説明

車両用冷却ユニットの支持構造

【課題】冷却ユニットに偏荷重が作用した場合でも冷却ユニットが円滑に車両後方側へ移動させられ、損傷が適切に抑制されるようにする。
【解決手段】車両後方側へ所定値以上の外力が作用した場合にくびれ62が破断することにより、第2締結ボルト66は車両後方側へ移動可能で、且つ、第1締結ボルト60を中心とする円弧方向へ回動可能とされるため、第1締結ボルト60が長穴58に案内されつつ車両後方側へ直線移動させられる際に、外力の加わり方に応じて種々の態様で第2締結ボルト66が車両後方側へ変位可能で、冷却ユニット10に偏荷重が作用した場合でもこじりが生じ難く、冷却ユニット10が円滑に車両後方側へ移動させられるようになって、バンパリインフォースメント12との接触による損傷が適切に抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用冷却ユニットの支持構造に係り、特に、矩形状を成す冷却ユニットの直線状の一側縁部を長手方向に離間した2点で支持するとともに、車両後方側へ所定の外力が作用した場合に冷却ユニットが車両後方側へ変位することを許容する支持構造の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
矩形状を成す冷却ユニットの直線状の一側縁部において、その一側縁部の長手方向に離間して設定された第1支持点および第2支持点が、それぞれ第1保持部および第2保持部を介して車体側固定部により支持されている車両用冷却ユニットの支持構造が知られている。特許文献1の図13、図14、或いは特許文献2の図1〜図8に記載の装置はその一例で、何れも正面衝突時等に車両後方側へ所定の外力が作用した場合に、第1支持点および第2支持点がそれぞれ長穴に案内されつつ車両後方側へ移動することにより、冷却ユニットの損傷を抑制するようになっている。また、特許文献1では、車体側固定部が単一の支持ブラケットにて構成されており、その支持ブラケットに第1保持部および第2保持部として一対の長孔が設けられているとともに、所定値以上の外力が作用した場合に破断する脆弱部がそれ等の長穴内に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−256461号公報
【特許文献2】特開2008−132960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の支持構造においては、第1支持点および第2支持点が何れも長穴に案内されつつ車両後方側へ移動させられるため、オフセット衝突などで冷却ユニットに偏荷重が作用した場合、こじりが生じて冷却ユニットが円滑に移動せず、結果的に冷却ユニットに過大な荷重が作用して損傷する場合があった。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、冷却ユニットに偏荷重が作用した場合でも冷却ユニットが円滑に車両後方側へ移動させられ、損傷が一層適切に抑制されるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために、第1発明は、矩形状を成す冷却ユニットの直線状の一側縁部において、その一側縁部の長手方向に離間して設定された第1支持点および第2支持点が、車体側に一体的に固定される単一の支持ブラケットに設けられた第1保持部および第2保持部によってそれぞれ支持されている車両用冷却ユニットの支持構造において、(a) 前記第2保持部は、前記第2支持点に車両後方側へ所定値以上の外力が作用した場合に破断してその第2支持点がその第2保持部から離脱することを許容する脆弱部を介してその第2支持点を支持しており、(b) その脆弱部の破断により、前記第2支持点は、車両後方側へ移動可能で且つ前記第1支持点を中心とする円弧方向へ回動可能とされることを特徴とする。
【0007】
第2発明は、第1発明の車両用冷却ユニットの支持構造において、(a) 前記支持ブラケットは、車両の幅方向において前記冷却ユニットの両側に一対配設され、その冷却ユニットの左右両側の上下方向に延びる一対の側縁部をそれぞれ前記第1保持部および前記第2保持部を介して支持しており、(b) 前記第2保持部は、前記脆弱部を介して上方または下方へ延び出すとともに、前記第2支持点に連結されてその第2支持点を支持する連結部を備えていることを特徴とする。
【0008】
第3発明は、第1発明または第2発明の車両用冷却ユニットの支持構造において、前記支持ブラケットは、前記脆弱部の破断により前記第2保持部から離脱した前記第2支持点と係合させられることにより、その第2支持点が車両後方側へ所定量以上移動することを制限するストッパ部を備えていることを特徴とする。
【0009】
第4発明は、第1発明〜第3発明の何れかの車両用冷却ユニットの支持構造において、前記第1保持部は、前記第1支持点に車両後方側へ所定値以上の外力が作用した場合にその第1支持点がその車両後方側へのみ直線的に移動することを許容するスライド機構を備えていることを特徴とする。
【0010】
