説明

車両用前照灯ユニット

【課題】投影レンズの後方に第1および第2光源ユニットが配置されてなるプロジェクタ型の車両用前照灯ユニットにおいて、その照射光により形成されるハイビーム用配光パターンを遠方視認性に優れたものとする。
【解決手段】第1光源ユニット14により、第1発光素子32からの光を、第1リフレクタ34で前方へ向けて光軸Ax寄りに反射させ、その一部を第1ミラー部材36で上方側へ反射させて、ロービーム用配光パターンを形成する。一方、第2光源ユニット16により、第2発光素子42からの光を、第2リフレクタ44および第2ミラー部材46で反射させて、ロービーム用配光パターンのカットオフラインから上方へ拡がるハイビーム用付加配光パターンを形成するとともに、第2発光素子42からの光を、第3リフレクタ48で反射させた後、投影レンズ12の下方空間を通過させて、カットオフラインを上下に跨ぐハイビーム用付加配光パターンを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、発光ダイオード等の発光素子を光源とするプロジェクタ型の車両用前照灯ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオード等の発光素子を光源とするプロジェクタ型の車両用前照灯ユニットが、多く提案されるようになってきている。
【0003】
その際「特許文献1」や「特許文献2」には、このような車両用前照灯ユニットにおいて、車両前後方向に延びる光軸上に配置された投影レンズと、この投影レンズの後方に配置された第1および第2光源ユニットとを備えた構成が記載されている。
【0004】
これら各特許文献に記載された車両用前照灯ユニットにおいては、その第1光源ユニットが、投影レンズの後側焦点よりも後方側において光軸近傍に配置された第1発光素子と、この第1発光素子を上方側から覆うように配置され、該第1発光素子からの光を前方へ向けて光軸寄りに反射させるように構成された第1リフレクタと、この第1リフレクタからの反射光の一部を上方側へ反射させるよう、投影レンズの後側焦点近傍から光軸に略沿って後方へ延びる上向き反射面を有する第1ミラー部材とを備えた構成となっている。そして、この第1光源ユニットの点灯により、上向き反射面の前端縁の反転投影像としてのカットオフラインを上端部に有する第1配光パターンを形成し、これによりロービーム用配光パターンまたはその一部を形成するようになっている。
【0005】
そして「特許文献1」に記載された車両用前照灯ユニットにおいては、その第2光源ユニットが、第1ミラー部材の上向き反射面の前端縁から灯具後方側へ向けて斜め下方へ延びる下向き反射面を有する第2ミラー部材と、光軸の下方において前方へ向けて斜め下向きに配置された第2発光素子と、この第2発光素子からの光を上方へ向けて反射させて第2ミラー部材の下向き反射面における投影レンズの後側焦点近傍部位に略収束させるように構成された第2リフレクタとを備えた構成となっている。そして、この第2光源ユニットの追加点灯により、ロービーム用配光パターンのカットオフラインの上方側に第2配光パターンを追加形成し、これによりハイビーム用配光パターンまたはその一部を形成するようになっている。
【0006】
一方「特許文献2」に記載された車両用前照灯ユニットにおいては、その第2光源ユニットが、光軸近傍において下向きに配置された第2発光素子と、この第2発光素子からの光を前方へ向けて集光反射させる第3リフレクタと、この第3リフレクタの前方に配置された付加投影レンズとを備えた構成となっている。そして、この第2光源ユニットの追加点灯により、ロービーム用配光パターンのカットオフラインを上下に跨ぐ第2配光パターンを追加形成し、これによりハイビーム用配光パターンまたはその一部を形成するようになっている。
【0007】
【特許文献1】特開2006−164735号公報
【特許文献2】特開2007−109493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記「特許文献1」や「特許文献2」に記載されているような車両用前照灯ユニットを採用すれば、第2光源ユニットの点消灯によりロービームとハイビームとのビーム切換えを行うことが可能となる。
【0009】
しかしながら、上記「特許文献1」に記載された車両用前照灯ユニットにおいては、カットオフラインの上下両側において互いに重複することなく形成される第1配光パターンと第2配光パターンとによりハイビーム用配光パターンを形成するようになっているので、第1ミラー部材の上向き反射面の前端縁(すなわち第1ミラー部材の上向き反射面と第2ミラー部材の下向き反射面との交線部分)が精度良く形成されていないと、ハイビーム用配光パターンにおけるカットオフラインに沿った部分に暗部が形成されてしまう、という問題がある。
【0010】
一方、上記「特許文献2」に記載された車両用前照灯ユニットにおいては、ハイビーム用配光パターンを形成する際、第1配光パターンに対してそのカットオフラインを上下に跨ぐようにして第2配光パターンを形成するようになっているので、カットオフラインに沿った部分が暗部となってしまうのを防止することはできるが、第1配光パターンにおけるカットオフライン上下の明暗差については、第2配光パターンを重畳しても十分緩和することができない、という問題がある。
【0011】
したがって、これら従来の車両用前照灯ユニットにおいては、ハイビーム用配光パターンを遠方視認性に優れたものとする上で、なお改善の余地がある。
