車両用シート
【課題】沈み込み防止構造を有するリフタ装置のコンパクト化が可能な車両用シートの提供。
【解決手段】乗員が着座する着座部10の高さを調節するリフタ装置20と、後方からの車両衝突時に着座部10の沈み込みを防止するロック手段30と、を備えた車両用シート1において、前記リフタ装置20は、一方側の端部が前記着座部10に回動自在に連結されるとともに他方側の端部がシートを支持する支持部材に回動自在に連結され、前記着座部10を上下動させる際に前記他方側の端部を支点として回動し前記一方側の端部が上下動するリンク部材21と、このリンク部材21とともに回動する被ロック歯部221が形成された被ロック部材22と、を備え、前記ロック手段30は、後方からの車両衝突時にその荷重によって原位置から前記被ロック歯部221に噛合するロック位置まで移動するロック歯部311,321を有するロック部材31,32を備える。
【解決手段】乗員が着座する着座部10の高さを調節するリフタ装置20と、後方からの車両衝突時に着座部10の沈み込みを防止するロック手段30と、を備えた車両用シート1において、前記リフタ装置20は、一方側の端部が前記着座部10に回動自在に連結されるとともに他方側の端部がシートを支持する支持部材に回動自在に連結され、前記着座部10を上下動させる際に前記他方側の端部を支点として回動し前記一方側の端部が上下動するリンク部材21と、このリンク部材21とともに回動する被ロック歯部221が形成された被ロック部材22と、を備え、前記ロック手段30は、後方からの車両衝突時にその荷重によって原位置から前記被ロック歯部221に噛合するロック位置まで移動するロック歯部311,321を有するロック部材31,32を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートの着座部の高さを調整するリフタ装置を備えた車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
所定の範囲内で着座部の高さを調整するリフタ装置を備えた車両用シートが知られている。このような車両用シートには、下記特許文献1に記載のように、後方からの車両衝突時(後突時)の着座部の沈み込みを防止する構造(沈み込み防止構造)が設けられることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−208737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の構造は、リアリンク(14)を支持するストッパピン(29)を設けたり、後突時にリアリンクに伝わる荷重をアッパレール(12)に伝達するブラケット(30)を設けたりする必要があり、リフタ装置が車両前後方向に大きくなってしまうという問題があった。
【0005】
上記実情に鑑みて、本発明が解決しようとする課題は、沈み込み防止構造を有するリフタ装置のコンパクト化が可能な車両用シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、乗員が着座する着座部の高さを調節するリフタ装置と、後方からの車両衝突時に着座部の沈み込みを防止するロック手段と、を備えた車両用シートにおいて、前記リフタ装置は、一方側の端部が前記着座部に回動自在に連結されるとともに他方側の端部がシートを支持する支持部材に回動自在に連結され、前記着座部を上下動させる際に前記他方側の端部を支点として回動し前記一方側の端部が上下動するリンク部材と、このリンク部材とともに回動する被ロック歯部が形成された被ロック部材とを備え、前記ロック手段は、後方からの車両衝突時にその荷重によって原位置から前記被ロック歯部に噛合するロック位置まで移動するロック歯部を有するロック部材を備えることを要旨とする。
【0007】
上記構成は、後方からの車両衝突時に、ロック部材のロック歯部がリンク部材とともに回動する被ロック部材の被ロック歯部に噛合することによってリンク部材の回動が阻止され、着座部の沈み込みが防止されるものである。被ロック歯部はリンク部材とともに回動するものであり、ロック部材はその被ロック歯部の近くに設置することが可能であるから、沈み込み防止構造をコンパクトにすることができる。また、ロック部材によってリンク部材の回動が直接阻止されるものであるため、優れた沈み込み防止効果を発揮する。
【0008】
またこの場合、前記ロック手段は、前記被ロック歯部の上側に位置する第一のロック歯部を有する上側ロック部材と、この上側ロック部材に対して回動自在に連結された、前記被ロック歯部の下側に位置する第二のロック歯部を有する下側ロック部材と、常態においてこれら両ロック部材のロック歯部が前記被ロック歯部に噛合しないように、両ロック歯部を互いに離れる方向に付勢する付勢部材と、を有し、後方からの車両衝突時にはその荷重によって前記上側ロック部材が前記付勢部材の付勢力に抗して下方に回動して前記第一のロック歯部が前記被ロック歯部に噛合するとともに、その上側ロック部材の回動によって引っ張られた前記下側ロック部材の前記第二のロック歯部が前記被ロック歯部に噛合する構成であればよい。
【0009】
このように、後方からの車両衝突時に、リンク部材とともに回動する被ロック歯部は、上側ロック部材と、その上側ロック部材に引っ張られて動く下側ロック部材との間に挟まれる構成とすれば、リンク部材の回動をより確実に阻止することができる。
【0010】
