説明

車両用の照明式ナンバープレートおよびそれを備えた車両

車両用の照明式ナンバープレート(10)は、対向する主前面および主後面(14、16)ならびにその間の側面(18、20、22、24)を有する光導路(12)と、光導路(12)を照らすために、光導路(12)の少なくとも1つの側面(20)の少なくとも一部に沿って配置された細長い光源(26)と、を具備している。さらに、照明式ナンバープレート(10)は光透過性再帰反射フィルム(50)および表示(56、58)を具備し、光透過性再帰反射フィルム(50)および表示(56、58)は光導路(12)の前面(14)の前側に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用の照明式ナンバープレート(illuminated license plate)に関し、さらに詳細にはバックライト式ナンバープレート(back−lit license plate)に関する。さらに、本発明は、車体にそのような照明式ナンバープレートを具備する車両、さらに詳細には、たとえば乗用車、自動二輪車、列車、航空機または船舶などの動力付きの車両に関する。
【背景技術】
【0002】
金属または他の材料から構成される外部照明式ナンバープレートが、一般に周知である。このような周知のナンバープレートは、ナンバープレートの前および下または上に配置された通常2つまたは3つのランプによって照らされる。ランプの光は、ナンバープレートを照らすために、ナンバープレートの前面に向かって向けられる。しかし、周知の外部照明設計は、ナンバープレートの非一様な照明を被っている。さらに、ナンバープレートの外側に配置された光源は、乗用車設計者の設計自由度を制限する。
【0003】
欧州特許EP−A−1 262 373号明細書には、発光材料の層が用いられ、その前に光透過性再帰反射フィルムが配置されるバックライト式ナンバープレートについて記載されている。光透過性再帰反射フィルムの前に、表示を備えた光透過性表示フィルムが配置される。類似の照明式ナンバープレートが米国特許第US−A−5,692,327号明細書に開示されている。これらの周知のナンバープレートの比較的均等な照明を得るために、比較的高い周波数の比較的高い電圧が発光材料に印加されなければならない。しかし、この構造は、比較的高い電気入力エネルギのために比較的低い効率を生じる結果となり、さらなる電子機器を必要とし、より高い電圧のために特殊な安全機構を必要とする。また、電磁波比較可能性(電磁互換性)/電磁干渉(EMC/EMI)遮蔽も、基本的には必要である。したがって、バックライト式ナンバープレートに関するこれらの周知の設計は、コスト効率があまりよいとはいえない。
【0004】
さらに、バックライト式ディスプレイ用の他の照明システムを用いることも一般に周知である。これらの周知のディスプレイは一般に、第1および第2の対向する主面および1つの横側面から光を光導路(light guide)に向けるように配置された光源を有する光導路を用いる。光は、内部全反射によって光導路内部を誘導され、ディスプレイなどを照らすために、2つの主面のうち一方を通って抽出される。そのような照明式ディスプレイの例は、国際公開第WO−A−01/71248号パンフレット、欧州特許第EP−B−0 534 140号明細書、欧州特許第EP−A−0 878 720号明細書、米国特許第US−A−5,375,043号明細書および独国特許第DE−C−38 25 436号明細書に開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
均一な内部照明用の簡素かつ信頼性の高い構造を備えた車両用のバックライト式ナンバープレートが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車両用の照明式ナンバープレートであって、ナンバープレートが
−対向する主前面および主後面ならびにその間の側面を有する光導路と、
−光導路を照らすための光導路の少なくとも1つの側面の少なくとも一部に沿って配置される細長い光源と、
−光透過性再帰反射フィルムと、
−表示と、
を具備し、
−光透過性再帰反射フィルムおよび表示が光導路の前面の前に配置される車両用の照明式ナンバープレートを提供する。
【0007】
本発明によるナンバープレートにおいて、2つの対向する前主面および後主面ならびにその間の側面を有するエッジライト式の中空光導路または中実光導路が用いられる。細長い光源が、光を光導路に放射するために、光導路の少なくとも1つの側面の少なくとも一部に沿って配置される。細長い光源は、光を実質的にその長手方向に沿って放射し、たとえば蛍光灯などの光チューブのような細長い発光体または互いに離隔され、光源の長手方向に沿って互いに隣接して配置される複数の個別の発光体を具備する。したがって、細長い光源は、個別の発光素子の直線アレイを備えていてもよい。
【0008】
