説明

車両照明システム

【課題】小型の多機能かつ費用効果の高い照明システムを車両に提供すること。
【解決手段】車両照明用のシステムであって、該車両の周囲、もしくは該車両の室内、またはそれら両方を照明するための光を放射する光源と、該光源の光の放射を変調する変調ユニットであって、該放射された光は、その光の変調が人によって実質的に知覚不可能であるように充分に高い周波数を用いて変調される、変調ユニットとを備えている、車両照明システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両照明システムに関する。特に、本発明は、車両に対する照明だけではなく、他の車両システム、例えば、距離測定システムまたはデータ伝送システムに対する照明も提供する車両照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の車両において、多くの場合に、運転手を補助するシステムが提供される。かかるシステムの例は、適応性自動速度制御装置(cruise control)であり、該適応性自動速度制御装置は、前方を走っている車両に対する車両の距離を検出する。前方の車両に対する距離が減少している場合には、運転手補助システムが、自動的に車両の速度を落とす。かかるシステムは、前方の車両に対する距離を正確に決定する必要がある。距離決定に対して、飛行時間の原理によって作動する3Dカメラが使用され得る。変調された光源を使用する距離測定デバイスが、特許文献1から公知であり、該特許文献1において、光源の1D〜2Dのアレイと、対応する検出器とが使用されている。特許文献2は、パルス化された照明を使用する3D距離測定デバイスと、飛行時間の決定のためのCMOSセンサとを記述する。さらに、フォトニックミキサデバイス(PMD)、例えば、PMD TechnologiesのPMD [Vision](登録商標)A2 3D video range cameraが、範囲情報を有する画像を記録することで公知であり、該PMD [Vision](登録商標)A2 3D video range cameraは、870nmにおいて、1MHzから16MHzの周波数変調を有する発光ダイオードを使用する。さらに、固体飛行時間範囲カメラ、例えば、Swiss Ranger SR−3000が、the Swiss Center for Electronics and Microtechnology Inc.(CSEM)によって製造されており、該Swiss Ranger SR−3000は、照明のために20MHzにおいて変調された赤外線を使用する。これらのシステムおよび同様なシステムが車両内に組み込まれ得ることにより、障害物または他の車両までの距離を決定する。これらの距離測定システムは、変調された光に依存しており、該変調された光は、光源から放射され、障害物によって反射されたものである。従来の照明システムを有する車両において、追加の照明システムが、距離測定に必要である高周波変調された光を提供するために組み込まれなければならない。かかる追加の照明システムの組み込みは、多くの場合に非常に困難である。なぜならば、多くの場合に、利用可能な適切な空間が存在しないからである。例えば、かかるシステムが、ラジエタグリルの後に組み込まれる場合には、多数の異なる照明システムが必要となる。なぜならば、異なる車両の製造業者のラジエタグリルは、多くの場合に、実質的に異なるからである。従って、追加の照明システムを備えた距離測定デバイスを有する車両を提供することは、非常に費用がかかる。
【0003】
さらに、運転手補助システムに対して、車両間で情報を交換することが望ましい。現時点において、車両間での情報の交換を可能にする、高額な費用を用いることなく車両内に容易に組み込まれ得るシステムは存在しない。特許文献3は、ワイヤレスローカルエリアネットワークを使用して車両間で、音楽、ビデオ、またはゲームなどのデータを伝送するデータ伝送システムを開示する。かかるシステムにおいて、送信器、および受信器、ならびにプロセッサが提供されなければならず、車両間でローカルエリア接続を確立することは、かかるシステムの悪用を防止するように機能するセキュリティの制限により、常に可能なわけではない。変調された赤外線を使用することによりデータを伝送するデータ伝送システムが公知である。かかるシステムは、例えば、赤外線ポートを介して互いに通信し得る受信器またはモバイル電話に情報を伝送する遠隔制御を含む。これらのシステムは、概して、変調された赤外線を放射するために特別なユニットを使用する。車両は、車両の扉を開くために光学的遠隔制御システムを装備され得るが、これらのシステムは、概して、モバイル送信ユニットにおいて赤外線発光ダイオードを備え、車両にレセプタを備えている。現時点において、これらのシステムは、車両間で情報を交換することに適していない。さらに、追加の赤外線送信ユニットが、車両内に組み込まれなければならず、該追加の赤外線送信ユニットは、ここでもやはり空間を必要とし、追加の費用をもたらす。
【特許文献1】欧州特許第1159636号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10138531号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1786174号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、小型の多機能かつ費用効果の高い照明システムを車両に提供する必要性がある。特に、車両の照明を提供する照明システムと、距離測定システムおよび/またはデータ伝送システムに対する照明とを提供する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この必要性は、本発明に従った、車両照明システムと、車両を照明するための方法とによって満たされる。
【0006】
第1の局面に従って、車両の周囲、もしくは車両の室内、または両方を照明するための光を放射する光源と、光源の光の放射を変調する変調ユニットであって、放射された光は、光の変調が人によって実質的に知覚不可能なように充分に高い周波数を用いて変調される、変調ユニットとを備えている車両照明システムが提供される。同じ光源が、車両の室内および/または周囲を照明するために使用され、かつ、変調された光を他の用途に提供するために使用される。光の変調の周波数は、用途に依存しており、さらに、光の変調の周波数は、光の変調の周波数が人によって実質的に知覚されないような充分な高さに変調される。かかる車両照明システムは、追加の照明ユニットが、変調された光を提供するために提供される必要がないという利点を有する。従って、追加の空間が必要とされず、製造コストが低く維持される。変調ユニットによって、光が様々な周波数において変調され得、このことが、本発明に従った車両照明システムを非常に用途が広いものにする。なぜならば、本発明に従った車両照明システムは、いくつかの用途で使用され得るからである。かかる用途は、距離の計測/距離測定、または車両間の情報伝送を含み得る。
【0007】
光の変調が、実質的に人によって知覚不可能であることは、変調周波数が、光源のフリッカリングが全く観察され得ないような高さであるということを意味する。従って、光源を見たときに、人は、光が変調されたか否かを見分けることができない。しかし、人は、変調のスイッチが入れられたとき、または切られたときを見分けることが可能であり得る。なぜならば、その場合には、それぞれ、光源によって放射された平均強度が低下され得たり、または増加され得たりするからである。
【0008】
本発明の実施形態において、光源は、車両のヘッドライト、車両のテールランプ、もしくは車両の室内灯、またはそれらの組み合わせである。例えば、現在の車両は、夜間用設計の室内灯を装備され得、該夜間用設計の室内灯は、実質的に、移動の間に車両の室内を照明する。このように、変調された室内灯が、車両の室内の照明と、変調された光源とを提供し得る。本発明の実施形態に従って、光源は、実質的に車両の前方のエリアを照明する発光ダイオードを有する車両のヘッドライトを含む。従って、車両のヘッドライトは、夜間に運転手に対する視認度を増加させるために、道路の照明と周囲の照明とを提供し、かつ、車両のヘッドライトは、昼間に対向車に対する視認度を増加させる。同時に、かかる車両のヘッドライトによって放射された光が変調され、それにより変調された光が、距離測定または情報交換のために使用され得る。距離測定と組み合わせて車両のヘッドライトを使用することは有利である。なぜならば、車両の経路内の物体または車両の経路の近くの物体が識別され得るからである。光源は、実質的に車両の後方のエリアを照明する発光ダイオードを有する車両のテールランプを含み得る。光源として車両のテールランプを使用する車両照明システムは、一日中、車両の視認度が、該車両に続く車両に対して改善され、同時に、車両のテールランプによって提供された変調された光が、例えば、駐車補助システムの用途における距離測定のために使用され得るか、または続く車両に対する距離を検出するために使用され得るか、もしくは続く車両に対して情報を伝送するために使用され得るという利点を有する。光源が、複数の車両灯、例えば、車両のテールランプ、車両のヘッドライト、および車両の室内灯を備えている場合には、車両灯のそれぞれが、自身の変調ユニットによって変調され得るか、または車両灯の組み合わせ、もしくは全ての車両灯が、同じ変調ユニットによって変調され得る。車両灯は、用途に依存して異なる周波数を用いて変調され得、例えば、距離測定に対して3つの周波数を用いて変調され得、情報伝送に対して1つの周波数を用いて変調され得る。
