説明

車両用メータ

【課題】駆動機構の動作時の温度上昇に起因して、指針の原点位置がずれることを抑制する車両用メータを提供する。
【解決手段】車両用メータ1は、回路基板30を介してロアケース60(メータケース)に組み付けられる駆動機構40を備える。駆動機構40は、交差コイル42が巻き付けられるとともに、指針50に連結される回転軸44をその軸線周りに回転可能に支持する樹脂製のボビン41を備える。ボビン41は、該ボビン41と一体形成された取付部41a1を介して円筒状のコイルケース45内に圧入される。ボビン41の取付部41a1には、回路基板30がロアケース60に組み付けられたときロアケース60の内面に接触して弾性圧縮状態となるばね部材46が一体的に設けられる。ばね部材46の弾性圧縮に伴う弾性力によりボビン41がコイルケース45に押圧固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用メータに関し、特に指針の原点位置からのずれを抑制する車両用メータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用メータとして、図11(a)、11(b)に示すように、文字板110の表面側に指針120が配置され、文字板110の裏面側に駆動機構130が配置されたものが知られている。文字板110の表面には指標111を含む意匠面が形成されており、駆動機構130により指針120が回転駆動され、指針120が指標111を指し示すように構成されている。駆動機構130は、回路基板140を介してロアケース(図示省略)に固定されるとともに、文字板110と照明用導光板150を介してアッパーケース(図示省略)に固定されている。文字板110の表面側には、指針120を原点位置、例えば車両停止時に指針120をエンジン回転数0の目盛位置に位置決めするストッパピン112が固定されている。
また、例えば下記特許文献1に記載されているように、文字板に形成された指標を指し示す指針が、文字板の裏面側に配置された車両用メータも知られている。上記したいずれの車両用メータにおいても、駆動機構が、指針に連結される回転軸をその軸線周りに回転可能に支持する樹脂製のボビンを備え、該ボビンが取付部を介して円筒状のコイルケース内に圧入されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−085113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載されている車両用メータでは、指針が文字板の裏面側に配置され駆動機構の回転軸が文字板とは反対側へ延び出すように配置される構成上、図11に示した車両用メータとは異なり、駆動機構を固定するために文字板や照明用導光板を利用することができない。このため、駆動機構が回路基板を介してロアケースのみに片持ち状態で固定されることから、駆動機構の動作時の温度上昇によりボビンの取付部が弾性収縮するのに伴って、回転軸の軸線方向が変化し、ひいては指針の原点位置がずれてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題に対処するためになされたものであり、その目的は、駆動機構の動作時の温度上昇により樹脂製のボビンの取付部が弾性収縮しても、指針の原点位置がずれることを抑制する車両用メータを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、交差コイルが巻き付けられるとともに、指針に連結される回転軸をその軸線周りに回転可能に支持する樹脂製のボビンが、該ボビンと一体形成された取付部を介して円筒状のコイルケース内に圧入されるように構成された駆動機構を備え、該駆動機構が回路基板を介してメータケースに組み付けられる車両用メータであって、
ボビンの取付部には、回路基板がメータケースに組み付けられたとき該メータケースの内面に接触して弾性圧縮状態となるばね部材が一体的に設けられ、該ばね部材の弾性圧縮に伴う弾性力により前記ボビンが前記コイルケースに押圧固定されることを特徴とする。
【0007】
本発明の車両用メータでは、駆動回路を実装した回路基板がメータケースに組み付けられると、ばね部材がメータケースの内面に接触して弾性圧縮し、その弾性力によりボビンがコイルケースに押圧され、ボビンとコイルケースが一体化される。このため、駆動機構の動作時の温度上昇により樹脂製のボビンの取付部が弾性収縮しても、ばね部材の弾性力により取付部とコイルケースの間のがた付きが防止され、回転軸の軸線方向が一定に維持されるようになり、ひいては指針の原点位置からのずれを抑制することが可能となる。
【0008】
