説明

車両燃料貯蔵用の軽量低温適合圧力容器

低温液体燃料又は圧縮気体燃料を、低温若しくは室温で弾力性をもって貯蔵するための軽量低温適合圧力容器。圧力容器は、燃料貯蔵容積を囲む内部圧力容器と、内部圧力容器を囲み、それとの間に真空スペースを形成する外部容器と、熱伝達を抑止するための真空スペースの内部圧力容器を囲む断熱材とを有する。さらに、燃料透過による真空損失を、例えば、燃料不透過材料の層を備える容器ライナを内張りし、真空スペースに透過した燃料を捕捉し、又は真空スペースから透過した燃料を除去することによって、真空スペースで実質的に抑止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流体貯蔵の応用例のための圧力容器に関する。さらに詳細には、本発明は、高効率代替燃料車両における、低温液体水素又は圧縮水素ガス等の代替燃料を、室温又は低温で、低温適合性及び弾力性をもって貯蔵するための軽量断熱圧力容器に関する。
【背景技術】
【0002】
米国政府は、ローレンスリバモア国立研究所の運用のための米国エネルギー省とカリフォルニア大学との間の契約番号W−7405−ENG−48による本発明の権利を有する。
【0003】
貯蔵タンク重量および体積の効率的な燃料貯蔵および関連事項は、おそらくは、水素又は天然ガスを燃料とする車等の軽量代替燃料の車両に関連する最も重要な問題である。
【0004】
軽量車両応用例のための圧力容器の重量を削減する1つの方法は、例えば、グラファイトエポキシ複合材から構成される圧縮気体貯蔵容器を内張りするために軽量ポリマーを使用する米国特許第5798156号に示されている。ライナは、透過率を許容できる低い値に減少させるためにポリマー層に固着させた低い透過性金属の薄層を含む。しかし、「156号特許」は気体圧力容器に限定され、そのような燃料の液化に必要となる温度より下の冷却温度を考慮も、また、開示も示唆もしていない。
【0005】
さらに、低圧低温貯蔵タンクも、そのコンパクトさと軽量のために使用されてきた。通常、従来の低圧低温貯蔵タンクは、低温液体(液体水素、LH又は液体天然ガスLNG等)を含む容器と、容器から間隔を置いて、それを囲むジャケットとから構成される。容器とジャケットの間のスペースは排気され、断熱媒体は、断熱媒体が蒸発および膨張することができる低温液体への熱伝達を抑止するようにその中に置かれる。残念なことに、低圧LHタンクの給油の間、および環境からの熱伝達による不活性期間の間、蒸発損失が起こる。さらに、特に低圧LH貯蔵の場合、相当の電気の量が水素を液化(水素の低位発熱量の約40%)するために必要とされる。これらの低圧低温貯蔵タンクと、本発明の高圧低温で断熱された圧力容器との間の差は、両方とも本明細書中に参照することにより組み込まれているThermodynamics of Insulated Pressure Vessels for Vehicular Hydrogen Storage,’’‘‘UCRL−JC−128388,June 1997,および International Journal of Hydrogen Energy 25(2000)の‘‘Analytical and Experimental Evaluation of Insulated Pressure Vessels for Cryogenic Hydrogen Storage,’’と題する出願人による文献中に述べられている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの態様は、低温流体又は圧縮気体等の流体を、低温又は室温で弾力性をもって貯蔵するための軽量低温適合圧力容器であって、貯蔵容積を囲む内部圧力容器と、内部圧力容器を囲み、それとの間に真空スペースを形成する外部容器と、貯蔵容積への熱伝達を抑止するために真空スペースの内部圧力容器を囲む断熱材と、内部圧力容器を通る流体透過による真空スペースでの真空損失を実質的に抑止する手段とを含み、それにより、低温液体又は圧縮気体を低温で貯蔵するとき、低温断熱を維持することができる圧力容器を含む。