またこの場合、後方からの車両衝突時に前記上側ロック部材の上面に設けられた被係合部に係合する位置まで移動し、前記上側ロック部材の上方への回動を阻止する拘束部材をさらに備えるとよい。
【0011】
このようにすれば、少なくとも上側ロック部材に形成された第一のロック歯部と被ロック歯部が噛合した状態、すなわちリンク部材の回動が阻止された状態を確実に維持することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかる車両用シートは、リンク部材とともに回動する被ロック部材の被ロック歯部がロック部材によってロックされることによりリンク部材の回動が阻止される構成であるため、沈み込み防止構造をコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかる車両用シートの側面図であり、図1(a)は常態を示し、図1(b)はリンク部材の回動が阻止された状態を示す。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】第一の変形例にかかる車両用シートの側面図である。
【図4】第二の変形例にかかる車両用シートの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明における上下方向(高さ方向)とは車両用シート1の高さ方向(図示したZ軸方向)をいい、前後方向とは車両用シート1の前後方向(図示したY軸方向)をいい、幅方向とは車両用シート1の幅方向(図示したX軸方向)をいう。
【0015】
本実施形態にかかる車両用シート1は、シート本体と、リフタ装置20と、ロック手段30と、を備える。シート本体は、乗員が着座する着座部10(シートクッション)や背もたれ部(シートバック)を有する周知一般のものが適用できるから詳細な説明は省略する。
【0016】
リフタ装置20は、着座部10を所定の範囲内で任意の高さに設定できるリンク部材21を有する装置である。着座部10の高さを変更する機構としては周知一般のものが適用できる。例えば、人力(レバー操作)や駆動源(モータ等)によってセクタギアを回動させることにより、着座部10を上下動させるものが適用できる(例えば、特開2011−173496号公報等参照)。リンク部材21は、車両前後にそれぞれ一対、計四つ設けられている。リンク部材21のフロア側の端部は断面略U字状のブラケット40および後述する被ロック部材22を介してアッパレール51(本発明における支持部材に相当する)に対して回動自在に接続されており、他方側の端部は着座部10(具体的には着座部10を構成するシートフレーム)に回動自在に接続されている。アッパレール51は、フロアに固定されたロアレール52に沿ってスライドする部材である。すなわち、シート本体は前後方向にスライド可能である。リフタ装置20を駆動させ、着座部10を上下動させると、リンク部材21はフロア側の端部を支点として回動し、着座部10側の端部が上下に移動する。
【0017】
また、リフタ装置20は被ロック部材22を有する。被ロック部材22は、軸線が幅方向と一致するようにブラケット40に回動自在に支持された軸部材である。被ロック部材22におけるブラケット40の両側壁の間に位置する部分には、被ロック歯部221が形成されている。また、被ロック部材22におけるブラケット40の一方側の側壁の外側にはリンク部材21が固定されている。被ロック部材22とリンク部材21は、例えば溶接等によって接合されている。したがって、リンク部材21がフロア側の端部を支点として回動すると、それに伴い被ロック部材22の被ロック歯部221も回動する。ゆえに、被ロック歯部221の回動を阻止すれば、リンク部材21の回動も阻止されることになる。なお、被ロック部材22は、リンク部材21と一体成形されていてもよい。すなわち、被ロック歯部221がリンク部材21とともに回動する構成であればよい。
【0018】
ロック手段30は、後方からの車両衝突時にリンク部材21の回動を阻止し、着座部10の沈み込みを防止するための構成である。かかるロック手段30は、車両衝突時の荷重によって上記リンク部材21の被ロック歯部221に噛合するロック歯部を有するロック部材を備える。以下、本実施形態にかかる車両用シート1が備えるロック手段30の具体的な構成について詳細に説明する。ロック手段30は、上側ロック部材31と、下側ロック部材32と、付勢部材33と、を備える。
【0019】
上側ロック部材31は、被ロック歯部221の上側に位置する。上側ロック部材31の下面には、上記被ロック歯部221に噛合可能な第一のロック歯部311が形成されている。一方、下側ロック部材32は、被ロック歯部221の下側に位置する。下側ロック部材32の上面には、上記被ロック歯部221に噛合可能な第二のロック歯部321が形成されている。下側ロック部材32は、その上面に形成された第二のロック歯部321とともに後端側(先端側)が上方に迫り出すような形状となっている。具体的には、被ロック歯部221と第二のロック歯部321は水平方向で重なるように位置する。この上側ロック部材31と下側ロック部材32は、前端(基端)で、連結軸42によって互いに近づく方向および離れる方向に回動自在に連結されている。さらに、ロック手段30全体(連結された上側ロック部材31と下側ロック部材32)は、上側ロック部材31の前端側(基端側)において、ブラケット40に固定された回動支持軸41によって回動自在に支持されている。つまり、ロック手段30全体は、この回動支持軸41を支点としてブラケット40に対して回動する。この回動支持軸41が設けられた位置は、連結軸42が設けられた位置(前端)よりも後方である。また、この回動支持軸41によってロック手段30が回動自在に支持された位置(以下単に(ロック手段30の)回動中心と称する)よりも後方に、上側ロック部材31の重心Gが位置するように設定されている。