【0012】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、投影レンズの後方に第1および第2光源ユニットが配置されてなるプロジェクタ型の車両用前照灯ユニットにおいて、その照射光により形成されるハイビーム用配光パターンを遠方視認性に優れたものとすることができる車両用前照灯の灯具ユニットを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願発明は、第2光源ユニットの構成に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0014】
すなわち、本願発明に係る車両用前照灯ユニットは、
発光素子を光源とする車両用前照灯ユニットにおいて、
車両前後方向に延びる光軸上に配置された投影レンズと、この投影レンズの後方に配置された第1および第2光源ユニットとを備えてなり、
上記第1光源ユニットが、上記投影レンズの後側焦点よりも後方側において上記光軸近傍に配置された第1発光素子と、この第1発光素子を上方側から覆うように配置され、該第1発光素子からの光を前方へ向けて上記光軸寄りに反射させるように構成された第1リフレクタと、この第1リフレクタからの反射光の一部を上方側へ反射させるよう、上記後側焦点近傍から上記光軸に略沿って後方へ延びる上向き反射面を有する第1ミラー部材とを備えてなり、
上記第2光源ユニットが、上記上向き反射面の前端縁から灯具後方側へ向けて斜め下方へ延びる下向き反射面を有する第2ミラー部材と、上記光軸の下方において前方へ向けて斜め下向きに配置された第2発光素子と、この第2発光素子からの光を上方へ向けて反射させて上記下向き反射面における上記後側焦点近傍部位に略収束させるように構成された第2リフレクタと、上記第2発光素子の下方に配置され、該第2発光素子からの光を、上記投影レンズの下方空間を通過させるようにして前方へ向けて反射させる第3リフレクタとを備えてなる、ことを特徴とするものである。
【0015】
上記「第1発光素子」および「第2発光素子」における「発光素子」とは、略点状に面発光する発光チップを有する素子状の光源を意味するものであって、その種類は特に限定されるものではなく、例えば、発光ダイオードやレーザダイオード等が採用可能である。
【0016】
上記「第1発光素子」は、光軸近傍において上向きに配置されているが、必ずしも鉛直上向きに配置されていることは必要でない。
【0017】
上記「第2発光素子」は、光軸の下方において前方へ向けて斜め下向きに配置されているが、その具体的な傾斜角度は特に限定されるものではない。
【0018】
上記第1ミラー部材の「上向き反射面」は、投影レンズの後側焦点近傍から光軸に略沿って後方へ延びるように形成され、第1リフレクタからの反射光の一部を上方側へ反射させるように構成されたものであれば、その具体的な反射面形状は特に限定されるものではない。
【0019】
上記第2ミラー部材の「下向き反射面」は、上向き反射面の前端縁から灯具後方側へ向けて斜め下方へ延びるように形成されたものであれば、その具体的な反射面形状や傾斜角度等は特に限定されるものではない。
【0020】
上記「第3リフレクタ」は、第2発光素子の下方に配置され、この第2発光素子からの光を、投影レンズの下方空間を通過させるようにして前方へ向けて反射させるように構成されたものであれば、その具体的な配置や反射面形状等は特に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0021】
上記構成に示すように、本願発明に係る車両用前照灯ユニットは、車両前後方向に延びる光軸上に配置された投影レンズと、この投影レンズの後方に配置された第1および第2光源ユニットとを備えているが、その第1光源ユニットは、投影レンズの後側焦点よりも後方側において光軸近傍に配置された第1発光素子と、この第1発光素子を上方側から覆うように配置され、該第1発光素子からの光を前方へ向けて光軸寄りに反射させるように構成された第1リフレクタと、この第1リフレクタからの反射光の一部を上方側へ反射させるよう、投影レンズの後側焦点近傍から光軸に略沿って後方へ延びる上向き反射面を有する第1ミラー部材とを備えた構成となっているので、この第1光源ユニットの点灯により、上向き反射面の前端縁の反転投影像としてのカットオフラインを上端部に有する第1配光パターンを形成し、これによりロービーム用配光パターンまたはその一部を形成することができる。
【0022】
また、本願発明に係る車両用前照灯ユニットにおける第2光源ユニットは、第1ミラー部材の上向き反射面の前端縁から灯具後方側へ向けて斜め下方へ延びる下向き反射面を有する第2ミラー部材と、光軸の下方において前方へ向けて斜め下向きに配置された第2発光素子と、この第2発光素子からの光を上方へ向けて反射させて第2ミラー部材の下向き反射面における投影レンズの後側焦点近傍部位に略収束させるように構成された第2リフレクタと、第2発光素子の下方に配置され、該第2発光素子からの光を、前方へ向けて投影レンズの下方空間を通過するように反射させる第3リフレクタとを備えた構成となっているので、この第2光源ユニットの追加点灯により、第2リフレクタからの反射光による第2配光パターンと第3リフレクタからの反射光による第3配光パターンとを追加形成することができ、これによりハイビーム用配光パターンまたはその一部を形成することができる。
【0023】
その際、第2配光パターンは、カットオフラインの上方側に第1配光パターンに隣接するようにしてこれと重複することなく形成されるので、第1配光パターンにおけるカットオフライン上下の明暗差を第2配光パターンの追加形成により十分緩和することができる。