【0007】
本発明の別の態様は、車両内に低温液体燃料又は圧縮気体を、低温又は室温で弾力性をもって貯蔵するための軽量低温適合圧力容器であって、燃料貯蔵容積を囲む内部圧力容器と、内部圧力容器を囲み、それとの間に真空スペースを形成する外部容器と、燃料貯蔵容積への熱伝達を抑止するために真空スペースの内部圧力容器を囲む断熱材と、内部圧力容器を通る燃料透過による真空スペースでの真空損失を実質的に抑止する手段とを含み、それにより、低温液体燃料又は圧縮気体燃料を低温で貯蔵するとき、低温断熱を維持することができる圧力容器を含む。
【0008】
本発明は、低温液体又は圧縮気体燃料等の燃料を、低温又は室温で弾力性をもって貯蔵することができる軽量低温適合圧力容器に向けられている。代替燃料の車両(AFV)等の燃料貯蔵の応用例の場合、圧力容器は、低温液体燃料(例えば、液体水素「LH」又は液体天然ガス「LNG」)および圧縮気体燃料(例えば、圧縮水素「CH」又は圧縮天然ガス「CNG」)を低温又は室温で貯蔵するように設計される。燃料補給オプションの選択は、運転範囲を最大にすることか、燃料コストを最小に抑えることか等様々な目的に適する貯蔵を最適化する働きをする。例えば、本発明の軽量低温適合圧力容器を、より大きい範囲を提供するが、満たすのによりコストのかかる低温液体水素、又はより短い範囲を提供するが、大幅にコストを削減する低温若しくは室温の圧縮水素ガスで満たすことができる。本発明の断熱された圧力容器は、室温のCH貯蔵の低いコストだがより大きい体積と、LH貯蔵のコンパクトさ、エネルギー強度および蒸発損失との間の釣り合いをとる。
【0009】
水素および天然ガスは、AFV適用例に使用されるための代替燃料のより一般的な例のうちの2つであるが、圧縮気体貯蔵および低温液体貯蔵に適した他の燃料を、使用することもできる。現在の議論では、水素が本発明の動作を一般的に示すために例示的燃料として使用される。さらに、軽量低温適合圧力容器の利点は、車両の貯蔵の応用例に対して容易に明白であるが、そのようなものだけに限定するものではない。本発明は、一般に、そのタイプの貯蔵される流体において柔軟性を必要とする任意の応用例に対して使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図面に戻って、図1は、重心軸1を有する軽量低温適合圧力容器100の第1の実施形態の長手方向断面図を示す。圧力容器100は、全体として、当技術分野の圧力容器設計の典型的なものであるような丸みのある楕円形半球の複数の端部を備える重心軸1に沿った細長い円筒構造を有する。さらに、圧力容器100は、貯蔵容積102を囲み、それを閉じる内部圧力容器103と、内部圧力容器103を囲み、それとの間に真空スペース105を形成する外部容器104とを含む。断熱された桟107が、内部容器103を分離し、それを外部容器104から吊して、それらの間の熱伝導を防ぐ。貯蔵容積102への、またそれからのアクセスは、内部圧力容器103および外部容器104を通って延びる入口ポート108および出口ポート109による。外部容器104は、その中に真空スペース105を支えることができる軽量で剛性の胴体構造であり、アルミニウム又はステンレス鋼が、その構造に使用するための例示的材料タイプである。
【0011】
特に車両の応用例において、重量が圧力容器で決定的に重要であることを考えれば、内部圧力容器103は、高い比強度を有する軽量で剛性の構造である。さらに、内部圧力容器103の構造は、燃料貯蔵容積102内部からの高圧(圧縮気体のため)に耐えるように構成される。例えば、圧縮気体燃料を使用する軽量車両用貯蔵の応用例では、通常、250リットルの外部体積中に5kgのHを貯蔵した場合、5000psiまでの動作圧力を有することができる。いずれにしても、内部圧力容器103は、通常、当分野の技術で知られた製造方法を使用する繊維強化樹脂マトリックスを備える軽量複合材料製である。炭素繊維、繊維エポキシ、「Kevlar」の商標で販売されている複合材料等の複合構造は、重量の軽さ、ならびに腐食、疲労およびは破局的破壊に対する耐性等の多くの利点を提供する。この重量の軽さと破壊に対する耐性との組合せは、圧力容器の構造では一般に主応力の方向に向けられる強化繊維又はフィラメント(炭素、ガラス、アラミド等)の高い比強度のために可能である。
