説明

車両用ドアフレーム

【課題】ドアフレーム装飾用のガーニッシュの取付構造を簡略化する。
【解決手段】ガラスランチャンネルの収納される溝部26を有するとともに、溝部26の一方の側面であってドア外板面側にフランジ部21を有する形態からなるサッシュ型材を基礎に、これらサッシュ型材を複数本用意するとともにそれらを適宜接合させることによってサッシュアセンブリを形成させる。このようなサッシュアセンブリを形成する縦サッシュ部材2のところであって、そのフランジ部21のところに、フランジ部全体を覆うように形成されるものであって短冊状の平面形態からなるとともに短冊状部材の幅方向両端末部のところに所定の巻込み部12、12を有するように形成された合成樹脂製のガーニッシュ1を、ガーニッシュ1の幅方向両端末部のところに形成された巻込み部12、12を、フランジ部21の幅方向両端末部211、211のところに係合させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ドアフレームに関するものであり、特に、サッシュアセンブリを、溝部と、リテーナ部と、これら溝部及びリテーナ部の一方の側面に形成されるフランジ部とを有する所定の横断面形態からなるサッシュ型材を基礎に形成するようにするとともに、その意匠面を形成する表面側であるフランジ部側には合成樹脂製成形体からなるガーニッシュを設けるようにし、当該ガーニッシュをクリップ等の特別な係合手段を用いずに上記サッシュ型材のフランジ部のところに取付けるようにしたガーニッシュ付きの車両用ドアフレームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用ドアフレームは、図7に示すように、Aピラーに沿うように配置されるAピラーサッシュ部30と、Aピラーサッシュ部30に連続してルーフパネルのドア開口面に沿うように形成されるルーフ側サッシュ部40と、Bピラー等に沿うように形成される縦サッシュ部50と、からなるものであり、ルーフ側サッシュ部40と縦サッシュ部50とが突合せ部110にて所定の溶接手段により接合されて一体化され、これによってサッシュアセンブリが形成されるようになっているものである。そして、このようなサッシュアセンブリを形成する各サッシュ部30、40、50は、基本的には所定の横断面形態を有するサッシュ型材を基礎に形成されるようになっているものである。ところで、このような各サッシュ部40、50のうち、例えば縦サッシュ部50のところには、図8に示すように、ドア外板面を形成するフランジ部50cの表面側に、インジェクション成形手段等により形成されたガーニッシュ60が取付けられるようになっているものである。また、その他に、Aピラーサッシュ部30やルーフ側サッシュ部40のところには、塗装が施されたり、あるいはブラックアウトテープが貼付けられたりして、ドアフレームとしての見栄えの向上が図られるようになっているものである。また、これらとは別に、熱可塑性プラスチック材からなる薄膜状のシートを真空引き手段を用いてドアサッシュの表面に巻き付けるように取付け、これによって、フレームコーナ部等における薄膜シートの密着性を向上させ、車両用ドアフレームとしての見栄えを向上させるようにしているものが、例えば特開2003−11222号公報等にて挙げられている。
【特許文献1】特開2003−11222号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記従来のものにおけるガーニッシュをインジェクション成形手段にて形成させるものにおいては、例えば図8に示す如く、ガーニッシュ60をサッシュ部材のフランジ部50cのところへ取り付けるためのボス部60a等が上記ガーニッシュ60の裏面側に設けられるようになっている。これらボス部60a等を有する部分の表面側には、インジェクション成形時において、いわゆる「ひけ」が生じ、その結果、ガーニッシュ60の意匠面の見栄えが損なわれ、ドアフレームとしての外観体裁を悪くすると言う問題がある。また、ドアサッシュの表面側に薄膜状のシートを真空引き手段を用いてサッシュアセンブリに密着させる方法、例えば特開2003−11222号公報記載の工法は、真空引き手段を初めとして、全体の設備が大掛かりなものとなり、製造コストが高くならざるを得ないと言う問題点がある。