【0024】
一方、第3配光パターンは、カットオフラインを上下に跨ぐようにして形成されるので、第1ミラー部材の上向き反射面と第2ミラー部材の下向き反射面との交線部分が精度良く形成されていないために、第1配光パターンと第2配光パターンとの合成配光パターンにおけるカットオフラインに沿った部分に暗部が形成されてしまったような場合においても、第3配光パターンの重畳によりこのカットオフラインに沿った部分が暗部となってしまうのを未然に防止することができる。
【0025】
このように本願発明に係る車両用前照灯ユニットにおいては、第2光源ユニットの追加点灯により、第1配光パターンに対して性質の異なる2種類の配光パターンが追加形成されるので、第1配光パターンにおけるカットオフライン上下の明暗差を十分緩和することができるとともに、カットオフラインに沿った部分が暗部となってしまうのを未然に防止することができる。
【0026】
そしてこれにより、本願発明に係る車両用前照灯ユニットからの照射光により形成されるハイビーム用配光パターンを遠方視認性に優れたものとすることができる。
【0027】
なお、上記「カットオフライン」は、第1ミラー部材における上向き反射面の前端縁の反転投影像として形成されるが、その具体的な形状は特に限定されるものではなく、例えば、水平方向に延びる水平カットオフラインとこの水平カットオフラインから斜め上方へ延びる斜めカットオフラインとからなる形状や、左右1対の水平カットオフラインが段違いで階段状に形成された形状等が採用可能である。
【0028】
上記構成において、第1ミラー部材と第2ミラー部材とを一体的に形成すれば、これら第1および第2ミラー部材相互の位置関係精度を高めることができるので、第1光源ユニットの点灯により形成される第1配光パターンに対して、第2光源ユニットにより形成される第2および第3配光パターンを所定の位置関係で精度良く形成することができる。また、このような構成を採用することにより、車両用前照灯ユニットのコンパクト化および部品点数の削減を図ることができる。
【0029】
上記構成において、第2リフレクタを、その後端部に切欠き部が形成された構成とするとともに、第3リフレクタを、第2リフレクタの切欠き部を通過した第2発光素子からの光をその反射面に入射させるように配置すれば、これら第2および第3リフレクタを無理のないレイアウトで配置した上で、第2発光素子からの光の多くを第2または第3リフレクタに入射させることができる。
【0030】
上記構成において、第3リフレクタを、第2発光素子近傍の点を焦点とするとともに光軸と略平行に延びる軸線を軸とする放物線により鉛直断面形状が形成された反射面を有する構成とすれば、第3リフレクタからの反射光により上下幅が比較的狭い第3配光パターンを形成することができ、これによりカットオフラインに沿った暗部の解消を効率良く行うことができる。
【0031】
上記構成において、第3リフレクタを、第2発光素子近傍の点を第1焦点とするとともに該第2発光素子と投影レンズとの間の所定点を第2焦点とする楕円により鉛直断面形状が形成された反射面を有する構成とした上で、投影レンズの下方近傍に、光軸と略平行に延びる付加光軸を有するとともに第2焦点近傍の点を後側焦点とする付加投影レンズが配置された構成すれば、付加投影レンズを介して前方へ照射される第3リフレクタからの反射光により上下幅が比較的狭い第3配光パターンを形成することができ、これによりカットオフラインに沿った暗部の解消を効率良く行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0033】
図1は、本願発明の一実施形態に係る車両用前照灯ユニット10を示す正面図である。また、図2は、図1のII-II
線断面図であり、図3は、図1のIII-III 線断面図である。
【0034】
これらの図に示すように、この車両用前照灯ユニット10は、車両前後方向に延びる光軸Ax上に配置された投影レンズ12と、この投影レンズ12の後方に配置された第1および第2光源ユニット14、16とを備えてなっている。
【0035】
この車両用前照灯ユニット10は、ヘッドランプの一部として組み込まれた状態で用いられる車両用前照灯ユニットであって、ヘッドランプに組み込まれた状態では、その光軸Axが車両前後方向に対して0.5〜0.6°程度下向きの方向に延びた状態で配置されるようになっている。
【0036】
投影レンズ12は、レンズホルダ22に固定支持されており、このレンズホルダ22は、光源ユニットホルダ24に固定支持されている。また、第1および第2光源ユニット14、16の、光源ユニットホルダ24に固定支持されている。
【0037】
投影レンズ12は、前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸非球面レンズからなり、その後側焦点Fを含む焦点面上の像を反転像として前方の仮想鉛直スクリーン上に投影するようになっている。
【0038】
第1光源ユニット14は、投影レンズ12の後側焦点Fよりも後方側において光軸Ax上に配置された第1発光素子32と、この第1発光素子32を上方側から覆うように配置され、該第1発光素子32からの光を前方へ向けて光軸Ax寄りに反射させるように構成された第1リフレクタ34と、この第1リフレクタ34からの反射光の一部を上方側へ反射させるよう、後側焦点Fの位置から光軸Axに沿って後方へ延びる上向き反射面36aを有する第1ミラー部材36とを備えてなっている。その際、第1ミラー部材36は、光源ユニットホルダ24の一部として構成されている。