【0020】
上側ロック部材31と下側ロック部材32は、付勢部材33(トーションばね)によって互いに離れる方向に付勢されている。付勢部材33の取り付け方法は特定の方法に限定されるものではないが、本実施形態では回動支持軸41に挿通されて取り付けられている。付勢部材33によって付勢された下側ロック部材32は、その下面がブラケット40の底面に接触している。この付勢部材33の付勢力は、常態(後方からの車両の衝突が発生していない通常状態のことをいう。以下同じ)において、上側ロック部材31の第一のロック歯部311および下側ロック部材32の第二のロック歯部321のいずれも被ロック歯部221に噛合しないような大きさの力に設定されている。
【0021】
以下、このような構成を備えるロック手段30の作用(動作)について説明する。後方からの車両衝突時には、ロック手段30に後方への慣性力が発生する。上述したように、上側ロック部材31はその重心が回動中心よりも後方に位置する。そのため、上側ロック部材31の自重による慣性荷重によって、付勢部材33の付勢力に抗して上側ロック部材31は下方(図1に示す矢印Bの方向)に回動する。すなわち、上側ロック部材31の第一のロック歯部311が被ロック歯部221に近づく方向に移動し、第一位置のロック歯部が被ロック歯部221に噛合する。
【0022】
上側ロック部材31が下方に回動すると、上側ロック部材31に連結されている下側ロック部材32は、上側ロック部材31に引っ張られてブラケット40の底面上を摺動するようにして前方に移動する。このように下側ロック歯部が移動すると、被ロック歯部221と水平方向で重なるように位置していた第二のロック歯部321は、そのまま前方に移動して被ロック歯部221に噛合する。
【0023】
このように、後方からの車両衝突時には、上側ロック部材31の第一のロック歯部311および下側ロック部材32の第二のロック歯部321が、リンク部材21とともに回動する被ロック歯部221を挟み込むようにして噛合する。両ロック歯部が被ロック歯部221に噛合すると、リンク部材21はそれ以上回動することができなくなるから、後方からの車両衝突時に乗員に働く慣性荷重によってリンク部材21が後方に回動することによる着座部10の沈み込みを防止することができる。
【0024】
なお、付勢部材33の付勢力は、少なくとも上記慣性荷重によって上側ロック部材31の第一のロック歯部311および下側ロック部材32の第二のロック歯部321が被ロック歯部221に噛合するまで移動する大きさに設定される。すなわち、付勢部材33の付勢力は、常態において第一のロック歯部311および第二のロック歯部321がいずれも被ロック歯部221に噛合せず、かつ、後方からの車両衝突時に第一のロック歯部311および第二のロック歯部321が被ロック歯部221に噛合するまで移動するように設定される。車両衝突時にロック手段30に発生する慣性力は、着座部10の沈み込みが生じる可能性があるときの車両衝突時の衝撃を基準として算出すればよい。
【0025】
また、上記ロック手段30は、少なくとも車両後側のリンク部材21の一方に対して設置すればよい。着座部10の沈み込み防止効果を高めるため、車両後側に位置するリンク部材21の両方に対して設置してもよいし、車両に設けられた全てのリンク部材21に対して設置してもよい。
【0026】
次に、上記実施形態にかかる車両用シート1(ロック手段30)の変形例について説明する。以下の変形例(第一の変形例および第二の変形例)は、いずれもロック手段30によるロック機能をさらに高めるための構成を備えるものである。なお、上記実施形態と同一の構成については説明を省略する。
【0027】
第一の変形例のロック手段30は、さらに拘束部材(以下、第二の変形例の拘束部材と区別するため本変形例の拘束部材を第一の拘束部材60と称する)を備える。第一の拘束部材60は、上側ロック部材31の上方に設けられた爪状の部材である。具体的には、ブラケット40の側壁(上側ロック部材31側の側壁)の内面に回動自在に支持されている。一方、上側ロック部材31の上面には、上方に向かって突出した突起である被係合部(以下、第二の変形例の被係合部と区別するため本変形例の被係合部を第一の被係合部30aと称する)が形成されている。
【0028】
常態においては、第一の拘束部材60の内側(後側)の面が上側ロック部材31の上面(第一の被係合部30a)に接触している。詳しくは、第一の拘束部材60は、その自重によって後方に回動しようとしているところを、付勢部材33により上方に付勢された上側ロック部材31によってその回動が規制された状態(上側ロック部材31にもたれ掛かった状態)にある。
【0029】
後方からの車両衝突時には、上側ロック部材31が下方に回動し、第一のロック歯部311が被ロック歯部221に噛合する。また、下側ロック部材32の第二のロック歯部321も被ロック歯部221に噛合する。これに伴い、上側ロック部材31にもたれ掛かった状態にあった第一の拘束部材60は、その自重によって下方に回動する。このように上側ロック部材31および第一の拘束部材60が移動すると、第一の拘束部材60全体が上側ロック部材31の第一の被係合部30aの前方に位置し、第一の拘束部材60の先端が上側ロック部材31の第一の被係合部30aの前側に接触した状態となる。このような状態となることにより、第一の拘束部材60がいわゆる突っ張り棒のような形で上側ロック部材31に作用し、上側ロック部材31の上方への回動を規制する。
