説明

車両用ヘッドライトの測定方法とその装置

【課題】 車両前照灯であるヘッドライトの照射分布を模擬確認するヘッドライトテスターにおいて、ヘッドライトの形状映像を撮像し、ヘッドライトテスターを移動させすることにより前記ヘッドライトの座標位置を決定し、前記ヘッドライトを自動的に車両正対することを課題とする。
【解決手段】 車両前照灯であるヘッドライトの照射分布を模擬確認するヘッドライトテスターにおいて、前照灯の形状映像を撮像し、モニター上の画面よりヘッドライト形状の座標を求め、ヘッドライトテスターの移動情報と前記座標からヘッドライトの形状を判断することにより、その正対位置を決定しヘッドライトテスターを正対位置に自動的に移動し測定するヘッドライトテスターを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用前照灯試験装置(ヘッドライトテスター)において、ヘッドライトである前照灯ランプの照射光を測定するに際し前照灯の形状把握と正対方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用ヘッドライトランプの測定試験は基準のヘッドライトランプの前面10mの距離にスクリーンを配置し、該基準ライトから投射される照度分布パターンと照度を測定基準用フィルターが装着された測定基準用の光度計にて測定し、その測定された光度分布を基準値にして判断される。この方法による、被測定車両のヘッドライトの試験測定は、広いスペースが必要である。このためヘッドライトの照射分布を模擬確認するヘッドライトテスターを検査対象車両より1m離間して、ヘッドライトテスターを配置し計測する。ヘッドライトテスターの前面に設けた集光レンズに向けてランプを点灯照射し、ランプの形状映像及びその照射分布を測定する形態をとり、ヘッドライトテスターを移動させすることにより前記ランプの照射する光度分布を測定することが実用化されている。
【0003】
車両前照灯であるランプの光度分布を模擬確認するヘッドライトテスターにおいて、ランプの照度分布測定方法は、前照灯であるランプより所定距離に配置したヘッドライトテスターの前面の集光レンズに向けてランプを点灯照射する。その際、被測定ランプの光軸が前記ヘッドライトテスター前面の集光レンズに垂直に入射する必要があることおよびヘッドライトテスター前面の集光レンズと被測定ランプとの距離が所定の1mであることが必要である。ランプの入射角を車両に対し設定することを車両正対と呼び、その車両正対作業はランプ入射角が垂直入射であることを確認するヘッドライトテスターと車の傾きに合わせヘッドライトテスターの角度を補正する作業である。ランプ正対作業とは、この車両正対の角度補正後に被測定ランプとヘッドライトテスターの距離を所定距離である1mにする距離設定と被測定ランプ映像を映像中心に配置する作業である。この車両正対とランプ正対の作業後にランプが照射する光度分布を測定し安全な車両運行基準に資する。
【0004】
ヘッドライトテスターは被測定車両に対しヘッドライトテスター前面に設けられた集光レンズに対し正対することが求められるが、入車してくる車両は非正対であることが多い。車両の正対からのズレは前後のタイヤの目視確認で行うがホイールベース2.8mの車両で100mmの前後のタイヤズレは2°に相当し10m先の光度分布には誤差を生ずる。しかも目視によるズレ確認は、前後のトレッド幅やタイヤ幅によって車両の前後の幅が変化するので目安に過ぎない。ヘッドライトテスターの集光レンズ面に垂直に正対する車両検査場所があるが一部に限られる。よってヘッドライトテスターには車両正対すべく車両の傾きを補正し正対のためにヘッドライトテスター微少回転機構を持っている。
【0005】
従来、ヘッドライトテスターには、この正対への工夫が提案されている。(特許文献1、特許文献2,特許文献3)。
【0006】
特許文献1はランプからヘッドライトテスター内のスクリーンに向けてランプを点灯照射し、その光軸がスクリーンの中心位置に来るように架台を動かす方法である。特許文献2はヘッドライトテスターの内部構造に関するもので配光像とランプ映像をハーフミラーによって分離している。その映像をビデオカメラで撮像しモニターで視覚認識するものである。特許文献3はヘッドライトテスター内のビデオカメラとは別に2台のカメラの光軸を所定の距離で1点に交差させて搭載し、ランプの所定の測定距離を把握しているのが特徴である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭63−019529号公報