【0039】
第1発光素子32は、0.3〜3mm四方程度の大きさの正方形の発光チップ32aを有する白色発光ダイオードであって、その発光チップ32aが光軸Ax上において鉛直上向きになるように配置された状態で、第1ミラー部材36の上向き反射面36aから後方へ延びる上面に形成された光源支持凹部36bに位置決め固定されている。
【0040】
第1リフレクタ34の反射面34aは、光軸Axと同軸の長軸を有するとともに第1発光素子32の発光中心を第1焦点とする略楕円面状の曲面で構成されている。その際、この反射面34aは、その光軸Axに沿った鉛直断面形状が後側焦点Fのやや前方に位置する点Aを第2焦点とする楕円形状に設定されており、その離心率が鉛直断面から水平断面へ向けて徐々に大きくなるように設定されている。そしてこれにより、第1リフレクタ34は、第1発光素子32からの光を、鉛直断面内においては点Aに収束させるとともに、水平断面内においてはその収束位置をかなり前方へ移動させるようになっている。この第1リフレクタ34は、その反射面34aの周縁下端部において第1ミラー部材36の上面に固定されている。
【0041】
第1ミラー部材36の上向き反射面36aは、該第1ミラー部材36の上面にアルミニウム蒸着等による鏡面処理を施すことにより形成されている。この上向き反射面36aは、光軸Axよりも左側に位置する左側領域が光軸Axを含む水平面で構成されており、光軸Axよりも右側に位置する右側領域が、短い斜面を介して左側領域よりも一段低い水平面で構成されている。そして、この上向き反射面36aの前端縁36a1は、後側焦点Fを含む焦点面に沿って延びるように形成されている。これにより、第1ミラー部材36は、その上向き反射面36aにおいて、第1リフレクタ34の反射面34aから投影レンズ12へ向かう反射光の一部を上向きに反射させて投影レンズ12に入射させ、これらを下向き光として投影レンズ12から出射させるようになっている。なお、上向き反射面36aは、その前端縁36a1から所定距離後方の位置までの、第1リフレクタ34からの反射光が入射し得る範囲内に形成されている。
【0042】
一方、第2光源ユニット16は、第1ミラー部材36における上向き反射面36aの前端縁36a1から灯具後方側へ向けて斜め下方へ延びる下向き反射面46aを有する第2ミラー部材46と、この第2ミラー部材46上において前方へ向けて斜め下向きに配置された第2発光素子42と、この第2発光素子42からの光を上方へ向けて反射させて下向き反射面46aにおける後側焦点Fの僅かに斜め下方に位置する点Bに略収束させるように構成された第2リフレクタ44と、第2発光素子42の下方に配置され、該第2発光素子42からの光を、投影レンズ12の下方空間を通過させるようにして前方へ向けて反射させる第3リフレクタ48とを備えてなっている。その際、第2ミラー部材46も、光源ユニットホルダ24の一部として構成されている。
【0043】
第2発光素子42の構成は、第1発光素子32と全く同様であり、その発光チップ42aが第2ミラー部材46の下向き反射面46aと略面一になるように配置された状態で、この下向き反射面46aからそのまま斜め下方へ延びる下向き傾斜面に形成された光源支持凹部46bに位置決め固定されている。
【0044】
第2リフレクタ44は、この第2発光素子42を前方斜め下方側から覆うように配置されている。この第2リフレクタ44の反射面44aは、第2発光素子42の発光中心と点Bとを結ぶ直線上に長軸を有するとともに発光素子42の発光中心を第1焦点とする略楕円面状の曲面で構成されている。その際、この反射面44aは、その長軸に沿った鉛直断面形状が、点Bを第2焦点とする楕円形状に設定されており、その離心率が鉛直断面からその左右両側へ向けて徐々に大きくなるように設定されている。そしてこれにより、第2リフレクタ44は、第2発光素子42からの光を、上下方向に関しては点Bに収束させるとともに、左右方向に関してはその収束度合を緩和させるようになっている。この第2リフレクタ44は、その反射面44aの周縁後端部において第2ミラー部材46の下向き傾斜面に固定されている。
【0045】
第2ミラー部材46の下向き反射面46aは、光軸Axを含む水平面に対して45°程度傾斜した平面で構成されている。これにより、図3に示すように、第2ミラー部材46は、その下向き反射面46aにおいて、第2リフレクタ44の反射面44aからの反射光の大半を前向きに反射させて、投影レンズ12に入射させるようになっている。なお、第2ミラー部材46の下向き反射面46aは、第1ミラー部材36における上向き反射面36aの前端縁36a1から所定距離斜め下後方の位置までの、第2リフレクタ44からの反射光が入射し得る範囲内に形成されている。
【0046】
第2リフレクタ44は、その後端部に切欠き部44bが形成されている。この切欠き部44bは、第2リフレクタ44を第2ミラー部材46の下向き傾斜面と略直交する平面に沿って切断することにより形成され、略半楕円状の切り口を有している。
【0047】
そして、第3リフレクタ48は、この切欠き部44bを通過した第2発光素子42からの光を、その反射面48aに入射させるように配置されている。
【0048】
この第3リフレクタ48の反射面48aは、第2発光素子42の発光中心を焦点とするとともに光軸Axと平行に延びる軸線Ax1を軸とする放物線により鉛直断面形状が形成されるとともに、上記軸線Ax1を軸とする双曲線によりその水平断面形状が形成されており、第2発光素子42からの光を、鉛直断面内においては平行光として反射させるとともに、水平断面内においては第2発光素子42からの光を左右両側へ拡散する光として反射させるようになっている。
