063】
また、上記実施例では、第2発光ダイオード3の発光量を増加させつつ第1発光ダイオード2の発光量を減少させるように第1及び第2発光ダイオード2,3を発光制御する形態を例示したが、これに限定されず、例えば、第1発光ダイオード2の発光量を増加させつつ第2発光ダイオード3の発光量を減少させるように第1及び第2発光ダイオード2,3を発光制御するようにしてもよい。この場合、分岐路11の端部において第2発光ダイオード3の光の発光量が徐々に増加されるため、光がフェードインするようにインサイドハンドル部27が照明される。
【0064】
また、上記実施例では、別部材の導光体7及びレンズ8を備えてなる導光路4を例示したが、これに限定されず、例えば、導光体7とレンズ8とを一体的に形成してなる導光路としてもよい。また、上記実施例では、第1及び第2分岐路11,12を一体的に形成してなるレンズ8を例示したが、これに限定されず、例えば、第1及び第2分岐路を別部材で構成するようにしてもよい。
【0065】
また、上記実施例では、第1及び第2分岐路11,12の端部が連絡路10を介して間接的に導光体7の端部に連なる形態を例示したが、これに限定されず、例えば、第1及び第2分岐路11,12の端部が直接的に導光体7の端部に連なるようにしたり、第1及び第2分岐路11,12の端部が導光体7の端部に所定間隔をもって対向して連なるようにしたりしてもよい。
【0066】
また、上記実施例では、案内部としての反射面14,15を各分岐路11,12の導光体7に連なる一端側に設ける形態を例示したが、これに限定されず、例えば、案内部を導光体の各分岐路11,12に連なる一端側に設けるようにしてもよい。
【0067】
また、上記実施例では、案内部として光を反射する反射面14,15を例示したが、これに限定されず、例えば、光を屈折又は回折させる手段で案内部を構成してもよい。さらに、上記実施例では、切欠部13により反射面14,15を形成するようにしたが、これに限定されず、例えば、レンズに反射部材や反射膜を設けて反射面を構成するようにしてもよい。
【0068】
また、上記実施例では、第1壁22及び第2壁23を互いに対向して設ける形態を例示したが、これに限定されず、例えば、第1壁及び第2壁の位置をずらして互いに対向しないように設けてもよい。
【0069】
また、上記実施例では、光源として発光ダイオード2,3を例示したが、これに限定されず、例えば、光源として、白熱電球等のバルブ、蛍光灯、エレクトロルミネセンスライト等を採用してもよい。
【0070】
また、上記実施例では、ドアの開閉及びエンジン停止を契機として車両室内照明装置1を作動させる形態を例示したが、これに限定されず、例えば、エンジン始動、車幅灯の点灯等を契機として車両室内照明装置を作動させるようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施例では、第2発光ダイオード3の発光量を所定値a1から増加させつつ第1発光ダイオード2の発光量を所定値a2(a2>a1)から減少させるように発光制御する形態を例示したが、これに限定されず、例えば、第2発光ダイオード3の発光量を所定値a3から増加させつつ第1発光ダイオード2の発光量を所定値a4(a4<a3)から減少させるようにしてもよい。
【0072】
また、上記実施例では、発光ダイオード2,3の発光量をジグモイド関数に基づいて増減制御する形態を例示したが、これに限定されず、例えば、発光ダイオードの発光量を他の関数に基づいて増減制御するようにしてもよい。
【0073】
また、上記実施例では、導光体7の光がその長尺方向に沿って所定方向に流れて見える照明を例示したが、これに限定されず、例えば、導光体7の光がその長尺方向に沿って往復動して流れて見える照明としてもよい。
【0074】
さらに、上記実施例において、導光体7としては、例えば、その縦断面が円形、多角形等に形成されたものを挙げることができる。さらに、導光体7としては、直線状、湾曲状、屈曲状等のうちの1種又は2種以上の組み合わせに形成されたものを挙げることができる。
【0075】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0076】
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0077】
乗用車、バス、トラック等の他、列車、汽車等の鉄道車両、建設車両、農業車両、産業車両などの車両室内を照明する技術として広く利用される。
【符号の説明】
【0078】
1,1’;車両室内照明装置、2;第1発光ダイオード、3;第2発光ダイオード、4;導光路、5;制御部、7;導光体、11;第1分岐路、12;第2分岐路、13;切欠部、14;第1反射面、15;第2反射面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両室内照明装置に関し、さらに詳しくは、多様な照明を実施して演出効果を高め得るとともに、構造の簡素化及び省スペース化を図ることができる車両室内照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両室内照明装置として、1つの光源と、この光源の光を導光する導光体と、を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、導光体を、ドアトリムに沿って線状に投光する線状主投光部と、この線状主投光部で導光した光を用いて線状投光部から離間した部分(インナハンドル)に投光する副投光部と、を有して構成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−70116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1の車両室内照明装置は、1つの光源で複数箇所を照明するものであり、例えば色の異なる複数の光源で複数箇所を照明するものではない。そして、乗車時、運転走行時、停車時等のそれぞれの動作状況に適した多彩な照明を実施するとき(即ち、複数の光源を備えるとき)には、上記特許文献1では、線状主投光部の一端側に副投光部が接続されており、線状主投光部の両端側に光源を設けることが困難となる。そのため、例えば、図14に示すように、線状主投光部107の両端側のそれぞれに光源102,103を設けるとともに、線状主投光部107から離間した部分108にも光源104を設けてなる照明装置101が考えられる。しかし、この照明装置101では、光源の数が多く構造が複雑になり、その設置スペースを大きくとる必要がある。