【特許文献2】特開2001−013041号公報
【特許文献3】特開2004−340890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上述べたような従来の装置及び方法の特許提案では、車両のヘッドライトテスターの車両正対測定距離とランプ正対角度の設定には機能として十分では無い。距離設定を2台のカメラによる方法は車両正対測定距離設定とランプ正対角度の2つの機能を持つが、ヘッドライトテスター内の測定カメラとは別に2台の距離測定用カメラが必要であり、複雑である。本発明はランプの照明分布を撮像するカメラとは別の距離情報取カメラを必要とせずに正対距離情報とランプ角度正対機能を同時に得ることを課題としている。
【0009】
本発明は、上記のような必要性や状況に鑑みてなされたものであり、入車してくる車両は非正対であり、よってヘッドライトテスターに車両の傾きを補正するためには車両の傾き角を取得する必要がある。この得られた車両傾き情報によって正対するべくヘッドライトを微少回転させ補正角度を付与する機能を持っていることと所定の測定距離にヘッドライトテスターの移動配置する機能を併せ持つヘッドライトテスターを新たな装置を増設することが無く、提供することが可能であり、しかも全ての調整が自動で行うことが出来るシステム提供を特徴としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記目的を達成するためヘッドライトテスターでヘッドライトランプの照射特性を測定するに際し、ランプ角度正対機能とランプ測定距離設定機能を同時に得るために、前記ヘッドライトテスターは被検査車両ヘッドライトである左右ランプに平行な方向に移動する装置と前記左右のランプに対し離間または近づく方向に移動する装置と車両のランプ高さに整合する為ランプの高さ方向に移動する装置の3軸移動架台にヘッドライトテスターを搭載する構造を持ち、かつ前記高さ方向調節軸回りに微少回転する機構を有する。前記ランプ光を照射したときのランプ映像およびランプの配光映像を撮像する内蔵ビデオカメラ映像をモニターするディスプレイと制御パネルからなっている。
【0011】
図1は本発明に関わる車両前照灯のランプ特性を測定する全体の装置を示している。被測定車両114の前照灯であるランプ112,113の照射配光特性をヘッドライトテスター101で測定する。左右の前照灯ランプに平行移動する軸をx軸104、前記ランプと離間または近づく方向の移動軸をy軸105、ランプの高さ方向の高さ調整用としての軸をx−y平面に直交するz軸106とする。ヘッドライトテスターはこれら3軸を自在に移動する架台(103a,103b)上に搭載されてランプの測定を行う。地面は凹凸の少ない構造であり車両の傾きはz軸回りの角度を主に考慮すれば良い。このため、ヘッドライトテスター本体101はz軸回りに微少回転する機構を持っている。図1に各座標軸と移動可能方向を示す矢印(107,108,109)を記した。ランプ112,113の測定に際し、待機場所からヘッドライトテスター101は視点111b、111c地点にx軸方向に移動して測定する。視点111aは待機場所、視点111bはランプ112の測定視点、視点111cはランプ113の測定視点である。図1では車両はヘッドライトテスター前面の集光フレネルレンズ102に傾くことなく正対している状態を示している。またヘッドランプの高さはヘッドライトテスター光軸高さと一致している状態を示している。
図2はヘッドライトテスター201の構造を示している。本体203の前面にフレネルレンズ202、制御用装置205とモニターディスプレイ204で構成される。本体204に内蔵のビデオカメラで撮像される映像はモニターディスプレイ204に表示される。図2の例では前照灯の外形206が表示されている。本体203の座標軸はx軸207、y軸208、z軸209でz軸回りに微少回転(210)可能な構造を持っている。
【0012】