【0030】
このように上側ロック部材31の上方への回動が規制されれば、上側ロック部材31の第一のロック歯部311と被ロック歯部221が噛合した状態が維持される。当然、下側ロック部材32の第二のロック歯部321と被ロック歯部221が噛合した状態も維持される。つまり、本変形例にかかる構成を適用すれば、後方から車両が衝突した瞬間だけでなく、衝突後もリンク部材21の後方への回動が阻止された状態が維持される。したがって、上側ロック部材31および下側ロック部材32によってリンク部材21の回動が阻止された状態が、車両の衝突後すぐに解消してしまうことによる着座部10の沈み込みを防止できる。
【0031】
次に、第二の変形例のロック手段30について説明する。第二の変形例のロック手段30も、さらに拘束部材(以下、第一の変形例の拘束部材と区別するため本変形例の拘束部材を第二の拘束部材70と称する)を備える。第二の拘束部材70は、ブラケット40に回動自在に設けられた軸状の部材である。この第二の拘束部材70は、ブラケット40に回動自在に支持された下方側の端部である基端部、および幅方向に延びる軸状の部分であって上側ロック部材31の上方に位置する拘束部71を有する。を一方、上側ロック部材31の上面には、上方に向かって突出した突起である被係合部(以下、第一の変形例の被係合部と区別するため本変形例の被係合部を第二の被係合部30bと称する)が形成されている。
【0032】
常態においては、第二の拘束部材70の拘束部71が上側ロック部材31の上面(第一の被係合部30aの手前側)に接触している。詳しくは、第二の拘束部材70は、その自重によって基端部を中心として後方に回動しようとしているところを、付勢部材33により上方に付勢された上側ロック部材31によってその回動が規制された状態(上側ロック部材31にもたれ掛かった状態)にある。
【0033】
後方からの車両衝突時には、上側ロック部材31が下方に回動し、第一のロック歯部311が被ロック歯部221に噛合する。また、下側ロック部材32の第二のロック歯部321も被ロック歯部221に噛合する。これに伴い、上側ロック部材31にもたれ掛かった状態にあった第二の拘束部材70(拘束部71)は、その自重によって基端部を中心として下方に回動する。このように上側ロック部材31および第二の拘束部材70が移動すると、第二の拘束部材70の拘束部71が上側ロック部材31の第二の被係合部30bを乗り越え、第二の被係合部30bの後側に接触した状態となる。このような状態となることにより、第二の被係合部30bに引っ掛かった第二の拘束部材70の拘束部71によって上側ロック部材31の上方への回動が規制される。
【0034】
このように上側ロック部材31の上方への回動が規制されれば、上側ロック部材31の第一のロック歯部311と被ロック歯部221が噛合した状態が維持される。当然、下側ロック部材32の第二のロック歯部321と被ロック歯部221が噛合した状態も維持される。つまり、本変形例にかかる構成を適用すれば、第一の変形例と同様に、上側ロック部材31および下側ロック部材32によってリンク部材21の回動が阻止された状態が、車両の衝突後すぐに解消してしまうことによる着座部10の沈み込みを防止できる。
【0035】
これらの変形例はあくまで一例である。第一のロック歯部311が被ロック歯部221に噛合する位置まで上側ロック部材31が移動したときに、この上側ロック部材31の上方への回動を阻止する構成であればよい。
【0036】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 車両用シート
10 着座部
20 リフタ装置
21 リンク部材
22 被ロック部材
221 被ロック歯部
30 ロック手段
31 上側ロック部材
311 第一のロック歯部
32 下側ロック部材
321 第二のロック歯部
33 付勢部材
60,70 拘束部材
30a,30b 被係合部
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートの着座部の高さを調整するリフタ装置を備えた車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
所定の範囲内で着座部の高さを調整するリフタ装置を備えた車両用シートが知られている。このような車両用シートには、下記特許文献1に記載のように、後方からの車両衝突時(後突時)の着座部の沈み込みを防止する構造(沈み込み防止構造)が設けられることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−208737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の構造は、リアリンク(14)を支持するストッパピン(29)を設けたり、後突時にリアリンクに伝わる荷重をアッパレール(12)に伝達するブラケット(30)を設けたりする必要があり、リフタ装置が車両前後方向に大きくなってしまうという問題があった。
【0005】