この場合、ボビンの取付部は、コイルケースの任意の直径方向における円周上に位置するように対向配置され、各取付部にばね部材がそれぞれ設けられていると好適である。
【0009】
ボビンの取付部がコイルケースの任意の直径方向における円周上にて対向配置され、各取付部に対応してばね部材がそれぞれ設けられることで、各取付部がコイルケースに対してバランスよく押圧されるようになり、ばね部材による弾性力をコイルケースに対して均等に作用させることができる。
【0010】
また、ばね部材には、指針に接触して該指針を原点位置に位置決めするストッパ部が設けられているように構成することもできる。
【0011】
指針が文字板の裏面側に配置される構成では、図11に示したようなストッパピン112を用いて、指針120を原点位置に位置決めすることはできない。ただし、ばね部材にストッパ部を設けることで、指針を原点位置に位置決めする構成を簡易に設定することができる。
【0012】
また、ばね部材は、コイルケースの直径方向に延び出す連結部材により一体的に連結されているように構成することもできる。
【0013】
ばね部材の弾性力によりボビンの取付部がコイルケースに押圧固定されるように構成することで、取付部のコイルケースに対するがた付きに起因する指針の原点位置からのずれを抑制することが可能となる。ただし、取付部に常時作用する弾性力(例えば曲げモーメント)により、取付部が変形(経時変化)することで、指針の原点位置にずれが生ずるおそれがある。これに対し、ばね部材を連結部材を用いて一体的に連結することにより、取付部が変形しないようにすることができる。
【0014】
ばね部材、ストッパ部及び連結部材は、非磁性の金属材料により一体形成されているとよい。この場合、金属材料は、駆動機構に用いられる磁石の影響を受けない非磁性体であると好適である。これによれば、ばね部材、ストッパ部及び連結部材の強度を確保しつつ、比較的簡易に形成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る車両用メータの一例を示す正面図。
【図2】(a)は図1のA−A断面図。(b)は(a)の要部拡大図。
【図3】文字板における印刷有無範囲を示す説明図。
【図4】本発明の実施例1に係り、図2(a)に示した駆動機構の拡大図。
【図5】図4の断面図(ばね部材及びビスを除く)。
【図6】図4に示したばね部材の平面図。
【図7】ばね部材の変形例を示し、(a)はそのばね部材の平面図。(b)は(a)の正面図。
【図8】本発明の実施例2に係り、連結バーの斜視図。
【図9】本発明の実施例2に係り、実施例1の図4に相当する側面図。
【図10】(a)及び(b)は取付部の寸法変化を実施例1と実施例2とで対比して示す説明図。(a)及び(c)は指針の0目盛の指示位置変化を実施例1と実施例2とで対比して示す説明図。
【図11】(a)は従来の車両用メータを示す正面図。(b)は(a)の側面図(指針を含む)。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0017】
図1及び図2(a)は、本発明に係る車両用メータ1の一例を示したものである。車両用メータ1は、スピードメータを主体としたコンビネーションメータであり、アッパーケース10、文字板20、回路基板30(図2参照)、駆動機構40、指針50及びロアケース60(図2参照)を含んで構成され、車室内の前方中央部に設置されている。
【0018】
アッパーケース10は、その上部11にて車両の前後方向に貫通する開口部11aを備え、その開口部11aに固定される文字板20を通して車両の走行速度を指示する指針50を視認させる。
【0019】
また、アッパーケース10は、その下部12にて各種インジケータが印刷処理されたレンズ部を備え、方向指示表示灯、ヘッドランプ上向き表示灯、シフトポジション表示灯などの各種表示灯や、燃料残量警告灯、運転席シートベルト非着用警告灯、半ドア警告灯、エンジン警告灯などの各種警告灯を視認させる。また、例えば液晶パネルで構成された表示部が設けられ、エンジン回転数、燃料残量、ラジエータの水温、走行距離(例えば、0.1kmごとに積算したトリップメータ、1kmごとに積算したオドメータ)、車室内温度などの各種車両情報を視認させる。
【0020】
文字板20は、例えば無色透明、半透明又は有色透明のポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の光透過性を有する透光性部材で形成されている。文字板20は、平板状に形成され、アッパーケース10の開口部11aに対応してその内部側(裏面側、背後側)から開口部11aを塞ぐように、アッパーケース10の長手方向(車両の左右方向)に沿って配置・固定されている。
【0021】
