車両玩具用軌道片及び車両玩具用軌道
【課題】嵩張ることなく保管ができ、使用に際して、軌道形成作業が容易な車両玩具用軌道片、該パーツを有する車両玩具用軌道及び車両玩具用軌道装置を提供すること。
【解決手段】表面に軌道を画成した板状の中間部材と、前記中間部材の前端及び後端を、前記中間部材の幅方向に延設された軸によって回動自在に連設させ、表面に前記軌道に連続する軌道を画成した端部部材とによって構成するとともに、前記端板の自由端に他の軌道片に連結される連結手段を備えたことを特徴とする。
【解決手段】表面に軌道を画成した板状の中間部材と、前記中間部材の前端及び後端を、前記中間部材の幅方向に延設された軸によって回動自在に連設させ、表面に前記軌道に連続する軌道を画成した端部部材とによって構成するとともに、前記端板の自由端に他の軌道片に連結される連結手段を備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両玩具用軌道片及び車両玩具用軌道に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両玩具用軌道として、例えば、直線状又は曲線状の車両玩具用軌道片を連結することによって構成される車両玩具用軌道が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3049531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1の車両玩具用軌道片は他の車両玩具用軌道片に対して着脱可能となっているため、直線状及び曲線状の車両玩具用軌道片を適宜に組み合わせて、自由な形状の車両玩具用軌道を形成できるという利点を有している。
しかしながら、後片付けの際には、車両玩具用軌道を分解しないままで保管できる場合は兎も角、多くの場合、車両玩具用軌道を適宜に分解しなければならず手間が掛かり、また、その後、車両玩具用軌道を使用したいときには、車両玩具用軌道を再び形成しなければならないため、この点でも手間が掛かるという問題があった。
本発明は、嵩張ることなく車両玩具用軌道の保管ができ、使用に際して、軌道形成作業が簡単な車両玩具用軌道片及び車両玩具用軌道を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明に係る車両玩具用軌道片は、
走行方向に沿って並び軌道を構成する第1の端部部材、中間部材及び第2の端部部材を備え、
前記第1の端部部材は、前記中間部材の幅方向に延在する第1の軸を介して回動自在に該中間部材の第1の端部に連結され、
前記第2の端部部材は、前記中間部材の幅方向に延在する第2の軸を介して回動自在に該中間部材の第2の端部に連結され、
前記中間部材に対して前記第1の端部部材及び前記第2の端部部材を回動させることによって該第1の端部部材と該第2の端部部材を重畳可能に構成されている、
ことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明に係る車両玩具用軌道片は、請求項1記載の車両玩具用軌道片において、前記中間部材、前記第1の端部部材及び前記第2の端部部材は前記中間部材の軌道面が露出されるように山折り可能となっていることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明に係る車両玩具用軌道片は、請求項1記載の車両玩具用軌道片において、前記中間部材、前記第1の端部部材及び前記第2の端部部材は前記中間部材の軌道面が隠蔽されるように谷折り可能となっていることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明に係る車両玩具用軌道片は、請求項1から3いずれか一項記載の車両玩具用軌道片において、前記第1の端部部材には、別の車両玩具用軌道片と連結するための第1の連結部が設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明に係る車両玩具用軌道は、請求項4記載の車両玩具用軌道片において、前記第2の端部部材には、別の車両玩具用軌道と連結するための第2の連結部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明に係る車両玩具用軌道は、請求項1から3いずれか一項記載の車両玩具用軌道片を備え、前記第1の端部部材及び前記第2の端部部材の少なくとも一方の端部部材には、別の車両玩具用軌道が連結されていることを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の発明に係る車両玩具用軌道は、請求項6記載の車両玩具用軌道において、前記少なくとも一方の端部部材と前記別の車両玩具用軌道片とは、幅方向中央部に位置し且つ軌道面に対して直交する方向に延在する軸を中心に、互いに回動可能となるように連結されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1から3記載の発明によれば、中間部材に対して第1の端部部材及び第2の端部部材を回動させることによって該第1の端部部材と該第2の端部部材とが重畳されるので、嵩張ることなく車両玩具用軌道の保管ができる。また、軌道形成にあたり、中間部材に対して第1の端部部材及び第2の端部部材を回動させて展開すればよいので、軌道の形成が簡単に行えることになる。また、坂道軌道を構成するのも容易となる。
【0013】
請求項4及び5記載の発明によれば、端部部材には別の車両玩具用軌道との連結部が形成されているので、例えば既存の車両玩具用軌道とも結合することができ、それらの保管や軌道の形成が簡単に行えることとなる。
【0014】
請求項6記載の発明によれば、端部部材には、別の車両玩具用軌道が連結されているので、それらの保管や軌道の形成が簡単に行えることとなる。
