車両用信号灯具ユニット
【課題】従来の車両用信号灯具と比べ、薄型かつ小型の車両用信号灯具ユニットを提供する。
【解決手段】入光面から先端部に向かうにつれ表面と裏面の間の厚みが薄くなる楔形状の導光レンズと、前記入光面に対向して配置され、前記入光面から前記導光レンズ内に入射し前記表面から出射する光を放射するLED光源と、前記導光レンズの裏面側に配置された反射面と、を備えており、前記導光レンズの頂角は、1〜10°の範囲に設定されており、前記導光レンズは、前記導光レンズ内に入射し前記導光レンズの表面から出射する前記LED光源からの光が仮想鉛直スクリーン上に法規が求める配光パターンを形成するように、灯具光軸に対し傾斜した姿勢で配置されていることを特徴とする。
【解決手段】入光面から先端部に向かうにつれ表面と裏面の間の厚みが薄くなる楔形状の導光レンズと、前記入光面に対向して配置され、前記入光面から前記導光レンズ内に入射し前記表面から出射する光を放射するLED光源と、前記導光レンズの裏面側に配置された反射面と、を備えており、前記導光レンズの頂角は、1〜10°の範囲に設定されており、前記導光レンズは、前記導光レンズ内に入射し前記導光レンズの表面から出射する前記LED光源からの光が仮想鉛直スクリーン上に法規が求める配光パターンを形成するように、灯具光軸に対し傾斜した姿勢で配置されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用信号灯具ユニットに係り、特にLED光源を用いた車両用信号灯具ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用灯具の分野においては、図38に示すように、複数のLED光源310、反射面320等を含む車両用信号灯具300が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−149382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記構成の特許文献1に記載の車両用信号灯具300においては、反射面320は、略回転放物面の反射面であり、求められる配光パターンとの関係で、ある程度の奥行き寸法W及び高さ寸法H(図38参照)が必要であるため、車両用信号灯具300の薄型化、小型化が困難である、という問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、従来の車両用信号灯具と比べ、薄型かつ小型の車両用信号灯具ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、入光面から先端部に向かうにつれ表面と裏面の間の厚みが薄くなる楔形状の導光レンズと、前記入光面に対向して配置され、前記入光面から前記導光レンズ内に入射し前記表面から出射する光を放射するLED光源と、前記導光レンズの裏面側に配置された反射面と、を備えており、前記導光レンズの頂角は、1〜10°の範囲に設定されており、前記導光レンズは、前記導光レンズ内に入射し前記導光レンズの表面から出射する前記LED光源からの光が仮想鉛直スクリーン上に法規が求める配光パターンを形成するように、灯具光軸に対し傾斜した姿勢で配置されていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、入光面から先端部に向かうにつれ表面と裏面の間の厚みが薄くなる楔形状の導光レンズの作用により、従来の車両用信号灯具と比べ、薄型かつ小型の車両用信号灯具ユニットを構成することが可能となる。
【0008】
また、請求項1に記載の発明によれば、頂角が1〜10°に設定され、かつ、灯具光軸に対し傾斜した姿勢で配置された導光レンズの作用により、仮想鉛直スクリーン上に法規が求める上下幅の配光パターンを形成することが可能な車両用信号灯具ユニットを構成することが可能となる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記導光レンズの側面はそれぞれ、焦点が前記LED光源近傍に設定された放物線を含む面、又は、第1焦点が前記LED光源近傍に設定されかつ第2焦点が前記仮想鉛直スクリーン上に設定された楕円弧を含む面であることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、放物線(又は楕円弧)を含む側面の作用により、左右方向が大幅に集光された配光パターンを形成することが可能となる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記導光レンズは、前記入光面側の前記表面と裏面とが略平行であることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、導光レンズ内に入射したLED光源からの光が側面に入射する前に表面から出射するのを防止することが可能となるため、左右方向の集光度をさらに向上させることが可能となる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記導光レンズの入光部付近の側面が略台形であることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、入光部の形状を略台形とすることで、左右方向が集光された配光パターンを形成することが可能となる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の発明において、前記反射面は、前記入光面から前記先端部に向かうにつれ前記導光レンズの裏面との間の間隔が広くなるように傾斜した姿勢で配置されていることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、導光レンズの裏面から出射し、傾斜した姿勢で配置された反射面で反射されたLED光源からの光は、当該反射面の作用により、導光レンズの裏面に浅い角度で入射して導光レンズを透過するため、導光レンズの表面から出射する反射光の上方向への屈折を抑えることが可能となる(これにより、光度分布に谷が現れるのを防止又は低減することが可能となる)。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、従来の車両用信号灯具と比べ、薄型かつ小型の車両用信号灯具ユニットを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)本発明の第1実施形態である車両用信号灯具ユニット100の正面図、(b)側面図である。
【図2】図1(c)に示した入光面33付近の拡大図である。
【図3】入光面33から導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光の光路図(側面視)である。
【図4】入光面33から導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光のうち全反射光Ray1の光路図である。
【図5】入光面33から導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光のうち反射面光Ray2の光路図である。
【図6】、縦軸が上下方向の広がり角度、横軸が光度である座標系に、頂角が異なる導光レンズ30ごとに、導光レンズ30の表面31から出射する光の上下方向の光度分布(すなわち光度分布の縦断面。シミュレーション結果)を描いたグラフである。
【図7】縦軸が上下方向の広がり角度、横軸が光度である座標系に、サイズが異なるLED光源10ごとに、導光レンズ30の「表面31から出射する光の上下方向の光度分布(すなわち光度分布の縦断面。シミュレーション結果)を描いたグラフである。
【図8】入光面33から導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光の光路図(平面視)である。
【図9】第1実施形態である車両用信号灯具ユニット100により形成される配光パターンP1の例である。
【図10】本発明の第2実施形態である車両用灯具200の斜視図である。
【図11】導光レンズ30(変形例2)の斜視図である。
【図12】(a)図11に示した導光レンズ30(変形例2)の平面図、(b)正面図、(c)側面図である。
【図13】側面34(放物面等)の焦点について説明するための図である。
【図14】導光レンズ30(変形例2)の入光面33から導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光の光路図(平面視)である。
【図15】車両用信号灯具ユニット100(変形例2)により形成される配光パターンP2の例である。
【図16】導光レンズ30(変形例2)の入光面33から導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光の光路図(側面視)である。
【図17】導光レンズ30(変形例3)の平面図である。
【図18】車両用信号灯具ユニット100(変形例3)により形成される配光パターンP3の例である。
【図19】導光レンズ30(変形例4)の斜視図である。
【図20】車両用信号灯具ユニット100(変形例4)により形成される配光パターンP4の例である。
【図21】導光レンズ30(変形例5)の平面図である。
【図22】車両用信号灯具ユニット100(変形例5)により形成される配光パターンP5の例である。
【図23】車両用信号灯具ユニット100(変形例6)により形成される配光パターンP6の例である。
【図24】車両用灯具200(変形例7)の斜視図である。
【図25】車両用灯具200(変形例7)により形成される配光パターンP7の例である。
【図26】導光レンズ30(変形例7)の入光面33から導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光の光路図(平面視)である。
【図27】車両用灯具200(変形例8)の斜視図である。
【図28】車両用灯具200(変形例8)の側面図である。
【図29】車両用灯具200(変形例8)の斜視図である。
【図30】車両用灯具200(変形例9)の斜視図である。
【図31】車両用灯具200(変形例10)の斜視図である。
【図32】車両用信号灯具ユニット100(変形例10)の平面図である。
【図33】車両用信号灯具ユニット100(変形例10)の平面図である。
【図34】車両用信号灯具ユニット100(変形例10)の斜視図である。
【図35】車両用信号灯具ユニット100(変形例11)の斜視図である。
【図36】縦軸が上下方向の光の広がり角度、横軸が光度である座標系に、導光レンズ30(頂角:4°)の表面31から出射する光の上下方向の光度分布(すなわち光度分布の縦断面。シミュレーション結果)を描いたグラフである。
【図37】車両用信号灯具ユニット100(変形例12)の斜視図である。