【0005】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、多様な照明を実施して演出効果を高め得るとともに、構造の簡素化及び省スペース化を図ることができる車両室内照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、第1光源と、第2光源と、該第1光源及び該第2光源の光を導光する導光路と、を備える車両室内照明装置であって、前記導光路は、一端側に前記第1光源が接続され且つ第1投光部として機能する第1経路と、一端側が該第1経路の他端側に連なり且つ他端側が第2投光部として機能する第2経路と、一端側が該第1経路の他端側に連なり且つ他端側に前記第2光源が接続される第3経路と、を有し、前記第1経路と前記第2経路との連絡部には、前記第1光源の光を該第1経路から該第2経路に導く第1案内部が設けられ、前記第1経路と前記第3経路との連絡部には、前記第2光源の光を該第3経路から該第1経路に導き且つ該第3経路から該第2経路に導かれることを規制する第2案内部が設けられていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載において、前記第2経路と前記第3経路とは一体的に形成されており、該第2経路及び該第3経路が分岐する分岐部には切欠部が形成され、該切欠部により前記第1案内部及び前記第2案内部が形成されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載において、前記第1光源及び前記第2光源は異なる色を発することを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3記載において、前記第1光源及び前記第2光源のうちの一方の光源の発光量を増加させつつ他方の光源の発光量を減少させるように該第1光源及び該第2光源を発光制御する制御部を更に備えることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4記載において、前記一方の光源は前記第2光源であり、前記他方の光源は前記第1光源であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の車両室内照明装置によると、導光路は、一端側に第1光源が接続され且つ第1投光部として機能する第1経路と、一端側が第1経路の他端側に連なり且つ他端側が第2投光部として機能する第2経路と、一端側が第1経路の他端側に連なり且つ他端側に第2光源が接続される第3経路と、を有し、第1経路と第2経路との連絡部に、第1光源の光を第1経路から第2経路に導く第1案内部を設け、第1経路と第3経路との連絡部に、第2光源の光を第3経路から第1経路に導き且つ第3経路から第2経路に導かれることを規制する第2案内部を設けたので、第1光源の光は、第1経路から投光されるとともに、第1案内部により第1経路から第2経路に導かれて第2経路の他端側から投光される。一方、第2光源の光は、第2案内部により第3経路から第1経路に導かれ且つ第3経路から第2経路に導かれることが規制されて第1経路から投光される。ここで、例えば、第1光源及び第2光源を同時に発光させれば、第1光源の光は、第1経路及び第2経路の端部から投光されるとともに、第2光源の光は、第1経路から投光される。また、第1光源のみを発光させれば、第1光源の光は、第1経路及び第2経路の端部から投光される。さらに、第2光源のみを発光させれば、第2光源の光は、第1経路から投光される。したがって、第1及び第2光源の発光制御により様々な投光形態を選択することができ、動作状況に応じて多彩な照明を実施して演出効果を高めることができる。また、従来のように線状主投光部の両端側及び線状主投光部から離間した部分に光源を設けるものに比べて、導光路の長さを必要最小限としつつ構造の簡素化及び省スペース化を図ることができる。
また、前記第2経路と前記第3経路とが一体的に形成されており、該第2経路及び該第3経路が分岐する分岐部には切欠部が形成され、該切欠部により前記第1案内部及び前記第2案内部が形成されている場合は、第2及び第3経路を一体化することにより、部品点数を低減して更なる構造の簡素化を図ることができる。また、切欠部により第1及び第2案内部を形成するので、第1及び第2案内部を簡素な構造で実現できる。
また、前記第1光源及び前記第2光源が異なる色を発する場合は、動作状況に応じてより多彩な照明を実施して演出効果を更に高めることができる。
また、制御部を更に備える場合は、制御部により、第1光源及び第2光源のうちの一方の光源の発光量が増加されつつ他方の光源の発光量が減少されるように第1及び第2光源が発光制御される。このように、異なる色を発する第1光源及び第2光源の発光量を増減制御することにより、第1経路では光が流れて見えるように照明でき演出効果を更に高めることができる。
さらに、前記一方の光源が前記第2光源であり、前記他方の光源が前記第1光源である場合は、第2経路の端部では第1光源の光の発光量が徐々に減少されるため、光がフェードアウトするように照明でき演出効果を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
【図1】実施例に係る車両室内照明装置を備えるドアトリムの意匠面側の正面図である。
【図2】上記ドアトリムのインサイドハンドル部の裏面図である。
【図3】図2のIII矢視部の要部拡大図である。
【図4】図1のIV−IV線断面拡大図である。
【図5】図4の要部拡大図である。
【図6】実施例に係る第1壁及び第2壁の間での照明作用を説明するための説明図である。
【図7】実施例に係る制御部を説明するためのブロック図である。
【図8】上記制御部による発光制御を説明するための説明図である。
【図9】上記車両室内照明装置のドア開放時又はエンジン停止時の照明作用を説明するための説明図である。
【図10】上記車両室内照明装置のドア閉鎖時の照明作用を説明するための説明図である。
【図11】上記車両室内照明装置のドア閉鎖時の照明作用を説明するための説明図である。
【図12】色度を説明するための説明図(CIE色度図)である。
【図13】その他の形態の車両室内照明装置を説明するための説明図である。
【図14】従来の車両室内照明装置を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0010】
1.車両室内照明装置
本実施形態1.に係る車両室内照明装置は、第1光源(2)と、第2光源(3)と、これら第1光源及び第2光源の光を導光する導光路(4)と、を備える車両室内照明装置であって、導光路は、一端側に第1光源が接続され且つ第1投光部として機能する第1経路(7)と、一端側が第1経路の他端側に連なり且つ他端側が第2投光部として機能する第2経路(11)と、一端側が第1経路の他端側に連なり且つ他端側に第2光源が接続される第3経路(12)と、を有し、第1経路と第2経路との連絡部には、第1光源の光を第1経路から第2経路に導く第1案内部(14)が設けられ、第1経路と第3経路との連絡部には、第2光源の光を第3経路から第1経路に導き且つ第3経路から第2経路に導かれることを規制する第2案内部(15)が設けられていることを特徴とする(例えば、図1及び図3等参照)。