【0015】
請求項7記載の発明によれば、端部部材と別の車両玩具用軌道とは、幅方向中央部に位置し且つ軌道面に対して直交する方向に延在する軸を中心に、互いに回動可能となるように連結されているので、直線軌道や曲線軌道の形成が自由に行えることになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態の車両玩具用軌道片及び車両玩具用軌道を適用した車両玩具用軌道装置の斜視図である。
【図2】図1の車両玩具用軌道装置の前部枠と後部枠とを引き離した状態の斜視図である。
【図3】図1の車両玩具用軌道装置の前部枠の分解斜視図である。
【図4】図1の車両玩具用軌道装置の前部枠(機関車)の一部(後部ボイラ)を取り去った状態の斜視図である。
【図5】図1の車両玩具用軌道装置の軌道を折り畳んで前部枠内に収容した状態の斜視図である。
【図6】図1の車両玩具用軌道装置の後部枠の内部構造を示す斜視図である。
【図7】図6の後部枠を後方から見た場合の斜視図である。
【図8】図1の車両玩具用軌道装置の軌道のうち中間の軌道を示す平面図である。
【図9】図8の中間の軌道の連結構造を示す斜視図である。
【図10】図8の軌道を構成する軌道片の1つを示す斜視図である。
【図11】図8の軌道を構成する軌道片の他の1つを示す斜視図である。
【図12】図1の車両玩具用軌道装置の軌道のうち前部枠側に位置する軌道を示す平面図である。
【図13】図1の車両玩具用軌道装置の軌道のうち後部枠側に位置する軌道を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る車両玩具用軌道片及び車両玩具用軌道を適用した車両玩具用軌道装置を、図面を参照しながら説明する。
【0018】
1.車両玩具用軌道装置の概略
車両玩具用軌道装置(以下単に、軌道装置と言う。)は、図1に示すように、蒸気機関車及び炭水車を連結した形態の箱体10に、車両玩具用軌道(以下単に、軌道と言う。)20を折り畳んだ状態で収容可能となっている(図5参照)。また、この軌道装置は、箱体10を構成する前部枠と後部枠とを前後に引き離した場合、図2に示すように、折り畳んだ軌道20が展開されるように構成されている。
以下、軌道装置の詳細を説明する。
【0019】
2.詳細
(1)箱体10
箱体10は前部枠及び後部枠を備えている。前部枠は蒸気機関車模型(以下単に、機関車と言う。)100を構成し、後部枠は炭水車模型(以下単に、炭水車と言う。)200を構成している。また、機関車100及び炭水車200の各部の名称は実際の蒸気機関車及び炭水車の各部の名称をそのまま用いているが、あくまで、模型であることはいうまでもない。
【0020】
機関車100は、図1に示すように、前部ボイラ11、後部ボイラ12及び運転席13を備えている。このうち、前部ボイラ11及び運転席13は台車10aに固定されている。
また、後部ボイラ12は台車10aに対して着脱可能となっている。すなわち、この後部ボイラ12は図示しない爪と爪穴との係合によって台車10aに係合されており、後部ボイラ12に設けられた係合解除ボタン12aを操作することによって、台車10aとの係合が解除されて、図3に示すように、台車10aから取り外せるようになっている。
この後部ボイラ12の内側は駅舎の形態を呈している。符号12bはプラットホームを示している。この後部ボイラ12の内側には、プラットホーム12bの下側に係合凹部12c,12cが形成されている。そして、この係合凹部12c,12cを、台車10aの側面に突設された爪10b,10b(図4)と係合させることによって、駅舎が台車10aに位置決め固定されようになっている。
また、前部ボイラ11の前端には煙室扉(蓋体)26が設けられている。この煙室扉26は、下端が台車10aに回動可能に軸支されている。
なお、運転席13の後部は開口している。
【0021】
炭水車200は機関車100に対して連結可能及び連結解除可能となっている。炭水車200の前部上枠14は、炭水車200の台車15aに対して着脱可能となっている。すなわち、前部上枠14は逆U字状となっており、手で上方に取外しができるようになっている。図6は前部上枠14を取り外した状態の炭水車200を示している。そして、この取り外した前部上枠14は、軌道20が展開された際に、軌道20を跨ぐゲートして利用可能となっている。
また、炭水車200の前部は開口している。一方、炭水車200の後端には図7に示すように扉(蓋体)30が設けられている。この扉30は、下端が台車15aに回動可能に軸支されている。この扉30は、図示しない爪と爪穴との係合によって、後部上枠15に係合されており、後部上枠15に設けられた係合解除ボタン30aを操作することによって、後部上枠15との係合が解除されて、開放できるようになっている。
また、炭水車200の後部上枠15の天井には、図6に示すように、洗浄水ノズル28が回動自在に設置されている。この洗浄水ノズル28は手で回動操作することができる。また、炭水車200の後部上枠15には、ボタン28aが配設されている。このボタン28aは、音声発生装置のスイッチであり、ボタン28aを操作することによって洗浄音を発生させるようになっている。
なお、炭水車200の台車15aには別のスイッチ29が設けられ、炭水車200を機関車100に連結する際に、スイッチ29が押されることによって音声発生装置が連結音を発生させるようになっている。
【0022】
(2)軌道20
軌道装置の軌道20は、複数種類の車両玩具用軌道片(以下単に、軌道片と言う。)A,B,C,D,E,F,G,Hとによって構成されている。軌道片A,B,Cは図8に示すように組み合わされて折畳み可能な軌道を構成している。また、図12及び図13に示すように、軌道片D,Eはそれ自体折畳み可能な軌道を構成している。また、図3から図5に示すように、軌道片Fは機関車100の台車10aに、軌道片Gは煙室扉26の内側にそれぞれ固定して設けられている。また、図5及び図6に示すように、軌道片Hは炭水車200の台車15aに固定して設けられている。
