説明

車両用アンテナ装置

【課題】低コスト化が図れ、かつ高い受信感度性能を発揮することができる車両アンテナ装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】リア窓ガラス104上のアンテナ101と、アンテナ101に近接して配置されたリア窓ガラス104上のデフォッガー160と、デフォッガー160を構成するヒータ導線170のそれぞれの端部を接続する接続部180aおよび接続部180bのそれぞれの略中央に配置された第1の接続点131と第2の接続点132とを有し、第1の切り替えスイッチ141と第2の切り替えスイッチ142によって、受信部103から出力された制御信号に応じて、第1の接続点131もしくは第2の接続点132と車両100のグラウンドとを高周波的に接続し、その他の接続点と車両100のグラウンドとを高周波的に非接続に切り替える構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のリア窓ガラスに搭載された車両用アンテナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の窓ガラスに搭載された車両用アンテナ装置として、窓ガラスに設けられた複数の導線を含む防曇ヒータと、ヒータよりも上部の窓ガラス上に配置された第1アンテナ素子および第2アンテナ素子と、窓ガラスの左辺側に配置された第1アンテナ素子用の第1給電点および窓ガラスの右辺側に配置された第2アンテナ素子用の第2給電点とを含んだものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のものは、第1および第2アンテナ素子の給電点の位置を離間させ、第1アンテナ素子と第2アンテナ素子とが基本的に異なった指向特性を有し、その指向特性は互いを補完しうるものである。よって、ダイバーシティアンテナを構成するアンテナ素子を切替えても受信感度が大きく低下しない。
【0004】
また、従来の別の窓ガラスに搭載された車両用アンテナ装置として、アンテナ導体3を単極アンテナとして利用し、一のバスバーと他方のバスバーから給電することによって、コの字状のデフォッガーを双極アンテナとして利用し、アンテナ導体3とデフォッガーの受信信号の中から受信感度の強い方の受信信号を選択使用するダイバーシティガラスアンテナが知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−520737号公報
【特許文献2】特開平7−336124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の車両用アンテナ装置においては、各アンテナの指向性が異なるため、アンテナ切り替えダイバーシティアンテナ構成により受信感度を改善できるとは言え、2つのアンテナ素子(給電部を含む)およびダイバーシティ受信機が必要となり製造コストが増大する問題があった。
【0007】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、1つのアンテナ素子にて複数の補間的な放射指向性を得ることができるため、低コスト化が図れ、かつ高い受信感度を確保した車両用アンテナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、リア窓ガラス上のアンテナと、前記アンテナに近接して配置された前記リア窓ガラス上のデフォッガーと、前記デフォッガーを構成する前記リア窓ガラスの長辺に対して複数本配置されたヒータ導線および前記ヒータ導線の端部をそれぞれ接続する2つの接続部と、前記デフォッガーの接続部に配置された少なくとも2以上の接続点と、前記アンテナの給電部と接続される受信部と、前記受信部から出力された制御信号に応じて、前記接続点のうち一方の接続点とグラウンドとの接続を高周波的に接続し、前記接続点のうち他方の接続点とグラウンドとの接続を高周波的に非接続に切り替える切替部を備えるという構成を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、簡易な構成にて複数の補完的な放射指向性を得ることができるため、ダイバーシティアンテナ構成に対して低コスト化が図れ、かつ高い受信感度性能を発揮することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1におけるリア窓ガラス搭載アンテナ装置の構成図
【図2】本発明の実施の形態におけるリア窓ガラス搭載アンテナ装置を搭載する車両を示す図
【図3】本発明の実施の形態1におけるリア窓ガラス搭載アンテナ装置の指向性利得を示す図
【図4】本発明の実施の形態2におけるリア窓ガラス搭載アンテナ装置の構成図