これらの問題点を解決するために、ドアサッシュアセンブリのフランジ部側に、合成樹脂製成形品からなる装飾用のガーニッシュを特別な接合手段を用いずに取付け、これによって、安価な、かつ、見栄えに優れた車両用ドアフレームを提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。すなわち、請求項1記載の発明である第一の発明においては、車両用ドアフレームに関して、ガラスランチャンネルの収納される溝部を有するとともに当該溝部の一方の側面であってドア外板面側にフランジ部を有する形態からなるサッシュ型材を基礎にサッシュアセンブリを形成させ、このようなサッシュアセンブリを形成する縦サッシュ部材のところであって、そのフランジ部のところに、当該フランジ部全体を覆うように形成されるものであって短冊状の平面形態からなるとともに当該短冊状部材の幅方向両端末部のところに所定の巻込み部を有するように形成された合成樹脂製のガーニッシュを、当該ガーニッシュの幅方向両端末部のところに形成された上記巻込み部を上記フランジ部幅方向両端末部のところに係合させることによって取付けるようにした構成を採ることとした。
【0005】
また、請求項2記載の発明である第二の発明においては、車両用ドアフレームに関して、ガラスランチャンネルの収納される溝部を有するとともに当該溝部の一方の側面であってドア外板面側にフランジ部を有する形態からなるサッシュ型材を基礎にサッシュアセンブリを形成させ、このようなサッシュアセンブリを形成する縦サッシュ部材のフランジ部を下方に向ってフランジ部幅が徐々に拡がるような形態からなるようにし、このようなフランジ部のところに、当該フランジ部全体を覆うように形成されるものであって短冊状の平面形態からなるとともに、その幅が上記フランジ部幅の変化に従って末拡がり状に拡がるような形態からなり、更に、このような短冊状部材の幅方向両端末部のところに所定の巻込み部を有するように形成された合成樹脂製のガーニッシュを、当該ガーニッシュの幅方向両端末部のところに形成された上記巻込み部を上記フランジ部幅方向両端末部のところに係合させることによって取付けるようにした構成を採ることとした。
【0006】
また、請求項3記載の発明である第三の発明においては、請求項1または請求項2記載の車両用ドアフレームに関して、上記ガーニッシュを、熱可塑性合成樹脂製の平板材を基礎に、その幅方向両端末部のところに、所定の熱曲げ手段を用いてカール状形態からなるものであって所定の弾性を有するように形成された巻込み部を有する構成からなるようにした。
【0007】
また、請求項4記載の発明である第四の発明においては、請求項3載の車両用ドアフレームに関して、上記ガーニッシュを、当該ガーニッシュの幅方向両端末部に形成される巻込み部のところであって、その長手方向の複数箇所のところに、上記巻込み部の内側へ突出するように形成された凸起部を有する構成からなるようにした。
【発明の効果】
【0008】
第一の発明によれば、ガラスランチャンネルの収納される溝部及びウェザストリップの収納されるリテーナ部の一方の側面に形成されるものであってドア外板面を形成する側に設けられるフランジ部のところに、合成樹脂製のものであって、その幅方向両端末部のところにカール状の巻込み部を有するガーニッシュを上記巻込み部を介して取付けるようにしたので、見栄えに優れた車両用ドアフレームを安価に得ることができるようになった。特に、本発明のものにおいては、ガーニッシュのフランジ部への取付方法を、特別なクリップ等を用いない単純な方法、具体的には、ガーニッシュ幅方向両端末部に設けられたカール状の巻込み部を当該巻込み部に形成される弾性力を利用して上記フランジ部の両端末部のところに係合させることによって行なわせるようにしたので、両者間の係合部(結合部)の構造を単純な形態からなるようにすることができるようになった。
【0009】