【図38】従来の車両用信号灯具300の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態である車両用信号灯具ユニットについて、図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1(a)は本発明の第1実施形態である車両用信号灯具ユニット100の正面図、図1(b)は側面図である。
【0021】
本実施形態の車両用信号灯具ユニット100は、車両用信号灯具(DRL(デイタイムランニングランプ)、ポジションランプ、コーナリングランプ、フロント/リア/サイド・ターンシグナルランプ、ストップランプ、ハイマウントストップランプ、テールランプ等)に適用されるものであり、図1(a)、図1(b)に示すように、LED光源10、反射面20、導光レンズ30等を備えている。
【0022】
[LED光源10]
LED光源10は、導光レンズ30の端面(入光面33)から導光レンズ30内に入射し表面31から出射する光を放射する光源であり、図1(a)、図1(b)に示すように、導光レンズ30の入光面33に対向して配置されている。
【0023】
LED光源10としては、例えば、発光チップ(青色)が実装された光源パッケージ上に、発光チップの発光波長で励起されて発光する蛍光体(黄色)が塗布又は固着された面光源を用いることが可能である。
【0024】
[反射面20]
反射面20は、導光レンズ30の裏面32から出射する光を反射して再び導光レンズ30内に戻すための反射面であり、図1(b)に示すように、導光レンズ30の裏面32側に接するように配置されている。
【0025】
反射面20としては、例えば、アルミ蒸着や銀蒸着が施された高反射率シートを用いることが可能である。
【0026】
[導光レンズ30]
図1(b)に示すように、導光レンズ30は、入光面33から先端部に向かうにつれ表面31と裏面32の間の厚みが薄くなる楔形状(プリズム形状)の導光レンズ(導光板)であり、表面31(光出射面)、裏面32、入光面33(端面)、及び、側面34を含んでいる。導光レンズ30は、アクリル、ポリカーボネイト又はシクロオレフィンポリマー等の透明樹脂により成形されている。
【0027】
表面31と裏面32はいずれも平面である。表面31(出射面)は、導光レンズ30の頂角が1〜10°の範囲となるように、裏面32に対し傾斜している(図1(b)参照)。なお、導光レンズ30の頂角を1〜10°の範囲とした技術的意義については後に詳説する。
【0028】
入光面33、側面34はいずれも平面(鉛直面)である(図1(a)、図1(b)参照)。
【0029】
[上下方向の配光制御の原理]
LED光源10から放射される光の多くはランバーシアン(光の強さが、発光面の見かけの面積に比例した強度分布の拡散光)に近い。図2に示すように、LED光源10からの光は、入光面33からその法線に対し臨界角θ(約40°)内となるように屈折して導光レンズ30内に入射する。
【0030】
図3に示すように、導光レンズ30の表面31は裏面32に対し傾斜しているため、導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光は、表面31と裏面32で全反射を繰り返すごとに表面31(又は裏面32)に対する入射角が小さくなる。そして、表面31(又は裏面32)に対する入射角が臨界角θよりも小さくなった時点で、表面31(又は裏面32)から出射する。なお、裏面32から出射した光は、反射面20で反射されて再び導光レンズ30内に戻された後、表面31から出射する(図5参照)。これにより、光利用効率が向上する。
【0031】
図3に示すように、導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光のうち臨界角θ付近の角度で入射し表面31に向かう光線RayAは、入光面33が鉛直面であるため、表面31に対する入射角が臨界角θよりも小さくなり、全反射されることなく表面31から出射する。
【0032】
一方、導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光のうち臨界角θ付近の角度で入射し裏面32に向かう光線RayBは、裏面32に対する入射角が臨界角θよりも大きいため、裏面32から出射することなく全反射される(図3参照)。この全反射された光線RayBは、導光レンズ30が楔形状(プリズム形状)であるため、表面31に対する入射角が臨界角θ以内となり、全反射されることなく表面31から出射する(図3参照)。
【0033】
一方、導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光のうち光線RayBよりも内側に入射した光線RayC、RayDは、一回の全反射では臨界角θ以内とならないため、表面31と裏面32で全反射を繰り返す。そして、表面31に対する入射角が臨界角θよりも小さくなった時点で、表面31から出射する(図3参照)。
【0034】
以上のように、導光レンズ30が楔形状(プリズム形状)であるため、導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光は、導光レンズ30の先端部から出射せず、表面31から出射する。
[導光レンズ30の頂角と表面11から出射する光の広がり角度との関係]
導光レンズ30の頂角と表面11から出射する光の広がり角度との間には一定の関係がある。
【0035】
導光レンズ30の表面31から出射する光には、反射面20で反射されることなく表面31と裏面32による全反射のみで表面31から出射する光線Ray1(図4参照。以下、全反射光Ray1と称す)と、裏面32から出射し反射面20で反射されて再び導光レンズ30内に戻された後、表面31から出射する光線Ray2(図5参照。以下、反射面光Ray2と称す)とがある。
【0036】
全反射光Ray1の広がり角θS1は、次の式で求められる。但し、θS1:広がり角、θT:頂角、θC:臨界角、θI1:入射角1、θO1:出射角1である。
【0037】
【数1】
反射面光Ray2の広がり角θS2は、次の式で求められる。但し、θS2:広がり角、θT:頂角、θC:臨界角、θI1:入射角1、θI2:入射角2、θO2:出射角2である。
【0038】
【数2】
図6は、縦軸が上下方向の広がり角度、横軸が光度である座標系に、頂角が異なる導光レンズ30ごとに、導光レンズ30の表面31から出射する光の上下方向の光度分布(すなわち光度分布の縦断面。シミュレーション結果)を描いたグラフである。なお、図6中、光度の最大値が1となるように正規化してある。
【0039】
図6を参照すると、頂角が大きくなるほど表面31から出射する光の上下方向の広がり角度が大きくなること、が分かる。
【0040】
この知見によれば、導光レンズ30の頂角θTを1〜10°の範囲に設定することで、表面31から出射する光の上下方向の広がり角度を、法規(例えばECE)が求める配光パターンの上下幅に対応した角度(10〜30°程度)に調整することが可能となることが分かる。
【0041】
例えば、導光レンズ30の頂角を3.5°に設定することで、導光レンズ30の表面31から出射する光の上下方向の広がり角度を20°程度に調整することが可能となる。
【0042】
本実施形態では、この知見に基づき、導光レンズ30の表面31から出射する光の上下方向の広がり角度が、仮想鉛直スクリーン上において法規(例えばECE)が求める配光パターンの上下幅に対応した角度(20°程度)となるように、導光レンズ30の頂角θTを3.5°に設定している。
【0043】
[LED光源10の大きさとの関係]
導光レンズ30の表面31から出射する光の広がり角度は、LED光源10のサイズやLED光源10の基準位置からのズレの影響をほとんど受けない。
【0044】
図7は、縦軸が上下方向の広がり角度、横軸が光度である座標系に、サイズが異なるLED光源10ごとに、導光レンズ30の「表面31から出射する光の上下方向の光度分布(すなわち光度分布の縦断面。シミュレーション結果)を描いたグラフである。なお、導光レンズ30の頂角は全て同一である。
【0045】
図7を参照すると、光源サイズが大きくなるほど光度のピークが大きくなるものの、表面31から出射する光の上下方向の広がり角度はほぼ同じであること、すなわち、導光レンズ30の表面31から出射する光の広がり角度は、LED光源10のサイズやLED光源10の基準位置からのズレの影響をほとんど受けないこと、が分かる。
【0046】
すなわち、一般的な構造の自動車用ランプにおいては基準位置からズレた状態で光源が装着されると配光が大きく変化するのに対し、本実施形態によれば、基準位置からズレた状態でLED光源10が装着されたとしても配光にほとんど影響を与えない車両用信号灯具ユニットを構成することが可能となる(図3、図4参照)。
【0047】
[導光レンズ30の傾き]
導光レンズ30は、表面31から出射する全反射光Ray1が灯具光軸AX0に一致するように、灯具光軸AX0に対し傾斜した姿勢で配置されている(図3参照)。
【0048】
このよう導光レンズ30を傾斜させて配置することにより、導光レンズ30の表面31から出射するLED光源10からの光が前方所定位置(例えば25m)に配置された仮想鉛直スクリーン上に法規が求める配光パターンP1(図9参照)を形成することが可能となる。
【0049】
上記構成の車両用信号灯具ユニット100においては、導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光は、楔形状(プリズム形状)の導光レンズ30の作用により上下方向に集光され(図3参照)、かつ、左右方向に広がる(図8参照)光として表面31から出射し、図9に示すように、上下方向に集光され、かつ、左右方向に広がる配光パターンP1を形成する。
【0050】
以上説明したように、本実施形態の車両用信号灯具ユニット100によれば、入光面33から先端部に向かうにつれ表面31と裏面32の間の厚みが薄くなる楔形状の導光レンズ30の作用により、従来の車両用信号灯具300(図38参照)と比べ、薄型かつ小型の車両用信号灯具ユニットを構成することが可能となる。
【0051】
また、本実施形態の車両用信号灯具ユニット100によれば、頂角が1〜10°に設定され、かつ、灯具光軸AX0に対し傾斜した姿勢で配置された導光レンズ30の作用により、前方所定位置(例えば25m)に配置された仮想鉛直スクリーン上に法規(例えばECE)が求める上下幅の配光パターンP1(図9参照)を形成することが可能な車両用信号灯具ユニットを構成することが可能となる。
【0052】
また、本実施形態の車両用信号灯具ユニット100によれば、導光レンズ30が傾斜しているため、エクステンションやアウターレンズの傾斜にあわせたデザイン(例えば図10参照)を採用することが可能となる。
【0053】
また、本実施形態の車両用信号灯具ユニット100によれば、灯具効率が約70%(アウターレンズなし)の車両用信号灯具ユニットを構成することが可能となる。
【0054】
[第2実施形態]
以下、上記構成の車両用信号灯具ユニット100を用いて車両用灯具200を構成する例について、図面を参照しながら説明する。