【0012】
図1に示されるように、内部圧力容器103は、その内部表面を内張りする内部ライナ101を追加で含むことができる。内部容器ライナ101は、(一般に従来の圧力容器で使用されているアルミニウムライナと比べて)圧力容器の重量削減を達成するために、好ましくはポリマー材料等の軽量、非金属材料から構成される。例示的なポリマー材料は、ポリエチレン、ナイロン、カプトン又は他のポリマーを含むが、それらのものに限定されるものではない。ポリマーライナを使用することによってもたらされる大幅な重量削減は、(アルミニウムライナが約3mmの厚さを有する)上述の5kg H/250リットルの圧力容器の例の35〜40kgの全体圧力容器質量に対して、10〜15kgの潜在的な重量節約があると理解される。内部ライナが使用される場合、複合構造内部圧力容器の構成は、通常、繊維強化樹脂マトリックスを作るために、ライナの上を繊維で覆うことを含む。しかし、複合の内部容器および内部ライナの場合、内部容器103の製造は、通常、水溶性の、そうでない場合は取り外し可能な心棒を含む。いずれにしても、プラスチックライナ101および複合内部容器103が選択され、液体水素温度(20K)から、上は容器が圧縮水素で満たされた際に起こる高温まで(400Kまで)広い温度範囲にわたる適切な動作のために設計される。
【0013】
図1に示すように、圧力容器100は、真空スペース105内の内部圧力容器103を囲む断熱材106も含む。断熱材106は、貯蔵容積102への熱伝達を抑止する働きをする。断熱材の1つの例示的実施形態は、特に、低温動作の際に貯蔵容積への熱伝達を減少させる外部真空多層断熱材を含む。外部容器104は、多層断熱材の効率的な動作に必要な容器の周りの真空を維持するために動作する。例示的実施形態では、圧力容器は、多層真空超断熱(MLVSI)で断熱される。MLVSIは、圧力が0.01Pa(7.5×10(−5)mmHg)より低い高真空下においてのみ優れた熱特性を示す。
【0014】
ポリマーライナの使用(又はライナの完全な除去)は、圧力容器の大幅な重量削減をもたらすが、大幅なコストともなる。ポリマーライナ等の非金属のライナは、その中を流体、例えば水素ガスの透過にさらされる。例えば、真空断熱スペースに水素を有することは、大幅な熱伝達を起こすのに十分な値にまで断熱伝導率を急速に増加させることになり、したがって容器内の急速な容器に貯蔵された低温水素の蒸発という結果になる。水素が常温で貯蔵される場合、真空は必要ないが、断熱された真空スペース内部を真空で維持することが、タンクが低温水素で満たされる場合は上述の多層断熱材106の最適な動作を可能とするために必要である。多層断熱の効率的な動作に必要な真空は、7.5×10−5トールである。したがって、透過水素の流入に対応するために、真空スペース内の真空損失を実質的に抑止する様々な手段が提供される。本明細書および特許請求の範囲の中で使用される「実質的に抑止する」用語は、透過および真空損失を防止し又は少なくとも制御し、したがって真空スペースが、多層断熱材106のために十分な真空を有することを含む。
【0015】
図2〜6は、プラスチックライナを有する低温圧力容器又はライナを有さない低温圧力容器内の真空損失を実質的に抑止する5つの例示的な方法を図示する。これらの方法を、個別に又は組み合わせて適用することができる。
【0016】
