説明

車両用シート装置

【課題】セクタギヤの長穴に挿通されたストッパピンの一端をロアアームに連結するとともに、ストッパピンの他端をピニオンギヤを軸承した押えブラケットに連結することによって、ロアアームの変形等に拘らず、セクタギヤとピニオンギヤとの噛合いを的確に維持できるようにした車両用シート装置を提供する。
【解決手段】トルクロッド36によって連結されたリンク部材32の一方に作動的に連結され円弧状の長穴50を形成したセクタギヤ47と、ロアアーム30に回転可能に支持されセクタギヤ47に噛合するピニオンギヤ45と、ピニオンギヤ45に軸承された押えブラケット53と、セクタギヤ47の長穴50を挿通し一端をロアアーム30に連結され他端を押えブラケット53に連結されたストッパピン51とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部材の操作によってシートクッションの高さを調整できる車両用シート装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両用シート装置には、シートクッションの高さを調整するためのリフタ機構が備えられ、乗員がシート上に座った状態で、操作レバーを操作することによりリフタ機構が作動されて、シートクッションの高さを調整できるようになっている。この種の車両用シート装置として、例えば、特許文献1に記載されているようなものが知られている。
【0003】
かかる特許文献1に記載のものは、当該特許文献1の図3に示されているように、アッパレール13の前部にピン72によって一方の端部が回動可能に枢着されたフロントリンク71の他方の端部が、ピン73によってロアアーム20の前部に回転可能に枢着されるとともに、アッパレール13の後部にピン82によって一方の端部が回動可能に枢着されたリアリンク81の他方の端部が、ピン82によってロアアーム20の後部に回転可能に枢着され、これらアッパレール13、フロントリンク71、ロアアーム20およびリアリンク81により四節回転機構を構成し、フロントリンク71およびリアリンク81の一方を回転駆動することにより、ロアアーム20がアッパレール13に対して昇降されるようになっている。
【0004】
ロアアーム20の中央部には、ピニオンギヤ101に噛合う扇型のドリブンギヤ(セクタギヤ)91がピン92によって回転可能に枢着され、このセクタギヤ(ドリブンギヤ)91に連結リンク95を介してリアリンク81が連結されている。セクタギヤ91には、ピン92を中心とする円弧状溝91aが形成され、この円弧状溝91aに遊嵌したピン104により、セクタギヤ91の回動範囲が規制されている。
【特許文献1】特開2002−321551号公報(段落0024〜0030、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した特許文献1に記載されたような構成の車両用シート装置においては、ロアアームに対してセクタギヤがピンによって片持ち支持された構造であり、このために、例えば、車両の衝突入力により、ロアアームに座屈変形等を生じて、セクタギヤとピニオンギヤとの噛合い部に車両前後方向の力が作用した場合には、ピニオンギヤとセクタギヤとの噛合いが外れる等の問題を生ずる恐れがある。
【0006】
本発明は、上述した従来の問題を解消するためになされたもので、セクタギヤの長穴に挿通されたストッパピンの一端をロアアームに連結するとともに、ストッパピンの他端をピニオンギヤを軸承した押えブラケットに連結することによって、ロアアームの変形等に拘らず、セクタギヤとピニオンギヤとの噛合いを確実に維持できるようにした車両用シート装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の特徴は、シートクッションの高さを調整できる車両用シート装置であって、車両フロア上に設けられた左右のレールと、該レール上に左右のリンク部材を介して高さ調整可能に設けられ前記シートクッションを支持する左右のロアアームと、前記左右のリンク部材を連結するトルクロッドと、前記左右のリンク部材のうちの一方のリンク部材に作動的に連結されて前記ロアアームに回動可能に支持されるとともに回動中心を円弧中心とする円弧状の長穴を形成したセクタギヤと、前記ロアアームに回転可能に支持され前記セクタギヤに噛合するピニオンギヤと、該ピニオンギヤに軸承された押えブラケットと、前記セクタギヤに形成した前記長穴を挿通し一端を前記ロアアームに連結され他端を前記押えブラケットに連結されたストッパピンと、前記ピニオンギヤにクラッチ機構を介して連結され前記ピニオンギヤを回転操作する操作部材とによって構成したことである。