【0049】
そしてこれにより、第3リフレクタ48は、第2発光素子42からの光を、投影レンズ12に入射させることなくそのまま車両前方へ向けて照射するようになっている。この第3リフレクタ48は、その反射面48aの周縁上端部において第2ミラー部材46の下端部に固定支持されている。
【0050】
図4および5は、車両用前照灯ユニット10から前方へ照射される光により、車両前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成される配光パターンを透視的に示す図であって、図4はロービーム用配光パターンPLを示しており、図5はハイビーム用配光パターンPHを示している。
【0051】
図4に示すロービーム用配光パターンPLは、第1光源ユニット14を点灯させたときに第1配光パターンとして形成されるようになっている。
【0052】
このロービーム用配光パターンPLは、左配光のロービーム用配光パターンであって、その上端縁に左右段違いのカットオフラインCL1、CL2を有している。このカットオフラインCL1、CL2は、灯具正面方向の消点であるH−Vを鉛直方向に通るV−V線を境にして左右段違いで水平方向に延びており、V−V線よりも右側の対向車線側部分が下段カットオフラインCL1として形成されるとともに、V−V線よりも左側の自車線側部分が、この下段カットオフラインCL1から傾斜部を介して段上がりになった上段カットオフラインCL2として形成されている。
【0053】
このロービーム用配光パターンPLは、第1リフレクタ34で反射した第1発光素子32からの光によって投影レンズ12の後側焦点面上に形成された第1発光素子32の像を、投影レンズ12により上記仮想鉛直スクリーン上に反転投影像として投影することにより形成され、そのカットオフラインCL1、CL2は、第1ミラー部材36の上向き反射面36aの前端縁36a1の反転投影像として形成されるようになっている。
【0054】
このロービーム用配光パターンPLにおいて、下段カットオフラインCL1とV−V線との交点であるエルボ点Eは、H−Vの0.5〜0.6°程度下方に位置している。これは光軸Axが車両前後方向に対して0.5〜0.6°程度下向きの方向に延びていることによるものである。そして、このロービーム用配光パターンPLにおいては、エルボ点Eを囲むようにして高光度領域であるホットゾーンHZLが形成されている。
【0055】
図5に示すハイビーム用配光パターンPHは、第1および第2光源ユニット14、16を同時点灯させたときに形成されるようになっている。
【0056】
このハイビーム用配光パターンPHは、ロービーム用配光パターンPLと、このロービーム用配光パターンPLに対して追加形成される2つのハイビーム用付加配光パターンPA、PBとの合成配光パターンとして形成されるようになっている。その際、ハイビーム用付加配光パターンPAは、第2リフレクタ44からの反射光により第2配光パターンとして形成される配光パターンであり、ハイビーム用付加配光パターンPBは、第3リフレクタ48からの反射光により第3配光パターンとして形成される配光パターンである。
【0057】
ハイビーム用付加配光パターンPAは、ロービーム用配光パターンPLのカットオフラインCL1、CL2から上方へ拡がるように形成されている。その際、このハイビーム用付加配光パターンPAは、ロービーム用配光パターンPLよりも小さい配光パターンとして形成され、その下端部がカットオフラインCL1、CL2に沿って形成されている。そして、このハイビーム用付加配光パターンPAにおいては、エルボ点Eを囲むようにして高光度領域であるホットゾーンHZAが形成されている。そして、このホットゾーンHZAとロービーム用配光パターンPLのホットゾーンHZLとでハイビーム用配光パターンPHのホットゾーンが構成されるようになっている。
【0058】
このハイビーム用付加配光パターンPAが、ロービーム用配光パターンPLよりも小さい配光パターンとして形成されるのは、第2リフレクタ44で反射した第2発光素子42からの光が、点B近傍において第2ミラー部材46の下向き反射面46aで前向きに反射して、投影レンズ12の後側焦点面をその後側焦点F近傍において通過することによるものである。また、ハイビーム用付加配光パターンPAの下端部がカットオフラインCL1、CL2に沿って形成されるのは、第2ミラー部材46の下向き反射面46aが、第1ミラー部材36の上向き反射面36aの前端縁36a1から灯具後方側へ向けて斜め下方へ延びていることによるものである。
【0059】
このハイビーム用付加配光パターンPAは、ロービーム用配光パターンPLに対して、そのカットオフラインCL1、CL2の上方側に第1配光パターンに隣接するようにしてこれと重複することなく形成されるので、ロービーム用配光パターンPLにおけるカットオフラインCL1、CL2の上下両側の明暗差が十分緩和されることとなる。
【0060】
ただし、第1ミラー部材36の上向き反射面36aと第2ミラー部材46の下向き反射面46aとの交線部分(すなわち上向き反射面36aの前端縁36a1)が精度良く形成されていないと、ロービーム用配光パターンPLとハイビーム用付加配光パターンPAとの合成配光パターンにおけるカットオフラインCL1、CL2に沿った部分に暗部が形成されてしまうこととなる。
【0061】