第5発明は、第4発明の車両用冷却ユニットの支持構造において、前記第2保持部は、車両後方側へ外力が作用した場合に、前記第1保持部によって支持されている前記第1支持点よりも先に前記第2支持点がその車両後方側へ移動することを許容するように、前記脆弱部の破断強度が定められていることを特徴とする。
【0011】
第6発明は、第1発明〜第3発明の何れかの車両用冷却ユニットの支持構造において、(a) 前記第1支持点は車両後方側への移動不能に前記第1保持部によって支持されており、(b) 前記第2支持点は、前記所定値以上の外力が作用して前記脆弱部が破断した場合に、前記第1支持点を中心とする円弧に沿って車両後方側へ回動させられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
このような車両用冷却ユニットの支持構造においては、第2支持点に車両後方側へ所定値以上の外力が作用した場合に脆弱部が破断することにより、第2支持点が第2保持部から離脱し、車両後方側へ移動可能で且つ第1支持点を中心とする円弧方向へ回動可能とされるため、所定値以上の外力が作用した場合の第2支持点の移動の自由度が高く、例えば第5発明のように第1支持点がスライド機構によって車両後方側へのみ直線的に移動することが許容される場合、その第1支持点と共に第2支持点を車両後方側へ移動させつつ冷却ユニットが車両後方側へ略平行に移動できるだけでなく、第2支持点を第1支持点を中心とする円弧方向へ回動させるように冷却ユニットが揺動しつつ車両後方側へ移動することも許容される。また、第6発明のように第1支持点が車両後方側への移動不能に第1保持部によって支持されている場合には、第2支持点側のみ移動可能であるため、常に安定的に第2支持点を第1支持点を中心とする円弧に沿って車両後方側へ回動させつつ、冷却ユニットが車両後方側へ移動(回動)できる。
【0013】
このように第2支持点の移動の自由度が高く、第1支持点の支持態様や外力の加わり方等に応じて異なる態様で第2支持点が車両後方側へ変位可能であることから、冷却ユニットに偏荷重が作用した場合でもこじりが生じ難く、冷却ユニットが円滑に車両後方側へ移動させられるようになって損傷が適切に抑制される。特に、脆弱部が破断すると第2支持点が第2保持部から離脱するため、その状態では第1支持点のみが第1保持部によって支持される状態となり、冷却ユニットの車両後方側への移動乃至は回動が第2保持部によって制約されることなく円滑に行なわれるとともに、ボルト等による締め付けトルク(摩擦力)に抗して長穴内をスライド移動させる場合に比較して、脆弱部が破断する破断荷重のばらつきは小さく、常に一定の外力で安定的に脆弱部が破断し、第2支持点が第2保持部から離脱させられて、冷却ユニットが確実に車両後方側へ移動させられる。また、一側縁部において長手方向に離間した第1支持点および第2支持点の2箇所で冷却ユニットを支持しているため、大きな外力が作用しない通常の状態では、それ等の支持強度に応じて冷却ユニットを一定の姿勢に安定して保持できる。
【0014】
第2発明は、支持ブラケットが車両の幅方向において冷却ユニットの両側に一対配設され、その冷却ユニットの左右両側の上下方向に延びる一対の側縁部をそれぞれ第1保持部および第2保持部によって支持する場合で、冷却ユニットを所定の配設位置に一定の姿勢で安定して保持できるとともに、正面衝突時等には車両後方側へ移動乃至は回動することを許容して損傷を適切に抑制できる。また、脆弱部を介して上方または下方へ延び出す連結部に第2支持点が連結されているため、冷却ユニットの荷重により脆弱部には引張または圧縮方向の力が作用することになり、脆弱部の存在に拘らず冷却ユニットを所定の支持強度で適切に支持できる一方、車両後方側すなわち連結部の延び出し方向と略直角な方向へ外力が作用した場合には、脆弱部にせん断方向の力が作用して比較的容易に破断するため、十分な支持強度を確保しつつ車両衝突時等には確実に脆弱部が破断して冷却ユニットが車両後方側へ移動することが許容される。
【0015】
第3発明では、脆弱部の破断により第2保持部から離脱した第2支持点の車両後方側への移動がストッパ部によって制限されるため、第2保持部からの離脱に拘らず冷却ユニットが所定の姿勢に維持され、冷却ユニットの車両後方側への移動乃至は回動が安定して行なわれるとともに、近傍の他の部材との接触等による冷却ユニットの損傷が回避される。
【0016】
第5発明は、第2支持点が第1支持点よりも先に車両後方側へ移動することが許容されるように脆弱部の破断強度が定められているため、その脆弱部の破断に伴って第1保持部における第1支持点の支持部分に外力が集中して作用することにより、その第1支持点が車両後方側へ移動させられるようになり、第1支持点がスライド機構により車両後方側へのみ直線的に移動させられる際に、第2支持点がその第1支持点まわりに回動したりしながら車両後方側へ移動させられることにより、冷却ユニットが円滑に車両後方側へ移動させられる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例である車両用冷却ユニットの支持構造を示す図で、(a) は概略斜視図、(b) は車両の左側の支持構造を車両の左側から見た側面図、(c) は車両の左側の支持構造を車両の上側から見た平面図である。