【0055】
図10は、本発明の第2実施形態である車両用灯具200の斜視図である。
【0056】
本実施形態の車両用灯具200は、図10に示すように、車両用信号灯具ユニット100、エクステンション210等を備えている。
【0057】
エクステンション210は、灯具光軸AX2方向に延びかつ並列に配置された少なくとも二つの円錐台形状のカバー部211(プロジェクタ型灯具ユニットを覆うカバー部)と、二つの円錐台形状のカバー部211の下方に配置された下面212と、を含んでいる。
【0058】
エクステンション210の下面212のうち二つの円錐台形状のカバー部211の間に対応する領域には、導光レンズ装着用凹部212aが形成されており、導光レンズ30は、導光レンズ装着用凹部212aに挿入された状態でエクステンション210に装着されている。この導光レンズ装着用凹部212aの作用により、車両用信号灯具ユニット100の装着時の位置決め等の作業を容易に行うことが可能となる。
【0059】
本実施形態の車両用灯具200によれば、入光面33から先端部に向かうにつれ表面31と裏面32の間の厚みが薄くなる楔形状の導光レンズ30の作用により、車両用信号灯具ユニット100の設置スペースを新たに付加することなく車両用信号用灯具ユニット100を配置することが可能な新規構成の車両用灯具200を構成することが可能となる。
【0060】
また、本実施形態の車両用灯具200によれば、入光面33から先端部に向かうにつれ表面31と裏面32の間の厚みが薄くなる楔形状の導光レンズ30の作用により、従来の車両用信号灯具300(図38参照)と比べ、薄型かつ小型の車両用信号灯具ユニット100を含む新規構成の車両用灯具200を構成することが可能となる。
【0061】
また、本実施形態の車両用灯具200によれば、頂角が1〜10°に設定され、かつ、灯具光軸AX0に対し傾斜した姿勢で配置された導光レンズ30の作用により、前方所定位置(例えば25m)に配置された仮想鉛直スクリーン上に法規(例えばECE)が求める上下幅の配光パターンを形成することが可能な車両用信号灯具ユニットを含む新規構成の車両用灯具200を構成することが可能となる。
【0062】
また、本実施形態の車両用灯具200によれば、車両用信号灯具ユニット100の設置スペースを新たに付加することなく(すなわち車両用灯具のサイズが大型化することなく)、従来利用されていなかった二つのカバー部211の間に対応する領域(図10中導光レンズ装着用凹部212aに相当)に車両用信号灯具ユニット(導光レンズ)を配置することが可能な新規構成の車両用灯具200を構成することが可能となる。すなわち、本実施形態によれば、従来利用されていなかった二つのカバー部211の間に対応する領域を、車両用信号灯具ユニット100の設置スペースとして有効利用することが可能となる。
【0063】
また、本実施形態によれば、従来利用されていなかった二つのカバー部211の間に対応する領域に車両用信号灯具ユニット100(導光レンズ30)が配置された新規見栄えの車両用灯具を構成することが可能となる。
【0064】
次に、変形例について説明する。
【0065】
[変形例1]
上記第1実施形態では、反射面20は、アルミ蒸着や銀蒸着が施された高反射率シートであるように説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0066】
例えば、反射面20は、エクステンション210のうち導光レンズ30の裏面32が対向する領域(例えば図10中導光レンズ装着用凹部212aの底面)に施された反射膜であってもよい。
【0067】
本変形例1によれば、高反射率シート等の別部材を用いることなく、エクステンション210自体の塗装(反射膜)を利用した車両用信号灯具ユニット100を含む車両用灯具200を構成することが可能となる。
【0068】
[変形例2]
上記第1実施形態では、導光レンズ30の側面34は鉛直面であるように説明したが(図1(a)、図1(b)参照)、本発明はこれに限定されない。
【0069】
例えば、図11、図12(a)に示すように、導光レンズ30の側面34は、焦点がLED光源10近傍に設定され、かつ、基準軸AX1が灯具光軸AX0に一致する放物線を含む面、例えば、導光レンズ30内に屈折して入射したLED光源10からの光線群の延長線の交点CP(図13参照)に焦点が設定された放物線C(基準軸AX1が灯具光軸AX0に一致する放物線)を、鉛直方向、又は、導光レンズ表面若しくは裏面に対して面直方向に引き延ばした放物柱面であってもよい。
【0070】
あるいは、導光レンズ30の側面34は、第1焦点がLED光源10近傍に設定されかつ第2焦点が前方所定位置(例えば25m)に配置された仮想鉛直スクリーン上に設定された楕円弧を含む面、例えば、第1焦点が上記交点CPに設定され、第2焦点が前方所定位置(例えば25m)に配置された仮想鉛直スクリーン上に設定された楕円弧(図示せず)を、鉛直方向、又は、導光レンズ表面若しくは裏面に対して面直方向に引き延ばした楕円柱面であってもよい。
【0071】
なお、本変形例2においては、導光レンズ30の側面34から出射する光を反射して再び導光レンズ30内に戻すために、導光レンズ30の側面34側に接するように、反射面20を配置するのが望ましい(図11、図12(a)〜図12(c)参照)。
【0072】
本変形例2においては、導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光は、楔形状(プリズム形状)の導光レンズ30の作用により上下方向に集光され(図3参照)、かつ、側面34の作用により左右方向に集光された(図14参照)光として表面31から出射し、図15に示すように、上下方向に集光され、かつ、図9に示した配光パターンP1と比べて左右方向が大幅に集光された配光パターンP2を形成する。
【0073】
以上説明したように、本変形例2によれば、放物線(又は楕円弧)を含む側面34の作用により、図9に示した配光パターンP1と比べ、左右方向が大幅に集光された配光パターンP2(図15参照)を形成することが可能となる。
【0074】
なお、図16に示すように、入光面33側の表面31と裏面32とが略平行であることが望ましい。このようにすれば、導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光が側面34に入射する前に表面31から出射するのを防止することが可能となるため、左右方向の集光度をさらに向上させることが可能となる。
【0075】
なお、図16は導光レンズ30の中間で裏面32の角度を急に変化させることで表面31と裏面32とを略平行にした例であるが、これに代えて、入光面33から導光レンズ30の先端部に向けて導光レンズ30の頂角を徐々に大きくすることも可能である(例えば、図1、図12、図28参照)。これによっても、左右方向の集光度をさらに向上させることが可能となる。
【0076】
なお、本変形例2によれば、導光レンズ30に入射したLED光源10からの光は左右方向に集光されるものの、LED光源10のサイズと放物線Cの焦点距離の関係によっては、求められる配光より集光しすぎる可能性がある。この場合には、次の変形例3で左右方向の集光の程度を調整することが可能である。
【0077】
[変形例3]
図17は、車両用信号灯具ユニット100(変形例3)の平面図である。
【0078】
上記変形例2では、導光レンズ30の側面34は、焦点がLED光源10近傍に設定され、かつ、基準軸AX1が灯具光軸AX0に一致する放物線を含む面であるように説明した(図12(a)参照)が、本発明はこれに限定されない。
【0079】
例えば、図17に示すように、導光レンズ30の側面34は、焦点がLED光源10近傍に設定され、かつ、基準軸AX1が灯具光軸AX0に対し外側(又は内側)に傾斜した放物線を含む面であってもよい。
【0080】
例えば、導光レンズ30の側面34は、導光レンズ30内に屈折して入射したLED光源10からの光線群の延長線の交点CP(図13参照)に焦点が設定された放物線C(基準軸AX1が灯具光軸AX0に対し外側(又は内側)に傾斜した放物線)を、鉛直方向、又は、導光レンズ表面若しくは裏面に対して面直方向に引き延ばした放物柱面であってもよい。
【0081】
あるいは、導光レンズ30の側面34は、第1焦点がLED光源10近傍に設定されかつ第2焦点が前方所定位置(例えば25m)に配置された仮想鉛直スクリーン上に設定された楕円弧を含む面、例えば、第1焦点が上記交点CPに設定され、第2焦点が前方所定位置(例えば25m)に配置された仮想鉛直スクリーン上に設定された楕円弧(図示せず)を、鉛直方向、又は、導光レンズ表面若しくは裏面に対して面直方向に引き延ばした楕円柱面であってもよい。
【0082】
なお、本変形例3においては、導光レンズ30の側面34から出射する光を反射して再び導光レンズ30内に戻すために、導光レンズ30の側面34側に接するように、反射面20を配置するのが望ましい(図17参照)。
【0083】
本変形例3においては、導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光は、楔形状(プリズム形状)の導光レンズ30の作用により上下方向に集光され(図3参照)、かつ、側面34の作用により左右方向に集光された光として表面31から出射し、図18に示すように、上下方向に集光され、かつ、図15に示した配光パターンP2と比べて左右方向の集光度が低い四角い形状の配光パターンP3を形成する。
【0084】
以上説明したように、本変形例3によれば、灯具光軸AX0に対する基準軸AX1の傾斜角度を調整することで、導光レンズ30の表面31から出射する光の左右方向の集光度を調整することが可能となる。
【0085】
また、本変形例3によれば、灯具光軸AX0に対する基準軸AX1の傾斜角度を調整することで、導光レンズ30の左右方向の幅を調整することが可能となる。例えば、車両用灯具のデザインにあわせて導光レンズ30の左右方向の幅を調整すること、発光面積の不足分を補うために導光レンズ30の左右方向の幅を拡大すること、が可能となる。
【0086】
[変形例4]
図19は、車両用信号灯具ユニット100(変形例4)の斜視図である。
【0087】
上記実施形態では、導光レンズ30の表面31及び裏面32は平面であるように説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0088】
例えば、図19に示すように、導光レンズ30の表面31又は裏面32(又は表面31及び裏面32)は、ローレットが形成された面であってもよい。
【0089】
ローレットとしては、例えば、灯具光軸AX0と同一方向に延びる断面が波形(図19参照)、蒲鉾型又は三角形のローレットを用いることが可能である。
【0090】
本変形例4によれば、ローレットの作用により、図20に示すように、楕円形に広がる配光パターンP4を形成することが可能となる。
【0091】
[変形例5]
図21は、車両用信号灯具ユニット100(変形例5)の平面図である。