また、第二の発明によれば、縦サッシュ部材におけるフランジ部の形態を、その平面視において下方に向って末拡がり状に形成させるとともに、このフランジ部のところに取付けられるガーニッシュの幅方向の値も下方に向ってテーパ状に、かつ、末拡がり状に大きくなるように形成するようにしたので、このような末拡がり状ガーニッシュの幅方向両端末部のところに設けられるカール状の巻込み部の上記フランジ部両端末部のところへの係合(結合)を、短冊状の形態からなるガーニッシュを上記縦サッシュ部材のフランジ部に沿わせて、上方から下方へと押下げる(移動させる)ことによって、簡単に行なうことができるようになった。
【0010】
また、第三の発明によれば、ガーニッシュの幅方向両端末部のところに設けられる巻込み部を、熱可塑性合成樹脂製平板材の両端末部のところを所定の熱曲げ手段にてカール状に曲げ変形させることによって形成させるようにしたので、このような巻込み部を有するガーニッシュを安価に得ることができるようになった。特に、本発明のものにおいては、ガーニッシュを、当該ガーニッシュの裏面側には取付用ボス部等を有しない平滑な構造を有するようにしたので、例えばインジェクション成形手段を用いて一体成形したもの等と比べて、表面側にはひけ等を有せず、意匠性に優れたガーニッシュを安価に得ることができるようになった。その結果、車両用ドアフレームの製造コストの低減化を図ることができるようになった。
【0011】
また、第四の発明によれば、上記ガーニッシュの幅方向両端末部のところに形成されるカール状の巻込み部のところであって、その内側のところに、当該内側へ突出するように形成された凸起部を、カール状巻込み部の長手方向の複数箇所にわたって設けるようにしたので、このような巻込み部を介してガーニッシュが上記フランジ部のところに取付けられると、ガーニッシュとフランジ部とは所定の緊迫力を持って係合し合う(結合される)こととなり、ガーニッシュは縦サッシュ部材のところに確実に取付けられるようになった。その結果、両者間においてガタ等の生ずるようなことがなくなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態について、図1ないし図6を基に説明する。本実施の形態にかかるものの構成は、図1に示すように、所定の横断面形態を有するサッシュ型材を基礎に形成されるサッシュアセンブリ20と、このサッシュアセンブリ20の一部を形成する縦サッシュ部材2の、その表面側に取付けられるものであって、平面形態が上記縦サッシュ部材2と略同じ形態を有するように形成された短冊状のガーニッシュ1と、からなることを基本とするものである。
【0013】
このような構成からなるものにおいて、上記サッシュアセンブリ20は、例えば本実施の形態においては、図1及び図2に示すようなものが挙げられる。なお、このサッシュアセンブリ20の一部を形成する縦サッシュ部材2の、その横断面形状としては、例えば図2に示すような形態からなるものが挙げられる。すなわち、その基本断面形態は、ガラスランチャンネルの収容される溝部26と、当該溝部26の背面側に設けられるものであって底面部281が上記溝部26の底面部261とスポット溶接手段等にて接合されて一体化されたウェザストリップ保持用のリテーナ部28と、これら溝部26及びリテーナ部28の一方の側面であってドア外板面側に設けられるフランジ部21と、からなるものである。このような基本断面形態を有する縦サッシュ部材2は、例えば図3に示す如く、そのフランジ部21の形状が、ルーフ側サッシュ部材210との接合部220を基点にして下方へ向って末拡がり状にフランジ部幅が拡がるようになっているものである。すなわち、上方部におけるフランジ部21Aよりも、下方部におけるフランジ部21Cの方が、その幅の値が大きく(広く)なるようになっているものである。そして、このような断面形態からなるフランジ部21のところには、合成樹脂製のガーニッシュ1が取り付けられるようになっているものである。
【0014】