これら軌道片A,B,C,D,E,F,G,Hは、それぞれ、幅方向の中央に位置する中央凸条Xと、この中央凸条Xの外側に位置する案内溝Yと、この案内溝Yの外側に位置する側部凸条Zとを備えている。
【0023】
軌道片Aは、図9及び図10に示すように、中間部材21とそれらの前後(走行方向の前後)に配置された端部部材22,22とによって構成されている。2つの端部部材22,22は同じ形状となっている。
中間部材21は、その前後方向の長さが端部部材22,22の厚さの和に等しく設定されている。中間部材21の各側部凸条Zには各2本の軸21a,21aが突設されている。
端部部材22の各側部凸条Zにはアーム22aが形成され、アーム22aの先端部には軸孔22bが形成されている。そして、このアーム22aの軸孔22bには中間部材21の軸21aが挿通されている。これにより、軌道片Aは、各端部部材22が中間部材21に対し下方に回動することで、山折りできるようになっている。なお、この軌道片Aは、展開状態で、端部部材22の中央凸条Xの端面と中間部材21の中央凸条Xの端面21bとが当接し、谷折りを阻止するようになっている(図10の円内参照)。
また、端部部材22の自由端には、他の軌道片Bと連結するための連結手段23の一方を構成する連結部が形成されている。すなわち、端部部材22の中央凸条Xは該端部部材22の自由端側で半円状に膨出し、この膨出部に連結部が形成されている。この連結部については軌道片Cの説明の箇所で詳述する。
【0024】
軌道片Bは図11に示されている。この軌道片Bの基本的構造は軌道片Aと同じであるので、軌道片Aと同一部分については図11に同一符号を付して、その詳しい説明は省略し、相違部分についてだけ説明する。
この軌道片Bは、谷折り可能で山折りできない点が軌道片Aと異なっている。すなわち、軌道片Bは、各端部部材22が中間部材21に対し上方に回動することで、谷折りできるようになっている。なお、この軌道片Bは、展開状態で、端部部材22の中央凸条Xの端面と中間部材21の中央凸条Xの下方の端面21cとが当接し、山折りを阻止するようになっている(図11の円内参照)。
【0025】
図9に示すように、軌道片Cの両端部には中央部凸条Xが切り欠かれた切欠き部が形成されている。また、軌道片Cの両端部では、側部凸条Z、及び案内溝Yの底壁は、該軌道片Cの他の部分の側部凸条Z、及び案内溝Zの底壁よりも一段低く形成されている。
そして、この軌道片Cの第1の端部には軌道片A、第2の端部には軌道片Bが着脱可能に連結されている。
すなわち、この軌道片Cの第1の端部の切欠き部、側部凸条Z、及び案内溝Yの底壁に対して、上方から、軌道片Aの中央部凸条X、側部凸条Z、及び案内溝Yの底壁が重合されている。同様に、この軌道片Cの第2の端部の切欠き部、側部凸条Z、及び案内溝Yの底壁に対して、上方から、軌道片Bの中央部凸条X、側部凸条Z、及び案内溝Yの底壁が重合されている。
さらに、軌道片C及び軌道片Aは、軌道片Cの切欠き部と軌道片Aの中央部凸条Xとが重合される部分に回動中心を有し、軌道片C及び軌道片Aはその回動中心を中心として重合状態を維持したまま互いに水平面内で回動可能となるように構成されている。同様に、軌道片C及び軌道片Bは、軌道片Cの切欠き部と軌道片Bの中央部凸条Xとが重合される部分に回動中心を有し、軌道片C及び軌道片Bはその回動中心を中心として重合状態を維持したまま互いに水平面内で回動可能となるように構成されている。このような構成とするため、軌道片Cの両端部の切欠き部には、軸24aと、軸24aと同心的な弧状爪24bが形成され、軌道片A,Bの中央凸条Xには、軸24aと嵌り合う軸受22cと、弧状爪24bと嵌り合う弧状孔22dとが形成されている。
なお、軌道片Cの側部凸条Zの中央部凸条Xに対向する内壁は車両玩具の走行方向に沿って直線状に構成され、軌道片Cの第1の端部及び第2の端部における側部凸条Zの内壁が回動中心を中心とする弧状に構成されている。そして、軌道片Cと軌道片A,Bを直線状に連結する場合には直線状の内壁によって弧状の内壁が覆われるように構成されている。
また、軌道片Cの切欠き部は、軌道片A,Bの膨出部に対向する部分が弧状となっている。
【0026】
図12に示すように、軌道片Dは、軌道片A,B,Cから構成される折畳み可能な軌道を機関車100内の軌道と連結するためのものである。この軌道片Dは折畳み可能な軌道となっている。この軌道片Dは、部材D1,D2,D3,D4,D5,D6から構成されている。
部材D1,D2,D3は上記軌道片Bと同様な構造を有している。ただし、部材D1は軌道片Cに連結され、軌道片Bの一方の端部部材22が直線状の軌道片(部材D3)に置きかわった形となっている。この部材D1,D2,D3は、上記軌道片Bと同様に、部材D2の軌道面が隠蔽されるように谷折り可能となっている。
部材D3,D4,D5は上記軌道片Aと同様な構造を有している。ただし、軌道片Aの両方の端部部材22,22が直線状の部材D3,D5に置きかわった形となっている。この部材D3,D4,D5は、上記軌道片Aと同様に、部材D4の軌道面が露出されるように山折り可能となっている。
部材D5,D6と軌道片Fとは、上記軌道片Bと同様な構造を有している。ただし、軌道片Bの両方の端部部材22,22が直線状の部材D5、軌道片Fに置きかわった形となっている。この部材D5は、上記軌道片Bと同様に、部材D6の軌道面が隠蔽される方向に谷折り可能となっている。