【図2】図1(b) におけるIIA −IIA 断面、IIB −IIB 断面を拡大して示す断面図である。
【図3】図1の実施例における左側の支持ブラケットを単独で示す斜視図である。
【図4】図3の支持ブラケットの第2保持部の脆弱部が破断して第2支持点が離脱する際の作動を説明する図である。
【図5】図1の実施例において冷却ユニットが車両後方側へ変位した状態を示す図で、図1(b) に対応する側面図である。
【図6】実施例2の車両用冷却ユニットの支持構造を説明する図で、図1(b) に相当する側面図である。
【図7】図6におけるVIIA−VIIA断面、VIIB−VIIB断面を拡大して示す断面図である。
【図8】図6の実施例における左側の支持ブラケットを単独で示す斜視図である。
【図9】図8の支持ブラケットの第2保持部の脆弱部が破断して第2支持点が離脱する際の作動を説明する図である。
【図10】図6の実施例において冷却ユニットが車両後方側へ変位した状態を示す図で、図6に対応する側面図である。
【図11】実施例3の車両用冷却ユニットの支持構造を説明する図で、図1(b) に相当する側面図である。
【図12】図11におけるXIIA−XIIA断面、XIIB−XIIB断面を拡大して示す断面図である。
【図13】図11の実施例における左側の支持ブラケットを単独で示す斜視図である。
【図14】図11の実施例において冷却ユニットが車両後方側へ変位した状態を示す図で、図11に対応する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の支持構造が適用される車両用冷却ユニットは、例えばエンジン冷却用等の冷却流体を冷却するラジエータであるが、空調設備の空調用コンデンサ等の他の冷却ユニットを支持する場合にも適用され得る。ラジエータおよび空調用コンデンサなど複数種類の冷却ユニットを支持するように構成することもできる。また、例えばラジエータ本体が枠状のラジエータサポートによって支持されている場合、本発明の支持構造は、ラジエータサポートがラジエータ本体を支持する部分に適用することもできるし、ラジエータサポートが車体によって支持される部分に適用することもできるなど、種々の態様が可能である。
【0019】
冷却ユニットは、一般に略垂直(上下方向)となる姿勢で車両の前端部に車両の幅方向と略平行に配設され、その左右両側の上下方向に延びる一対の側縁部がそれぞれ本発明の支持構造によって支持されるように構成されるが、上下に位置して左右方向に延びる一対の側縁部が本発明の支持構造によって支持されるように構成することもできる。また、上下左右の4箇所の側縁部、すなわち冷却ユニットの4辺総ての側縁部をそれぞれ本発明の支持構造によって支持することもできるし、4辺の中の何れか1箇所の側縁部のみを本発明の支持構造によって支持するだけでも良いなど、種々の態様が可能である。
【0020】
第2保持部の脆弱部は、例えば断面積が急に小さくなっている部分で、幅寸法が狭いくびれや、板幅方向或いは板厚方向にV字状ノッチ等の切込みが設けられた部分である。
【0021】
第2発明では、脆弱部を介して上方または下方へ延び出すように連結部が設けられ、その連結部に第2支持点が連結されるが、延び出し方向は必ずしも厳密に上下方向(鉛直方向)である必要はなく、例えば±10°以下の範囲で車両の前後方向へ傾斜していても良い。他の発明の実施に際しては、例えば車両の後方側へ延び出す連結部に第2支持点を連結するようにしても良いなど、種々の態様が可能である。
【0022】
第4発明のスライド機構は、例えば支持ブラケットに車両前後方向に延びる直線状の長穴を形成し、その長穴を通して締結ボルト等を冷却ユニットに締め付けることにより、その締付力に応じた所定の支持強度で冷却ユニットを支持するとともに、車両後方側へ所定値以上の外力が作用した場合には、その締結ボルトの締付力に抗して締結ボルトが長穴内を車両後方側へ滑り移動することを許容するように構成される。冷却ユニット側に長穴を設けることもできるし、長穴の代わりにガイドロッド等を設けてそのガイドロッド等に所定の締付力で冷却ユニット或いは支持ブラケットを連結するようにしても良いなど、種々の態様が可能である。また、必ずしも厳密に車両後方側へ直線的に移動させる必要はなく、例えば±10°以下の範囲で車両の上下或いは左右へ傾斜した方向へ直線移動させるようになっていても良い。なお、第1発明の実施に際しては、±10°を超えて車両の上下或いは左右へ傾斜した方向へ直線移動させるようにしても良いし、円弧など直線以外の軌跡に沿って移動させることもできるなど、種々の態様が可能である。
【実施例1】
【0023】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例である車両用冷却ユニットの支持構造を示す図で、(a) は概略斜視図、(b) は車両の左側の支持構造を車両の左側から見た側面図、(c) は車両の左側の支持構造を車両の上側から見た平面図である。この実施例の冷却ユニット10は、エンジン冷却用の冷却流体を冷却するラジエータで、矩形状(長方形)のラジエータ本体14と、そのラジエータ本体14を支持している枠状のラジエータサポート16とを備えており、車両前方のバンパリインフォースメント12の後側に略垂直(上下方向)となる姿勢で車両の幅方向と略平行に配設される。