次に、このように下方へ行くに従って末拡がり状にフランジ部幅の値が広くなるように形成されたフランジ部21のところに取付けられるガーニッシュ1について説明する。このものは、基本的には熱可塑性合成樹脂製成形品からなるものであり、その平面形状は、図4に示すような短冊状の形態からなるものである。そして、その一般横断面形状は、図2に示す如く、意匠面を形成する平面部11と、当該平面部11の両端末部のところに形成されるものであってカール状の形態からなり、かつ、上記縦サッシュ部材2のフランジ部21に設けられた両端末部211、211のところに係合するように形成された巻込み部12、12と、からなることを基本とするものである。
【0015】
このような形態からなるものにおいて、その長手方向下端部のところには、図4に示す如く、開口部15が設けられ、後に述べる本ガーニッシュ1の上記縦サッシュ部材2への装着時(取付け時)において、この開口部15が利用されるようになっているものである。また、このような短冊状ガーニッシュ1の上方部であって側面部のところには、本ガーニッシュ1が上記縦サッシュ部材2のフランジ部21のところに完全に装着(取付け)された状態において、ルーフ側サッシュ部材210との接合部220周りを包み込むように形成されるものであって上記巻込み部12の一方側の一部が切除されることによって形成された側面切欠部17が設けられるようになっている。また、このような構成からなる側面切欠部17の設けられる上方部のところには、例えば図5に示す如く、ルーフ側サッシュ部材210の端末部のところに係合するフック部16が設けられるようになっている。なお、このフック部16については、本実施の形態においては、図4及び図5に示すような形態からなるものを設けることとしたが、このフック部16については必ずしも必要とされるものではない。場合によっては、このフック部16を設けず、平板状の平面部11の端末部が切り落とされた形態からなるようなものであっても良い。このようなフック部16を設けなくとも、ガーニッシュ1は下方に向って末拡がり状に形成されているとともに、当該ガーニッシュ1の取付けられるフランジ部21も下方に向って末拡がり状に形成されているため、ガーニッシュ1が下方へずり落ちたりするようなことはない。この場合には、ガーニッシュ1の上方部は、その平面部11の端末部がルーフ側サッシュ部材210との接合部220の周りを被うようにフランジ部21の面と面接触をするようになる。また、この場合ガーニッシュ1の上部をサッシュルーフ部のフランジ部の端部で止めるようにする方法も考えられる。
【0016】
次に、このような構成からなる本ガーニッシュ1の製造方法について説明する。本実施の形態にかかるものは、まず、熱可塑性合成樹脂製の平板材を用意し、これを短冊状に切出す。このとき、短冊状平板材の平面視において、例えば図4に示す如く、下方に向って末拡がり状に、その幅が大きくなるように切出す。この場合における末拡がりの態様としては、例えば図3に示す縦サッシュ部材2におけるフランジ部21の幅の変化割合に合せるようにする。すなわち、ガーニッシュ1の各断面部における横幅の長さを、例えば図2に示す如く、特定された縦サッシュ部材2における、そのフランジ部21全体を被うとともに、フランジ部21の幅方向両端末部211のところを巻込むように形成される巻込み部12の部分も含めた板幅を有するように切り出す。
【0017】
このように末拡がりの短冊状に切出された平板状部材の、その幅方向両端末部のところを、所定の熱曲げ手段を用いて、例えば図2に示す如く、カール状に成形加工し、巻込み部12、12を形成させる。そして、このような巻込み部12、12は、図4に示す如く、短冊状部材の長手方向に沿って両端末部のところに形成されることとなる。なお、このような巻込み部12、12のところには、例えば図4及び図5に示す如く、長手方向の複数箇所にわたって、各巻込み部12、12の内側へ突出するように形成された凸起部121が設けられるようになっている。このような凸起部121を有する巻込み部12がフランジ部21の両端末部211のところに係合すると、上記凸起部121の作用によって巻込み部12とフランジ部21のと間にはより強い緊迫力が形成されることとなり、ガーニッシュ1はより強力な弾性力をもって上記縦サッシュ部材2のフランジ部21のところに取り付けられることとなる。また、このような構成からなる本ガーニッシュ1の上端部のところには、図4及び図5に示す如く、同じく熱曲げ手段を用いて、上記巻込み部12、12の成形と同時にフック部16が一体的に形成されることとなる。