【0009】
別の実施形態において、光源は、可視波長範囲において光を放射する複数の発光ダイオードを備えている。特別な発光ダイオードが高周波を用いて変調され得るという利点を、特別な発光ダイオードは有する。現代の車両において、発光ダイオードは、多くの場合に、車両の後方を照明するために提供され、現在、発光ダイオードシステムは、車両の前方のエリア照明するために車両のヘッドライトとして利用可能である。発光ダイオードは、車両の室内灯としても使用され得る。高周波を用いた、かかる光源から放射された光の変調は、これらの光源が可視波長範囲において光を放射するように、これらの光源を、照明に適したものにするだけでなく、追加の変調された光源を提供することを必要とすることなく、これらの光源を他の用途、例えば、距離測定および情報伝送にも適したものにする。発光ダイオードが高周波で変調される場合には、かかる変調は、人によって知覚不可能である。なぜならば、目は、かかる高周波を追うことができないからである。しかし、ダイオードによって放射される全電力は低下され得る。従って、変調を用いることなく放射された光の電力と同じ放射された光の電力を達成するために、より多くのダイオードが提供される。発光ダイオードは可視波長範囲において光を放射するが、概ね公知であるように、発光ダイオードは、他の波長範囲、例えば、赤外線またはUVにおいて、わずかな量の光も放射し得る。発光ダイオードは、主に、可視波長範囲、例えば、380nm〜780nmにおいて放射し、それにより放射された光が、車両の周囲または車両の室内を照明するために使用され得、用途の広い光源を提供するようにさらに変調され得るということが、非常に重要である。
【0010】
さらに、光源は、複数の赤外線発光ダイオードを備え得る。これらの赤外線発光ダイオード(IR−LED)は、追加的に提供され得、車両を照明するための光源のスイッチが切られたときには、該赤外線発光ダイオードは、距離測定および情報伝送などの光源の用途がまた利用可能となり得るという利点を有する。可視波長範囲において放射する光源のスイッチが切られた間、赤外線発光ダイオードは、変調された光を放射し続け得、次に、該変調された光が上記の用途に利用可能となる。IR−LEDのさらなる利点は、赤外光に非常に感度が良い検出器が利用可能となることであり、同じ放射された光の強度を用いて、例えば、距離測定システムに対してより広い範囲が実現され得る。
【0011】
車両照明システムは、電力増幅器をさらに備え得、該電力増幅器は、変調ユニットから変調信号を受信し、光源の光放射を変調する。例えば、電力増幅器は、発光ダイオードを駆動するために使用される。変調ユニットは、1つ以上の変調周波数を含み得る変調信号を電力増幅器に供給し、次に、該電力増幅器は、光源に供給される電力を変調する。電力増幅器と光源とは、1つの据え付けモジュール内に備えられ得るか、もしくは電力増幅器と光源とは、互いに独立しているか、または3つ全てのコンポーネント、すなわち、電力増幅器、変調ユニット、および光源が、単一のモジュールに備えられ得る。かかる単一のモジュールは、電力と、光源によって放射される光の変調に関連する情報とを供給される必要があるだけの小型の光源が提供されるという利点を有する。
【0012】
さらなる実施形態に従って、放射された光は、0.1MHz〜50MHzの範囲、好適には、1MHz〜25MHzの範囲にある1つの周波数を用いて変調され得る。放射された光は、0.1MHz〜50MHzの範囲、好適には、1MHz〜25MHzの範囲にある複数の周波数を用いても変調され得る。光が変調される特定の周波数または周波数の数は、用途に依存する。例えば、距離測定システムにおいて、いくつかの周波数が使用され得る。なぜならば、これらの周波数は、異なる距離範囲に対応し、該異なる距離範囲に対して、固有の距離が決定され得るからである。放射された光は、車両間の情報伝送のための1つ以上のチャンネルを提供するために、追加の周波数を用いて変調され得る。これらの周波数範囲を使用することは、かかる周波数が人には見えないという利点と、かかる周波数が距離測定および情報伝送を可能にするという利点とを有する。
【0013】
本発明の別の局面に従って、車両照明システムは、光源によって放射され、物体によって反射された変調された光を検出する距離センサを有する、車両の距離測定システムを備え、距離センサは、物体の距離に関する距離信号を生成する。距離センサは、飛行時間の原理に基づき得、位相シフトが、変調ユニットからの基準信号と、物体の反射後に放射され検出された光の変調との間で検出される。
【0014】
例えば、上記の距離センサのうちの1つが使用され得る。これらのシステムは、概して、照明のために追加の光源を必要とする。かかる距離測定システムに対する光源として、車両照明システムによって放射された変調された光を使用することは、追加の光源が提供される必要がないという利点を有し、このことが、車両内へのかかる車両照明システムの組み込みを非常に容易にする。距離センサによって生成される距離信号は、概して、物体とセンサとの間の距離に依存する。さらに、距離センサによって生成される距離信号は、物体とセンサとに対する光源の位置に依存し得る。
【0015】
さらに、距離処理ユニットが提供され、距離センサからの距離信号を受信し処理することにより、物体の距離および/または位置に関する情報を獲得し得る。距離センサが、複数の画素と光学システムとを有するカメラの形式である場合には、センサによって観察されたエリアの画像が獲得され得る。画像内の各画素に対して、この画素に画像化された物体の距離に関する位相情報が、提供され得る。結果として、エリアの画像が、センサに対する画像内の物体の距離に関する情報と共に獲得され得る。このように、処理ユニットは、距離センサの距離信号から、観察されたエリア内の1つ以上の物体の距離および/または位置を導き出し得る。距離センサは、車両のテールランプによって放射された変調された光を検出するために車両の後部に据え付けられ得るか、もしくは車両の室内灯によって放射された変調された光を検出するために車両の室内に据え付けられ得るか、または車両のヘッドライトによって放射された光を検出するために車両の前部、例えば、フロントガラスの下に据え付けられ得る。検出された物体は、前方または後方の別の車両、車両の近くの人、道路わきの木、縁石もしくは支柱、または車両の中の物体、例えば、乗客、荷物、または他の物体を含み得る。さらに、運転手補助システムが提供され得、該運転手補助システムは、処理ユニットによって、1つの物体または複数の物体の距離および/または位置に関する情報を供給される。このように、変調された光を用いて車両の周囲を照明し、変調された光を検出し、そして、検出された光から距離情報を導き出すことによって、運転手は、運転手補助を提供され得る。例えば、かかるシステムは、適応性自動速度制御装置を備え得、該適応性自動速度制御装置は、車両を一定の速度に維持し、車両が別の車両に接近しているときには、適応性自動速度制御装置は、車両の速度を落とし、それにより、2台の車両間で、一定の距離が維持される。他の運転手補助機能は、車両が障害物に衝突する前に適用される自動緊急ブレーキ、または歩行者保護を含み得る。
【0016】
例えば、距離センサは、フォトニックミキサデバイスであり得る。かかるデバイスは、例えば、160画素x120画素の解像度を有する画像と、150メートルの固有の範囲を有する距離情報とを提供し得るという利点を有する。別の実施形態において、距離センサは、飛行時間の原理に基づいた任意の3Dカメラであり得る。上記の距離センサは小型であり、かつ、比較的低コストで入手可能であるという利点を有する。
【0017】
本発明の別の局面において、車両照明システムは、放射された光が、所定の情報を送信するために、所定の情報に依存して変調されるように、光の変調を制御する情報処理ユニットを有する車両情報伝送システムを備えている。
【0018】