文字板20には、図1及び図3に示すように、下方から上方へと向かうに従って内側クリア部21、印刷部22、外側クリア部23がこの順に配置され、領域毎に区分けされている。内側クリア部21と外側クリア部23には、印刷処理が施されておらず、各クリア部21、23を通してケース内部を視認可能とされている。
【0022】
内側クリア部21は、印刷部22の円弧状をなす下側境界線L1と、開口部11aの下端縁とで囲まれた領域であり、指針50を視認させる。印刷部22は、透光性着色層(例えば白色)を用いた印刷処理により略半円環状に形成された領域であり、目盛22a、数字22b及び文字22cからなる指標22Aを形成するために、着色層が積層処理され、あるいは積層処理された着色層の一種あるいは複数種が例えばレーザーを用いたトリミング加工により適宜除去処理されている。
【0023】
外側クリア部23は、印刷部22の円弧状をなす上側境界線L2と、アッパーケース10の開口部11aの上端縁等とで囲まれた領域であり、後述するロアケース60の意匠部62を視認させる。
【0024】
図2(a)に戻って、回路基板30は、アッパーケース10又はロアケース60に固定されている。回路基板30には、駆動機構40、LED(発光ダイオード)32、図示を省略する制御回路が実装されている。制御回路には、駆動機構40、LED32などが接続されるとともに、ライトコントロールスイッチからのスイッチ信号や車速センサからのセンサ信号が車内LANを介して受信されるように構成されている。制御回路は、CPU,ROM,RAMなどを主要部品とするマイクロコンピュータで構成されており、ライトコントロールスイッチからのスイッチ信号を受信すると、LED32を点灯制御し、車速センサからのセンサ信号を受信すると、駆動機構40を駆動制御する。
【0025】
駆動機構40は、制御回路からの制御信号に応じて指針50を回転駆動する。駆動機構40については後述する。
【0026】
LED(発光ダイオード)32(光源)は、例えば白色に発光するチップタイプの発光体であり、文字板20の下端面(車両の左右方向)に沿って一列状にほぼ等間隔で複数配置されている(図1参照)。各LED32は、発光部がアッパーケース10の裏面と対向するように回路基板30の表面側に配置され、各LED32の斜め上方に文字板20の下端面が位置するように構成されている。
【0027】
アッパーケース10の下部12の裏面には、図2(b)に示すように、各LED32が照射した光を反射させる反射面12aが形成されている。反射面12aで反射した反射光の一部は、文字板20の下端面20aに入射し、文字板20内を伝播して印刷部22の指標22Aから漏光することで指標22Aを照明する。
【0028】
一方、反射面12aで反射した反射光の他部は、文字板20との間に形成された隙間D1を通して指針50の表面50aを直接照明する。このように、各LED32からの光により、文字板20に対するエッジライト照明と、指針50に対する照明との両照明が行われるようになっている。また、反射面12aで反射した反射光による照明であるため、照明ムラとならない均一な照明が可能となる。
【0029】
指針50は、例えば橙色、赤色等の光透過性を有しない非透光性部材で形成され、文字板20の裏面側に配置されている。指針50には、後述する回転軸44に外嵌圧入される円筒状の軸取付部50bが形成され、その軸取付部50bを介して駆動機構40と一体化されている。指針50は、駆動機構40により回転駆動され、アッパーケース10とロアケース60の間のケース内部にて可動し、文字板20の印刷部22における指標22Aを文字板20の裏面側から指し示す。
【0030】
ロアケース60は、光透過性を有しない非透光性部材で形成されている。ロアケース60には、図2(a)に示すように、文字板20の内側クリア部21を通して視認可能な略半円環状のプレート部材70を収容するための収容部61が形成されるとともに、外側クリア部23を通して視認可能なケース内部の可視領域S1に対応して意匠部62(例えばしぼ等の立体的かつ連続的な繰り返し模様)が形成されている。なお、プレート70は、例えば黒色等の光透過性を有しない非透光性部材で形成され、その上部に配置される指針50とのコントラストを強調する装飾部材として機能するものである。
【0031】
駆動機構40は、図4及び図5に示すように、ボビン41を備えている。ボビン41は、絶縁性を有する樹脂材料で形成され、上側ボビン部材41aと下側ボビン部材41bが互いに組み合わされてなり、その内部には円柱状のスペース41cが形成されている。
【0032】
ボビン41の外周には、一対の交差コイル42,42がそれぞれ巻き付けられている。各交差コイル42は、交差コイル駆動回路により駆動され、電磁力をそれぞれ発生しベクトル合成力として出力する。