このように構成された軌道片Dは、展開した状態では、部材D1,D2,D3が機関車100の後方に突出する。このように機関車100の近くの軌道を直線状にしておくことで、案内溝Yに車輪を案内されて走行する車両玩具を機関車100に衝突させることなく、機関車100内に導くことが可能となる。
【0027】
図13に示すように、軌道片Eは、軌道片A,B,Cから構成される折畳み可能な軌道を炭水車200内の軌道と連結するためのものである。この軌道片Eは折畳み可能な軌道となっている。この軌道Eは、部材E1,E2,E3,E4,E5,E6とから構成されている。
部材E1,E2,E3は上記軌道片Bと同様な構造を有している。ただし、部材E1は軌道片Cに連結され、軌道片Bの一方の端部部材22が直線状の部材E3に置きかわった形となっている。この部材E1,E2,E3は、上記軌道片Bと同様に、部材E2の軌道面が隠蔽されるように谷折り可能となっている。
部材E3,E4,E5は上記軌道片Aと同様な構造を有している。ただし、軌道片Aの両方の端部部材22,22が直線状の部材E3,E5に置きかわった形となっている。この部材E3,E4,E5は、上記軌道片Aと同様に、部材E4の軌道面が露出されるように山折り可能となっている。
部材E5,E6と軌道片Hとは、上記軌道片Bと同様な構造を有している。ただし、軌道片Bの両方の端部部材22,22が直線状の部材E5、軌道片Hに置きかわった形となっている。この部材E5は、上記軌道片Bと同様に、部材E6の軌道面が隠蔽される方向に谷折り可能となっている。
このように構成された軌道片Hは、展開した状態では、部材E1,E2、E3,E4,E5が炭水車200の前方に突出する。このように炭水車200の近くの軌道を直線状にしておくことで、案内溝Yに車輪を案内されて走行する車両玩具を炭水車200の壁に衝突させることなく、炭水車200の外へ導くことが可能となる。
【0028】
軌道片Fは、図3から図5に示すように、機関車100の台車10aに固定して設置されている。この軌道片Fは直線軌道を構成している。この軌道片Fの中央凸部Xの部分には、昇降板25が設置されている。一方、台車10aの側部には図4に示すように操作摘み10cが配設されている。この摘み10cは、図示しないレバー,リンク等によって昇降板25に連係されている。そして、操作摘み10cを一方に操作すると、昇降板25が上昇し、走行してくる車両の底面に当接し、車両玩具を浮かせて停車させる。一方、操作摘み10cを他方に操作すると、昇降板25が降下し、車両玩具の車輪が案内溝Yの底壁に載置されるため、車両玩具が発進することになる。
【0029】
軌道片Gは、図3に示すように、煙室扉26の内側に固定して設置されている。この軌道片Gは、煙室扉26を開くと、軌道片Gが前に倒され、台車10aの前方に延設される。なお、軌道片Gの先端には、既存の軌道片に連結するための蟻溝26aが形成されている。
【0030】
軌道片Hは、図6及び図7に示すように、炭水車15の台車15aに固定して設置されている。この軌道片Hは、折り畳んだ状態で収容される最後端の軌道片E6に連結されている。この軌道片Hの後端には、既存の軌道片に形成された蟻溝に結合する蟻27が形成されている。
【0031】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、軌道片Aは山折り用の軌道片、軌道片Bは谷折り用の軌道片として説明したが、軌道片A及び軌道片Bの少なくとも一方を山折りも谷折りもできる軌道片としてもよい。この場合、他方向への端部部材の回動角度を所定角度に規制してもよい。
このようにしておけば、軌道を坂道とするのに、自由に坂道軌道を構成できることになる。
また、軌道片A及び軌道片Bの少なくとも一方を山折りも谷折りもできるようにしておけば、方向を考慮することなく折り畳むことが可能となる。
【符号の説明】
【0032】
10 箱体
21 中間部材
21a 軸
22 端部部材
22a アーム
26 煙室扉(蓋体)
30 扉(蓋体)
A〜H 軌道片
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両玩具用軌道片及び車両玩具用軌道に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両玩具用軌道として、例えば、直線状又は曲線状の車両玩具用軌道片を連結することによって構成される車両玩具用軌道が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3049531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1の車両玩具用軌道片は他の車両玩具用軌道片に対して着脱可能となっているため、直線状及び曲線状の車両玩具用軌道片を適宜に組み合わせて、自由な形状の車両玩具用軌道を形成できるという利点を有している。
しかしながら、後片付けの際には、車両玩具用軌道を分解しないままで保管できる場合は兎も角、多くの場合、車両玩具用軌道を適宜に分解しなければならず手間が掛かり、また、その後、車両玩具用軌道を使用したいときには、車両玩具用軌道を再び形成しなければならないため、この点でも手間が掛かるという問題があった。
本発明は、嵩張ることなく車両玩具用軌道の保管ができ、使用に際して、軌道形成作業が簡単な車両玩具用軌道片及び車両玩具用軌道を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明に係る車両玩具用軌道片は、
走行方向に沿って並び軌道を構成する第1の端部部材、中間部材及び第2の端部部材を備え、
前記第1の端部部材は、前記中間部材の幅方向に延在する第1の軸を介して回動自在に該中間部材の第1の端部に連結され、
前記第2の端部部材は、前記中間部材の幅方向に延在する第2の軸を介して回動自在に該中間部材の第2の端部に連結され、