【0008】
請求項2に係る発明の特徴は、請求項1において、前記ストッパピンは、前記セクタギヤの回動中心と前記ピニオンギヤとを結ぶ線上に配置されていることである。
【0009】
請求項3に係る発明の特徴は、請求項1または請求項2において、前記セクタギヤの作動時に摺動抵抗を付与する弾性体を介挿したことである。
【0010】
請求項4に係る発明の特徴は、請求項3において、前記弾性体は、前記ストッパピンに形成したフランジ部と前記セクタギヤとの間に介挿したことである。
【0011】
請求項5に係る発明の特徴は、請求項1ないし請求項4の何れか1項において、前記セクタギヤを、前記リンク部材に一体的に設けたことである。
【0012】
請求項6に係る発明の特徴は、請求項1ないし請求項5の何れか1項において、前記トルクロッドは、パイプ材からなり、該パイプ材の両端部を変形させて前記トルクロッドの両端部を前記左右のリンク部材に一体的に連結したことである。
【発明の効果】
【0013】
上記のように構成した請求項1に係る発明によれば、トルクロッドによって連結されたリンク部材の一方に作動的に連結され円弧状の長穴を形成したセクタギヤと、ロアアームに回転可能に支持されセクタギヤに噛合するピニオンギヤと、ピニオンギヤに軸承された押えブラケットと、セクタギヤの長穴を挿通し一端をロアアームに連結され他端を押えブラケットに連結されたストッパピンとを備えているので、ストッパピンは、ロアアームとこれに一体の押えブラケットによって両持ち支持され、車両の衝突入力等によって、ロアアームに座屈変形等が生じても、ピニオンギヤとセクタギヤとの噛合いが外れるのを確実に防止することができる。
【0014】
上記のように構成した請求項2に係る発明によれば、ストッパピンは、セクタギヤの回動中心とピニオンギヤとを結ぶ線上に配置されているので、ロアアームに生じた座屈変形等によって、ピニオンギヤとセクタギヤとの噛合い部に車両前後方向の力が作用しても、ピニオンギヤとセクタギヤとの噛合いが外れるようなモーメントが発生せず、セクタギヤとピニオンギヤとの噛合いを的確に維持することができる。
【0015】
上記のように構成した請求項3に係る発明によれば、セクタギヤの作動時に摺動抵抗を付与する弾性体を介挿したので、急激な衝撃力や微小振動力のブレーキ装置への入力を緩和することができる。
【0016】
上記のように構成した請求項4に係る発明によれば、弾性体は、ストッパピンに形成したフランジ部とセクタギヤとの間に介挿したので、簡単な構成でセクタギヤに摺動抵抗を付与できるようになり、急激な衝撃力や微小振動力のブレーキ装置への入力の緩和を容易に行うことができる。
【0017】
上記のように構成した請求項5に係る発明によれば、セクタギヤを、リンク部材に一体的に設けたので、リフタ機能を最少の部品点数で簡素に構成することができる。
【0018】
上記のように構成した請求項6に係る発明によれば、トルクロッドは、パイプ材からなり、パイプ材の両端部を変形させてトルクロッドの両端部を左右のリンク部材に一体的に連結したので、パイプ材よりなるトルクロッドを左右のリンク部材に簡単かつ確実に結合できるようになり、軽量化を容易に実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1および図2において、車両用シート装置10は、シートスライドアジャスタ装置11により、車両フロア12上に車両前後方向(図1の矢印A方向)にスライド可能に、かつシートリフタ装置13により、車両フロア12に対して上下方向(図1の矢印B方向)に昇降可能に載置されており、座面を形成するシートクッション15および背もたれ面を形成するシートバック16を備えている。シートバック16は、シートバック16の回転を禁止/許可するリクライニング装置17により、シートクッション15に対して車両前後方向に回動可能に、かつ所定の調整角度位置で固定保持可能に、シートクッション15の後部に取付けられている。
【0020】
シートスライドアジャスタ装置11は、図2に示すように、左右一対のロアレール21およびアッパレール22を備え、ロアレール21は車両前後方向(シート前後方向)に延在する長尺状のもので、断面略U字状を呈しており、車両フロア12に固定されている。アッパレール22は車両前後方向に延在する長尺状のもので、断面略逆T字状を呈しており、ロアレール21に車両前後方向に摺動可能に係合されている。これによって、車両用シート装置10は、車両前後方向にスライド可能に、かつ所定の前後調整位置で図略のロック機構により固定保持可能となっている。