一実施形態に従って、例えば、情報は、ステータス検出ユニットによって取得され得る車両のステータスに関する情報を含み得る。次に、情報処理ユニットは、信号を変調ユニットに送信し、該信号が、所定の方法で、変調ユニットに、放射された信号を変調させる。光の変調は、1つの周波数を用いた変調のように単純であり得るが、光の変調は、より複雑な周波数変調、または位相シフト変調なども含み得る。次に、このように変調された光は、情報を伝送するために光源によって放射される。次に、情報を含む変調された光は、別の車両、または固定局などによって検出され得る。好適には、車両照明システムはさらに、変調された光を検出し、光信号を出す検出器をさらに備え、情報処理ユニットは、受信された情報を獲得するために、光信号を復調する。次に、同様な方法で別の車両によって放射され、かつ、情報を含む変調された光は、検出器によって検出され、情報処理ユニットによって復調されることにより、情報を引き出し得る。そのために、別の車両に配置された実質的に同様な車両照明システムが、放射された変調された光を受信し、検出器によって受信された変調された光を放射し、それにより2台の車両間の情報伝送が可能にされる。伝送された情報は、非常に単純な情報、例えば、車両のうちの1つがブレーキをかけているという情報を含み得るか、または伝送された情報は、より複雑な情報、例えば、車両のステータス情報を含み得る。例として、ステータス検出ユニットが提供され得、車両の速度および/または車両の速度の変化を検出し、送信された情報は、車両の速度および/または車両の速度の変化に関する情報を含む。これは、変調された光を車両照明システムによって放射することによって、別の車両が、車両の現在の速度、または車両の加速度もしくは減速度に関して知らされ得るという利点を有する。次に、この情報を受信し、情報を伝送している車両の後方を走っている別の車両が、車両の速度に速度を適応させ得、それにより安全な距離が2台の車両間で自動的に維持され得る。同様に、車両の前方を走っている別の車両によって放射された変調された光が検出され復調されることにより、情報を引き出し得る。一実施形態に従って、運転手補助システムが提供され、受信された情報の少なくとも一部分が、運転手補助を提供するために運転手補助システムに供給される。受信された情報が前方の車両の速度を含む場合には、運転手補助システムが、それに応じて安全な距離を維持するために車両の速度を調節し得る。
【0019】
一実施形態において、ステータス検出ユニットが、所定の減速度で車両がブレーキをかけていることを検出したときには、放射された光が、所定周波数を用いて変調され得る。車両の運転手が非常に強くブレーキをかけた場合には、ステータス検出ユニットは、この情報を情報処理ユニットに与え、該情報処理ユニットが変調を制御し、それにより所定の周波数を用いて変調された光が車両照明システムによって放射される。次に、この光が次の車両によって検出され分析され得る。所定の周波数を用いた光の変調が検出されたときには、他の車両のシステムが、前方の車両が非常に強くブレーキをかけているということを知る。次に、他の車両のシステムは、緊急ブレーキを始動する運転手補助システムに情報を供給するなど行動を開始し得る。かかる配置は、車両間で、変調された光によって情報を伝送することによって、深刻な事故が防がれ得るという利点を有する。なぜならば、車両間の安全な距離と、緊急ブレーキに対する素早い反応時間とが確実にされるからである。
【0020】
別の車両によって放射された変調された光を検出する検出器は、距離センサ、例えば、フォトニックミキサデバイスまたは3Dカメラであり得る。このように、1つのセンサだけが、情報伝送と距離測定との両方に対して提供される必要がある。例えば、距離測定システムが提供されない場合には、検出器は、単純な光検出器、例えば、フォトレジスタ、フォトダイオードなどであり得る。これは、システムのコストが低く維持されるという利点を有する。
【0021】
本発明の別の局面に従って、車両を照明する方法が提供され、該方法は、光源によって放射された光を用いて、車両の周囲、もしくは車両の室内、または両方を照明するステップと、変調ユニットを使用して、該光源の光の放射を変調するステップとを包含し、該放射された光は、光の変調が人によって実質的に知覚不可能なように充分に高い周波数を用いて変調される。これが意味することは、周波数が、光源のフリッカリングが人には見えないような充分な高さであるということである。知覚される光源の強度の低下が、変調によって達成され得るが、それが、光の周波数変調を人が知覚不可能なものにする。光の放射は、ヘッドライトおよび/またはテールランプのそれぞれによって、車両の前方のエリアおよび/または車両の後方のエリアを照明するために使用され得るものであり、ヘッドライトとレールランプとは、発光ダイオードを備えている。光の放射は、さらに、車両の室内灯によって車両の室内を照明するために使用され得、該車両の室内灯は、発光ダイオードを備えている。光が実質的に人には知覚不可能な周波数を用いて変調される限り、かかる照明の任意の組み合わせが可能である。車両を照明するかかる方法は、車両の照明と、他の用途、例えば、距離測定システムまたは情報伝送システムと組み合わせて使用され得る光源との両方が提供されるという利点を有する。
【0022】
一実施形態に従って、方法は、光源によって放射され、物体によって反射された変調された光を、距離センサによって検出するステップをさらに包含し得、該距離センサは、物体の距離に関する距離信号を生成する。次に、距離信号は、物体の距離および/または位置に関する情報を獲得するために、距離処理ユニットによって処理され得る。距離センサが複数の画素を含む場合には、複数の物体の距離および/または位置が同時に検出され得る。次に、物体の距離および/または位置に関する情報は、運転手補助を提供するために運転手補助システムに供給され得る。運転手補助を提供することは、車両を減速するステップと、緊急ブレーキを始動するステップ、道路上の物体または車両に非常に近接した物体に関する視覚情報または聴覚情報を運転手に提供するステップ、例えば、暗視用途のための表示システム上で物体を強調するステップ、または適応性自動速度制御システムによる車両の自動速度調整を提供するステップなどのステップを包含し得る。物体の距離および/または位置に関する情報は、乗客保護器具の配備を制御するために、乗客保護システムにも供給され得る。かかる乗客保護器具は、例えば、拘束システムまたはエアバッグシステムなどであり得る。変調された光を車両の室内灯によって放射することによって、距離センサは、車両の客室の中の物体の位置および/または距離を検出し得る。車両の客室の一定の座席が乗客に使用されていないということが検出された場合には、衝突の際、エアバッグは、当該位置に対しては作動され得ない。同様に、小さな物体だけが座席位置において検出された場合には、乗客保護システムは、例えば、ベビーシート内の子供を傷つけないように、エアバッグを当該位置に配備しないことを決定し得る。距離測定システムと組み合わせて、変調された光を客室の中に提供することによって、乗客の安全性が向上され得る。
【0023】
別の実施形態に従って、方法は、さらに、放射された光が、所定の情報を送信するために、所定の情報に依存して変調されるように、情報処理ユニットによって光の変調を制御するステップをさらに包含し得る。光が特定の情報を送信するために変調される方法が、例えば、基準によって事前に決定されなければならない。例えば、一定の変調周波数が、車両の一定の減速度に対応し得る。情報処理ユニットは、送信される情報を受信し、基準に従って、この情報を用いて光を変調する。好適な実施形態において、変調の制御は、車両が所定の減速度でブレーキをかけているときには、光が所定の周波数を用いて変調されるように行われる。例として、光は、距離測定に対しては、5MHz、10MHzおよび20MHzにおいて変調され、車両に強くブレーキをかけたことを示すことに対しては、8MHzにおいて変調され得る。かかる変調は、非常に単純であり、次の車両によって容易に拾い上げられ得、それから、該次の車両は必要な行動を取り得る。このように、車両を照明するための好適な実施形態の方法は、緊急ブレーキに対する反応時間が減少され、それにより事故の数を減少させるという利点を有する。
【0024】
別の実施形態に従って、方法はさらに、別の車両に配置された実質的に同様な車両照明システムによって放射された変調された光を、光信号を出す検出器によって検出するステップと、受信された情報を獲得するために情報処理ユニットを使用して光信号を復調するステップとをさらに包含する。受信された情報は、さらに、運転手補助システムに供給され得、受信された情報は、検出された変調された光が生じた車両の速度および/または速度の変化に関する情報を含む。複数の車両内に、変調された光を放射する光源と検出器とを備えているかかるシステムを提供することによって、これらの車両間での情報の交換が可能にされる。車両間で、速度および/または速度の変化に関する情報を交換することが特に有益である。なぜならば、このように、これらの車両に提供される運転手補助システムは、他の車両に対して一定の距離を維持するために、または他の車両の速度に応じて車両の速度を変化させるためにこの情報を使用し得るからである。さらに、かかるシステムを装備された複数の車両が互いに後方を走っている場合、かつ、前方の車両がブレーキをかけた場合には、車両の列の中の最後の車両がこの情報を受信するまで、その情報は、次の車両に送信され得、該車両が、この情報を次の車両に中継するなどを行う。車両照明システムによって放射された光は、信号の干渉および信号の誤った解釈を防ぐために、異なる車両に対しては、わずかに異なる周波数において変調され得る。情報は、好適には、直接的に互いに後方を走っている2台の車両間で伝送され、ほとんどの状況において、車両の前部/後部における検出器が、他の車両のテールランプ/ヘッドライトの形式それぞれの光源の視野の直線上にあるので、良好な情報伝送が確実にされる。かかる状況において、どの車両から、検出された変調された光が生じたかもまた、検出された変調された光信号の振幅と、検出器の位置とによって決定され得る。本発明の実施形態および局面の特徴が組み合わされ得る。
【0025】