上記実情に鑑みて、本発明が解決しようとする課題は、沈み込み防止構造を有するリフタ装置のコンパクト化が可能な車両用シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、乗員が着座する着座部の高さを調節するリフタ装置と、後方からの車両衝突時に着座部の沈み込みを防止するロック手段と、を備えた車両用シートにおいて、前記リフタ装置は、一方側の端部が前記着座部に回動自在に連結されるとともに他方側の端部がシートを支持する支持部材に回動自在に連結され、前記着座部を上下動させる際に前記他方側の端部を支点として回動し前記一方側の端部が上下動するリンク部材と、このリンク部材とともに回動する被ロック歯部が形成された被ロック部材とを備え、前記ロック手段は、後方からの車両衝突時にその荷重によって原位置から前記被ロック歯部に噛合するロック位置まで移動するロック歯部を有するロック部材を備えることを要旨とする。
【0007】
上記構成は、後方からの車両衝突時に、ロック部材のロック歯部がリンク部材とともに回動する被ロック部材の被ロック歯部に噛合することによってリンク部材の回動が阻止され、着座部の沈み込みが防止されるものである。被ロック歯部はリンク部材とともに回動するものであり、ロック部材はその被ロック歯部の近くに設置することが可能であるから、沈み込み防止構造をコンパクトにすることができる。また、ロック部材によってリンク部材の回動が直接阻止されるものであるため、優れた沈み込み防止効果を発揮する。
【0008】
またこの場合、前記ロック手段は、前記被ロック歯部の上側に位置する第一のロック歯部を有する上側ロック部材と、この上側ロック部材に対して回動自在に連結された、前記被ロック歯部の下側に位置する第二のロック歯部を有する下側ロック部材と、常態においてこれら両ロック部材のロック歯部が前記被ロック歯部に噛合しないように、両ロック歯部を互いに離れる方向に付勢する付勢部材と、を有し、後方からの車両衝突時にはその荷重によって前記上側ロック部材が前記付勢部材の付勢力に抗して下方に回動して前記第一のロック歯部が前記被ロック歯部に噛合するとともに、その上側ロック部材の回動によって引っ張られた前記下側ロック部材の前記第二のロック歯部が前記被ロック歯部に噛合する構成であればよい。
【0009】
このように、後方からの車両衝突時に、リンク部材とともに回動する被ロック歯部は、上側ロック部材と、その上側ロック部材に引っ張られて動く下側ロック部材との間に挟まれる構成とすれば、リンク部材の回動をより確実に阻止することができる。
【0010】
またこの場合、後方からの車両衝突時に前記上側ロック部材の上面に設けられた被係合部に係合する位置まで移動し、前記上側ロック部材の上方への回動を阻止する拘束部材をさらに備えるとよい。
【0011】
このようにすれば、少なくとも上側ロック部材に形成された第一のロック歯部と被ロック歯部が噛合した状態、すなわちリンク部材の回動が阻止された状態を確実に維持することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかる車両用シートは、リンク部材とともに回動する被ロック部材の被ロック歯部がロック部材によってロックされることによりリンク部材の回動が阻止される構成であるため、沈み込み防止構造をコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかる車両用シートの側面図であり、図1(a)は常態を示し、図1(b)はリンク部材の回動が阻止された状態を示す。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】第一の変形例にかかる車両用シートの側面図である。
【図4】第二の変形例にかかる車両用シートの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明における上下方向(高さ方向)とは車両用シート1の高さ方向(図示したZ軸方向)をいい、前後方向とは車両用シート1の前後方向(図示したY軸方向)をいい、幅方向とは車両用シート1の幅方向(図示したX軸方向)をいう。
【0015】
本実施形態にかかる車両用シート1は、シート本体と、リフタ装置20と、ロック手段30と、を備える。シート本体は、乗員が着座する着座部10(シートクッション)や背もたれ部(シートバック)を有する周知一般のものが適用できるから詳細な説明は省略する。
【0016】
リフタ装置20は、着座部10を所定の範囲内で任意の高さに設定できるリンク部材21を有する装置である。着座部10の高さを変更する機構としては周知一般のものが適用できる。例えば、人力(レバー操作)や駆動源(モータ等)によってセクタギアを回動させることにより、着座部10を上下動させるものが適用できる(例えば、特開2011−173496号公報等参照)。リンク部材21は、車両前後にそれぞれ一対、計四つ設けられている。リンク部材21のフロア側の端部は断面略U字状のブラケット40および後述する被ロック部材22を介してアッパレール51(本発明における支持部材に相当する)に対して回動自在に接続されており、他方側の端部は着座部10(具体的には着座部10を構成するシートフレーム)に回動自在に接続されている。アッパレール51は、フロアに固定されたロアレール52に沿ってスライドする部材である。すなわち、シート本体は前後方向にスライド可能である。リフタ装置20を駆動させ、着座部10を上下動させると、リンク部材21はフロア側の端部を支点として回動し、着座部10側の端部が上下に移動する。
【0017】