【0024】
ラジエータサポート16は、車両の左右方向に略水平に配設されるラジエータサポートアッパ22、そのラジエータサポートアッパ22の下方に略平行に配設されるラジエータサポートロア24、および車両の左右方向に離間してラジエータサポートアッパ22とラジエータサポートロア24とに跨がって上下方向(略垂直方向)に配設され、それ等を連結する一対のラジエータサポートサイド26、28とを備えている。そして、それ等のラジエータサポートアッパ22、ラジエータサポートロア24、および一対のラジエータサポートサイド26、28によって略長方形の枠体が構成され、その枠体によって囲まれた略長方形の空間内にラジエータ本体14が一体的に取り付けられて支持されるようになっている。ラジエータサポートアッパ22、ラジエータサポートロア24には、それぞれ一対ずつの保持穴30、32が左右方向に離間して設けられており、それ等の保持穴30、32にゴム等の弾性体を介してラジエータ本体14の上部および下部がそれぞれ一体的に取り付けられるようになっている。
【0025】
上記冷却ユニット10は、一対の支持ブラケット34、36を介して車体の左右のフロントサイドメンバ38(右側は図示せず)に跨がって配設される。これ等の支持ブラケット34、36は車体側固定部に相当し、車両の幅方向において冷却ユニット10の両側に対称的に一対配設され、その冷却ユニット10の左右両側の上下方向に延びる一対の側縁部、具体的には前記ラジエータサポートサイド26、28をそれぞれ支持している。ラジエータサポートサイド26、28には、それぞれその外側に補強プレート40が一体的に固設されており、支持ブラケット34、36はその補強プレート40に連結されている。この支持ブラケット34、36を主体として本実施例の支持構造が構成されている。これ等の支持ブラケット34、36は左右対称に構成されており、以下、左側の支持ブラケット34について具体的に説明する。
【0026】
図2の(a) 、(b) は、それぞれ図1(b) におけるIIA −IIA 断面、IIB −IIB 断面を拡大して示す断面図で、図3は、左側の支持ブラケット34を単独で示すの斜視図である。この支持ブラケット34は、水平な横断面が略直角に折り曲げられたL字形状を成していて、前記フロントサイドメンバ38に固設される固定板部42と前記ラジエータサポートサイド26を支持する支持板部44とを備えているとともに、それ等の固定板部42、支持板部44の上下の両端部には、それぞれ固定板部42、支持板部44に跨がって補強用の連結板部46、48が一体に設けられている。固定板部42には複数の取付穴50が設けられており、図示しない固定ボルト等によりフロントサイドメンバ38の前端面に一体的に固設される。フロントサイドメンバ38にはまた、固定板部42を挟んでクラッシュボックス52が取り付けられ、そのクラッシュボックス52の前端に前記バンパリインフォースメント12が取り付けられる。バンパリインフォースメント12と冷却ユニット10との間には、図1の(b) 、(c) から明らかなように、車両前後方向において所定の空間が形成されるが、クラッシュボックス52は、正面衝突時等に図5に示すように蛇腹状に押し潰されることにより衝撃エネルギーを吸収して車体に対する衝撃を緩和するもので、このようにクラッシュボックス52が押し潰される際にバンパリインフォースメント12が冷却ユニット10に干渉(当接)し、冷却ユニット10を損傷する可能性がある。
【0027】
前記支持板部44は、ラジエータサポートサイド26の長手方向すなわち上下方向に離間して設定された第1支持点および第2支持点を支持する第1保持部54、第2保持部56を一体に備えており、下側の第1保持部54では、長穴58を通して第1締結ボルト60がラジエータサポートサイド26の補強プレート40に螺合されることにより、その締付力に応じた所定の支持強度でラジエータサポートサイド26を支持する。長穴58は、車両の前後方向すなわち水平方向に一直線に形成されており、クラッシュボックス52が押し潰されるような大きな外力が作用しない通常の状態では、その長穴58の前端部において第1締結ボルト60が補強プレート40に螺合されるように、長穴58と第1締結ボルト60との位置関係が定められている(図1(b) 参照)。この状態で、正面衝突時等にクラッシュボックス52が押し潰されてバンパリインフォースメント12が冷却ユニット10に当接し、第1締結ボルト60に車両後方側へ所定値以上の外力が加えられた場合には、その第1締結ボルト60の締付力に抗して第1締結ボルト60がラジエータサポートサイド26と共に車両後方側へ直線的にスライド移動することが許容される(図5参照)。長穴58によってスライド機構が構成されている。ラジエータサポートサイド26のうち第1締結ボルト60が螺合される部分が第1支持点に相当し、補強プレート40には、第1締結ボルト60が螺合されるナット部材が抵抗溶接等により予め一体的に固設されている。図2の(a) は、この第1支持点部分の横断面図である。
【0028】