本発明のこれらの局面および他の局面は、本明細書において以下で記述される実施形態から明らかになる。詳細な記述と図面とは、限定ではなく、単なる例示である。
【0026】
例えば、本発明は以下を提供する。
【0027】
(項目1)
車両照明システムであって、
車両の周囲、もしくは該車両の室内、または両方を照明するための光を放射する光源と、
該光源の光の該放射を変調する変調ユニットであって、該放射された光は、該光の該変調が人によって実質的に知覚不可能なように充分に高い周波数を用いて変調される、変調ユニットと
を備えている、車両照明システム。
【0028】
(項目2)
上記光源は、車両のヘッドライト、もしくは車両のテールランプ、もしくは車両の室内灯、またはそれらの組み合わせであり、各光源は、自身の独立した変調を有し得ることを特徴とする、項目1に記載の車両照明システム。
【0029】
(項目3)
上記光源は、実質的に上記車両の前方のエリアを照明する発光ダイオードを有する車両のヘッドライトを含むことを特徴とする、項目1に記載の車両照明システム。
【0030】
(項目4)
上記光源は、実質的に上記車両の後方のエリアを照明する発光ダイオードを有する車両のテールランプを含むことを特徴とする、項目1に記載の車両照明システム。
【0031】
(項目5)
上記光源は、可視波長範囲において光を放射する複数の発光ダイオードを備えていることを特徴とする、項目1に記載の車両照明システム。
【0032】
(項目6)
上記光源は、複数の赤外線発光ダイオードを備えていることを特徴とする、項目1に記載の車両照明システム。
【0033】
(項目7)
電力増幅器をさらに備え、該電力増幅器は、変調ユニットから変調信号を受信し、上記光源の上記光の放射を変調することを特徴とする、項目1に記載の車両照明システム。
【0034】
(項目8)
上記放射された光は、0.1MHz〜50MHzの範囲、好適には、1MHz〜25MHzの範囲にある1つの周波数を用いて変調されることを特徴とする、項目1に記載の車両照明システム。
【0035】
(項目9)
上記放射された光は、0.1MHz〜50MHzの範囲、好適には、1MHz〜25MHzの範囲にある複数の周波数を用いて変調されることを特徴とする、項目1に記載の車両照明システム。
【0036】
(項目10)
上記光源によって放射され、かつ、物体によって反射された変調された光を検出する距離センサを有する、車両の距離測定システムをさらに備え、該距離センサは、該物体の距離に関する距離信号を生成することを特徴とする、項目1に記載の車両照明システム。
【0037】
(項目11)
上記物体の距離および/または位置に関する情報を獲得するために、上記距離センサからの上記距離信号を受信および処理する距離処理ユニットをさらに備えていることを特徴とする、項目10に記載の車両照明システム。
【0038】
(項目12)
上記距離処理ユニットによって、上記物体の上記距離および/または上記位置に関する上記情報を供給される運転手補助システムをさらに備えていることを特徴とする、項目11に記載の車両照明システム。
【0039】
(項目13)
上記距離センサは、フォトニックミキサデバイスであることを特徴とする、項目10に記載の車両照明システム。
【0040】
(項目14)
上記距離センサは、飛行時間の原理に基づいた3Dカメラであることを特徴とする、項目10に記載の車両照明システム。
【0041】
(項目15)
上記放射された光が、所定の情報を送信するために、該所定の情報に依存して変調されるように、該光の変調を制御する情報処理ユニットを有する情報伝送システムをさらに備えることを特徴とする、項目1に記載の車両照明システム。
【0042】
(項目16)
上記変調された光を検出し、光信号を出す検出器をさらに備え、上記情報処理ユニットは、受信された情報を獲得するために、該光信号を復調することを特徴とする、項目15に記載の車両照明システム。
【0043】
(項目17)
運転手補助システムをさらに備え、上記受信された情報の少なくとも一部分は、運転手補助を提供するために該運転手補助システムに供給されることを特徴とする、項目16に記載の車両照明システム。
【0044】
(項目18)
別の車両に配置された実質的に同様な車両照明システムが、上記放射された変調された光を受信し、上記検出器によって受信された変調された光を放射するように構成され、それにより2台の車両間の情報伝送が可能にされるということを特徴とする、項目16に記載の車両照明システム。
【0045】
(項目19)
上記車両の速度、および/または該車両の速度の変化を検出するステータス検出ユニットをさらに備え、送信される情報は、該車両の速度、および/または該車両の速度の変化に関する情報を含むことを特徴とする、項目15に記載の車両照明システム。
【0046】
(項目20)
ステータス検出ユニットをさらに備え、該ステータス検出ユニットが、所定の減速度で上記車両にブレーキをかけていることを検出したときには、上記放射された光が所定の周波数を用いて変調されることを特徴とする、項目15に記載の車両照明システム。
【0047】
(項目21)
上記検出器は、距離センサ、例えば、フォトニックミキサまたは3Dカメラであることを特徴とする、項目16に記載の車両照明システム。
【0048】
(項目22)
上記検出器は、光検出器であることを特徴とする、項目16に記載の車両照明システム。
【0049】
(項目23)
車両を照明する方法であって、
光源によって放射された光を用いて、車両の周囲、もしくは該車両の室内、または両方を照明するステップと、
変調ユニットを使用して、該光源の光の該放射を変調するステップであって、該放射された光は、該光の変調が人によって実質的に知覚不可能なように充分に高い周波数を用いて変調される、ステップと
を包含する、方法。
【0050】
(項目24)
上記光の放射は、それぞれヘッドライトおよび/またはテールランプによって、上記車両の前方のエリアおよび/または該車両の後方のエリアを照明するために使用され、該ヘッドライトと該テールランプとは、発光ダイオードを備えていることを特徴とする、項目23に記載の方法。
【0051】
(項目25)
上記光の放射は、発光ダイオードを備えている車両の室内灯によって上記車両の室内を照明するために使用されるということを特徴とする、項目23に記載の方法。
【0052】
(項目26)
上記光源によって放射され、物体によって反射された変調された光を、距離センサによって検出するステップをさらに包含し、該距離センサは、該物体の距離に関する距離信号を生成することを特徴とする、項目23に記載の方法。
【0053】
(項目27)
上記物体の距離および/または位置に関する情報を獲得するために、距離処理ユニットによって上記距離信号を処理するステップをさらに包含することを特徴とする、項目26に記載の方法。
【0054】
(項目28)
運転手補助を提供するために運転手補助システムに、上記物体の上記距離および/または上記位置に関する情報を供給するステップをさらに包含することを特徴とする、項目27に記載の方法。
【0055】
(項目29)
乗客保護器具の配備を制御するために乗客保護システムに、上記物体の距離および/または位置に関する情報を供給するステップをさらに包含することを特徴とする、項目27に記載の方法。
【0056】
(項目30)
上記放射された光が、所定の情報を送信するために、該所定の情報に依存して変調されるように、情報処理ユニットによって上記光の変調を制御するステップをさらに包含することを特徴とする、項目23に記載の方法。
【0057】
(項目31)
上記車両が所定の減速度でブレーキをかけているときには、上記光が所定の周波数を用いて変調されるように、上記変調を制御するステップが行われることを特徴とする、項目30に記載の方法。
【0058】
(項目32)
別の車両に配置された実質的に同様な車両照明システムによって放射された変調された光を、光信号を出す検出器によって検出するステップと、受信された情報を獲得するために上記情報処理ユニットを使用して該光信号を復調するステップとをさらに包含することを特徴とする、項目30に記載の方法。
【0059】
(項目33)
上記受信された情報を運転手補助システムに供給するステップをさらに包含し、該受信された情報は、上記検出された変調された光が生じた車両の速度および/または速度の変化に関する情報を含むことを特徴とする、項目32に記載の方法。
【0060】
(項目34)
車両距離測定システムであって、
−車両の周囲、もしくは該車両の室内、または両方を照明するために、可視波長範囲で光を放射する複数の発光ダイオードを有する光源と、
−該光の変調が人によって実質的に知覚不可能なように充分に高い周波数を用いて、該光源によって該光の放射を変調する変調ユニットと、
−該光源によって放射され、物体によって反射された変調された光を検出し、該物体の距離に関する距離信号を生成する距離センサと、
−該距離信号に基づいて、運転手補助を提供する運転手補助システムと
を備えている、車両距離測定システム。
【0061】
(項目35)
上記光源は、車両のヘッドライト、車両のテールランプ、および車両の室内灯のうちの少なくとも1つである、項目34に記載の車両距離測定システム。
【0062】
(項目36)
車両に対する通信システムであって、