【0092】
上記実施形態では、導光レンズ30の入光面33は平面であるように説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0093】
例えば、図21に示すように、導光レンズ30の入光面33は、ローレットが形成された面であってもよい。
【0094】
ローレットとしては、例えば、断面が波形(図21参照)、蒲鉾型又は三角形のローレットを用いることが可能である。
【0095】
本変形例5によれば、ローレットの作用により、図22に示すような配光パターンP5を形成することが可能となる。
【0096】
また、本変形例5によれば、ローレットの作用により、導光レンズ30の入光面33での表面反射が低減し、入射効率がアップするため、ローレットの無い入光面33を用いる場合と比べ、導光レンズ30の表面31から出射する光束を増加させることが可能となる(ランプ効率の向上)。
【0097】
[変形例6]
変形例1〜変形例5を組み合わせることも可能である。
【0098】
本変形例6によれば、図23に示すように、DRLに適した配光パターンP6(すなわち、複数の測定ポイントそれぞれにおいて法規が求める光度を満たすDRL用配光パターン)を形成することが可能となる。
【0099】
[変形例7]
図24は、車両用信号灯具ユニット100(変形例7)の斜視図である。
【0100】
上記実施形態では、導光レンズ30の側面34は導光レンズ表裏面に対して面直方向であるように説明した(図1(a)、図1(b)参照)が、本発明はこれに限定されず鉛直方向であってもよい。
【0101】
例えば、図24及び図26に示すように、導光レンズ30の両側面34はそれぞれ、二つの円錐台形状のカバー部211の外周に沿う曲線を鉛直、又は、導光レンズ表面若しくは裏面に対して面直方向に引き延ばした形状であってもよい。
【0102】
本変形例7によれば、図25に示すような配光パターンP7を形成することが可能となる。
【0103】
また、本変形例7によれば、車両用信号灯具ユニット100の設置スペースを新たに付加することなく(すなわち車両用灯具200のサイズが大型化することなく)、従来利用されていなかった二つのカバー部211の間に対応する領域に車両用信号灯具ユニット100(導光レンズ30)を配置することが可能な新規構成の車両用灯具200を構成することが可能となる。すなわち、本変形例7によれば、従来利用されていなかった二つのカバー部211の間に対応する領域を、車両用信号灯具ユニット100の設置スペースとして有効利用することが可能となる。
【0104】
また、本変形例7によれば、従来利用されていなかった二つのカバー部211の間に対応する領域に車両用信号灯具ユニット(導光レンズ)が配置された新規見栄えの車両用灯具を構成することが可能となる。
【0105】
なお、本変形例7によれば、導光レンズ30の入光面33付近を略台形にすることで(図26参照)左右方向に集光させることが可能である。LED光源10が十分に明るい場合には、この程度でもDRLの配光は成立するため、デザイン性が優先される場合に、本変形例7は有効となる。
【0106】
[変形例8]
図27は車両用灯具200(変形例8)の斜視図、図28は側面図である。
【0107】
上記実施形態では、1つの車両用信号灯具ユニット100(導光レンズ30)を用いて車両用灯具200を構成した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0108】
例えば、図27〜図29に示すように、複数の車両用信号灯具ユニット100(導光レンズ30)を用いて車両用灯具200を構成してもよい。
【0109】
例えば、図27、図28に示すように、それぞれの表面31が対向するように上下に二つの車両用信号灯具ユニット100(導光レンズ30)を配置してもよい。
【0110】
あるいは、図29に示すように、下面212のうち二つの円錐台形状のカバー部211の間の領域(図29中3つの領域を例示)に、複数の車両用信号灯具ユニット100(導光レンズ30)を配置してもよい。
【0111】
[変形例9]
図30は車両用灯具200(変形例9)の斜視図、図31は側面図である。
【0112】
図30に示すように、導光レンズ30は、助走区間35(表面31と裏面32とが略平行な部分)を入光面33側に含んでいてもよい。
【0113】
本変形例9によれば、図31に示すように、エクステンション210の導光レンズ装着用凹部212aに形成された開口212a1に助走区間35を挿入した状態で(すなわち助走区間35及びLED光源10がエクステンション210で覆われた状態)で、導光レンズ30を導光レンズ装着用凹部212aに装着することが可能となる。これにより、LED光源10が外部から視認されるのを防止することが可能となる。
【0114】
[変形例10]
図32、図33は車両用信号灯具ユニット100(変形例10)の平面図、図34は斜視図である。
【0115】
図32〜図34に示すように、LED光源10は、チップ保護のための凸形状カバーを備えたLED光源であってもよい。
【0116】
LED光源10として凸形状カバーを備えたLED光源を用いる場合には、導光レンズ30の入光面33をLED光源10の形状にあわて円筒状(図32参照)又は半球状(図33参照)に凹ませ、その中にLED光源10を配置し、これとともに、導光レンズ30のうちLED光源10に近い側の側面34を、回転放物面34a(又は、回転放物面に近い楕円や円錐面)とするのが好ましい。
【0117】
本変形例10によれば、回転放物面34aの作用により、車両用信号灯具ユニット100の正面方向に反射される光が増加するため、中心光度の高い車両用灯具を構成することが可能となる。
【0118】
[変形例11]
上記実施形態では、反射面20は、導光レンズ30の裏面32側に接するように配置されているように説明したが(図1(c)参照)、本発明はこれに限定されない。
【0119】
例えば、図35に示すように、反射面20は、導光レンズ30の入光面33から先端部に向かうにつれ導光レンズ30の裏面32との間の間隔が広くなるように傾斜した姿勢で配置されていてもよい。
【0120】
以下、反射面20をこの配置とすることの技術的意義について説明する。
【0121】
図35は、車両用信号灯具ユニット100(変形例11)の側面図である。
【0122】
図36は、縦軸が上下方向の光の広がり角度、横軸が光度である座標系に、導光レンズ30(頂角:4°)の表面31から出射する光の上下方向の光度分布(すなわち光度分布の縦断面。シミュレーション結果)を描いたグラフである。なお、図34中、光度の最大値が1となるように正規化してある。
【0123】
図4、図5を用いて説明した通り、導光レンズ30の表面31から出射する光には、反射面20で反射されることなく表面31、裏面32による全反射のみで表面31から出射する全反射光Ray1(図4参照)と、裏面32から出射し反射面20の作用により反射されて再び導光レンズ30内に戻された後、表面31から出射する反射面光Ray2(図5、図35参照)とがある。
【0124】
反射面光Ray2は、楔形状(薄いプリズム形状)の導光レンズ30の作用により、上方向に屈折する(図35参照)。このため、導光レンズ30の頂角が大きくなると、図36に示すように、全反射光Ray1と反射面光Ray2の光度のピークが離れ、ピーク間に光度分布の谷が現れる。
【0125】
本変形例11では、反射面光Ray2の上方向への屈折を抑えるために、反射面20を裏面32に対し傾斜(例えば2°程度)させて配置している。
【0126】
本変形例11によれば、導光レンズ30の裏面32から出射し、傾斜した姿勢で配置された反射面20で反射されたLED光源10からの反射面光Ray2´は、当該反射面20の作用により、導光レンズ30の裏面32に浅い角度で入射して導光レンズ30を透過するため、導光レンズ30の表面31から出射する反射光Ray2´の上方向への屈折を抑えることが可能となる(これにより、光度分布に谷が現れるのを防止又は低減することが可能となる)。
【0127】
[変形例12]
図37は、車両用信号灯具ユニット100(変形例12)の側面図である。
【0128】
上記実施形態では、導光レンズ30の入光面33は鉛直面であるように説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0129】
例えば、図37に示すように、導光レンズ30の入光面33は、導光レンズ30の表面31及び裏面32に垂直な平面であってもよい。
【0130】
本変形例11によれば、図37に示すように、導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光のうち臨界角で入射し表面31に向かう光線RayAは、表面31に対する入射角が臨界角よりも大きいため、表面31から出射することなく全反射され、その後、表面31と裏面32で全反射を繰り返すごとに表面31(又は裏面32)に対する入射角が小さくなる。そして、表面31(又は裏面32)に対する入射角が臨界角θよりも小さくなった時点で、表面31(又は裏面32)から出射する。なお、裏面32から出射した光は、反射面20の作用により反射されて再び導光レンズ30内に戻された後、表面31から出射する(図5参照)。これにより、光利用効率が向上する。
【0131】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0132】
100…車両用信号灯具ユニット、10…LED光源、20…反射面、30…導光レンズ、31…表面(光出射面)、32…裏面、33…入光面、34…側面、200…車両用灯具、210…エクステンション、211…カバー部、212…下面、212a…導光レンズ装着用凹部
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用信号灯具ユニットに係り、特にLED光源を用いた車両用信号灯具ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用灯具の分野においては、図38に示すように、複数のLED光源310、反射面320等を含む車両用信号灯具300が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−149382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記構成の特許文献1に記載の車両用信号灯具300においては、反射面320は、略回転放物面の反射面であり、求められる配光パターンとの関係で、ある程度の奥行き寸法W及び高さ寸法H(図38参照)が必要であるため、車両用信号灯具300の薄型化、小型化が困難である、という問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、従来の車両用信号灯具と比べ、薄型かつ小型の車両用信号灯具ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、入光面から先端部に向かうにつれ表面と裏面の間の厚みが薄くなる楔形状の導光レンズと、前記入光面に対向して配置され、前記入光面から前記導光レンズ内に入射し前記表面から出射する光を放射するLED光源と、前記導光レンズの裏面側に配置された反射面と、を備えており、前記導光レンズの頂角は、1〜10°の範囲に設定されており、前記導光レンズは、前記導光レンズ内に入射し前記導光レンズの表面から出射する前記LED光源からの光が仮想鉛直スクリーン上に法規が求める配光パターンを形成するように、灯具光軸に対し傾斜した姿勢で配置されていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、入光面から先端部に向かうにつれ表面と裏面の間の厚みが薄くなる楔形状の導光レンズの作用により、従来の車両用信号灯具と比べ、薄型かつ小型の車両用信号灯具ユニットを構成することが可能となる。