図3は本発明の根拠となる被測定ランプ映像の消失点概念の説明図である。被測定車両301ヘッドライトテスターとは傾きが無く正対しており、z軸回りの傾の角度補正が必要の無い状態例を図示している。ヘッドライトテスターは架台上をx軸、y軸、z軸を自在に移動可能でヘッドライトテスター視点304,305,306,307,308,309でランプ302をヘッドライトテスター内のビデオカメラで撮像する、またz軸方向のランプ高さ方向の撮像は正対視点319,正対視点319より低い視点320、正対視点より高い視点321も撮像し、それらの映像を図4に示した。モニター上のピクセル座標はv軸を縦軸にw軸を横軸として表示した。高さ視点319での視点304のヘッドライトテスターのランプ映像は406、視点307のヘッドライトテスターのランプ映像は407となる。ここでヘッドライトテスターを無限遠点の距離に配した場合の映像はビデオカメラの撮像中心である映像消失点403に収束する。同じく視点305、視点308のヘッドライトテスターによる撮像映像は、それぞれ404、405となりヘッドライトテスターを無限遠点の距離に配した場合の映像は映像消失点403に収束する。視点306,視点309のヘッドライトテスターによる撮像映像も同様で消失線はw軸(401)に一致している。高さ視点が正対高さ視点319より高い視点321での映像は、視点304、307のヘッドライトテスターによるランプ映像はそれぞれ408,409となり、その消失線は410で示される。同様に高さ視点320での消失線は412,413になる。
【0013】
図5は映像中心である消失点とのランプ映像座標関係を示している。図5の例は被測定ランプの測定系として図3の高さ視点319、ヘッドライトテスター撮像視点306,309のランプ映像の座標関係を500として示している。ヘッドライトテスター視点306のランプ映像を501、視点309のランプ映像を502で表示し消失点とランプ映像501,502の座標関係は503の関係式で表される。
【0014】
以上の様に消失点とヘッドライトテスターのランプ映像の座標関係を応用して、ヘッドライトテスターの実際の移動量との関係からヘッドライトテスターの測定距離及び正対角度を決定することが出来る。
【0015】
請求項1に記載の発明は、上記の消失点の考え方を応用したものでその例を図6に示す。図6は車両601がヘッドライトテスター605,606と傾き角度を持っている例である。ヘッドライトテスター605の集光レンズはx軸に平行の初期設定となっている。ヘッドライトテスターを待機場所から移動し視点Aのヘッドライトテスター位置605に移動する。この時、被測定ランプ602とヘッドライトテスターの集光レンズの距離は所定の測定距離1m近傍の位置でよい。視点Aでのヘッドライトテスターの撮像映像座標は図7の表示701として表示され、この時のランプ映像704の座標情報を取得する。モニター表示では水平方向の座標軸をw軸、垂直方向の座標軸はv軸とした。ヘッドライトテスターをx軸方向に移動距離606,705(Δx)で視点B(607)に移動する。視点Bのヘッドライトテスターのランプ映像は表示702に移行(706)し、ランプ映像707を得る。この時、車両601はヘッドライトテスター前面の集光レンズと傾き角を持っており、ランプ映像707のモニター上のランプ横幅座標サイズは(w4−w3)でランプ映像704の座標サイズは(w1−w2)とは座標サイズが異なる、図7の例では(w4−w3)>(w1−w2)の例である。映像702のモニター上に図5で述べた方法により映像704の座標サイズを仮想表示する。表示702で(w6−w5)=(w1−w2)となる。(w4−w3)と(w1−w2)の座標値はヘッドライトテスター607のy軸移動方向を示している。(w4−w3)>(w1−w2)はランプと離間する方向にヘッドライトテスターを動かすことを示している。視点Bのヘッドライトテスター607を光軸608に沿って移動しランプ映像を表示703に移行(709)させる。ヘッドライトテスターを移動することによりランプ映像710は仮想映像708に重なる。このときのy軸方向の移動量を609(Δy)で表す。ΔxとΔyは車両601がヘッドライトテスター605,606と傾き角度そのものであり、視点Cのヘッドライトテスターをz軸回りに回転させヘッドライトテスターを車両正対の角度を付与する。この方法により、ヘッドライトテスターを被測定ランプを車両正対させることが可能となる。
【0016】