【0011】
なお、上記「第1投光部として機能する第1経路」とは、その経路方向の略全長又は所定長さにわたって光を投光可能な第1経路を意図する。また、上記「他端側が第2透光部として機能する第2経路」とは、その他端側が光を投光可能な第2経路を意図する。また、上記「接続され」とは、光源と経路の端部とが直接的に接続された状態の他に、光源と経路の端部とが他部材を介して間接的に接続された状態も含むものとする。さらに、上記「連なり」とは、各経路の端部が直接的に連なった状態の他に、各経路の端部が他部材を介して間接的に連なった状態も含むものとする。
【0012】
本実施形態1.に係る車両室内照明装置としては、例えば、上記第2経路と第3経路とが一体的に形成されており、第2経路及び第3経路が分岐する分岐部に切欠部(13)が形成され、切欠部により上記第1案内部及び第2案内部が形成されている形態を挙げることができる(例えば、図3等参照)。この場合、例えば、上記第1案内部は、第1光源の光を第1経路から第2経路に導くように反射させる第1反射面(14)であり、上記第2案内部は、第2光源の光を、第3経路から第1経路に導き且つ第3経路から第2経路に導かれることを規制するように反射させる第2反射面(15)であることができる。これにより、第1及び第2案内部を更に簡易な構造で実現できる。
【0013】
本実施形態1.に係る車両室内照明装置としては、例えば、上記第1光源及び第2光源は異なる色を発する形態を挙げることができる。これら第1光源及び第2光源は、例えば、CIE色度図(図12参照)においてそれぞれ分別できる範囲の異なる色度の組み合わせであればよい。例えば、一方の光源は、色度(x,y)が0.38≦x≦0.7,0.07≦y≦0.7(好ましくは0.38≦x≦0.6,0.38≦y≦0.6、特に0.38≦x≦0.45,0.38≦y≦0.45)の各式を満たす色を発し、他方の光源は、色度(x,y)が0.2≦x≦0.37,0.2≦y≦0.37)(好ましくは0.25≦x≦0.35,0.25≦y≦0.35、特に0.27≦x≦0.33,0.27≦y≦0.33)の各式を満たす色を発することができる。
【0014】
上述の形態では、例えば、上記第1光源及び第2光源のうちの一方の光源の発光量を増加させつつ他方の光源の発光量を減少させるように第1光源及び第2光源を発光制御する制御部(5)を更に備えることができる(例えば、図7及び図8等参照)。この場合、一方の光源が第2光源であり、他方の光源が第1光源であることが好ましい。なお、上記第1光源及び第2光源の発光量は、例えば、上記制御部によるパルス駆動でデューティー比を変えることにより変更可能とされる。
【0015】
上記制御部は、例えば、一方の光源の発光量を所定値(a1)から増加させつつ他方の光源の発光量を所定値(a2:a2>a1)から減少させるように第1光源及び第2光源を発光制御することができる(例えば、図8等参照)。これにより、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。さらに、上記制御部は、例えば、一方の光源の発光量をジグモイド関数に基づいて増加させつつ他方の光源の発光量をジグモイド関数に基づいて減少させるように第1光源及び第2光源を発光制御することができる。これにより、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。
【0016】
上述の制御部を備える場合、例えば、上記第1経路の車室内側には、上記第1経路から投光される光が当たる第1壁(22)と、この第1壁で反射された光が当たる第2壁(23)とが設けられていることができる(例えば、図5等参照)。これにより、第1投光部として機能する第1壁及び第2壁の間で第1経路からの光を反射させることにより、光のムラを軽減してより鮮明に光が流れて見えるように照明できる。これら第1壁及び第2壁は、例えば、互いに対向するように設けられていることができる。
【0017】
上述の第1壁及び第2壁を備える場合、例えば、上記第1壁及び第2壁の対向間隔(s1)と第1経路の端面幅(d)との比(s1/d)は0.07〜1(好ましくは0.2〜0.7、特に0.3〜0.5であることができる(例えば、図5等参照)。これにより、第1壁及び第2壁の間で第1経路の光をより確実に反射させて集光させることができる。そのため、光のムラをより確実に軽減でき、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。上記対向間隔(s1)は、例えば、0.5〜10mm(好ましくは1〜6mm、特に1〜3mmであることができる。また、上記第1経路の端面幅(d)は、例えば、1〜10mm(好ましくは2〜8mm、特に3.5〜6.5mmであることができる。
【0018】
上述の第1壁及び第2壁を備える場合、例えば、縦断面で見たとき、上記対向間隔(s1)の対向方向の中心と第1経路の軸心とは、第1壁及び第2壁の対向方向に位置をずらして配置されることができる。これにより、乗車者に対して、第1経路の光を直接見せることなく第1壁及び第2壁で反射された光を見せることができる。そのため、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。上記対向間隔(s1)の対向方向の中心と第1経路の軸心との間隔は、例えば、0.5〜10mm(好ましくは1.5〜7.5mm、特に2.5〜5mmであることができる。
【0019】
上述の第1壁及び第2壁を備える場合、例えば、第1経路は、内装材(17)に形成された開口部(18)の車室外側に配置され、第1経路の車室内側には、第1経路からの光を透過させる透光部材(19)が開口部を塞ぐように設けられていることができる(例えば、図5等参照)。これにより、第1経路を開口部の車室外側の奧方に配置して、乗車者に対して、第1経路の光を直接見せることなく透光部材を透過して第1壁及び第2壁で反射された光を見せることができる。そのため、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。また、透光部材により開口部から内装材の車室外側への塵等の異物の侵入を防止できる。
【0020】
本実施形態1.に係る車両室内照明装置としては、例えば、上記第1経路の車室内側には、内装材の表面を間接照明するように第1経路からの光を、上記第1壁及び第2壁の間で反射された光の投光方向(F1)に交差する投光方向(F2)に向かって投光する間接照明部(25)が設けられている形態を挙げることができる(例えば、図5等参照)。これにより、第1投光部として機能する間接照明部により内装材の表面が間接照明されるため、照明の演出効果を更に高めることができる。