【0008】
また、請求項1に記載の発明によれば、頂角が1〜10°に設定され、かつ、灯具光軸に対し傾斜した姿勢で配置された導光レンズの作用により、仮想鉛直スクリーン上に法規が求める上下幅の配光パターンを形成することが可能な車両用信号灯具ユニットを構成することが可能となる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記導光レンズの側面はそれぞれ、焦点が前記LED光源近傍に設定された放物線を含む面、又は、第1焦点が前記LED光源近傍に設定されかつ第2焦点が前記仮想鉛直スクリーン上に設定された楕円弧を含む面であることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、放物線(又は楕円弧)を含む側面の作用により、左右方向が大幅に集光された配光パターンを形成することが可能となる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記導光レンズは、前記入光面側の前記表面と裏面とが略平行であることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、導光レンズ内に入射したLED光源からの光が側面に入射する前に表面から出射するのを防止することが可能となるため、左右方向の集光度をさらに向上させることが可能となる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記導光レンズの入光部付近の側面が略台形であることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、入光部の形状を略台形とすることで、左右方向が集光された配光パターンを形成することが可能となる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の発明において、前記反射面は、前記入光面から前記先端部に向かうにつれ前記導光レンズの裏面との間の間隔が広くなるように傾斜した姿勢で配置されていることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、導光レンズの裏面から出射し、傾斜した姿勢で配置された反射面で反射されたLED光源からの光は、当該反射面の作用により、導光レンズの裏面に浅い角度で入射して導光レンズを透過するため、導光レンズの表面から出射する反射光の上方向への屈折を抑えることが可能となる(これにより、光度分布に谷が現れるのを防止又は低減することが可能となる)。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、従来の車両用信号灯具と比べ、薄型かつ小型の車両用信号灯具ユニットを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)本発明の第1実施形態である車両用信号灯具ユニット100の正面図、(b)側面図である。
【図2】図1(c)に示した入光面33付近の拡大図である。
【図3】入光面33から導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光の光路図(側面視)である。
【図4】入光面33から導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光のうち全反射光Ray1の光路図である。
【図5】入光面33から導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光のうち反射面光Ray2の光路図である。
【図6】、縦軸が上下方向の広がり角度、横軸が光度である座標系に、頂角が異なる導光レンズ30ごとに、導光レンズ30の表面31から出射する光の上下方向の光度分布(すなわち光度分布の縦断面。シミュレーション結果)を描いたグラフである。
【図7】縦軸が上下方向の広がり角度、横軸が光度である座標系に、サイズが異なるLED光源10ごとに、導光レンズ30の「表面31から出射する光の上下方向の光度分布(すなわち光度分布の縦断面。シミュレーション結果)を描いたグラフである。
【図8】入光面33から導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光の光路図(平面視)である。
【図9】第1実施形態である車両用信号灯具ユニット100により形成される配光パターンP1の例である。
【図10】本発明の第2実施形態である車両用灯具200の斜視図である。
【図11】導光レンズ30(変形例2)の斜視図である。
【図12】(a)図11に示した導光レンズ30(変形例2)の平面図、(b)正面図、(c)側面図である。
【図13】側面34(放物面等)の焦点について説明するための図である。
【図14】導光レンズ30(変形例2)の入光面33から導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光の光路図(平面視)である。
【図15】車両用信号灯具ユニット100(変形例2)により形成される配光パターンP2の例である。
【図16】導光レンズ30(変形例2)の入光面33から導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光の光路図(側面視)である。
【図17】導光レンズ30(変形例3)の平面図である。
【図18】車両用信号灯具ユニット100(変形例3)により形成される配光パターンP3の例である。
【図19】導光レンズ30(変形例4)の斜視図である。
【図20】車両用信号灯具ユニット100(変形例4)により形成される配光パターンP4の例である。
【図21】導光レンズ30(変形例5)の平面図である。
【図22】車両用信号灯具ユニット100(変形例5)により形成される配光パターンP5の例である。
【図23】車両用信号灯具ユニット100(変形例6)により形成される配光パターンP6の例である。
【図24】車両用灯具200(変形例7)の斜視図である。
【図25】車両用灯具200(変形例7)により形成される配光パターンP7の例である。
【図26】導光レンズ30(変形例7)の入光面33から導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光の光路図(平面視)である。
【図27】車両用灯具200(変形例8)の斜視図である。
【図28】車両用灯具200(変形例8)の側面図である。
【図29】車両用灯具200(変形例8)の斜視図である。
【図30】車両用灯具200(変形例9)の斜視図である。
【図31】車両用灯具200(変形例10)の斜視図である。
【図32】車両用信号灯具ユニット100(変形例10)の平面図である。
【図33】車両用信号灯具ユニット100(変形例10)の平面図である。
【図34】車両用信号灯具ユニット100(変形例10)の斜視図である。
【図35】車両用信号灯具ユニット100(変形例11)の斜視図である。
【図36】縦軸が上下方向の光の広がり角度、横軸が光度である座標系に、導光レンズ30(頂角:4°)の表面31から出射する光の上下方向の光度分布(すなわち光度分布の縦断面。シミュレーション結果)を描いたグラフである。
【図37】車両用信号灯具ユニット100(変形例12)の斜視図である。
【図38】従来の車両用信号灯具300の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態である車両用信号灯具ユニットについて、図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1(a)は本発明の第1実施形態である車両用信号灯具ユニット100の正面図、図1(b)は側面図である。
【0021】
本実施形態の車両用信号灯具ユニット100は、車両用信号灯具(DRL(デイタイムランニングランプ)、ポジションランプ、コーナリングランプ、フロント/リア/サイド・ターンシグナルランプ、ストップランプ、ハイマウントストップランプ、テールランプ等)に適用されるものであり、図1(a)、図1(b)に示すように、LED光源10、反射面20、導光レンズ30等を備えている。
【0022】
[LED光源10]
LED光源10は、導光レンズ30の端面(入光面33)から導光レンズ30内に入射し表面31から出射する光を放射する光源であり、図1(a)、図1(b)に示すように、導光レンズ30の入光面33に対向して配置されている。
【0023】
LED光源10としては、例えば、発光チップ(青色)が実装された光源パッケージ上に、発光チップの発光波長で励起されて発光する蛍光体(黄色)が塗布又は固着された面光源を用いることが可能である。
【0024】
[反射面20]
反射面20は、導光レンズ30の裏面32から出射する光を反射して再び導光レンズ30内に戻すための反射面であり、図1(b)に示すように、導光レンズ30の裏面32側に接するように配置されている。
【0025】
反射面20としては、例えば、アルミ蒸着や銀蒸着が施された高反射率シートを用いることが可能である。
【0026】
[導光レンズ30]
図1(b)に示すように、導光レンズ30は、入光面33から先端部に向かうにつれ表面31と裏面32の間の厚みが薄くなる楔形状(プリズム形状)の導光レンズ(導光板)であり、表面31(光出射面)、裏面32、入光面33(端面)、及び、側面34を含んでいる。導光レンズ30は、アクリル、ポリカーボネイト又はシクロオレフィンポリマー等の透明樹脂により成形されている。
【0027】
表面31と裏面32はいずれも平面である。表面31(出射面)は、導光レンズ30の頂角が1〜10°の範囲となるように、裏面32に対し傾斜している(図1(b)参照)。なお、導光レンズ30の頂角を1〜10°の範囲とした技術的意義については後に詳説する。
【0028】
入光面33、側面34はいずれも平面(鉛直面)である(図1(a)、図1(b)参照)。
【0029】
[上下方向の配光制御の原理]