前記中間部材に対して前記第1の端部部材及び前記第2の端部部材を回動させることによって該第1の端部部材と該第2の端部部材を重畳可能に構成されている、
ことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明に係る車両玩具用軌道片は、請求項1記載の車両玩具用軌道片において、前記中間部材、前記第1の端部部材及び前記第2の端部部材は前記中間部材の軌道面が露出されるように山折り可能となっていることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明に係る車両玩具用軌道片は、請求項1記載の車両玩具用軌道片において、前記中間部材、前記第1の端部部材及び前記第2の端部部材は前記中間部材の軌道面が隠蔽されるように谷折り可能となっていることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明に係る車両玩具用軌道片は、請求項1から3いずれか一項記載の車両玩具用軌道片において、前記第1の端部部材には、別の車両玩具用軌道片と連結するための第1の連結部が設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明に係る車両玩具用軌道は、請求項4記載の車両玩具用軌道片において、前記第2の端部部材には、別の車両玩具用軌道と連結するための第2の連結部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明に係る車両玩具用軌道は、請求項1から3いずれか一項記載の車両玩具用軌道片を備え、前記第1の端部部材及び前記第2の端部部材の少なくとも一方の端部部材には、別の車両玩具用軌道が連結されていることを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の発明に係る車両玩具用軌道は、請求項6記載の車両玩具用軌道において、前記少なくとも一方の端部部材と前記別の車両玩具用軌道片とは、幅方向中央部に位置し且つ軌道面に対して直交する方向に延在する軸を中心に、互いに回動可能となるように連結されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1から3記載の発明によれば、中間部材に対して第1の端部部材及び第2の端部部材を回動させることによって該第1の端部部材と該第2の端部部材とが重畳されるので、嵩張ることなく車両玩具用軌道の保管ができる。また、軌道形成にあたり、中間部材に対して第1の端部部材及び第2の端部部材を回動させて展開すればよいので、軌道の形成が簡単に行えることになる。また、坂道軌道を構成するのも容易となる。
【0013】
請求項4及び5記載の発明によれば、端部部材には別の車両玩具用軌道との連結部が形成されているので、例えば既存の車両玩具用軌道とも結合することができ、それらの保管や軌道の形成が簡単に行えることとなる。
【0014】
請求項6記載の発明によれば、端部部材には、別の車両玩具用軌道が連結されているので、それらの保管や軌道の形成が簡単に行えることとなる。
【0015】
請求項7記載の発明によれば、端部部材と別の車両玩具用軌道とは、幅方向中央部に位置し且つ軌道面に対して直交する方向に延在する軸を中心に、互いに回動可能となるように連結されているので、直線軌道や曲線軌道の形成が自由に行えることになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態の車両玩具用軌道片及び車両玩具用軌道を適用した車両玩具用軌道装置の斜視図である。
【図2】図1の車両玩具用軌道装置の前部枠と後部枠とを引き離した状態の斜視図である。
【図3】図1の車両玩具用軌道装置の前部枠の分解斜視図である。
【図4】図1の車両玩具用軌道装置の前部枠(機関車)の一部(後部ボイラ)を取り去った状態の斜視図である。
【図5】図1の車両玩具用軌道装置の軌道を折り畳んで前部枠内に収容した状態の斜視図である。
【図6】図1の車両玩具用軌道装置の後部枠の内部構造を示す斜視図である。
【図7】図6の後部枠を後方から見た場合の斜視図である。
【図8】図1の車両玩具用軌道装置の軌道のうち中間の軌道を示す平面図である。
【図9】図8の中間の軌道の連結構造を示す斜視図である。
【図10】図8の軌道を構成する軌道片の1つを示す斜視図である。
【図11】図8の軌道を構成する軌道片の他の1つを示す斜視図である。
【図12】図1の車両玩具用軌道装置の軌道のうち前部枠側に位置する軌道を示す平面図である。
【図13】図1の車両玩具用軌道装置の軌道のうち後部枠側に位置する軌道を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る車両玩具用軌道片及び車両玩具用軌道を適用した車両玩具用軌道装置を、図面を参照しながら説明する。
【0018】
1.車両玩具用軌道装置の概略
車両玩具用軌道装置(以下単に、軌道装置と言う。)は、図1に示すように、蒸気機関車及び炭水車を連結した形態の箱体10に、車両玩具用軌道(以下単に、軌道と言う。)20を折り畳んだ状態で収容可能となっている(図5参照)。また、この軌道装置は、箱体10を構成する前部枠と後部枠とを前後に引き離した場合、図2に示すように、折り畳んだ軌道20が展開されるように構成されている。
以下、軌道装置の詳細を説明する。
【0019】
2.詳細
(1)箱体10
箱体10は前部枠及び後部枠を備えている。前部枠は蒸気機関車模型(以下単に、機関車と言う。)100を構成し、後部枠は炭水車模型(以下単に、炭水車と言う。)200を構成している。また、機関車100及び炭水車200の各部の名称は実際の蒸気機関車及び炭水車の各部の名称をそのまま用いているが、あくまで、模型であることはいうまでもない。
【0020】