光導路の前面の前には、たとえばグラフィックスおよび/または文字などの形で光透過性再帰反射フィルムおよび表示が配置される。表示は、たとえば、光透過性再帰反射フィルム上または光導路の前面に印刷することによって直接配置されることができ、または別のフィルム(表示フィルム)によって支持されることができる。光透過性再帰反射フィルムは、当業者には基本的には周知であるように、ビーズ、プリズムであってもよく、またはコーナキューブを備えていてもよい。基本的には、各種の光透過性再帰反射フィルムを用いることができる。特に、交通標識によって周知であるようなそのような光透過性再帰反射フィルムを用いることができる。たとえば、米国特許第US−A−4,588,258号明細書、米国特許第US−A−5,122,902号明細書および国際公開第WO−A−98/20375号パンフレットに記載したようなコーナキューブ再帰反射フィルムが、本発明による照明式ナンバープレート用の光透過性再帰反射フィルムとして有用である。また、米国特許第US−A−4,005,538号明細書の交通標識に用いられているような再帰反射微小球を具備するビーズ付き再帰反射フィルムも用いることができる。
【0009】
光が光導路の前面から伝播されて光透過性再帰反射フィルムを通過する角度で、光線が前面および光透過性再帰反射フィルムに当たるまで、光導路内部で、光は前面および後面および側面における内部全反射によって伝播される。
【0010】
光導路の光透過性材料に添加される光散乱粒子によって、光導路の前面から抽出される光の量を増加することができる。さらに、光導路の後面に後部反射体を配置することができる。また、光導路の側面に反射体を配置することもできる。後部反射体および側面反射体はいずれも、高い反射効率を有する拡散反射フィルム、鏡面反射フィルムまたは散乱反射フィルムであることが好ましい。光導路の後面および側面に沿って反射体、特に高効率の拡散体または鏡面反射フィルムまたは拡散反射フィルムを配置することにより、光は前面のみを通って逃げることができることから、表示を照らすために光源の光の大部分を用いることができる光導路を形成する。したがって、そのような設計は、必要な輝度、均等な照明および電力消費に関してきわめて高い効率である。
【0011】
さらに、本発明では、(前述の反射体に加えて、または前述の反射体の別法として)他の光抽出機構、フィルムまたは塗料を用いることができる。また、光導路の表面上に印刷された光抽出要素(たとえば、さまざまなサイズ、形状および密度のドット)も用いることができる。そのような構成は、たとえば、米国特許第US−A−5,736,686号明細書、米国特許第US−A−5,649,754号明細書、米国特許第US−A−5,600,462号明細書、米国特許第US−A−5,377,084号明細書、米国特許第US−A−5,363,294号明細書、米国特許第US−A−5,289,351号明細書、米国特許第US−A−5,262,928号明細書、米国特許第US−A−5,667,289号明細書および米国特許第US−A−3,241,256号明細書に記載されている。本発明に有用な他の光抽出構成は、米国特許第US−A−5,618,096号明細書、国際公開第WO−A−92/05535号パンフレットおよび国際公開第WO−A−01/71248号パンフレットに記載されている。
【0012】
本発明の別の好ましい実施形態において、光導路は、中実光導路である。基本的には、中実光導路は、中空光導路より安定性に優れているため、自動車用途にさらに有用である。中実光導路は、板のような形状または楔のような形状を備えていてもよい。後者の場合には、光導路は対向する狭い側面および広い側面を備え、光源が広い側面に沿って配置される。楔のような形状であるために、光源から放射される光線は、光源に対向し、光源から比較的遠くにある光導路の領域内であっても光導路の後面から前面に向かってさらに一様に反射されることができることから、これらの領域において減少した光強度を補償することができる。本発明によれば、板のような形状および楔のような形状はまた、中空光導路にも用いることができる。
【0013】
本発明の好ましい実施形態において、表示を備えた表示フィルムは、光透過性で光学的に透明な接着剤によって光透過性フィルム上に積層される。接着剤は、1.3以下の屈折率であることが最も好ましい。また、光透過性再帰反射フィルムは、支持フィルムに接着されることができる。この構成は、光導路の前に位置決めされ、その位置から除去されることができる。光導路および支持フィルムは、表示および光透過性再帰反射フィルムを含む支持フィルムを除去することができるように、機械的に固着されることができる。
【0014】