【0021】
シートリフタ装置13は、図2に示すように、シートクッション15の左右(アウタ側およびインナ側)に固定される一対のロアアーム30と、一対のアッパレール22とを連結する左右一対の前方リンク部材31および左右一対の後方リンク部材32を備えている。
【0022】
左右一対の前方および後方リンク部材31、32の各下端側は、一対のアッパレール22の前後にヒンジピン33、34を介して回動可能に連結され、一対の前方リンク部材31の上端側は、一対のロアアーム30の前部にヒンジピン35を介して回動可能に連結されている。また、左右一対の後方リンク部材32の上端側は、一対のロアアーム30の後部に形成された貫通孔30aを回転可能に貫通するパイプ材からなるトルクロッド36の両端部にそれぞれ一体的に結合されている。
【0023】
一方の後方リンク部材32は、後述する構成のセクタギヤ47を一体に設けた駆動リンク部材(32a)を構成しており、他方の後方リンク部材32は、トルクロッド36を介して従動される従動リンク部材(32b)を構成している。上記した前方および後方リンク部材31、32と、ロアアーム30と、アッパレール22とによって、平行リンク機構37(図2参照)が構成され、セクタギヤ47を設けた一方の後方リンク部材32(駆動リンク部材32a)の回動により、平行リンク機構37が作動されて、ロアアーム30が上下方向(図1の矢印A方向)に平行移動されるようになっている。
【0024】
ロアアーム30には、シート高さ操作部を構成するクラッチ機構40が装着され、このクラッチ機構40に操作部材としての操作レバー41が連結されている。クラッチ機構40は、図4に示すように、ロアアーム30に固定されるケース43を備え、ケース43内に、操作レバー41の操作によって回転可能な出力軸44が支持され、この出力軸44の一端にピニオンギヤ45が設けられている。上記した一方の後方リンク部材32(駆動リンク部材32a)には、セクタギヤ47が一体的に設けられ、セクタギヤ47の先端部にトルクロッド36を中心とした円弧状の歯部47aが形成され、この歯部47aにクラッチ機構40のピニオンギヤ45が噛合されている。
【0025】
これにより、ピニオンギヤ45の回転によってセクタギヤ47が回動され、セクタギヤ47の回動により、駆動リンク部材32aが回動されるとともに、駆動リンク部材32aの回動がトルクロッド36を介して従動リンク部材32bに伝達され、上記した平行リンク機構37によりロアアーム30、が適宜の高さ位置に昇降される。
【0026】
図3および図4において、セクタギヤ47には、トルクロッド36を中心とする円弧状の長穴50が形成され、この長穴50に遊嵌するストッパピン51の一端がロアアーム30およびクラッチ機構40のケース43を貫通してロアアーム30およびケース43に締結され、ストッパピン51によってセクタギヤ47の回動範囲が規制されるようになっている。ストッパピン51の他端は、ピニオンギヤ45の軸端を回転可能に軸承する軸受部52を有する押えブラケット53に締結されている。押えブラケット53は、ピニオンギヤ45を挟んでストッパピン51と反対側の2点で、ロアアーム30およびクラッチ機構40のケース43を貫通する連結ピン55、56によりロアアーム30およびケース43に一体的に連結されている。
【0027】
ストッパピン51は、クラッチ機構40の出力軸44(ピニオンギヤ45)とトルクロッド36とを結ぶ線上に配置され、両端をロアアーム30と押えブラケット53に連結したことにより、たとえ、車両の衝突入力により、ロアアーム30に座屈変形等を生じて、ピニオンギヤ45とセクタギヤ47との噛合い部に車両前後方向、すなわち、ピニオンギヤ45とセクタギヤ47とが互いに離間する方向の力が作用しても、ピニオンギヤ45とセクタギヤ47との噛合いが外れることを確実に防止できるようになる。
【0028】
ストッパピン51上にはフランジ部57が形成され、このフランジ部57とセクタギヤ47との間に、ストッパピン51に嵌合するリング状の弾性体58が介挿されている。弾性体58は、樹脂あるいはゴムからなっている。かかる弾性体58により、セクタギヤ47の作動時に一定の摺動抵抗をセクタギヤ47に付与し、急激な衝撃力や微少振動力のクラッチ機構40への入力を緩和するようにしている。
【0029】
なお、シート高さ操作部を構成するクラッチ機構40は、操作レバー41の操作による正回転あるいは逆回転の入力を、第1ローラ61あるいは第2ローラ62を介して出力軸44(ピニオンギヤ45)に伝達する第1クラッチ部と、操作レバー41が操作された後は出力軸44の回動を規制する第2クラッチ部とによって構成された公知のものであり、その詳細な構成については説明を省略する。