図2からわかるように、参照記号200で示された圧力容器の第2の実施形態を示す。ゲッタ材料201、202は、好ましくは、真空スペースへの非常に低い透過率に対処するために真空スペースで実質的に真空損失を抑止するための手段として使用される。ゲッタ材料の小さい体積が、それ自体の質量より著しく小さい透過した水素の質量を吸着又は吸収するための「分子ふるい」として使用される。いくつかのペレット又はゲッタ材料の小さい片は、その透過が真空断熱を削減する前に、それによって含まれる水素の小さい部分が分離される。ゲッタは、熱サイクル及び/又は真空排気によってさらに多くの透過した水素を消費するように再生することも、全体を取り換えることも、タンクの全体耐用年数を取り扱うように設計によって適切な容量を有することもできることが知られている。図2からわかるように、ゲッタ材料201、202は、真空スペース205内の内部圧力容器203上に位置する。しかし、真空スペース205内の他の位置でも、可能であることが理解される。
【0017】
図3に示すように、参照記号300で示された圧力容器の第3の実施形態を示す。真空スペース303内に見いだされた透過した水素を除去するための機械式ポンプ301が示される。ポンプ301を、外部容器302上に、又は真空スペース303と圧力容器を越えたところとの間を連絡する適切な他の位置に配置することができる。ほとんどすべての透過レベルで、機械式真空ポンプは、効率的な真空断熱スペースを7.5×10−5トール以下に維持するために、透過した水素の流束の釣り合いをとることができる(図3)。低い透過レベルでは、低温およびイオン排気を、効率的な真空断熱を維持するために、使用することもできる。断続的外部の(車両に非搭載の)排気が、搭載式のポンプを必要とせずに(しかし適度の真空排気のための相互連結を必要とする)、十分断熱された水素貯蔵システムを支援するが、小型化したおよび断続的な動作は、毎時ミクログラムの透過に対して利点がある。
【0018】
さらに別の真空スペース内の真空損失を実質的に抑止するための手段(図示せず)は、それを酸素と反応させ、水に変換することによって透過した水素を捕捉するために、高表面積基材(例えば、フォイルおよび分子ふるい)上に配置された触媒の使用である。それから、水は内部タンクの外部表面に凍結される。蒸気圧が低温では十分に低いので、真空断熱は、氷が存在しても適切に働く。
【0019】
図4は、参照記号400で示された本発明の圧力容器の第4の実施形態を示す。表面に直接固着された薄い金属およびインターメタリックの複数のコーティングは実質的に水素の透過を抑止することが知られているが、(通常、1.5〜2.5%までのひずみで動作する最も質量効率の高い複合構造材料で製造された)軽量圧力容器に特有の高い引張ひずみレベルのために、これらの層はタンクの表面から分離しがちである。この問題に対する解決法は、金属層をテクスチャ加工し、それらの高い不透過性を保持するために、折り曲げられたそれらの面積の大部分に荷重するコンプライアントな層の中に金属層を埋め込むことによって、図4に示される。テクスチャ加工された金属層は、圧力容器の膨張/縮小を補償する金属層の曲げを可能にする規則的なギャップ又は斜面壁を有する凹凸形として示される。この方法は図4に図示されている。図示したように、内部ライナ402は、ライナ403の外部層とライナ404の内部層との間に挟まれた薄い(おそらくは厚さ10ミクロンより小さい)金属405を含む。圧力容器400のこの配置は、水素に対して極めて低い透過のために設計される。出願人による予備計算は、プラスチックライナ402に加えられた非常に薄い(例えば10ミクロンの)金属層は、圧力容器の耐用年数の間の透過性に対する必要な耐性を提供できることを示した。この薄い金属層は、容器の重量増加に小さい影響を与える。
【0020】
樹状表面(図示せず)を、数オーダーだけ表面積の増大をもたらすために、追加で真空損失を実質的に抑止するための手段として使用することができる。圧力容器表面、それらの内部、ライナの両面、断熱層(フォイル)表面および真空スペースの閉込めシェルの内部に適用されるとき、これらの樹状表面は、ゲッタ、触媒の滞留率および氷捕捉技術を支援して動作する。
【0021】