別法として、光透過性再帰反射フィルムは、その上に印刷される表示を直に備えてもよく、1.3以下の屈折率を有することが最も好ましい光学的に透明な(光透過性)接着剤によって、異なる態様でその上に接着されてもよい。この設計において、光導路と光透過性再帰反射フィルムまたは表示フィルムとの間に、空気境界面が設けられていない。この構造では、光導路の前面にわたる一様な光の分散のために、テーパ付き光導路、すなわち楔状のタイプの光導路が好ましい。言い換えれば、接着剤のために、光導路と光透過性再帰反射フィルムとの間の境界面に空気がため込まれないことから、光導路の前面で内部全反射があまり起こらない。これは、後面から光導路への光の反射量を漸減的に増大する光導路の後面によって補償される。
【0015】
光導路の後面における反射を増大して、光導路の前面におけるより少ない反射を補償するために、光導路の次第に細くなる後面以外の他の機構を任意に用いることができる。これらの機構は、光抽出機構にちなんで上記のように呼ばれる。たとえば、印刷されたドットまたは他の光抽出器を用いることができる。
【0016】
支持フィルムによって支えられる表示フィルムおよび/または光透過性再帰反射フィルムの場合にも、このフィルム集合体は、上述したように光学的に透明な(光透過性)接着剤によって、光導路の前面に接着されることができることを留意されたい。
【0017】
さらに、安全要件に関して、光透過性再帰反射フィルムまたは支持フィルムに接着される表示フィルムは、除去するときに自動的に破棄されることが好ましい。これは、たとえば、表示フィルムにスリットを設けることによって実現されることができる。このような安全特徴は、たとえば、乗用車の窓に取付けられるステッカまたは他のグラフィックフィルムから当業界では基本的には周知である。このような安全システムはまた、たとえば、米国特許第US−B−6,372,341号明細書に記載されているようなタンパ表示盗難防止物品から公知である。本発明において用いられることになっている表示フィルムに適したシーティングはまた、ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング(Minnesota Mining and Manufacturing)から商標名「スコッチライト(Scotchlight)(登録商標)VP5580」または「スコッチライト(Scotchlight)(登録商標)VP5570」または「スコッチライト(Scotchlight)(登録商標)VP5490」または「スコッチライト(Scotchlight)(登録商標)VP5480」で入手可能である。
【0018】
上述したように、本発明によるナンバープレートの光導路は、細長い光源によってエッジから照らされる。この光源は、光導路の少なくとも1つの側面に沿って配置される蛍光灯であってもよい。しかし、冷陰極蛍光灯はかなりよい発光効率を有するが、ナンバープレートを照らすために用いるときにはいくつかの欠点を被る。言い換えれば、蛍光灯は、特殊な電気回路および電子雑音を生じる高電圧を必要とするため、EMC/EMI遮蔽尺度を必要とする。
【0019】
さらに、蛍光灯は一般に、ナンバープレートに用いるためには明るすぎ、減光することができないことから、ナンバープレートの照明は、システムの全体的な効率の損失を生じる他の手段によって減光しなければならない。
【0020】
本発明の好ましい実施形態において、細長い光源は、直線アレイに配置された複数のLEDによって実現される。LEDは、特に(車両の内部および外部の両方に関する)自動車の照明器具に用いられる機会が増えている。LEDは、保守点検を必要とすることなく耐用年数がきわめて長いことが周知である。近年、白色光を放射するLEDが、手ごろなコストで入手可能になりつつある。1つの共通の細長い光源の代わりに直線アレイに配置された複数の発光素子を設けることの利点は、個別の発光素子の故障の場合に、ナンバープレートの照明が依然として与えられることである。
【0021】
さらに、個別の発光素子は、ナンバープレートの異なる領域の中の異なる色でナンバープレートを照らすことができる。ナンバープレートの異なる領域の中の異なる色の光を提供することはまた、異なる光の色を放射する所定の領域を分離するためのきわめて高い鏡面反射フィルムおよび/または拡散反射フィルムによって、または光透過性の透明な接着剤を両面に塗布した再帰反射フィルムによって、所定の領域内に異なる色を放射する細分化された光導路によって実現されることができる。
【0022】
さらに、発光素子は、異なる目的のために、異なる方法で制御および駆動されることができる。たとえば、緊急の場合には、同時に、連続的にまたは交互に発光素子を点滅することができることから、車両に人の注意を引き付けるための特殊な照明効果を実現することができる。発光素子はまた、乗用車の非常警告灯に連結されることもできる。
【0023】
また、光ファイバ技術の利用によって、本発明によるナンバープレートに適した細長い光源を実現することも可能である。一実施例において、複数の光ファイバは、その端面が光導路の側面に対向して位置決めされるように配置される。個別のLEDの場合のように、光ファイバの端面は、個別の発光素子を設ける。別の設計において、光ファイバなどの光チューブが、光導路の側面に沿って位置決めされ、光チューブによって伝播した光は横方向に出射する。当業者は、この種の横方向に放射される光チューブまたは光ファイバについて周知である。