上側の第2保持部56は、幅狭のくびれ62を介して上方へ突き出すように設けられた連結部64を備えており、その連結部64に設けられた貫通穴を通して第2締結ボルト66がラジエータサポートサイド26の補強プレート40に螺合されることにより、所定の支持強度でラジエータサポートサイド26を支持する。くびれ62は脆弱部として機能し、正面衝突時等にバンパリインフォースメント12が冷却ユニット10に当接し、第2締結ボルト66に車両後方側へ所定値以上の外力が加えられた場合には、図4に示すようにくびれ62が破断して連結部64と共に第2締結ボルト66が離脱し、その第2締結ボルト66がラジエータサポートサイド26と共に車両後方側へ移動したり、第1支持点である第1締結ボルト60を中心とする円弧方向へ所定寸法だけ回動したりすることが許容される。第1締結ボルト60を中心とする円弧方向への回動は、第2保持部56の上端縁との係合によって制限されるが、くびれ62を介した連結部64の上方への延び出し寸法に応じて許容される。冷却ユニット10の荷重によりくびれ62には圧縮方向の力が作用するため、そのくびれ62の存在に拘らず冷却ユニット10を所定の支持強度で適切に支持できる一方、車両後方側すなわち連結部64の延び出し方向と略直角な方向へ外力が作用した場合には、くびれ62にせん断方向の力が作用して比較的容易に破断するため、十分な支持強度を確保しつつ車両衝突時等には確実にくびれ62が破断して冷却ユニット10が車両後方側へ移動することが許容される。
【0029】
上記くびれ62は、車両後方側へ外力が作用した場合に、前記第1締結ボルト60の締付力に抗してその第1締結ボルト60が長穴58に対して相対移動を開始するよりも前に破断し、第2締結ボルト66が車両後方側へ移動することを許容するように、その破断強度すなわち幅寸法等が定められている。支持ブラケット34には、上記くびれ62の破断により第2保持部56から離脱した連結部64或いは第2締結ボルト66の頭部等と係合させられることにより、その第2締結ボルト66が車両後方側へ所定量以上移動することを制限するストッパ部68が設けられている(図5参照)。ラジエータサポートサイド26のうち第2締結ボルト66が螺合される部分が第2支持点に相当し、補強プレート40には、第2締結ボルト66が螺合されるナット部材が抵抗溶接等により予め一体的に固設されている。図2の(b) は、この第2支持点部分の横断面図である。
【0030】
このような車両用冷却ユニットの支持構造においては、第2支持点である第2締結ボルト66に車両後方側へ所定値以上の外力が作用した場合にくびれ62が破断することにより、第2締結ボルト66が支持ブラケット34、36から離脱し、車両後方側へ移動可能で且つ第1支持点である第1締結ボルト60を中心とする円弧方向へ回動可能とされる。このため、その第2締結ボルト66すなわち第2支持点の移動の自由度が高く、その後に第1締結ボルト60に外力が集中して作用し、長穴58に案内されつつ車両後方側へ直線的に移動させられるようになると、例えばその第1締結ボルト60と共に第2締結ボルト66も車両後方側へ移動させられ、冷却ユニット10が車両後方側へ略平行移動させられる。或いは、外力の加わり方によっては、第2締結ボルト66が第1締結ボルト60を中心とする円弧方向へ回動するように、冷却ユニット10が揺動しながら車両後方側へ移動させられる。
【0031】
このように第2締結ボルト66が螺合された第2支持点の移動の自由度が高く、第1締結ボルト60が長穴58に案内されつつ車両後方側へ直線移動させられる際に、外力の加わり方に応じて種々の態様で第2支持点(第2締結ボルト66)が車両後方側へ変位可能であることから、冷却ユニット10に偏荷重が作用した場合でもこじりが生じ難く、冷却ユニット10が円滑に車両後方側へ移動させられるようになって、バンパリインフォースメント12との接触による損傷が適切に抑制される。
【0032】
また、第2保持部56が脆弱なくびれ62を介して第2締結ボルト66を支持しており、その第2締結ボルト66に所定値以上の外力が作用した場合にくびれ62が破断し、連結部64と共に第2締結ボルト66が第2保持部56から離脱するため、その状態では第1締結ボルト60のみが第1保持部54によって支持される状態となり、冷却ユニット10の車両後方側への移動乃至は回動が第2保持部56によって制約されることなく一層円滑に行なわれるようになる。
【0033】
また、ボルト等による締め付けトルク(摩擦力)に抗して長穴内をスライド移動させる場合に比較して、くびれ62が破断する破断荷重のばらつきは小さく、常に一定の外力で安定的にくびれ62が破断し、第2締結ボルト66が第2保持部56から離脱させられて、冷却ユニット10が確実に車両後方側へ移動させられる。
【0034】
また、本実施例では、一対の支持ブラケット34、36が車両の幅方向において冷却ユニット10の両側に配設され、その冷却ユニット10の左右両側の上下方向に延びる一対の側縁部すなわちラジエータサポートサイド26、28をそれぞれ第1保持部54および第2保持部56によって支持しているため、冷却ユニット10を所定の配設位置に一定の姿勢で安定して保持できるとともに、正面衝突時等には車両後方側へ移動乃至は回動することを許容して損傷を適切に抑制できる。
【0035】