また、リフタ装置20は被ロック部材22を有する。被ロック部材22は、軸線が幅方向と一致するようにブラケット40に回動自在に支持された軸部材である。被ロック部材22におけるブラケット40の両側壁の間に位置する部分には、被ロック歯部221が形成されている。また、被ロック部材22におけるブラケット40の一方側の側壁の外側にはリンク部材21が固定されている。被ロック部材22とリンク部材21は、例えば溶接等によって接合されている。したがって、リンク部材21がフロア側の端部を支点として回動すると、それに伴い被ロック部材22の被ロック歯部221も回動する。ゆえに、被ロック歯部221の回動を阻止すれば、リンク部材21の回動も阻止されることになる。なお、被ロック部材22は、リンク部材21と一体成形されていてもよい。すなわち、被ロック歯部221がリンク部材21とともに回動する構成であればよい。
【0018】
ロック手段30は、後方からの車両衝突時にリンク部材21の回動を阻止し、着座部10の沈み込みを防止するための構成である。かかるロック手段30は、車両衝突時の荷重によって上記リンク部材21の被ロック歯部221に噛合するロック歯部を有するロック部材を備える。以下、本実施形態にかかる車両用シート1が備えるロック手段30の具体的な構成について詳細に説明する。ロック手段30は、上側ロック部材31と、下側ロック部材32と、付勢部材33と、を備える。
【0019】
上側ロック部材31は、被ロック歯部221の上側に位置する。上側ロック部材31の下面には、上記被ロック歯部221に噛合可能な第一のロック歯部311が形成されている。一方、下側ロック部材32は、被ロック歯部221の下側に位置する。下側ロック部材32の上面には、上記被ロック歯部221に噛合可能な第二のロック歯部321が形成されている。下側ロック部材32は、その上面に形成された第二のロック歯部321とともに後端側(先端側)が上方に迫り出すような形状となっている。具体的には、被ロック歯部221と第二のロック歯部321は水平方向で重なるように位置する。この上側ロック部材31と下側ロック部材32は、前端(基端)で、連結軸42によって互いに近づく方向および離れる方向に回動自在に連結されている。さらに、ロック手段30全体(連結された上側ロック部材31と下側ロック部材32)は、上側ロック部材31の前端側(基端側)において、ブラケット40に固定された回動支持軸41によって回動自在に支持されている。つまり、ロック手段30全体は、この回動支持軸41を支点としてブラケット40に対して回動する。この回動支持軸41が設けられた位置は、連結軸42が設けられた位置(前端)よりも後方である。また、この回動支持軸41によってロック手段30が回動自在に支持された位置(以下単に(ロック手段30の)回動中心と称する)よりも後方に、上側ロック部材31の重心Gが位置するように設定されている。
【0020】
上側ロック部材31と下側ロック部材32は、付勢部材33(トーションばね)によって互いに離れる方向に付勢されている。付勢部材33の取り付け方法は特定の方法に限定されるものではないが、本実施形態では回動支持軸41に挿通されて取り付けられている。付勢部材33によって付勢された下側ロック部材32は、その下面がブラケット40の底面に接触している。この付勢部材33の付勢力は、常態(後方からの車両の衝突が発生していない通常状態のことをいう。以下同じ)において、上側ロック部材31の第一のロック歯部311および下側ロック部材32の第二のロック歯部321のいずれも被ロック歯部221に噛合しないような大きさの力に設定されている。
【0021】
以下、このような構成を備えるロック手段30の作用(動作)について説明する。後方からの車両衝突時には、ロック手段30に後方への慣性力が発生する。上述したように、上側ロック部材31はその重心が回動中心よりも後方に位置する。そのため、上側ロック部材31の自重による慣性荷重によって、付勢部材33の付勢力に抗して上側ロック部材31は下方(図1に示す矢印Bの方向)に回動する。すなわち、上側ロック部材31の第一のロック歯部311が被ロック歯部221に近づく方向に移動し、第一位置のロック歯部が被ロック歯部221に噛合する。
【0022】
上側ロック部材31が下方に回動すると、上側ロック部材31に連結されている下側ロック部材32は、上側ロック部材31に引っ張られてブラケット40の底面上を摺動するようにして前方に移動する。このように下側ロック歯部が移動すると、被ロック歯部221と水平方向で重なるように位置していた第二のロック歯部321は、そのまま前方に移動して被ロック歯部221に噛合する。
【0023】
このように、後方からの車両衝突時には、上側ロック部材31の第一のロック歯部311および下側ロック部材32の第二のロック歯部321が、リンク部材21とともに回動する被ロック歯部221を挟み込むようにして噛合する。両ロック歯部が被ロック歯部221に噛合すると、リンク部材21はそれ以上回動することができなくなるから、後方からの車両衝突時に乗員に働く慣性荷重によってリンク部材21が後方に回動することによる着座部10の沈み込みを防止することができる。
【0024】
なお、付勢部材33の付勢力は、少なくとも上記慣性荷重によって上側ロック部材31の第一のロック歯部311および下側ロック部材32の第二のロック歯部321が被ロック歯部221に噛合するまで移動する大きさに設定される。すなわち、付勢部材33の付勢力は、常態において第一のロック歯部311および第二のロック歯部321がいずれも被ロック歯部221に噛合せず、かつ、後方からの車両衝突時に第一のロック歯部311および第二のロック歯部321が被ロック歯部221に噛合するまで移動するように設定される。車両衝突時にロック手段30に発生する慣性力は、着座部10の沈み込みが生じる可能性があるときの車両衝突時の衝撃を基準として算出すればよい。