図5は、参照記号500で示された本発明の圧力容器の第5の実施形態を示す。この例示的実施形態では、真空損失を実質的に抑止する手段は、内部ライナ501を内張する薄いガラス層503を含む。ガラス層503は、アルモファス金属、セラミックスおよびインターメタリックスを含むことができる。薄層が高い引張ひずみを受けるので、これらは多くの圧力サイクルを直接耐え抜く可能性を有する。したがって、これらは、圧力および温度サイクルを耐え抜くことができ、貯蔵容積502に隣接するライナ501の内部表面に適用することもできる。それらは、真空スペースで水素圧力を効率的に減少させるために、水素に不透過性であるとしても知られている。
【0022】
図6は、参照記号600で示された本発明の圧力容器の第6の実施形態を示す。この例示的実施形態では、真空損失を実質的に抑止するための手段は、特定の流体の通過だけを可能にする特定の流体だけを透過させる膜である。例えば、水素の場合、特定の流体だけを透過させる膜は、空気の成分が入ることをさせずに、外部容器601を通って真空断熱スペースに逃れることを可能にするパラジウム膜602である。
【0023】
特定の動作シーケンス、材料、温度、パラメータおよび特定の実施形態を記載し又は図示したが、これら、限定的であると意図されるものではない。修正形態および変形形態は、当業者に明白であり、また本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
開示に組み込まれ、その一部を形成する添付の図面は、以下の通りである。
【図1】本発明の第1の実施形態を示す長手方向断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す長手方向断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態を示す長手方向断面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態を示す長手方向断面図である。
【図5】本発明の第5の実施形態を示す長手方向断面図である。
【図6】本発明の第6の実施形態を示す長手方向断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低温流体又は圧縮気体等の流体を、低温又は室温で弾力性をもって貯蔵するための軽量低温適合圧力容器であって、
貯蔵容積を囲む内部圧力容器と、
前記内部圧力容器を囲み、それとの間に真空スペースを形成する外部容器と、
前記真空スペースの前記内部圧力容器を囲んで、前記貯蔵容積への熱伝達を抑止する断熱材と、
前記貯蔵容積から前記内部圧力容器を通る流体透過による前記真空スペースでの真空損失を実質的に抑止する前記手段とを含み、それにより、低温液体又は圧縮気体を低温で貯蔵するとき、低温断熱を維持することができるところの圧力容器。
【請求項2】
前記内部圧力容器が、繊維強化複合構造を有する、請求項1に記載の軽量低温適合圧力容器。
【請求項3】
前記内部圧力容器が、軽量の非金属材料で構成される容器ライナを有する、請求項1に記載の軽量低温適合圧力容器。
【請求項4】
前記容器ライナが、ポリマー材料で構成される、請求項3に記載の軽量低温適合圧力容器。
【請求項5】
真空損失を実質的に抑止する前記手段が、前記容器ライナ上に位置する流体不透過層を含む、請求項3に記載の軽量低温適合圧力容器。
【請求項6】
前記流体不透過層が、実質的にHに対して不透過である、請求項5に記載の軽量低温適合圧力容器。
【請求項7】
前記流体不透過層が、前記容器ライナの膨張/収縮のために曲がるように構成される、請求項5に記載の軽量低温適合圧力容器。
【請求項8】
真空損失を実質的に抑止する前記手段が、前記容器ライナに位置する流体不透過のガラス質層を含む、請求項3に記載の軽量低温適合圧力容器。
【請求項9】
前記流体不透過のガラス質層が、Hに対して実質的に不透過である請求項8に記載の、軽量低温適合圧力容器。
【請求項10】
真空損失を実質的に抑止する前記手段が、前記真空スペースにおいて透過した流体を捕捉する手段を含む、請求項1に記載の軽量低温適合圧力容器。
【請求項11】
前記真空スペースにおいて透過した流体を捕捉する前記手段は、前記真空スペースに位置するゲッタ材料である、請求項10に記載の軽量低温適合圧力容器。