また、くびれ62を介して上方へ延び出す連結部64に第2締結ボルト66を介して第2支持点が連結されているため、冷却ユニット10の荷重によりくびれ62には圧縮方向の力が作用することになり、脆弱なくびれ62の存在に拘らず冷却ユニット10を所定の支持強度で適切に支持できる一方、車両後方側すなわち連結部64の延び出し方向と略直角な方向へ外力が作用した場合には、くびれ62にせん断方向の力が作用して比較的容易に破断するため、十分な支持強度を確保しつつ車両衝突時等には確実にくびれ62が破断して冷却ユニット10が車両後方側へ移動することが許容される。
【0036】
また、本実施例では、くびれ62の破断により第2保持部56から離脱した第2締結ボルト66の車両後方側への移動がストッパ部68によって制限されるため、第2保持部56からの離脱に拘らず冷却ユニット10が所定の姿勢に維持され、冷却ユニット10の車両後方側への移動乃至は回動が安定して行なわれるとともに、近傍の他の部材との接触等による冷却ユニット10の損傷が回避される。
【0037】
また、本実施例では、車両衝突時に作用する外力に対して、第2支持点である第2締結ボルト66が第1支持点である第1締結ボルト60よりも先に車両後方側へ移動することが許容されるようにくびれ62の破断強度が定められているため、そのくびれ62の破断に伴って第1保持部54における第1締結ボルト60の支持部分に外力が集中して作用することにより、その第1締結ボルト60が車両後方側へ移動させられるようになる。したがって、第2締結ボルト66の移動や回動が許容された状態で第1締結ボルト60が長穴58により車両後方側へのみ直線的に移動させられるようになり、冷却ユニット10が車両後方側へ略平行移動させられるか、或いは、外力の加わり方によっては第2締結ボルト66が第1締結ボルト60を中心とする円弧方向へ回動するように揺動しながら車両後方側へ移動させられるなど、冷却ユニット10が一層円滑に車両後方側へ移動させられる。
【実施例2】
【0038】
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において前記実施例と実質的に共通する部分には、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0039】
図6は前記図1の(b) に相当する側面図で、左側の支持ブラケット70による支持構造を示す図であり、図7の(a) 、(b) は、それぞれ図6におけるVIIA−VIIA断面、VIIB−VIIB断面を拡大して示す断面図、図8は支持ブラケット70を単独で示す斜視図である。この支持ブラケット70は、前記支持ブラケット34と同様に固定板部42や支持板部44、連結板部46、48を一体に備えており、固定板部42がフロントサイドメンバ38の前端面に一体的に固設されるとともに、支持板部44でラジエータサポートサイド26を支持する。支持板部44には、ラジエータサポートサイド26の長手方向すなわち上下方向に離間して設定された第1支持点および第2支持点を支持する第1保持部72、第2保持部74が一体に設けられており、上側の第1保持部72は、締結穴76を通して第1締結ボルト78がラジエータサポートサイド26の補強プレート40に螺合されることにより、所定の支持強度でラジエータサポートサイド26を支持する。締結穴76は、第1締結ボルト78を通過させるだけの大きさで、第1締結ボルト78はこの締結穴76によって定められる一定の位置に位置決めされるが、所定の外力が作用した場合に冷却ユニット10が第1締結ボルト78の中心まわりに回動することは許容される。ラジエータサポートサイド26のうち第1締結ボルト78が螺合される部分が第1支持点に相当し、補強プレート40には、第1締結ボルト78が螺合されるナット部材が抵抗溶接等により予め一体的に固設されている。図7の(a) は、この第1支持点部分の横断面図である。
【0040】
下側の第2保持部74は、幅狭のくびれ80を介して下方へ突き出すように設けられた連結部82を備えており、その連結部82に設けられた貫通穴を通して第2締結ボルト84がラジエータサポートサイド26の補強プレート40に螺合されることにより、所定の支持強度でラジエータサポートサイド26を支持する。くびれ80は、前記くびれ62と同様に脆弱部として機能し、第2締結ボルト84に車両後方側へ所定値以上の外力が加えられた場合には、図9に示すようにくびれ80が破断して連結部82と共に第2締結ボルト84が離脱し、その第2締結ボルト84がラジエータサポートサイド26と共に第1支持点である第1締結ボルト78を中心とする円弧に沿って車両後方側へ回動することが許容される。冷却ユニット10の荷重によりくびれ80には引張方向の力が作用するため、そのくびれ80の存在に拘らず冷却ユニット10を所定の支持強度で適切に支持できる一方、車両後方側すなわち連結部82の延び出し方向と略直角な方向へ外力が作用した場合には、くびれ80にせん断方向の力が作用して比較的容易に破断するため、十分な支持強度を確保しつつ車両衝突時等には確実にくびれ80が破断して冷却ユニット10が車両後方側へ移動することが許容される。
【0041】