LED光源10から放射される光の多くはランバーシアン(光の強さが、発光面の見かけの面積に比例した強度分布の拡散光)に近い。図2に示すように、LED光源10からの光は、入光面33からその法線に対し臨界角θ(約40°)内となるように屈折して導光レンズ30内に入射する。
【0030】
図3に示すように、導光レンズ30の表面31は裏面32に対し傾斜しているため、導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光は、表面31と裏面32で全反射を繰り返すごとに表面31(又は裏面32)に対する入射角が小さくなる。そして、表面31(又は裏面32)に対する入射角が臨界角θよりも小さくなった時点で、表面31(又は裏面32)から出射する。なお、裏面32から出射した光は、反射面20で反射されて再び導光レンズ30内に戻された後、表面31から出射する(図5参照)。これにより、光利用効率が向上する。
【0031】
図3に示すように、導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光のうち臨界角θ付近の角度で入射し表面31に向かう光線RayAは、入光面33が鉛直面であるため、表面31に対する入射角が臨界角θよりも小さくなり、全反射されることなく表面31から出射する。
【0032】
一方、導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光のうち臨界角θ付近の角度で入射し裏面32に向かう光線RayBは、裏面32に対する入射角が臨界角θよりも大きいため、裏面32から出射することなく全反射される(図3参照)。この全反射された光線RayBは、導光レンズ30が楔形状(プリズム形状)であるため、表面31に対する入射角が臨界角θ以内となり、全反射されることなく表面31から出射する(図3参照)。
【0033】
一方、導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光のうち光線RayBよりも内側に入射した光線RayC、RayDは、一回の全反射では臨界角θ以内とならないため、表面31と裏面32で全反射を繰り返す。そして、表面31に対する入射角が臨界角θよりも小さくなった時点で、表面31から出射する(図3参照)。
【0034】
以上のように、導光レンズ30が楔形状(プリズム形状)であるため、導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光は、導光レンズ30の先端部から出射せず、表面31から出射する。
[導光レンズ30の頂角と表面11から出射する光の広がり角度との関係]
導光レンズ30の頂角と表面11から出射する光の広がり角度との間には一定の関係がある。
【0035】
導光レンズ30の表面31から出射する光には、反射面20で反射されることなく表面31と裏面32による全反射のみで表面31から出射する光線Ray1(図4参照。以下、全反射光Ray1と称す)と、裏面32から出射し反射面20で反射されて再び導光レンズ30内に戻された後、表面31から出射する光線Ray2(図5参照。以下、反射面光Ray2と称す)とがある。
【0036】
全反射光Ray1の広がり角θS1は、次の式で求められる。但し、θS1:広がり角、θT:頂角、θC:臨界角、θI1:入射角1、θO1:出射角1である。
【0037】
【数1】
反射面光Ray2の広がり角θS2は、次の式で求められる。但し、θS2:広がり角、θT:頂角、θC:臨界角、θI1:入射角1、θI2:入射角2、θO2:出射角2である。
【0038】
【数2】
図6は、縦軸が上下方向の広がり角度、横軸が光度である座標系に、頂角が異なる導光レンズ30ごとに、導光レンズ30の表面31から出射する光の上下方向の光度分布(すなわち光度分布の縦断面。シミュレーション結果)を描いたグラフである。なお、図6中、光度の最大値が1となるように正規化してある。
【0039】
図6を参照すると、頂角が大きくなるほど表面31から出射する光の上下方向の広がり角度が大きくなること、が分かる。
【0040】
この知見によれば、導光レンズ30の頂角θTを1〜10°の範囲に設定することで、表面31から出射する光の上下方向の広がり角度を、法規(例えばECE)が求める配光パターンの上下幅に対応した角度(10〜30°程度)に調整することが可能となることが分かる。
【0041】
例えば、導光レンズ30の頂角を3.5°に設定することで、導光レンズ30の表面31から出射する光の上下方向の広がり角度を20°程度に調整することが可能となる。
【0042】
本実施形態では、この知見に基づき、導光レンズ30の表面31から出射する光の上下方向の広がり角度が、仮想鉛直スクリーン上において法規(例えばECE)が求める配光パターンの上下幅に対応した角度(20°程度)となるように、導光レンズ30の頂角θTを3.5°に設定している。
【0043】
[LED光源10の大きさとの関係]
導光レンズ30の表面31から出射する光の広がり角度は、LED光源10のサイズやLED光源10の基準位置からのズレの影響をほとんど受けない。
【0044】
図7は、縦軸が上下方向の広がり角度、横軸が光度である座標系に、サイズが異なるLED光源10ごとに、導光レンズ30の「表面31から出射する光の上下方向の光度分布(すなわち光度分布の縦断面。シミュレーション結果)を描いたグラフである。なお、導光レンズ30の頂角は全て同一である。
【0045】
図7を参照すると、光源サイズが大きくなるほど光度のピークが大きくなるものの、表面31から出射する光の上下方向の広がり角度はほぼ同じであること、すなわち、導光レンズ30の表面31から出射する光の広がり角度は、LED光源10のサイズやLED光源10の基準位置からのズレの影響をほとんど受けないこと、が分かる。
【0046】
すなわち、一般的な構造の自動車用ランプにおいては基準位置からズレた状態で光源が装着されると配光が大きく変化するのに対し、本実施形態によれば、基準位置からズレた状態でLED光源10が装着されたとしても配光にほとんど影響を与えない車両用信号灯具ユニットを構成することが可能となる(図3、図4参照)。
【0047】
[導光レンズ30の傾き]
導光レンズ30は、表面31から出射する全反射光Ray1が灯具光軸AX0に一致するように、灯具光軸AX0に対し傾斜した姿勢で配置されている(図3参照)。
【0048】
このよう導光レンズ30を傾斜させて配置することにより、導光レンズ30の表面31から出射するLED光源10からの光が前方所定位置(例えば25m)に配置された仮想鉛直スクリーン上に法規が求める配光パターンP1(図9参照)を形成することが可能となる。
【0049】
上記構成の車両用信号灯具ユニット100においては、導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光は、楔形状(プリズム形状)の導光レンズ30の作用により上下方向に集光され(図3参照)、かつ、左右方向に広がる(図8参照)光として表面31から出射し、図9に示すように、上下方向に集光され、かつ、左右方向に広がる配光パターンP1を形成する。
【0050】
以上説明したように、本実施形態の車両用信号灯具ユニット100によれば、入光面33から先端部に向かうにつれ表面31と裏面32の間の厚みが薄くなる楔形状の導光レンズ30の作用により、従来の車両用信号灯具300(図38参照)と比べ、薄型かつ小型の車両用信号灯具ユニットを構成することが可能となる。
【0051】
また、本実施形態の車両用信号灯具ユニット100によれば、頂角が1〜10°に設定され、かつ、灯具光軸AX0に対し傾斜した姿勢で配置された導光レンズ30の作用により、前方所定位置(例えば25m)に配置された仮想鉛直スクリーン上に法規(例えばECE)が求める上下幅の配光パターンP1(図9参照)を形成することが可能な車両用信号灯具ユニットを構成することが可能となる。
【0052】
また、本実施形態の車両用信号灯具ユニット100によれば、導光レンズ30が傾斜しているため、エクステンションやアウターレンズの傾斜にあわせたデザイン(例えば図10参照)を採用することが可能となる。
【0053】
また、本実施形態の車両用信号灯具ユニット100によれば、灯具効率が約70%(アウターレンズなし)の車両用信号灯具ユニットを構成することが可能となる。
【0054】
[第2実施形態]
以下、上記構成の車両用信号灯具ユニット100を用いて車両用灯具200を構成する例について、図面を参照しながら説明する。
【0055】
図10は、本発明の第2実施形態である車両用灯具200の斜視図である。
【0056】
本実施形態の車両用灯具200は、図10に示すように、車両用信号灯具ユニット100、エクステンション210等を備えている。
【0057】
エクステンション210は、灯具光軸AX2方向に延びかつ並列に配置された少なくとも二つの円錐台形状のカバー部211(プロジェクタ型灯具ユニットを覆うカバー部)と、二つの円錐台形状のカバー部211の下方に配置された下面212と、を含んでいる。
【0058】
エクステンション210の下面212のうち二つの円錐台形状のカバー部211の間に対応する領域には、導光レンズ装着用凹部212aが形成されており、導光レンズ30は、導光レンズ装着用凹部212aに挿入された状態でエクステンション210に装着されている。この導光レンズ装着用凹部212aの作用により、車両用信号灯具ユニット100の装着時の位置決め等の作業を容易に行うことが可能となる。
【0059】
本実施形態の車両用灯具200によれば、入光面33から先端部に向かうにつれ表面31と裏面32の間の厚みが薄くなる楔形状の導光レンズ30の作用により、車両用信号灯具ユニット100の設置スペースを新たに付加することなく車両用信号用灯具ユニット100を配置することが可能な新規構成の車両用灯具200を構成することが可能となる。
【0060】
また、本実施形態の車両用灯具200によれば、入光面33から先端部に向かうにつれ表面31と裏面32の間の厚みが薄くなる楔形状の導光レンズ30の作用により、従来の車両用信号灯具300(図38参照)と比べ、薄型かつ小型の車両用信号灯具ユニット100を含む新規構成の車両用灯具200を構成することが可能となる。
【0061】
また、本実施形態の車両用灯具200によれば、頂角が1〜10°に設定され、かつ、灯具光軸AX0に対し傾斜した姿勢で配置された導光レンズ30の作用により、前方所定位置(例えば25m)に配置された仮想鉛直スクリーン上に法規(例えばECE)が求める上下幅の配光パターンを形成することが可能な車両用信号灯具ユニットを含む新規構成の車両用灯具200を構成することが可能となる。
【0062】
また、本実施形態の車両用灯具200によれば、車両用信号灯具ユニット100の設置スペースを新たに付加することなく(すなわち車両用灯具のサイズが大型化することなく)、従来利用されていなかった二つのカバー部211の間に対応する領域(図10中導光レンズ装着用凹部212aに相当)に車両用信号灯具ユニット(導光レンズ)を配置することが可能な新規構成の車両用灯具200を構成することが可能となる。すなわち、本実施形態によれば、従来利用されていなかった二つのカバー部211の間に対応する領域を、車両用信号灯具ユニット100の設置スペースとして有効利用することが可能となる。