【請求項12】
前記真空スペースにおいて透過した流体を捕捉する前記手段が、前記透過した流体を試薬と反応させる触媒を利用する、請求項10に記載の軽量低温適合圧力容器。
【請求項13】
前記触媒が、透過した水素を酸素と反応させて、氷を形成するために使用される、請求項12に記載の軽量低温適合圧力容器。
【請求項14】
前記真空スペースにおいて透過した流体を捕捉する前記手段が、前記表面積を増加させて、滞留率を向上させる樹枝状表面を有する、請求項10に記載の軽量低温適合圧力容器。
【請求項15】
真空損失を実質的に抑止する前記手段が、前記真空スペースから透過した流体を除去するための手段を含む、請求項1に記載の軽量低温適合圧力容器。
【請求項16】
透過した流体を除去するための前記手段が、機械式真空ポンプを含む、請求項15に記載の軽量低温適合圧力容器。
【請求項17】
透過した流体を除去するための前記手段が、電気−化学(イオン)ポンプを含む、請求項15に記載の軽量低温適合圧力容器。
【請求項18】
透過した流体を除去するための前記手段が、前記外部容器に配置されて、流体の濃度勾配によって、特定の前記流体のみの透過を可能にする特定流体透過膜を含む、請求項15に記載の軽量低温適合圧力容器。
【請求項19】
前記特定流体透過膜が、Hがその中を透過することを可能にするパラジウム含有膜である、請求項18に記載の軽量低温適合圧力容器。
【請求項20】
透過した流体を除去するための前記手段が、前記真空スペースにおいて所定の真空圧に維持するために自動的に動作するように構成される、請求項15に記載の軽量低温適合圧力容器。
【請求項21】
真空損失を実質的に抑止するための前記手段が、容器ライナに配置された流体不透過層、前記真空スペースにおいて透過した流体を捕捉するための手段、及び、前記真空スペースから透過した流体を除去するための手段のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の軽量低温適合圧力容器。
【請求項22】
前記断熱材が、複数の反射層を含む、請求項1に記載の軽量低温適合圧力容器。
【請求項23】
前記断熱材が、MLVSI(多層真空超絶縁体)である、請求項22に記載の軽量低温適合圧力容器。
【請求項24】
車両内に低温液体燃料又は圧縮気体燃料を、低温又は室温で弾力性をもって貯蔵するための軽量低温適合圧力容器であって、
燃料貯蔵容積を囲む内部圧力容器と、
前記内部圧力容器を囲み、それとの間に真空スペースを形成する外部容器と、
前記真空スペースの前記内部圧力容器を囲んで、前記燃料貯蔵容積への熱伝達を抑止するために断熱材と、
前記内部圧力容器を通る燃料透過による前記真空スペースでの真空損失を実質的に抑止する前記手段とを含み、それにより、低温液体燃料又は圧縮気体燃料を低温で貯蔵するとき、低温断熱を維持することができるところの圧力容器。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−500536(P2006−500536A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−540076(P2004−540076)
【出願日】平成15年9月11日(2003.9.11)
【国際出願番号】PCT/US2003/028816
【国際公開番号】WO2004/029503
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(304056899)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (9)
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF CALIFORNIA
【住所又は居所原語表記】1111 Franklin Street, Oakland, CA 94607−5200, United States of America
【Fターム(参考)】