−車両の周囲、もしくは該車両の室内、または両方を照明するために、可視波長範囲で光を放射する複数の発光ダイオードを有する光源と、
−該光の変調が人によって実質的に知覚不可能なように充分に高い周波数を用いて、該光源によって該光の放射を変調する変調ユニットと、
−該放射された光が、所定の情報を送信するために、該所定の情報に依存して変調されるように上記光の変調を制御する情報処理ユニットを有する車両情報伝送システムと、
−別の車両によって放射された変調された光を検出し、該検出された変調された光に含まれる受信された情報を獲得するために、該情報処理ユニットによって復調された光信号を出す検出器と、
−該受信された情報に基づいて、運転手補助を提供する運転手補助システムと
を備えている、通信システム。
【0063】
(項目37)
上記送信された情報は、上記車両の速度の変化に関する情報を含み、上記受信された情報は、上記別の車両の速度の変化に関する情報を含む、項目36に記載の通信システム。
【0064】
(項目38)
車両照明システムであって、
−車両の周囲、もしくは該車両の室内、または両方を照明するために、可視波長範囲で光を放射する複数の発光ダイオードを有する光源と、
−該光の変調が人によって実質的に知覚不可能なように充分に高い周波数を用いて、該光源によって該光の放射を変調する変調ユニットと、
−光を検出するために飛行時間の原理に基づいたフォトニックミキサデバイスまたは3Dカメラの形式の検出器と、
−該光源によって放射され、物体によって反射された光を検出することに応答して、該検出器によって生成された距離信号に基づいて、該物体までの距離を決定する距離測定ユニットであって、該光は、第1の周波数において変調される、距離測定ユニットと、
−所定の情報を送信するように構成された情報伝送ユニットであって、該情報伝送ユニットは、該変調ユニットを制御し、それにより放射された光が、該所定の情報に依存して、該第1の周波数とは異なる第2の周波数で変調され、該伝送ユニットは、別の車両によって放射された変調された光を検出することに応答して、該検出器によって出される光信号を復調することによって情報を受信するようにさらに構成されている、情報伝送ユニットと
を備えている、車両照明システム。
【0065】
(摘要)
車両照明システムであって、車両の周囲、もしくは車両の室内、または両方を照明するための光を放射する光源と、該光源の光の放射を変調する変調ユニットであって、放射された光は、光の変調が人によって実質的に知覚不可能なように充分に高い周波数を用いて変調される、変調ユニットとを備えている、車両照明システム。
【発明を実施するための最良の形態】
【0066】
図1は、変調ユニット101と、光源102と、電力増幅器103とを備えている車両照明システム100を示す。光源102と電力増幅器103とは、照明ユニット104内に含まれる。光源102は、発光ダイオード105を備えている。変調ユニット101もまた照明ユニット104の一部分であり得る。照明ユニット104が車両を照明するために車両上の異なる位置に含まれ得るように、照明ユニット104は構成されかつ形作られ得る。例えば、照明ユニット104は、実質的に車両の前方のエリアを照明するヘッドライトとして、もしくは車両の後方のエリアを照明するテールランプとして、または車両の室内を照明する室内灯として形成され得る。従って、複数の車両照明システム100が車両内に配置され得る。照明システム100が利用され得る他の用途は、フォグランプ、ハイビーム、方向指示灯、ブレーキランプ、後退灯、および車両に配置される他の光源、ならびにそれらの組み合わせである。
【0067】
変調信号は、変調ユニット101によって電力増幅器103に供給される。例えば、変調信号は、20MHzのAC信号の形式であり得るか、または好適には、0.1MHz〜50MHzの範囲にあるその他任意の高周波変調された信号の形式であり得る。電力増幅器103は、概して、光源102の発光ダイオード105に電流と電圧とを提供し、それにより発光ダイオード105が、主に可視波長スペクトルにおいて光を放射することにより、車両を照明する。従来の車両照明システムにおいて、一定の電力が発光ダイオード105に提供されるか、または電力は、例えば、方向指示灯において、非常に低い周波数を用いて、定期的にオンとオフとを切り替えられる。このように、従来の照明システムの唯一の目的は、車両を照明することであるか、または他の車両に対して表示することである。本実施形態のシステムを用いると、電力増幅器103は、変調ユニット101から受け取った変調信号を用いて、光源102に対する電力の供給を調節する。従って、発光ダイオード105によって放射された光は、例えば、20MHzで変調される。かかる高周波を用いた変調は、人によって知覚できない。発光ダイオード105は、かかる用途にとって特に有利である。なぜならば、発光ダイオードは非常に素早く切り替えられ得るからである。ここで、車両照明システム100によって放射された光は、いくつかの機能を果たし得る。車両照明システム100は、依然として、車両の周囲または室内を照明し得、車両照明システム100はさらに、変調された光源を必要とする他のシステム、例えば、距離測定システムまたは情報伝送システムによって光源として使用され得る。変調に依存して、光源102の輝度は、変調された光を提供しない類似の光源の輝度よりも低くなり得る。輝度のかかる低下は、多数の発光ダイオード105を使用することによって補償され得る。
【0068】
車両照明システム100は、大規模な改変を必要とすることなく、現在の車両に容易に組み込まれ得る。なぜならば、現在の車両は、多くの場合に、発光ダイオード照明システムを既に備えているからである。このように、システムの組み込みは、費用効果が高く、ほんのわずかな追加の空間しか必要としない。ますます多くの国々において、現在、車両のヘッドライトとテールランプとを恒久的に点灯することが必要とされている。このように、車両が動いているときには、距離測定または情報伝送のために変調された光が常に提供される。あるいは、車両が動いている間に、車両の照明が消されたときに、追加の赤外線発光ダイオードが、距離測定および/または情報伝送のために変調された赤外線を提供するように、光源102に提供され得る。
【0069】
図1のシステムが、図1に示されていないコンポーネント、例えば、変調ユニット101を制御するシステム、電力増幅器103に電力を供給する電源などをさらに備え得るということは、当業者には明らかである。
【0070】
図2において、車両照明システム200が示されており、該車両照明システム200は、変調ユニット201と、光源202と、電力増幅器203とを備えており、光源と電力増幅器とは、照明ユニット204内に組み込まれ、光源は、さらに、発光ダイオード204を備えている。距離センサ206が、基準信号として変調ユニット201から変調信号を受信する。発光ダイオード205によって放射された変調された光は、例えば、車両の前方のエリアを照明し、それにより、光が、道路上の物体または道端の物体、例えば、前方の別の車両または道路わきの木に反射される。光は、光源202から物体に移動し、距離センサ206に戻るために一定量の時間を必要とする。従って、基準信号として供給された変調信号と検出された光の変調との間に位相シフトが存在する。距離センサ206は、位相シフトに比例する信号を生成し、従って光が移動した距離に比例する信号を生成する。距離センサ206は、画素のアレイと光学素子とを備え得、それにより、各画素に対して利用可能な距離情報を用いて、距離センサが照準を定めたエリアから、画像が獲得される。かかる距離センサの例は、the Swiss CSEM Inc.による固体飛行時間範囲カメラ、またはPMD technologiesによって製造されたようなPMD 3D video range cameraなどである。かかる距離センサは、わずかな空間を必要とするだけであり、車両の前方のエリアに照準を定めるために車両のフロントガラスの後に据え付けられ得るか、もしくは車両の後方のエリアに照準を定めるために車両の後部に据え付けられ得るか、または客室の中の物体を検出するために客室内のある場所に据え付けられ得る。現代の車両は、多くの場合に、いくつかのカメラシステム、例えば、6台の別々のカメラを既に備えている。
【0071】
光の一定の変調周波数が、一定の範囲に関連付けられ、該一定の範囲において、固有の距離信号が距離センサから獲得され得る。物体があまりにも遠い場合には、大きな位相シフトが生じ得、距離センサは、もはや物体の距離を固有に識別し得ないという結果をもたらす。従って、異なる変調周波数が、光源202による光の放射を変調するために使用され得、それにより所望の距離測定範囲が達成される。1MHzを用いた変調に対して、変調の波長は、300メートルであり、150メートルの有効距離測定範囲をもたらす。16MHzの変調に対して、範囲は、9.4メートルである。従って、車両内の使用に対しては、変調周波数はより高くなり得、一方、車両の周囲を照明することに対しては、より低い変調周波数が好ましくなり得る。あるいは、光は、複数の周波数を同時にまたは交互に用いて変調され得る。例えば、5MHz、10MHzおよび20MHzを用いた変調が、距離測定のために使用され得る。システムは、距離測定に対する周波数と同様な光変調周波数を使用して、別の車両が距離測定システムを装備されているかをも検出し得る。かかる場合において、変調周波数は転移させられ得る。