【0024】
光導路の側面に位置決めされた光学レンズによって個別の発光素子の光を光導路に連結することによって、光導路におけるさらに良好でさらに均一でエネルギ効率のよい光の分散を実現することができる。光導路の側面に丸い切欠きを形成し、各発光素子が関連する個別の切欠きを有することによって、レンズ特性を実現することができる。これらの切欠きは発光素子、すなわち丸いハウジングを備えた通常のLEDまたはレンズ特性も有する光透過性カバー材料を備えた平坦な構造を備えた表面実装型LEDのいずれかであってもよい光ファイバの端部またはLEDを収容することができる。光が光導路に沿って連結される光導路の側面におけるレンズ特性のために、発光素子から放射され、光導路の中に伝播される光は、光導路の中で広がる。光導路の側面切欠きの表面および残りの領域から反射される光は、上述したように、発光素子が光導路と反射体との間に配置される側面反射体によって側面および切欠きに戻るように反射されることができる。
【0025】
光導路および細長い光源は、乗用車の車体の一体部品であってもよく、乗用車の車体に取付けられるユニットであってもよい。光導路の形状、特に、光導路の前面の形状は、乗用車車体の全体形状に従うように設計されることができる。したがって、光導路の前面は、たとえば、凸形または凹形の曲面であってもよい。乗用車車体に固着されるこの前面に対して、本発明によるナンバープレートの残りの部品は、機械的にまたは上述したように接着剤によって取付けられることができる。これにより、ナンバープレートを包囲する乗用車車体の部品を設計するときに、きわめて大きな自由度が可能となる。特に、ナンバープレートおよびその形状を乗用車車体に適合することができることから、ナンバープレートは乗用車車体の設計を制限することはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の複数の実施形態が、図面に示されている。
【0027】
図面を通して、本発明の異なる実施形態の類似の要素および部品は、類似の参照符号によって呼ばれる。
【0028】
図1〜図3において、本発明によるナンバープレートの第1の実施形態がさらに詳細に示されている。これらの図によれば、ナンバープレート10は、光透過性合成材料(たとえばポリメチルメタクリレートまたはポリカーボネートなどのアクリル)から構成され、板のような形状を有する中実光導路12を具備する。光導路12は、主前面14および対向する主後面16のほか、対向する側面18、20および22、24(図2も参照)を具備する。光導路12の側面の1つに沿って(この実施形態では、下側面20に沿って)、細長い光源26が直線アレイを形成するために並んで配置された複数のLED30を支えるプリント回路基板28または類似のキャリアストリップを具備するように配置される。細長い光源26は、光導路12のエッジ照明を提供する。
【0029】
図2および図3において分かるように、各LED30に関連して、光導路12の下側面20に切欠き32が形成されている。切欠き32の内部には、光導路12の下側面20には、LEDによって放射され、光導路12の中に伝播される光線を広げるために、光導路12と一体である発散レンズとして機能する凹曲面34が備えられている。これは、特に図3において分かる。
【0030】
きわめて高い鏡面反射体または拡散反射体36、38、40および42が、光導路12の側面18、20、22、24に沿って配置される。このような反射体は、屈折率が1.3以下であることが好ましい光学的に透明な(光透過性)接着剤によって光導路12に接着される。他の光学的に透明な接着剤もまた用いることができる。適切な接着剤は、米国セントポールのスリーエム・カンパニー(3M Company(St.Paul,USA))から入手可能である(たとえば、#8141、#8142、#8161または#9483)。さらに、きわめて高い拡散または鏡面反射性の後部反射体44が、光導路12の後面16に面するように配置される。後部反射体44のほか、反射体36、38、40、42がフィルムから構成される。たとえば、そのようなフィルムは、米国セントポールのスリーエム・カンパニー(3M Company(St.Paul,USA))から入手可能であり、「ヴィジブルミラーフィルム(Visible Mirror Film)VM 2000」または「ヴィジブルミラーフィルム(Visible Mirror Film)VM 2000 F1A6」または「ライトエンハンスメントフィルム(Light Enhancement Film)3635−100」と命名されている。
【0031】