【0063】
また、本実施形態によれば、従来利用されていなかった二つのカバー部211の間に対応する領域に車両用信号灯具ユニット100(導光レンズ30)が配置された新規見栄えの車両用灯具を構成することが可能となる。
【0064】
次に、変形例について説明する。
【0065】
[変形例1]
上記第1実施形態では、反射面20は、アルミ蒸着や銀蒸着が施された高反射率シートであるように説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0066】
例えば、反射面20は、エクステンション210のうち導光レンズ30の裏面32が対向する領域(例えば図10中導光レンズ装着用凹部212aの底面)に施された反射膜であってもよい。
【0067】
本変形例1によれば、高反射率シート等の別部材を用いることなく、エクステンション210自体の塗装(反射膜)を利用した車両用信号灯具ユニット100を含む車両用灯具200を構成することが可能となる。
【0068】
[変形例2]
上記第1実施形態では、導光レンズ30の側面34は鉛直面であるように説明したが(図1(a)、図1(b)参照)、本発明はこれに限定されない。
【0069】
例えば、図11、図12(a)に示すように、導光レンズ30の側面34は、焦点がLED光源10近傍に設定され、かつ、基準軸AX1が灯具光軸AX0に一致する放物線を含む面、例えば、導光レンズ30内に屈折して入射したLED光源10からの光線群の延長線の交点CP(図13参照)に焦点が設定された放物線C(基準軸AX1が灯具光軸AX0に一致する放物線)を、鉛直方向、又は、導光レンズ表面若しくは裏面に対して面直方向に引き延ばした放物柱面であってもよい。
【0070】
あるいは、導光レンズ30の側面34は、第1焦点がLED光源10近傍に設定されかつ第2焦点が前方所定位置(例えば25m)に配置された仮想鉛直スクリーン上に設定された楕円弧を含む面、例えば、第1焦点が上記交点CPに設定され、第2焦点が前方所定位置(例えば25m)に配置された仮想鉛直スクリーン上に設定された楕円弧(図示せず)を、鉛直方向、又は、導光レンズ表面若しくは裏面に対して面直方向に引き延ばした楕円柱面であってもよい。
【0071】
なお、本変形例2においては、導光レンズ30の側面34から出射する光を反射して再び導光レンズ30内に戻すために、導光レンズ30の側面34側に接するように、反射面20を配置するのが望ましい(図11、図12(a)〜図12(c)参照)。
【0072】
本変形例2においては、導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光は、楔形状(プリズム形状)の導光レンズ30の作用により上下方向に集光され(図3参照)、かつ、側面34の作用により左右方向に集光された(図14参照)光として表面31から出射し、図15に示すように、上下方向に集光され、かつ、図9に示した配光パターンP1と比べて左右方向が大幅に集光された配光パターンP2を形成する。
【0073】
以上説明したように、本変形例2によれば、放物線(又は楕円弧)を含む側面34の作用により、図9に示した配光パターンP1と比べ、左右方向が大幅に集光された配光パターンP2(図15参照)を形成することが可能となる。
【0074】
なお、図16に示すように、入光面33側の表面31と裏面32とが略平行であることが望ましい。このようにすれば、導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光が側面34に入射する前に表面31から出射するのを防止することが可能となるため、左右方向の集光度をさらに向上させることが可能となる。
【0075】
なお、図16は導光レンズ30の中間で裏面32の角度を急に変化させることで表面31と裏面32とを略平行にした例であるが、これに代えて、入光面33から導光レンズ30の先端部に向けて導光レンズ30の頂角を徐々に大きくすることも可能である(例えば、図1、図12、図28参照)。これによっても、左右方向の集光度をさらに向上させることが可能となる。
【0076】
なお、本変形例2によれば、導光レンズ30に入射したLED光源10からの光は左右方向に集光されるものの、LED光源10のサイズと放物線Cの焦点距離の関係によっては、求められる配光より集光しすぎる可能性がある。この場合には、次の変形例3で左右方向の集光の程度を調整することが可能である。
【0077】
[変形例3]
図17は、車両用信号灯具ユニット100(変形例3)の平面図である。
【0078】
上記変形例2では、導光レンズ30の側面34は、焦点がLED光源10近傍に設定され、かつ、基準軸AX1が灯具光軸AX0に一致する放物線を含む面であるように説明した(図12(a)参照)が、本発明はこれに限定されない。
【0079】
例えば、図17に示すように、導光レンズ30の側面34は、焦点がLED光源10近傍に設定され、かつ、基準軸AX1が灯具光軸AX0に対し外側(又は内側)に傾斜した放物線を含む面であってもよい。
【0080】
例えば、導光レンズ30の側面34は、導光レンズ30内に屈折して入射したLED光源10からの光線群の延長線の交点CP(図13参照)に焦点が設定された放物線C(基準軸AX1が灯具光軸AX0に対し外側(又は内側)に傾斜した放物線)を、鉛直方向、又は、導光レンズ表面若しくは裏面に対して面直方向に引き延ばした放物柱面であってもよい。
【0081】
あるいは、導光レンズ30の側面34は、第1焦点がLED光源10近傍に設定されかつ第2焦点が前方所定位置(例えば25m)に配置された仮想鉛直スクリーン上に設定された楕円弧を含む面、例えば、第1焦点が上記交点CPに設定され、第2焦点が前方所定位置(例えば25m)に配置された仮想鉛直スクリーン上に設定された楕円弧(図示せず)を、鉛直方向、又は、導光レンズ表面若しくは裏面に対して面直方向に引き延ばした楕円柱面であってもよい。
【0082】
なお、本変形例3においては、導光レンズ30の側面34から出射する光を反射して再び導光レンズ30内に戻すために、導光レンズ30の側面34側に接するように、反射面20を配置するのが望ましい(図17参照)。
【0083】
本変形例3においては、導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光は、楔形状(プリズム形状)の導光レンズ30の作用により上下方向に集光され(図3参照)、かつ、側面34の作用により左右方向に集光された光として表面31から出射し、図18に示すように、上下方向に集光され、かつ、図15に示した配光パターンP2と比べて左右方向の集光度が低い四角い形状の配光パターンP3を形成する。
【0084】
以上説明したように、本変形例3によれば、灯具光軸AX0に対する基準軸AX1の傾斜角度を調整することで、導光レンズ30の表面31から出射する光の左右方向の集光度を調整することが可能となる。
【0085】
また、本変形例3によれば、灯具光軸AX0に対する基準軸AX1の傾斜角度を調整することで、導光レンズ30の左右方向の幅を調整することが可能となる。例えば、車両用灯具のデザインにあわせて導光レンズ30の左右方向の幅を調整すること、発光面積の不足分を補うために導光レンズ30の左右方向の幅を拡大すること、が可能となる。
【0086】
[変形例4]
図19は、車両用信号灯具ユニット100(変形例4)の斜視図である。
【0087】
上記実施形態では、導光レンズ30の表面31及び裏面32は平面であるように説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0088】
例えば、図19に示すように、導光レンズ30の表面31又は裏面32(又は表面31及び裏面32)は、ローレットが形成された面であってもよい。
【0089】
ローレットとしては、例えば、灯具光軸AX0と同一方向に延びる断面が波形(図19参照)、蒲鉾型又は三角形のローレットを用いることが可能である。
【0090】
本変形例4によれば、ローレットの作用により、図20に示すように、楕円形に広がる配光パターンP4を形成することが可能となる。
【0091】
[変形例5]
図21は、車両用信号灯具ユニット100(変形例5)の平面図である。
【0092】
上記実施形態では、導光レンズ30の入光面33は平面であるように説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0093】
例えば、図21に示すように、導光レンズ30の入光面33は、ローレットが形成された面であってもよい。
【0094】
ローレットとしては、例えば、断面が波形(図21参照)、蒲鉾型又は三角形のローレットを用いることが可能である。
【0095】
本変形例5によれば、ローレットの作用により、図22に示すような配光パターンP5を形成することが可能となる。
【0096】
また、本変形例5によれば、ローレットの作用により、導光レンズ30の入光面33での表面反射が低減し、入射効率がアップするため、ローレットの無い入光面33を用いる場合と比べ、導光レンズ30の表面31から出射する光束を増加させることが可能となる(ランプ効率の向上)。
【0097】
[変形例6]
変形例1〜変形例5を組み合わせることも可能である。
【0098】
本変形例6によれば、図23に示すように、DRLに適した配光パターンP6(すなわち、複数の測定ポイントそれぞれにおいて法規が求める光度を満たすDRL用配光パターン)を形成することが可能となる。
【0099】
[変形例7]
図24は、車両用信号灯具ユニット100(変形例7)の斜視図である。
【0100】
上記実施形態では、導光レンズ30の側面34は導光レンズ表裏面に対して面直方向であるように説明した(図1(a)、図1(b)参照)が、本発明はこれに限定されず鉛直方向であってもよい。
【0101】
例えば、図24及び図26に示すように、導光レンズ30の両側面34はそれぞれ、二つの円錐台形状のカバー部211の外周に沿う曲線を鉛直、又は、導光レンズ表面若しくは裏面に対して面直方向に引き延ばした形状であってもよい。
【0102】
本変形例7によれば、図25に示すような配光パターンP7を形成することが可能となる。
【0103】
また、本変形例7によれば、車両用信号灯具ユニット100の設置スペースを新たに付加することなく(すなわち車両用灯具200のサイズが大型化することなく)、従来利用されていなかった二つのカバー部211の間に対応する領域に車両用信号灯具ユニット100(導光レンズ30)を配置することが可能な新規構成の車両用灯具200を構成することが可能となる。すなわち、本変形例7によれば、従来利用されていなかった二つのカバー部211の間に対応する領域を、車両用信号灯具ユニット100の設置スペースとして有効利用することが可能となる。
【0104】