【0021】
上述の間接照明部を備える場合、例えば、上記間接照明部の開口幅(s2)と第1経路の端面幅(d)との比(s2/d)は0.3〜10(好ましくは0.5〜5、特に1〜2.5であることができる(例えば、図5等参照)。これにより、より効果的な間接照明を実施できる。上記間接照明部の開口幅(s2)は、例えば、0.5〜25mm(好ましくは3.0〜15mm、特に6〜12mmであることができる。また、上記第1経路の端面幅(d)は、例えば、1〜10mm(好ましくは2〜8mm、特に3〜6mmであることができる。
【0022】
上述の間接照明部を備える場合、例えば、縦断面で見たとき、間接照明部の開口幅(s2)の幅方向の中心と第1経路の軸心とは、間接照明部の開口幅方向に位置をずらして配置されることができる。これにより、より効果的な間接照明を実施できる。上記間接照明部の開口幅(s2)の幅方向の中心と第1経路の軸心との間隔は、例えば、0.5〜20mm(好ましくは1.5〜10mm、特に3〜7mmであることができる。
【0023】
本実施形態1.に係る車両室内照明装置としては、例えば、上記導光路はドアトリム(17)に設けられ、上記第2経路の他端部は、ドアトリムに配置されたインサイドハンドル部(27)に接続されており、ドア開放時に上記第1光源のみを発光させるとともに、ドア閉鎖時に第1光源及び第2光源を同時に発光させてから所定時間(例えば、2〜10秒等)の経過後に第2光源のみを発光させる制御部(5)を更に備える形態を挙げることができる(例えば、図7等参照)。これにより、ドア開放時には、第1光源の光が第1経路から投光されて内装材等の照明が行われるとともに、第1光源の光が第2経路の端部から投光されてインサイドハンドル部の照明が行われる。そのため、照明の演出効果を更に高め得るとともに、乗車等の際のインサイドハンドル操作を確実に行うことができる。一方、ドア閉鎖時には、第1光源及び第2光源の光が第1経路から投光されて内装材等の照明が行われるとともに、ドア閉鎖から所定時間経過後には、第2光源の光が第1経路から投光されて内装材等の照明が行われる。そのため、ドア閉鎖時とドア閉鎖から所定時間経過以降(例えば、運転中等)とで異なる照明形態を実現でき演出効果を更に高めることができる。なお、上記内装材等の照明としては、例えば、(a)上記第1壁及び第2壁の間から投光される光による照明、(b)上記間接照明部から投光される光による照明等のうちの1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができる。
【0024】
上述の形態では、例えば、上記制御部は、エンジン停止時に上記第1光源のみを発光させるように構成されていることができる。これにより、エンジン停止時には、第1光源の光が第1経路から投光されて内装材等の照明が行われるとともに、第1光源の光が第2経路の端部から投光されてインサイドハンドル部の照明が行われる。そのため、照明の演出効果を更に高め得るとともに、降車等の際のインサイドハンドル操作を確実に行うことができる。
【実施例】
【0025】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本実施例では、本発明に係る「車両室内照明装置」として、車両のドアトリムに設置される車両室内照明装置を例示する。
【0026】
(1)車両室内照明装置の構成
本実施例に係る車両室内照明装置1は、図1に示すように、アンバー色系の発光色{例えば、色度図において色度(x,y)=(0.5,0.4)}を有する第1発光ダイオード2(本発明に係る「第1光源」として例示する。)と、白色系の発光色{例えば、色度図において色度(x,y)=(0.33,0.33)}を有する第2発光ダイオード3(本発明に係る「第2光源」として例示する。)と、これら第1及び第2発光ダイオード2,3の光を導光する導光路4と、これら第1及び第2発光ダイオード2,3を発光制御する制御部5(図7参照)と、を備えている。
【0027】
上記導光路4は、図2及び図3に示すように、長尺状でPMMA製の導光体7(本発明に係る「第1経路」として例示する。)と、この導光体7に連なる二股状でPMMA製のレンズ8と、を有している。この導光体7は、その一端側に第1発光ダイオード2が接続され且つ略全長にわたって第1投光部として機能する。また、レンズ8は、導光体7の他端側に連なる連絡路10と、この連絡路10から分岐する第1分岐路11(本発明に係る「第2経路」として例示する。)と、この連絡路10から分岐する第2分岐路12(本発明に係る「第3経路」として例示する。)と、を有している。なお、本実施例では、上記導光体7として、光の減衰率の高いものであり、その直径d(図5参照)が約6mmのものを採用することとする。
【0028】
上記第1分岐路11の一端側は、連絡路10を介して導光体7の他端側に連なっている。この第1分岐路11の他端側は、ドアトリム17に設けられたインサイドハンドル部27に接続されており、このインサイドハンドル部27を照明する第2投光部として機能する。また、上記第2分岐路12の一端側は、連絡路10を介して導光体7の他端側に連なっている。また、この第2分岐路12の他端側には第2発光ダイオード3が接続されている。
【0029】
上記各分岐路11,12の分岐部位には切欠部13が形成されている。この切欠部13により、第1分岐路11の導光体7に連なる一端側(本発明に係る「連絡部」として例示する。)には、第1発光ダイオード2の光を導光体7から第1分岐路11に導くように全反射させる第1反射面14(本発明に係る「第1案内部」として例示する。)が形成されている。また、切欠部13により、第2分岐路12の導光体7に連なる一端側(本発明に係る「連絡部」として例示する。)には、第2発光ダイオード3の光を第2分岐路12から導光体7に導き且つ第2分岐路12から第1分岐路11に導かれることを規制するように全反射させる第2反射面15(本発明に係る「第2案内部」として例示する。)が形成されている。
【0030】
上記ドアトリム17は、図4に示すように、黒色系樹脂製のドアアッパートリム17aと、このドアアッパートリム17aの下方側に配置される黒色系樹脂製のオーナメント17bと、このオーナメント17bの下方側に配置されるアームレスト17cと、を備えている。このドアアッパートリム17aには、ドアアッパートリム17aの下端縁とオーナメント17bの上端縁との間に形成された開口部18を塞ぐように透光部材19が取り付けられている。
【0031】