【0033】
ボビン41のスペース41cには、薄形円柱状の永久磁石43が配設されている。永久磁石43には、その周方向にN極とS極が交互に着磁形成されるとともに、その中心を貫通するように回転軸44が固定されている。回転軸44は、上側ボビン部材41a及び下側ボビン部材41bにより回転可能に支持され、その一端部が上側ボビン部材41a側から外部に突出し、指針50に連結される(図2(a)参照)。指針50は、永久磁石43が各交差コイル42から受けるベクトル合成力に応じて回転軸44と共にその軸線周りに回転する。
【0034】
ボビン41は、上側ボビン部材41aに形成された取付部41a1と、下側ボビン部材41bに形成された取付部41b1を介して円筒状のコイルケース45内に圧入されている。コイルケース45は、永久磁石43に対する外部からの磁界の影響を排除する磁気シールド機能を有するものであり、例えばパーマロイやNi−Fe合金などの軟磁性材で形成されている。そして、駆動機構40は、コイルケース45を介して回路基板30に実装されるようになっている。
【0035】
上側ボビン部材41aの取付部41a1は、コイルケース45の任意の直径方向における円周上に位置するように対向配置され、同様に下側ボビン部材41bの取付部41b1も対向配置されている。各取付部41a1には、図4に示すように、ばね部材46がビスB1により取り付けられている。
【0036】
各ばね部材46は、ステンレス鋼材、リン青銅材、ベリリウム銅材などの非磁性体で形成されている。各ばね部材46には、図4及び図6に示すように、矩形平板状のベース部46aの端部を基端側としてベース部46aの板面に対し所定角度で折り曲げられ、斜め方向に平行に延び出す一対の脚部46b,46bと、ベース部46aの端部を基端側としてベース部46aの板面に対し略水平に延び出しその中間部にて屈曲されベース部46aの板面に対し略垂直に延び上がるストッパ部46cとが一体形成されている。ベース部46aには、ビスB1を挿通させるビス用孔46a1が形成されている。
【0037】
ストッパ部46cは、指針50の側面に接触して指針50を原点位置に位置決めする機能を果たす。なお、本実施例1において、上記原点位置は車両停止時の速度0の目盛位置とされている。
【0038】
上記のように構成した本実施例1の車両用メータ1では、駆動機構40を実装した回路基板30がロアケース60に組み付けられると、各ばね部材46がロアケース60の内面に接触して弾性圧縮し、その弾性力によりボビン41がコイルケース45に押圧され、ボビン41とコイルケース45が一体化される。
【0039】
これにより、駆動機構40の動作時の温度上昇により上側ボビン部材41aの取付部41a1が弾性収縮しても、ばね部材46の弾性力により取付部41a1とコイルケース45の間のがた付きが防止されるため、回転軸44の軸線方向を一定に維持することができる。さらに、ストッパ部46cの位置も一定に維持されるため、指針50の原点位置からのずれを抑制することができる。
【0040】
また、上記実施例1では、上側ボビン部材41aの各取付部41a1にばね部材46がそれぞれ固定されているので、各取付部41a1がコイルケース45に対してバランスよく押圧されるようになり、各ばね部材46による弾性力をコイルケース45に対して均等に作用させることができる。
【0041】
また、上記実施例1では、ばね部材46の一方にストッパ部46cが一体形成されており、指針50を速度0の目盛位置に位置決めする構成を簡易に設定することができる。
【0042】
(変形例)
上記実施例1では、各ばね部材46が、矩形平板状のベース部46aの端部を基端側として平行に延び出す一対の脚部46b,46bを備えるように構成したが、ロアケース60側にスペースの余裕がある場合は、例えば図7(a)、7(b)に示すように、各ばね部材46’が、矩形平板状のベース部46aの対向部位にてベース部46aの端部を基端側として互いに反体向きに延び出すとともに、ベース部46aの板面に対し所定角度で折り曲げられた形状の一対の脚部46b,46bを備えるように構成してもよい。
【0043】
この変形例によっても、上側ボビン部材41aの各取付部41a1がコイルケース45に対してバランスよく押し付けられるようになる。なお、その他の構成は、上記実施例1と同じであるため、同じ機能を果たす部位には同一の符号を付して説明は省略する。
【実施例2】
【0044】
上記実施例1の構成によれば、ばね部材46の弾性力により上側ボビン部材41aの各取付部41a1とコイルケース45の間のがた付きが防止されるので、指針50の原点位置からのずれを抑制できるようになる。ただし、図4に示すように、上側ボビン部材41aの各取付部41a1に常時作用する曲げモーメントMにより、各取付部41a1が変形し(経時変化を起こし)、ストッパ部46cの位置が変化することで、指針50の原点位置にずれが生ずるおそれがある。