一方、ハイビーム用付加配光パターンPBは、ロービーム用配光パターンPLのカットオフラインCL1、CL2を上下に跨ぐようにして形成されている。その際、このハイビーム用付加配光パターンPBは、エルボ点Eを中心にして左右両側に細長く延びる横長の配光パターンとして形成されている。
【0062】
このハイビーム用付加配光パターンPBが、エルボ点Eを中心にして左右両側に細長く延びる横長の配光パターンとして形成されるのは、第3リフレクタ48で反射した第2発光素子42からの光が、上下方向に関しては、光軸Axと平行な光となり、水平に関しては、左右両側に拡散する光となることによるものである。
【0063】
このハイビーム用付加配光パターンPBは、カットオフラインCL1、CL2を上下に跨ぐようにして形成されるので、ロービーム用配光パターンPLとハイビーム用付加配光パターンPAとの合成配光パターンにおけるカットオフラインCL1、CL2に沿った部分に暗部が形成されてしまうようなことがあっても、このハイビーム用付加配光パターンPBの重畳により上記暗部の発生が未然に防止されることとなる。
【0064】
なお、本実施形態に係る車両用前照灯ユニット10が、実際のヘッドランプに組み込まれる際には、複数の車両用前照灯ユニット10が組み込まれるようになっている。そしてこれにより、ヘッドランプ全体のロービーム用配光パターン、ハイビーム用配光パターンとしては、図4、5に示すロービーム用配光パターンPL、ハイビーム用配光パターンPHが複数重畳された配光パターンとして形成されるようになっている。もっとも、第1発光素子32および第2発光素子42の光源光束が十分に確保されれば、単一の車両用前照灯ユニット10でヘッドランプを構成することも可能である。
【0065】
以上詳述したように、本実施形態に係る車両用前照灯ユニット10は、車両前後方向に延びる光軸Ax上に配置された投影レンズ12と、この投影レンズ12の後方に配置された第1および第2光源ユニット14、16とを備えているが、その第1光源ユニット14は、投影レンズ12の後側焦点Fよりも後方側において光軸Ax上に配置された第1発光素子32と、この第1発光素子32を上方側から覆うように配置され、該第1発光素子32からの光を前方へ向けて光軸Ax寄りに反射させるように構成された第1リフレクタ34と、この第1リフレクタ34からの反射光の一部を上方側へ反射させるよう、投影レンズ12の後側焦点Fから光軸Axに沿って後方へ延びる上向き反射面36aを有する第1ミラー部材36とを備えた構成となっているので、この第1光源ユニット14の点灯により、その第1ミラー部材36の上向き反射面36aの前端縁36a1の反転投影像としての鮮明なカットオフラインCL1、CL2を上端部に有するロービーム用配光パターンPLを形成することができる。
【0066】
また、本実施形態に係る車両用前照灯ユニット10における第2光源ユニット16は、第1ミラー部材36の上向き反射面36aの前端縁36a1から灯具後方側へ向けて斜め下方へ延びる下向き反射面46aを有する第2ミラー部材46と、光軸Axの下方に配置された第2発光素子42と、この第2発光素子42からの光を上方へ向けて反射させて第2ミラー部材46の下向き反射面46aにおける投影レンズ12の後側焦点F近傍の点Bに略収束させるように構成された第2リフレクタ44と、第2発光素子42の下方に配置され、該第2発光素子42からの光を、前方へ向けて投影レンズ12の下方空間を通過するように反射させる第3リフレクタ48とを備えた構成となっているので、この第2光源ユニット16の追加点灯により、第2リフレクタ44からの反射光によるハイビーム用付加配光パターンPAと、第3リフレクタ48からの反射光によるハイビーム用付加配光パターンPBとを追加形成することができ、これによりハイビーム用配光パターンPHを形成することができる。
【0067】
その際、ハイビーム用付加配光パターンPAは、カットオフラインCL1、CL2の上方側にロービーム用配光パターンPLに隣接するようにしてこれと重複することなく形成されるので、ロービーム用配光パターンPLにおけるカットオフラインCL1、CL2上下の明暗差をハイビーム用付加配光パターンPAの追加形成により十分緩和することができる。
【0068】
一方、ハイビーム用付加配光パターンPBは、カットオフラインCL1、CL2を上下に跨ぐようにして形成されるので、第1ミラー部材36の上向き反射面36aと第2ミラー部材46の下向き反射面46aとの交線部分(すなわち上向き反射面36aの前端縁36a1)が精度良く形成されていないために、ロービーム用配光パターンPLとハイビーム用付加配光パターンPAとの合成配光パターンにおけるカットオフラインCL1、CL2に沿った部分に暗部が形成されてしまったような場合においても、ハイビーム用付加配光パターンPBの重畳によりこのカットオフラインCL1、CL2に沿った部分が暗部となってしまうのを未然に防止することができる。
【0069】
このように本実施形態に係る車両用前照灯ユニット10においては、第2光源ユニット16の追加点灯により、ロービーム用配光パターンPLに対して性質の異なる2種類のハイビーム用付加配光パターンPA、PBが追加形成されるので、ロービーム用配光パターンPLにおけるカットオフラインCL1、CL2の上下両側の明暗差を十分緩和することができるとともに、カットオフラインCL1、CL2に沿った部分が暗部となってしまうのを未然に防止することができる。
【0070】
そしてこれにより、本実施形態に係る車両用前照灯ユニット10からの照射光により形成されるハイビーム用配光パターンPHを遠方視認性に優れたものとすることができる。