支持ブラケット70には、上記くびれ80の破断により第2保持部74から離脱した連結部82或いは第2締結ボルト84の頭部等と係合させられることにより、その第2締結ボルト84の車両後方側への回動を制限するストッパ部86が設けられている(図10参照)。また、第2保持部74の下端縁88は、第1締結ボルト78を中心とする円弧形状とされ、破断した連結部82や第2締結ボルト84が第1締結ボルト78を中心とする円弧に沿って前記実施例よりも大きく車両後方側へ回動することが許容されるようになっている(図8参照)。ラジエータサポートサイド26のうち第2締結ボルト84が螺合される部分が第2支持点に相当し、補強プレート40には、第2締結ボルト84が螺合されるナット部材が抵抗溶接等により予め一体的に固設されている。図7の(b) は、この第2支持点部分の横断面図である。
【0042】
このような車両用冷却ユニットの支持構造においては、第2支持点である第2締結ボルト84に車両後方側へ所定値以上の外力が作用した場合にくびれ80が破断することにより、第2締結ボルト84が支持ブラケット70から離脱し、車両後方側へ移動可能で且つ第1支持点である第1締結ボルト78を中心とする円弧方向へ回動可能とされる。このように、第2締結ボルト84すなわち第2支持点の移動の自由度が高く、第1締結ボルト78を中心とする円弧に沿って車両後方側へ回動することが許容されるため、冷却ユニット10は、図10に示すように第1締結ボルト78を中心として下側が車両後方側へ移動するように、こじり等を生じることなく安定して回動させられるようになり、バンパリインフォースメント12との接触による損傷が適切に抑制される。
【0043】
また、本実施例では、第2保持部74がくびれ80を介して第2締結ボルト84を支持しており、その第2締結ボルト84に所定値以上の外力が作用した場合にくびれ80が破断し、連結部82と共に第2締結ボルト84が第2保持部74から離脱するため、その状態では第1締結ボルト78のみが第1保持部72によって支持される状態となり、冷却ユニット10の車両後方側への回動が第2保持部74によって制約されることなく一層円滑に行なわれるようになる。
【0044】
また、くびれ80を介して下方へ延び出す連結部82に第2締結ボルト84を介して第2支持点が連結されているため、冷却ユニット10の荷重によりくびれ80には引張方向の力が作用することになり、脆弱なくびれ80の存在に拘らず冷却ユニット10を所定の支持強度で適切に支持できる一方、車両後方側すなわち連結部82の延び出し方向と略直角な方向へ外力が作用した場合には、くびれ80にせん断方向の力が作用して比較的容易に破断するため、十分な支持強度を確保しつつ車両衝突時等には確実にくびれ80が破断して冷却ユニット10が車両後方側へ移動することが許容される。
【0045】
また、本実施例では、くびれ80の破断により第2保持部74から離脱した第2締結ボルト84の車両後方側への回動がストッパ部86によって制限されるため、第2保持部74からの離脱に拘らず冷却ユニット10が所定の姿勢に維持され、近傍の他の部材との接触等による冷却ユニット10の損傷が回避される。
【0046】
なお、車両の幅方向において冷却ユニット10の右側にも支持ブラケット70と対称的に支持ブラケットが設けられ、その一対の支持ブラケットにより、冷却ユニット10の左右両側の上下方向に延びる一対の側縁部すなわちラジエータサポートサイド26、28をそれぞれ2箇所で支持している点は前記実施例と同じで、冷却ユニット10を所定の配設位置に一定の姿勢で安定して保持できるとともに、正面衝突時等には車両後方側へ回動することを許容して損傷を適切に抑制できる。
【実施例3】
【0047】
図11〜図14の実施例の支持ブラケット90は、上記実施例2の支持ブラケット70に比較して、第1保持部72に車両前後方向へ略水平に直線状の長穴92が設けられ、第1締結ボルト78がその長穴92に沿って車両後方側へ移動可能とされている点が相違する。図11は、前記図6に相当する側面図で、図12の(a) 、(b) は、それぞれ図11におけるXIIA−XIIA断面、XIIB−XIIB断面を拡大して示す断面図、図13は支持ブラケット90を単独で示す斜視図、図14は冷却ユニット10が車両後方側へ変位させられた状態を示す側面図である。
【0048】
第1締結ボルト78は、図11に示す通常の状態では長穴92の前端部において補強プレート40に螺合されるように、その長穴92の位置が定められており、正面衝突時等にバンパリインフォースメント12が冷却ユニット10に当接し、第1締結ボルト78に車両後方側へ所定値以上の外力が加えられた場合には、その第1締結ボルト78の締付力に抗して第1締結ボルト78がラジエータサポートサイド26と共に車両後方側へ直線的にスライド移動することが許容される(図14参照)。第1締結ボルト78の締付力は、くびれ80の破断強度よりも大きく、車両後方側へ外力が作用した場合に、くびれ80が破断した後に第1締結ボルト78の締付力に抗してその第1締結ボルト78が長穴92に案内されつつ車両後方側へ移動開始する。長穴92によってスライド機構が構成されている。
【0049】