【図5】本発明の実施の形態2におけるリア窓ガラス搭載アンテナ装置の指向性利得を示す図
【図6】本発明の実施の形態3におけるリア窓ガラス搭載アンテナ装置の構成図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における車両用アンテナ装置について図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は本発明の実施の形態1における車両用アンテナ装置をリア窓ガラスに搭載した状態における構成図であり、図2は、リア窓ガラスに車両用アンテナ装置を備えた車両の全体図である。
【0013】
なお、本発明の車両用アンテナ装置として、例えば、周波数76〜108MHz帯のFMラジオの受信用アンテナとして説明する。
【0014】
図1において、リア窓ガラス搭載アンテナ装置120は、図2の車両100に搭載され、リア窓ガラス104と、リア窓ガラス104上に配置されたアンテナ101と、アンテナ101を50Ωにインピーダンス調整する整合回路102と、受信部103と、リア窓ガラス104上に配置されたデフォッガー160と、第1の切り替えスイッチ141および第2の切り替えスイッチ142とを有する。
【0015】
アンテナ101は導電性の材料で形成され、リア窓ガラス104の上辺(長辺)側に貼付され、アンテナ101の給電部105は、整合回路102と、受信部103に接続される。
【0016】
受信部103は、アンテナ101で受信された信号を増幅させ、受信信号をデータ信号に復調するための機能を備える。
【0017】
デフォッガー160は、リア窓ガラス104上に貼付され複数本配置されたヒータ導線170とヒータ導線170の端部を接続する接続部180a(リア窓ガラス104の右辺側に配置)および接続部180b(リア窓ガラス104の左辺側に配置)により構成される。
【0018】
また、デフォッガー160の接続部180aには第1の接続点131が設けられ、接続部180bには第2の接続点132が設けられる。
【0019】
第1の切り替えスイッチ141および第2の切り替えスイッチ142は、2つの端子(
例えば、A、B)を備え、各スイッチのA端子(第1端子)はそれぞれ第1の接続点131と第2の接続点132と接続され、B端子(第2端子)は車両100のグランドに接地される。
【0020】
また、第1の切り替えスイッチ141および第2の切り替えスイッチ142は、受信部103の制御信号151および制御信号152により、端子AとBとを接続または未接続される。
【0021】
したがって、デフォッガー160は、第1の切り替えスイッチ141および第2の切り替えスイッチ142により、第1の接続点131および第2の接続点132で車両100のグランドに接続または未接続される。
【0022】
アンテナ101の素子長は、例えば、FMラジオの動作周波数の略1/4波長であり、車両100のグランドとの間隔は、例えば、1/30波長であり、アンテナ101の給電部105は、リア窓ガラス104の上辺の右端の角に設けられる。また、アンテナ101は、給電部105よりL字型の形状で構成され、その大部分はリア窓ガラス104の上辺に沿って略平行に配置される。
【0023】
デフォッガー160のヒータ導線170は、導電性の材料で形成され、リア窓ガラス104の上辺および下辺に略平行で略30mmの間隔で複数の導線が配置される。
また、デフォッガー160の接続部180aおよび接続部180bもヒータ導線170と同様に導電性の材料にて形成される。
【0024】
さらに、デフォッガー160は、アンテナ101と近接しており、その間隔は、例えば、50mm程度である。
【0025】
第1の接続点131は、例えば、デフォッガー160の接続部180aの略中央の位置に設けられ、第2の接続点132は、例えば、デフォッガー160の接続部180bの略中央の位置に設けられる。
【0026】
なお、デフォッガー160は、図示していないが、接続部180aまたは接続部180bにて電源と直流的には接続されているが、高周波的に離れている構造(例えばチョークコイルで接続、もしくはフィルタで接続)にて接続される。
【0027】
以上のように構成されたリア窓ガラス搭載アンテナ装置120について、以下にその動作を説明する。
【0028】
図3は、第1の切り替えスイッチ141および第2の切り替えスイッチ142の動作による車両100の水平面(車両前後方向と車両ドア方向からなる面)の指向性利得である。
【0029】
ここで、リア窓ガラス搭載アンテナ装置120は、受信部103からの制御信号により、1つの切り替えスイッチのみA端子とB端子が接続される(その他の切り替えスイッチのA端子とB端子は未接続)。
【0030】