特に図1および図2から分かるように、ストリップ状の反射体36は、LED30が延在する孔46を備えたその下側面20を有する。さらに、その横縁48にある反射体36は、光導路12の前面14および後面16の底縁に沿って延在している。これらの横縁48の内部で、反射体36は、LED30から放射された光を光導路12に戻すように反射する。
【0032】
したがって、光導路12の中に伝播されるLED30の光はすべて、光導路12の照明される側を形成するために、光導路12の前面14を通した場合に限り、出射することができる。
【0033】
光導路12の前面14の前に、光透過性再帰反射フィルム50と、エンボス加工することができる透明な支持フィルム52と、この実施形態では文字、数字およびグラフィックスの形の表示56,58を備えた表示フィルム54と、を具備する複数の層のサンドイッチ構造が配置される。隣接するフィルムは、光透過性接着剤(たとえば、米国セントポールのスリーエム・カンパニー(3M Company(St.Paul,USA))から入手可能な(伸張剥離型VP 5920)によって互いに接着される。光透過性再帰反射フィルム50は、当業者には基本的には周知であるようなビーズまたはプリズムまたはコーナキューブフィルムであってもよい。このフィルムの再帰反射特性は、表示フィルム54の上に当たる外部の光および光導路12からの内部の光の両方に対して用いられる。後者の場合には、光透過性再帰反射フィルム50は、後部反射体44と共に、光導路12の前面14の一様な照明を生じる光導路12を通る複数の光の反射を形成する。さらに、光導路12は、光導路12の材料の中で実質的に一様に分散され、異なる光拡散特性を有する光散乱粒子64を備えうる。
【0034】
個別の表示フィルム54に関する別法として、表示56、58は、透明な支持フィルム52上に印刷されてもよく、光透過性再帰反射フィルム50上に直に印刷されてもよい。必要であれば、保護用の透明フィルム(図示せず)が、支持フィルム52の印刷面上に積層されることができる。
【0035】
上述したようなフィルム50、52および54を具備するサンドイッチ構造は、締付け金具などの任意の適切な機械的固着手段によって、光導路12の前面14に機械的に取付けられる。この実施形態において、後壁68および後壁68から突出する側壁70を具備するハウジング66は、光導路12、細長い光源26およびフィルム50、52および54を包囲する。側壁70の前縁に、光導路12の前に層50、52および54のサンドイッチ構造を固着するために、サンドイッチ構造を把持するフレーム72が取付けられる。フレーム72は、光導路12の前面14がその中で露出される開口部74を画定する。封止要素76が、フレーム72とハウジング66の側壁70との間に配置される。フレーム72は、ネジ、締付け金具などの任意の適切な手段によって、側壁70または後壁68に固定されることができ、ナンバープレートの組立ておよびサンドイッチ構造の着脱を可能にすることができる。側壁70からのフレーム72の取外しが必要でない場合(たとえば、後述する図4の実施形態参照)には、フレーム72はまた、側壁70に固着または接合されることができる。
【0036】
本発明によるナンバープレートの別の実施形態が、図4の断面図に示されている。このナンバープレート80は、図1〜図3によるナンバープレート10の構造と類似の構造からなる。差異は、その上側面18に向かって徐々に細くなっている光導路12の形状に関連している。このような先細り型の光導路12は、上部分、すなわち、細長い光源26から離隔される部分の内部で、光導路12の後面16における反射数が増大し、反射光の強度の減少を補償するという利点を提供する。したがって、先細り構成は、光のより等しい分散を形成する。
【0037】
ナンバープレート80と10との間の別の差異は、接着層62によって接着された表示フィルム54を備えた光透過性再帰反射フィルム50が、接着層82によって光導路12の前面14に直に接着されるという事実に関連している。また、これらの接着層62および82は、米国セントポールのスリーエム・カンパニー(3M Company(St.Paul,USA))から入手可能な伸張剥離型接着テープVP 5920から構成されることが好ましい。しかし、他の光学的に透明な接着剤も同様に、用いることができる。接着剤82は、光導路12の前面14に残ることなく、光導路12からはがすことができる必要があるため、表示フィルム54および光透過性再帰反射フィルム50を表示フィルムおよび光透過性再帰反射フィルムの別の組合せによって交換することができる。しかし、安全面および盗難防止面のために、表示フィルム54の交換および剥離は破壊によって実現されることが重要である。これらの技術は、乗用車の窓または他の面に接着されるステッカまたは類似のグラフィックスによって基本的には周知である。
【0038】
図5において、ナンバープレート10または80の光導路12の後面14は、ナンバープレートの位置に隣接する領域94内部の乗用車92の車体90の形状に従うように形成されることができることを示している。図5において、後部ランプ96およびバンパ98を含む乗用車92の車体90の後端が示されている。