【0072】
距離信号が、距離センサ206によって、距離処理ユニット207に提供される。距離センサ206と距離処理ユニット207とは、1つのモジュールの中に備えられ得る。距離処理ユニット207は、距離センサ206によってモニタリングされたエリアの画像を獲得するために、距離信号を処理し得、次に、該画像が、表示された物体の距離に関連する情報と共に、車両の運転手に表示され得る。概して、車両の形状、ならびに光源202の位置、および距離センサ206の位置が分かっているので、変調された光を車両の外周に反射させる物体の距離が、距離処理ユニット207によって計算され得る。距離情報を有する画像は、100MHzまでの周波数において記録され得る。これが、距離処理ユニット207が車両と物体との間の相対速度を決定することを可能にする。次に、かかる情報がドライバ補助システム208に提供され得る。ドライバ補助システム208は、車両の減速を開始したり、緊急ブレーキを始動したりなどをする。
【0073】
物体、特に、客室内の物体の位置および/または距離に関する情報が、乗客保護システム209に提供される。緊急の場合、例えば、衝突の場合、そこで、乗客保護システム209が保護器具、例えば、乗客の位置における拘束システムまたはエアバッグを作動させ得、該拘束システムまたはエアバッグに対して、距離処理ユニット207は、供給された距離信号から、乗客が存在するということを決定し得る。
【0074】
例えば、不適切な距離測定範囲の場合、または変調された光が別の車両の距離測定システムから検出された場合において、距離処理ユニット207は、さらに、変調周波数の調節が必要であるか否かを決定するために、距離センサ206によって提供される信号を分析し得る。次に、距離処理ユニット207は、変調ユニット201による放射された光の変調を制御し得る。
【0075】
距離センサ206は、さらに、信号を情報処理ユニット210に提供する。実質的に同様な車両照明システムを備えている別の車両が、車両の前方を走り、他の車両のテールランプによって放射された変調された光の形式で情報を発信し得る。次に、この変調された光もまた、距離センサ206によって検出される。複数の画素を含んでいる可能性のある単純な強度の信号が、分析のために情報処理ユニット210に供給される。特定の周波数、例えば、8MHzを用いた変調は、特定の情報に対応し、例えば、前方の車両が強くブレーキをかけているという情報に対応し得る。次に、情報処理ユニット210は、8MHzの変調周波数が信号に含まれているか否かを決定するために、距離センサ206によって供給された信号を分析し得る。含まれる場合には、情報処理ユニット210は、前方の車両が強くブレーキをかけているという情報をドライバ補助システム208に提供し、該ドライバ補助システム208が適切な行動をとり得る。あるいは、より複雑な情報が、放射された光のより複雑な変調、例えば、複数の周波数変調または位相シフト変調によって、他の車両から受信され得る。例えば、その情報は、他の車両の速度を含むか、またはどのくらい速く他の車両の速度が変化しているかを含む。
【0076】
車両照明システム200はまた、情報を他の車両に送信し得る。情報処理ユニット210は、ステータス検出ユニット211から車両のステータスに関する情報を受信する。これは、非常に単純な情報であり得、例えば、一定のイベントが生じたという情報、例えば、車両が所定の減速度でブレーキをかけているという情報であり得る。さらに、情報は、より複雑な情報であり得、例えば、車両の速度、または車両の速度変化であり得る。情報処理ユニット210は、制御信号を変調ユニット201に送信し、該変調ユニット201は、対応する変調信号を生成する。変調信号は、所定の基準に従って生成され、それにより他の車両の情報伝送システムが、受信された信号を認識し復調し得る。情報処理ユニット210と距離処理ユニット207とは、処理モジュール212の中に備えられ得、該処理モジュール212は、情報処理ユニット210の変調制御信号と、距離処理ユニット207の変調制御信号とを組み合わせ、これらを変調ユニット201に提示し得る。あるいは、情報処理ユニット210と距離処理ユニット207とは、両方とも、制御信号を変調ユニット201に供給し得、次に、該変調ユニット201は、いくつかの変調周波数を用いて変調信号を生成し得る。
【0077】
車両照明システム200は、いくつかの利点を有する。車両の照明と、距離測定および情報伝送のための変調された光とを提供するために、1つの光源だけが必要である。また、距離測定と情報伝送とに対して、1つの距離センサ206だけが必要である。結果として、結果として、システムは、比較的に小型になり、かつ、費用効果が高くなる。特に、現在の車両は、既に、発光ダイオードの形式で光源を提供されているので、車両照明システム200を組み込む追加の費用が減少される。
【0078】
車両を照明するための方法の実施形態の流れ図が、図3に示されている。第1のステップ301において、変調周波数が設定される。例えば、変調周波数は、距離処理ユニット207によって決定され得、該距離処理ユニット207は、制御信号を変調ユニット201に供給する。次に、所定の変調周波数を有する変調信号は、変調ユニット201よって生成される。次のステップ302において、変調信号が、出力増幅器、例えば、出力増幅器203に供給される。出力増幅器は、電源、例えば、車両のバッテリに接続され、事前に設定された周波数を用いて高いAC電流を生成する。電流は、光源、例えば、発光ダイオード205を駆動するために使用される。次のステップ303において、車両の周囲が、変調された光を用いて照明され、該変調された光は、光源によって放射される。ここでもやはり、前方のエリア、または後方のエリア、もしくは車両の側方のエリアが照明され得るか、または車両の室内が照明され得る。次に、変調された光が物体によって反射される。かかる物体は、別の車両、道路わきの木、車両のそばの縁石、または車両の内側の物体などであり得る。概して、変調された光の一部分は、車両に戻るように反射される。次のステップ304において、反射された変調された光が、距離センサを用いて検出される。変調された光を放射するいくつかの光源が、車両内に提供される場合には、距離センサは、それらの光源のそれぞれに対して提供され得る。距離センサは、車両の前部、車両の後部、車両の側部、または車両の室内に提供され得る。距離センサは、反射された光を検出し、概して、変調された信号の形式で基準信号も提供される。距離センサは、距離センサの複数の画素によって検出された光の振幅および位相の情報を備えている距離信号を作成する。物体の距離および/または位置は、実質的にステップ305において計算される。距離信号が評価され得、距離センサの視野内の物体と、車両の距離とが識別され得る。次に、ステップ306において、距離および/または位置の情報が、運転手補助システムまたは乗客保護システムに供給される。上に記述されたように、これらのシステムは、供給された情報に従って必要な行動を取り得る。
【0079】
図4は、車両を照明するための方法の別の実施形態の流れ図を示す。第1のステップ401において、車両のステータス情報が、例えば、ステータス検出ユニット211によって引き出される。引き出されたステータス情報に依存して、ステップ402において、変調周波数が決定される。変調周波数は、車両の速度、または車両の加速度/減速度に基づいて決定され得るか、または所定の変調周波数が、特定のイベントに対して設定され得る。情報処理ユニット208は、ステータス検出ユニット211によって供給された情報に基づいて変調周波数を決定し得、次に、制御信号を変調ユニット201に送信し得、該制御信号は、決定された制御周波数を含む。次に、変調ユニット201は、制御信号に従って、変調信号を合成する。次のステップ403において、変調信号が電力増幅器に供給される。次に、電力増幅器は、電力を光源、例えば、発光ダイオード205に供給し、該光源は、変調信号を用いて変調される。次に、ステップ404において、車両の周囲が変調された光を用いて照明される。変調された光は、車両の周囲を照明することと、車両のステータス情報を提供することとの両方を行い、車両のステータス情報に従って、光は変調される。別の車両における対応するシステムが、変調された光を検出し得、車両のステータス情報を引き出し得る。他の車両もまた、変調された光によってステータス情報を供給する。次のステップ405において、他の車両からの変調された光が、例えば、単純な光検出器または距離センサ206を使用することによって検出される。次に、ステップ406において、変調された光を検出する検出器によって生成された光信号が、他の車両によって送信されたステータス情報を引き出すために、例えば、情報処理ユニット210によって復調される。ステップ407において、次に、検出された信号から引き出された情報が、運転手補助システムに供給される。運転手補助システムは、ここで必要な行動を行い得る。検出された光が、前方の車両から受信され、車両が強くブレーキをかけているという情報を含む場合には、運転手補助システムは、例えば、車両のブレーキをかけることを開始し得るか、もしくは緊急ブレーキを引くことさえも開始し得るか、または運転手補助システムは、運転手に警告を与え得る。従って、図4の方法を用いると、車両の周囲または車両の室内の照明、および異なる車両間でのデータの交換が、提供される。