請求項1の手段(1)は図6において、ヘッドライトテスターの待機場所から視点Aにヘッドライトテスタ605を移動する動作である。視点Aのヘッドライトテスター位置は所定の測定距離の近傍で被測定ランプが撮像できれば良く、位置の限定はない。この時のランプ映像は表示701で、ランプ映像704の座標の座標情報が取得する手段(2)、視点Aのヘッドライトテスター(605)をx軸方向にΔx移動させ(手段3)第二の位置である視点Bにヘッドライトテスターを配置する。第二の位置である視点Bのヘッドライトテスター映像を表示702上にランプ映像707として表示すると同時に707の座標情報を得る手段(4)を持つ、図5による、ビデオカメラの消失点の影像中心座標関係によって映像704の座標サイズを仮想表示する手段(5)を行う。手段(6)は映像704と映像707の座標関係からy軸移動方向を決定し移動する。ここで、ヘッドライトテスター605の集光レンズはx軸に平行の初期設定となっているため、y軸方向とヘッドライトテスターの光軸は一致する。光軸方向にΔy移動し、表示703で視点Cのランプ映像710が仮想映像708に重なる、このときのy軸移動量をΔy(609)とすれば車両正対の補正角θは、θ=atan(Δy/Δx)で求められる。
【0017】
請求項2に記載の発明は、上記の消失点の考え方を応用したものでその例を図8に示す。図8は車両801がヘッドライトテスター805,806,808,811と傾き角度θを持っており車両正対が終了している例である。この傾き角θは請求項1に記載の手段によって得られるし、実測計測でも得られる既知の角度である。ヘッドライトテスターを待機場所から移動し視点αのヘッドライトテスター位置805に移動し、その後、視点β、視点γに移動し、ランプ正対点である視点δに移動しランプの照射配光測定するシステムである。移動の距離とその方向と表示されるランプ映像の座標関係からランプ正対位置を得るものである。これら視点移動によるランプ映像のまとめ、それらランプ映像の消失点座標関係を表示1000として示した。表示1000においてランプ映像1007は視点αの映像、ランプ映像1008は視点βの映像、視点1009は映像1008の消失点の影像中心座標関係によって座標サイズを基準となる座標係数として仮想表示した映像であり、この状態を表示1002として表示した。ランプ映像1010はヘッドライトテスター光軸に沿って移動し、そのランプ映像が表示1003として映像1009と一致した例を示す。表示1004で示されるランプ映像1011はランプ正対位置での映像である。表示1003でのヘッドライトテスターをx−y平面上でヘッドライトテスター光軸と直交する線に沿って移動することでランプ正対点が得られる。
【0018】
図8の請求項2に記載の本発明例の説明図である。ヘッドライトテスターの視点移動に関連する映像図10に示される。図10は消失点の座標関係で表示されている。ヘッドライトテスターを待機場所から移動し視点αのヘッドライトテスター位置805に移動し、視点αにおけるランプ映像1007の座標情報を得る。この時、被測定ランプ802とヘッドライトテスターの集光レンズの距離は所定の測定距離1m近傍の位置でよい。ヘッドライトテスターをx軸方向にΔx1、y軸方向にΔy1の距離を移動する。Δy1の移動距離は、
Δy1=Δx1・tanθ
の関係を持つ。θは請求項1の方法等で得られた既知の角度である。視点βにおけるランプ映像1008として表示1002で示される。このランプ映像1008は車両正対済であるので座標サイズは映像1007と大きさが同じである。この映像1008を消失点の影像中心座標関係によって座標サイズを基準となる座標係数として仮想表示した映像が1009である。基準となる座標係数はヘッドライトテスターによって異なる場合もあるが同じ機種であればその基準座標係数は同一である。実際の基準座標係数は測定距離が所定の1mの時、モニターをVGAとして水平方向1.75/mmである。この基準座標係数を基にランプ映像1009を表示1002内に仮想表示する。この時、ランプ映像1008と仮想ランプ映像1009の座標サイズにより、視点γの移動方向が決定される。図8の例では映像1008が映像1009より座標値が大きいのでヘッドライトテスターは被測定ランプ802と離間する方向に移動する。移動の軸線は視点βのヘッドライトテスター光軸807に沿って移動する。視点γへのヘッドライトテスターの移動に伴いランプ映像が映像1009に重なる。この位置がランプの所定の測定距離1mになる。このランプ映像1010を1003として表示した。表示1003において映像1010の中心と消失点である映像中心の座標距離は(d+e/2)であり、この映像は基準の座標係数映像であることから、その距離810は
移動距離=(d+e/2)/基準座標係数=(d+e/2)/1.75