上記透光部材19は、導光体7からの光を透過させる透光性を有している。この透光部材19は、縦断面略U字状の本体19aと、この本体19aの一端側から立ち上がりドアアッパートリム17aに取り付けられる取付片19bと、を有している。この本体19aの車室内側R1の表面には、銀色系の塗料からなる反射層19cが設けられている。また、この本体19aの車室外側R2には、導光体7の外周を挟持する一対の挟持部19d,19dが設けられている。したがって、これら一対の挟持部19d,19dで保持された導光体7は、開口部18の車室外側R2に配置され、この導光体7の車室内側R1には透光部材19が配置される。
【0032】
上記導光体7の車室内側R1の側方には、図5に示すように、透光部材19に設けられ導光体7の光を透過させる透光部21と、この透光部21を透過した光が当たる第1壁22と、この第1壁22で反射された光が当たる第2壁23とが設けられている。これら第1壁22及び第2壁23は、互いに対向するように導光体7の長尺方向に沿って延びて設けられる。この第1壁22は、ドアアッパートリム17aの開口部18を形成する壁により構成されている。また、第2壁23は、透光部材19の反射層19cのうちの第1壁22に対向する部分により構成されている。また、これら第1壁22及び第2壁23の間で反射された導光体7の光は、ドアトリム17の意匠面と交差する投光方向F1(図4参照)に向かって投光される。
【0033】
ここで、上記第1壁22及び第2壁23の対向間隔s1は約2mmとされている。したがって、この対向間隔s1と導光体7の直径dとの比(s1/d)は約0.3とされている。また、縦断面で見たときに、対向間隔s1の幅方向の中心と導光体7の軸心とは、上記対向間隔s1の幅方向に位置をずらして配置されている。
【0034】
上記導光体7の車室内側R1の下方には、図5に示すように、オーナメント17b及びアームレスト17cの表面を間接照明するように導光体7からの光を、投光方向F1と交差する投光方向F2(図4参照)に投光する間接照明部25が設けられている。この間接照明部25は、透光部材19に設けられ導光体7の光を透過させる透光部26を有している。また、この間接照明部25は、オーナメント17bの開口部18を形成する壁と、透光部材19の反射層19cのうちの透光部26に接する部分とで囲まれて形成されている。
【0035】
ここで、上記間接照明部25の開口幅s2は約6mmとされている。したがって、この間接照明部25の開口幅s2と導光体7の直径dとの比(s2/d)は約1.0とされている。また、縦断面で見たときに、間接照明部25の開口幅s2の幅方向の中心と導光体7の軸心とは、間接照明部25の開口幅方向に位置をずらして配置されている。
【0036】
上記制御部5は、図7に示すように、ドアの開閉状態を検知するためのドアスイッチ28、イグニションスイッチ29、第1発光ダイオード2、及び第2発光ダイオード3に電気的に接続されている。この制御部5は、ドアスイッチ28によりドアの開放が検知されたとき又はイグニッションスイッチ29によりエンジン停止が検知されたときに、第1発光ダイオード2のみを所定の発光量a2(図8参照)で発光させる。
【0037】
また、上記制御部5は、ドアスイッチ28によりドアの閉鎖が検知されたときに、図8に示すように、第2発光ダイオード3の発光量をジグモイド関数に基づいて所定値a1から増加させつつ第1発光ダイオード2の発光量をジグモイド関数に基づいて所定値a2(a2>a1)から減少させるように第1及び第2発光ダイオード2,3を同時に発光させる。その第1及び第2発光ダイオード2,3の同時発光が所定時間t1経過すると、第2発光ダイオード3のみを所定の発光量a2で発光させる。
【0038】
(2)車両室内照明装置の作用
次に、上記構成の車両室内照明装置1の作用について説明する。乗車等の際のドアの開放時には、制御部5により第1発光ダイオード2のみが発光される。すると、図9に示すように、第1発光ダイオード2の光(白色系)は、導光体7から投光されて照明エリアa1(図1中にハッチングで示す。)でのオーナメント照明が行われるとともに、第1分岐路11の端部から投光されて照明エリアa2(図1中にハッチングで示す。)でのインサイドハンドル照明が行われる。このオーナメント照明は、第1壁22及び第2壁23で反射されて投光方向F1に投光される第1発光ダイオード2の光による照明と、間接照明部25から投光方向F2に投光される第1発光ダイオード2の光によるオーナメント17b及びアームレスト17cの間接照明とを含んでいる(図4参照)。
【0039】
また、乗車等の際のドア閉鎖時には、制御部5により、第2発光ダイオード3の発光量が増加されつつ第1発光ダイオード2の発光量が減少されるように第1及び第2発光ダイオード2,3が同時に発光される。すると、図10に示すように、第1発光ダイオード2の光(白色系)及び第2発光ダイオード3の光(アンバー色系)は、導光体7から投光されて照明エリアa1でのオーナメント照明が行われるとともに、第1発光ダイオード2の光(白色系)は、第1分岐路11の端部から投光されてインサイドハンドル照明が行われる。このオーナメント照明は、第1壁22及び第2壁23で反射されて投光方向F1に投光される第1及び第2発光ダイオード2,3の光による照明と、間接照明部25から投光方向F2に投光される第1及び第2発光ダイオード2,3の光によるオーナメント17b及びアームレスト17cの間接照明とを含んでいる(図4参照)。これら第1壁22及び第2壁23で反射されて投光方向F1に投光される光は、導光体7の長尺方向に沿って所定方向に向かって流れて見える。また、インサイドハンドル照明では、第1発光ダイオード2の光は発光量が徐々に減少されてフェードアウトされる。
【0040】
そして、上記第1及び第2発光ダイオード2,3の同時発光が所定時間t1経過すると、制御部5により第2発光ダイオード3のみが発光される。すると、図11に示すように、第2発光ダイオード3の光(アンバー色系)は、導光体7から投光されて照明エリアa1でのオーナメント照明が行われる。このオーナメント照明は、第1壁22及び第2壁23から投光される第2発光ダイオード3の光による照明と、間接照明部25から投光される第2発光ダイオード3の光によるオーナメント17b及びアームレスト17cの間接照明とを含んでいる。
【0041】
さらに、エンジン停止時には、制御部5により第1発光ダイオード2のみが発光される。すると、図9に示すように、第1発光ダイオード2の光(白色系)は、導光体7から投光されて照明エリアa1でのオーナメント照明が行われるとともに、第1分岐路11の端部から投光されて照明エリアa2でのインサイドハンドル照明が行われる。このオーナメント照明は、第1壁22及び第2壁23で反射されて投光方向F1に投光される第1発光ダイオード2の光による照明と、間接照明部25から投光方向F2に投光される第1発光ダイオード2の光によるオーナメント17b及びアームレスト17cの間接照明とを含んでいる(図4参照)。
【0042】