【0071】
その際、本実施形態においては、第1ミラー部材36と第2ミラー部材46とが光源ユニットホルダ24として一体的に形成されているので、これら第1および第2ミラー部材36、46相互の位置関係精度を高めることができる。そしてこれにより、第1光源ユニット14の点灯により形成されるロービーム用配光パターンPLに対して、第2光源ユニット16により形成されるハイビーム用付加配光パターンPAを所定の位置関係で精度良く形成することができる。さらに、第1ミラー部材36と第2ミラー部材46とが一体的に形成されていることにより、車両用前照灯ユニット10のコンパクト化および部品点数の削減を図ることができる。
【0072】
また、本実施形態における第2光源ユニット16は、その第2リフレクタ44が、該第2リフレクタ44の後端部に切欠き部44bが形成された構成となっているとともに、その第3リフレクタ48が、この切欠き部44bを通過した第2発光素子42からの光をその反射面48aに入射させるように配置されているので、これら第2および第3リフレクタ44、48を無理のないレイアウトで配置した上で、第2発光素子42からの光の多くを第2または第3リフレクタ44、48に入射させることができる。
【0073】
さらに本実施形態においては、第2光源ユニット16の第3リフレクタ48が、第2発光素子42の発光中心を焦点とするとともに光軸Axと平行に延びる軸線Ax1を軸とする放物線により鉛直断面形状が形成された反射面48aを有しているので、この第3リフレクタ48からの反射光により上下幅が比較的狭いハイビーム用付加配光パターンPBを形成することができ、これによりカットオフラインCL1、CL2に沿った暗部の解消を効率良く行うことができる。
【0074】
また、本実施形態の構成を採用することにより、第1発光素子32と第2発光素子42とを互いに十分離れた位置に配置することができるので、これら各発光素子32、42に対する放熱性を高めることができる。
【0075】
なお、上記実施形態においては、ハイビーム用付加配光パターンPBを横長の配光パターンとするため、第3リフレクタ48の反射面48aにおける水平断面形状が双曲線であるものとして説明したが、このような構成とする代わりに、第3リフレクタ48の反射面48aを複数の水平拡散素子が形成された構成とすることも可能である。
【0076】
また、上記実施形態においては、第3リフレクタ48の反射面48aにおける鉛直断面形状を形成する放物線の軸が、光軸Axと平行に延びる軸線Ax1であるものとして説明したが、ハイビーム用付加配光パターンPBがカットオフラインCL1、CL2に跨るように形成される範囲内であれば、この軸線Ax1よりも多少上向きあるいは下向きに延びる軸線とすることも可能である。
【0077】
上記実施形態においては、第2発光素子42が第2ミラー部材46上に配置されているものとして説明したが、この第2発光素子42は、光軸Axの下方に配置されていれば、第2ミラー部材46以外の部材に支持された構成とすることも可能である。
【0078】
次に上記実施形態の変形例について説明する。
【0079】
図6は、本変形例に係る車両用前照灯ユニット110を示す、図2と同様の図である。
【0080】
同図に示すように、この車両用前照灯ユニット110は、その投影レンズ12および第1光源ユニット14の構成については上記実施形態の場合と全く同様であるが、その第2光源ユニット116の構成が上記実施形態の場合と異なっている。
【0081】
すなわち、変形例の第2光源ユニット116における第2ミラー部材46、第2発光素子42および第2リフレクタ44の構成は、上記実施形態の第2光源ユニット16との場合と同様であるが、その第3リフレクタ148の構成が、上記実施形態の第3リフレクタ48と異なっている。また、この第2光源ユニット116においては、その第3リフレクタ148の前方に付加投影レンズ150が配置された構成となっている。
【0082】
この付加投影レンズ150は、投影レンズ12の下方近傍に位置されており、レンズホルダ22と一体的に形成された付加ホルダ部122aに固定支持されている。この付加投影レンズ150は、前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸レンズからなり、光軸Axと平行に延びる付加光軸Ax2を有している。そして、この付加投影レンズ150は、その後側焦点Faを含む焦点面上の像を反転像として前方の仮想鉛直スクリーン上に投影するようになっている。
【0083】
第3リフレクタ148は、第2発光素子42の発光中心を第1焦点とするとともに該第2発光素子42と投影レンズ12との間の所定点(具体的には、付加投影レンズ150の後側焦点Faの位置)を第2焦点とする楕円により鉛直断面形状が形成されるとともに、その離心率が鉛直断面から水平断面へ向けて徐々に大きくなるように設定された反射面148aを有している。そしてこれにより、第3リフレクタ148は、第2発光素子42からの光を、鉛直断面内においては付加投影レンズ150の後側焦点Faに収束させるとともに、水平断面内においてはその収束位置をやや前方へ移動させるようになっている。
【0084】
そしてこれにより、第3リフレクタ148は、第2発光素子42からの光を、投影レンズ12に入射させることなく、その下方近傍に配置された付加投影レンズ150に入射させ、この付加投影レンズ150を介して車両前方へ向けて照射するようになっている。この第3リフレクタ148は、その反射面148aの周縁上端部において第2ミラー部材46の下端部に固定支持されている。