機関車100は、図1に示すように、前部ボイラ11、後部ボイラ12及び運転席13を備えている。このうち、前部ボイラ11及び運転席13は台車10aに固定されている。
また、後部ボイラ12は台車10aに対して着脱可能となっている。すなわち、この後部ボイラ12は図示しない爪と爪穴との係合によって台車10aに係合されており、後部ボイラ12に設けられた係合解除ボタン12aを操作することによって、台車10aとの係合が解除されて、図3に示すように、台車10aから取り外せるようになっている。
この後部ボイラ12の内側は駅舎の形態を呈している。符号12bはプラットホームを示している。この後部ボイラ12の内側には、プラットホーム12bの下側に係合凹部12c,12cが形成されている。そして、この係合凹部12c,12cを、台車10aの側面に突設された爪10b,10b(図4)と係合させることによって、駅舎が台車10aに位置決め固定されようになっている。
また、前部ボイラ11の前端には煙室扉(蓋体)26が設けられている。この煙室扉26は、下端が台車10aに回動可能に軸支されている。
なお、運転席13の後部は開口している。
【0021】
炭水車200は機関車100に対して連結可能及び連結解除可能となっている。炭水車200の前部上枠14は、炭水車200の台車15aに対して着脱可能となっている。すなわち、前部上枠14は逆U字状となっており、手で上方に取外しができるようになっている。図6は前部上枠14を取り外した状態の炭水車200を示している。そして、この取り外した前部上枠14は、軌道20が展開された際に、軌道20を跨ぐゲートして利用可能となっている。
また、炭水車200の前部は開口している。一方、炭水車200の後端には図7に示すように扉(蓋体)30が設けられている。この扉30は、下端が台車15aに回動可能に軸支されている。この扉30は、図示しない爪と爪穴との係合によって、後部上枠15に係合されており、後部上枠15に設けられた係合解除ボタン30aを操作することによって、後部上枠15との係合が解除されて、開放できるようになっている。
また、炭水車200の後部上枠15の天井には、図6に示すように、洗浄水ノズル28が回動自在に設置されている。この洗浄水ノズル28は手で回動操作することができる。また、炭水車200の後部上枠15には、ボタン28aが配設されている。このボタン28aは、音声発生装置のスイッチであり、ボタン28aを操作することによって洗浄音を発生させるようになっている。
なお、炭水車200の台車15aには別のスイッチ29が設けられ、炭水車200を機関車100に連結する際に、スイッチ29が押されることによって音声発生装置が連結音を発生させるようになっている。
【0022】
(2)軌道20
軌道装置の軌道20は、複数種類の車両玩具用軌道片(以下単に、軌道片と言う。)A,B,C,D,E,F,G,Hとによって構成されている。軌道片A,B,Cは図8に示すように組み合わされて折畳み可能な軌道を構成している。また、図12及び図13に示すように、軌道片D,Eはそれ自体折畳み可能な軌道を構成している。また、図3から図5に示すように、軌道片Fは機関車100の台車10aに、軌道片Gは煙室扉26の内側にそれぞれ固定して設けられている。また、図5及び図6に示すように、軌道片Hは炭水車200の台車15aに固定して設けられている。
これら軌道片A,B,C,D,E,F,G,Hは、それぞれ、幅方向の中央に位置する中央凸条Xと、この中央凸条Xの外側に位置する案内溝Yと、この案内溝Yの外側に位置する側部凸条Zとを備えている。
【0023】
軌道片Aは、図9及び図10に示すように、中間部材21とそれらの前後(走行方向の前後)に配置された端部部材22,22とによって構成されている。2つの端部部材22,22は同じ形状となっている。
中間部材21は、その前後方向の長さが端部部材22,22の厚さの和に等しく設定されている。中間部材21の各側部凸条Zには各2本の軸21a,21aが突設されている。
端部部材22の各側部凸条Zにはアーム22aが形成され、アーム22aの先端部には軸孔22bが形成されている。そして、このアーム22aの軸孔22bには中間部材21の軸21aが挿通されている。これにより、軌道片Aは、各端部部材22が中間部材21に対し下方に回動することで、山折りできるようになっている。なお、この軌道片Aは、展開状態で、端部部材22の中央凸条Xの端面と中間部材21の中央凸条Xの端面21bとが当接し、谷折りを阻止するようになっている(図10の円内参照)。
また、端部部材22の自由端には、他の軌道片Bと連結するための連結手段23の一方を構成する連結部が形成されている。すなわち、端部部材22の中央凸条Xは該端部部材22の自由端側で半円状に膨出し、この膨出部に連結部が形成されている。この連結部については軌道片Cの説明の箇所で詳述する。
【0024】
軌道片Bは図11に示されている。この軌道片Bの基本的構造は軌道片Aと同じであるので、軌道片Aと同一部分については図11に同一符号を付して、その詳しい説明は省略し、相違部分についてだけ説明する。
この軌道片Bは、谷折り可能で山折りできない点が軌道片Aと異なっている。すなわち、軌道片Bは、各端部部材22が中間部材21に対し上方に回動することで、谷折りできるようになっている。なお、この軌道片Bは、展開状態で、端部部材22の中央凸条Xの端面と中間部材21の中央凸条Xの下方の端面21cとが当接し、山折りを阻止するようになっている(図11の円内参照)。
【0025】
図9に示すように、軌道片Cの両端部には中央部凸条Xが切り欠かれた切欠き部が形成されている。また、軌道片Cの両端部では、側部凸条Z、及び案内溝Yの底壁は、該軌道片Cの他の部分の側部凸条Z、及び案内溝Zの底壁よりも一段低く形成されている。
そして、この軌道片Cの第1の端部には軌道片A、第2の端部には軌道片Bが着脱可能に連結されている。