【0039】
本発明はその特定の例示の実施形態に関して説明し、図示してきたが、本発明は例示の実施形態に限定されるわけではない。当業者は、以下の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の真の範囲を逸脱することなく、変形および修正を行うことができることを認識されよう。したがって、添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内に包含されるようなそのような変形および修正は、本発明の中に網羅されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施形態によるナンバープレートの断面図である。
【図2】図1の断面図に示されたナンバープレートの等角分解立体図である。
【図3】図1のIII−IIIに沿って切り取った断面図の一部である。
【図4】本発明によるナンバープレートの異なる実施形態の断面図である。
【図5】乗用車の車体の湾曲部品に対するナンバープレートの光導路の前面の組込みを示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
−対向する主前面および主後面(14、16)ならびにその間の側面(18、20、22、24)を有する光導路(12)と、
−前記光導路(12)を照らすための前記光導路(12)の少なくとも1つの前記側面(18、20、22、24)の少なくとも一部に沿って配置される細長い光源(26)と、
−光透過性再帰反射フィルム(50)と、
−表示(56、58)と、
を具備し、
−前記光透過性再帰反射フィルム(50)および前記表示(56、58)が前記光導路(12)の前記前面(14)の前側に配置される、車両用の照明式ナンバープレート。
【請求項2】
前記光透過性再帰反射フィルム(50)が前記表示(56、58)と前記光導路(12)との間に配置される、請求項1に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項3】
前記表示(56、58)が前記光透過性再帰反射フィルム(50)と前記光導路(12)との間に配置される、請求項1に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項4】
前記表示(56、58)が個別のフィルム(54)上に配置される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項5】
前記表示(56、58)が前記光透過性再帰反射フィルム(50)上に配置される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項6】
前記光導路(12)の前記後面(16)に配置される後部反射体(44)をさらに具備する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項7】
前記後部反射体(44)が拡散反射体または鏡面反射体または散乱反射体である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項8】
前記光導路(12)が中実光導路である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項9】
前記中実光導路(12)が光散乱粒子(64)を具備する、請求項8に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項10】
前記中実光導路(12)が平坦な板である、請求項8または9に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項11】
前記中実光導路(12)が、狭い側面および対向する広い側面を具備する楔のような形状を有し、前記細長い光源(26)が前記中実光導路(12)の前記広い側面に沿って配置される、請求項8または9に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項12】
前記表示(56、58)が前記中実光導路(12)の前記前面(14)上に配置される、請求項6〜11のいずれか1項に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項13】
前記光源(26)が互いに隣接して配置される数個の発光素子を具備する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項14】
前記発光素子が異なる色の光を放射することができる、請求項13に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項15】
前記発光素子がLED(30)である、請求項13または14に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項16】