本実施例では、前記実施例1と同様に第1支持点である第1締結ボルト78が長穴92によって車両後方側へ移動可能とされているため、車両後方側へ所定値以上の外力が作用した場合に、先ずくびれ80が破断することにより第2締結ボルト84が車両後方側へ移動可能で、且つ、第1支持点である第1締結ボルト78を中心とする円弧方向へ回動可能とされる。そして、その後に第1締結ボルト78に外力が集中して作用し、長穴92に案内されつつ車両後方側へ直線的に移動させられるようになると、例えばその第1締結ボルト78と共に第2締結ボルト84も車両後方側へ移動させられ、冷却ユニット10が車両後方側へ略平行移動させられる。或いは、外力の加わり方によっては、第2締結ボルト84が第1締結ボルト78を中心とする円弧方向へ回動するように、冷却ユニット10が揺動しながら車両後方側へ移動させられる。
【0050】
すなわち、前記実施例1に比較して、第1支持点(第1締結ボルト78)と第2支持点(第2締結ボルト84)との位置関係が上下反対であるものの、実質的に実施例1と同様の作用効果が得られる。特に、本実施例では第2保持部74の下端縁88が円弧形状とされているため、第2締結ボルト84側が第1締結ボルト78を中心とする円弧方向へ大きく回動することが可能で、第2締結ボルト84の移動の自由度が高く、冷却ユニット10がこじり等を生じることなく安定して車両後方側へ移動させられるようになり、バンパリインフォースメント12との接触による損傷が一層適切に抑制される。
【0051】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0052】
10:冷却ユニット 34、36、70、90:支持ブラケット 54、72:第1保持部 56、74:第2保持部 58、92:長穴(スライド機構) 60、78:第1締結ボルト(第1支持点) 62、80:くびれ(脆弱部) 64、82:連結部 66、84:第2締結ボルト(第2支持点) 68、86:ストッパ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状を成す冷却ユニットの直線状の一側縁部において、該一側縁部の長手方向に離間して設定された第1支持点および第2支持点が、車体側に一体的に固定される単一の支持ブラケットに設けられた第1保持部および第2保持部によってそれぞれ支持されている車両用冷却ユニットの支持構造において、
前記第2保持部は、前記第2支持点に車両後方側へ所定値以上の外力が作用した場合に破断して該第2支持点が該第2保持部から離脱することを許容する脆弱部を介して該第2支持点を支持しており、
該脆弱部の破断により、前記第2支持点は、車両後方側へ移動可能で且つ前記第1支持点を中心とする円弧方向へ回動可能とされる
ことを特徴とする車両用冷却ユニットの支持構造。
【請求項2】
前記支持ブラケットは、車両の幅方向において前記冷却ユニットの両側に一対配設され、該冷却ユニットの左右両側の上下方向に延びる一対の側縁部をそれぞれ前記第1保持部および前記第2保持部を介して支持しており、
前記第2保持部は、前記脆弱部を介して上方または下方へ延び出すとともに、前記第2支持点に連結されて該第2支持点を支持する連結部を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用冷却ユニットの支持構造。
【請求項3】
前記支持ブラケットは、前記脆弱部の破断により前記第2保持部から離脱した前記第2支持点と係合させられることにより、該第2支持点が車両後方側へ所定量以上移動することを制限するストッパ部を備えている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用冷却ユニットの支持構造。
【請求項4】
前記第1保持部は、前記第1支持点に車両後方側へ所定値以上の外力が作用した場合に該第1支持点が該車両後方側へのみ直線的に移動することを許容するスライド機構を備えている
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用冷却ユニットの支持構造。
【請求項5】
前記第2保持部は、車両後方側へ外力が作用した場合に、前記第1保持部によって支持されている前記第1支持点よりも先に前記第2支持点が該車両後方側へ移動することを許容するように、前記脆弱部の破断強度が定められている
ことを特徴とする請求項4に記載の車両用冷却ユニットの支持構造。
【請求項6】
前記第1支持点は車両後方側への移動不能に前記第1保持部によって支持されており、
前記第2支持点は、前記所定値以上の外力が作用して前記脆弱部が破断した場合に、前記第1支持点を中心とする円弧に沿って車両後方側へ回動させられる
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用冷却ユニットの支持構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2010−285045(P2010−285045A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−139671(P2009−139671)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【出願人】(000241496)豊田鉄工株式会社 (104)
【Fターム(参考)】