また、このようにして巻込み部12、12またはフック部16が一体的に形成される本ガーニッシュ1は、例えば図5に示す如く、その長手方向に、上記巻き込み部12、12を内側にして所定の曲げ半径「R」を有した状態で湾曲した形態に成形されることとなる。そして、この場合における湾曲半径の値「R」は、本ガーニッシュ1が取付けられる縦サッシュ部材2のドア外板面に沿う湾曲半径とは異なった値に形成されることとなる。これによって、本ガーニッシュ1が縦サッシュ部材2のフランジ部21のところに取付けられたときに、本ガーニッシュ1には上記縦サッシュ部材2との間において長手方向に相対的な緊迫力が生ずることとなり、ガーニッシュ1は上記縦サッシュ部材2のところに確実に装着されることとなる。その結果、相対的なガタ等が生じないようになる。
【0018】
次に、このような構成からなる短冊状ガーニッシュ1の縦サッシュ部材2のフランジ部21への取付方法(手順)について、図6を基に説明する。まず、図6の(イ)に示す如く、末拡がり状に幅が拡がるように形成されたガーニッシュ1の、その下端部に設けられた開口部15のところを、縦サッシュ部材2の上方部であってルーフ側サッシュ部材210との接合部220の近辺部における縦サッシュ部材2のフランジ部21表面に接触させるようにする。そして、このとき、上記開口部15内には上記縦サッシュ部材2のフランジ部21の両端末部211、211が収容された状態にする。このような状態において、次の(ロ)に示す如く、ガーニッシュ1全体を、ガーニッシュ1の平面部11の裏面側が上記縦サッシュ部材2のフランジ部21の表面側に接触した状態において、相対的に滑らせながら押下げる。その結果、最初のうちは縦サッシュ部材2のフランジ部21の幅よりも広い状態におかれていたガーニッシュ1の両巻込み部12、12間の距離が、徐々に上記縦サッシュ部材2のフランジ部21における両端末部211、211間の距離に合致するようになり、上記両巻込み部12、12は、それぞれ縦サッシュ部材2のフランジ部両端末部211、211のところに係合するようになる。
【0019】
そして、最終的には、図6の(ハ)に示す如く、ガーニッシュ1の最上端部に形成されたフック部16のところがルーフ側サッシュ部材210のフランジ部端末部であって接合部220の近辺部のところに係合するようになり、ガーニッシュ1はそれ以上下方へは押下げることができないようになる。一方、この状態においては、ガーニッシュ1の両端末部に形成された各巻込み部12、12は上記縦サッシュ部材2のフランジ部21の両端末部211、211のところに完全に係合するようになる。すなわち、縦サッシュ部材2とガーニッシュ1との係合態様は、例えば図2に示すような完全な係合状態となる。また、このとき、上方部に設けられた側面切欠部17のところにはルーフ側サッシュ部材210のフランジ部の表面が嵌り込んだ状態となり、ガーニッシュ1は完全に縦サッシュ部材2のフランジ部21のところに取付けられた(装着された)状態となる。なお、このような状態において、ガーニッシュ1の長手方向の湾曲率は縦サッシュ部材2の長手方向湾曲率(湾曲半径R)とは異なった状態で成形加工されているので、装着後においては、ガーニッシュ1は、長手方向において所定の弾性変形をしていることとなり、ガーニッシュ1は縦サッシュ部材2に適度の緊迫力をもって取付けられた状態となる。従って、ガーニッシュ1は縦サッシュ部材2の表面に確実に取付けられることとなる。
【0020】
このように、本実施の形態のものにおいては、縦サッシュ部材2のところに取付けられるガーニッシュ1を、熱可塑性合成樹脂製の平板材を基礎に、これに簡単な熱曲げ加工手段を加えることによって形成させるようにしたので、従来のインジェクション成形手段を用いた場合におけるような、ボス部裏面側に生ずる「ヒケ」等の問題を懸念する必要がなくなった。また、ガーニッシュ1を平板材を基礎に形成させるようにしたので、ガーニッシュ1の製造コストの低減化を図ることができるようになった。また、このように平板状部材を基礎に形成されるガーニッシュ1の縦サッシュ部材2表面への取付部の構造も簡単な構成からなるようにしたので、特別なクリップやファスナ等を用いなくとも良いようになり、取付作業の効率化を図ることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の全体構成を示す展開図である。