すなわち、この軌道片Cの第1の端部の切欠き部、側部凸条Z、及び案内溝Yの底壁に対して、上方から、軌道片Aの中央部凸条X、側部凸条Z、及び案内溝Yの底壁が重合されている。同様に、この軌道片Cの第2の端部の切欠き部、側部凸条Z、及び案内溝Yの底壁に対して、上方から、軌道片Bの中央部凸条X、側部凸条Z、及び案内溝Yの底壁が重合されている。
さらに、軌道片C及び軌道片Aは、軌道片Cの切欠き部と軌道片Aの中央部凸条Xとが重合される部分に回動中心を有し、軌道片C及び軌道片Aはその回動中心を中心として重合状態を維持したまま互いに水平面内で回動可能となるように構成されている。同様に、軌道片C及び軌道片Bは、軌道片Cの切欠き部と軌道片Bの中央部凸条Xとが重合される部分に回動中心を有し、軌道片C及び軌道片Bはその回動中心を中心として重合状態を維持したまま互いに水平面内で回動可能となるように構成されている。このような構成とするため、軌道片Cの両端部の切欠き部には、軸24aと、軸24aと同心的な弧状爪24bが形成され、軌道片A,Bの中央凸条Xには、軸24aと嵌り合う軸受22cと、弧状爪24bと嵌り合う弧状孔22dとが形成されている。
なお、軌道片Cの側部凸条Zの中央部凸条Xに対向する内壁は車両玩具の走行方向に沿って直線状に構成され、軌道片Cの第1の端部及び第2の端部における側部凸条Zの内壁が回動中心を中心とする弧状に構成されている。そして、軌道片Cと軌道片A,Bを直線状に連結する場合には直線状の内壁によって弧状の内壁が覆われるように構成されている。
また、軌道片Cの切欠き部は、軌道片A,Bの膨出部に対向する部分が弧状となっている。
【0026】
図12に示すように、軌道片Dは、軌道片A,B,Cから構成される折畳み可能な軌道を機関車100内の軌道と連結するためのものである。この軌道片Dは折畳み可能な軌道となっている。この軌道片Dは、部材D1,D2,D3,D4,D5,D6から構成されている。
部材D1,D2,D3は上記軌道片Bと同様な構造を有している。ただし、部材D1は軌道片Cに連結され、軌道片Bの一方の端部部材22が直線状の軌道片(部材D3)に置きかわった形となっている。この部材D1,D2,D3は、上記軌道片Bと同様に、部材D2の軌道面が隠蔽されるように谷折り可能となっている。
部材D3,D4,D5は上記軌道片Aと同様な構造を有している。ただし、軌道片Aの両方の端部部材22,22が直線状の部材D3,D5に置きかわった形となっている。この部材D3,D4,D5は、上記軌道片Aと同様に、部材D4の軌道面が露出されるように山折り可能となっている。
部材D5,D6と軌道片Fとは、上記軌道片Bと同様な構造を有している。ただし、軌道片Bの両方の端部部材22,22が直線状の部材D5、軌道片Fに置きかわった形となっている。この部材D5は、上記軌道片Bと同様に、部材D6の軌道面が隠蔽される方向に谷折り可能となっている。
このように構成された軌道片Dは、展開した状態では、部材D1,D2,D3が機関車100の後方に突出する。このように機関車100の近くの軌道を直線状にしておくことで、案内溝Yに車輪を案内されて走行する車両玩具を機関車100に衝突させることなく、機関車100内に導くことが可能となる。
【0027】
図13に示すように、軌道片Eは、軌道片A,B,Cから構成される折畳み可能な軌道を炭水車200内の軌道と連結するためのものである。この軌道片Eは折畳み可能な軌道となっている。この軌道Eは、部材E1,E2,E3,E4,E5,E6とから構成されている。
部材E1,E2,E3は上記軌道片Bと同様な構造を有している。ただし、部材E1は軌道片Cに連結され、軌道片Bの一方の端部部材22が直線状の部材E3に置きかわった形となっている。この部材E1,E2,E3は、上記軌道片Bと同様に、部材E2の軌道面が隠蔽されるように谷折り可能となっている。
部材E3,E4,E5は上記軌道片Aと同様な構造を有している。ただし、軌道片Aの両方の端部部材22,22が直線状の部材E3,E5に置きかわった形となっている。この部材E3,E4,E5は、上記軌道片Aと同様に、部材E4の軌道面が露出されるように山折り可能となっている。
部材E5,E6と軌道片Hとは、上記軌道片Bと同様な構造を有している。ただし、軌道片Bの両方の端部部材22,22が直線状の部材E5、軌道片Hに置きかわった形となっている。この部材E5は、上記軌道片Bと同様に、部材E6の軌道面が隠蔽される方向に谷折り可能となっている。
このように構成された軌道片Hは、展開した状態では、部材E1,E2、E3,E4,E5が炭水車200の前方に突出する。このように炭水車200の近くの軌道を直線状にしておくことで、案内溝Yに車輪を案内されて走行する車両玩具を炭水車200の壁に衝突させることなく、炭水車200の外へ導くことが可能となる。
【0028】
軌道片Fは、図3から図5に示すように、機関車100の台車10aに固定して設置されている。この軌道片Fは直線軌道を構成している。この軌道片Fの中央凸部Xの部分には、昇降板25が設置されている。一方、台車10aの側部には図4に示すように操作摘み10cが配設されている。この摘み10cは、図示しないレバー,リンク等によって昇降板25に連係されている。そして、操作摘み10cを一方に操作すると、昇降板25が上昇し、走行してくる車両の底面に当接し、車両玩具を浮かせて停車させる。一方、操作摘み10cを他方に操作すると、昇降板25が降下し、車両玩具の車輪が案内溝Yの底壁に載置されるため、車両玩具が発進することになる。
【0029】
軌道片Gは、図3に示すように、煙室扉26の内側に固定して設置されている。この軌道片Gは、煙室扉26を開くと、軌道片Gが前に倒され、台車10aの前方に延設される。なお、軌道片Gの先端には、既存の軌道片に連結するための蟻溝26aが形成されている。