【0080】
図5は、2台の車両における、図2のシステムと同様な車両照明システムの使用を例示する。第1の車両500は、2つのヘッドライト501およびヘッドライト501と、2つのテールランプ502およびテールランプ502と、フロント距離センサ503と、リア距離センサ504と、信号処理コンポーネント505とを備えている。ヘッドライト501とテールランプ502とはそれぞれ、発光ダイオードと出力増幅器とを有する光源を備え得る。信号処理コンポーネント505は、例えば、情報処理ユニットまたは距離処理ユニット、ならびにステータス検出ユニット、運転手補助システム、および乗客保護システムコンポーネントなどのコンポーネントを備え得る。第2の車両520は、同様に、ヘッドライト521およびヘッドライト521と、テールランプ522およびテールランプ522と、フロントセンサ523と、リアセンサ524と、信号処理コンポーネント525とを提供される。変調ユニットは、信号処理コンポーネント505、520、またはヘッドライト501、521/テールランプ502、522のいずれかにおいて備えられている。
【0081】
両方の車両のヘッドライト501、521およびテールランプ502、522が、車両の前方のエリア/車両の後方のエリアをそれぞれ照明するために使用される。既に、いくつかの国においては、昼間に車両のライトを点灯することが義務となっているので、これは昼間でさえも事実となり得る。ヘッドライトおよびテールランプによって放射された光が変調され、それにより、変調された光が距離測定のために使用され得る。第1の車両の前方の物体、第1の車両の後方の物体、または第1の車両の側方の物体によって反射された光は、フロントセンサ503またはリアセンサ504のいずれかによって検出され、また、第2の車両に関しては、フロントセンサ523およびリアセンサ524のいずれかによって検出される。従って、第2の車両520の距離測定システムは、ヘッドライト521によって放射され、第1の車両500を反射され、そしてフロントセンサ523によって検出された変調された光によって、第1の車両500に対する距離を決定し得る。第1の車両500の距離測定システムと第2の車両520の距離測定システムとの両方の間の干渉を防止するために、システムは、異なる変調周波数を使用し得る。距離測定のために、第1の車両500のヘッドライトと第2の車両520のヘッドライトとから放射された変調された光を使用することによって、第1の車両は、運転経路内の危険な物体を識別するか、または道端における危険の可能性を識別し得、該危険な物体または危険の可能性に関して、第1の車両の運転手は警告され得るか、または適切な行動が第1の車両の運転手補助システムによって取られ得、一方、第2の車両は、第1の車両に対する距離のあらゆる変化を正確に決定することを可能にされ、それにより、第2の車両は、例えば、運転手補助システムによって、第1の車両に対して安全な距離を自動的に維持し得る。
【0082】
さらに、第1の車両が強くブレーキをかけた場合には、第1の車両500のヘッドライト501とテールランプ502とによって放射された光は、距離測定に対する変調周波数とは異なる所定の周波数において変調される。主に、テールランプ502によって放射された変調された光が、第2の車両520のフロントセンサ523によって検出され、分析され、所定の変調周波数が、検出された光に存在するということが決定される。この方法によって、第2の車両520は、第1の車両500が強くブレーキをかけたという情報を獲得する。このように、第2の車両520は、運転手補助システムに情報を送信し、該運転手補助システムが第2の車両に強くブレーキをかけ始めること、または運転手に対する警告を表示することなどの必要な行動をとり得る。さらに、第2の車両520によって放射された光もまた、当該の所定の周波数を用いて変調され、それにより第2の車両に続く車両もまた情報を獲得し得る。このように、情報が、車両の列の最初の車両から最後の車両まで中継され得る。全ての車両が、前方の車両が強くブレーキをかけたという情報を獲得するので、深刻な後端の衝突が防がれ得る。異なる車両の間で情報を伝送するために同じ変調周波数を使用することが可能である。なぜならば、この情報伝送が直接的に関連する状況においては、第1の車両のテールランプ502と、第2の車両のフロントセンサ523とが、視線の場所にあるからである。このように、フロントセンサ523は、主に、前方を走っている第1の車両のテールランプ502によって放射された光を検出する。第1の車両の前方を走り得る他の車両からの光は、非常に低い強度で受信されるだけであり、従って情報伝送を妨げ得ない。あるいは、異なる周波数が、異なる車両間に情報を伝送するために使用され得る。また、異なる周波数が、事前に定められた基準に従って異なる減速度を表示するために使用され得る。このように、第2の車両520は、どのくらいの強さで、第2の車両が、第1の車両500に対して安全な距離を維持するために、ブレーキをかけなければならないかを正確に理解する。本発明のさらなる実施形態が、車両が曲がる経路における危険な物体を検出するなどのために想定されており、例えば、車両間で、車両の速度などを含むより複雑なデータを伝送すること、または曲がるときに、インジケータによって放射された光を変調することが想定されている。
【0083】
要するに、本発明の車両照明システムは、現在の従来の車両に容易に組み込まれ得、大量の追加の空間を必要とすることなく、そして、比較的に費用効果の高い照明システムを提供する。本発明の車両照明システムはまた、非常に用途が広い。なぜならば、照明システムによって放射された光は、広い範囲の用途に使用され得る。
【0084】
本発明の特定の実施形態が、本明細書において開示されたが、様々な変更および改変が、本発明の精神および範囲を逸脱することなく行われ得る。本実施形態は、あらゆる点において、例示的なものあり、かつ、非限定的なものとして考慮されるべきであり、添付の特許請求の範囲の意味および均等な範囲に入る全ての変更が、本明細書に含まれることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】図1は、光源と、変調ユニットと、電力増幅器とを備えている照明ユニットの概略図である。
【図2】図2は、距離センサと、距離処理ユニットと、情報処理ユニットとを備えている照明システムの好適な実施形態の概略図である。
【図3】図3は、車両を照明するための方法の実施形態の流れ図を示す。
【図4】図4は、車両を照明するための方法の実施形態の流れ図を示す。
【図5】図5は、車両照明システムの実施形態を装備された2台の車両の上面図の概略図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両照明システムであって、
車両の周囲、もしくは該車両の室内、または両方を照明するための光を放射する光源と、
該光源の光の該放射を変調する変調ユニットであって、該放射された光は、該光の該変調が人によって実質的に知覚不可能なように充分に高い周波数を用いて変調される、変調ユニットと
を備えている、車両照明システム。
【請求項2】
前記光源は、車両のヘッドライト、もしくは車両のテールランプ、もしくは車両の室内灯、またはそれらの組み合わせであり、各光源は、自身の独立した変調を有し得ることを特徴とする、請求項1に記載の車両照明システム。
【請求項3】
前記光源は、実質的に前記車両の前方のエリアを照明する発光ダイオードを有する車両のヘッドライトを含むことを特徴とする、請求項1に記載の車両照明システム。
【請求項4】
前記光源は、実質的に前記車両の後方のエリアを照明する発光ダイオードを有する車両のテールランプを含むことを特徴とする、請求項1に記載の車両照明システム。
【請求項5】
前記光源は、可視波長範囲において光を放射する複数の発光ダイオードを備えていることを特徴とする、請求項1に記載の車両照明システム。
【請求項6】
前記光源は、複数の赤外線発光ダイオードを備えていることを特徴とする、請求項1に記載の車両照明システム。
【請求項7】
電力増幅器をさらに備え、該電力増幅器は、変調ユニットから変調信号を受信し、前記光源の前記光の放射を変調することを特徴とする、請求項1に記載の車両照明システム。
【請求項8】
前記放射された光は、0.1MHz〜50MHzの範囲、好適には、1MHz〜25MHzの範囲にある1つの周波数を用いて変調されることを特徴とする、請求項1に記載の車両照明システム。
【請求項9】
前記放射された光は、0.1MHz〜50MHzの範囲、好適には、1MHz〜25MHzの範囲にある複数の周波数を用いて変調されることを特徴とする、請求項1に記載の車両照明システム。
【請求項10】
前記光源によって放射され、かつ、物体によって反射された変調された光を検出する距離センサを有する、車両の距離測定システムをさらに備え、該距離センサは、該物体の距離に関する距離信号を生成することを特徴とする、請求項1に記載の車両照明システム。
【請求項11】