【0025】
また、上記ロック手段30は、少なくとも車両後側のリンク部材21の一方に対して設置すればよい。着座部10の沈み込み防止効果を高めるため、車両後側に位置するリンク部材21の両方に対して設置してもよいし、車両に設けられた全てのリンク部材21に対して設置してもよい。
【0026】
次に、上記実施形態にかかる車両用シート1(ロック手段30)の変形例について説明する。以下の変形例(第一の変形例および第二の変形例)は、いずれもロック手段30によるロック機能をさらに高めるための構成を備えるものである。なお、上記実施形態と同一の構成については説明を省略する。
【0027】
第一の変形例のロック手段30は、さらに拘束部材(以下、第二の変形例の拘束部材と区別するため本変形例の拘束部材を第一の拘束部材60と称する)を備える。第一の拘束部材60は、上側ロック部材31の上方に設けられた爪状の部材である。具体的には、ブラケット40の側壁(上側ロック部材31側の側壁)の内面に回動自在に支持されている。一方、上側ロック部材31の上面には、上方に向かって突出した突起である被係合部(以下、第二の変形例の被係合部と区別するため本変形例の被係合部を第一の被係合部30aと称する)が形成されている。
【0028】
常態においては、第一の拘束部材60の内側(後側)の面が上側ロック部材31の上面(第一の被係合部30a)に接触している。詳しくは、第一の拘束部材60は、その自重によって後方に回動しようとしているところを、付勢部材33により上方に付勢された上側ロック部材31によってその回動が規制された状態(上側ロック部材31にもたれ掛かった状態)にある。
【0029】
後方からの車両衝突時には、上側ロック部材31が下方に回動し、第一のロック歯部311が被ロック歯部221に噛合する。また、下側ロック部材32の第二のロック歯部321も被ロック歯部221に噛合する。これに伴い、上側ロック部材31にもたれ掛かった状態にあった第一の拘束部材60は、その自重によって下方に回動する。このように上側ロック部材31および第一の拘束部材60が移動すると、第一の拘束部材60全体が上側ロック部材31の第一の被係合部30aの前方に位置し、第一の拘束部材60の先端が上側ロック部材31の第一の被係合部30aの前側に接触した状態となる。このような状態となることにより、第一の拘束部材60がいわゆる突っ張り棒のような形で上側ロック部材31に作用し、上側ロック部材31の上方への回動を規制する。
【0030】
このように上側ロック部材31の上方への回動が規制されれば、上側ロック部材31の第一のロック歯部311と被ロック歯部221が噛合した状態が維持される。当然、下側ロック部材32の第二のロック歯部321と被ロック歯部221が噛合した状態も維持される。つまり、本変形例にかかる構成を適用すれば、後方から車両が衝突した瞬間だけでなく、衝突後もリンク部材21の後方への回動が阻止された状態が維持される。したがって、上側ロック部材31および下側ロック部材32によってリンク部材21の回動が阻止された状態が、車両の衝突後すぐに解消してしまうことによる着座部10の沈み込みを防止できる。
【0031】
次に、第二の変形例のロック手段30について説明する。第二の変形例のロック手段30も、さらに拘束部材(以下、第一の変形例の拘束部材と区別するため本変形例の拘束部材を第二の拘束部材70と称する)を備える。第二の拘束部材70は、ブラケット40に回動自在に設けられた軸状の部材である。この第二の拘束部材70は、ブラケット40に回動自在に支持された下方側の端部である基端部、および幅方向に延びる軸状の部分であって上側ロック部材31の上方に位置する拘束部71を有する。を一方、上側ロック部材31の上面には、上方に向かって突出した突起である被係合部(以下、第一の変形例の被係合部と区別するため本変形例の被係合部を第二の被係合部30bと称する)が形成されている。
【0032】
常態においては、第二の拘束部材70の拘束部71が上側ロック部材31の上面(第一の被係合部30aの手前側)に接触している。詳しくは、第二の拘束部材70は、その自重によって基端部を中心として後方に回動しようとしているところを、付勢部材33により上方に付勢された上側ロック部材31によってその回動が規制された状態(上側ロック部材31にもたれ掛かった状態)にある。
【0033】
後方からの車両衝突時には、上側ロック部材31が下方に回動し、第一のロック歯部311が被ロック歯部221に噛合する。また、下側ロック部材32の第二のロック歯部321も被ロック歯部221に噛合する。これに伴い、上側ロック部材31にもたれ掛かった状態にあった第二の拘束部材70(拘束部71)は、その自重によって基端部を中心として下方に回動する。このように上側ロック部材31および第二の拘束部材70が移動すると、第二の拘束部材70の拘束部71が上側ロック部材31の第二の被係合部30bを乗り越え、第二の被係合部30bの後側に接触した状態となる。このような状態となることにより、第二の被係合部30bに引っ掛かった第二の拘束部材70の拘束部71によって上側ロック部材31の上方への回動が規制される。
【0034】