【0045】
これに対し、例えば図8に示すような連結バー47を用いて、図9に示すように上側ボビン部材41aの各取付部41a1を連結することにより、上側ボビン部材41aの各取付部41a1に図4に示したような曲げモーメントMが作用しても、各取付部41a1が変形しないようにすることができる。
【0046】
連結バー47(連結部材)は、例えばステンレス鋼材、アルミニウム材、銅材などで形成されている。連結バー47は、各取付部41a1に架け渡される矩形平板状をなし、その中央部には回転軸44及び指針50の軸取付部50bとの干渉を回避する逃がし孔47aが形成され、その両端部にはビスB1を挿通させるビス用孔47bがそれぞれ形成されている。
【0047】
図8は、連結バー47の一端部に、上記実施例1のストッパ部46cと同様のストッパ部47cが形成された場合を例示したものであり、この実施例2では、ばね部材46からストッパ部46cが省略されている。ただし、上記実施例1と同様に、ばね部材46にストッパ部46cを形成し、連結バー47からはストッパ部47cを省略してもよい。
【0048】
図10は、実施例1と実施例2において、それぞれ指針50の速度0の目盛位置の経時変化を測定したものである。連結バー47を設けることにより、各取付部41a1の変形が抑制され(図10(a)、10(b))、また速度0の目盛位置の変化も抑制されていることがわかる。
【0049】
なお、上記実施例2では、ばね部材46と連結バー47とを別部材で構成したが、例えばステンレス鋼材、リン青銅材、ベリリウム銅材等を用いて連結バー47を形成すれば、連結バー47が非磁性体としてもばねとしても機能するようになるので、ばね部材46と連結バー47とを同一部材で構成することができる。
【0050】
また、上記実施例1及び実施例2等では、本発明をスピードメータに適用した場合について説明したが、これに限らず、タコメータ等の指針を有するタイプのメータにも広く適用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 車両用メータ
20 文字板
30 回路基板
40 駆動機構
41 ボビン
41a 上側ボビン部材
41a1 取付部
41b 下側ボビン部材
41b1 取付部
42 交差コイル
43 永久磁石
44 回転軸
45 コイルケース
46,46’ ばね部材
46b 脚部
46c ストッパ部
50 指針
47 連結バー(連結部材)
47c ストッパ部
60 ロアケース(メータケース)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差コイルが巻き付けられるとともに、指針に連結される回転軸をその軸線周りに回転可能に支持する樹脂製のボビンが、該ボビンと一体形成された取付部を介して円筒状のコイルケース内に圧入されるように構成された駆動機構を備え、該駆動機構が回路基板を介してメータケースに組み付けられる車両用メータであって、
前記ボビンの取付部には、前記回路基板が前記メータケースに組み付けられたとき該メータケースの内面に接触して弾性圧縮状態となるばね部材が一体的に設けられ、該ばね部材の弾性圧縮に伴う弾性力により前記ボビンが前記コイルケースに押圧固定されることを特徴とする車両用メータ。
【請求項2】
前記ボビンの取付部は、前記コイルケースの任意の直径方向における円周上に位置するように対向配置され、各取付部に前記ばね部材がそれぞれ設けられている請求項1に記載の車両用メータ。
【請求項3】
前記ばね部材の一方には、前記指針に接触して該指針を原点位置に位置決めするストッパ部が設けられている請求項2に記載の車両用メータ。
【請求項4】
前記ばね部材は、前記コイルケースの直径方向に延び出す連結部材により一体的に連結されている請求項2又は3に記載の車両用メータ。
【請求項5】
前記ばね部材、前記ストッパ部及び前記連結部材は、非磁性の金属材料により一体形成されている請求項4に記載の車両用メータ。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図1】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−122822(P2012−122822A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273242(P2010−273242)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】