図3(a)は、第1の切り替えスイッチ141のA端子とB端子が接続され、第2の切り替えスイッチ142のA端子とB端子が未接続の場合である。この場合、指向性利得は、Y軸方向(車両100のドア方向)に強くなる。
【0031】
図3(b)は、第1の切り替えスイッチ141のA端子とB端子が未接続であり、第2
の切り替えスイッチ142のA端子とB端子が接続された場合である。この場合、指向性利得は、X軸方向(車両100の前後方向)に強くなる。
【0032】
すなわち、アンテナ101と近接して配置されたデフォッガー160を車両100のグランドに接続するという手段により、デフォッガー160に流れるアンテナ電流を制御することができ、図3(a)に示す特性と図3(b)に示す特性の互いに補間的な指向性利得が得られる。
【0033】
したがって、切り替えダイバーシティアンテナ構成と同様に高い受信感度を実現することができ、かつ、1つのアンテナ素子のみを配置し、デフォッガー160に必要な車両100のグランドとの接続点の位置を切替える構成のため、製造コストを安く抑えることができる。
【0034】
なお、本実施形態では、アンテナ101の給電部105をリア窓ガラス104の上辺の右端の角に配置したが、これに限らず、給電部をリア窓ガラス104のその他の角に配置しても良い。
【0035】
この場合、アンテナ101の給電部に近いデフォッガー160の接続部に設けられた接続点の切り替えスイッチのA端子とB端子を接続し、もう一方の接続点の切り替えスイッチのA端子とB端子を未接続とすることで、図3(a)に示す特性と同様の効果を得ることができ、給電部に近いデフォッガー160の接続部に設けられた接続点の切り替えスイッチのA端子とB端子を未接続とし、もう一方の接続点の切り替えスイッチのA端子とB端子を接続することで図3(b)に示す特性と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2における車両用アンテナ装置について図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
【0036】
図4に示すリア窓ガラス搭載アンテナ装置220と、図1に示すリア窓ガラス搭載アンテナ装置120との違いは、デフォッガー161に設けられる第1の接続点133と第2の接続点134の位置である。
【0037】
なお、本発明の車両用アンテナ装置として、例えば、周波数76〜108MHz帯のFMラジオの受信用アンテナとして説明する。
【0038】
デフォッガー161は、リア窓ガラス104上に貼付され複数本配置されたヒータ導線171とヒータ導線171の端部を接続する接続部181a(リア窓ガラス104の右辺側に配置)および接続部181b(リア窓ガラス104の左辺側に配置)により構成される。
【0039】
デフォッガー161のヒータ導線171は、導電性の材料で形成され、リア窓ガラス104上に貼付され、リア窓ガラス104の上辺および下辺に略平行で略30mmの間隔で複数の導線が配置される。また、デフォッガー161の接続部181aおよび接続部181bもヒータ導線171と同様に導電性の材料にて形成される。
【0040】
さらに、デフォッガー161は、アンテナ101と近接しており、その間隔は、例えば、50mm程度である。
【0041】
また、デフォッガー161は、アンテナ101の給電部105に近い接続部181aに第1の接続点133および第2の接続点134を設け、第1の切り替えスイッチ143ま
たは第2の切り替えスイッチ144により、第1の接続点133または第2の接続点134で車両100のグランドに接続される。
【0042】
第1の接続点133は、例えば、デフォッガー161の接続部181aの上端の位置(最もアンテナ101の給電部105に近い位置)に設けられ、第2の接続点134は、例えば、デフォッガー161の接続部181bの下端(最もアンテナ101の給電105から遠い位置)に設けられる。
【0043】
第1の切り替えスイッチ143および第2の切り替えスイッチ144は、2つの端子(例えば、A、B)を備え、各スイッチのA端子(第1端子)はそれぞれ第1の接続点133と第2の接続点134と接続され、B端子(第2端子)は車両100のグランドに接地される。
【0044】
また、第1の切り替えスイッチ143および第2の切り替えスイッチ144は、受信部103の制御信号153および制御信号154により、A端子とB端子とが接続または未接続される。
【0045】
したがって、デフォッガー161は、第1の切り替えスイッチ143および第2の切り替えスイッチ144により、車両100のグランドに接続または未接続される。