【0030】
軌道片Hは、図6及び図7に示すように、炭水車15の台車15aに固定して設置されている。この軌道片Hは、折り畳んだ状態で収容される最後端の軌道片E6に連結されている。この軌道片Hの後端には、既存の軌道片に形成された蟻溝に結合する蟻27が形成されている。
【0031】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、軌道片Aは山折り用の軌道片、軌道片Bは谷折り用の軌道片として説明したが、軌道片A及び軌道片Bの少なくとも一方を山折りも谷折りもできる軌道片としてもよい。この場合、他方向への端部部材の回動角度を所定角度に規制してもよい。
このようにしておけば、軌道を坂道とするのに、自由に坂道軌道を構成できることになる。
また、軌道片A及び軌道片Bの少なくとも一方を山折りも谷折りもできるようにしておけば、方向を考慮することなく折り畳むことが可能となる。
【符号の説明】
【0032】
10 箱体
21 中間部材
21a 軸
22 端部部材
22a アーム
26 煙室扉(蓋体)
30 扉(蓋体)
A〜H 軌道片
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行方向に沿って並び軌道を構成する第1の端部部材、中間部材及び第2の端部部材を備え、
前記第1の端部部材は、前記中間部材の幅方向に延在する第1の軸を介して回動自在に該中間部材の第1の端部に連結され、
前記第2の端部部材は、前記中間部材の幅方向に延在する第2の軸を介して回動自在に該中間部材の第2の端部に連結され、
前記中間部材に対して前記第1の端部部材及び前記第2の端部部材を回動させることによって該第1の端部部材と該第2の端部部材を重畳可能に構成されている、
ことを特徴とする車両玩具用軌道片。
【請求項2】
前記中間部材、前記第1の端部部材及び前記第2の端部部材は前記中間部材の軌道面が露出されるように山折り可能となっていることを特徴とする請求項1記載の車両玩具用軌道片。
【請求項3】
前記中間部材、前記第1の端部部材及び前記第2の端部部材は前記中間部材の軌道面が隠蔽されるように谷折り可能となっていることを特徴とする請求項1記載の車両玩具用軌道片。
【請求項4】
前記第1の端部部材には、別の車両玩具用軌道と連結するための第1の連結部が設けられていることを特徴とする請求項1から3いずれか一項記載の車両玩具用軌道片。
【請求項5】
前記第2の端部部材には、別の車両玩具用軌道と連結するための第2の連結部が設けられていることを特徴とする請求項4記載の車両玩具用軌道片。
【請求項6】
請求項1から3いずれか一項記載の車両玩具用軌道片を備え、前記第1の端部部材及び前記第2の端部部材の少なくとも一方の端部部材には、別の車両玩具用軌道が連結されていることを特徴とする車両玩具用軌道。
【請求項7】
前記少なくとも一方の端部部材と前記別の車両玩具用軌道片とは、幅方向中央部に位置し且つ軌道面に対して直交する方向に延在する軸を中心に、互いに回動可能となるように連結されていることを特徴とする請求項6記載の車両玩具用軌道。
【請求項1】
走行方向に沿って並び軌道を構成する第1の端部部材、中間部材及び第2の端部部材を備え、
前記第1の端部部材は、前記中間部材の幅方向に延在する第1の軸を介して回動自在に該中間部材の第1の端部に連結され、
前記第2の端部部材は、前記中間部材の幅方向に延在する第2の軸を介して回動自在に該中間部材の第2の端部に連結され、
前記中間部材に対して前記第1の端部部材及び前記第2の端部部材を回動させることによって該第1の端部部材と該第2の端部部材を重畳可能に構成されている、
ことを特徴とする車両玩具用軌道片。
【請求項2】
前記中間部材、前記第1の端部部材及び前記第2の端部部材は前記中間部材の軌道面が露出されるように山折り可能となっていることを特徴とする請求項1記載の車両玩具用軌道片。
【請求項3】
前記中間部材、前記第1の端部部材及び前記第2の端部部材は前記中間部材の軌道面が隠蔽されるように谷折り可能となっていることを特徴とする請求項1記載の車両玩具用軌道片。
【請求項4】
前記第1の端部部材には、別の車両玩具用軌道と連結するための第1の連結部が設けられていることを特徴とする請求項1から3いずれか一項記載の車両玩具用軌道片。
【請求項5】
前記第2の端部部材には、別の車両玩具用軌道と連結するための第2の連結部が設けられていることを特徴とする請求項4記載の車両玩具用軌道片。
【請求項6】
請求項1から3いずれか一項記載の車両玩具用軌道片を備え、前記第1の端部部材及び前記第2の端部部材の少なくとも一方の端部部材には、別の車両玩具用軌道が連結されていることを特徴とする車両玩具用軌道。
【請求項7】
前記少なくとも一方の端部部材と前記別の車両玩具用軌道片とは、幅方向中央部に位置し且つ軌道面に対して直交する方向に延在する軸を中心に、互いに回動可能となるように連結されていることを特徴とする請求項6記載の車両玩具用軌道。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−224158(P2011−224158A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96917(P2010−96917)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(000003584)株式会社タカラトミー (248)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(000003584)株式会社タカラトミー (248)
【Fターム(参考)】
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