となる。この移動距離をx−y平面でヘッドライトテスター光軸に直交する軸(812)に沿って移動すれば表示1004で示されるごとく、ランプ正対位置である視点δになる。
【0019】
請求項2に記載の手段について具体例を用いて説明する。請求項2による(7)の手段は図8における第一の位置である視点αの位置に待機場所からヘッドライトテスターを移動するものである。視点αによる被測定ランプ802の映像は図10の表示1001に示される。ランプ映像1007をモニター上に表示しその座標情報を取得する(8)、第一の位置から第二の位置である視点βへの移動(9)は既知の車両正対角の補正角θに示される移動量によって移動する。x軸方向の移動量をΔx1、y軸方向の移動量をΔyとした移動線814上を移動する。第二の位置の視点βでのランプ映像1008は図10の1002に示した。ランプ映像1008を映像消失点である座標関係に基づき基準座標係数(10)の映像1009として示す(11)。さらに第三の位置である視点γ方向に軸807に沿って移動する時のランプ映像1010が仮想映像1009と重なるまで移動する(12)。仮想ランプ映像1009とランプ映像1010が重なった点が視点γの第三の位置になる。第三の視点γの位置は被測定ランプ802と視点γのヘッドライトテスターの集光レンズ面との距離は所定の測定距離1mとなる。その後、x−y辺面上にあって視点γのヘッドライトテスターの光軸に直交する軸809に沿ってヘッドライトテスターを移動(13)しランプ正対位置(14)を得る。
【0020】
図9は図8の視点移動動作を拡大表示したものである。視点αからβへの移動は車両正対角度補正軸に沿って移動し、視点βから視点γへの移動は視点βにおけるヘッドライトテスターとテスターの光軸に沿って移動する。視点γから視点δへの移動はx−y平面内で光軸907に直交する軸909に沿って移動する。
【0021】
本システムは車両前照灯ランプの照射配光特性測定に関わる機能を提供するものであるが円滑な機能を実現するにあたり、機器の性能を最大限に引き出すためには全自動に測定されることが求められる。本発明は車両正対、ランプ正対を連続して自動的に行えるものであり、種々の機器の測定を実現する重要な手段となる。
【0022】
以上の本発明構成要素任意の組み合わせ、応用など発明の趣旨の範囲で他の態様としても有効である。例えば現在はVGAクラスの撮像機器、ディスプレイを用いているが、より高精細な装置の採用により正確な測定に寄与するし、また本発明の視点変化による映像上の解析は車両検査の範囲にとどまらない。
【発明の効果】
【0023】
このような構成により、車両前照灯ランプに関わる測定支援機能を提供するものであり、
・他の機器を増設することがない。
・車両正対からランプ正対まで全て自動で行える。
・新たなコスト負担がないシステムを提供出来る。
との効果が期待できる
【0024】
このように、本発明のヘッドライトテスターシステムは車両検査測定を効率的かつ的確に行うことが可能となる利点を有する。。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】 本発明提案に関わる測定系である。
【図2】 本発明に関わるヘッドライトテスター構成図である。
【図3】 本発明に関わる測定方法の説明図である。
【図4】 本発明に関わる表示および座標の説明図である。
【図5】 本発明に関わる表示および座標の説明図である。
【図6】 本発明による実施形態の説明図である。
【図7】 本発明による実施形態の表示および座標の説明図である。
【図8】 本発明による実施形態例である。
【図9】 本発明による実施形態例の拡大説明図である。
【図10】 本発明による実施形態の表示座標表示および制御例である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図6は請求項1の本発明実施例である。ヘッドライトテスター前面の集光レンズは初期設定でx軸に平行である。視点Aにおいて被測定ランプ802と前記集光レンズとの距離は所定の距離1mでなくても良い、近傍であれば良く距離による位置制限は無い。視点Aから視点Bの移動はx軸に平行に移動する、その距離をΔxとする、視点Bの映像は、もし車両がヘッドライトテスターに対して傾きがない正対状態であれば、視点Aでのランプ映像と視点Bのランプ映像の座標値は同じになる。車両正対していない状態で傾きがあるときは視点Aと視点Bによるランプ映像の大きさは異なる。視点Bのランプ映像が視点Aのランプ映像が大きければ視点Bは視点Aより被測定ランプ802に近づいていることになり、逆ならば遠ざかる傾きを車両が持つことになる。このことは視点Aでのランプ802との距離を視点Bでの距離を同等にする方向を示している。ここでヘッドライトテスターを光軸(y軸方向)に沿って動かし、視点Bでのランプ映像の大きさが同等となるようにしたとすると被測定ランプ802の距離は同じとなる。このx軸方向の移動量と、y軸方向の移動量から車両の傾きを知ることが出来、ヘッドライトテスターを611の様に回転し車両正対が出来る。