なお、デフォッガー161は、図示していないが、接続部181aまたは接続部181bにて電源と直流的には接続されているが、高周波的に離れている構造(例えばチョークコイルで接続、もしくはフィルタで接続)にて接続される。
【0046】
以上のように構成されたリア窓ガラス搭載アンテナ装置220について、以下にその動作を説明する。
【0047】
図5は、第1の切り替えスイッチ143および第2の切り替えスイッチ144の動作による車両100の水平面(車両前後方向と車両ドア方向からなる面)の指向性利得である。
【0048】
ここで、リア窓ガラス搭載アンテナ装置220は、受信部103からの制御信号により、1つの切り替えスイッチのみA端子とB端子が接続される(その他の切り替えスイッチのA端子とB端子は未接続)。
【0049】
図5(a)は、第1の切り替えスイッチ143のA端子とB端子が接続され、第2の切り替えスイッチ144のA端子とB端子が未接続の場合である。この場合、指向性利得は、+X軸(車両前方方向)および+Y軸方向(車両左ドア方向)に強くなる。
【0050】
図5(b)は、第1の切り替えスイッチ143のA端子とB端子が未接続であり、第2の切り替えスイッチ144のA端子とB端子が接続された場合である。この場合、指向性利得は、−X軸(車両後方方向)および−Y軸方向(車両右ドア方向)に強くなる。
【0051】
すなわち、アンテナ101と近接して配置されたデフォッガー161を車両100のグランドに接続するという手段により、デフォッガー161に流れるアンテナ電流を制御することができ、図5(a)に示す特性と図5(b)に示す特性の互いに補間的な指向性利得が得られる。
【0052】
したがって、切り替えダイバーシティアンテナ構成と同様に高い受信感度を実現することができ、かつ、1つのアンテナ素子のみを配置し、デフォッガー161に必要な車両100のグランドとの接続点の位置を切替える構成のため、製造コストを安く抑えることが
できる。
【0053】
なお、本実施形態では、アンテナ101の給電部105をリア窓ガラス104の上辺の右端の角に配置したが、これによらず、給電部をリア窓ガラス104のその他の角に配置しても良い。この場合、アンテナ101の給電部に近いデフォッガー161の接続部において、給電部に近い側と給電部から遠い側に接続点を配置することで図5に示す指向性利得と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3における車両用アンテナ装置について図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
【0054】
図6におけるリア窓ガラス搭載アンテナ装置320と、図1におけるリア窓ガラス搭載アンテナ装置120との違いはデフォッガー162の接続部182aおよび接続部182bに設けられる接続点の個数である。
【0055】
デフォッガー162は、リア窓ガラス104上に貼付され複数本配置されたヒータ導線172とヒータ導線172の端部を接続する接続部182a(リア窓ガラス104の右辺側に配置)および接続部182b(リア窓ガラス104の左辺側に配置)により構成される。
【0056】
デフォッガー162のヒータ導線172は、導電性の材料で形成され、リア窓ガラス104上に貼付され、リア窓ガラス104の上辺および下辺に略平行で略30mmの間隔で複数の導線が配置される。また、デフォッガー162の接続部182aおよび接続部182bもヒータ導線172と同様に導電性の材料にて形成される。
【0057】
さらに、デフォッガー162は、アンテナ101と近接しており、その間隔は、例えば、50mm程度である。
【0058】
また、デフォッガー162は、アンテナ101の給電部105に近い接続部182aにおいて、最も給電部105と近い位置に第1の接続点135と、略中央の位置に第2の接続点136と、最も給電部105と遠い位置に第3の接続点137と、接続部182bにおいて、略中央の位置に第4の接続点138とを備える。
【0059】
それぞれの接続点は、対応する第1から第4の切り替えスイッチにより、車両100のグランドに接続される。
【0060】
第1の切り替えスイッチ145と、第2の切り替えスイッチ146と、第3の切り替えスイッチ147と、第4の切り替えスイッチ148とは、2つの端子(例えば、A、B)を備え、各スイッチのA端子(第1端子)はそれぞれ第1の接続点135と、第2の接続点136と、第3の接続点137と、第4の接続点138とに接続され、B端子(第2端子)は車両100のグランドに接地される。
【0061】
また、第1の切り替えスイッチ145と、第2の切り替えスイッチ146と、第3の切り替えスイッチ147と、第4の切り替えスイッチ148は、受信部103の制御信号155および制御信号156および制御信号157および制御信号158により、A端子とB端子を接続または未接続される。