【0085】
本変形例の構成を採用した場合においても、付加投影レンズ150を介して前方へ照射される第3リフレクタ148からの反射光により上下幅が比較的狭い第3配光パターン(すなわち上記実施形態におけるハイビーム用付加配光パターンPBと同様の配光パターン)を形成することができ、これによりカットオフラインCL1、CL2に沿った暗部の解消を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本願発明の一実施形態に係る車両用前照灯ユニットを示す正面面
【図2】図1のII-II 線断面図
【図3】図1のIII-III 線断面図
【図4】上記車両用前照灯ユニットから前方へ照射される光により、車両前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成されるロービーム用配光パターンを透視的に示す図
【図5】上記車両用前照灯ユニットから前方へ照射される光により、上記仮想鉛直スクリーン上に形成されるハイビーム用配光パターンを透視的に示す図
【図6】上記実施形態の変形例に係る車両用前照灯ユニットを示す、図2と同様の図
【符号の説明】
【0087】
10、110 車両用前照灯ユニット
12 投影レンズ
14 第1光源ユニット
16、116 第2光源ユニット
22 レンズホルダ
24 光源ユニットホルダ
32 第1発光素子
32a、42a 発光チップ
34 第1リフレクタ
34a、44a、48a、148a 反射面
36 第1ミラー部材
36a 上向き反射面
36a1 前端縁
36b、46b 光源支持凹部
42 第2発光素子
44 第2リフレクタ
44b 切欠き部
46 第2ミラー部材
46a 下向き反射面
48、148 第3リフレクタ
122a 付加ホルダ部
150 付加投影レンズ
A、B 点
Ax 光軸
Ax1 軸線
Ax2 付加光軸
CL1 下段カットオフライン
CL2 上段カットオフライン
E エルボ点
F、Fa 後側焦点
HZA、HZL ホットゾーン
PA、PB ハイビーム用付加配光パターン
PH ハイビーム用配光パターン
PL ロービーム用配光パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子を光源とする車両用前照灯ユニットにおいて、
車両前後方向に延びる光軸上に配置された投影レンズと、この投影レンズの後方に配置された第1および第2光源ユニットとを備えてなり、
上記第1光源ユニットが、上記投影レンズの後側焦点よりも後方側において上記光軸近傍に配置された第1発光素子と、この第1発光素子を上方側から覆うように配置され、該第1発光素子からの光を前方へ向けて上記光軸寄りに反射させるように構成された第1リフレクタと、この第1リフレクタからの反射光の一部を上方側へ反射させるよう、上記後側焦点近傍から上記光軸に略沿って後方へ延びる上向き反射面を有する第1ミラー部材とを備えてなり、
上記第2光源ユニットが、上記上向き反射面の前端縁から灯具後方側へ向けて斜め下方へ延びる下向き反射面を有する第2ミラー部材と、上記光軸の下方において前方へ向けて斜め下向きに配置された第2発光素子と、この第2発光素子からの光を上方へ向けて反射させて上記下向き反射面における上記後側焦点近傍部位に略収束させるように構成された第2リフレクタと、上記第2発光素子の下方に配置され、該第2発光素子からの光を、上記投影レンズの下方空間を通過させるようにして前方へ向けて反射させる第3リフレクタとを備えてなる、ことを特徴とする車両用前照灯ユニット。
【請求項2】
上記第1ミラー部材と上記第2ミラー部材とが一体的に形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用前照灯ユニット。
【請求項3】
上記第2リフレクタの後端部に切欠き部が形成されており、
上記第3リフレクタが、上記第2リフレクタの切欠き部を通過した上記第2発光素子からの光を、該第3リフレクタの反射面に入射させるように配置されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用前照灯ユニット。
【請求項4】
上記第3リフレクタが、上記第2発光素子近傍の点を焦点とするとともに上記光軸と略平行に延びる軸線を軸とする放物線により鉛直断面形状が形成された反射面を有している、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の車両用前照灯ユニット。
【請求項5】
上記第3リフレクタが、上記第2発光素子近傍の点を第1焦点とするとともに該第2発光素子と上記投影レンズとの間の所定点を第2焦点とする楕円により鉛直断面形状が形成された反射面を有しており、
上記投影レンズの下方近傍に、上記光軸と略平行に延びる付加光軸を有するとともに上記第2焦点近傍の点を後側焦点とする付加投影レンズが配置されている、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか車両用前照灯ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−99413(P2009−99413A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−270489(P2007−270489)
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【出願人】(000001133)株式会社小糸製作所 (1,575)
【Fターム(参考)】