【図2】本発明の主要部をなすガーニッシュの縦サッシュ部材への取付状態を示す横断面図である。
【図3】本発明における縦サッシュ部材の全体構成を示す平面図及び一部横断面図である。
【図4】本発明におけるガーニッシュの全体構成を示す平面図及び一部横断面図である。
【図5】本発明におけるガーニッシュの概要を示す側面図及び一部縦断面図である。
【図6】本発明におけるガーニッシュの縦サッシュ部材への取付手順を示す図である。
【図7】従来のもののドアサッシュアセンブリの全体構成を示す立面図である。
【図8】従来のものにおけるガーニッシュと縦サッシュ部材との結合態様を示す断面図である。
【符号の説明】
【0022】
1 ガーニッシュ
11 平面部
12 巻込み部
121 凸起部
15 開口部
16 フック部
17 側面切欠部
2 縦サッシュ部材
21 フランジ部
211 端末部
20 サッシュアセンブリ
210 ルーフ側サッシュ部材
220 接合部
26 溝部
261 底面部
28 リテーナ部
281 底面部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスランチャンネルの収納される溝部を有するとともに当該溝部の一方の側面であってドア外板面側にフランジ部を有する形態からなるサッシュ型材を基礎にサッシュアセンブリを形成させ、このようなサッシュアセンブリを形成する縦サッシュ部材のところであって、そのフランジ部のところに、当該フランジ部全体を覆うように形成されるものであって短冊状の平面形態からなるとともに当該短冊状部材の幅方向両端末部のところに所定の巻込み部を有するように形成された合成樹脂製のガーニッシュを、当該ガーニッシュの幅方向両端末部のところに形成された上記巻込み部を上記フランジ部幅方向両端末部のところに係合させることによって取付けるようにした構成からなることを特徴とする車両用ドアフレーム。
【請求項2】
ガラスランチャンネルの収納される溝部を有するとともに当該溝部の一方の側面であってドア外板面側にフランジ部を有する形態からなるサッシュ型材を基礎にサッシュアセンブリを形成させ、このようなサッシュアセンブリを形成する縦サッシュ部材のフランジ部を下方に向ってフランジ部幅が徐々に拡がるような形態からなるようにし、このようなフランジ部のところに、当該フランジ部全体を覆うように形成されるものであって短冊状の平面形態からなるとともに、その幅が上記フランジ部幅の変化に従って末拡がり状に拡がるような形態からなり、更に、このような短冊状部材の幅方向両端末部のところに所定の巻込み部を有するように形成された合成樹脂製のガーニッシュを、当該ガーニッシュの幅方向両端末部のところに形成された上記巻込み部を上記フランジ部幅方向両端末部のところに係合させることによって取付けるようにした構成からなることを特徴とする車両用ドアフレーム。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の車両用ドアフレームにおいて、上記ガーニッシュを、熱可塑性合成樹脂製の平板材を基礎に、その幅方向両端末部のところに、所定の熱曲げ手段を用いてカール状形態からなるものであって所定の弾性を有するように形成された巻込み部を有する構成からなるようにしたことを特徴とする車両用ドアフレーム。
【請求項4】
請求項3記載の車両用ドアフレームにおいて、上記ガーニッシュを、当該ガーニッシュの幅方向両端末部に形成される巻込み部のところであって、その長手方向の複数箇所のところに、上記巻込み部の内側へ突出するように形成された凸起部を有する構成からなるようにしたことを特徴とする車両用ドアフレーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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