【0062】
したがって、デフォッガー162は、4つの切り替えスイッチにより、車両100のグランドに接続または未接続される。
【0063】
なお、デフォッガー162は、図示していないが、接続部182aまたは接続部182bにて電源と直流的には接続されているが、高周波的に離れている構造(例えばチョークコイルで接続、もしくはフィルタで接続)にて接続される。
以上のように構成されたリア窓ガラス搭載アンテナ装置320について、以下にその動作を説明する。
【0064】
第1から第4の切り替えスイッチは、受信部103からの制御信号により、1つの切り替えスイッチのみA端子とB端子が接続される(その他の切り替えスイッチのA端子とB端子は未接続)。
【0065】
切り替えスイッチ146および切り替えスイッチ148のA端子とB端子が接続された場合、実施の形態1と同様に、車両前後方向と車両ドア方向に互いに補間的な指向性利得が得られる。
【0066】
切り替えスイッチ145および切り替えスイッチ147のA端子とB端子が接続された場合、実施の形態2と同様に、車両前方方向および車両左ドア方向に強い指向性利得と車両後方方向および車両右ドア方向に強い指向性利得となり、互いに補完的な指向性利得が得られる。
【0067】
したがって、補完的な指向性利得が2組得られるため、高い受信感度を実現することができる。
【0068】
なお、本実施形態では、アンテナ101の給電部105をリア窓ガラス104の上辺の右端の角に配置したが、これによらず、給電部をリア窓ガラス104のその他の角に配置しても良い。
【0069】
この場合、アンテナ101の給電部に近いデフォッガー162の接続部において、給電部に最も近い側と、略中央と、最も給電部から遠い側に接続点を配置し、もう一方の接続部の略中央に接続点を配置することで同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の車両用アンテナ装置は、簡易な構成にて複数の補完的な指向性利得を得ることができるため、ダイバーシティアンテナ構成に対して低コスト化が図れ、かつ高い受信感度性能を発揮することができる効果を有し、例えば車両用リア窓ガラスに搭載するアンテナ装置などに有用である。
【符号の説明】
【0071】
100 車両
101 アンテナ
102 整合回路
103 受信部
104 リア窓ガラス
105 アンテナの給電部
120、220、320 リア窓ガラス搭載アンテナ装置
131、132、133、134、135、136、137、138 接続点
141、142、143、144、145、146、147、148 切り替えスイッチ
151、152、153、154、155、156、157、158 制御信号
160、161、162 デフォッガー
170、171、172 ヒータ導線
180a、180b、181a、181b、182a、182b ヒータ導線の接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リア窓ガラス上のアンテナと、前記アンテナに近接して配置された前記リア窓ガラス上のデフォッガーと、前記デフォッガーを構成する前記リア窓ガラスの長辺に対して複数本配置されたヒータ導線および前記ヒータ導線の端部をそれぞれ接続する2つの接続部と、前記デフォッガーの接続部に配置された少なくとも2以上の接続点と、前記アンテナの給電部に接続される受信部と、前記受信部から出力された制御信号に応じて、前記接続点のうち一方の接続点とグラウンドとの接続を高周波的に接続し、前記接続点のうち他方の接続点とグラウンドとの接続を高周波的に非接続に切り替える切替部とを備えたことを特徴とする車両用アンテナ装置。
【請求項2】
前記接続点は、前記デフォッガーの2つの接続部のそれぞれに少なくとも1以上配置されることを特徴とする請求項1に記載の車両用アンテナ装置。
【請求項3】
前記切替部は、前記接続点に接続される第一端子と、接地される第二端子とを有し、
前記第一端子と前記第二端子とが接続もしくは非接続されることによって前記接続点とグラウンドとの接続が高周波的に接続もしくは非接続に切り替えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用アンテナ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−191393(P2012−191393A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52665(P2011−52665)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】