(3)実施例の効果
以上より、本実施例の車両室内照明装置1によると、導光路4は、一端側に第1発光ダイオード2が接続され且つ第1投光部として機能する導光体7と、この導光体7の一端側に連なるレンズ8と、を備え、このレンズ8は、一端側が導光体7の他端側に連なり且つ他端側が第2透光部として機能する第1分岐路11と、一端側が導光体7の他端側に連なり且つ他端側に第2発光ダイオード3が接続される第2分岐路12と、を有し、導光体7と第1分岐路11との連絡部に、第1発光ダイオード2の光を導光体7から第1分岐路11に導く第1反射面14を設け、導光体7と第2分岐路12との連絡部に、第2発光ダイオード3の光を第2分岐路12から導光体7に導き且つ第2分岐路12から第1分岐路11に導かれることを規制する第2反射面15を設けたので、第1発光ダイオード2の光は、導光体7から投光されるとともに、第1反射面14により導光体7から第1分岐路11に導かれて第1分岐路11の端部から投光される。一方、第2発光ダイオード3の光は、第2反射面15により分岐路12から導光体7に導かれ且つ第2分岐路12から第1分岐路11に導かれることが規制されて導光体7から投光される。ここで、例えば、第1及び第2発光ダイオード2,3を同時に発光させれば、導光体7から第1及び第2発光ダイオード2,3の光が投光されるとともに、第1分岐路11の端部から第1発光ダイオード2の光が投光される。また、第1発光ダイオード2のみを発光させれば、導光体7及び第1分岐路11の端部から第1発光ダイオード2の光が投光される。さらに、第2発光ダイオード3のみを発光させれば、導光体7から第2発光ダイオード3の光が投光される。したがって、第1及び第2発光ダイオード2,3の発光制御により様々な投光形態を選択することができ、動作状況に応じて多彩な照明を実施して演出効果を高めることができる。また、従来のように線状主投光部の両端側及び線状主投光部から離間した部分に光源を設けるものに比べて、導光路4の長さを必要最小限としつつ構造の簡素化及び省スペース化を図ることができる。
【0043】
また、本実施例では、第1分岐路11及び第2分岐路12を一体に形成してなるレンズ8を備え、このレンズ8の第1及び第2分岐路11,12が分岐する分岐部に切欠部13を形成し、この切欠部13により第1反射面14及び第2反射面15を形成するようにしたので、第1及び第2分岐路11,12を一体化することにより、部品点数を低減して更なる構造の簡素化を図ることができる。また、切欠部13により第1及び第2反射面14,15を形成するので、第1及び第2反射面14,15を簡素な構造で実現できる。
【0044】
また、本実施例では、異なる色を発する第1及び第2発光ダイオード2,3を採用したので、動作状況に応じてより多彩な照明を実施して演出効果を更に高めることができる。
【0045】
また、本実施例では、第2発光ダイオード3の発光量を増加させつつ第1発光ダイオード2の発光量を減少させるように第1及び第2発光ダイオード2,3を発光制御する制御部5を更に備えて構成したので、制御部5により、異なる色を発する第1及び第2発光ダイオード2,3の発光量が増減制御され、導光体7では光が流れて見えるように照明でき演出効果を更に高めることができる。また、第1分岐路11の端部では第1発光ダイオード2の光の発光量が徐々に減少されるため、光がフェードアウトするように照明でき演出効果を更に高めることができる。
【0046】
また、本実施例では、制御部5を、第2発光ダイオード3の発光量を所定値a1から増加させつつ第1発光ダイオード2の発光量を所定値a2(a2>a1)から減少させるように第1及び第2発光ダイオード2,3を発光制御するように構成したので、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。
【0047】
また、本実施例では、制御部5を、第2発光ダイオード3の発光量をジグモイド関数に基づいて増加させつつ第1発光ダイオード2の発光量をジグモイド関数に基づいて減少させるように第1及び第2発光ダイオード2,3を発光制御するように構成したので、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。
【0048】
また、本実施例では、導光体7の車室内側R1に、導光体7から投光される光が当たる第1壁22と、この第1壁22で反射された光が当たる第2壁23と、を設けたので、第1壁22及び第2壁23の間で導光体7からの光を反射させることにより、光のムラを軽減してより鮮明に光が流れて見えるように照明できる。
【0049】
また、本実施例では、第1壁22及び第2壁23の対向間隔s1と導光体の直径dとの比(s1/d)を約0.3としたので、第1壁22及び第2壁23の間で導光体7の光をより確実に反射させて集光させることができる。そのため、光のムラをより確実に軽減でき、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。
【0050】
また、本実施例では、縦断面で見たとき、上記対向間隔s1の対向方向の中心と導光体7の軸心とを、第1壁22及び第2壁23の対向方向に位置をずらして配置したので、乗車者に対して、導光体7の光を直接見せることなく第1壁22及び第2壁23で反射された光を見せることができる。そのため、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。
【0051】
また、本実施例では、導光体7を、ドアトリム17に形成された開口部18の車室外側R2に配置し、導光体7の車室内側R1に、導光体7からの光を透過させる透光部材19を開口部18を塞ぐように設けたので、導光体7を開口部18の車室外側R2の奧方に配置させて、乗車者に対して、導光体7の光を直接見せることなく透光部材19を透過して第1壁22及び第2壁23で反射された光を見せることができる。そのため、より鮮明に光が流れて見えるように照明できる。また、透光部材19により開口部18からドアトリム17の車室外側R2への塵等の異物の侵入を防止できる。
【0052】
また、本実施例では、導光体7の車室内側R1に、オーナメント17b及びアームレスト17cの表面を間接照明するように導光体7からの光を投光方向F2に向かって投光する間接照明部25を設けたので、間接照明部25によりオーナメント17b及びアームレスト17cの表面が間接照明され、照明の演出効果を更に高めることができる。
【0053】
また、本実施例では、間接照明部25の開口幅s2と導光体7の直径dとの比(s2/d)を約1.0としたので、より効果的な間接照明を実施できる。
【0054】
また、本実施例では、縦断面で見たとき、間接照明部25の開口幅s2の幅方向の中心と導光体7の軸心とを間接照明部25の開口幅方向に位置をずらして配置したので、より効果的な間接照明を実施できる。