前記物体の距離および/または位置に関する情報を獲得するために、前記距離センサからの前記距離信号を受信し処理する距離処理ユニットをさらに備えていることを特徴とする、請求項10に記載の車両照明システム。
【請求項12】
前記距離処理ユニットによって、前記物体の前記距離および/または前記位置に関する前記情報を供給される運転手補助システムをさらに備えていることを特徴とする、請求項11に記載の車両照明システム。
【請求項13】
前記距離センサは、フォトニックミキサデバイスであることを特徴とする、請求項10に記載の車両照明システム。
【請求項14】
前記距離センサは、飛行時間の原理に基づいた3Dカメラであることを特徴とする、請求項10に記載の車両照明システム。
【請求項15】
前記放射された光が、所定の情報を送信するために、該所定の情報に依存して変調されるように、該光の変調を制御する情報処理ユニットを有する情報伝送システムをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の車両照明システム。
【請求項16】
前記変調された光を検出し、光信号を出す検出器をさらに備え、前記情報処理ユニットは、受信された情報を獲得するために、該光信号を復調することを特徴とする、請求項15に記載の車両照明システム。
【請求項17】
運転手補助システムをさらに備え、前記受信された情報の少なくとも一部分は、運転手補助を提供するために該運転手補助システムに供給されることを特徴とする、請求項16に記載の車両照明システム。
【請求項18】
別の車両に配置された実質的に同様な車両照明システムが、前記放射された変調された光を受信し、前記検出器によって受信された変調された光を放射するように構成され、それにより2台の車両間の情報伝送が可能にされるということを特徴とする、請求項16に記載の車両照明システム。
【請求項19】
前記車両の速度、および/または該車両の速度の変化を検出するステータス検出ユニットをさらに備え、送信される情報は、該車両の速度、および/または該車両の速度の変化に関する情報を含むことを特徴とする、請求項15に記載の車両照明システム。
【請求項20】
ステータス検出ユニットをさらに備え、該ステータス検出ユニットが、所定の減速度で前記車両にブレーキをかけていることを検出したときには、前記放射された光が所定の周波数を用いて変調されることを特徴とする、請求項15に記載の車両照明システム。
【請求項21】
前記検出器は、距離センサ、例えば、フォトニックミキサまたは3Dカメラであることを特徴とする、請求項16に記載の車両照明システム。
【請求項22】
前記検出器は、光検出器であることを特徴とする、請求項16に記載の車両照明システム。
【請求項23】
車両を照明する方法であって、
光源によって放射された光を用いて、車両の周囲、もしくは該車両の室内、または両方を照明するステップと、
変調ユニットを使用して、該光源の光の該放射を変調するステップであって、該放射された光は、該光の変調が人によって実質的に知覚不可能なように充分に高い周波数を用いて変調される、ステップと
を包含する、方法。
【請求項24】
前記光の放射は、それぞれヘッドライトおよび/またはテールランプによって、前記車両の前方のエリアおよび/または該車両の後方のエリアを照明するために使用され、該ヘッドライトと該テールランプとは、発光ダイオードを備えていることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記光の放射は、発光ダイオードを備えている車両の室内灯によって前記車両の室内を照明するために使用されるということを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記光源によって放射され、物体によって反射された変調された光を、距離センサによって検出するステップをさらに包含し、該距離センサは、該物体の距離に関する距離信号を生成することを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記物体の距離および/または位置に関する情報を獲得するために、距離処理ユニットによって前記距離信号を処理するステップをさらに包含することを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
運転手補助を提供するために運転手補助システムに、前記物体の前記距離および/または前記位置に関する情報を供給するステップをさらに包含することを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
乗客保護器具の配備を制御するために乗客保護システムに、前記物体の距離および/または位置に関する情報を供給するステップをさらに包含することを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記放射された光が、所定の情報を送信するために、該所定の情報に依存して変調されるように、情報処理ユニットによって前記光の変調を制御するステップをさらに包含することを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
前記車両が所定の減速度でブレーキをかけているときには、前記光が所定の周波数を用いて変調されるように、前記変調を制御するステップが行われることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
別の車両に配置された実質的に同様な車両照明システムによって放射された変調された光を、光信号を出す検出器によって検出するステップと、受信された情報を獲得するために前記情報処理ユニットを使用して該光信号を復調するステップとをさらに包含することを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記受信された情報を運転手補助システムに供給するステップをさらに包含し、該受信された情報は、前記検出された変調された光が生じた車両の速度および/または速度の変化に関する情報を含むことを特徴とする、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
車両距離測定システムであって、
−車両の周囲、もしくは該車両の室内、または両方を照明するために、可視波長範囲で光を放射する複数の発光ダイオードを有する光源と、
−該光の変調が人によって実質的に知覚不可能なように充分に高い周波数を用いて、該光源によって該光の放射を変調する変調ユニットと、
−該光源によって放射され、物体によって反射された変調された光を検出し、該物体の距離に関する距離信号を生成する距離センサと、
−該距離信号に基づいて、運転手補助を提供する運転手補助システムと
を備えている、車両距離測定システム。
【請求項35】
前記光源は、車両のヘッドライト、車両のテールランプ、および車両の室内灯のうちの少なくとも1つである、請求項34に記載の車両距離測定システム。
【請求項36】
車両に対する通信システムであって、
−車両の周囲、もしくは該車両の室内、または両方を照明するために、可視波長範囲で光を放射する複数の発光ダイオードを有する光源と、
−該光の変調が人によって実質的に知覚不可能なように充分に高い周波数を用いて、該光源によって該光の放射を変調する変調ユニットと、
−該放射された光が、所定の情報を送信するために、該所定の情報に依存して変調されるように前記光の変調を制御する情報処理ユニットを有する車両情報伝送システムと、
−別の車両によって放射された変調された光を検出し、該検出された変調された光に含まれる受信された情報を獲得するために、該情報処理ユニットによって復調された光信号を出す検出器と、
−該受信された情報に基づいて、運転手補助を提供する運転手補助システムと
を備えている、通信システム。
【請求項37】
前記送信された情報は、前記車両の速度の変化に関する情報を含み、前記受信された情報は、前記別の車両の速度の変化に関する情報を含む、請求項36に記載の通信システム。
【請求項38】
車両照明システムであって、
−車両の周囲、もしくは該車両の室内、または両方を照明するために、可視波長範囲で光を放射する複数の発光ダイオードを有する光源と、
−該光の変調が人によって実質的に知覚不可能なように充分に高い周波数を用いて、該光源によって該光の放射を変調する変調ユニットと、
−光を検出するために飛行時間の原理に基づいたフォトニックミキサデバイスまたは3Dカメラの形式の検出器と、
−該光源によって放射され、物体によって反射された光を検出することに応答して、該検出器によって生成された距離信号に基づいて、該物体までの距離を決定する距離測定ユニットであって、該光は、第1の周波数において変調される、距離測定ユニットと、
−所定の情報を送信するように構成された情報伝送ユニットであって、該情報伝送ユニットは、該変調ユニットを制御し、それにより放射された光が、該所定の情報に依存して、該第1の周波数とは異なる第2の周波数で変調され、該伝送ユニットは、別の車両によって放射された変調された光を検出することに応答して、該検出器によって出される光信号を復調することによって情報を受信するようにさらに構成されている、情報伝送ユニットと
を備えている、車両照明システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate