説明

車両用ハザードランプスイッチ装置

【課題】耐久性の向上とハーネス本数の抑制を可能とした車両用ハザードランプスイッチ装置を提供する。
【解決手段】車両用ハザードランプスイッチ装置10は、センサ12、制御部13、及び半導体リレー14からなるハザードスイッチ11をスイッチ本体に設けている。制御部13は、センサ12からのセンサ信号、及び車両搭載機器34〜36の動作を制御するボディ制御部30からの駆動情報信号に応じて、ハザードスイッチ11に関する情報を画像ディスプレイ装置3、ボディECU30、及び警告装置40などの外部装置へ出力するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両に装備された車両用ハザードランプスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車には、車体前後左右にターンシグナルランプが装備されている。緊急停車時においては、全てのターンシグナルランプを一斉に点滅させることでハザードランプとして使用されることが一般的である。このハザードランプの点滅をリレーのオン・オフによって制御する構成のターン・ハザードランプ駆動回路が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−301344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年の電子制御化に伴い車両内部を配線するハーネスは増加する傾向にあり、ハーネス低減が要求されている。しかしながら、上記特許文献1記載の従来のターン・ハザードランプ駆動回路では、ハザードスイッチと、リレーと、制御部とは、別体に設けられており、各種信号の伝送路となる複数本のハーネスを介して接続されているだけで、ハーネス低減のための手段は講じられていない。また、この従来のターン・ハザードランプ駆動回路に用いられるハザードスイッチやリレーは接点構造であるため、耐久性が低く、接点障害が起きやすい。
【0005】
従って、本発明の目的は、耐久性の向上とハーネス本数の抑制を可能とした車両用ハザードランプスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明は、上記目的を達成するため、運転者によるハザードスイッチのオン・オフ操作を検出するセンサと、前記センサが出力するセンサ信号を入力し、前記センサ信号に基づき前記ハザードスイッチのオン・オフ状態を出力する制御部と、前記制御部からの前記ハザードスイッチのオン・オフ状態を入力し、ハザードランプを点滅させる半導体リレーと、前記センサ、前記制御部、及び前記半導体リレーを設けたスイッチ本体とを備えてなり、前記制御部は更に、車両搭載機器の動作を制御するボディ制御部からの駆動情報信号を入力し、前記センサ信号及び前記駆動情報信号に応じて、前記ハザードスイッチに関する情報を外部へ出力する構成を有してなることを特徴とする車両用ハザードランプスイッチ装置にある。
【0007】
[2]上記[1]記載の発明にあって、前記制御部は、前記ハザードスイッチのオン・オフ状態を前記ボディ制御部、及び報知装置へ出力することを特徴とする。
【0008】
[3]上記[2]記載の発明にあって、前記報知装置は、前記ハザードランプに関する情報を運転者の視覚及び/又は聴覚に作用することで報知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ハザードランプスイッチ装置の耐久性を高めることができるとともに、接続作業の簡素化及び低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態に係るハザードランプスイッチ装置を備えた車両の運転席前方車内を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る典型的なハザードランプスイッチの一例を示す概略断面図である。
【図3】ハザードランプスイッチ装置の構成を模式的に示す機能ブロック図である。
【図4】ハザードランプ消し忘れ報知処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】ハザードランプ消し忘れ報知処理の他の手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】ハザードランプ消し忘れ報知処理の更に他の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、実質的に同じ部材には同一の部材名と符号を付している。
【0012】
(車両の前部座席前方の全体構成)
図1において、車両の前部座席の前方には、計器類や助手席用エアバッグなどが装着された合成樹脂製のインストルメントパネル1が車幅方向に配置されている。このインストルメントパネル1の車両右側部位には、ステアリングホイール2がステアリングコラムを介して車体に組み付けられている。インストルメントパネル1の中央部付近には、各種の選択画面を表示可能な画像ディスプレイ装置3が設けられている。ステアリングホイール2の近傍位置には、この実施の形態の特徴部であるハザードランプスイッチ装置10が設けられている。
【0013】
(ハザードランプスイッチ装置の全体構成)
この実施の形態に係る典型的なハザードランプスイッチ装置10は、図2及び図3に示すように、ハザードスイッチ11と、車両搭載機器の動作を制御するボディ制御部(ボディECU)30とにより主に構成されている。このハザードランプスイッチ装置10は、操作者が押圧操作を行うハザードスイッチ11からのスイッチ信号、ボディECU30を介して取得した各種の駆動情報信号に従って、車体左右前方、車体左右後方、あるいは車体左右側方に装備されたターンシグナルランプ(以下、「ハザードランプ」という。)32,32を同時に点滅させる構成になっている。
【0014】
このハザードスイッチ11は、図3に示すように、接合部33を介して、バッテリ+Bに接続されたコネクタ端子31とボディECU30及びハザードランプ32とに電気的に接続されている。ターンシグナルスイッチやワイパスイッチ等の操作を検出するレバーコンビネーションスイッチ(レバコンスイッチ)34、キーの挿入又は抜き取りを検出するイグニッションスイッチ35、及び車両走行速度を検出する車速センサ36の一端はバッテリ+Bと電気的に接続されており、その他端はボディECU30と電気的に接続されている。
【0015】
なお、図示を省略しているが、ボディECU30には、例えば自動変速機のシフトポジションを検出するシフトポジションスイッチ、パーキングブレーキの作動状態を検出するパーキングブレーキスイッチ、ドアの開閉を検出するドアスイッチ、ドアをロック・アンロックするためにリモートキー又は携帯通信端末機が発信するキーレスアンロック信号及びキーレスロック信号(無線信号)を受信するキーレス信号受信部などの各種の車両搭載機器が接続される。
【0016】
(ハザードスイッチの構成)
この実施の形態に係る基本の構成は、図2及び図3に示すように、センサIC(Integrated Circuit)12と、制御部(制御IC)13と、半導体リレー14,14とにより主に構成された無接点式のハザードスイッチ11にある。センサIC12、制御IC13、及び半導体リレー14のそれぞれは、ICチップからなり、例えばワイヤボンディングによってIC基板15に実装されている。このセンサIC12及び制御IC13は、樹脂モールドからなる本体16により封止されてもよい。この本体16は、例えばエポキシ樹脂等の合成樹脂からなる非磁性材料によってICパッケージとして形成される。
【0017】
このセンサIC12は、図2及び図3に示すように、スイッチ操作を非接触で検出する磁気センサ(ホール素子)からなる。この磁気センサは、押圧操作可能なスイッチ操作部17に取り付けられた磁石18から付与される磁界の変化に基づいてスイッチ操作部17の操作有無を検出する検出回路であり、その磁界に応じた値をもつ出力値を制御IC13に出力する。磁石18としては、例えばフェライト磁石が用いられる。
【0018】
このハザードスイッチ11のスイッチケース(スイッチ本体)19の内部には、図2に示すように、押圧操作可能なスイッチ操作部17がスイッチ支持部20を介して支持されており、スイッチ押圧操作方向とは反対側にスイッチ支持部20を付勢する弾性部材であるコイルバネ21が収容されている。スイッチ操作部17には、スイッチ押圧操作方向に向けて延出部17aが延設されている。その延出部17aには磁石18が取り付けられている。この磁石18と対向する側のスイッチケース19には、センサIC12、制御IC13、及び半導体リレー14を実装したIC基板15がスイッチ押圧操作方向に沿って設けられている。
【0019】
このハザードスイッチ11は、操作者がスイッチ操作部17を用いて行う押圧操作をセンサIC12及び磁石18により磁気的に検出し、スイッチ操作部17の押圧操作によりオン信号をセンサ信号として出力するとともに、スイッチ操作部17の操作解除によってオフ信号をセンサ信号として出力するように構成される。このセンサ信号は制御IC13に出力される。
【0020】
この制御IC13は、図3に示すように、CPU、RAM及びROM等の各種素子からなる制御回路及び作動回路を構成する。制御IC13は、センサIC12から入力するセンサ信号と、ボディECU30から入力する各種の駆動情報信号とに基づいて半導体リレー14のオン・オフを制御する。
【0021】
この半導体リレー14は、図3に示すように、パワー半導体として、例えばMOS型の電界効果トランジスタからなる。機械式リレーに比べて小型であるため、スイッチ本体19に組み込むことが可能になる。半導体リレー14は、制御IC13から入力する制御信号をランプ点滅・消灯信号としてハザードランプ32に出力する。これにより、ハザードランプ32が半導体リレー14からランプ点滅・消灯信号を入力して同時に点滅・消灯される。
【0022】
一方、ボディECU30は、図3に示すように、制御IC13と同様に、CPU、RAM及びROM等の各種素子からなる制御回路及び作動回路を構成する。このボディECU30は、レバコンスイッチ34、イグニッションスイッチ35、及び車速センサ36のオン・オフを認識する。その認識結果は制御IC13へ出力される。
【0023】
(ハザードランプ点滅動作の一例)
このハザードランプ32のランプ点滅動作は、図2及び図3に示すように、操作者がハザードランプ32の消灯状態においてハザードスイッチ11を押圧操作することで行われる。操作者がコイルバネ21の弾力に抗してハザードスイッチ11を押圧操作すると、スイッチ操作部17の磁石18がセンサIC12に接近する方向に移動する。この磁石18の移動に伴い、センサIC12の磁界が変化する。この磁界の変化をセンサIC12で検出し、センサ信号としてセンサIC12から制御IC13を介して半導体リレー14に出力する。半導体リレー14では、センサIC12からのセンサ信号に基づきオン・オフ状態とし、ランプ点滅信号としてハザードランプ32に出力する。これにより、ハザードランプ32を同時に点滅させる。
【0024】
(ランプ消灯動作の一例)
このハザードランプ32のランプ消灯動作は、図2及び図3に示すように、操作者がハザードランプ32の点滅状態においてハザードスイッチ11の押圧操作を解除することで行われる。操作者がハザードスイッチ11の押圧操作を解除すると、コイルバネ21の弾力によりスイッチ操作部17の磁石18をセンサIC12に離間する方向に復帰する。この復帰に伴い、センサIC12の磁界が変化する。この磁界の変化をセンサIC12で検出し、センサ信号としてセンサIC12から制御IC13を介して半導体リレー14に出力する。半導体リレー14では、センサIC12からのセンサ信号に基づきオフ状態とし、ランプ消灯信号としてハザードランプ32に出力する。これにより、ハザードランプ32を同時に消灯させる。
【0025】
(制御IC動作態様の一例)
この実施の形態のもう一つの基本の構成は、図3に示すように、ハザードランプ32を作動させるハザードスイッチ11の動作状態を出力する制御IC13にある。図示例によれば、この制御IC13は、センサIC12からのセンサ信号及びボディECU30からの駆動情報信号に応じて、ハザードスイッチ11に関する情報をボディECU30や報知(警告)装置40からなる外部装置へ出力する。
【0026】
この制御IC13は、ハザードスイッチ11のオン・オフ状態を判断する自己判断機能を有しており、例えば車両搭載機器を動作させるべく所定の操作を行うための制御信号をボディECU30に出力したり、警告装置40でハザードランプ32の消し忘れを報知したりすることが可能である。この警告装置40の一例としては、例えば図1に示す画像ディスプレイ装置3、ブザーやスピーカなどの音発生手段、あるいは運転者の携帯端末装置などがある。
【0027】
以下、図3に示す機能ブロック図、図4〜図6に示すフローチャートを参照しながら、制御IC13によって行われる動作態様の一例を説明する。以下の動作態様の説明においては、特に記載のない限り、制御IC13が行うものとする。
【0028】
図4を参照すると、同図には制御IC13で実行される駐停車時のハザードランプ消し忘れ報知処理手順の一例が示されている。最初に、ボディECU30を介して取得した車速センサ36の車速検知信号に基づいて、車両が停車中であるか否かを判断する(ステップS101)。車両が停車中である場合は、次のステップS102へ移り、車両が停車していない場合には、この報知処理は実行されない。
【0029】
ステップS102の処理において、センサIC12からのセンサ信号を参照して、ハザードスイッチ11がオンされたか否かを判断する。ハザードスイッチ11がオフ状態にあるときには、報知処理は実行されない。ハザードスイッチ11がオン状態にあるときに制御開始となり、次のステップS103へ移行する。
【0030】
ステップS103の処理において、ボディECU30を介して取得したレバコンスイッチ34からのレバコンスイッチ信号を参照し、左右のハザードランプ32のいずれか一方の方向指示ランプが点滅状態にあるか否かを判断する。左右の方向指示ランプのいずれもが点滅していないと判断した場合は、ステップS101へ戻り、同様の処理を繰り返す。もし、左右の方向指示ランプのいずれかが点滅していると判断したならば、次のステップS104へ移る。
【0031】
ステップS104の処理において、図1に示す画像ディスプレイ装置3や図3に示す報知装置40を用い、運転者に対して、レバコンスイッチ34を操作したままの状態でハザードランプ32が点滅していることを報知する。これにより、ステップS104の処理は完了し、ステップS104の処理からステップS101の処理に戻る。
【0032】
左右のハザードランプ32のいずれか一方の方向指示ランプを点滅させて路肩などに車両を駐停車した運転者が、レバコンスイッチ34をニュートラル位置に戻すことなくハザードスイッチ11をオンさせ、左右のハザードランプ32を同時に点滅させるハザード作動を行い、その後、ハザードスイッチ11をオフ状態に戻して車両を発進したとしても、上記処理により、ハザード作動前の方向指示ランプが点滅したままの状態で車両を発進させることを防止することができる。
【0033】
次に、図5を参照すると、同図には制御IC13で実行されるハザードランプ消し忘れ報知処理手順の他の一例が示されている。先ず、センサIC12からのセンサ信号を参照して、ハザードスイッチ11がオンされたか否かを判断する(ステップS201)。ハザードスイッチ11がオフ状態にある場合には、報知処理は実行されない。ハザードスイッチ11がオン状態にあるときに制御開始となり、次のステップS202へ移る。
【0034】
ステップS202の処理において、ボディECU30を介して取得したイグニッションキーがオフ位置にあるか否かを判断する。イグニッションキーがオフ位置にない場合には、報知処理は実行されない。イグニッションキーがオフ位置にある場合は、次のステップS203へ進む。
【0035】
ステップS203の処理において、イグニッションキーがイグニッションキーシリンダに挿入されているか否かを判断する。イグニッションキーがイグニッションキーシリンダに挿入されている場合には、ステップS201に戻り、同様の処理を繰り返す。もし、イグニッションキーがイグニッションキーシリンダから抜かれたならば、次のステップS204へ移行する。
【0036】
ステップS204の処理において、センサIC12からのセンサ信号を参照して、ハザードスイッチ11がオン状態にあるか否かを判断する。ハザードスイッチ11がオフ状態にある場合には、報知処理は実行されない。もし、ハザードスイッチ11がオン状態にあるならば、次のステップS205へ移る。
【0037】
ステップS205の処理において、画像ディスプレイ装置3や報知装置40を用い、運転者に対して、ハザードランプ32の消し忘れがあることを報知する。これにより、このステップS205の処理は終了する。
【0038】
以上の処理により、イグニッションキーがイグニッションキーシリンダから抜かれた状態になるのに応じて、ハザードランプ32の動作態様を画像ディスプレイ装置3や報知装置40に報知するので、ハザードランプ32の消し忘れを防止することができる。
【0039】
次に、図6を参照すると、同図には制御IC13で実行されるハザードランプ消し忘れ報知処理手順の更に他の一例が示されている。最初に、ボディECU30を介して取得した車速センサ36の車速検知信号に基づいて、車両が停車中であるか否かを判断する(ステップS301)。車両が停車中である場合は、ステップS302へ移り、車両が停車していない場合には、報知処理は実行されない。
【0040】
ステップS302の処理において、センサIC12からのセンサ信号を参照して、ハザードスイッチ11がオンされたか否かを判断する。ハザードスイッチ11がオフである場合には、報知処理は実行されない。ハザードスイッチ11がオンされているときに制御開始となり、次のステップS303へ進む。
【0041】
ステップS303の処理において、ボディECU30を介して取得した車速センサ36の車速検知信号に基づいて、車両が発進したか否かを判断する。車両が発進した場合は、ステップS304へ移る。もし、車両が発進していないならば、ステップS301及びS302の処理を繰り返す。
【0042】
このとき、車速センサ36から入力される車速検知信号に基づいて、車速が所定速度に到達したか否かを判断し、車速が所定速度に到達した場合は、ステップS304へ移り、車速が所定速度に到達していない場合は、ステップS303を繰り返す処理であってもよい。
【0043】
ステップS304の処理において、センサIC12からのセンサ信号に基づいて、ハザードスイッチ11がオン状態であるか否かを判断する。ハザードスイッチ11がオフ状態である場合は、ハザードランプ消し忘れ報知処理を終了する。ハザードスイッチ11のオンが検出された場合は、次のステップS305へ進む。ステップS305の処理において、画像ディスプレイ装置3や報知装置40を用い、運転者に対して、ハザードランプ32の消し忘れがあることを報知する。
【0044】
以上の処理により、ハザードスイッチ11をオンにしたままの状態で、運転者が車両を発進させることを防止することができる。
【0045】
なお、図4のステップS104の処理、図5のステップS204の処理、及び図6のステップS305の処理においては、例えばハザードランプ32の点滅速度を監視することで、バッテリ+Bの充電状態を画像ディスプレイ装置3や報知装置40を用いて報知することも可能である。また、制御IC13から入力する制御信号をボディECU30に出力することで、ボディECU30では、バッテリ+Bへの負担を軽減するために、制御IC13からの制御信号に基づき各種の車両搭載機器の電源供給を制御することも可能となる。
【0046】
(実施の形態の効果)
この実施の形態に係るハザードランプスイッチ装置10によれば、上記効果に加えて、以下の効果が得られる。
(1)無接点式のハザードスイッチ11は接点部分に接触箇所がないので、接触不良を起こすことなく、部品耐久性を向上させることができる。
(2)ハザードスイッチ11にセンサIC12、制御IC13、及び半導体リレー14を集約化して設けているため、ハザードスイッチ11のオン・オフ動作によってハザードランプ32を直接点滅させることができる。これにより、ハザードランプ32に対する電源供給能力を高めるための格別な回路をハザードスイッチ11と別体に設ける必要がない。その結果、ハザードランプスイッチ装置10の部品点数を削減することができるとともに、ハザードスイッチ11の接続作業の簡素化、及びコストの低廉化を図ることができる。
(3)ハザードスイッチ11の余分な設置スペースを省略することも可能となる。この省略化に伴ってハザードランプスイッチ装置全体の小型化を図ることが可能となる。
【0047】
以上の説明からも明らかなように、本発明のハザードランプスイッチ装置10を上記実施の形態、変形例、及び図示例に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。本発明にあっては、次に示すような他の変形例も可能である。
【0048】
[変形例]
(1)上記実施の形態では、レバコンスイッチ信号、イグニッションスイッチ信号、及び車速検知信号の認識結果を参照してハザードランプ32の点滅・消灯動作を制御したが、これに限定されるものではなく、例えば自動変速機のシフトポジションスイッチ信号、パーキングブレーキスイッチ信号、ドア開閉スイッチ信号などの各種センサ・スイッチ信号の認識結果に基づきハザードランプ32の点滅・消灯動作を制御しても、本発明の初期の目的を達成することができる。
(2)上記実施の形態においては、スイッチ操作部17の磁石18がセンサIC12に接近する方向に移動することで、センサIC12の磁界が変化する作用原理を利用しているが、これに限定されるものではない。センサIC12の磁界が変化する限り、どのような作用原理でも、どのような組み合わせのセンサIC12及び磁石18を使用してもよい。
(3)センサIC12としては、磁気センサに代えて、例えば光センサや静電容量センサ等の他のセンサ部品が採用できる。
(4)ハザードスイッチ11は、例えばスイッチ操作部17の押圧操作に連動して切り替わる機械式スイッチ機構、あるいは自動復帰するモーメンタリ式スイッチ機構であってもよい。
(5)上記実施の形態においては、センサIC12及び制御IC13を封止樹脂で封止することで単一のパッケージ部品とする場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばセンサIC12、制御IC13及び半導体リレー14を封止樹脂で封止することで単一のパッケージ部品としてもよく、センサIC12、制御IC13及び半導体リレー14のそれぞれを第1〜第3封止樹脂で封止することで3つのパッケージ部品として形成してもよい。
(6)上記実施の形態では、自動車に適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、例えば自動二輪車、建設機械、農業機械などの各種の車両に効果的に適用することができることは勿論である。
【符号の説明】
【0049】
1…インストルメントパネル、2…ステアリングホイール、3…画像ディスプレイ装置、10…ハザードランプスイッチ装置、11…ハザードスイッチ、12…センサIC、13…制御IC、14…半導体リレー、15…IC基板、16…本体、17…スイッチ操作部、17a…延出部、18…磁石、19…スイッチケース、20…スイッチ支持部、21…コイルバネ、30…ボディECU、31…コネクタ端子、32…ターンシグナルランプ(ハザードランプ)、33…接合部、34…レバーコンビネーションスイッチ、35…イグニッションスイッチ、36…車速センサ、40…報知(警告)装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者によるハザードスイッチのオン・オフ操作を検出するセンサと、
前記センサが出力するセンサ信号を入力し、前記センサ信号に基づき前記ハザードスイッチのオン・オフ状態を出力する制御部と、
前記制御部からの前記ハザードスイッチのオン・オフ状態を入力し、ハザードランプを点滅させる半導体リレーと、
前記センサ、前記制御部、及び前記半導体リレーを設けたスイッチ本体とを備えてなり、
前記制御部は更に、車両搭載機器の動作を制御するボディ制御部からの駆動情報信号を入力し、前記センサ信号及び前記駆動情報信号に応じて、前記ハザードスイッチに関する情報を外部へ出力する構成を有してなることを特徴とする車両用ハザードランプスイッチ装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記ハザードスイッチのオン・オフ状態を前記ボディ制御部、及び報知装置へ出力することを特徴とする請求項1記載の車両用ハザードランプスイッチ装置。
【請求項3】
前記報知装置は、前記ハザードランプに関する情報を運転者の視覚及び/又は聴覚に作用することで報知することを特徴とする請求項2記載の車両用ハザードランプスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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