【0055】
また、本実施例では、導光路7をドアトリム17に設け、第1分岐路11の端部をドアトリム17に配置されたインサイドハンドル部27に接続し、制御部5を、ドア開放時に第1発光ダイオード2のみを発光させるとともに、ドア閉鎖時に第1及び第2発光ダイオード2,3を同時に発光させてから所定時間t1の経過後に第2発光ダイオード3のみを発光させるように構成したので、ドア開放時には、第1発光ダイオード2の光が導光体7から投光されてオーナメント照明が行われるとともに、第1発光ダイオード2の光が第1分岐路11の端部から投光されてインサイドハンドル照明が行われる。そのため、照明の演出効果を更に高め得るとともに、乗車等の際のインサイドハンドル操作を確実に行うことができる。一方、ドア閉鎖時には、第1及び第2発光ダイオード2,3の光が導光体7から投光されてオーナメント照明が行われるとともに、ドア閉鎖から所定時間t1経過後には、第2発光ダイオード3の光が導光体7から投光されてオーナメント照明が行われる。そのため、ドア閉鎖時とドア閉鎖から所定時間t1経過以降(例えば、運転中等)とで異なる照明形態を実現でき演出効果を更に高めることができる。
【0056】
さらに、本実施例では、制御部5を、エンジン停止時に第1発光ダイオード2のみを発光させるように構成したので、エンジン停止時には、第1発光ダイオード2の光が導光体7から投光されてオーナメント照明が行われるとともに、第1発光ダイオード2の光が第1分岐路11の端部から投光されてインサイドハンドル照明が行われる。そのため、照明の演出効果を更に高め得るとともに、降車等の際のインサイドハンドル操作を確実に行うことができる。
【0057】
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例では、ドアトリム17に設置される車両室内照明装置1を例示したが、これに限定されず、例えば、天井基材、インストルメントパネル、シート、サンルーフ、サンバイザ、スカッフプレート等の内装材に設置される車両室内照明装置としてもよい。
【0058】
上記天井基材に設置される車両室内照明装置1’としては、例えば、図13に示すように、導光体7を、天井基材31に設けられたサンバイザ収納部32の端縁に沿って配置し、レンズ8の分岐路11の端部をアシストグリップ部33に接続してなる形態を挙げることができる。この場合、例えば、ドア開放時に第1発光ダイオード2のみを発光させるとともに、ドア閉鎖時に第1及び第2発光ダイオード2,3を同時に発光させてから所定時間t1の経過後に第2発光ダイオード3のみを発光させるように構成してもよい。これにより、ドア開放時には、第1発光ダイオード2の光が導光体7から投光されてサンバイザ収納部32の照明が行われるとともに、第1発光ダイオード2の光が第1分岐路11の端部から投光されてアシストグリップ部33の照明が行われる。そのため、照明の演出効果を更に高め得るとともに、乗車等の際のアシストグリップの視認性を高めることができる。一方、ドア閉鎖時には、第1及び第2発光ダイオード2,3の光が導光体7から投光されてサンバイザ収納部32の照明が行われるとともに、ドア閉鎖から所定時間t1経過後には、第2発光ダイオード3の光が導光体7から投光されてサンバイザ収納部32の照明が行われる。そのため、ドア閉鎖時とドア閉鎖から所定時間t1経過以降(例えば、運転中等)とで異なる照明形態を実現でき演出効果を更に高めることができる。
【0059】
上述の形態では、例えば、エンジン停止時に第1発光ダイオード2のみを発光させるように構成することができる。これにより、エンジン停止時には、第1発光ダイオード2の光が導光体7から投光されてサンバイザ収納部32の照明が行われるとともに、第1発光ダイオード2の光が第1分岐路11の端部から投光されてアシストグリップ部33の照明が行われる。そのため、照明の演出効果を更に高め得るとともに、降車等の際のアシストグリップの視認性を高めることができる。
【0060】
また、上記実施例では、ドアトリムに設けられた車両室内照明装置として、第2投光部によりインサイドハンドル部27を照明する形態を例示したが、これに限定されず、例えば、第2投光部により、ドアポケット、プルハンドル、アームレスト上面側に設けられたドアグリップ用開口部等を照明するようにしてもよい。
【0061】
また、上記実施例では、ドア閉鎖時に、制御部5により異なる色を発する第1及び第2発光ダイオード2,3の発光量を増減制御して、導光体7で光が流れて見えるように照明するようにしたが、これに限定されず、例えば、ドア閉鎖時に、第1発光ダイオード2及び/又は第2発光ダイオード3を所定の発光量で発光させるようにしてもよい。
【0062】
また、上記実施例では、導光体7の光を投光方向F1に投光させる一対の壁22,23と、導光体7の光を投光方向F2に投光させる間接照明部25と、を備える形態を例示したが、これに限定されず、例えば、一対の壁22,23及び間接照明部25のうちの一方のみを備えるようにしたり、一対の壁22,23及び間接照明部25に加えて他の照明部を備えるようにしたりしてもよい。
【0063】
また、上記実施例では、第2発光ダイオード3の発光量を増加させつつ第1発光ダイオード2の発光量を減少させるように第1及び第2発光ダイオード2,3を発光制御する形態を例示したが、これに限定されず、例えば、第1発光ダイオード2の発光量を増加させつつ第2発光ダイオード3の発光量を減少させるように第1及び第2発光ダイオード2,3を発光制御するようにしてもよい。この場合、分岐路11の端部において第2発光ダイオード3の光の発光量が徐々に増加されるため、光がフェードインするようにインサイドハンドル部27が照明される。
【0064】
また、上記実施例では、別部材の導光体7及びレンズ8を備えてなる導光路4を例示したが、これに限定されず、例えば、導光体7とレンズ8とを一体的に形成してなる導光路としてもよい。また、上記実施例では、第1及び第2分岐路11,12を一体的に形成してなるレンズ8を例示したが、これに限定されず、例えば、第1及び第2分岐路を別部材で構成するようにしてもよい。
【0065】
また、上記実施例では、第1及び第2分岐路11,12の端部が連絡路10を介して間接的に導光体7の端部に連なる形態を例示したが、これに限定されず、例えば、第1及び第2分岐路11,12の端部が直接的に導光体7の端部に連なるようにしたり、第1及び第2分岐路11,12の端部が導光体7の端部に所定間隔をもって対向して連なるようにしたりしてもよい。
【0066】
また、上記実施例では、案内部としての反射面14,15を各分岐路11,12の導光体7に連なる一端側に設ける形態を例示したが、これに限定されず、例えば、案内部を導光体の各分岐路11,12に連なる一端側に設けるようにしてもよい。
【0067】