【0030】
次に、上記した実施の形態における動作について説明する。操作レバー41を、例えば、シートクッション15を上昇する方向に操作すると、クラッチ機構40によって出力軸44が一方向に回転され、これによって、ピニオンギヤ45に噛合するセクタギヤ47が駆動リンク部材32aとともにトルクロッド36を中心にして、図2の反時計回りに回動される。駆動リンク部材32aの作動はトルクロッド36を介して従動リンク部材32bに伝達され、平行リンク機構37によりロアアーム30とともにシートクッション15が上昇される。シートクッション15の上昇量、すなわち、セクタギヤ47の回動量は、セクタギヤ47の円弧状の長穴50の一端がストッパピン51に係合することにより規制される。
【0031】
操作レバー41を解放すると、車両用シート10の重量および乗員の体重による負荷によって、出力軸44が前記と反対方向に回動しようとするが、クラッチ機構41の第2クラッチ部によって出力軸44の回動が阻止される。なお、操作レバー41は、図略のスプリングの付勢力により元の位置(中立位置)に復帰される。
【0032】
操作レバー41を、例えば、シートクッション15を下降する方向に操作した場合には、クラッチ機構40によって出力軸44が前記と逆方向に回転され、ピニオンギヤ45に噛合するセクタギヤ47がトルクロッド36を中心にして、図2の時計回りに回動されることにより、ロアアーム30とともにシートクッション15が下降される。この場合においても、セクタギヤ47の回動量(シートクッション15の下降量)は、セクタギヤ47の円弧状の長穴50の他端がストッパピン51に係合することにより規制される。
【0033】
ところで、セクタギヤ47の円弧状の長穴50に遊嵌するストッパピン51は、両端をロアアーム30とこのロアアーム30に一体的に連結された押えブラケット53とによって支持されているため、ストッパピン51は、ロアアーム30と押えブラケット53とによって、ピニオンギヤ45の軸心から一定距離隔てた位置に高い剛性で支持され、車両の衝突入力によって、ロアアーム30に座屈変形等が生じても、ロアアーム30および押えブラケット53に対する車両前後方向の変位に対して高い抵抗力をもつようになる。従って、車両の衝突入力によって、ピニオンギヤ45とセクタギヤ47との噛合い部に車両前後方向の力が作用しても、ピニオンギヤ45とセクタギヤ47との噛合いが外れることを確実に防止できるようになる。
【0034】
上記した実施の形態によれば、トルクロッド36によって連結された後方リンク部材32の一方に一体的に形成され円弧状の長穴50を形成したセクタギヤ47と、ロアアーム30に回転可能に支持されセクタギヤ47に噛合するピニオンギヤ45と、ピニオンギヤ45に軸承された押えブラケット53と、セクタギヤ47の長穴50を挿通し一端をロアアーム30に連結され他端を押えブラケット53に連結されたストッパピン51とを備えているので、ストッパピン51は、ロアアーム30とこれに一体の押えブラケット53によって両持ち支持され、車両の衝突入力等によって、ロアアーム30に座屈変形等が生じても、ピニオンギヤ45とセクタギヤ47との噛合いが外れるのを確実に防止することができる。
【0035】
上記した実施の形態によれば、ストッパピン51は、セクタギヤ47の回動中心とピニオンギヤ45とを結ぶ線上に配置されているので、ロアアーム30に生じた座屈変形等によって、ピニオンギヤ45とセクタギヤ47との噛合い部に車両前後方向の力が作用しても、ピニオンギヤ45とセクタギヤ47との噛合いが外れるようなモーメントが発生せず、セクタギヤ45とピニオンギヤ47との噛合いを的確に維持することができる。
【0036】
上記した実施の形態によれば、セクタギヤ47の作動時に摺動抵抗を付与する樹脂あるいはゴムからなるリング状の弾性体58を、ストッパピン51に形成したフランジ部57とセクタギヤ47との間に介挿したので、急激な衝撃力や微小振動力のブレーキ装置40への入力を、弾性体58を設けるだけの簡単な構成で、緩和することができる。
【0037】
上記した実施の形態によれば、トルクロッド36は、パイプ材からなり、パイプ材の両端部を変形させて、トルクロッド36の両端部を左右のリンク部材32に一体的に連結したので、パイプ材よりなるトルクロッド36を左右のリンク部材32に簡単かつ確実に結合できるようになり、軽量化を容易に実現することができる。