また、本変形例7によれば、従来利用されていなかった二つのカバー部211の間に対応する領域に車両用信号灯具ユニット(導光レンズ)が配置された新規見栄えの車両用灯具を構成することが可能となる。
【0105】
なお、本変形例7によれば、導光レンズ30の入光面33付近を略台形にすることで(図26参照)左右方向に集光させることが可能である。LED光源10が十分に明るい場合には、この程度でもDRLの配光は成立するため、デザイン性が優先される場合に、本変形例7は有効となる。
【0106】
[変形例8]
図27は車両用灯具200(変形例8)の斜視図、図28は側面図である。
【0107】
上記実施形態では、1つの車両用信号灯具ユニット100(導光レンズ30)を用いて車両用灯具200を構成した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0108】
例えば、図27〜図29に示すように、複数の車両用信号灯具ユニット100(導光レンズ30)を用いて車両用灯具200を構成してもよい。
【0109】
例えば、図27、図28に示すように、それぞれの表面31が対向するように上下に二つの車両用信号灯具ユニット100(導光レンズ30)を配置してもよい。
【0110】
あるいは、図29に示すように、下面212のうち二つの円錐台形状のカバー部211の間の領域(図29中3つの領域を例示)に、複数の車両用信号灯具ユニット100(導光レンズ30)を配置してもよい。
【0111】
[変形例9]
図30は車両用灯具200(変形例9)の斜視図、図31は側面図である。
【0112】
図30に示すように、導光レンズ30は、助走区間35(表面31と裏面32とが略平行な部分)を入光面33側に含んでいてもよい。
【0113】
本変形例9によれば、図31に示すように、エクステンション210の導光レンズ装着用凹部212aに形成された開口212a1に助走区間35を挿入した状態で(すなわち助走区間35及びLED光源10がエクステンション210で覆われた状態)で、導光レンズ30を導光レンズ装着用凹部212aに装着することが可能となる。これにより、LED光源10が外部から視認されるのを防止することが可能となる。
【0114】
[変形例10]
図32、図33は車両用信号灯具ユニット100(変形例10)の平面図、図34は斜視図である。
【0115】
図32〜図34に示すように、LED光源10は、チップ保護のための凸形状カバーを備えたLED光源であってもよい。
【0116】
LED光源10として凸形状カバーを備えたLED光源を用いる場合には、導光レンズ30の入光面33をLED光源10の形状にあわて円筒状(図32参照)又は半球状(図33参照)に凹ませ、その中にLED光源10を配置し、これとともに、導光レンズ30のうちLED光源10に近い側の側面34を、回転放物面34a(又は、回転放物面に近い楕円や円錐面)とするのが好ましい。
【0117】
本変形例10によれば、回転放物面34aの作用により、車両用信号灯具ユニット100の正面方向に反射される光が増加するため、中心光度の高い車両用灯具を構成することが可能となる。
【0118】
[変形例11]
上記実施形態では、反射面20は、導光レンズ30の裏面32側に接するように配置されているように説明したが(図1(c)参照)、本発明はこれに限定されない。
【0119】
例えば、図35に示すように、反射面20は、導光レンズ30の入光面33から先端部に向かうにつれ導光レンズ30の裏面32との間の間隔が広くなるように傾斜した姿勢で配置されていてもよい。
【0120】
以下、反射面20をこの配置とすることの技術的意義について説明する。
【0121】
図35は、車両用信号灯具ユニット100(変形例11)の側面図である。
【0122】
図36は、縦軸が上下方向の光の広がり角度、横軸が光度である座標系に、導光レンズ30(頂角:4°)の表面31から出射する光の上下方向の光度分布(すなわち光度分布の縦断面。シミュレーション結果)を描いたグラフである。なお、図34中、光度の最大値が1となるように正規化してある。
【0123】
図4、図5を用いて説明した通り、導光レンズ30の表面31から出射する光には、反射面20で反射されることなく表面31、裏面32による全反射のみで表面31から出射する全反射光Ray1(図4参照)と、裏面32から出射し反射面20の作用により反射されて再び導光レンズ30内に戻された後、表面31から出射する反射面光Ray2(図5、図35参照)とがある。
【0124】
反射面光Ray2は、楔形状(薄いプリズム形状)の導光レンズ30の作用により、上方向に屈折する(図35参照)。このため、導光レンズ30の頂角が大きくなると、図36に示すように、全反射光Ray1と反射面光Ray2の光度のピークが離れ、ピーク間に光度分布の谷が現れる。
【0125】
本変形例11では、反射面光Ray2の上方向への屈折を抑えるために、反射面20を裏面32に対し傾斜(例えば2°程度)させて配置している。
【0126】
本変形例11によれば、導光レンズ30の裏面32から出射し、傾斜した姿勢で配置された反射面20で反射されたLED光源10からの反射面光Ray2´は、当該反射面20の作用により、導光レンズ30の裏面32に浅い角度で入射して導光レンズ30を透過するため、導光レンズ30の表面31から出射する反射光Ray2´の上方向への屈折を抑えることが可能となる(これにより、光度分布に谷が現れるのを防止又は低減することが可能となる)。
【0127】
[変形例12]
図37は、車両用信号灯具ユニット100(変形例12)の側面図である。
【0128】
上記実施形態では、導光レンズ30の入光面33は鉛直面であるように説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0129】
例えば、図37に示すように、導光レンズ30の入光面33は、導光レンズ30の表面31及び裏面32に垂直な平面であってもよい。
【0130】
本変形例11によれば、図37に示すように、導光レンズ30内に入射したLED光源10からの光のうち臨界角で入射し表面31に向かう光線RayAは、表面31に対する入射角が臨界角よりも大きいため、表面31から出射することなく全反射され、その後、表面31と裏面32で全反射を繰り返すごとに表面31(又は裏面32)に対する入射角が小さくなる。そして、表面31(又は裏面32)に対する入射角が臨界角θよりも小さくなった時点で、表面31(又は裏面32)から出射する。なお、裏面32から出射した光は、反射面20の作用により反射されて再び導光レンズ30内に戻された後、表面31から出射する(図5参照)。これにより、光利用効率が向上する。
【0131】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0132】
100…車両用信号灯具ユニット、10…LED光源、20…反射面、30…導光レンズ、31…表面(光出射面)、32…裏面、33…入光面、34…側面、200…車両用灯具、210…エクステンション、211…カバー部、212…下面、212a…導光レンズ装着用凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入光面から先端部に向かうにつれ表面と裏面の間の厚みが薄くなる楔形状の導光レンズと、
前記入光面に対向して配置され、前記入光面から前記導光レンズ内に入射し前記表面から出射する光を放射するLED光源と、
前記導光レンズの裏面側に配置された反射面と、
を備えており、
前記導光レンズの頂角は、1〜10°の範囲に設定されており、
前記導光レンズは、前記導光レンズ内に入射し前記導光レンズの表面から出射する前記LED光源からの光が仮想鉛直スクリーン上に法規が求める配光パターンを形成するように、灯具光軸に対し傾斜した姿勢で配置されていることを特徴とする車両用信号灯具ユニット。
【請求項2】
前記導光レンズの側面はそれぞれ、焦点が前記LED光源近傍に設定された放物線を含む面、又は、第1焦点が前記LED光源近傍に設定されかつ第2焦点が前記仮想鉛直スクリーン上に設定された楕円弧を含む面であることを特徴とする請求項1に記載の車両用信号灯具ユニット。
【請求項3】
前記導光レンズは、前記入光面側の前記表面と裏面とが略平行であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用信号灯具ユニット。
【請求項4】
前記導光レンズの入光部付近の側面が略台形であることを特徴とする請求項1に記載の車両用信号灯具ユニット。
【請求項5】
前記反射面は、前記入光面から前記先端部に向かうにつれ前記導光レンズの裏面との間の間隔が広くなるように傾斜した姿勢で配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の車両用信号灯具ユニット。
【請求項1】
入光面から先端部に向かうにつれ表面と裏面の間の厚みが薄くなる楔形状の導光レンズと、
前記入光面に対向して配置され、前記入光面から前記導光レンズ内に入射し前記表面から出射する光を放射するLED光源と、
前記導光レンズの裏面側に配置された反射面と、
を備えており、
前記導光レンズの頂角は、1〜10°の範囲に設定されており、
前記導光レンズは、前記導光レンズ内に入射し前記導光レンズの表面から出射する前記LED光源からの光が仮想鉛直スクリーン上に法規が求める配光パターンを形成するように、灯具光軸に対し傾斜した姿勢で配置されていることを特徴とする車両用信号灯具ユニット。
【請求項2】
前記導光レンズの側面はそれぞれ、焦点が前記LED光源近傍に設定された放物線を含む面、又は、第1焦点が前記LED光源近傍に設定されかつ第2焦点が前記仮想鉛直スクリーン上に設定された楕円弧を含む面であることを特徴とする請求項1に記載の車両用信号灯具ユニット。
【請求項3】
前記導光レンズは、前記入光面側の前記表面と裏面とが略平行であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用信号灯具ユニット。
【請求項4】
前記導光レンズの入光部付近の側面が略台形であることを特徴とする請求項1に記載の車両用信号灯具ユニット。
【請求項5】
前記反射面は、前記入光面から前記先端部に向かうにつれ前記導光レンズの裏面との間の間隔が広くなるように傾斜した姿勢で配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の車両用信号灯具ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【公開番号】特開2011−181343(P2011−181343A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44473(P2010−44473)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】
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