また、上記実施例では、案内部として光を反射する反射面14,15を例示したが、これに限定されず、例えば、光を屈折又は回折させる手段で案内部を構成してもよい。さらに、上記実施例では、切欠部13により反射面14,15を形成するようにしたが、これに限定されず、例えば、レンズに反射部材や反射膜を設けて反射面を構成するようにしてもよい。
【0068】
また、上記実施例では、第1壁22及び第2壁23を互いに対向して設ける形態を例示したが、これに限定されず、例えば、第1壁及び第2壁の位置をずらして互いに対向しないように設けてもよい。
【0069】
また、上記実施例では、光源として発光ダイオード2,3を例示したが、これに限定されず、例えば、光源として、白熱電球等のバルブ、蛍光灯、エレクトロルミネセンスライト等を採用してもよい。
【0070】
また、上記実施例では、ドアの開閉及びエンジン停止を契機として車両室内照明装置1を作動させる形態を例示したが、これに限定されず、例えば、エンジン始動、車幅灯の点灯等を契機として車両室内照明装置を作動させるようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施例では、第2発光ダイオード3の発光量を所定値a1から増加させつつ第1発光ダイオード2の発光量を所定値a2(a2>a1)から減少させるように発光制御する形態を例示したが、これに限定されず、例えば、第2発光ダイオード3の発光量を所定値a3から増加させつつ第1発光ダイオード2の発光量を所定値a4(a4<a3)から減少させるようにしてもよい。
【0072】
また、上記実施例では、発光ダイオード2,3の発光量をジグモイド関数に基づいて増減制御する形態を例示したが、これに限定されず、例えば、発光ダイオードの発光量を他の関数に基づいて増減制御するようにしてもよい。
【0073】
また、上記実施例では、導光体7の光がその長尺方向に沿って所定方向に流れて見える照明を例示したが、これに限定されず、例えば、導光体7の光がその長尺方向に沿って往復動して流れて見える照明としてもよい。
【0074】
さらに、上記実施例において、導光体7としては、例えば、その縦断面が円形、多角形等に形成されたものを挙げることができる。さらに、導光体7としては、直線状、湾曲状、屈曲状等のうちの1種又は2種以上の組み合わせに形成されたものを挙げることができる。
【0075】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0076】
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0077】
乗用車、バス、トラック等の他、列車、汽車等の鉄道車両、建設車両、農業車両、産業車両などの車両室内を照明する技術として広く利用される。
【符号の説明】
【0078】
1,1’;車両室内照明装置、2;第1発光ダイオード、3;第2発光ダイオード、4;導光路、5;制御部、7;導光体、11;第1分岐路、12;第2分岐路、13;切欠部、14;第1反射面、15;第2反射面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光源と、第2光源と、該第1光源及び該第2光源の光を導光する導光路と、を備える車両室内照明装置であって、
前記導光路は、一端側に前記第1光源が接続され且つ第1投光部として機能する第1経路と、一端側が該第1経路の他端側に連なり且つ他端側が第2投光部として機能する第2経路と、一端側が該第1経路の他端側に連なり且つ他端側に前記第2光源が接続される第3経路と、を有し、
前記第1経路と前記第2経路との連絡部には、前記第1光源の光を該第1経路から該第2経路に導く第1案内部が設けられ、前記第1経路と前記第3経路との連絡部には、前記第2光源の光を該第3経路から該第1経路に導き且つ該第3経路から該第2経路に導かれることを規制する第2案内部が設けられていることを特徴とする車両室内照明装置。
【請求項2】
前記第2経路と前記第3経路とは一体的に形成されており、該第2経路及び該第3経路が分岐する分岐部には切欠部が形成され、該切欠部により前記第1案内部及び前記第2案内部が形成されている請求項1記載の車両室内照明装置。
【請求項3】
前記第1光源及び前記第2光源は異なる色を発する請求項1又は2に記載の車両室内照明装置。
【請求項4】
前記第1光源及び前記第2光源のうちの一方の光源の発光量を増加させつつ他方の光源の発光量を減少させるように該第1光源及び該第2光源を発光制御する制御部を更に備える請求項3記載の車両室内照明装置。
【請求項5】
前記一方の光源は前記第2光源であり、前記他方の光源は前記第1光源である請求項4記載の車両室内照明装置。
【請求項1】
第1光源と、第2光源と、該第1光源及び該第2光源の光を導光する導光路と、を備える車両室内照明装置であって、
前記導光路は、一端側に前記第1光源が接続され且つ第1投光部として機能する第1経路と、一端側が該第1経路の他端側に連なり且つ他端側が第2投光部として機能する第2経路と、一端側が該第1経路の他端側に連なり且つ他端側に前記第2光源が接続される第3経路と、を有し、
前記第1経路と前記第2経路との連絡部には、前記第1光源の光を該第1経路から該第2経路に導く第1案内部が設けられ、前記第1経路と前記第3経路との連絡部には、前記第2光源の光を該第3経路から該第1経路に導き且つ該第3経路から該第2経路に導かれることを規制する第2案内部が設けられていることを特徴とする車両室内照明装置。
【請求項2】
前記第2経路と前記第3経路とは一体的に形成されており、該第2経路及び該第3経路が分岐する分岐部には切欠部が形成され、該切欠部により前記第1案内部及び前記第2案内部が形成されている請求項1記載の車両室内照明装置。
【請求項3】
前記第1光源及び前記第2光源は異なる色を発する請求項1又は2に記載の車両室内照明装置。
【請求項4】
前記第1光源及び前記第2光源のうちの一方の光源の発光量を増加させつつ他方の光源の発光量を減少させるように該第1光源及び該第2光源を発光制御する制御部を更に備える請求項3記載の車両室内照明装置。
【請求項5】
前記一方の光源は前記第2光源であり、前記他方の光源は前記第1光源である請求項4記載の車両室内照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−35768(P2012−35768A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177911(P2010−177911)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
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