【0038】
上記した実施の形態においては、円弧状の長穴50を形成したセクタギヤ47を一体的に設けたリンク部材32に、トルクロッド36を連結した構成について述べたが、本発明は、このような構成に限定されるものではなく、例えば、特開2002−321551号公報に記載されているように、セクタギヤとリンク部材とを別体に設け、これらを駆動リンクで連結した構成であってもよい。
【0039】
上記した実施の形態においては、セクタギヤ47に摺動抵抗を付与するリング状の弾性体58を、ストッパピン51に形成したフランジ部57とセクタギヤ47の端面との間に介挿したが、弾性体58をセクタギヤ47の端面とロアアーム30の端面との間に介挿しても同様な効果を期待できるものである。
【0040】
なお、上記した実施の形態で述べたクラッチ機構40は、特にその構成を限定されるものではなく、上記したような機能を有するあらゆる構成のクラッチ機構を利用できるものである。
【0041】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態を示す車両用シート装置の全体図である。
【図2】車両用シート装置の構成を示す斜視図である。
【図3】シート高さ操作部の構成を示す断面図である。
【図4】図3の4−4線に沿って切断した断面図である。
【符号の説明】
【0043】
10・・・車両用シート装置、12・・・車両フロア、13・・・シートリフタ装置、15・・・シートクッション、16・・・シートバック、21・・・ロアレール、22・・・アッパレール、30・・・ロアアーム、31・・・前方リンク部材、32・・・後方リンク部材、33、34、35・・・ヒンジピン、36・・・トルクロッド、37・・・平行リンク機構、40・・・クラッチ機構、41・・・操作レバー、45・・・ピニオンギヤ、47・・・セクタギヤ、50・・・長穴、51・・・ストッパピン、53・・・押えブラケット、55、56・・・連結ピン、58・・・弾性体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッションの高さを調整できる車両用シート装置であって、
車両フロア上に設けられた左右のレールと、該レール上に左右のリンク部材を介して高さ調整可能に設けられ前記シートクッションを支持する左右のロアアームと、前記左右のリンク部材を連結するトルクロッドと、前記左右のリンク部材のうちの一方のリンク部材に作動的に連結されて前記ロアアームに回動可能に支持されるとともに回動中心を円弧中心とする円弧状の長穴を形成したセクタギヤと、前記ロアアームに回転可能に支持され前記セクタギヤに噛合するピニオンギヤと、該ピニオンギヤに軸承された押えブラケットと、前記セクタギヤに形成した前記長穴を挿通し一端を前記ロアアームに連結され他端を前記押えブラケットに連結されたストッパピンと、前記ピニオンギヤにクラッチ機構を介して連結され前記ピニオンギヤを回転操作する操作部材とによって構成したことを特徴とする車両用シート装置。
【請求項2】
請求項1において、前記ストッパピンは、前記セクタギヤの回動中心と前記ピニオンギヤとを結ぶ線上に配置されていることを特徴とする車両用シート装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記セクタギヤの作動時に摺動抵抗を付与する弾性体を介挿したことを特徴とする車両用シート装置。
【請求項4】
請求項3において、前記弾性体は、前記ストッパピンに形成したフランジ部と前記セクタギヤとの間に介挿したことを特徴とする車両用シート装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4の何れか1項において、前記セクタギヤを、前記リンク部材に一体的に設けたことを特徴とする車両用シート装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5の何れか1項において、前記トルクロッドは、パイプ材からなり、該パイプ材の両端部を変形させて前記トルクロッドの両端部を前記左右のリンク部材に一体的に連結したことを特徴とする車両用シート装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−87554(P2008−87554A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−268666(P2006−268666)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】