【0027】
図8は、前述した消失点との座標関係と、実際の移動距離との被測定ランプの距離を知ることが出来ることを応用したものである。ヘッドライトテスターは機種が同じであれば、ヘッドライトテスターの移動距離と座標の動きは同一である。このことは所定の測定距離1mでの基準座標係数を既知とすれば被測定ランプとヘッドライトテスターの距離を把握することが出来る。
【0028】
請求項2はこの原理からランプ正対を可能としたものである。図10に実際のランプ正対方法をモニター表示画面として示してある。
【符号の説明】
【0029】
100 ランプ測定系
101 ヘッドライトテスター
102 ヘッドライトテスター集光フレネルレンズ
103a 架台
103b 架台
104 x軸
105 y軸
106 z軸
107 x軸移動方向
108 y軸移動方向
109 z軸移動方向
110 ローラー
111a ヘッドライトテスター視点
111b ヘッドライトテスター視点
111c ヘッドライトテスター視点
112 ランプ
113 ランプ
114 車両
115 ランプ
116 ローラー
117 レール
118 測定距離
200 ヘッドライトテスターシステム
201 ヘッドライトテスター
202 ヘッドライトテスター集光フレネルレンズ
203 ヘッドライトテスター本体
204 モニター
205 制御部
206 ランプ映像
207 x軸
208 y軸
209 z軸
210 z軸回転方向
300 測定系
301 車両
302 ランプ
303 ランプ
304 ヘッドライトテスターの視点
305 ヘッドライトテスターの視点
306 ヘッドライトテスターの視点
307 ヘッドライトテスターの視点
308 ヘッドライトテスターの視点
309 ヘッドライトテスターの視点
310 測定距離
311 フレネルレンズ面位置
312 y軸
313 移動方向
314 移動方向
315 レール
316 レール
317 z軸
318 移動方向
319 視点
320 視点
321 視点
400 消失点表示
401 w軸
402 v軸
403 消失点
404 ランプ映像
405 ランプ映像
406 ランプ映像
407 ランプ映像
408 ランプ映像
409 ランプ映像
410 消失線
411 消失線
412 消失線
413 消失線
500 消失点座標
501 ランプ映像
502 ランプ映像
503 算式
600 実施例
601 車両
602 ランプ
603 ランプ
604 傾き角
605 視点Aのヘッドライトテスター
606 移動量
607 視点Bのヘッドライトテスター
608 光軸
609 移動量
610 視点Cのヘッドライトテスター
611 視点Cのヘッドライトテスター
701 映像表示
702 映像表示
703 映像表示
704 ランプ映像
705 移動量
706 移行矢印
707 ランプ映像
708 ランプ映像
709 移行矢印
710 ランプ映像
800 実施例
801 車両
802 ランプ
803 ランプ
804 傾き角
805 視点αのヘッドライトテスター
806 視点βのヘッドライトテスター
807 光軸
808 視点γのヘッドライトテスター
809 移動軸
810 移動方向
811 視点δのヘッドライトテスター
812 移動軸
813 所定の測定距離
814 移動軸
900 実施例
901 視点αのヘッドライトテスター
902 傾き角
903 移動量
904 移動量
905 移動軸
906 視点βのヘッドライトテスター
907 光軸
908 視点γのヘッドライトテスター
909 移動軸
910 光軸
911 視点δのヘッドライトテスター
1001 映像表示
1002 映像表示
1003 映像表示
1004 映像表示
1005 w軸
1006 v軸
1007 ランプ映像
1008 ランプ映像
1009 ランプ映像
1010 ランプ映像
1011 ランプ映像