前記LED(30)が、前記光導路(12)の前記側面(20)の少なくとも一部に沿って延在する支持ストリップ(28)上に実装される表面実装デバイスである、請求項15に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項17】
前記中実光導路(12)の前記側面(20)が切欠き(32)を備え、前記発光素子が前記切欠き(32)に向かって光を放射する、請求項8に従属する請求項13〜16のいずれか1項に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項18】
前記切欠き(32)が、前記中実光導路(12)内部の前記発光素子から放射される光を広げるための光学レンズを提供するように形成される、請求項17に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項19】
前記光導路(12)の少なくとも1つの前記側面(18、20、22、24)に沿って配置されるエッジ反射体(36、38、40、42)をさらに具備する、請求項1〜18のいずれか1項に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項20】
前記エッジ反射体(36、38、40、42)が鏡面反射体または拡散反射体または散乱反射体である、請求項19に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項21】
前記エッジ反射体(36、38、40、42)がストリップの形状である、請求項19または20に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項22】
前記光源(26)を備えた前記光導路(12)の前記側面(20)の前記エッジ反射体(36)が、前記光源(26)の周囲に延在し、前記光源(26)に隣接する前記光導路(12)の前記前面および後面(14、16)の領域まで延在する、請求項19〜21のいずれか1項に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項23】
前記表示(56、58)が除去可能に配置され、除去時に破壊される、請求項1〜22のいずれか1項に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項24】
前記表示(56、58)が光透過性支持体(52)に除去可能に取付けられ、前記支持体(52)から除去されるときに破壊される、請求項1〜23のいずれか1項に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項25】
前記支持体が追加の支持フィルム(52)または前記光透過性再帰反射フィルム(50)である、請求項24に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項26】
前記光導路(12)、前記光源(26)、前記表示(56、58)および前記光透過性再帰反射フィルム(50)が、前記光導路(12)の前記前面(14)の前側に開口部(74)を有するハウジング(66)の内部に配置される、請求項1〜21のいずれか1項に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項27】
前記光導路(12)および前記光源(26)の構成を包囲する壁(68、70)を有し、前記光導路(12)の前記前面(14)を露出するための開口部(74)を有するハウジング(66)をさらに具備し、前記光透過性再帰反射フィルム(50)または設けられている場合には前記表示フィルム(54)が前記光導路(12)の前記前面(14)に接着される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の照明式ナンバープレート。
【請求項28】
車体および
請求項1〜27のいずれか1項に記載のナンバープレート(10、80)を具備する車両、特に動力付き車両。
【請求項29】
少なくとも前記光導路(12)および前記細長い光源(26)が前記車体に取付けられる、請求項28に記載の車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−504055(P2007−504055A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532459(P2006−532459)
【出願日】平成16年4月23日(2004.4.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/012592
【国際公開番号】WO2004/101321
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】