このように上側ロック部材31の上方への回動が規制されれば、上側ロック部材31の第一のロック歯部311と被ロック歯部221が噛合した状態が維持される。当然、下側ロック部材32の第二のロック歯部321と被ロック歯部221が噛合した状態も維持される。つまり、本変形例にかかる構成を適用すれば、第一の変形例と同様に、上側ロック部材31および下側ロック部材32によってリンク部材21の回動が阻止された状態が、車両の衝突後すぐに解消してしまうことによる着座部10の沈み込みを防止できる。
【0035】
これらの変形例はあくまで一例である。第一のロック歯部311が被ロック歯部221に噛合する位置まで上側ロック部材31が移動したときに、この上側ロック部材31の上方への回動を阻止する構成であればよい。
【0036】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 車両用シート
10 着座部
20 リフタ装置
21 リンク部材
22 被ロック部材
221 被ロック歯部
30 ロック手段
31 上側ロック部材
311 第一のロック歯部
32 下側ロック部材
321 第二のロック歯部
33 付勢部材
60,70 拘束部材
30a,30b 被係合部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員が着座する着座部の高さを調節するリフタ装置と、後方からの車両衝突時に着座部の沈み込みを防止するロック手段と、を備えた車両用シートにおいて、
前記リフタ装置は、一方側の端部が前記着座部に回動自在に連結されるとともに他方側の端部がシートを支持する支持部材に回動自在に連結され、前記着座部を上下動させる際に前記他方側の端部を支点として回動し前記一方側の端部が上下動するリンク部材と、このリンク部材とともに回動する被ロック歯部が形成された被ロック部材と、を備え、
前記ロック手段は、後方からの車両衝突時にその荷重によって原位置から前記被ロック歯部に噛合するロック位置まで移動するロック歯部を有するロック部材を備えることを特徴とする車両用シート。
【請求項2】
前記ロック手段は、
前記被ロック歯部の上側に位置する第一のロック歯部を有する上側ロック部材と、
この上側ロック部材に対して回動自在に連結された、前記被ロック歯部の下側に位置する第二のロック歯部を有する下側ロック部材と、
常態においてこれら両ロック部材のロック歯部が前記被ロック歯部に噛合しないように、両ロック歯部を互いに離れる方向に付勢する付勢部材と、を備え、
後方からの車両衝突時にはその荷重によって前記上側ロック部材が前記付勢部材の付勢力に抗して下方に回動して前記第一のロック歯部が前記被ロック歯部に噛合するとともに、その上側ロック部材の回動によって引っ張られた前記下側ロック部材の前記第二のロック歯部が前記被ロック歯部に噛合することを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
後方からの車両衝突時に前記上側ロック部材の上面に設けられた被係合部に係合する位置まで移動し、前記上側ロック部材の上方への回動を阻止する拘束部材をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の車両用シート。
【請求項1】
乗員が着座する着座部の高さを調節するリフタ装置と、後方からの車両衝突時に着座部の沈み込みを防止するロック手段と、を備えた車両用シートにおいて、
前記リフタ装置は、一方側の端部が前記着座部に回動自在に連結されるとともに他方側の端部がシートを支持する支持部材に回動自在に連結され、前記着座部を上下動させる際に前記他方側の端部を支点として回動し前記一方側の端部が上下動するリンク部材と、このリンク部材とともに回動する被ロック歯部が形成された被ロック部材と、を備え、
前記ロック手段は、後方からの車両衝突時にその荷重によって原位置から前記被ロック歯部に噛合するロック位置まで移動するロック歯部を有するロック部材を備えることを特徴とする車両用シート。
【請求項2】
前記ロック手段は、
前記被ロック歯部の上側に位置する第一のロック歯部を有する上側ロック部材と、
この上側ロック部材に対して回動自在に連結された、前記被ロック歯部の下側に位置する第二のロック歯部を有する下側ロック部材と、
常態においてこれら両ロック部材のロック歯部が前記被ロック歯部に噛合しないように、両ロック歯部を互いに離れる方向に付勢する付勢部材と、を備え、
後方からの車両衝突時にはその荷重によって前記上側ロック部材が前記付勢部材の付勢力に抗して下方に回動して前記第一のロック歯部が前記被ロック歯部に噛合するとともに、その上側ロック部材の回動によって引っ張られた前記下側ロック部材の前記第二のロック歯部が前記被ロック歯部に噛合することを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
後方からの車両衝突時に前記上側ロック部材の上面に設けられた被係合部に係合する位置まで移動し、前記上側ロック部材の上方への回動を阻止する拘束部材をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の車両用シート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2013−91343(P2013−91343A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232962(P2011−232962)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
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