1012 移動量
1013 移行矢印
1014 移動量
1015 移行矢印
1016 移動量
1017 移行矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前照灯であるランプの照射配光特性を検査するヘッドライトテスターは検査対象車両のランプに対し離間する方向にy軸、車両の左右のヘッドライト方向に移動する軸をx軸、x−y平面に直交する垂直移動方向軸にz軸、またz軸回り微少回転可能とする構造を有し、各々の直交3軸を自由に移動する機能と、その移動距離値を出力する機能を持ち、かつ前記ランプ形状を撮像するビデオカメラをヘッドライトテスター内に設ける。前記ビデオカメラにより、モニター上に表示された前記ランプ映像からランプ形状の座標と前記ヘッドライトテスターの移動距離を比較演算してヘッドライトテスターを被検査車両に正対させるヘッドライトテスターおいて、ヘッドライトテスターの前面の集光レンズとランプとの距離が所定の測定距離近傍の第一の位置(1)にヘッドライトテスターを移動してランプ形状の映像をモニター上に表示し、モニター上の座標を得る手段(2)、その後ヘッドライトテスターをx軸方向(移動量Δx)へ第二の位置に移動(3)し、ランプ形状の映像をモニター上に表示するとともに、x軸方向移動量とモニター上のランプ映像座標の関係を得る手段(4)を持ち、ビデオカメラの映像消失点である映像中心座標関係に基づき第二の位置でのランプ座標を第一のランプ座標として仮想表示(5)する機能を持ち、前記仮想座標と第二の位置のランプ映像のモニター上の座標からy軸の移動方向を決定し、y軸移動方向にともないランプ映像が第二の位置で仮想表示されているランプ映像に重なる第3の位置にy軸方向移動(6)する。第三の位置へのy軸方向移動量Δyと前記移動量Δxから車両とヘッドライトテスターとの傾き角を取得し、z軸回りに微少回転させ被検査車両とヘッドライトテスターを正対させることを特徴とする装置及びその制御方法。
【請求項2】
車両の前照灯であるランプの照射配光特性を検査するヘッドライトテスターは検査対象車両のランプに対し離間する方向にy軸、車両の左右のヘッドライト方向に移動する軸をx軸、x−y平面に直交する垂直移動方向軸にz軸、またz軸回り微少回転可能とする構造を有し、各々の直交3軸を自由に移動する機能と、その移動距離値を出力する機能を持ち、かつ前記ランプ形状を撮像するビデオカメラをヘッドライトテスター内に設ける。前記ビデオカメラにより、モニター上に表示された前記ランプ映像からランプ形状の座標と前記ヘッドライトテスターの移動距離を比較演算してヘッドライトテスターを被検査ランプに正対させるヘッドライトテスターおいて、請求項1または実測により得られた車両正対補正角に合わせz軸回りに微少回転させたヘッドライトテスターの前面の集光レンズとランプとの距離が所定の測定距離近傍の第一の位置(7)にヘッドライトテスターを移動してランプ形状の映像をモニター上に表示し、モニター上の座標を得る手段(8)を持ち、その後ヘッドライトテスターをΔy1=Δx1・tanθの関係を保ち、x軸方向に移動距離Δx1、y軸方向に移動距離Δy1移動することで第二の位置に移動(9)し、ランプ形状の映像をモニター上に第二の位置の映像として表示し、第二の位置でのビデオカメラの映像消失点である映像中心座標関係に基づき基準座標係数(10)としてのランプ映像をモニター上に仮想表示(11)する。さらにヘッドライトテスターを車両正対補正角による光軸に沿って移動し、ランプ映像が基準座標係数ランプ映像である仮想表示(11)と重なる迄移動する(12)。この位置を第三の位置とする。その後、x−y平面上にあってx軸と車両正対補正角度を成すヘッドライト光軸と直交する軸に沿って移動し(13)、第四の位置としてビデオカメラ映像中心に被測定ランプ映像中心を合わせる(14)ことにより所定の測定距離にランプ正対させることを特徴とする装置及びその方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−127930(P2012−127930A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294641(P2010−294641)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000218443)渡辺電機工業株式会社 (8)
【Fターム(参考)】